1 00:00:12,179 --> 00:00:16,016 (優)これは つながってるようで バラバラで➨ 2 00:00:16,016 --> 00:00:18,318 バラバラのようで つながってる…。 3 00:00:20,354 --> 00:00:22,556 そんな 家族の話。 4 00:00:26,226 --> 00:00:28,395 《才華学園。 5 00:00:28,395 --> 00:00:33,400 才能あふれる生徒たちが 己を磨く 学びや。 6 00:00:33,400 --> 00:00:36,904 芸能 体育 進学科を備え➨ 7 00:00:36,904 --> 00:00:41,041 それぞれにおいて 最高レベルの教育が提供される。 8 00:00:41,041 --> 00:00:46,880 さて そんな超名門校に転入した 俺はといえば…》 9 00:00:46,880 --> 00:00:49,883 うぼあ! うっ…。 10 00:00:49,883 --> 00:00:54,388 うぬぬ… 弱い! 弱すぎるぞ 綾世優! 11 00:00:54,388 --> 00:00:57,724 それでも あの 綾世昴の息子か! ハァハァハァ…。 12 00:00:57,724 --> 00:01:00,494 あれが 天才女優の息子か。 13 00:01:00,494 --> 00:01:04,665 進学科のテストはイマイチ。 ここから どう巻き返すか。 14 00:01:04,665 --> 00:01:08,168 天才が実力を隠す… よくあることだ。 15 00:01:08,168 --> 00:01:10,170 だな。 ハァハァ…。 16 00:01:10,170 --> 00:01:14,841 《そう… 俺の母親は あの 綾世昴だ。 17 00:01:14,841 --> 00:01:18,845 国内外で名の知れた大女優。 18 00:01:18,845 --> 00:01:21,181 その美貌と演技は もとより➨ 19 00:01:21,181 --> 00:01:23,850 危険なアクションも 自らこなし➨ 20 00:01:23,850 --> 00:01:27,020 海外の超名門大学を 首席で卒業した➨ 21 00:01:27,020 --> 00:01:29,356 不世出の天才》 22 00:01:29,356 --> 00:01:32,526 どうした 綾世優。 本気を出せ 本気を! 23 00:01:32,526 --> 00:01:34,528 君に どんな才能があるか➨ 24 00:01:34,528 --> 00:01:38,198 各学科のトップ あの三帝が知りたがっているんだ。 25 00:01:38,198 --> 00:01:41,201 ハァ… だから 言ってるでしょ➨ 26 00:01:41,201 --> 00:01:43,370 格闘技の経験なんてないって! 27 00:01:43,370 --> 00:01:45,872 いいから さっさと かかってこい。 28 00:01:45,872 --> 00:01:48,041 またか…。 29 00:01:48,041 --> 00:01:50,043 俺は 母さんじゃない! 30 00:01:50,043 --> 00:01:52,045 あっ…。 (生徒たち)あっ…。 31 00:01:52,045 --> 00:01:54,047 ないっつうの! 32 00:01:57,884 --> 00:02:00,687 えっ? もしかして あいつ…。 33 00:02:00,687 --> 00:02:03,690 フゥ…。 34 00:02:03,690 --> 00:02:06,860 お前 ナメてんのか! わぁ~! 35 00:02:06,860 --> 00:02:10,197 (2人)ポンコツ!? あ~…。 36 00:02:10,197 --> 00:02:12,499 ポンコツ? あの 綾世昴の息子が? 37 00:02:12,499 --> 00:02:14,668 マジかよ。 なんてこった。 38 00:02:14,668 --> 00:02:17,871 《天才の息子は 天才…。 39 00:02:17,871 --> 00:02:21,541 勝手に期待され 勝手に ガッカリされる。 40 00:02:21,541 --> 00:02:25,379 この 一連の流れが 俺のお決まりのコース。 41 00:02:25,379 --> 00:02:29,683 今年で 17… さすがに慣れた》 42 00:02:29,683 --> 00:02:33,687 ったく…。 こんな言葉を 知っていますか? えっ? 43 00:02:33,687 --> 00:02:38,358 凡人ほど 才能に固執する… ってね。 44 00:02:38,358 --> 00:02:42,029 あっ! だ… 大女優の目力…。 45 00:02:42,029 --> 00:02:44,031 顔だけは強い。 46 00:02:44,031 --> 00:02:46,867 ハッ! フンフン フンフン… 言うな! 47 00:02:46,867 --> 00:02:49,403 そのカッコで言うんじゃねえ! 48 00:02:49,403 --> 00:02:52,572 つうか この中で お前が いちばん凡人だろうが! 49 00:02:52,572 --> 00:02:55,208 んっ… もちろん。 えっ? 50 00:02:55,208 --> 00:02:57,411 だから 言えるんですよ。 51 00:02:57,411 --> 00:03:01,681 今まで 才能を いちばん近くで見てきましたから。 52 00:03:01,681 --> 00:03:04,818 じゃあ もう行きますね。 あっさり!? 53 00:03:04,818 --> 00:03:07,320 ま… 負け慣れてやがる。 54 00:03:07,320 --> 00:03:09,322 まずいっすよ 副部長。 55 00:03:09,322 --> 00:03:11,324 体育科でも ポンコツだったなんて➨ 56 00:03:11,324 --> 00:03:14,661 あの三帝が 期待してるってのに。 やべっ。 57 00:03:14,661 --> 00:03:18,698 こうなりゃ 何か出るまで…。 えっ? 58 00:03:18,698 --> 00:03:21,868 しごき倒す! 59 00:03:21,868 --> 00:03:25,539 どわっ! 60 00:03:25,539 --> 00:03:27,507 あっ…。 61 00:03:29,543 --> 00:03:32,212 (二琥) 素人 深追いしてんじゃねえよ。 62 00:03:32,212 --> 00:03:35,348 武芸の恥だ。 (部員たち)ぶ… 部長! 63 00:03:35,348 --> 00:03:39,519 (三和)さっすが 大女優の息子 注目の的っすね~。 64 00:03:39,519 --> 00:03:41,855 (一輝)テストの結果は出たのか? 65 00:03:41,855 --> 00:03:47,194 (ざわめき) 66 00:03:47,194 --> 00:03:49,196 おい あの方は…。 67 00:03:49,196 --> 00:03:51,198 (3人)うわ~…。 68 00:03:51,198 --> 00:03:55,402 芸能科の一輝様よ。 出る公演は チケット即完売! 69 00:03:55,402 --> 00:03:59,906 海外からも評価の高い 劇団のスター! 70 00:03:59,906 --> 00:04:03,143 進学科の三和さんだ。 入試は 全教科満点! 71 00:04:03,143 --> 00:04:07,981 最年少タイトルホルダー 将棋界 期待の新星! 72 00:04:07,981 --> 00:04:09,983 体育科の二琥さんだ。 73 00:04:09,983 --> 00:04:13,653 幼いときから あらゆる 武道系の大会を制してきた猛者! 74 00:04:13,653 --> 00:04:16,656 まさに 鬼! 75 00:04:16,656 --> 00:04:20,994 三帝だ! 三帝が集結したぞ! 76 00:04:20,994 --> 00:04:25,499 《三帝って… まさか 各学科のトップ!? 77 00:04:25,499 --> 00:04:30,003 この3人が 学園に君臨する帝王…》 78 00:04:30,003 --> 00:04:32,806 やあ 転校生。 79 00:04:35,008 --> 00:04:38,345 《全員… 女子?》 80 00:04:38,345 --> 00:04:43,350 (一輝)それで? テストの結果は? そ… それが 一輝様…。 81 00:04:43,350 --> 00:04:46,186 ふ~ん…。 82 00:04:46,186 --> 00:04:49,689 うわっ。 才能ゼロの凡人? 83 00:04:49,689 --> 00:04:51,691 えっと…。 84 00:04:51,691 --> 00:04:55,195 なんだ 体育科で 鍛えてやろうと思ったのに。 85 00:04:55,195 --> 00:04:58,198 つまんないやつ。 86 00:04:58,198 --> 00:05:02,302 残念だが お前の行き先はないな。 87 00:05:02,302 --> 00:05:05,805 何もできないやつは 用なしだ。 88 00:05:05,805 --> 00:05:10,343 ご心配なく。 最初から 普通科に行くって決めてるんで。 89 00:05:10,343 --> 00:05:12,646 普通科? 90 00:05:12,646 --> 00:05:16,516 普通科… だと? 91 00:05:16,516 --> 00:05:19,853 (3人)普通科なんてあったか? 忘れてる!? 92 00:05:19,853 --> 00:05:21,855 ゴホン…。 93 00:05:21,855 --> 00:05:24,491 もう 用はないですよね? さよなら。 94 00:05:24,491 --> 00:05:27,494 待て。 わっ… と。 なんですか? 95 00:05:27,494 --> 00:05:30,830 道場の掃除が残ってる。 んっ…。 96 00:05:30,830 --> 00:05:34,167 ここで テストさせたの あなたたちの科ですよね? 97 00:05:34,167 --> 00:05:36,837 なんで 部外者の俺が やらなきゃいけないんですか! 98 00:05:36,837 --> 00:05:38,839 (二琥)さっさとやれ。 99 00:05:38,839 --> 00:05:42,375 後始末は 敗者の役目だ。 くっ…。 100 00:05:42,375 --> 00:05:46,179 はいつくばってでも キレイにしろ。 負け犬らしくな。 101 00:05:46,179 --> 00:05:48,181 帰るぞ。 (一輝)ああ。 102 00:05:48,181 --> 00:05:50,684 (三和)時間の無駄だったっすね~。 103 00:05:50,684 --> 00:05:54,020 あの 綾世昴の息子が凡人とか…。 104 00:05:54,020 --> 00:05:59,025 残念すぎだろ。 なんか ガッカリ…。 105 00:05:59,025 --> 00:06:03,129 (引き戸の閉まる音) 106 00:06:03,129 --> 00:06:06,132 (二琥)よし 基礎練やるぞ! (部員たち)オッス! 107 00:06:06,132 --> 00:06:08,802 んっ… なんだ? (引き戸の開く音) 108 00:06:08,802 --> 00:06:11,471 めちゃくちゃキレイになってんぞ。 すげえ! 109 00:06:11,471 --> 00:06:13,473 畳も 新品みたい。 110 00:06:13,473 --> 00:06:16,476 あっ…。 111 00:06:16,476 --> 00:06:18,645 ハァ…。 112 00:06:18,645 --> 00:06:20,814 《ガッカリね。 113 00:06:20,814 --> 00:06:23,817 まっ 俺も ずっと そう思ってたけど》 114 00:06:25,819 --> 00:06:27,821 《小さいころ 俺は➨ 115 00:06:27,821 --> 00:06:31,992 さすが 母さんの子だって 認めてほしかった》 116 00:06:31,992 --> 00:06:35,161 《みんな なに騒いでんだよ。 117 00:06:35,161 --> 00:06:37,664 俺が なんとかしてやる。 118 00:06:37,664 --> 00:06:41,501 任せろ。 よし 行くぞ! 119 00:06:41,501 --> 00:06:43,503 うん。 120 00:06:47,340 --> 00:06:49,342 あっ…。 121 00:06:49,342 --> 00:06:54,681 (昴)あなたこそ ずっと探していた運命の人。 122 00:06:54,681 --> 00:06:59,686 すべてをささげるわ… 最後の刻まで。 123 00:06:59,686 --> 00:07:01,821 《気付いてしまった。 124 00:07:01,821 --> 00:07:06,092 母さんと俺… 天才と凡人は違うんだ》 125 00:07:10,497 --> 00:07:12,499 フッ! わぁ! 126 00:07:12,499 --> 00:07:14,634 《現実を知れば知るほど➨ 127 00:07:14,634 --> 00:07:18,138 俺は 母さんとの距離を 置いてしまった。 128 00:07:18,138 --> 00:07:20,640 母さんと俺…。 129 00:07:20,640 --> 00:07:23,343 たった二人の家族なのに》 130 00:07:26,980 --> 00:07:30,817 《なんにも気付かなかった。 131 00:07:30,817 --> 00:07:35,989 あのころ 母さんは よく 自分の出演作を見返していた。 132 00:07:35,989 --> 00:07:40,160 母さんが 母親役で出てたホームドラマ。 133 00:07:40,160 --> 00:07:44,998 母さんがやるにしては 地味な役だったけど…》 134 00:07:44,998 --> 00:07:47,500 俺 それ好き。 えっ? 135 00:07:47,500 --> 00:07:50,003 おっと… い… いや その…。 136 00:07:50,003 --> 00:07:54,507 (昴)私も このホームドラマが いちばん好き。 137 00:07:54,507 --> 00:07:57,510 えっ… そうなんだ。 138 00:07:57,510 --> 00:07:59,846 優は このドラマの どこが好き? 139 00:07:59,846 --> 00:08:03,283 いや 別に… 超普通のとこだよ。 140 00:08:03,283 --> 00:08:05,285 うんと…。 141 00:08:05,285 --> 00:08:08,455 毎回 最後 みんなで ごはん食べるじゃん。 142 00:08:08,455 --> 00:08:12,625 なんてことない話しながら 楽しそうに笑い合って。 143 00:08:12,625 --> 00:08:16,463 いいよね そこ。 う… うん》 144 00:08:16,463 --> 00:08:21,134 < その日 数年ぶりに 母さんと向き合えた気がした。 145 00:08:21,134 --> 00:08:25,839 このときになって やっと わかった。 146 00:08:25,839 --> 00:08:28,007 母さんも ずっと➨ 147 00:08:28,007 --> 00:08:31,578 このドラマみたいな家族に 憧れていたんだと…> 148 00:08:50,330 --> 00:08:52,866 《幸せな家族か。 149 00:08:52,866 --> 00:08:55,034 どんなものか わからないけど…》 150 00:08:55,034 --> 00:08:57,704 うん。 《頑張ろう。 151 00:08:57,704 --> 00:09:01,608 母さんと俺が 間に合わなかった分まで》 152 00:09:01,608 --> 00:09:05,278 帝乃… よし ここだ。 153 00:09:05,278 --> 00:09:08,448 うわっ 大きな家! 154 00:09:08,448 --> 00:09:11,618 お邪魔しま~す。 (解錠音) 155 00:09:11,618 --> 00:09:16,122 帝乃さん 入っていいって言ってたよな。 156 00:09:16,122 --> 00:09:18,792 うわっ 大豪邸じゃん! 157 00:09:18,792 --> 00:09:22,629 うわ~ すごっ… 天井たっか! 158 00:09:22,629 --> 00:09:26,132 《何もんですか? 帝乃さん…》 159 00:09:26,132 --> 00:09:29,636 あっ。 とりあえず 挨拶のお土産を…。 160 00:09:32,138 --> 00:09:35,308 んっ? この コソドロが! 161 00:09:35,308 --> 00:09:37,644 うわっ! くっ とっ あっ…。 162 00:09:37,644 --> 00:09:40,146 わぁ~! 163 00:09:40,146 --> 00:09:43,983 (二琥)おい。 《だ… 誰? 家の人? 164 00:09:43,983 --> 00:09:46,486 俺 泥棒だと思われてる?》 165 00:09:46,486 --> 00:09:49,322 す… すみません! 怪しい者じゃありません! 166 00:09:49,322 --> 00:09:52,659 お前 ここで何してやがんだ 転校生! 167 00:09:52,659 --> 00:09:54,828 へっ? 168 00:09:54,828 --> 00:09:57,497 に… 二琥さん? 169 00:09:57,497 --> 00:10:01,000 こ… こんばんは。 何してんだって聞いてんだ! 170 00:10:01,000 --> 00:10:04,003 え… えっと…。 ひとまず そこにいろ。 171 00:10:04,003 --> 00:10:06,339 うわっ! 172 00:10:06,339 --> 00:10:09,509 っつう…。 173 00:10:09,509 --> 00:10:13,179 大丈夫ですか? テテテ…。 174 00:10:13,179 --> 00:10:16,182 フッ… 天才は➨ 175 00:10:16,182 --> 00:10:18,685 そうやって はいつくばるんですね。 176 00:10:18,685 --> 00:10:21,020 あっ… てめえ! おわっ!? 177 00:10:21,020 --> 00:10:23,356 な… 何しやが…。 暴れないで。 178 00:10:23,356 --> 00:10:25,859 拭いてるだけですから。 ふざけんな! 179 00:10:25,859 --> 00:10:28,695 なんで てめえなんかに…。 二琥さん! 180 00:10:28,695 --> 00:10:31,898 体調管理も 武芸のうちですよ。 181 00:10:34,701 --> 00:10:38,037 んっ? クソが… しっかり拭きやがれ。 182 00:10:38,037 --> 00:10:40,039 フフッ。 痛い。 183 00:10:40,039 --> 00:10:43,710 あっ すみません。 んっ…。 184 00:10:43,710 --> 00:10:46,212 あっ。 離せ! うわ~。 (ドアの開く音) 185 00:10:46,212 --> 00:10:50,216 う~ 帯きっつい。 早く脱ぎたいっす~。 186 00:10:50,216 --> 00:10:54,387 着物を着るのも仕事のうちだろ。 いいかげん 慣れろ。 187 00:10:54,387 --> 00:10:56,389 んっ? 188 00:10:56,389 --> 00:10:59,893 お前 どこかで見たような…。 えっ? 189 00:10:59,893 --> 00:11:04,497 転校生じゃん。 な~んで うちにいるんすか? えぇ!? 190 00:11:04,497 --> 00:11:07,834 こいつ 勝手に入ってきたんだ! いや だから それは…。 191 00:11:07,834 --> 00:11:10,503 《ていうか さ… 三帝!? 192 00:11:10,503 --> 00:11:12,505 なんで この家に3人が?》 193 00:11:12,505 --> 00:11:15,675 📱(バイブ音) 194 00:11:15,675 --> 00:11:20,013 はい。 あっ 帝乃さん。 195 00:11:20,013 --> 00:11:23,016 (帝乃)もう 家には着いたかな? 優君。 196 00:11:23,016 --> 00:11:26,519 📱あっ はい。 今日から よろしくお願いします。 197 00:11:26,519 --> 00:11:31,191 亡くなった昴君は 私の知人であり 恩人だ。 198 00:11:31,191 --> 00:11:35,361 彼女の才能が途切れぬよう 責任を持って預かるよ。 199 00:11:35,361 --> 00:11:37,697 📱お… お気遣いなく。 200 00:11:37,697 --> 00:11:40,700 ところで 娘たちには会ったかい? 201 00:11:40,700 --> 00:11:43,036 📱娘… たち? 202 00:11:43,036 --> 00:11:48,041 おや 言ってなかったかな? 私には 娘がいるって…。 203 00:11:48,041 --> 00:11:53,913 📱長女の一輝 次女の二琥 三女の三和の三姉妹だ。 204 00:11:53,913 --> 00:11:55,882 というわけで 優君➨ 205 00:11:55,882 --> 00:11:58,885 今日から うちの娘たちを よろしく頼むよ。 206 00:11:58,885 --> 00:12:02,989 三姉妹…。 207 00:12:02,989 --> 00:12:07,827 《天才女優だった母さんの ささやかな最後の願い。 208 00:12:07,827 --> 00:12:12,332 息子の俺には 幸せな家族をつくってほしい》 209 00:12:16,169 --> 00:12:21,007 《これは 凡人 綾世優と 天才 帝乃三姉妹が➨ 210 00:12:21,007 --> 00:12:24,177 家族になるまでの話だ》 211 00:12:24,177 --> 00:12:27,013 (三姉妹)えっ? えっ? 212 00:12:27,013 --> 00:12:29,315 (一同)え~!! 213 00:12:31,351 --> 00:12:34,554 《母亡きあと 男一人➨ 214 00:12:34,554 --> 00:12:36,723 華麗なる天才姉妹と➨ 215 00:12:36,723 --> 00:12:39,726 一つ屋根の下に 住むことになりました。 216 00:12:39,726 --> 00:12:44,597 なんという 夢のようなシチュエーション。 願わくば…》 217 00:12:47,066 --> 00:12:50,236 《本当に 夢であってほしい…》 218 00:12:50,236 --> 00:12:55,208 チッ… 父さんが決めたことだから 追い出しはしねえけどよ。 219 00:12:55,208 --> 00:12:58,044 お前みたいなポンコツを 引き取るとは…。 220 00:12:58,044 --> 00:13:01,147 居候の世話なんて ごめんっす~。 221 00:13:01,147 --> 00:13:05,485 《全然 歓迎されてない》 ハァ…。 222 00:13:05,485 --> 00:13:09,155 《いいや ひるむな! 相手が あの三帝だからって…。 223 00:13:09,155 --> 00:13:12,859 俺は ここで 幸せな家族をつくるんだ!》 224 00:13:14,827 --> 00:13:17,497 改めまして 綾世優です! 225 00:13:17,497 --> 00:13:19,999 今日から 帝乃家のお世話になります。 226 00:13:19,999 --> 00:13:24,003 よろしくお願いします! んあ~。 227 00:13:24,003 --> 00:13:27,173 ま… まず 荷物 片しちゃいますね。 228 00:13:27,173 --> 00:13:29,709 んっ? なんか 踏んづけちゃ…。 229 00:13:29,709 --> 00:13:32,178 フン! ハァ…。 230 00:13:32,178 --> 00:13:34,180 あの…。 あっ… んっ。 231 00:13:34,180 --> 00:13:37,583 ちょっと待って。 この家…。 232 00:13:40,553 --> 00:13:42,622 めちゃくちゃ散らかってません? 233 00:13:45,725 --> 00:13:48,394 えっと… くさっ! 234 00:13:48,394 --> 00:13:50,396 待て! そっちは…。 235 00:13:50,396 --> 00:13:52,365 うわ~…。 236 00:13:52,365 --> 00:13:55,201 皿洗いは 一輝の当番だろ。 237 00:13:55,201 --> 00:13:58,037 しかたないだろ。 時間がなかったんだから。 238 00:13:58,037 --> 00:14:02,141 一輝さんは 歌劇団の稽古とか 忙しそうですもんね。 239 00:14:02,141 --> 00:14:06,479 そうだ! 僕に 家事雑用などしている暇はない。 240 00:14:06,479 --> 00:14:10,650 じゃあ この洗いかけの割れたお皿 片づけておきますね。 241 00:14:10,650 --> 00:14:13,820 ドキッ! な~んだ やってはいたのか。 242 00:14:13,820 --> 00:14:16,823 途中で やんなって 逃げ出した口っす。 243 00:14:16,823 --> 00:14:18,825 くっ…。 244 00:14:18,825 --> 00:14:21,661 洗濯当番は 誰です? 三和だ! 245 00:14:21,661 --> 00:14:23,830 か… 一姉が いろんな服 着るから➨ 246 00:14:23,830 --> 00:14:25,998 洗い方 覚えられないんす! 247 00:14:25,998 --> 00:14:28,501 将棋のルール覚えるより 簡単ですよ。 248 00:14:28,501 --> 00:14:31,504 じゃあ お洗濯 これから 君がやるんす! 249 00:14:31,504 --> 00:14:33,840 いいですよ。 でも…。 250 00:14:33,840 --> 00:14:36,676 せっかく メモまでしたのに もったいないですね。 251 00:14:36,676 --> 00:14:39,178 ハッ… んっ…。 252 00:14:39,178 --> 00:14:43,015 てことは 掃除当番は二琥さん? 253 00:14:43,015 --> 00:14:47,854 チッ… こっちの弱み見つけて うれしいかよ ポンコツ野郎。 254 00:14:47,854 --> 00:14:51,357 てめえの学力試験 45点だっけ? 255 00:14:51,357 --> 00:14:53,359 42です。 256 00:14:53,359 --> 00:14:56,362 うちの部員にも コテンパンにされてたよな。 257 00:14:56,362 --> 00:15:00,633 進学科のテスト 全教科 平均点以下だったっすよね~。 258 00:15:00,633 --> 00:15:04,637 芸能科の試験も さんたんたる ありさまだったと聞いたぞ。 259 00:15:04,637 --> 00:15:06,639 おい 聞いてんのか? 260 00:15:06,639 --> 00:15:09,809 てめえのような凡人に… んっ? 261 00:15:09,809 --> 00:15:11,978 おお! へ… 部屋が。 262 00:15:11,978 --> 00:15:13,980 めっちゃキレイになってるっす! 263 00:15:13,980 --> 00:15:17,316 皆さんが おしゃべりしてる間に 終わらせましたよ。 264 00:15:17,316 --> 00:15:21,988 《あっ…。 そういや こいつ 道場の掃除も…》 265 00:15:21,988 --> 00:15:25,324 このくらい いつでも してあげますよ。 266 00:15:25,324 --> 00:15:28,995 なっ!? な… なんか いかがわしいぞ あいつ! 267 00:15:28,995 --> 00:15:32,165 顔だけは いいからな。 惑わされちゃダメっす。 268 00:15:32,165 --> 00:15:34,167 中身は ポンコツっす! 269 00:15:34,167 --> 00:15:36,202 フン…。 270 00:15:36,202 --> 00:15:38,204 (三姉妹)きもっ。 271 00:15:38,204 --> 00:15:40,673 📱(アラーム音) 272 00:15:40,673 --> 00:15:43,009 んっ… んっ。 273 00:15:43,009 --> 00:15:47,346 《今日は 学校も休みだし ゆっくりでいいか。 274 00:15:47,346 --> 00:15:49,849 みんなで 朝ごはんでも食べながら➨ 275 00:15:49,849 --> 00:15:52,018 3人のこと 知っていこう。 276 00:15:52,018 --> 00:15:55,188 だって 俺は あの三姉妹と家族に…》 277 00:15:55,188 --> 00:15:58,524 うわっ! な… なんだ!? (打撃音) 278 00:15:58,524 --> 00:16:00,793 せっ! うらっ! 279 00:16:00,793 --> 00:16:03,796 ぜぁ~! 280 00:16:03,796 --> 00:16:05,798 《朝7時。 281 00:16:05,798 --> 00:16:08,801 次女は 自宅の道場で瓦割り…》 282 00:16:08,801 --> 00:16:11,637 う~んと…。 283 00:16:11,637 --> 00:16:13,639 にゃ~…。 284 00:16:13,639 --> 00:16:17,977 データの集合体の分際で 姑息な手を指してくるっすね~。 285 00:16:17,977 --> 00:16:20,480 デリートされたいっすか~。 286 00:16:20,480 --> 00:16:23,082 《三女は AIとおしゃべり…》 287 00:16:25,151 --> 00:16:27,653 《長女は 薬局を開いてる》 288 00:16:27,653 --> 00:16:31,157 あ… あの 一輝さん。 皆さん 何を…。 289 00:16:31,157 --> 00:16:34,994 「何」だと? あっ… あ… いや…。 290 00:16:34,994 --> 00:16:37,830 何って モーニングルーティーンだ。 291 00:16:37,830 --> 00:16:41,000 お前も 顔を洗ったり 歯を磨いたりするだろ? 292 00:16:41,000 --> 00:16:43,336 それと似たようなものだ。 293 00:16:43,336 --> 00:16:46,839 《俺と 天才たち…》 294 00:16:46,839 --> 00:16:49,175 似てないよね? 295 00:16:49,175 --> 00:16:52,845 それより 転校生 僕たちは これから出かける。 296 00:16:52,845 --> 00:16:55,014 おとなしく 留守番してろよ。 297 00:16:55,014 --> 00:16:58,851 えっ 今日はお休みじゃ…。 僕は 歌劇団の稽古➨ 298 00:16:58,851 --> 00:17:02,955 二琥は部活 三和は対局だ。 あ… あの…。 299 00:17:02,955 --> 00:17:05,958 じゃあ せめて みんなで朝ごはん食べましょう? 300 00:17:05,958 --> 00:17:09,295 どけ 稽古に遅れる。 301 00:17:09,295 --> 00:17:11,297 す… すみません。 302 00:17:13,299 --> 00:17:15,801 あっ… でも 三和さんは一緒に…。 303 00:17:15,801 --> 00:17:17,837 《って お菓子食べてる! 304 00:17:17,837 --> 00:17:20,172 ジュースも ゴクゴク飲んでる!?》 305 00:17:20,172 --> 00:17:23,342 三和さん ごはん前に そんなに食べたら…。 306 00:17:28,314 --> 00:17:30,316 ハッ…。 307 00:17:36,322 --> 00:17:40,326 《そういえば 母さんも ずっと こんな感じだった。 308 00:17:40,326 --> 00:17:44,997 俺が ごはんを作っても 手をつけずに出かけたり…。 309 00:17:44,997 --> 00:17:46,999 かと思えば➨ 310 00:17:46,999 --> 00:17:51,203 自分の食べる分だけ きっちり用意してたり。 311 00:17:51,203 --> 00:17:55,207 天才って 勝手で 何考えてるか わからない。 312 00:17:55,207 --> 00:17:58,010 ほんとの家族とも 無理だったのに➨ 313 00:17:58,010 --> 00:18:00,947 ましてや あの3人となんて➨ 314 00:18:00,947 --> 00:18:03,282 この先 やっていけるのかな…》 315 00:18:03,282 --> 00:18:05,451 フゥ…。 (食べる音) 316 00:18:05,451 --> 00:18:07,453 んっ? えっ!? 317 00:18:07,453 --> 00:18:09,789 どっから湧いて出た? その飯。 318 00:18:09,789 --> 00:18:13,993 あっ… 悪くなりそうな食材で 作っちゃいました。 なっ!? 319 00:18:18,297 --> 00:18:21,467 余ってますけど 食べます? いいのか? 320 00:18:21,467 --> 00:18:23,636 ハッ… い… いらねえ! 321 00:18:23,636 --> 00:18:26,973 素直にならないと 独り占めしちゃいますよ~? 322 00:18:26,973 --> 00:18:29,308 ほら~ ペロペロペロ ペロペロペロ…。 323 00:18:29,308 --> 00:18:32,511 ペロペロペロペロ… ペーロペロペロペロ…。 324 00:18:32,511 --> 00:18:35,648 いらねえっつってんだろ! そんな バランスの悪い飯! 325 00:18:35,648 --> 00:18:37,683 バランス? 326 00:18:37,683 --> 00:18:39,986 糖質と脂質が多すぎる。 327 00:18:39,986 --> 00:18:42,021 ビタミンB1が少ねえし➨ 328 00:18:42,021 --> 00:18:45,491 肉か魚のタンパク質 あと20g入れねえと。 329 00:18:45,491 --> 00:18:47,526 《めんどくさ!》 330 00:18:47,526 --> 00:18:50,162 んな計算して 毎回 ごはん食べてるんですか? 331 00:18:50,162 --> 00:18:52,865 たりめえだろ? 飯で体つくんのは➨ 332 00:18:52,865 --> 00:18:55,368 稽古と同じくらい 大事なことだ。 333 00:18:55,368 --> 00:18:58,671 体を整えとかねえと ベストな結果は出せねえからな。 334 00:18:58,671 --> 00:19:00,606 あっ…。 335 00:19:00,606 --> 00:19:03,609 (二琥)あ… やべっ! 遅刻する! (三和)遅刻するっす! 336 00:19:03,609 --> 00:19:06,812 (三和/二琥)ハァハァ ハァハァ…。 337 00:19:08,781 --> 00:19:13,619 ハァ… やっぱ めんどくさいよ。 結果を優先して➨ 338 00:19:13,619 --> 00:19:16,622 ほんとに食べたいものを 我慢するなんて。 339 00:19:16,622 --> 00:19:19,291 そうか…。 340 00:19:19,291 --> 00:19:23,295 母さんも 役づくりのために 調整してたんだ。 341 00:19:23,295 --> 00:19:27,299 《一輝さんは 歌劇団のトップスターでいるために。 342 00:19:27,299 --> 00:19:30,636 三和さんだって 頭を回転させるには➨ 343 00:19:30,636 --> 00:19:33,305 甘いものが欲しいよね。 344 00:19:33,305 --> 00:19:37,810 周りが見えなくなるくらい 自分勝手にもなるよ。 345 00:19:37,810 --> 00:19:40,813 天才たちも 必死なんだ。 346 00:19:40,813 --> 00:19:43,983 それなのに いつから俺は➨ 347 00:19:43,983 --> 00:19:46,318 理解できない母さんが怖くて➨ 348 00:19:46,318 --> 00:19:49,321 声をかけることも しなくなったんだろ…》 349 00:19:49,321 --> 00:19:52,825 あっ…。 (ドアの開閉音) 350 00:19:52,825 --> 00:19:56,996 (三和/二琥)ハァハァ ハァハァ…。 351 00:19:56,996 --> 00:19:59,665 (三和)一姉 靴履くの遅いっす。 352 00:19:59,665 --> 00:20:03,669 (二琥)先 譲れよ 遅刻する! (一輝)やめろ 邪魔するな。 353 00:20:03,669 --> 00:20:06,839 待って! な… なんだぁ? 354 00:20:06,839 --> 00:20:10,543 ハァハァ… 忘れ物ですよ。 355 00:20:14,346 --> 00:20:16,348 (三姉妹)ハァ…。 356 00:20:16,348 --> 00:20:20,352 うちら な~んも忘れてないっす! 必要なものは すべて持ってる。 357 00:20:20,352 --> 00:20:22,521 いいかげんなこと 言うんじゃねえ! 358 00:20:22,521 --> 00:20:26,025 スゥ… いってらっしゃい! 359 00:20:30,029 --> 00:20:32,031 (三姉妹)えっ? 360 00:20:34,033 --> 00:20:37,036 ハハッ。 《三姉妹:だけ!?》 361 00:20:37,036 --> 00:20:40,206 くっだらないっす! 近所迷惑だ。 362 00:20:40,206 --> 00:20:44,710 驚かすんじゃねえ バカ! 全然 届いてない…。 363 00:20:44,710 --> 00:20:47,046 まっ いっか。 364 00:20:47,046 --> 00:20:51,383 《俺にできる家族から 始めていこう》 365 00:20:51,383 --> 00:20:53,719 チッ あの野郎…。 366 00:20:53,719 --> 00:20:57,056 必死な面で言うことかよ。 367 00:20:57,056 --> 00:21:00,993 えっ? えええっ…。 368 00:21:00,993 --> 00:21:04,363 な… なんだ? このマヌケな面は…。 369 00:21:04,363 --> 00:21:08,033 あっ ああっ…。 370 00:21:08,033 --> 00:21:10,536 《いってらっしゃいなんて…》 371 00:21:10,536 --> 00:21:13,372 《ただの挨拶っす》 372 00:21:13,372 --> 00:21:18,544 《三姉妹:でも… 悪くなかった》 373 00:21:18,544 --> 00:21:21,380 📱(バイブ音) 374 00:21:21,380 --> 00:21:23,883 はい。 📱(帝乃)おはよう 優君。 375 00:21:23,883 --> 00:21:26,352 おはようございます 帝乃さん。 376 00:21:26,352 --> 00:21:29,021 📱初めての朝は どうだい? 377 00:21:29,021 --> 00:21:32,525 やっと 慣れてきました。 📱それは よかった。 378 00:21:32,525 --> 00:21:35,194 📱実は 仕事が忙しくてね。 379 00:21:35,194 --> 00:21:38,364 📱すまないが 私は めったに家に帰れないんだ。 380 00:21:38,364 --> 00:21:40,566 えっ? ってことは➨ 381 00:21:40,566 --> 00:21:43,903 この先 しばらく 三姉妹と4人きり? 382 00:21:43,903 --> 00:21:47,540 📱そこでだが 君に ひとつ頼みがある。 383 00:21:47,540 --> 00:21:49,708 頼み… ですか? 384 00:21:49,708 --> 00:21:54,380 📱ああ。 うちの三姉妹は 近々 必ず壁にぶつかる。 385 00:21:54,380 --> 00:21:57,049 📱天才の宿命と 言っていいだろう。 386 00:21:57,049 --> 00:21:59,051 📱そこでだ 優君。 387 00:21:59,051 --> 00:22:02,321 📱君に 娘たちの助けになってほしい。 388 00:22:02,321 --> 00:22:07,326 えっ…。 📱その壁を ともに越えられたら 娘たちも…。 389 00:22:07,326 --> 00:22:10,830 📱フフッ 心を開いてくれるはずだ。 390 00:22:10,830 --> 00:22:14,833 《あの天才三姉妹を助ける? 391 00:22:14,833 --> 00:22:18,637 凡人の この俺が?》