1 00:00:02,102 --> 00:00:06,607 (幻殃斉)盆の十五日には 決して漁に出てはならない…。 2 00:00:06,607 --> 00:00:09,977 というのが その港の決まりであった。 3 00:00:09,977 --> 00:00:14,281 しかしてにもかかわらず なんたろうことか! 4 00:00:14,281 --> 00:00:18,418 しきたりなど聞いたことかと 若い漁師が数人➡ 5 00:00:18,418 --> 00:00:23,957 船を沖へ出したという。 6 00:00:23,957 --> 00:00:28,362 沖へ来るや たちまちに 空は低く落ち➡ 7 00:00:28,362 --> 00:00:32,766 辺りに異様な霧が 立ちこめてきたという。 8 00:00:32,766 --> 00:00:37,104 おっ おい あれはなんだ!? 9 00:00:37,104 --> 00:00:40,941 そこへ現れたるは マヨイ船。 10 00:00:40,941 --> 00:00:43,944 しけた海で命を落とした亡霊が 操る船のことを➡ 11 00:00:43,944 --> 00:00:45,946 そう呼ぶのである。 12 00:00:45,946 --> 00:00:49,750 マヨイ船に乗っておる船幽霊は 若い漁師たちに向かって➡ 13 00:00:49,750 --> 00:00:53,453 不気味な声で こう言った。 14 00:00:55,756 --> 00:00:59,426 柄長をよこせ~。 15 00:00:59,426 --> 00:01:02,796 柄長というのは 柄の長い ひしゃくのことだ。 16 00:01:02,796 --> 00:01:04,765 漁師たちは 言うことを 聞かなかったら➡ 17 00:01:04,765 --> 00:01:07,334 どんな目に遭わされるか わからないと➡ 18 00:01:07,334 --> 00:01:10,938 言われるがままに 柄長を 船幽霊に渡したという。 19 00:01:10,938 --> 00:01:14,274 船幽霊の要求に応え…。 (加世)はい! あっ 私➡ 20 00:01:14,274 --> 00:01:17,444 その続き知ってます! そのひしゃくで➡ 21 00:01:17,444 --> 00:01:21,281 海の水をくまれて その漁船は 沈んじゃうんですよね。 22 00:01:21,281 --> 00:01:23,617 (せきばらい) 23 00:01:23,617 --> 00:01:28,588 まあ そういうことだ。 なので 船には常に 底の抜けた➡ 24 00:01:28,588 --> 00:01:31,591 ひしゃくを用意しておくとよい。 25 00:01:31,591 --> 00:01:34,928 (多門)さすがは 幻殃斉様 博識でいらっしゃる。 26 00:01:34,928 --> 00:01:39,333 (幻殃斉)いやいや…。 さてさて 他人同士とはいえども➡ 27 00:01:39,333 --> 00:01:42,102 しばしの船旅を共にするえにし➡ 28 00:01:42,102 --> 00:01:44,104 いささか不粋ではございますが➡ 29 00:01:44,104 --> 00:01:48,508 ここでひとつ 自己紹介と いきましょうではありませんか。 30 00:01:48,508 --> 00:01:50,777 では まず私めから。 31 00:01:50,777 --> 00:01:52,946 三國屋多門と申します。 32 00:01:52,946 --> 00:01:56,116 かつて御朱印船だった この そらりす丸で➡ 33 00:01:56,116 --> 00:01:59,252 南蛮や西国の珍しいものを 江戸で商いする➡ 34 00:01:59,252 --> 00:02:02,422 まあ ケチな商人でございます。 35 00:02:02,422 --> 00:02:09,596 オホンッ え~ 身共は 柳幻殃斉 見てのとおり 修験の身である。 36 00:02:09,596 --> 00:02:12,933 この世にあらざるものを はらいながら行脚しておる。 37 00:02:12,933 --> 00:02:15,268 なんでオヤジ相手に 自己紹介なんか…。 38 00:02:15,268 --> 00:02:18,171 そ そちらの娘さんは? えっ!? あ… あの➡ 39 00:02:18,171 --> 00:02:20,440 加世です。 40 00:02:20,440 --> 00:02:23,910 前は 坂井のお屋敷で 奉公してたんですけど…。 41 00:02:23,910 --> 00:02:27,347 えっ あの化け猫騒動の坂井家とな? 42 00:02:27,347 --> 00:02:32,152 へぇ~ 有名なんだ。 まあ そうです。 43 00:02:32,152 --> 00:02:37,391 なので 新たなご奉公先探しに 江戸でも行こうかな~って。 44 00:02:37,391 --> 00:02:41,294 ふむ…。 あっ ええと その そちらの➡ 45 00:02:41,294 --> 00:02:43,497 お侍様 よろしければ お名前を。 46 00:02:45,832 --> 00:02:50,137 (兵衛)佐々木兵衛… 塩谷藩藩士。 47 00:02:50,137 --> 00:02:54,107 ご丁寧にありがとうございます。 下のお二方は…。 48 00:02:54,107 --> 00:02:58,045 (菖源)こちらは 五代寺の 源慧様でございます。 49 00:02:58,045 --> 00:03:04,651 私は 身の回りのお世話を させていただく菖源と申します。 50 00:03:04,651 --> 00:03:09,723 これはこれは ご高名なお寺様の お坊様に乗っていただけるとは! 51 00:03:09,723 --> 00:03:16,296 フン… 海に坊主とは これまさに…。 52 00:04:55,262 --> 00:04:59,566 (加世) それにしても 変わった船ですね。 53 00:04:59,566 --> 00:05:01,735 船の中にいけすがあるなんて…。 54 00:05:01,735 --> 00:05:06,573 (多門)あ~っ! よくぞ お聞きくださいました。 55 00:05:06,573 --> 00:05:09,643 わざわざあつらえさせたので ございますよ。 56 00:05:09,643 --> 00:05:12,145 もっとよく見ていただけますよ。 57 00:05:12,145 --> 00:05:17,384 (加世)わぁ~ 大きな金魚! 58 00:05:17,384 --> 00:05:23,824 どうです? これほどの水槽は 三国随一でしょう。 59 00:05:23,824 --> 00:05:29,763 (加世)いったい何匹いるんですか。 ん? もう一人 客人が➡ 60 00:05:29,763 --> 00:05:33,733 いたようだな。 あっ? あ~っ! 61 00:05:33,733 --> 00:05:36,236 薬売りさんじゃないですか! 62 00:05:36,236 --> 00:05:40,707 あの人が 坂井の化け猫騒動を 鎮めたんですよ! 63 00:05:40,707 --> 00:05:43,610 (薬売り)風か…。 64 00:05:43,610 --> 00:05:47,914 アンタも呪術者の類いか? 65 00:05:47,914 --> 00:05:54,120 ただの… 薬売り… ですよ。 66 00:05:57,724 --> 00:06:02,262 風の具合がよければ 4~5日で江戸に着きましょう。 67 00:06:02,262 --> 00:06:05,732 なぁ? 五浪丸。 (五浪丸)へ~い。 68 00:06:05,732 --> 00:06:09,269 今夜は星が出なさそうだなぁ。 69 00:06:09,269 --> 00:06:11,905 なあに 星が出ていなくたって 平気です。 70 00:06:11,905 --> 00:06:15,575 この羅針盤は 常に 北の方向を示します。 71 00:06:15,575 --> 00:06:17,744 だから この 鬼門の方向に向かえば➡ 72 00:06:17,744 --> 00:06:20,247 必ずや 江戸に たどりつくのですよ。 73 00:06:20,247 --> 00:06:23,717 鬼門の方角… ねぇ。 74 00:06:26,686 --> 00:06:30,557 (加世)アヤカシとかが出たら また薬売りさん… その➡ 75 00:06:30,557 --> 00:06:35,428 退魔の剣で斬っちゃうんですか? どうして? 76 00:06:35,428 --> 00:06:38,231 ど どうしてって だって…。 77 00:06:38,231 --> 00:06:42,235 アヤカシとは この世ならざるもののこと。 78 00:06:42,235 --> 00:06:46,406 アヤカシなぞ やおよろずもいるのだよ。 79 00:06:46,406 --> 00:06:50,577 片っ端から斬ったって キリがない。 80 00:06:50,577 --> 00:06:53,413 やおよろずは 神様の数でしょ。 81 00:06:53,413 --> 00:06:59,586 同じようなもんだ。 え…。 しかし モノノ怪は違う。 82 00:06:59,586 --> 00:07:15,935 ♬~ 83 00:07:15,935 --> 00:07:21,341 お主の… その退魔の剣なるもの ちと抜いて➡ 84 00:07:21,341 --> 00:07:24,411 見せてはくれないか。 85 00:07:24,411 --> 00:07:27,747 抜けません。 86 00:07:27,747 --> 00:07:34,654 こいつを抜くには モノノ怪の形と 真と理が必要なんですよ。 87 00:07:34,654 --> 00:07:40,427 フンッ もったいつけるヤツにかぎって 大した霊力もないもんだ。 88 00:07:40,427 --> 00:07:42,595 それに比べて私は…。 89 00:07:48,601 --> 00:08:08,788 ♬~ 90 00:08:08,788 --> 00:08:15,295 (いびき) 91 00:08:15,295 --> 00:08:52,799 ♬~ 92 00:08:52,799 --> 00:08:55,135 ん~? 93 00:08:55,135 --> 00:09:17,123 ♬~ 94 00:09:17,123 --> 00:09:22,629 風が… やんだな。 95 00:09:36,309 --> 00:09:40,180 ん~? 96 00:09:40,180 --> 00:09:44,284 ん? 97 00:09:44,284 --> 00:09:46,619 あれ? 98 00:09:46,619 --> 00:09:50,590 な~んだ みんな ここに いたんですか~。 99 00:09:50,590 --> 00:09:55,528 私もう みんなどこ 行っちゃったかと思って。 100 00:09:55,528 --> 00:10:00,633 あの どうかしたんですか? あ… いや どうということは…。 101 00:10:00,633 --> 00:10:06,272 とうに朝だというのに 一向に太陽が出てこない。 102 00:10:06,272 --> 00:10:11,277 にもかかわらず ぼんやりと明るい。 103 00:10:11,277 --> 00:10:16,449 源慧様 お体を冷やします。 中へお戻りください。 104 00:10:16,449 --> 00:10:22,388 石廊崎が見える頃ではないのか? えっ!? そんなの全然➡ 105 00:10:22,388 --> 00:10:24,390 見えないんですけど。 106 00:10:27,927 --> 00:10:33,766 (幻殃斉)ふ~む…。 (多門)何か? 107 00:10:33,766 --> 00:10:37,604 ここが新島か。 108 00:10:37,604 --> 00:10:42,942 そして ここが 野島崎と…。 109 00:10:42,942 --> 00:10:46,112 (加世)何やってるんですか? さようですが。 110 00:10:46,112 --> 00:10:50,283 よいか 新島 野島崎と この辺りにある➡ 111 00:10:50,283 --> 00:10:53,686 南蛮の島の3点を結ぶ海域を➡ 112 00:10:53,686 --> 00:10:58,458 龍の三角と呼ぶのだと 聞いたことがある。 113 00:10:58,458 --> 00:11:00,727 (2人)龍の! (加世)三角!? 114 00:11:04,464 --> 00:11:08,601 そう この海に入った船は ことごとく➡ 115 00:11:08,601 --> 00:11:11,604 この世あらざるアヤカシに襲われ➡ 116 00:11:11,604 --> 00:11:17,410 決して陸へ帰ってくることは かなわないという。 117 00:11:17,410 --> 00:11:24,918 (多門)それが…。 ここは…。 118 00:11:24,918 --> 00:11:28,321 アヤカシの海なのだ。 119 00:11:28,321 --> 00:11:30,423 (加世)ア… アヤカシ…。 120 00:11:30,423 --> 00:11:33,760 (多門) そ そんなはずは! 五浪丸! 121 00:11:33,760 --> 00:11:38,932 ほ ほら ご覧なさい。 針はしっかりと鬼門のほうを➡ 122 00:11:38,932 --> 00:11:41,401 示しているではありませんか。 123 00:11:45,305 --> 00:11:47,974 (幻殃斉)ふむ 確かに…。 124 00:11:50,577 --> 00:11:53,246 (悲鳴) 125 00:11:53,246 --> 00:11:57,750 この鉄の棒は 磁石です。 126 00:11:57,750 --> 00:12:04,190 これを 羅針盤の近くに 仕込んでおけば➡ 127 00:12:04,190 --> 00:12:08,227 方角を自由に偽ることができる。 (幻殃斉)ううむ 面妖なる妖術。 128 00:12:08,227 --> 00:12:13,066 だ 誰がいったい こんなことを。 ほう~。 129 00:12:13,066 --> 00:12:17,070 この中に その誰かが いるってことですよね。 130 00:12:17,070 --> 00:12:25,511 (太鼓) 131 00:12:25,511 --> 00:12:30,950 太鼓? なるほど これはあれだ。 132 00:12:30,950 --> 00:12:35,321 虚空太鼓というアヤカシだ。 (加世)ア ア ア… アヤカシ!? 133 00:12:35,321 --> 00:12:39,359 うむ 海でただ太鼓の音が聞こえる というもので➡ 134 00:12:39,359 --> 00:12:43,129 人に危害を与えるものではない。 135 00:12:43,129 --> 00:12:47,266 残念至極 船幽霊でも 現れようなものなら➡ 136 00:12:47,266 --> 00:12:53,273 身共が成敗して 成仏させてやったところを。 137 00:12:53,273 --> 00:13:17,463 ♬~ 138 00:13:17,463 --> 00:13:20,166 (加世)キャ~! (幻殃斉)何事ぞ! 139 00:13:23,069 --> 00:13:35,415 ♬~ 140 00:13:35,415 --> 00:13:37,750 こ これは…。 141 00:13:37,750 --> 00:13:48,928 ♬~ 142 00:13:51,030 --> 00:13:53,232 何者かに閉じ込められたらしい。 143 00:13:53,232 --> 00:13:56,569 そ そんな! 源慧様! 144 00:13:56,569 --> 00:13:59,872 これは何者かの たばかりで ございますよね。 145 00:13:59,872 --> 00:14:01,908 動じるでない 菖源。 146 00:14:01,908 --> 00:14:05,878 アヤカシなど心の弱き者に すり寄るものぞ。 147 00:14:05,878 --> 00:14:08,047 は はい でも…。 148 00:14:08,047 --> 00:14:11,551 やはりここは 龍の三角 アヤカシの海。 149 00:14:11,551 --> 00:14:15,455 これって。 加世さん。 はい。 150 00:14:15,455 --> 00:14:19,392 天秤さん。 えっ えっ!? 151 00:14:19,392 --> 00:14:23,896 て 天秤? 何の重さを 量ろうというのだ? 152 00:14:23,896 --> 00:14:28,067 これは重さではなく 距離を測る天秤なの。 153 00:14:28,067 --> 00:14:30,570 距離? いったい何との? 154 00:14:30,570 --> 00:14:36,042 この世ならざるもの… ですよ。 ひぃっ!? 155 00:14:46,219 --> 00:14:49,222 大きい! 156 00:14:49,222 --> 00:14:53,693 こ これが船幽霊の操るマヨイ船か。 157 00:14:53,693 --> 00:14:56,262 こんなに大きいなんて 聞いたことがないぞ。 158 00:14:56,262 --> 00:15:01,901 斬って成仏させるにせよ 江戸で見せ物にするにせよ➡ 159 00:15:01,901 --> 00:15:04,237 派手なほうがよいのだろう? 160 00:15:04,237 --> 00:15:07,907 お主の退魔の剣とやらで 斬ってはどうか。 161 00:15:10,910 --> 00:15:15,081 ああ 見てみたいものよ。 162 00:15:15,081 --> 00:15:20,219 だ だから 言ったでしょ 形と真と理が必要だって。 163 00:15:20,219 --> 00:15:24,624 その形とやらは 見えてきたようだぞ。 えっ!? 164 00:15:28,728 --> 00:15:30,930 何が…。 165 00:15:36,068 --> 00:15:40,072 ひっ! 出た~! 166 00:15:40,072 --> 00:15:42,608 薬売りさ~ん! 167 00:15:42,608 --> 00:15:46,245 船… 幽霊か。 168 00:15:46,245 --> 00:15:49,248 (加世)退魔の剣が鳴っていない。 169 00:15:49,248 --> 00:15:52,919 (幻殃斉)みんな落ち着け! ひしゃくを用意しろ! 170 00:15:52,919 --> 00:15:57,590 無駄だろうな そんなものは。 (幻殃斉)なんと申すか! 171 00:15:57,590 --> 00:16:00,760 そんなまどろっこしい 手合いのアヤカシではない。 172 00:16:00,760 --> 00:16:03,429 そもそも ひしゃくをよこせとも 言っていない。 173 00:16:03,429 --> 00:16:07,433 で では 何を求めているのです あの亡者どもは。 174 00:16:07,433 --> 00:16:13,105 仲間になれと言っている。 あんな姿になりたくない~! 175 00:16:13,105 --> 00:16:18,477 船主 急いで かまどの灰を集めて 持ってきてくれ。 176 00:16:18,477 --> 00:16:22,114 灰ですか? そうだ 急いで! 177 00:16:22,114 --> 00:16:25,685 へ へい 五浪丸! 私も手伝う。 178 00:16:29,422 --> 00:16:32,124 塩ではなく灰とは。 179 00:16:32,124 --> 00:16:34,994 (幻殃斉)いい質問だ。 塩は海にいくらでもある。 180 00:16:34,994 --> 00:16:38,497 船幽霊には無効なのだ。 181 00:16:38,497 --> 00:16:42,001 これで大丈夫… なの? 182 00:16:49,675 --> 00:16:52,778 (悲鳴) 183 00:16:52,778 --> 00:16:56,782 ダメ~! 効き目な~い! 184 00:16:56,782 --> 00:16:59,819 えぇっ!? フム… 船主➡ 185 00:16:59,819 --> 00:17:02,855 まきを束ねた縄は どうしている? 186 00:17:02,855 --> 00:17:05,224 へ へい まきと一緒に焼いておりますが。 187 00:17:05,224 --> 00:17:09,929 そうか まき以外の灰が 混ざってしまったら…。 188 00:17:09,929 --> 00:17:14,934 亡者よけの効果はない。 えっ!? そんな~! 189 00:17:14,934 --> 00:17:19,138 そのとおり。 座して待つなど 武士にもとる! 190 00:17:21,073 --> 00:17:24,744 アイツらに命はないんです。 191 00:17:24,744 --> 00:17:30,449 人殺しのための道具など 何の効き目もありません。 192 00:17:32,885 --> 00:17:34,887 なにっ!? えっ…。 193 00:17:38,557 --> 00:17:40,560 (悲鳴) 194 00:17:40,560 --> 00:17:44,697 ♬~ 195 00:17:44,697 --> 00:17:48,701 (悲鳴) 196 00:17:48,701 --> 00:17:51,370 (加世)う 浮いてる~! 197 00:17:51,370 --> 00:17:56,375 (多門)私の船が! 薬売りの方 なんとかしてくださいまし! 198 00:17:56,375 --> 00:17:59,679 確かに 薬売りこそなりわい。 199 00:18:03,382 --> 00:18:07,219 え~い なんと悠長な! 薬なぞなおのこと➡ 200 00:18:07,219 --> 00:18:09,221 アヤカシには効かぬではないか。 201 00:18:09,221 --> 00:18:14,593 ああ そうだ 幻殃斉殿は 修験者でしたね。 ん? うん。 202 00:18:14,593 --> 00:18:17,897 破邪の祈祷はできますか? 無論だ。 203 00:18:17,897 --> 00:18:24,403 では お願いします。 薬の調合に 今しばらくかかりそうですので。 204 00:18:26,839 --> 00:18:32,078 オンキリキリ オンキリキリ オンキリキリ オンキリキリ…。 205 00:18:32,078 --> 00:18:37,516 アヤカシは 暗闇をつたって こちら側にやってくる。 206 00:18:37,516 --> 00:18:42,054 このアヤカシどもは 日の光を隠せるほどに➡ 207 00:18:42,054 --> 00:18:46,092 その怨念が深まっている。 208 00:18:46,092 --> 00:18:49,895 で では わしらは 取り込まれる以外にないと!? 209 00:18:49,895 --> 00:18:55,368 さにあらず。 光は 空にあるばかりではないのです。 210 00:18:55,368 --> 00:19:00,373 目を開けていたら 潰れます… よ。 211 00:19:00,373 --> 00:19:17,757 ♬~ 212 00:19:17,757 --> 00:19:20,126 うぅ…。 213 00:19:23,396 --> 00:19:27,233 あ…。 おお…。 214 00:19:27,233 --> 00:19:30,403 おお! マヨイ船も消えておる。 215 00:19:30,403 --> 00:19:33,072 ただの薬売りではないな。 216 00:19:33,072 --> 00:19:35,908 なかなか やるではないか。 だから! 217 00:19:35,908 --> 00:19:38,911 この人は すごい人なんですよ! 218 00:19:38,911 --> 00:19:40,946 源慧様 助かったのですね。 219 00:19:40,946 --> 00:19:42,982 (鐘の音) 220 00:19:42,982 --> 00:19:45,918 な 何の音です!? あれは。 221 00:19:45,918 --> 00:19:48,754 鎖のような。 222 00:19:48,754 --> 00:19:52,058 さよう。 まこと ここは アヤカシの海。 223 00:19:52,058 --> 00:19:55,061 どうして こんなところに 来ちゃったのよ! 224 00:19:55,061 --> 00:19:58,564 (幻殃斉)そうだ 羅針盤を細工して いったい誰が➡ 225 00:19:58,564 --> 00:20:00,733 この船を ここまで連れてきた!? 226 00:20:00,733 --> 00:20:04,236 この中にいる 誰かがやったのは 確かよね。 227 00:20:04,236 --> 00:20:07,907 身共ではないぞ。 でも 幻殃斉さんは➡ 228 00:20:07,907 --> 00:20:10,576 アヤカシを打ち負かせて 名声を勝ち取りたいって➡ 229 00:20:10,576 --> 00:20:13,379 言ってましたよね。 えっ…。 230 00:20:13,379 --> 00:20:16,549 三國屋さんは この大きな 金魚みたいに➡ 231 00:20:16,549 --> 00:20:19,485 珍しいものを 見せ物にしたいと思っていた。 232 00:20:19,485 --> 00:20:22,054 いや あ…。 佐々木様は➡ 233 00:20:22,054 --> 00:20:24,724 薬売りさんの 退魔の剣を見たくてしかたない。 234 00:20:24,724 --> 00:20:28,627 というよりも 本当は欲しいと 思ってるんじゃないんですか? 235 00:20:28,627 --> 00:20:32,665 人を疑うのは勝手だが 俺はやっていない。 236 00:20:32,665 --> 00:20:36,702 昨日の夜 菖源さん 途中でいなくなってましたよね。 237 00:20:36,702 --> 00:20:40,773 そ それは… 私が 船に酔ったもので➡ 238 00:20:40,773 --> 00:20:42,875 甲板で夜風に 当たっていたからで。 239 00:20:42,875 --> 00:20:45,544 完全に疑いのない人はいません。 240 00:20:45,544 --> 00:20:47,913 この薬売りさん以外には。 241 00:20:47,913 --> 00:20:53,586 フフフ… 次は どんなアヤカシが 現れるのやら。 242 00:20:53,586 --> 00:20:56,388 えっ…。 そうそう➡ 243 00:20:56,388 --> 00:21:00,392 火薬は 全部 使ってしまいました。 244 00:21:00,392 --> 00:21:04,196 先ほどの手は もう使えませんよ。 245 00:21:07,066 --> 00:21:11,570 楽しんでいるの? まさか…。 246 00:21:11,570 --> 00:21:16,041 ひょっとしたら 薬売りさんも…。