1 00:00:03,337 --> 00:00:05,339 (ひまり)きゃっ! 2 00:00:11,345 --> 00:00:13,847 あなたは…。 3 00:00:13,847 --> 00:00:18,852 (葵)僕は葵… 七守葵…。 4 00:00:18,852 --> 00:00:23,357 あっ…。 さあ 僕の昔話をしよう…。 5 00:02:01,488 --> 00:02:05,325 ここは? 僕の昔話の中さ。 6 00:02:05,325 --> 00:02:09,329 葵の過去の世界ってこと? うん。 7 00:02:09,329 --> 00:02:14,167 ここは僕が生まれた家なんだ。 そして…。 8 00:02:14,167 --> 00:02:18,839 あれが僕の父さんだよ。 葵のお父さん…。 9 00:02:18,839 --> 00:02:20,841 もの静かで➡ 10 00:02:20,841 --> 00:02:23,677 仕事で家を空けることが 多い人だったんだ。 11 00:02:23,677 --> 00:02:25,679 (引き戸の開く音) 12 00:02:25,679 --> 00:02:27,681 ⦅うん? ハハハ⦆ 13 00:02:27,681 --> 00:02:31,351 (ひまり)あっ! ⦅アッハ…⦆ 14 00:02:31,351 --> 00:02:35,522 葵 かわいい。 元気いっぱいだね。 15 00:02:35,522 --> 00:02:40,127 アッハハ 今の僕よりは やんちゃだったかもね。 16 00:02:43,363 --> 00:02:45,866 葵のお母さん? うん。 17 00:02:45,866 --> 00:02:52,873 きれいな人。 葵に似てるね。 でも具合が悪いの? 18 00:02:52,873 --> 00:02:54,875 病気だったんだ。 19 00:02:54,875 --> 00:02:58,879 あまり起きていられなくて いつも布団で寝てて…。 20 00:02:58,879 --> 00:03:01,815 でも 僕には とても優しかったよ。 21 00:03:01,815 --> 00:03:04,317 フッ…。 22 00:03:04,317 --> 00:03:07,988 ⦅お母さん! 葵。 23 00:03:07,988 --> 00:03:10,991 かくれんぼしてんの! ちょっと隠れさせて。 24 00:03:10,991 --> 00:03:13,660 かくれんぼ? 誰と? 25 00:03:13,660 --> 00:03:16,496 おねえちゃんたちと! いいわよ。 26 00:03:16,496 --> 00:03:19,332 葵 みっけ! 27 00:03:19,332 --> 00:03:21,835 あ~あ 見つかっちゃった。 28 00:03:21,835 --> 00:03:25,839 次は葵が鬼ね。 は~い おねえちゃん⦆ 29 00:03:25,839 --> 00:03:29,843 おねえちゃん? 葵には きょうだいがいたの? 30 00:03:35,849 --> 00:03:38,351 ⦅うう…⦆ 31 00:03:38,351 --> 00:03:40,520 これは…。 32 00:03:40,520 --> 00:03:45,692 母さんが死んじゃったんだ。 そして…。 33 00:03:45,692 --> 00:03:47,694 ⦅あっ…?⦆ 34 00:03:52,365 --> 00:03:55,535 みんなも いなくなっちゃった。 35 00:03:55,535 --> 00:03:59,372 ⦅ねえ お父さん! おねえちゃんたちは!? 36 00:03:59,372 --> 00:04:01,308 みんな どこにいったの!? 37 00:04:01,308 --> 00:04:06,313 みんな? 葵 お前は いつも独りで遊んでいただろう? 38 00:04:06,313 --> 00:04:08,315 はあ…⦆ 39 00:04:08,315 --> 00:04:11,318 えっ? 40 00:04:11,318 --> 00:04:15,322 父さんには見えていなかったんだ。 そんな…。 41 00:04:15,322 --> 00:04:20,994 もしかしたら 母さんは何か 感じていたのかもしれないけど…。 42 00:04:20,994 --> 00:04:25,832 あの子たちは 僕にしか見えない 子どもたちだった。 43 00:04:25,832 --> 00:04:28,502 座敷わらしみたいなもの? 44 00:04:28,502 --> 00:04:33,006 たぶん…。 現世の住人じゃない ことは確かだよ。 45 00:04:33,006 --> 00:04:38,512 葵は こんな小さい頃から 不思議なものを見ていたんだね。 46 00:04:40,514 --> 00:04:46,353 父さんと2人きりの家は 静かすぎて怖いくらいだったよ。 47 00:04:46,353 --> 00:04:49,689 前は あんな明るい笑顔だったのに…。 48 00:04:49,689 --> 00:04:53,693 葵…。 ずっと ふさぎ込んでいる僕を➡ 49 00:04:53,693 --> 00:04:56,863 父さんも心配したんだろう。 50 00:04:56,863 --> 00:05:02,803 母さんが亡くなった1年後 僕に新しい母さんができた。 51 00:05:02,803 --> 00:05:05,639 (ひまり)再婚したんだ? 52 00:05:05,639 --> 00:05:08,141 父さんは まだ小さい僕には➡ 53 00:05:08,141 --> 00:05:11,144 母親が必要だって 思ったんだと思う。 54 00:05:11,144 --> 00:05:14,981 新しいお母さん 明るくて優しそうだね。 55 00:05:14,981 --> 00:05:16,983 うん…。 56 00:05:16,983 --> 00:05:22,656 最初は うまくやれる… 僕もそう思ってた。 57 00:05:22,656 --> 00:05:27,494 ⦅葵くん 何をしているの? お母さ…。 はっ! 58 00:05:27,494 --> 00:05:33,166 葵くん!? どうした…。 うわっ! 59 00:05:33,166 --> 00:05:37,671 はっ! あっ ごめんなさい…。 60 00:05:37,671 --> 00:05:41,841 今 肩に黒いモノが見えて…。 61 00:05:41,841 --> 00:05:44,844 はあ…。 62 00:05:44,844 --> 00:05:50,183 葵くん 私が嫌いだから あんな作り話をするのかな…。 63 00:05:50,183 --> 00:05:53,186 そんなことはないよ⦆ 64 00:05:53,186 --> 00:05:57,691 新しいお母さんも あやかしが見えなかったんだね。 65 00:05:57,691 --> 00:06:02,629 それが普通だよ。 そして 普通じゃない感覚は➡ 66 00:06:02,629 --> 00:06:06,132 伝えるのも受け取るのも難しい…。 それに➡ 67 00:06:06,132 --> 00:06:08,969 小さい僕には わからなかったんだ。 68 00:06:08,969 --> 00:06:15,809 黒いモノが あやかしと呼ばれていて 悪意あるヤツも多いということに。 69 00:06:15,809 --> 00:06:18,645 ⦅ハッハッハッ…⦆ あやかしたちは➡ 70 00:06:18,645 --> 00:06:21,648 葵を狙っているの? うん…。 71 00:06:21,648 --> 00:06:24,484 ヤツらの目当ては僕だった。 72 00:06:24,484 --> 00:06:29,489 だから僕は できるだけ 独りになろうとしたんだ。 73 00:06:29,489 --> 00:06:33,827 大事な友達とも別れた。 日高くん…。 74 00:06:33,827 --> 00:06:39,332 そして 父さんと母さんからも 離れようとしたんだけど…。 75 00:06:39,332 --> 00:06:44,537 ⦅ねえ どうして何度言っても お夕飯の時間に帰らないの!? 76 00:06:48,008 --> 00:06:51,845 こっちを見なさい! ヒッ! 77 00:06:51,845 --> 00:06:54,180 あっ…。 78 00:06:54,180 --> 00:06:56,182 あっ!? 79 00:06:56,182 --> 00:06:58,685 あなたを どれだけ心配しているか…! 80 00:06:58,685 --> 00:07:03,790 なんなの その目! ねえ そんなに私が気に入らないの!? 81 00:07:03,790 --> 00:07:07,494 この家から出ていけって 言いたいの!?⦆ 82 00:07:09,462 --> 00:07:13,133 こんなの… ないよ…。 83 00:07:13,133 --> 00:07:16,303 母さんは妊娠してたんだ。 84 00:07:16,303 --> 00:07:19,806 だから 神経質になってたんだと思う。 85 00:07:19,806 --> 00:07:22,475 でも… 家族なのに…。 86 00:07:22,475 --> 00:07:25,812 どうして葵一人だけ つらい思いを…。 87 00:07:25,812 --> 00:07:29,316 人とは違う力が ちょっとあるだけなのに。 88 00:07:29,316 --> 00:07:31,318 (葵)わからない…。 89 00:07:31,318 --> 00:07:36,990 理由なんてないのかもしれない。 それこそ 業だとしか…。 90 00:07:36,990 --> 00:07:39,659 業…。 91 00:07:39,659 --> 00:07:43,830 そんなときだよ 彼と出会ったのは。 92 00:07:43,830 --> 00:07:46,166 (ひまり)那智先生…。 93 00:07:46,166 --> 00:07:51,504 僕と同じように あやかしが見える 人に出会ったのは初めてだった。 94 00:07:51,504 --> 00:07:55,008 だから おにいさんを信頼してたけど…。 95 00:07:55,008 --> 00:07:57,677 ⦅那智:葵くん 君がいなくなったら➡ 96 00:07:57,677 --> 00:08:01,614 みんな 幸せになるのかもしれない⦆ 97 00:08:01,614 --> 00:08:03,950 僕は考えた。 98 00:08:03,950 --> 00:08:06,619 彼の言うとおりなのかもしれない。 99 00:08:06,619 --> 00:08:09,289 自分のせいで あやかしが寄ってくるなら➡ 100 00:08:09,289 --> 00:08:13,126 みんなと離れて 独りになれば いいんじゃないかって…。 101 00:08:13,126 --> 00:08:21,301 そんな…。 でも… やっぱり… 嫌だったんだ。 102 00:08:21,301 --> 00:08:24,304 僕は 母さんと仲直りしたかった。 103 00:08:26,639 --> 00:08:29,476 ⦅あっ…。 う… うん…。 104 00:08:29,476 --> 00:08:32,312 お母さん… あのね…。 105 00:08:32,312 --> 00:08:36,649 オマエなんテ いなくなレばいい。 えっ…? 106 00:08:36,649 --> 00:08:40,820 聞こえてるんだロ? オマエなんかいなくなレ! 107 00:08:40,820 --> 00:08:43,156 はっ! くっ!⦆ 108 00:08:43,156 --> 00:08:46,826 気がついたら 僕は山の中を走っていた。 109 00:08:46,826 --> 00:08:49,162 ただ必死に逃げていた。 110 00:08:49,162 --> 00:08:52,665 自分のせいで おなかの中のきょうだいが➡ 111 00:08:52,665 --> 00:08:56,169 あやかしになってしまった恐怖と 罪悪感から逃げながら…。 112 00:08:56,169 --> 00:08:58,671 ⦅あっ…。 あっ!⦆ 113 00:08:58,671 --> 00:09:05,278 そして 逃げているうち 僕は百千家にたどりついたんだ。 114 00:09:05,278 --> 00:09:08,948 その先は君も よく知っているだろう。 115 00:09:08,948 --> 00:09:11,618 百千ひまり。 116 00:09:11,618 --> 00:09:15,455 うっ… ううう…。 あっ…。 117 00:09:15,455 --> 00:09:19,125 僕が哀れ? ううん。 118 00:09:19,125 --> 00:09:21,461 じゃあ 怖いの? 悲しいの? 119 00:09:21,461 --> 00:09:25,799 わからない。 いろんな気持ちが いっぱいになって…。 120 00:09:25,799 --> 00:09:30,470 これが 葵の過去… 勝手に踏み込んで ごめん。 121 00:09:30,470 --> 00:09:33,306 きっと 葵は 思い出したくなかったよね。 122 00:09:33,306 --> 00:09:36,810 忘れたかったよね…。 ごめん。 123 00:09:36,810 --> 00:09:40,146 でも 見せてくれて ありがとう。 124 00:09:40,146 --> 00:09:46,152 私 もう泣かない。 ここから戻って 葵に会うために。 125 00:09:46,152 --> 00:09:48,154 フッ…。 126 00:09:48,154 --> 00:09:51,825 「戻って」? 帰り道なんて もうないだろ? 127 00:09:51,825 --> 00:09:56,129 えっ? ずっと ここにいなよ…。 128 00:10:05,171 --> 00:10:08,842 葵… これは…。 これは 僕の業。 129 00:10:08,842 --> 00:10:12,345 生まれながらに たまたま背負わされたもの…。 130 00:10:12,345 --> 00:10:16,015 そのせいで 僕は人ながらにして➡ 131 00:10:16,015 --> 00:10:18,518 とてつもない妖力を 秘めることになったんだ。 132 00:10:18,518 --> 00:10:21,020 あっ! 133 00:10:21,020 --> 00:10:25,692 ハァハァハァ…。 134 00:10:25,692 --> 00:10:28,194 どうして逃げるの? 135 00:10:28,194 --> 00:10:33,032 いなくならないで。 そばにいて…。 136 00:10:33,032 --> 00:10:35,368 (鳥井)だめ! えっ? 137 00:10:35,368 --> 00:10:37,537 過去を振り返っちゃ だめ! 138 00:10:37,537 --> 00:10:40,206 大丈夫 出口はすぐだよ。 139 00:10:40,206 --> 00:10:50,216 ♬~ 140 00:10:50,216 --> 00:10:54,554 あなたは? 頑張ってね ひまりちゃん。 141 00:10:54,554 --> 00:10:56,556 待って…。 142 00:10:58,558 --> 00:11:00,660 ありがとう 鳥井さん。 143 00:11:06,833 --> 00:11:09,335 葵! 144 00:11:09,335 --> 00:11:11,504 あっ! ひまり! 145 00:11:11,504 --> 00:11:14,507 やっと会えた 葵! 146 00:11:21,014 --> 00:11:23,850 ああ…。 (伊勢)うっ…。 147 00:11:23,850 --> 00:11:26,853 (紫)あっ…。 148 00:11:26,853 --> 00:11:30,356 どうして…? 幽世を通ってきたの。 149 00:11:30,356 --> 00:11:34,360 な… なんの力も持たぬ人間が!? 150 00:11:34,360 --> 00:11:36,696 なんて危ないことを…。 151 00:11:36,696 --> 00:11:39,699 私だけだったら無理だった。 152 00:11:39,699 --> 00:11:44,037 でも 猫ばぁばや鳥井さん 「思ほゆの棚」の番人…。 153 00:11:44,037 --> 00:11:48,541 ムカつくけど 火車も。 みんなが助けてくれたから。 154 00:11:48,541 --> 00:11:52,045 あやかしが人を助ける!? そんなバカな。 155 00:11:52,045 --> 00:11:56,216 那智先生 もうやめて! みんなを解放して! 156 00:11:56,216 --> 00:12:00,820 僕らの人生は あやかしによって狂わされた。 157 00:12:00,820 --> 00:12:06,826 親から疎まれる恐怖 誰からも理解されぬ孤独…。 158 00:12:06,826 --> 00:12:08,828 この痛みから逃れるには➡ 159 00:12:08,828 --> 00:12:12,498 あやかしたちを 滅ぼすしかないんだ。 160 00:12:12,498 --> 00:12:17,503 葵くんは もう一人の僕だ。 僕だけが葵くんを理解でき…。 161 00:12:17,503 --> 00:12:19,505 (ひまり)一緒にしないで! はっ…。 162 00:12:19,505 --> 00:12:22,008 葵は違う! 全然 違う! 163 00:12:22,008 --> 00:12:24,677 君に僕らの何がわかる! 164 00:12:24,677 --> 00:12:27,013 確かに 私には➡ 165 00:12:27,013 --> 00:12:30,850 葵や那智先生の苦しみは わからないかもしれない。 166 00:12:30,850 --> 00:12:33,353 でも 葵の笑顔は知ってる! 167 00:12:33,353 --> 00:12:38,191 だって 葵は諦めないで ずっと頑張ってた! 168 00:12:38,191 --> 00:12:42,862 葵は つらいことを全部飲み込んで 笑える強い人なの! 169 00:12:42,862 --> 00:12:46,532 だから那智先生! あなたとは違う! 170 00:12:46,532 --> 00:12:49,369 ひまり…。 171 00:12:49,369 --> 00:12:52,038 くっ… 黙れ! 172 00:12:52,038 --> 00:12:54,707 はっ…! 何っ? 173 00:12:54,707 --> 00:12:56,876 ハァ… ハァ…。 葵? 174 00:12:56,876 --> 00:12:59,178 ひまり ケガはない? 175 00:13:01,147 --> 00:13:03,816 うっ! くっ…! 葵! 血が!? 176 00:13:03,816 --> 00:13:06,319 大丈夫だよ。 バカな…。 177 00:13:06,319 --> 00:13:11,658 僕の術を無理やり解いたのか? 痛みは尋常ではないはず! 178 00:13:11,658 --> 00:13:14,994 呪い返しで精神を侵されても おかしくない! 179 00:13:14,994 --> 00:13:17,997 こんな痛み 大したことないよ。 180 00:13:17,997 --> 00:13:22,335 それに… ひまりが こんなに頑張ってくれたんだ。 181 00:13:22,335 --> 00:13:26,839 今度は僕が頑張らないと。 葵…。 182 00:13:26,839 --> 00:13:30,677 おにいさん 僕は あなたの力にはなれない。 183 00:13:30,677 --> 00:13:34,347 もうこれ以上 あなたには縛られない。 184 00:13:34,347 --> 00:13:36,683 君は惑わされているんだ! 185 00:13:36,683 --> 00:13:40,186 すべてを忘れ 共に幸福を取り戻そう! 186 00:13:40,186 --> 00:13:43,022 僕は もう満たされているんです。 187 00:13:43,022 --> 00:13:45,525 望まぬ力を背負わされても➡ 188 00:13:45,525 --> 00:13:50,530 決して不幸ではないと 教えてくれた家族がいる…。 189 00:13:50,530 --> 00:13:54,200 そして… 大事なものを守るためには➡ 190 00:13:54,200 --> 00:13:56,703 痛みから逃げてはいけない。 191 00:13:56,703 --> 00:14:02,475 それが本当の強さなんだと ひまりが教えてくれた。 192 00:14:02,475 --> 00:14:06,479 葵…。 僕は もう逃げない! 193 00:14:06,479 --> 00:14:09,582 すべてを受け入れ 前に進む! 194 00:14:13,986 --> 00:14:20,660 なっ…!? これが… 何にも属さぬ 孤高なる あやかしの王…。 195 00:14:20,660 --> 00:14:22,662 鵺…。 196 00:14:22,662 --> 00:14:27,166 (鵺)那智篁 お前は 寂しかっただけなのだろう? 197 00:14:27,166 --> 00:14:29,836 何? お前の術は➡ 198 00:14:29,836 --> 00:14:33,005 人の自由をたやすく奪う。 199 00:14:33,005 --> 00:14:38,511 幼い私を利用するだけなら 最初から術を使えばよかった。 200 00:14:38,511 --> 00:14:42,181 だが お前は 最後まで そうしなかった。 201 00:14:42,181 --> 00:14:46,185 それは…。 幽世と現世のはざまの百千家で➡ 202 00:14:46,185 --> 00:14:49,021 お前が真に求めていたのは➡ 203 00:14:49,021 --> 00:14:53,693 あやかしを統べる力でも 御守様の力でもない。 204 00:14:53,693 --> 00:14:57,363 どのようなときでも 自分のそばにいる理解者➡ 205 00:14:57,363 --> 00:14:59,866 家族ではないのか? 206 00:14:59,866 --> 00:15:03,469 私が家族を…? あやかしとだと…? 207 00:15:03,469 --> 00:15:08,474 くっ! 人を語るな! バケモノ風情が~! 208 00:15:08,474 --> 00:15:11,144 届かぬ! 209 00:15:11,144 --> 00:15:13,146 くっ! 210 00:15:13,146 --> 00:15:16,048 葵! はっ! 211 00:15:17,984 --> 00:15:24,824 7年だ… 私は7年待った…。 くぅっ! 212 00:15:24,824 --> 00:15:29,495 こんなことで 私の思いを止められると思うな! 213 00:15:29,495 --> 00:15:36,335 ♬~ 214 00:15:36,335 --> 00:15:40,039 はっ…。 ひまり 下がっていろ。 215 00:15:42,008 --> 00:15:47,013 御守の名を持って命ずる。 我が式神たちよ。 216 00:15:47,013 --> 00:15:49,816 あるべき力を取り戻すがよい! 217 00:15:54,687 --> 00:15:58,524 行け! 我が血肉たる式神たちよ! (2人)御意! 218 00:15:58,524 --> 00:16:01,127 式神ども! ヤツらを滅ぼせ! 219 00:16:01,127 --> 00:16:04,630 これ以上… 好きには… させません! 220 00:16:04,630 --> 00:16:06,966 龍神様にあだなした分! 221 00:16:06,966 --> 00:16:09,802 そして 葵やひまりを傷つけた分! 222 00:16:09,802 --> 00:16:12,972 報いは しっかり受けてもらいましょう! 223 00:16:12,972 --> 00:16:18,644 売られたケンカは 億倍返しだ! 派手に燃やすぜ! 224 00:16:18,644 --> 00:16:20,646 はぁ~! 225 00:16:20,646 --> 00:16:23,850 おらぁ~っ! もういっちょ~! 226 00:16:29,489 --> 00:16:31,490 なっ…!? くわっ! 227 00:16:31,490 --> 00:16:35,161 無駄です。 んな薄っぺらども➡ 228 00:16:35,161 --> 00:16:38,831 蹴散らしてやる。 何度でもな! ぐっ…。 229 00:16:38,831 --> 00:16:41,834 那智先生 もう…。 くっ…。 230 00:16:41,834 --> 00:16:46,172 諦めろ。 貴様の望みはかなわぬ。 231 00:16:46,172 --> 00:16:49,842 邪魔を… するな…! 232 00:16:49,842 --> 00:16:53,012 あっ…。 んっ…。 (2人)あっ!? 233 00:16:53,012 --> 00:16:57,617 私の願いの 邪魔をするなぁ~! 234 00:17:02,955 --> 00:17:04,957 きゃっ! (小妖怪たち)わっ! 235 00:17:04,957 --> 00:17:06,959 うっ! くっ! 236 00:17:11,797 --> 00:17:14,467 (オンモラキ)あっ!? (玉萌)わ 我らの家が…! 237 00:17:14,467 --> 00:17:16,802 (唐傘)壊れちゃう~! (三つ巴)ぽよん ぽよん。 238 00:17:16,802 --> 00:17:19,805 せ… 先生 どうしたの!? 239 00:17:19,805 --> 00:17:21,807 (鵺)暴走だ。 240 00:17:21,807 --> 00:17:26,812 那智は人を超える力を得ようと 自身に術をかけたが➡ 241 00:17:26,812 --> 00:17:32,818 それを制御できず 鬼へと変貌せんとしている。 242 00:17:32,818 --> 00:17:34,820 鬼…? 243 00:17:34,820 --> 00:17:37,657 (鵺)鬼は人の心から生まれる あやかし。 244 00:17:37,657 --> 00:17:40,993 あやかしへの憎しみ。 人への恨み…。 245 00:17:40,993 --> 00:17:44,330 己の業に沈もうとしているのだ。 246 00:17:44,330 --> 00:17:46,632 あああ~! 247 00:17:50,169 --> 00:17:53,506 野郎 マジでこの家をぶっ潰す気か!? 248 00:17:53,506 --> 00:17:55,675 まずい。 百千家がなくなれば➡ 249 00:17:55,675 --> 00:17:59,011 幽世と現世の境界が 失われてしまう。 250 00:17:59,011 --> 00:18:01,447 あしきモノどもが あふれ出します。 251 00:18:01,447 --> 00:18:05,451 しかたあるまい。 葵 まさか…? 252 00:18:05,451 --> 00:18:08,287 ああなった以上は はらうしかない。 253 00:18:08,287 --> 00:18:13,459 跡形もなく すべて。 そ… そんな… 何か方法は…? 254 00:18:13,459 --> 00:18:17,797 私でも ヤツから 鬼だけを切り離すことはできぬ。 255 00:18:17,797 --> 00:18:21,634 せめて ヤツを苦しめている 憎悪ごとはらうのが➡ 256 00:18:21,634 --> 00:18:26,806 唯一してやれる救いだ。 鬼を切り離す…! 257 00:18:26,806 --> 00:18:29,308 あっ… だったら! 258 00:18:29,308 --> 00:18:31,477 ひまり? 259 00:18:31,477 --> 00:18:33,479 おい!? 何を!? 260 00:18:33,479 --> 00:18:36,649 くっ! 那智先生➡ 261 00:18:36,649 --> 00:18:40,319 最初に出会ったときのこと 覚えてますか? 262 00:18:40,319 --> 00:18:44,657 大丈夫 先生は本当は優しい人…。 263 00:18:44,657 --> 00:18:49,662 今はただ 先生の心の中の鬼が 暴れているだけ! 264 00:18:49,662 --> 00:18:54,500 だから… だから 那智先生の心の中の鬼よ➡ 265 00:18:54,500 --> 00:18:57,169 出てけ~! 266 00:18:57,169 --> 00:19:00,940 (2人)あっ!? (小妖怪たち)あっ…!? 267 00:19:00,940 --> 00:19:11,951 ♬~ 268 00:19:11,951 --> 00:19:14,620 きゃ~っ! あっ…! 269 00:19:14,620 --> 00:19:16,622 ひまり! 270 00:19:21,127 --> 00:19:24,130 あっ…。 271 00:19:24,130 --> 00:19:27,967 うっ…。 あっ… あっ…。 272 00:19:27,967 --> 00:19:29,969 (伊勢/紫)あっ…! 273 00:19:29,969 --> 00:19:34,140 まさか… 本当に鬼を鎮めるとは…。 274 00:19:34,140 --> 00:19:36,142 うっ うっ…。 275 00:19:36,142 --> 00:19:40,813 那智先生は? ああ もう大丈夫だ。 276 00:19:40,813 --> 00:19:47,820 ひまり お前が救ったのだ。 よ… よかった…。 277 00:19:47,820 --> 00:19:50,656 あっ! ひまり! 278 00:19:50,656 --> 00:19:53,159 (2人)あっ! 呪い返し…。 279 00:19:53,159 --> 00:19:55,661 う… ううう…。 (紫)こんな凶悪なもの➡ 280 00:19:55,661 --> 00:19:57,663 見たことがありません。 281 00:19:57,663 --> 00:20:00,366 ひまり ごめん…。 282 00:20:11,010 --> 00:20:13,679 あっ…。 あっ…。 283 00:20:13,679 --> 00:20:15,681 (小妖怪たち)あ~…。 284 00:20:15,681 --> 00:20:19,351 ん… んん…。 ひまり!? 285 00:20:19,351 --> 00:20:22,688 葵…。 286 00:20:22,688 --> 00:20:27,193 裸…。 えっ!? 287 00:20:27,193 --> 00:20:30,696 ふっ… 気にするとこ そこ? 288 00:20:30,696 --> 00:20:34,366 フフッ…。 (小妖怪たち)わ~っ! 289 00:20:34,366 --> 00:20:36,869 フッ…。 フッ…。 290 00:20:36,869 --> 00:20:40,206 うん? 291 00:20:40,206 --> 00:20:42,374 フッ フフフ…。 292 00:20:42,374 --> 00:20:46,378 さあ 葵 これをどうぞ。 ありがとう 紫。 293 00:20:46,378 --> 00:20:49,381 うっ…。 あっ…。 ったく 心配させやがって。 294 00:20:49,381 --> 00:20:51,717 ごめん ごめん。 295 00:20:51,717 --> 00:20:53,719 (一同)アッハハハ…。 296 00:20:53,719 --> 00:20:56,922 あっ? うん? 那智先生…? 297 00:21:02,995 --> 00:21:05,297 先生…。 298 00:21:11,170 --> 00:21:14,840 この目は もはや何も映さない。 299 00:21:14,840 --> 00:21:17,843 人の世も あやかしも…。 300 00:21:17,843 --> 00:21:22,848 いや 私は初めから 何も…。 301 00:21:22,848 --> 00:21:26,685 己のことすら 見えていなかったか…。 302 00:21:26,685 --> 00:21:32,024 だが… それでも私は…。 303 00:21:32,024 --> 00:21:37,196 (火車)翼をもがれたカラスは 地をはいずるか。 304 00:21:37,196 --> 00:21:40,032 外道には似合いよな…。 305 00:21:40,032 --> 00:21:46,205 ヤツは これから 人の世の 無限の苦界の汚泥に沈むか。 306 00:21:46,205 --> 00:21:52,044 はたまた 再び 憎悪の炎に 身を焦がし 鬼と化すか…。 307 00:21:52,044 --> 00:21:55,714 まあ 興味はないが…。 308 00:21:55,714 --> 00:22:00,820 お前の道行きは どのようなものであろうな? 309 00:22:00,820 --> 00:22:09,628 人とあやかしのあわいを踊る 美しき俺の鵺よ…。