1 00:00:01,969 --> 00:00:05,806 《ひまり:私の名前は百千ひまり。 16歳の誕生日に➡ 2 00:00:05,806 --> 00:00:09,309 亡くなった両親から 突然届いたプレゼントは➡ 3 00:00:09,309 --> 00:00:12,479 なんと この家 百千家だった。 4 00:00:12,479 --> 00:00:14,648 しかも そこは 「あやかし」➡ 5 00:00:14,648 --> 00:00:17,484 いわゆる お化けたちが 住んでいるという➡ 6 00:00:17,484 --> 00:00:21,488 なんとも 非常識な家だったのだ。 7 00:00:21,488 --> 00:00:24,091 更に それだけじゃなく…》 8 00:00:26,660 --> 00:00:29,830 《あやかし 水蛇の紫さんと➡ 9 00:00:29,830 --> 00:00:33,333 同じく あやかし 猩々 伊勢。 10 00:00:33,333 --> 00:00:40,007 そして 御守様の鵺に変身できる 不思議な男の子 葵の3人も➡ 11 00:00:40,007 --> 00:00:45,012 住んでいて…。 はあ… これから 私のここでの生活➡ 12 00:00:45,012 --> 00:00:47,514 どうなっちゃうんだろう…》 13 00:00:51,351 --> 00:00:55,556 んっ! わあ~! 14 00:02:30,984 --> 00:02:32,986 (葵)うん…。 うわっ! 15 00:02:32,986 --> 00:02:35,822 ハァ… ハァハァ。 16 00:02:35,822 --> 00:02:39,159 あいたたたた。 いきなり 何するの? ひまり。 17 00:02:39,159 --> 00:02:42,162 それは こっちのせりふ! なんで ここにいんの!? 18 00:02:42,162 --> 00:02:44,498 あれ? なんでだろ…。 19 00:02:44,498 --> 00:02:47,167 寒かったからかな? はあ? 20 00:02:47,167 --> 00:02:50,504 ひまり あったかいから よく眠れ…。 21 00:02:50,504 --> 00:02:54,174 あいたっ! 最低! だいたい寒いからって➡ 22 00:02:54,174 --> 00:02:57,511 女子の布団に入るって! 葵 アンタ いくつよ!? 23 00:02:57,511 --> 00:03:01,648 え~っと 17… かな? じゅ…!? 24 00:03:01,648 --> 00:03:04,651 《変! 葵って すっごく変! 25 00:03:04,651 --> 00:03:08,155 あのときだって…。 訳わかんない…》 26 00:03:08,155 --> 00:03:10,657 やっぱ 葵は絶対変! 27 00:03:10,657 --> 00:03:13,026 え~っ!? 28 00:03:14,995 --> 00:03:18,832 あれ? この部屋 きれいになってる。 29 00:03:18,832 --> 00:03:22,669 (紫)これが ふだんの百千家です。 えっ そうなの? 30 00:03:22,669 --> 00:03:25,505 これまでは わざと 部屋を荒らしておいたんです。 31 00:03:25,505 --> 00:03:28,341 (伊勢)うざってえお前に 出ていってもらうためにな。 32 00:03:28,341 --> 00:03:30,343 なっ! ですが➡ 33 00:03:30,343 --> 00:03:32,345 葵が とりあえず あなたを➡ 34 00:03:32,345 --> 00:03:34,347 この家に 置いておくそうですから。 35 00:03:34,347 --> 00:03:38,518 とりあえずって…。 この家の 正当な家主は 私ですから。 36 00:03:38,518 --> 00:03:42,689 持ち主はな。 あるじは 御守様である葵です。 37 00:03:42,689 --> 00:03:46,693 んっ…。 とにかく 私が この家の大家なの! 38 00:03:46,693 --> 00:03:48,862 だから 家賃をもらいます。 39 00:03:48,862 --> 00:03:51,865 え~ それ 冗談じゃなかったの? 40 00:03:51,865 --> 00:03:54,701 うん! う~ん 困ったなぁ。 41 00:03:54,701 --> 00:03:57,037 お金はないんだ。 はあ? 42 00:03:57,037 --> 00:04:00,807 それじゃ生活できないでしょ? そうでもないよ。 43 00:04:00,807 --> 00:04:04,478 例えば 明かりは 火の妖怪がつけてくれるし➡ 44 00:04:04,478 --> 00:04:07,814 水も どこからか 絶え間なく湧いてくる。 45 00:04:07,814 --> 00:04:11,985 じゃ… じゃあ 食材は? お金がないのに どうやって…? 46 00:04:11,985 --> 00:04:15,322 それも いつの間にか 台所に置いてあって…。 47 00:04:15,322 --> 00:04:18,325 小妖怪たちが 持ってきてくれるのかもね。 48 00:04:18,325 --> 00:04:20,327 そ… そうなんだ。 49 00:04:20,327 --> 00:04:23,497 《なんか 昔話みたい》 50 00:04:23,497 --> 00:04:26,666 あれ? そういえば 葵って学校は? 51 00:04:26,666 --> 00:04:30,170 ひまりは? 私は もうすぐ転入予定だよ。 52 00:04:30,170 --> 00:04:32,339 葵も高校生でしょ? 53 00:04:32,339 --> 00:04:35,342 いや~ 僕は ここでやることがあるから。 54 00:04:35,342 --> 00:04:38,512 働いているってこと? う~ん…。 55 00:04:38,512 --> 00:04:40,680 そういうわけじゃないんだけど…。 56 00:04:40,680 --> 00:04:44,017 《まさか 何もしてないの?》 57 00:04:44,017 --> 00:04:47,020 そうだ! 私 買い出しに行きたかったの。 58 00:04:47,020 --> 00:04:50,357 ねえ 葵 この辺のお店 案内してよ。 59 00:04:50,357 --> 00:04:53,860 それは…。 ついでに バイト先も見つけて…。 60 00:04:53,860 --> 00:04:57,864 葵がバイトだぁ? ハン! ありえねえな。 61 00:04:57,864 --> 00:05:00,267 家賃なら… ほらよ! 62 00:05:00,267 --> 00:05:03,770 えっ? ぎゃあ~! (オニモラキ)おお うまそうじゃ! 63 00:05:03,770 --> 00:05:06,106 何すんのよ! もう出てって! 64 00:05:06,106 --> 00:05:08,441 んっ…!? 出てけ~! 65 00:05:08,441 --> 00:05:11,111 うわ~っ! えっ!? 66 00:05:11,111 --> 00:05:16,116 今のは…。 「出てけ」に家が応えましたね。 67 00:05:16,116 --> 00:05:19,286 そ… そういえば 前にも…。 68 00:05:19,286 --> 00:05:21,288 ⦅うわ~!⦆ 69 00:05:21,288 --> 00:05:24,124 でも なんで こんな力が…? 70 00:05:24,124 --> 00:05:27,627 ひまりが家主だからかな? おそらくは。 71 00:05:27,627 --> 00:05:32,966 そういうことなら…。 動け! うっ…。 72 00:05:32,966 --> 00:05:35,302 どうやら 「出てけ」だけみたいだね。 73 00:05:35,302 --> 00:05:37,304 んっ… それでも 私が➡ 74 00:05:37,304 --> 00:05:39,806 この家の家主って認められてる 証しじゃない! 75 00:05:39,806 --> 00:05:42,142 ハッ! 使いどころねえ力。 76 00:05:42,142 --> 00:05:45,145 出てけ~! おい ざけんなぁ~! 77 00:05:49,316 --> 00:05:52,485 ふあ~… 早く寝よ…。 78 00:05:52,485 --> 00:05:56,489 《もう 1週間くらい 百千家にいるのに➡ 79 00:05:56,489 --> 00:05:59,159 お父さんたちの手がかりを つかむどころか➡ 80 00:05:59,159 --> 00:06:01,661 わからないことばっか増えてく》 81 00:06:04,130 --> 00:06:09,469 《葵って ホント不思議だよね。 それに…》 82 00:06:09,469 --> 00:06:11,805 ⦅ひまりを助けられなかったら➡ 83 00:06:11,805 --> 00:06:15,275 僕が今まで生きてきた意味が ないんだ!⦆ 84 00:06:17,310 --> 00:06:19,579 葵って いったい…。 85 00:06:21,648 --> 00:06:25,652 あれ? ここって どこ…? 86 00:06:25,652 --> 00:06:28,989 ヤバッ! どっかで道 間違えたんだ…。 87 00:06:28,989 --> 00:06:32,659 自分ちで迷うなんて… 笑えない。 88 00:06:32,659 --> 00:06:37,330 (葵)ハァハァハァ…。 (伊勢)大丈夫か? 葵。 89 00:06:37,330 --> 00:06:40,834 (紫)家の中に結界を張るなんて むちゃしすぎです。 90 00:06:40,834 --> 00:06:44,170 (葵)何かあったら いけないから。 91 00:06:44,170 --> 00:06:48,008 (伊勢)アイツの… ひまりのためか? えっ!? 92 00:06:48,008 --> 00:06:50,677 ハァハァハァ…。 93 00:06:50,677 --> 00:06:52,646 あっ! 94 00:06:56,850 --> 00:07:04,925 ハァ ハァ ハァ…。 95 00:07:04,925 --> 00:07:06,926 (ひまり)葵! あっ…。 96 00:07:06,926 --> 00:07:10,597 (紫/伊勢)んっ…。 大丈夫? どっか苦しいの? 97 00:07:10,597 --> 00:07:16,603 あっ えっと… とりあえず 服着るまで待って。 98 00:07:16,603 --> 00:07:22,442 葵 つらそう。 ううん 大丈夫。 99 00:07:22,442 --> 00:07:25,612 慣れてるから ひまりは何も気にしなくて…。 100 00:07:25,612 --> 00:07:27,614 気にするよ! あっ…。 101 00:07:27,614 --> 00:07:30,950 お願い 葵 私 ちゃんと知りたいの! 102 00:07:30,950 --> 00:07:34,954 この家が どういうものなのか 葵が何をしてるのか…。 103 00:07:34,954 --> 00:07:37,123 ちゃんと教えて。 104 00:07:37,123 --> 00:07:39,125 あっ…。 105 00:07:41,461 --> 00:07:46,132 いいよ。 何が知りたい? 106 00:07:46,132 --> 00:07:48,134 あ…。 107 00:07:48,134 --> 00:07:53,473 葵って 御守様… 鵺に変身できるんだよね? 108 00:07:53,473 --> 00:07:56,976 うん。 鵺のときも 葵なの? 109 00:07:56,976 --> 00:08:01,114 僕だよ。 何かに 乗っ取られてるわけじゃない。 110 00:08:01,114 --> 00:08:05,785 今のところは 自分の意思で 鵺になったり 戻ったりできる。 111 00:08:05,785 --> 00:08:07,954 でも なんで 葵が鵺に? 112 00:08:07,954 --> 00:08:10,790 どうして 御守様が 百千家のあるじなの? 113 00:08:10,790 --> 00:08:13,960 う~ん… そうだねぇ…。 114 00:08:13,960 --> 00:08:18,465 数年前 僕は偶然 この百千家に迷い込み➡ 115 00:08:18,465 --> 00:08:22,469 封印を破ってしまったんだ。 116 00:08:22,469 --> 00:08:28,308 この家は あやかしの住む幽世と 現世の境界に立つ家。 117 00:08:28,308 --> 00:08:30,310 境界を守るために➡ 118 00:08:30,310 --> 00:08:33,980 強大な妖力を持った あるじの存在は不可欠なんだ。 119 00:08:33,980 --> 00:08:36,649 でも 当時は あるじが不在だった。 120 00:08:36,649 --> 00:08:42,989 だから たまたま適性があった 僕が指名され 力を渡された。 121 00:08:42,989 --> 00:08:47,494 それが 鵺であり…。 御守様…。 122 00:08:47,494 --> 00:08:49,496 うん。 123 00:08:49,496 --> 00:08:53,333 葵が ここに迷い込んだのは 偶然だったんだよね? 124 00:08:53,333 --> 00:08:56,336 なら 私が先に ここに来ていたら…。 125 00:08:56,336 --> 00:09:01,608 うん。 本当だったら ひまりが 御守様に指名されてたと思う…。 126 00:09:01,608 --> 00:09:05,945 君は 百千家の血を継ぐ 正統な後継者だし。 127 00:09:05,945 --> 00:09:09,582 たまたま先に来たからって そんな…。 128 00:09:09,582 --> 00:09:12,786 そのせいで 葵が…。 案外いいもんだよ。 129 00:09:12,786 --> 00:09:17,457 だって かっこいいでしょ? あやかし退治が お仕事って。 130 00:09:17,457 --> 00:09:23,797 でも 給料が出るわけじゃないから 家賃は払えないんだ。 ごめんね。 131 00:09:23,797 --> 00:09:27,467 じゃあ あの言葉は? えっ? 132 00:09:27,467 --> 00:09:31,137 私を助けられなかったら 生きてきた意味がないって➡ 133 00:09:31,137 --> 00:09:33,973 どういうこと? 134 00:09:33,973 --> 00:09:35,975 んっ…。 135 00:09:35,975 --> 00:09:40,980 さあ そんなこと言ったかな? 136 00:09:40,980 --> 00:09:47,754 《わかってきた。 案外 葵はウソつきなんだ…》 137 00:09:52,459 --> 00:09:56,963 はあ…。 全然寝れなかった。 138 00:09:56,963 --> 00:10:00,967 《結局 大事なことは 笑ってごまかされちゃったけど➡ 139 00:10:00,967 --> 00:10:06,973 やっぱり 私のためなんだよね 葵があんなに苦しんでるのは。 140 00:10:06,973 --> 00:10:08,975 うん…》 141 00:10:08,975 --> 00:10:14,981 えっ? これって桜の花びら? なんで部屋の中に? 142 00:10:16,983 --> 00:10:20,320 おいで… おいで…。 143 00:10:20,320 --> 00:10:23,623 さあ こっちだよ。 おいで…。 144 00:10:25,658 --> 00:10:30,663 男を楽にしたいのだろう? 救いたいのだろう? 145 00:10:30,663 --> 00:10:33,500 なら おいで…。 146 00:10:33,500 --> 00:10:37,170 古桜の仙果は 万能の薬…。 147 00:10:37,170 --> 00:10:41,341 飲めば たちどころに どんな憂いも消え失せる…。 148 00:10:41,341 --> 00:10:44,844 さあ…。 これで 葵が…。 149 00:10:49,182 --> 00:10:51,684 ひゃっ! えっ!? 150 00:10:51,684 --> 00:10:53,853 とったな… とったな…。 151 00:10:53,853 --> 00:10:58,358 引き換えに お前の魂をもらおうか! 152 00:10:58,358 --> 00:11:01,995 きゃあ~! ひまり! 153 00:11:01,995 --> 00:11:05,498 大丈夫? あっ… 葵。 154 00:11:05,498 --> 00:11:08,334 えっ? 私 なんで こんなところに? 155 00:11:08,334 --> 00:11:11,671 あれって 桜?  桜じゃない。 156 00:11:11,671 --> 00:11:15,008 よく見て。 あれは あやかしだ。 157 00:11:15,008 --> 00:11:21,014 よこせ~ 百千の魂をよこせ~。 あっ…。 158 00:11:21,014 --> 00:11:23,516 離れないで。 159 00:11:23,516 --> 00:11:25,852 あっ…。 目を閉じて。 160 00:11:25,852 --> 00:11:28,621 僕の姿を見てはいけないよ。 161 00:11:30,857 --> 00:11:32,825 うっ。 162 00:11:37,530 --> 00:11:41,034 《鵺》 百千の魂~! 163 00:11:41,034 --> 00:11:43,303 (鵺)いでよ 我が式神たち。 164 00:11:45,371 --> 00:11:47,373 ぐぉお~…! 165 00:11:47,373 --> 00:11:51,544 御守の命により よこしまなる あやかしの動きを封じよ。 166 00:11:51,544 --> 00:11:54,047 (2人)御意! 木の化け物なんざ➡ 167 00:11:54,047 --> 00:11:57,317 変化する必要もねえな! 手は抜くんじゃありませんよ。 168 00:11:59,719 --> 00:12:01,688 おらっ! はぁ! 169 00:12:04,290 --> 00:12:08,294 おお… は は 離せ~! 離せ~! 170 00:12:08,294 --> 00:12:13,600 人心を惑わす 偽の華よ。 とく虚空へ散るがいい。 171 00:12:15,635 --> 00:12:18,137 ぎゃあ~! 172 00:12:27,313 --> 00:12:29,616 ああ…。 173 00:12:31,651 --> 00:12:35,655 まさか 古木のあやかしが ひまりに暗示をかけるなんて…。 174 00:12:35,655 --> 00:12:38,324 百千の魂に引かれたのでしょう。 175 00:12:38,324 --> 00:12:41,494 ふだんは おとなしいモノなのですが…。 176 00:12:41,494 --> 00:12:44,998 ごめん ひまり 怖かった… よね…。 177 00:12:44,998 --> 00:12:47,834 (2人)あっ! 葵 大丈夫!? 178 00:12:47,834 --> 00:12:49,836 平気だよ。 179 00:12:49,836 --> 00:12:53,673 力を使いすぎです。 少しは己をいたわってください。 180 00:12:53,673 --> 00:12:57,677 大丈夫だって。 ごめんなさい。 181 00:12:57,677 --> 00:13:01,447 私のせいで…。 ひまりのせいじゃ…。 182 00:13:01,447 --> 00:13:04,617 私 本当に無力だ。 183 00:13:04,617 --> 00:13:09,122 葵のために何もできない…。 ごめん。 184 00:13:09,122 --> 00:13:12,959 うれしいな そんなふうに 思ってくれるなんて。 185 00:13:12,959 --> 00:13:14,961 ああ…。 186 00:13:14,961 --> 00:13:17,330 あっ…。 でも いいんだ。 187 00:13:17,330 --> 00:13:22,001 ひまりが笑ってると 僕は それだけで元気になるよ。 188 00:13:22,001 --> 00:13:26,339 だから… 笑って。 189 00:13:26,339 --> 00:13:28,341 ああ…。 190 00:13:28,341 --> 00:13:33,680 フフッ 何それ そんな単純なことでいいの? 191 00:13:33,680 --> 00:13:35,848 葵って やっぱり変だね。 192 00:13:35,848 --> 00:13:39,185 フッフフフ。 フフフフ。 193 00:13:39,185 --> 00:13:41,154 はあ~。 194 00:13:43,189 --> 00:13:49,195 あっ… 桜の花… 今度こそ本物だよね? 195 00:13:49,195 --> 00:13:51,531 そうだね。 たぶん どこかに➡ 196 00:13:51,531 --> 00:13:55,868 遅咲きの桜が咲いてるんだ。 見に行こう 葵! 197 00:13:55,868 --> 00:13:58,705 えっ? きっと家の外だよね? 行こう! 198 00:13:58,705 --> 00:14:00,606 あっ…。 (2人)あっ…。 199 00:14:00,606 --> 00:14:03,643 私 今年 まだ お花見してなかったんだ。 200 00:14:03,643 --> 00:14:05,812 楽しみ! ひまり…。 201 00:14:05,812 --> 00:14:08,648 なんだったら お弁当持って みんなで…。 202 00:14:08,648 --> 00:14:10,983 くっ! 葵…? 203 00:14:10,983 --> 00:14:15,488 どうしたの? 今 何か…。 204 00:14:15,488 --> 00:14:22,662 ひまり 僕は… この家から… 出られないんだ。 205 00:14:22,662 --> 00:14:27,500 えっ? 僕は 「そちら側」には もう➡ 206 00:14:27,500 --> 00:14:29,502 戻れないんだよ。 207 00:14:29,502 --> 00:14:33,473 な… 何言ってるの? そんなことあるわけ…。 208 00:14:33,473 --> 00:14:35,808 あっ…! ああ…。 209 00:14:35,808 --> 00:14:40,980 ねっ? 僕は この家から出られないんだよ。 210 00:14:40,980 --> 00:14:46,686 葵 この家に迷い込んで 御守様に指名されて➡ 211 00:14:46,686 --> 00:14:50,690 もしかして それ以来 出られてないってこと? 212 00:14:50,690 --> 00:14:55,695 そうだよ。 もう7年… くらいかな? 213 00:14:55,695 --> 00:15:00,767 7年…。 10歳から ここで一人で御守様をしてたの? 214 00:15:00,767 --> 00:15:03,770 か… 家族は? 友達は? 215 00:15:03,770 --> 00:15:08,608 心配いらないよ。 式神たちに 調べさせたんだけどね➡ 216 00:15:08,608 --> 00:15:11,944 どうやら 僕は外の世界では➡ 217 00:15:11,944 --> 00:15:14,781 「いなかった人間」に なっているようだよ。 218 00:15:14,781 --> 00:15:19,619 誰も僕のことは覚えていないし 知らないんだ。 219 00:15:19,619 --> 00:15:23,456 そんな… 葵は… 葵はそれでいいの!? 220 00:15:23,456 --> 00:15:25,458 別に。 はっ! 221 00:15:25,458 --> 00:15:27,794 僕は ここで 自分の場所を見つけた。 222 00:15:27,794 --> 00:15:30,963 気に入ってるんだよ この暮らしは…。 223 00:15:30,963 --> 00:15:35,268 でも ひまり… 君は出ていっていいんだよ。 224 00:15:41,974 --> 00:15:43,976 《「出ていって」…。 225 00:15:43,976 --> 00:15:49,315 その言葉の本当の意味も 葵のことも➡ 226 00:15:49,315 --> 00:15:52,318 私 何も わかっていなかったんだ…》 227 00:15:52,318 --> 00:15:57,323 もう… あなたは これ以上 ここにいてはいけません。 228 00:15:57,323 --> 00:16:01,794 紫さんは 葵が この家に迷い込んだときのこと➡ 229 00:16:01,794 --> 00:16:05,131 知ってるの? …はい。 230 00:16:05,131 --> 00:16:10,303 最初は この家の書物を 片っ端から読みあさったりして➡ 231 00:16:10,303 --> 00:16:13,806 必死に外へ出られる方法を 探していました。 232 00:16:13,806 --> 00:16:16,642 ですが… いつの間にか➡ 233 00:16:16,642 --> 00:16:19,979 そういったことを口にすることは なくなりました。 234 00:16:19,979 --> 00:16:23,983 それって… 百千家から出ることを 諦めたってこと? 235 00:16:23,983 --> 00:16:26,652 でも ずっと一人 こんなところで…。 236 00:16:26,652 --> 00:16:28,821 一人じゃねえよ。 ああ…。 237 00:16:28,821 --> 00:16:32,992 俺たちがいる。 問題ねえ。 でも 葵は人間で…。 238 00:16:32,992 --> 00:16:36,662 じゃあ ただの人間のお前が 葵に何してやれんだよ。 239 00:16:36,662 --> 00:16:40,500 ああ…。 俺たちは葵を守ってやれるし➡ 240 00:16:40,500 --> 00:16:45,171 どんなときでも いつでも 葵が死ぬまで一緒にいてやれる。 241 00:16:45,171 --> 00:16:48,341 (紫)それに 私たちは式神です。 242 00:16:48,341 --> 00:16:52,845 決して裏切らねえ。 お前ら人間と違ってな。 243 00:16:52,845 --> 00:16:55,815 私は…! 私は…。 244 00:16:59,185 --> 00:17:04,590 百千家の正当なあるじで 継承者なのに…。 245 00:17:04,590 --> 00:17:08,928 本当なら 私がやらな…。 言っておきますが➡ 246 00:17:08,928 --> 00:17:14,433 自分が代わりに御守様になれば 葵が解放される➡ 247 00:17:14,433 --> 00:17:16,936 なんて考えは およしなさい。 248 00:17:16,936 --> 00:17:19,105 はっ…! 万が一 そんなことが➡ 249 00:17:19,105 --> 00:17:23,776 まかり通ったとして それで葵が喜ぶと思いますか? 250 00:17:23,776 --> 00:17:27,446 (伊勢)同情なんざ 葵は喜ばねえよ。 251 00:17:27,446 --> 00:17:29,615 おわかりになったでしょう? 252 00:17:29,615 --> 00:17:34,120 葵とあなたの住む世界は あまりにも大きな隔たりがある。 253 00:17:34,120 --> 00:17:38,457 ただの人間の小娘に この家の業は背負いきれねえ。 254 00:17:38,457 --> 00:17:43,963 今なら まだ間に合います。 どうか お引き取りを。 255 00:17:43,963 --> 00:17:47,133 でも…! これ以上➡ 256 00:17:47,133 --> 00:17:50,636 葵が悲しむ顔は 見たくないのです。 257 00:18:01,113 --> 00:18:04,116 (那智)ねえ 君。 うん? ああ…。 258 00:18:04,116 --> 00:18:08,287 ハンカチ 落としたよ。 あっ すみません。 259 00:18:08,287 --> 00:18:11,290 ありがとうございます。 ちょっと考え事してて…。 260 00:18:11,290 --> 00:18:15,127 君 高校生? うちじゃ見ない顔だけど…。 261 00:18:15,127 --> 00:18:18,297 もし悩みがあるなら 聞こうか? えっ? 262 00:18:18,297 --> 00:18:23,469 あっ ごめん。 僕 千曲第一高等学校の教師なんだ。 263 00:18:23,469 --> 00:18:26,806 千曲第一って… 今度から通う…。 264 00:18:26,806 --> 00:18:29,642 転校生なんだ。 だったら なおのこと➡ 265 00:18:29,642 --> 00:18:31,811 話を聞かせてほしいな。 266 00:18:31,811 --> 00:18:34,981 一人きりで悩むのは 苦しいものだしね。 267 00:18:34,981 --> 00:18:39,452 なるほど。 つまり 君は➡ 268 00:18:39,452 --> 00:18:41,988 その彼に 何かしてやれることはないかと➡ 269 00:18:41,988 --> 00:18:44,490 思い悩んでいるわけだ。 はい…。 270 00:18:44,490 --> 00:18:49,328 うん… あんまり難しく考えなくて いいんじゃないかな? 271 00:18:49,328 --> 00:18:52,331 えっ? どんな選択をしても➡ 272 00:18:52,331 --> 00:18:54,500 後悔は生まれるものだ。 273 00:18:54,500 --> 00:18:57,837 だったら せめて 「あのとき ベストを尽くした」➡ 274 00:18:57,837 --> 00:19:00,106 そう言えるようにしたいよね。 275 00:19:00,106 --> 00:19:04,110 だから 今の君が諦めたくないものを➡ 276 00:19:04,110 --> 00:19:06,112 大事にしたら どうだい? 277 00:19:06,112 --> 00:19:09,782 私が諦めたくないもの…。 278 00:19:09,782 --> 00:19:14,253 ⦅ひまりが笑ってると 僕は それだけで元気になるよ。 279 00:19:14,253 --> 00:19:18,958 だから… 笑って⦆ 280 00:19:18,958 --> 00:19:22,628 はっ! 答えは出たかな? 281 00:19:22,628 --> 00:19:24,797 はい。 ありがとうございます。 282 00:19:24,797 --> 00:19:28,968 初めて会ったのに こんな変な 相談に乗ってもらっちゃって…。 283 00:19:28,968 --> 00:19:32,471 これも縁かもしれないね。 縁? 284 00:19:32,471 --> 00:19:35,975 僕はね この世は 縁でできてると思うんだ。 285 00:19:35,975 --> 00:19:39,478 今日出会ったのも きっと その導きさ。 286 00:19:39,478 --> 00:19:42,148 だから 気にしないで。 287 00:19:42,148 --> 00:19:44,150 は… はあ…。 288 00:19:44,150 --> 00:19:48,154 ごちそうさまでした。 これで失礼します。 289 00:19:48,154 --> 00:19:50,322 ホントにありがとうございました。 290 00:19:50,322 --> 00:19:54,093 ああ…。 フフ…。 291 00:19:59,999 --> 00:20:03,836 葵 そろそろ 家の中に入ったら どうですか? 292 00:20:03,836 --> 00:20:06,338 うん…。 293 00:20:06,338 --> 00:20:09,842 外に… 出たいですか? 294 00:20:09,842 --> 00:20:14,180 大丈夫。 もう少し ここにいたいだけ。 295 00:20:14,180 --> 00:20:16,515 彼女のことなら 心配せずに。 296 00:20:16,515 --> 00:20:20,352 伊勢が ちゃんと山から下りたのを 見届けましたから。 297 00:20:20,352 --> 00:20:23,856 チッ…。 彼女を… ひまりを➡ 298 00:20:23,856 --> 00:20:28,694 無事に人の世界に戻すのが あなたの望みでしたものね。 299 00:20:28,694 --> 00:20:36,535 そうだね。 でも… もう二度と会えないなら➡ 300 00:20:36,535 --> 00:20:39,205 「さよなら」って 笑えばよかったのかな…。 301 00:20:39,205 --> 00:20:43,375 きゃあ~! どいて どいて~! 302 00:20:43,375 --> 00:20:46,212 (2人)うっ! 303 00:20:46,212 --> 00:20:49,215 あっ…。 えっ? 304 00:20:49,215 --> 00:20:52,051 う… ううう…。 ひ… ひまり? 305 00:20:52,051 --> 00:20:55,221 あっ 葵…。 た… ただいま。 306 00:20:55,221 --> 00:20:58,724 ごめんね。 荷物が重くて バランス崩しちゃって。 307 00:20:58,724 --> 00:21:02,962 な… なんで ここに? それに この荷物…。 308 00:21:02,962 --> 00:21:06,298 ああ これ 長期戦になると思うから➡ 309 00:21:06,298 --> 00:21:09,468 いっぱい買い出ししてきたんだ。 長期戦…? 310 00:21:09,468 --> 00:21:13,639 うん! 葵が この家から 出られる方法を探すの! 311 00:21:13,639 --> 00:21:15,641 あっ!? (2人)あっ…!? 312 00:21:15,641 --> 00:21:19,145 あっ 言っとくけど 同情なんかじゃないからね。 313 00:21:19,145 --> 00:21:23,482 私 まだ 全然この家のことも 両親のことも わかってないし➡ 314 00:21:23,482 --> 00:21:26,652 そもそも 私が百千家の家主なんだから➡ 315 00:21:26,652 --> 00:21:29,822 徹底的に探索して解明して➡ 316 00:21:29,822 --> 00:21:32,491 そしたら きっと方法が見つかると思う。 317 00:21:32,491 --> 00:21:34,827 ううん 見つけてみせる! 318 00:21:34,827 --> 00:21:42,001 だから… 必ず葵を この家から 追い出してやるんだから! 319 00:21:42,001 --> 00:21:45,004 ひまり…。 320 00:21:45,004 --> 00:21:50,676 困るよ… ここ以外 行き場所なんかないのに➡ 321 00:21:50,676 --> 00:21:54,580 追い出されたら…。 でも…。 322 00:21:57,683 --> 00:21:59,685 おかえり。 323 00:22:02,154 --> 00:22:04,523 フッ。 フン。 324 00:22:08,160 --> 00:22:11,030 おかえり… ひまり。 325 00:22:12,998 --> 00:22:14,967 フフ…。 326 00:23:47,326 --> 00:23:51,163 (火車)さて どう艶じてくれるんだ? 327 00:23:51,163 --> 00:23:54,066 俺の鵺…。