1 00:00:02,002 --> 00:00:05,172 ⦅那智くん また お化けが見えるなんて言って。 2 00:00:05,172 --> 00:00:08,842 ウソなんでしょ? そんなに目立ちたいわけ? 3 00:00:08,842 --> 00:00:10,844 (一同)ハハハ…。 4 00:00:10,844 --> 00:00:15,182 (那智)ウソじゃない… 本当なのに…。 5 00:00:15,182 --> 00:00:20,520 篁 何が不満で そんな 薄気味悪いことばかり言うんだ? 6 00:00:20,520 --> 00:00:23,857 違う! そこにいるんだ 黒いものが…。 7 00:00:23,857 --> 00:00:28,362 わからない…。 お母さんには 何もわからないわ…。 8 00:00:28,362 --> 00:00:34,167 はっ はっ… お父さん… お母さん…⦆ 9 00:02:10,998 --> 00:02:14,835 (葵)はあ! はあ…。 10 00:02:14,835 --> 00:02:18,338 な… なぜだ。 11 00:02:18,338 --> 00:02:22,342 鵺になれないのだろう? 筋書きどおりだ。 12 00:02:22,342 --> 00:02:24,344 (伊勢)くっ! 13 00:02:26,346 --> 00:02:29,850 さあ 君はもう僕のものだよ 葵くん。 14 00:02:29,850 --> 00:02:33,353 くっ…!? 君は大きくなったのかな? 15 00:02:33,353 --> 00:02:36,023 僕の力として。 うっ! 16 00:02:36,023 --> 00:02:38,025 (伊勢/紫)葵! くっ! 17 00:02:38,025 --> 00:02:40,527 ぐっ… ヤロウ! 無駄だ。 18 00:02:40,527 --> 00:02:44,197 逆らえば逆らうほど戒めは強まる。 19 00:02:44,197 --> 00:02:46,867 こんなふうに。 20 00:02:46,867 --> 00:02:49,703 (2人)うう~っ! (葵/ひまり)紫! 伊勢! 21 00:02:49,703 --> 00:02:52,039 やめて! おにいさん。 22 00:02:52,039 --> 00:02:54,207 なぜ あなたが こんなことを…。 23 00:02:54,207 --> 00:02:58,111 すべては 「縁」だよ。 24 00:03:00,647 --> 00:03:05,652 僕は あやかしを統べる力を求めて 百千家を探していたが➡ 25 00:03:05,652 --> 00:03:08,989 たどりつくことはできなかった…。 26 00:03:08,989 --> 00:03:14,494 百千家に招かれるのは 御守様の資格がある者だけ。 27 00:03:14,494 --> 00:03:17,497 僕には その資格がなかったんだ…。 28 00:03:17,497 --> 00:03:22,502 自分に資格がないならば ある者を見つければいい。 29 00:03:22,502 --> 00:03:28,308 僕は毎日 素質のありそうな 子どもを探すことにした…。 30 00:03:30,677 --> 00:03:33,180 そして…。 31 00:03:33,180 --> 00:03:35,682 ⦅その子 友達なの? 32 00:03:38,018 --> 00:03:40,020 見えるんだね? 33 00:03:42,022 --> 00:03:45,692 ねえ 今日も あやかしのことを教えて。 34 00:03:45,692 --> 00:03:50,530 かまわないけど… いいのかい? 毎日ここに来て。 35 00:03:50,530 --> 00:03:53,867 学校の友達は? あっ…。 36 00:03:53,867 --> 00:03:56,703 心配かけるから…。 37 00:03:56,703 --> 00:04:01,141 おにいさんといたいんだ。 「ウソつき」って言わないし…。 38 00:04:01,141 --> 00:04:05,145 家族に そう言われたの? うん。 39 00:04:05,145 --> 00:04:09,483 僕のせいで 変なものが寄ってきて…。 40 00:04:09,483 --> 00:04:12,319 でも言っても 信じてもらえなくて…。 41 00:04:12,319 --> 00:04:19,826 家族をめちゃくちゃにするって…。 うっ… ううう…。 42 00:04:19,826 --> 00:04:22,662 そうかもしれないね。 えっ? 43 00:04:22,662 --> 00:04:28,068 葵くん 君がいなくなったら みんな幸せになるのかもしれない。 44 00:04:34,341 --> 00:04:39,346 あの山の奥に 百千家という 誰も使っていない家があるんだ。 45 00:04:39,346 --> 00:04:41,848 百千家? うん。 46 00:04:41,848 --> 00:04:45,352 そこに 少しの間 隠れていたらどうかな? 47 00:04:45,352 --> 00:04:49,189 家の人も きっと葵くんの姿が 見えなくなったら➡ 48 00:04:49,189 --> 00:04:51,358 捜しに来てくれると思うよ。 49 00:04:51,358 --> 00:04:55,028 でも… もし 誰も来てくれなかったら? 50 00:04:55,028 --> 00:04:59,032 大丈夫。 僕が迎えに行くから。 51 00:04:59,032 --> 00:05:03,136 本当? ああ… 約束だ。 52 00:05:08,808 --> 00:05:10,977 はあ…。 53 00:05:10,977 --> 00:05:14,481 さあ 百千家へ お行き…⦆ 54 00:05:19,986 --> 00:05:25,325 僕の見込みどおり 葵くんは すばらしい才能を持っていた。 55 00:05:25,325 --> 00:05:30,497 見事 百千家に見初められ 御守様に選ばれたのだから。 56 00:05:30,497 --> 00:05:32,832 そんな… ひどい…。 57 00:05:32,832 --> 00:05:36,837 でも 僕は あなたのことを 覚えていなかった。 58 00:05:36,837 --> 00:05:39,172 フッ… かわいそうに。 59 00:05:39,172 --> 00:05:43,343 それほど あのころの君は 追い詰められていたんだろう。 60 00:05:43,343 --> 00:05:50,350 家族に 人の悪意に そして よこしまなあやかしに…。 61 00:05:50,350 --> 00:05:54,854 はっ…!? ああ。 ここまで本当に長かった。 62 00:05:54,854 --> 00:05:57,858 ようやく 僕の悲願は かなえられる。 63 00:05:57,858 --> 00:06:03,129 だが 葵くん 君は少々 適性が高すぎる…。 64 00:06:03,129 --> 00:06:07,968 他の式神どもはともかく 鵺の君を僕の制御下に置くのは➡ 65 00:06:07,968 --> 00:06:13,139 さすがに骨が折れる。 そこで 次の一手を打たせてもらった。 66 00:06:13,139 --> 00:06:15,141 あっ…! 67 00:06:15,141 --> 00:06:19,312 君だよ 百千くん。 えっ? 68 00:06:19,312 --> 00:06:22,816 君のおかげで 葵くんの心は震えた。 69 00:06:22,816 --> 00:06:28,488 失っていた人の思いを取り戻し バランスがとれなくなるほどにね。 70 00:06:28,488 --> 00:06:31,324 いったい 何を言って…。 71 00:06:31,324 --> 00:06:33,994 君は 実にいい生徒だよ。 72 00:06:33,994 --> 00:06:37,497 僕の描いた図面のとおりに 動いてくれた。 73 00:06:37,497 --> 00:06:41,501 百千家に来てくれて 本当にありがとう➡ 74 00:06:41,501 --> 00:06:45,171 百千ひまりくん。 はっ! 75 00:06:45,171 --> 00:06:49,676 まさか… あの遺言状って…。 76 00:06:49,676 --> 00:06:57,183 この世は縁でできている。 そして 縁とは自ら たぐり寄せるものだ。 77 00:06:57,183 --> 00:07:01,955 そんな…。 これで すべて理解できただろう? 78 00:07:01,955 --> 00:07:05,792 授業は そろそろ終わりにしよう。 79 00:07:05,792 --> 00:07:07,961 はっ!? ああ…。 80 00:07:07,961 --> 00:07:10,964 うっ… うっ…!? 葵! あっ! きゃ~っ! 81 00:07:10,964 --> 00:07:13,133 ひまり! フッ…。 82 00:07:13,133 --> 00:07:18,471 百千家 その名を持ちながら なんの力もない人だね。 83 00:07:18,471 --> 00:07:22,809 はあ…。 ひまり…。 ううっ…。 84 00:07:22,809 --> 00:07:26,813 僕だけが 君のことを理解してあげられる。 85 00:07:26,813 --> 00:07:30,150 憂いも 孤独も すべて委ねるといい。 86 00:07:30,150 --> 00:07:34,988 そして 僕の式神になりなさい 葵くん…。 87 00:07:34,988 --> 00:07:37,324 いや 御守様。 88 00:07:37,324 --> 00:07:41,494 うう… うう…。 89 00:07:41,494 --> 00:07:43,496 あっ! 葵! 90 00:07:45,665 --> 00:07:48,668 んっ…! うっ! 91 00:07:48,668 --> 00:07:51,671 うう…。 あっ…。 92 00:07:51,671 --> 00:07:54,507 これは!? 御守様➡ 93 00:07:54,507 --> 00:07:59,012 その力で 僕は 現世にはびこる すべてのあやかしどもを➡ 94 00:07:59,012 --> 00:08:01,781 統べる力を得る。 そして➡ 95 00:08:01,781 --> 00:08:05,285 人に安寧と正しい秩序を もたらすのだ! 96 00:08:07,287 --> 00:08:09,289 うわっ! 97 00:08:12,292 --> 00:08:14,961 えっ? 98 00:08:14,961 --> 00:08:18,798 あっ… あっ… あっ…。 99 00:08:18,798 --> 00:08:24,003 葵? どこに行ったの!? 葵! 100 00:08:27,974 --> 00:08:29,976 葵! 101 00:08:29,976 --> 00:08:32,645 どこなの? 102 00:08:32,645 --> 00:08:35,148 返事して! 103 00:08:38,485 --> 00:08:43,156 はあ… はあ… はあ… いない…。 104 00:08:43,156 --> 00:08:47,660 葵 みんな どこ? 105 00:08:47,660 --> 00:08:50,663 (火車)捜しても無駄だ。 あっ! 106 00:08:50,663 --> 00:08:54,167 はっ… か… 火車!? 107 00:08:54,167 --> 00:08:57,337 鵺たちは カラスの籠に捕らわれている。 108 00:08:57,337 --> 00:09:02,342 人の身では決してたどりつけん。 そんな…。 109 00:09:08,448 --> 00:09:10,617 あやかしどもよ。 110 00:09:10,617 --> 00:09:15,121 貴様らの居場所など この世界のどこにもないと知れ。 111 00:09:15,121 --> 00:09:18,458 うう…。 さすがだ。 112 00:09:18,458 --> 00:09:22,295 まだ意識があったんだね。 おにい… さん…。 113 00:09:22,295 --> 00:09:26,132 紫や伊勢たちを… 解放して…。 114 00:09:26,132 --> 00:09:29,969 君は 昔から ちっとも変わってないね。 115 00:09:29,969 --> 00:09:32,639 心が優しい…。 116 00:09:32,639 --> 00:09:37,811 いいかい 葵くん。 あやかしたちは 現世を汚す侵略者なんだ。 117 00:09:37,811 --> 00:09:42,315 力を持たぬ人間は ずっと あやかしに脅かされてきた。 118 00:09:42,315 --> 00:09:46,653 だから 僕らのような力を持つ者が 戦わなくてはいけない。 119 00:09:46,653 --> 00:09:49,489 何を… 言って…? 120 00:09:49,489 --> 00:09:53,326 この世のことわりに 目を向けなさい 葵くん。 121 00:09:53,326 --> 00:09:57,664 秩序を侵すあやかしは 滅ぼさなければならないんだよ。 122 00:09:57,664 --> 00:10:03,002 そんな… 僕は… みんなと… あやかしたちと一緒に…。 123 00:10:03,002 --> 00:10:07,340 かわいそうだ。 君は あのよこしまな家で➡ 124 00:10:07,340 --> 00:10:12,512 ヤツらに惑わされてしまったのだね。 ち… 違う! 125 00:10:12,512 --> 00:10:14,848 くっ…。 126 00:10:14,848 --> 00:10:19,018 苦しいかい? ごめんね…。 127 00:10:19,018 --> 00:10:24,691 でも 大丈夫。 これから ずっと僕が 葵くんを導くから。 128 00:10:24,691 --> 00:10:30,196 君が僕の支配を受け入れれば すべてから解放されるんだ。 129 00:10:30,196 --> 00:10:33,533 苦しみや悲しみからも。 130 00:10:33,533 --> 00:10:40,373 現世は人に 幽世はあやかしに…。 それが正しきことわりの調べ。 131 00:10:40,373 --> 00:10:45,879 あやかしの王たる鵺の力をもって 僕が秩序の壁となろう…。 132 00:10:45,879 --> 00:10:51,384 さあ 葵くん 共に 美しく清らかな世界に行こう。 133 00:10:51,384 --> 00:10:54,721 ひまり…。 134 00:10:54,721 --> 00:10:57,557 火車 葵たちは どこにいるの!? 135 00:10:57,557 --> 00:11:00,660 「人の身ではたどりつけない」って どういうこと!? 136 00:11:00,660 --> 00:11:03,329 相変わらず やかましくほえる。 137 00:11:03,329 --> 00:11:07,333 いいから 教えて! 葵たちは どうして消えたの!? 138 00:11:07,333 --> 00:11:10,169 あのカラスの術だ。 あっ…!? 139 00:11:10,169 --> 00:11:15,008 百千の家は 現世と幽世のはざまに たゆたう境界。 140 00:11:15,008 --> 00:11:19,679 貴様ら人の現世は 「陽」 幽世は 「陰」。 141 00:11:19,679 --> 00:11:23,183 それぞれの世界をわかつ 術なのだろうさ。 142 00:11:23,183 --> 00:11:25,351 「かごめかごめ」とな。 143 00:11:25,351 --> 00:11:28,688 じゃあ 葵たちは その 「陰」の世界にいるの? 144 00:11:28,688 --> 00:11:31,024 あのこざかしい術者は➡ 145 00:11:31,024 --> 00:11:34,527 そういった世界をわかつ術に たけているようだからな…。 146 00:11:34,527 --> 00:11:38,197 心当たりがあるだろう? あっ…。 147 00:11:38,197 --> 00:11:40,199 ⦅のぞいてごらん⦆ 148 00:11:40,199 --> 00:11:44,370 そうか… のぞき鏡も 那智先生の…。 149 00:11:44,370 --> 00:11:48,875 おのが分をわきまえず あやかしの ことわりに踏み入れるとは➡ 150 00:11:48,875 --> 00:11:52,045 不遜で愚昧なカラスよな…。 151 00:11:52,045 --> 00:11:54,547 どうしたら葵たちを救えるの? 152 00:11:54,547 --> 00:11:59,886 あだなるカラスの羽根をもぎたいなら 貴様が幽世に赴くしかない。 153 00:11:59,886 --> 00:12:03,489 そして 幽世で鵺の手かがりをつかめ…。 154 00:12:03,489 --> 00:12:09,495 さすれば 貴様が入ったことで ヤツの術の均衡を崩すだろう…。 155 00:12:09,495 --> 00:12:14,167 だが 人の身で 幽世を渡ることはできぬか…。 156 00:12:14,167 --> 00:12:17,670 百千の娘よ 一度死んでみてはどうだ? 157 00:12:17,670 --> 00:12:19,672 はあ!? ふむ…。 158 00:12:19,672 --> 00:12:23,009 まあ 死者は陰になるゆえ 意味はないか…。 159 00:12:23,009 --> 00:12:25,345 面倒だな。 いっそ…。 160 00:12:25,345 --> 00:12:27,347 な… 何!? (物音) 161 00:12:29,349 --> 00:12:31,651 はっ…。 あの中には…。 162 00:12:35,021 --> 00:12:39,125 これって…。 あっ!? 163 00:12:42,695 --> 00:12:44,697 ほおずきちょうちんが…。 164 00:12:44,697 --> 00:12:49,035 ほう なかなか けうなおもちゃだな。 あっ!? 165 00:12:49,035 --> 00:12:51,037 ⦅猫ばぁば:この ほおずきちょうちんは➡ 166 00:12:51,037 --> 00:12:56,209 たった一度だけ 真実大事な道を 照らすという言い伝えじゃ⦆ 167 00:12:56,209 --> 00:13:00,480 たった… 一度だけ…。 んっ…。 168 00:13:00,480 --> 00:13:03,149 行くのか? うん! 169 00:13:03,149 --> 00:13:08,821 人ごときが なんの守りもなく 幽世を進むなど 愚劣の極み。 170 00:13:08,821 --> 00:13:12,825 命を落とすだけでは 済まんかもしれんぞ? 171 00:13:12,825 --> 00:13:15,662 私は自分のできることを信じる。 172 00:13:15,662 --> 00:13:19,565 絶対に みんなと… 葵を見つけ出す! 173 00:13:27,840 --> 00:13:29,842 フン…。 174 00:13:29,842 --> 00:13:35,148 真っ暗。 どこを進めば…。 175 00:13:37,517 --> 00:13:39,519 あっ…。 176 00:13:41,688 --> 00:13:44,891 あっ! これをたどっていけば…。 177 00:13:50,530 --> 00:13:53,332 ほおずきちょうちんを信じよう。 178 00:13:57,370 --> 00:13:59,372 あっ! 179 00:14:02,308 --> 00:14:05,645 何これ? 門? 180 00:14:05,645 --> 00:14:07,980 なんで こんなところに…。 181 00:14:07,980 --> 00:14:12,785 (八渦)うまそうな人の臭いだ…。 きゃあ!? 182 00:14:16,155 --> 00:14:19,359 だ… 誰!? あやかし…。 183 00:14:21,327 --> 00:14:27,166 (八渦)いい酒のさかなに なりそうだ。 食わせておくれ…。 184 00:14:27,166 --> 00:14:30,336 あっ…。 あ~っ! 185 00:14:30,336 --> 00:14:33,172 さ… 酒がない! ああ…。 186 00:14:33,172 --> 00:14:37,510 もうだめだ。 酒がないと なんもやる気が起きねえ! 187 00:14:37,510 --> 00:14:40,680 はあ…。 あ… あの… あなたは? 188 00:14:40,680 --> 00:14:43,349 俺は ここの門番だけど? 189 00:14:43,349 --> 00:14:47,854 お願い この門を開けて! 私は ここを通りたいの! 190 00:14:47,854 --> 00:14:50,356 人間が? なんで? 191 00:14:50,356 --> 00:14:52,358 大事な人たちを捜してるの。 192 00:14:52,358 --> 00:14:55,027 その手がかりが この先にあるはず。 193 00:14:55,027 --> 00:14:57,196 ふ~ん。 あっ…。 194 00:14:57,196 --> 00:15:00,466 アンタ うわさの百千の娘か。 195 00:15:00,466 --> 00:15:03,136 ずいぶんと おもしろい業を背負ってるな。 196 00:15:03,136 --> 00:15:05,805 えっ!? わ… 私のこと知ってるの!? 197 00:15:05,805 --> 00:15:10,643 フッ… わかるんだよ 俺には… いろいろとな。 198 00:15:10,643 --> 00:15:14,147 えっ? いいぜ ここを通してやる。 199 00:15:14,147 --> 00:15:17,483 本当!? ああ。 だが そのためには➡ 200 00:15:17,483 --> 00:15:21,487 通行手形… アンタの魂をもらおうか。 201 00:15:21,487 --> 00:15:24,157 そ… そんな! この先はな➡ 202 00:15:24,157 --> 00:15:27,326 それくらいの対価が必要な 場所なんだよ。 203 00:15:27,326 --> 00:15:29,829 ま… 待って…。 204 00:15:29,829 --> 00:15:33,332 えっ? うん? ちょ… ちょうちんが…。 205 00:15:35,334 --> 00:15:40,640 うん…。 ほう これもまた よい まれものの味…。 206 00:15:43,009 --> 00:15:48,014 よし これで対価としてやろう。 どうして? 207 00:15:48,014 --> 00:15:52,518 ほおずきちょうちんの明かりが お前の身代わりになったのだ。 208 00:15:52,518 --> 00:15:56,522 どうやら お前の真名に 遠からず縁があるようだからな。 209 00:15:56,522 --> 00:15:59,859 えっ? そら 門が開くぞ。 210 00:15:59,859 --> 00:16:01,861 あっ…。 211 00:16:04,463 --> 00:16:06,466 ああ…。 212 00:16:08,634 --> 00:16:10,636 あっ…! 213 00:16:16,642 --> 00:16:19,145 ここは…? 214 00:16:19,145 --> 00:16:23,816 万物の記憶が眠る蔵 「思ほゆの棚」。 215 00:16:23,816 --> 00:16:26,319 万物の記憶って…? 216 00:16:26,319 --> 00:16:29,655 ここには 人の業から因縁 記憶➡ 217 00:16:29,655 --> 00:16:32,992 人にまつわる すべてが しまわれているのさ。 218 00:16:32,992 --> 00:16:37,997 アンタの捜し人の記憶を読めば 今どこにいるのか わかるぜ! 219 00:16:37,997 --> 00:16:43,669 本当!? お願い 葵の… 「七守葵」の記憶を見せて! 220 00:16:43,669 --> 00:16:54,347 ♬~ 221 00:16:54,347 --> 00:16:58,684 あっ! これが 葵の…。 これを開ければ…。 222 00:16:58,684 --> 00:17:01,787 うっ うっ… う~ う~…。 223 00:17:01,787 --> 00:17:04,790 あ… 開かない!? 鍵が…。 224 00:17:07,293 --> 00:17:11,297 あっ!? な… なんで!? ククククク。 225 00:17:11,297 --> 00:17:15,301 アンタが真実見たいのは 違う棚なんじゃないのか? 226 00:17:15,301 --> 00:17:17,970 何を…。 ほら。 227 00:17:17,970 --> 00:17:20,806 あっ…。 228 00:17:20,806 --> 00:17:24,143 こ… これは…。 そいつは百千ひまり。 229 00:17:24,143 --> 00:17:27,313 あっ…。 お前の記憶から業まで➡ 230 00:17:27,313 --> 00:17:29,982 すべてが しまわれているんだ。 231 00:17:29,982 --> 00:17:34,153 私の生まれてから今までの全部が わかるってこと? 232 00:17:34,153 --> 00:17:39,659 ああ。 お前の両親の記憶も ここにはある。 233 00:17:39,659 --> 00:17:42,662 お父さんとお母さんの!? 234 00:17:42,662 --> 00:17:45,498 お前の両親が どんな人間だったのか➡ 235 00:17:45,498 --> 00:17:49,168 知ることができるんだ。 236 00:17:49,168 --> 00:17:53,005 でも 今は葵の棚を探さなきゃ。 237 00:17:53,005 --> 00:17:55,841 あった! 238 00:17:55,841 --> 00:17:59,845 あっ!? …もう! んっ…。 239 00:17:59,845 --> 00:18:09,455 ♬~ 240 00:18:09,455 --> 00:18:14,794 ハハハハハ! 無理すんなって! 自分の気持ちに正直になれよ。 241 00:18:14,794 --> 00:18:18,798 うるさい! そりゃ お父さんと お母さんのことは知りたいよ! 242 00:18:18,798 --> 00:18:23,302 だけど 今は葵を助けるのが優先! 自分の棚は また後で見れば…。 243 00:18:23,302 --> 00:18:25,972 ああ… そりゃ無理だな。 えっ? 244 00:18:25,972 --> 00:18:29,642 思ほゆの棚を開けられるチャンスは 一度きり。 245 00:18:29,642 --> 00:18:34,814 この機会を逃せば お前は 二度と 自分の棚を見ることはできない。 246 00:18:34,814 --> 00:18:37,149 そうなの? でも…。 247 00:18:37,149 --> 00:18:40,820 俺は 女には優しくするって 決めてるからな➡ 248 00:18:40,820 --> 00:18:44,323 特別にアドバイスをしてやろう。 あっ…!? 249 00:18:44,323 --> 00:18:49,161 この思ほゆの棚はな 生者の記憶しか保存できないんだ。 250 00:18:49,161 --> 00:18:51,998 じゃあ お父さんとお母さんの棚は…。 251 00:18:51,998 --> 00:18:54,333 死者の棚は存在しない。 252 00:18:54,333 --> 00:18:58,504 死は記憶を奪い すべてをなかったことにする。 253 00:18:58,504 --> 00:19:03,609 俺は お前の今までの記憶を見た。 えっ!? 254 00:19:03,609 --> 00:19:06,946 お前の両親は 何も残さなかったな。 255 00:19:06,946 --> 00:19:10,282 思い出の品物も 記憶の手がかりも…。 256 00:19:10,282 --> 00:19:13,786 遺言状ですら 両親のものではなかった。 257 00:19:13,786 --> 00:19:17,990 もう その棚しかないんだよ。 258 00:19:19,959 --> 00:19:25,965 百千ひまり。 お前の棚の中には 両親の記憶も収めてある。 259 00:19:25,965 --> 00:19:29,468 どんな姿形で どんな性格だったのか? 260 00:19:29,468 --> 00:19:33,472 声は? 香りは? どんな思いで お前に名を付けたのか? 261 00:19:33,472 --> 00:19:36,308 そのすべてを知ることができる。 262 00:19:36,308 --> 00:19:39,979 お父さん… お母さん…。 263 00:19:39,979 --> 00:19:46,485 お前には ここにある両親の思い 記憶を受け取るチャンスがある。 264 00:19:46,485 --> 00:19:51,157 お前は今まで 両親の手がかりを 求めて百千の家に来たのだろう? 265 00:19:51,157 --> 00:19:54,660 両親の記憶 愛を欲していたんだろう? 266 00:19:54,660 --> 00:19:58,664 その願いが ようやくかなうんだ。 さあ…。 267 00:19:58,664 --> 00:20:15,014 ♬~ 268 00:20:15,014 --> 00:20:17,683 お前の選択は それか。 269 00:20:17,683 --> 00:20:19,685 うん! 270 00:20:19,685 --> 00:20:25,691 もう二度と 両親を知り 愛情を 感じることはできないんだぞ? 271 00:20:25,691 --> 00:20:30,529 それでも 私は 七守葵の棚を選ぶよ。 272 00:20:30,529 --> 00:20:37,369 愛する男のために親を捨てるのか。 お前が選ばなければ 無に消える。 273 00:20:37,369 --> 00:20:41,874 おのが両親に 二度目の死を 与えることになるんだぞ。 274 00:20:41,874 --> 00:20:46,712 薄情な娘だな。 そう… だね…。 275 00:20:46,712 --> 00:20:48,714 お父さんとお母さんには➡ 276 00:20:48,714 --> 00:20:51,717 本当にひどいことをするって わかってる。 277 00:20:51,717 --> 00:20:55,888 怒られても責められても しかたない。 だから…。 278 00:20:55,888 --> 00:20:57,890 私は証明する。 279 00:20:57,890 --> 00:20:59,992 お父さんとお母さんの娘は➡ 280 00:20:59,992 --> 00:21:02,661 愛する人たちを守れる人間だって。 281 00:21:02,661 --> 00:21:06,165 あなたたちの残したものは すばらしいものなんだって! 282 00:21:06,165 --> 00:21:08,501 一生かけて証明してみせる! 283 00:21:08,501 --> 00:21:13,339 だから私は 「七守葵」の棚を選ぶ! 後悔なんてない! 284 00:21:13,339 --> 00:21:15,508 あっ! (鍵が開く音) 285 00:21:15,508 --> 00:21:20,846 鍵が! どうやら認められたようだな。 286 00:21:20,846 --> 00:21:24,683 これで 葵の棚を開けられるよ! ありがとう! 287 00:21:24,683 --> 00:21:30,189 んっ…!? おもしれえ。 気に入ったぜ 百千ひまり。 288 00:21:33,859 --> 00:21:35,861 あっ…!? 289 00:21:40,032 --> 00:21:43,135 次は酒のあるときに会おう! 290 00:21:48,874 --> 00:21:52,044 変なヤツ…。 291 00:21:52,044 --> 00:21:58,551 これが… 葵の棚…。 この中に葵の記憶が…。 292 00:22:02,488 --> 00:22:04,590 きゃっ! 293 00:22:10,496 --> 00:22:12,998 あなたは…。 294 00:22:12,998 --> 00:22:17,603 僕は葵… 七守葵…。