1 00:00:02,002 --> 00:00:04,671 (葵)ひまりの気持ちは わかってる… わかってるよ…。 2 00:00:04,671 --> 00:00:07,508 でも…。 (ひまり)んっ… あっ…。 3 00:00:07,508 --> 00:00:13,514 君を危ない目に遭わせたくない…。 僕の気持ちも わかって。 4 00:00:13,514 --> 00:00:16,316 あっ…。 5 00:00:24,024 --> 00:00:29,029 今日はいないんだ… 葵。 6 00:02:08,161 --> 00:02:10,831 (葵)ひまり。 あっ…。 7 00:02:10,831 --> 00:02:14,835 学校? う… うん…。 8 00:02:14,835 --> 00:02:17,671 どうしたの ひまり? 9 00:02:17,671 --> 00:02:19,840 なんか 変だよ。 10 00:02:19,840 --> 00:02:22,676 そそそ… そんなこと…。 う~ん。 11 00:02:22,676 --> 00:02:26,013 んっ…。 顔も赤いし 熱でも…。 12 00:02:26,013 --> 00:02:28,849 だ… 大丈夫! 元気だから! 13 00:02:28,849 --> 00:02:31,518 え… でも…。 いってきま~す! 14 00:02:31,518 --> 00:02:35,022 (伊勢)なんだ アイツ。 (紫)フッ…。 15 00:02:35,022 --> 00:02:38,025 ああ…。 16 00:02:38,025 --> 00:02:42,696 (那智)江戸時代後期に流行した 『伝記風小説集』のことで➡ 17 00:02:42,696 --> 00:02:45,198 寛政の改革以降…。 《はあ… もう➡ 18 00:02:45,198 --> 00:02:50,370 私ったら 何やってんだろ。 絶対変だって思われたよ…。 19 00:02:50,370 --> 00:02:55,208 葵の距離感がおかしいなんて 今更なのに なんで…。 20 00:02:55,208 --> 00:02:57,878 あんなことされたくらいで…》 21 00:02:57,878 --> 00:02:59,980 (那智)とても有名な作品なので この中でも…。 22 00:02:59,980 --> 00:03:04,651 うん? んっ…。 フッ…。 23 00:03:04,651 --> 00:03:06,653 (那智)『読み本』の 全体的な特徴として…。 24 00:03:14,661 --> 00:03:17,664 《えっ!? 好きな人って…? 25 00:03:17,664 --> 00:03:22,502 いや いやいやいや 葵は家族だし まだ よく知らないし。 26 00:03:22,502 --> 00:03:26,173 あっ…。 ないない ないない ないないない》 27 00:03:26,173 --> 00:03:28,675 (那智)百千さん。 は… はい! 28 00:03:28,675 --> 00:03:32,512 宿題は? あっ 忘れてた…。 29 00:03:32,512 --> 00:03:35,515 フッ 百千さん 今日の放課後➡ 30 00:03:35,515 --> 00:03:39,352 古文準備室の掃除 お願いできるかな? 31 00:03:39,352 --> 00:03:41,688 は… はい…。 32 00:03:41,688 --> 00:03:44,858 (斑目)あ~あ ついてないね。 33 00:03:44,858 --> 00:03:48,028 (飯塚)ごめんね 私たちのせいで…。 34 00:03:48,028 --> 00:03:52,365 ううん むしろ私のほうこそ 巻き込んじゃって ごめん。 35 00:03:52,365 --> 00:03:55,869 日高くんなんて なんにも関係ないのに…。 36 00:03:55,869 --> 00:03:59,539 (日高)気にすんな。 百千には いろいろ世話になったし➡ 37 00:03:59,539 --> 00:04:02,976 これくらい なんでもないよ。 ホントごめん。 38 00:04:02,976 --> 00:04:06,646 日高はともかく なんで妹尾まで? 39 00:04:06,646 --> 00:04:10,317 (妹尾)僕は 今日も 那智先生に お話を伺おうかと! 40 00:04:10,317 --> 00:04:14,654 先生は 僕にとって オカルトの師と 言える方なのです。 うん。 41 00:04:14,654 --> 00:04:16,990 オカルトの師? 42 00:04:16,990 --> 00:04:20,494 那智先生が そんなうさんくさい人なわけ…。 43 00:04:25,665 --> 00:04:28,168 (飯塚/斑目/日高)うさんくさぁ…。 44 00:04:28,168 --> 00:04:31,671 おや 百千さん以外にも 来てくれたんだ? 45 00:04:31,671 --> 00:04:33,840 いや~ 助かるよ。 46 00:04:33,840 --> 00:04:37,844 少し掃除をさぼってたら ご覧のありさまでね…。 47 00:04:37,844 --> 00:04:41,515 少し…。 この乱れっぷりで…。 48 00:04:41,515 --> 00:04:46,686 ハッハハハ… そういうわけで 悪いけど頼むよ。 49 00:04:46,686 --> 00:04:49,523 あとで お茶ぐらい ごちそうするから。 50 00:04:49,523 --> 00:04:51,525 (一同)は~い! 51 00:04:51,525 --> 00:04:54,361 これ どこのお面? 52 00:04:54,361 --> 00:04:57,697 さすがに本物じゃないよね? 53 00:04:57,697 --> 00:05:02,803 何これ? 円い板? ずいぶん古そうだな。 54 00:05:02,803 --> 00:05:08,475 ああ それは銅鏡さ。 のぞき鏡という名がついている。 55 00:05:08,475 --> 00:05:12,145 その筋の人たちには ちょっとした 価値のあるものなんだよ。 56 00:05:12,145 --> 00:05:16,817 ということは! 呪物ですか!? ハッハ… どうかな? 57 00:05:16,817 --> 00:05:19,653 残念ながら 詳細は不明でね。 58 00:05:19,653 --> 00:05:22,989 何がのぞけるかも 伝わっていないんだよ。 59 00:05:22,989 --> 00:05:27,327 ただ 僕はね 人が いちばん のぞきたいものが➡ 60 00:05:27,327 --> 00:05:31,665 映るんじゃないかと思ってる。 いちばん のぞきたいもの? 61 00:05:31,665 --> 00:05:33,667 人の心だよ。 62 00:05:33,667 --> 00:05:38,338 百千さん 今 知りたい 誰かの心はある? 63 00:05:38,338 --> 00:05:42,509 《誰かの心…?》 のぞいてごらん。 64 00:05:42,509 --> 00:05:45,512 ああ…。 65 00:05:45,512 --> 00:05:47,514 (3人)えっ!? 66 00:05:47,514 --> 00:05:49,516 (ひまり)ってゆうか…。 67 00:05:49,516 --> 00:05:51,851 (日高)ぼやけて よく見えないな これ…。 68 00:05:51,851 --> 00:05:57,691 アッハハ そうなんだよ。 それ 古すぎて ちゃんと映らないんだ。 69 00:05:57,691 --> 00:06:01,461 じょ… 冗談ですか…。 やっぱね。 70 00:06:01,461 --> 00:06:06,967 《のぞき鏡か…。 見えなくて ちょっと ほっとしたかも。 71 00:06:06,967 --> 00:06:11,972 誰かの心を盗み見るなんて よくないもんね》 72 00:06:13,974 --> 00:06:16,643 (日高)よし さっさと終わらせて帰ろうぜ! 73 00:06:16,643 --> 00:06:18,979 (斑目)だね。 (飯塚)頑張ろう! 74 00:06:18,979 --> 00:06:21,281 (妹尾)感激! 75 00:06:24,150 --> 00:06:27,821 ふう~ お掃除 疲れた~。 76 00:06:27,821 --> 00:06:32,025 おかえり ひまり。 おかえり。 77 00:06:38,665 --> 00:06:42,002 ただいま お父さん お母さん。 78 00:06:42,002 --> 00:06:48,174 ひまり 今日は いつもより 帰りが遅かったんじゃないか? 79 00:06:48,174 --> 00:06:52,345 いや~ 先生に居残りで 掃除を頼まれちゃって…。 80 00:06:52,345 --> 00:06:55,515 あら 何かしたの? うえっ!? 81 00:06:55,515 --> 00:06:59,185 じ… 実は… 宿題忘れちゃって…。 82 00:06:59,185 --> 00:07:04,624 もう しかたない子ねぇ…。 ハハハ まあ そんな日もあるさ。 83 00:07:04,624 --> 00:07:08,295 アハハハ…。 《あれ…? 変だ…》 84 00:07:08,295 --> 00:07:11,798 そういえば お父さん 今日 仕事休みなの? 85 00:07:11,798 --> 00:07:16,803 たまたまね。 だから ずっと一緒にいられるよ ひまり。 86 00:07:16,803 --> 00:07:20,307 家族だけで のんびりしましょうね ひまり。 87 00:07:20,307 --> 00:07:22,309 うん…。 88 00:07:22,309 --> 00:07:27,147 《やっぱり変だ…。 でも いったい何が変なの…?》 89 00:07:27,147 --> 00:07:31,051 (火車)滑稽も度が過ぎれば 道化にもならん。 90 00:07:32,986 --> 00:07:35,822 ああ…。 91 00:07:35,822 --> 00:07:37,824 火車…!? 92 00:07:37,824 --> 00:07:40,660 (火車)人の眼は 「びいどろ」以下だな。 93 00:07:40,660 --> 00:07:44,331 甘き夢に曇り いともたやすく➡ 94 00:07:44,331 --> 00:07:47,167 真を見失う。 あっ…。 95 00:07:47,167 --> 00:07:50,170 愚かよな…。 96 00:07:50,170 --> 00:07:52,505 あっ…! ひまり。 97 00:07:52,505 --> 00:07:54,841 あっ…。 どうかしたのかい? 98 00:07:54,841 --> 00:07:58,178 う… ううん。 今日の晩ごはんは➡ 99 00:07:58,178 --> 00:08:02,449 ひまりの大好きな揚げ出し豆腐よ。 楽しみにしていてね。 100 00:08:02,449 --> 00:08:06,119 《こんなの絶対変だ…。 だって…》 101 00:08:06,119 --> 00:08:12,125 お… お父さんとお母さんって もう死んでるはずだよね? 102 00:08:15,128 --> 00:08:24,137 ずっと一緒にいられるよ ひまり。 家族だけでのんびりしましょうね。 103 00:08:24,137 --> 00:08:27,640 ずっと…。 ずっと…。 きゃあ~! 104 00:08:30,477 --> 00:08:33,313 ハァハァハァ…。 105 00:08:33,313 --> 00:08:36,649 ひまり~ ひまり~。 106 00:08:36,649 --> 00:08:40,320 今日は ずっと一緒にいられるよ ひまり。 107 00:08:40,320 --> 00:08:45,158 家族だけで のんびりしましょうね ひまり。 108 00:08:45,158 --> 00:08:47,160 家族だけで…。 ひまり…。 109 00:08:47,160 --> 00:08:51,331 のんびりしましょうね ひまり。 ひまり~。 110 00:08:51,331 --> 00:08:56,169 ハァハァハァ…。 111 00:08:56,169 --> 00:08:59,339 《違う… あんなの➡ 112 00:08:59,339 --> 00:09:03,610 私のお父さんと お母さんじゃない…》 113 00:09:03,610 --> 00:09:05,612 はっ! 114 00:09:05,612 --> 00:09:10,016 《こ… これって 那智先生の…》 115 00:09:12,285 --> 00:09:15,455 なんで こんなところに…? 116 00:09:15,455 --> 00:09:19,459 はっ! 今日は ずっと一緒にいられるよ➡ 117 00:09:19,459 --> 00:09:22,462 ひまり。 家族だけで➡ 118 00:09:22,462 --> 00:09:25,799 のんびりしましょうね ひまり。 ずっと一緒にいられるよ ひまり。 119 00:09:25,799 --> 00:09:29,135 家族だけで…。 今日は ずっと一緒にいられるよ➡ 120 00:09:29,135 --> 00:09:31,137 ひまり。 121 00:09:33,139 --> 00:09:39,979 ずっと一緒にいられるよ ひまり。 家族だけでのんびりしましょうね。 122 00:09:39,979 --> 00:09:43,983 ずっと…。 家族だけでのんびりしましょうね。 123 00:09:43,983 --> 00:09:46,086 ひまり。 ハァ…。 124 00:09:48,988 --> 00:09:50,990 グオー! 125 00:09:50,990 --> 00:09:53,326 伊勢 紫さん! 大丈夫か? 126 00:09:53,326 --> 00:09:55,495 さあ こちらへ。 127 00:09:55,495 --> 00:09:57,497 くあっ! ておっ! 128 00:09:57,497 --> 00:09:59,599 ひまり~。 129 00:10:04,838 --> 00:10:08,007 ここには 特別な結界が張ってあるので➡ 130 00:10:08,007 --> 00:10:11,177 ひとまず安心でしょう。 ありがとう。 131 00:10:11,177 --> 00:10:14,347 でも いったい 何がどうなってるの? 132 00:10:14,347 --> 00:10:17,517 なんで 私 あんなのを両親だなんて…。 133 00:10:17,517 --> 00:10:22,188 ここは どうやら 通常の百千家とは違うようです。 134 00:10:22,188 --> 00:10:24,524 俺たちは閉じ込められたんだよ。 135 00:10:24,524 --> 00:10:27,694 閉じ込められたって いったい誰に…? 136 00:10:27,694 --> 00:10:30,530 あっ そうだ アイツ! (2人)うん? 137 00:10:30,530 --> 00:10:32,699 アイツ? 火車だよ! 138 00:10:32,699 --> 00:10:37,370 アイツが また来てたの。 きっと今回も アイツのせいで…。 139 00:10:37,370 --> 00:10:39,372 そうですか。 あっ…? 140 00:10:39,372 --> 00:10:43,209 ですが そんなこと どうでもいいではありませんか。 141 00:10:43,209 --> 00:10:47,046 えっ? ここにいれば安全なんですから。 142 00:10:47,046 --> 00:10:51,384 で… でも…。 火車の野郎なんざ無視すりゃいい。 143 00:10:51,384 --> 00:10:54,220 んっ…。 ひまり お前は絶対に守ってやる。 144 00:10:54,220 --> 00:10:56,556 だから ここで じっとしとけ。 ああ…。 145 00:10:56,556 --> 00:10:59,559 ここにいれば 何もつらいことはありません。 146 00:10:59,559 --> 00:11:04,497 何も考える必要はないんですよ。 フフ…。 147 00:11:04,497 --> 00:11:08,668 フッ…。 あっ…。 148 00:11:08,668 --> 00:11:13,673 ま… 待って…。 葵は? 葵は 今どこ? 無事なの? 149 00:11:13,673 --> 00:11:18,011 葵なら大丈夫だ ほっといていい。 えっ!? 150 00:11:18,011 --> 00:11:21,181 今は ひまり あなたのことだけを…。 151 00:11:21,181 --> 00:11:25,518 《違う! 絶対に違う!》 152 00:11:25,518 --> 00:11:28,688 誰? 紫さんも伊勢も➡ 153 00:11:28,688 --> 00:11:31,357 こんなときに 葵のことを 放っておいていいなんて➡ 154 00:11:31,357 --> 00:11:34,360 言うはずがない! あなたたちは誰なの!? 155 00:11:34,360 --> 00:11:39,198 私は紫 あなたの家族ではないですか。 156 00:11:39,198 --> 00:11:42,702 俺は伊勢だ。 お前のダチだろ? 157 00:11:44,704 --> 00:11:48,374 ウソだ! クッ…。 158 00:11:48,374 --> 00:11:51,711 《みんな おかしい! なんで? 159 00:11:51,711 --> 00:11:55,048 いったい どうしたらいいの?》 160 00:11:55,048 --> 00:11:57,717 ハァハァ…。 161 00:11:57,717 --> 00:12:00,320 きゃっ! んん…。 162 00:12:00,320 --> 00:12:08,161 ずっと一緒にいられるよ ひまり。 家族だけでのんびりしましょうね。 163 00:12:08,161 --> 00:12:10,997 ひまり…。 ひま…。 164 00:12:10,997 --> 00:12:14,334 葵! 165 00:12:14,334 --> 00:12:16,336 無事でよかった。 166 00:12:16,336 --> 00:12:20,506 もう大丈夫だよ ひまり。 よく1人で頑張ったね。 167 00:12:20,506 --> 00:12:25,678 うん。 紫さんも伊勢も それに百千家も変で➡ 168 00:12:25,678 --> 00:12:28,514 なんで こんなことに なっちゃったんだろう? 169 00:12:28,514 --> 00:12:32,018 火車のせいかもしれないね。 やっぱり? 170 00:12:32,018 --> 00:12:34,354 アイツ また いきなり出てきて➡ 171 00:12:34,354 --> 00:12:36,689 訳わかんないこと言って 消えちゃて…。 172 00:12:36,689 --> 00:12:40,360 うん? ひまり それ…。 うん? 173 00:12:40,360 --> 00:12:43,196 ああ これ…。 174 00:12:43,196 --> 00:12:48,034 のぞき鏡っていって 学校の先生のものなんだけど➡ 175 00:12:48,034 --> 00:12:52,205 なんでか 私の手元にあって…。 のぞき鏡? 176 00:12:52,205 --> 00:12:56,709 うん… 先生は 人の いちばん のぞきたいもの➡ 177 00:12:56,709 --> 00:13:00,146 人の心が のぞけるんじゃないか って言ってた。 178 00:13:00,146 --> 00:13:03,650 ひまりは 誰の心をのぞきたいって 思ったの? 179 00:13:03,650 --> 00:13:07,153 えっ!? そ… それは…。 180 00:13:07,153 --> 00:13:09,822 もしかして 僕? うっ…。 181 00:13:09,822 --> 00:13:13,493 た… たまたまだよ! たまたま思い浮かんだのが➡ 182 00:13:13,493 --> 00:13:16,162 葵ってだけで 深い意味は…。 183 00:13:16,162 --> 00:13:20,833 そんなもの使わなくたって 僕の気持ちは わかるでしょ? 184 00:13:20,833 --> 00:13:23,002 はぁ…。 185 00:13:23,002 --> 00:13:29,342 ひまり 僕のそばにいて どこにも行かないで… お願い。 186 00:13:29,342 --> 00:13:31,344 葵…。 187 00:13:31,344 --> 00:13:36,849 大丈夫だよ。 私 葵のそばにいるから。 188 00:13:36,849 --> 00:13:39,018 本当に? うん…。 189 00:13:39,018 --> 00:13:42,855 だったら 永遠に君を閉じ込めてもいい? 190 00:13:42,855 --> 00:13:45,858 えっ? 百千家で 僕と➡ 191 00:13:45,858 --> 00:13:52,198 ずっと一緒に暮らしてくれる? そ… それは… できないよ。 192 00:13:52,198 --> 00:13:55,034 なんで? だって 私➡ 193 00:13:55,034 --> 00:13:57,036 葵を外に連れ出すって➡ 194 00:13:57,036 --> 00:13:59,706 外の世界に戻すって 約束したじゃない! 195 00:13:59,706 --> 00:14:02,975 それは無理だよ…。 葵…。 196 00:14:02,975 --> 00:14:06,979 僕は 百千家から出られない 運命なんだ。 197 00:14:06,979 --> 00:14:10,149 これまでも これからも ずっとね…。 198 00:14:10,149 --> 00:14:14,821 だって 僕はもう あやかしなんだもの。 199 00:14:14,821 --> 00:14:16,823 はっ…!? 200 00:14:19,492 --> 00:14:24,664 葵じゃ… ない…。 葵は そんなふうに笑わない。 201 00:14:24,664 --> 00:14:29,502 なんで そんなことがわかるの? そ… それは…。 202 00:14:29,502 --> 00:14:34,340 僕が気に入らない? だったら…。 203 00:14:34,340 --> 00:14:38,177 こちらのほうが好みか? んっ…! 204 00:14:38,177 --> 00:14:40,346 ひまり。 ああ…。 205 00:14:40,346 --> 00:14:46,686 共に とこしえの安寧に沈もう…。 やめて! 離して! 206 00:14:46,686 --> 00:14:51,858 どうして あらがうの? どうして? 207 00:14:51,858 --> 00:14:56,529 この世界は 私の心が望んだ世界…。 208 00:14:56,529 --> 00:14:59,699 このままのほうが幸せなのに…。 209 00:14:59,699 --> 00:15:02,301 私…? 210 00:15:02,301 --> 00:15:05,138 うっ…! うっ! 211 00:15:05,138 --> 00:15:09,142 この世界では お父さんとお母さんと➡ 212 00:15:09,142 --> 00:15:14,981 家族と暮らせる。 私が望んだことじゃない? 213 00:15:14,981 --> 00:15:18,818 そうだよ 自分の家族が欲しいって➡ 214 00:15:18,818 --> 00:15:23,489 ずっと思ってたはずだよ。 あるかどうかもわからない➡ 215 00:15:23,489 --> 00:15:28,161 家族の手がかりなんて 探す必要 ここではない。 216 00:15:28,161 --> 00:15:32,498 だって お父さんとお母さんは ちゃんといるもの。 217 00:15:32,498 --> 00:15:34,500 あんなの家族じゃない! 218 00:15:34,500 --> 00:15:37,336 私の知りたい お父さんとお母さんじゃない! 219 00:15:37,336 --> 00:15:42,842 それに… 今の家族は…。 百千家のみんな… そう思ってる? 220 00:15:42,842 --> 00:15:45,845 えっ? 葵と紫さんと伊勢は➡ 221 00:15:45,845 --> 00:15:49,682 確かに家族だって思う。 絆でつながってるよね。 222 00:15:49,682 --> 00:15:51,684 ああ…。 でも…。 223 00:15:51,684 --> 00:15:54,020 ああ…。 私は あとから➡ 224 00:15:54,020 --> 00:15:57,356 勝手に押しかけてきた やっかい者じゃない? 225 00:15:57,356 --> 00:15:59,959 本当に みんなから受け入れられている? 226 00:15:59,959 --> 00:16:03,462 家族として 必要とされていると思うの? 227 00:16:03,462 --> 00:16:07,967 そ… それは…。 私は 所詮 なんの力もない➡ 228 00:16:07,967 --> 00:16:10,470 ただの人間。 役立たず。 229 00:16:10,470 --> 00:16:13,973 いつも 葵たちの お荷物になってばかり。 230 00:16:13,973 --> 00:16:19,645 きっと みんな心の中で 「ひまり 邪魔だな」って思ってる。 231 00:16:19,645 --> 00:16:22,982 そんなこと…。 葵も きっとあきれてる。 232 00:16:22,982 --> 00:16:25,818 うっ…。 「何度 迷惑をかければ➡ 233 00:16:25,818 --> 00:16:28,821 気が済むんだ」って 内心うんざりして…。 234 00:16:28,821 --> 00:16:32,658 そんなことない! 葵は いつも私を守ってくれた! 235 00:16:32,658 --> 00:16:35,495 それは 百千家の血を引いているから➡ 236 00:16:35,495 --> 00:16:39,165 しかたなくだよ。 違う! 絶対に違う! 237 00:16:39,165 --> 00:16:41,834 葵は いつも本気だった! 238 00:16:41,834 --> 00:16:46,505 信じてる 私… 葵のこと ずっと。 239 00:16:46,505 --> 00:16:52,845 信じてるって 何を根拠に? 葵は 私に何か隠し事してる。 240 00:16:52,845 --> 00:16:55,514 気付いてるよね? 241 00:16:55,514 --> 00:16:58,184 本心を すべて さらけ出してくれない。 242 00:16:58,184 --> 00:17:01,621 そんな人を本当に信じられるの? 243 00:17:01,621 --> 00:17:05,124 確かに葵は 私に何か隠している。 244 00:17:05,124 --> 00:17:10,296 それに案外ウソつきで 大事なことは 何もしゃべってくれない。 245 00:17:10,296 --> 00:17:12,798 でも… そんなの関係ない! 246 00:17:12,798 --> 00:17:17,970 私は信じてる! 葵と 葵を信じてる自分を! 247 00:17:17,970 --> 00:17:20,473 本当に それでいいの? 248 00:17:20,473 --> 00:17:24,143 この世界には ひまりの 望みどおりの僕がいるよ。 249 00:17:24,143 --> 00:17:29,148 僕の心は ひまりの思うがまま。 自由に愛し 愛されるんだ。 250 00:17:29,148 --> 00:17:32,985 私は お前の心を完全に理解できる。 251 00:17:32,985 --> 00:17:36,489 まだ間に合う。 何も心配はいりません。 252 00:17:36,489 --> 00:17:39,158 今までのことは すべて忘れましょう。 253 00:17:39,158 --> 00:17:42,161 まっさらな気持ちで やり直そうぜ。 254 00:17:42,161 --> 00:17:44,864 (2人)私たちと一緒にいましょう。 255 00:17:47,500 --> 00:17:51,671 ずっと今日が続く この世界で 僕と…。 256 00:17:51,671 --> 00:17:56,008 さあ ひまり… おいで…。 257 00:17:56,008 --> 00:18:02,448 私は もう迷わない。 逃げない。 答えを見つけたの。 258 00:18:02,448 --> 00:18:05,952 私が欲しいのは 永遠に変わらない今日じゃない。 259 00:18:05,952 --> 00:18:09,288 葵と一緒に変わっていく 明日なんだ! 260 00:18:09,288 --> 00:18:14,794 だから こんなまやかしの世界 いらない! 261 00:18:14,794 --> 00:18:18,464 (火車)ほう… ただ わめき散らすしか能のない➡ 262 00:18:18,464 --> 00:18:21,467 生き物だと思っていたが…。 263 00:18:25,137 --> 00:18:27,139 きゃっ! 264 00:18:29,308 --> 00:18:32,144 (火車)遠ぼえも…。 あっ!? 265 00:18:32,144 --> 00:18:35,481 続ければ それなりに 様になるものだな。 266 00:18:35,481 --> 00:18:38,484 火車!? なんで アンタが私を…? 267 00:18:38,484 --> 00:18:42,655 勘違いするな。 俺は気に入らなかっただけだ…。 268 00:18:42,655 --> 00:18:45,825 鵺とは あやかしと人間のはざま➡ 269 00:18:45,825 --> 00:18:51,330 異形と獣が交じり合う 唯一無二の 幽玄なる美を持つあやかし…。 270 00:18:51,330 --> 00:18:54,834 あのような粗悪な模造品 へどが出る。 271 00:18:54,834 --> 00:18:58,504 それに 人が あやかしに 手出ししようというのも➡ 272 00:18:58,504 --> 00:19:01,440 おもしろくない話だ。 えっ? 273 00:19:01,440 --> 00:19:07,613 それで 百千の娘よ… 貴様 これから どうするつもりだ? 274 00:19:07,613 --> 00:19:11,117 ああっ! の… のぞき鏡が!? 275 00:19:11,117 --> 00:19:15,955 この虚像の世界を 野良犬のごとく さまようか? 276 00:19:15,955 --> 00:19:18,791 それなら 俺が もっと出来のよい人形を➡ 277 00:19:18,791 --> 00:19:22,294 こしらえてやってもいぞ? バカ言わないで! 278 00:19:22,294 --> 00:19:26,132 私は 百千家に… 葵のもとに帰るんだから! 279 00:19:26,132 --> 00:19:31,804 フン… 鏡とは 「かが」と 「み」 すなわち蛇だ。 280 00:19:31,804 --> 00:19:34,974 蛇がごとき おのが 妄想を映し出し➡ 281 00:19:34,974 --> 00:19:38,811 形を変え つなぐ道具。 妄想!? 282 00:19:38,811 --> 00:19:42,481 そのような情念を 心と呼ぶのだろう? 283 00:19:42,481 --> 00:19:45,818 貴様ら人は… な。 284 00:19:45,818 --> 00:19:47,820 あっ ちょっと! 285 00:19:47,820 --> 00:19:51,824 もう… 相変わらず 訳わかんない…。 286 00:19:51,824 --> 00:19:55,327 妄想… 強く思う心。 287 00:19:55,327 --> 00:19:58,831 鏡は強い心を映してつなぐ道具? 288 00:19:58,831 --> 00:20:01,333 あっ… もしかして…? 289 00:20:08,007 --> 00:20:13,012 お願い 私 帰りたい。 葵に会いたい! 290 00:20:13,012 --> 00:20:15,014 伝えたいことがあるの! 291 00:20:17,016 --> 00:20:19,018 あっ…。 292 00:20:19,018 --> 00:20:21,620 葵…。 293 00:20:24,857 --> 00:20:26,859 葵! 294 00:20:30,529 --> 00:20:33,365 百千さん!? 百千!? 295 00:20:33,365 --> 00:20:35,701 あっ あっ…。 あっ! 296 00:20:35,701 --> 00:20:38,204 ひまり。 大丈夫? 297 00:20:38,204 --> 00:20:42,708 うん… あの… 私… いったい…。 298 00:20:42,708 --> 00:20:46,045 のぞき鏡を見た瞬間 いきなり倒れたんだ。 299 00:20:46,045 --> 00:20:48,047 えっ!? そうなんですか? 300 00:20:48,047 --> 00:20:51,717 ああ まあ ほんの2~3分と いったところですが…。 301 00:20:51,717 --> 00:20:53,719 2~3分…。 302 00:20:53,719 --> 00:20:57,556 《私 現実に戻ってこれたんだ…》 303 00:20:57,556 --> 00:20:59,558 百千さん。 あっ…。 304 00:20:59,558 --> 00:21:01,660 本当に大丈夫? はい➡ 305 00:21:01,660 --> 00:21:04,330 夢を見てただけです。 夢? 306 00:21:04,330 --> 00:21:06,665 《ちょっと 不思議な夢だったけど➡ 307 00:21:06,665 --> 00:21:10,002 でも おかげで 大事なことに気付けた…》 308 00:21:10,002 --> 00:21:12,004 百千さん。 うん…? 309 00:21:12,004 --> 00:21:17,009 いつか聞かせてね。 その… 夢の話。 310 00:21:19,011 --> 00:21:21,013 ハァハァハァ…。 311 00:21:21,013 --> 00:21:25,351 《のぞき鏡の世界が夢だったのか 本当だったのか➡ 312 00:21:25,351 --> 00:21:27,686 今は もうわからない…。 313 00:21:27,686 --> 00:21:33,359 でも 私のこの気持ちは 決して 夢でも まやかしでもない!》 314 00:21:33,359 --> 00:21:35,861 ハァハァハァ…。 315 00:21:35,861 --> 00:21:38,364 葵! ハァハァ。 316 00:21:38,364 --> 00:21:42,201 おかえり ひまり。 317 00:21:42,201 --> 00:21:45,371 どうしたの? そんなに急いで。 318 00:21:45,371 --> 00:21:48,574 葵に早く会いたくて。 えっ? 319 00:21:50,876 --> 00:21:54,547 す~ ふ~…。 320 00:21:54,547 --> 00:21:57,883 葵…。 何? ひまり。 321 00:21:57,883 --> 00:22:01,487 あのね 私 私➡ 322 00:22:01,487 --> 00:22:04,490 葵のことが好きなの。 323 00:22:04,490 --> 00:22:06,992 あっ! 324 00:22:06,992 --> 00:22:09,094 あっ…。 325 00:23:43,355 --> 00:23:45,858 んっ…。 326 00:23:48,193 --> 00:23:51,196 フッ…。 フッ…。 327 00:23:51,196 --> 00:23:53,198 あっ…。