1 00:00:34,801 --> 00:00:38,305 ((カロリーナ:お姉様! (フローラ)フフフフ… ウフフフフ…。 2 00:00:38,305 --> 00:00:42,309 (カロリーナ)待って! お姉様!! (フローラ)遅いわよ カロリーナ! 3 00:00:42,309 --> 00:00:45,479 (カロリーナ)お姉様! あっ…。 4 00:00:45,479 --> 00:00:48,815 うっ… ううっ…。 (フローラ)もう… ドジねぇ。 5 00:00:48,815 --> 00:00:51,151 (フローラ)ホントに)) 6 00:00:51,151 --> 00:00:54,821 (カロリーナ)ハッ… ハーッ…。 7 00:00:54,821 --> 00:00:58,158 <カロリーナ:私は カロリーナ・サンチェス。 8 00:00:58,158 --> 00:01:02,496 サンチェス家は セレスティア王国 唯一の公爵家であり➡ 9 00:01:02,496 --> 00:01:05,832 王国の歴史に この名を残してきた。 10 00:01:05,832 --> 00:01:08,835 あるときは 最強の騎士として➡ 11 00:01:08,835 --> 00:01:12,172 また あるときは 国を支える宰相として➡ 12 00:01:12,172 --> 00:01:17,511 いつの時代でも サンチェス公爵家は この国の希望の星だった。 13 00:01:17,511 --> 00:01:23,183 そんな華々しいサンチェス公爵家に 2人の女の子が生まれた。 14 00:01:23,183 --> 00:01:26,853 優秀な姉のフローラと違って 私は平凡で➡ 15 00:01:26,853 --> 00:01:29,523 特筆するべき才能もない➡ 16 00:01:29,523 --> 00:01:33,794 サンチェス公爵家において 出来損ない同然の存在だ。 17 00:01:33,794 --> 00:01:36,797 寝る間を惜しんで努力しても➡ 18 00:01:36,797 --> 00:01:39,800 決して フローラのようにはなれない。 19 00:01:39,800 --> 00:01:44,805 公爵家の次女として 生を受けた私は 切に願っていた。 20 00:01:44,805 --> 00:01:48,475 何か… 何か一つでいい。 21 00:01:48,475 --> 00:01:52,179 誰かに誇れるような 才能が欲しい… と> 22 00:03:33,780 --> 00:03:39,119 ♬~ 23 00:03:39,119 --> 00:03:41,121 (マリア)あっ…。 24 00:03:43,457 --> 00:03:47,461 ⚟フローラ様だ。 ⚟今日も一段と お美しい。 25 00:03:47,461 --> 00:03:49,463 (フローラ)フフッ。 26 00:03:52,466 --> 00:03:54,468 (マリア)ああっ! 27 00:03:54,468 --> 00:03:56,470 ⚟おいおい…。 ⚟どうしたんだ? 28 00:03:56,470 --> 00:03:58,472 ⚟ダンス中に転んだみたいだな。 29 00:03:58,472 --> 00:04:01,808 ああ… 私のかわいい マリアちゃんの顔に傷が! 30 00:04:01,808 --> 00:04:03,810 誰か医者を。 急いで! 31 00:04:03,810 --> 00:04:06,146 その必要はありませんわ。 32 00:04:06,146 --> 00:04:08,815 私が治してさしあげます。 33 00:04:08,815 --> 00:04:12,152 フローラ様…。 ご心配なさらないで。 34 00:04:12,152 --> 00:04:15,455 大丈夫。 すぐ よくなるわ。 35 00:04:17,491 --> 00:04:20,494 ⚟おおっ…。 36 00:04:20,494 --> 00:04:23,830 あっ…。 37 00:04:23,830 --> 00:04:26,166 ああ… マリアちゃん…。 38 00:04:26,166 --> 00:04:28,168 お母様…。 よかった。 39 00:04:28,168 --> 00:04:30,837 ⚟これが フローラ様の聖魔法…。 40 00:04:30,837 --> 00:04:35,275 ⚟きっと次の聖女試験も フローラ様は 難なく突破されるだろうな。 41 00:04:35,275 --> 00:04:38,278 (アリエラ)次期聖女は フローラ様で決まりね。 42 00:04:38,278 --> 00:04:40,614 ええ。 あのクローディア様に続く➡ 43 00:04:40,614 --> 00:04:43,450 聖女になられるのは間違いないわ。 44 00:04:43,450 --> 00:04:48,121 <カロリーナ:聖女。 優れた聖魔法の 使い手に与えられる➡ 45 00:04:48,121 --> 00:04:51,124 セレスティア王国独自の称号。 46 00:04:51,124 --> 00:04:55,462 みんなが言うとおり きっと 次の聖女は フローラなのだろう> 47 00:04:55,462 --> 00:04:57,464 フローラ様 すてき! 48 00:04:57,464 --> 00:05:00,133 でも 妹君のほうは…。 えっ? 49 00:05:00,133 --> 00:05:03,803 ⚟あら そんなこと言ったら カロリーナ様が かわいそうよ。 50 00:05:03,803 --> 00:05:06,473 (アリエラ)でも 事実じゃない。 51 00:05:06,473 --> 00:05:10,143 あまり私の妹を いじめないでくれるかしら? 52 00:05:10,143 --> 00:05:14,147 カロリーナって とても繊細なのよ。 53 00:05:14,147 --> 00:05:16,483 あっ…。 い… いえ 私たちは…。 54 00:05:16,483 --> 00:05:19,820 わかっているわ。 ちょっと 言葉が過ぎただけよね? 55 00:05:19,820 --> 00:05:22,322 (アリエラ)は… はい。 そのとおりです。 56 00:05:22,322 --> 00:05:25,492 きっと カロリーナも許してくれるわ。 57 00:05:25,492 --> 00:05:28,495 さあ 一緒に謝りましょう。 58 00:05:30,497 --> 00:05:33,099 (アリエラ)カロリーナ様 先ほどは 失礼なことを言ってしまい➡ 59 00:05:33,099 --> 00:05:35,769 大変 申し訳ありません。 ご不快な思いを➡ 60 00:05:35,769 --> 00:05:38,438 させてしまっていたら 本当に申し訳ないわ…。 61 00:05:38,438 --> 00:05:41,775 私からも謝罪するわ カロリーナ。 62 00:05:41,775 --> 00:05:44,778 だから 2人のことを 許してあげて? 63 00:05:44,778 --> 00:05:47,781 (フローラ)ねっ? 64 00:05:47,781 --> 00:05:51,451 お姉様が そう おっしゃるのなら…。 65 00:05:51,451 --> 00:05:53,453 フフッ。 66 00:05:53,453 --> 00:05:57,457 (アリエラたち)ありがとうございます。 仲直りしてくれて よかったわ。 67 00:05:57,457 --> 00:05:59,793 (フローラ)大丈夫? カロリーナ。 68 00:05:59,793 --> 00:06:02,796 本当のことを言われて つらかったでしょう? 69 00:06:02,796 --> 00:06:04,798 えっ…。 70 00:06:04,798 --> 00:06:07,801 (フローラ)だって あなたは サンチェス公爵家唯一の➡ 71 00:06:07,801 --> 00:06:10,103 出来損ないなのだから。 72 00:06:12,472 --> 00:06:14,474 フフフフ…。 73 00:06:14,474 --> 00:06:20,180 引き立て役 ご苦労さま。 おかげで 私の好感度が また上がったわ。 74 00:06:30,156 --> 00:06:33,760 何よ その顔。 何か不満なの? 75 00:06:33,760 --> 00:06:36,263 別に 私は…。 76 00:06:36,263 --> 00:06:39,266 言っておくけど お父様の急用がなければ➡ 77 00:06:39,266 --> 00:06:43,103 あなたと同じ馬車に乗るのは 嫌だったのよ。 78 00:06:43,103 --> 00:06:46,106 でも 今 使える馬車が これしかないから➡ 79 00:06:46,106 --> 00:06:48,775 しかたなく 一緒に乗ってあげてるの。 80 00:06:48,775 --> 00:06:51,778 あなたみたいな出来損ないが 次期聖女たる私と➡ 81 00:06:51,778 --> 00:06:55,382 同じ空間にいられるだけ ありがたいと思いなさい。 82 00:06:57,450 --> 00:06:59,786 何なのよ。 何とか言いなさいよ。 83 00:06:59,786 --> 00:07:02,789 (フローラ)出来損ないは 目上の人に対する➡ 84 00:07:02,789 --> 00:07:05,458 態度も わからないの? 85 00:07:05,458 --> 00:07:09,129 カロリーナって ホント 不思議な子よね。 86 00:07:09,129 --> 00:07:12,465 だって 誰にも似てないんだもの。 87 00:07:12,465 --> 00:07:15,468 あなたの髪は 私やお父様の髪とも➡ 88 00:07:15,468 --> 00:07:19,472 お母様 自慢の 黒髪とも違う灰色の髪。 89 00:07:19,472 --> 00:07:23,143 まるで ほこりを かぶったみたいよね。 90 00:07:23,143 --> 00:07:25,145 フーッ。 91 00:07:28,148 --> 00:07:32,485 それから その血のように赤い瞳。 92 00:07:32,485 --> 00:07:36,423 私は お母様ゆずりの 薄ピンク色の瞳なのに➡ 93 00:07:36,423 --> 00:07:39,426 あなたの瞳は 見事に真っ赤ね。 94 00:07:39,426 --> 00:07:43,763 お父様の緑色の瞳とは 似ても似つかないし➡ 95 00:07:43,763 --> 00:07:48,435 本当に私の妹なのか疑っちゃうわ。 96 00:07:48,435 --> 00:07:53,106 「奥様の生き写しのようだ」って 言ってる人もいるみたいだけど➡ 97 00:07:53,106 --> 00:07:57,110 きっと それは嫌味よね。 だって 出来損ないのカロリーナが➡ 98 00:07:57,110 --> 00:08:00,113 美しいお母様に 似ているはずがないもの。 99 00:08:00,113 --> 00:08:02,449 あっ ごめんなさい。 100 00:08:02,449 --> 00:08:05,785 あなたは お母様のこと よく知らないんだったわね。 101 00:08:05,785 --> 00:08:09,122 《カロリーナ:フローラの言葉が 一つ一つ➡ 102 00:08:09,122 --> 00:08:11,791 ナイフとなって胸に突き刺さる。 103 00:08:11,791 --> 00:08:14,127 もう やめて…。 104 00:08:14,127 --> 00:08:18,131 お願いだから もう何も言わないで…》 105 00:08:18,131 --> 00:08:21,468 お姉様 私に悪いところが あったなら謝るから➡ 106 00:08:21,468 --> 00:08:23,803 もう許し…。 107 00:08:23,803 --> 00:08:26,139 だって…。 108 00:08:26,139 --> 00:08:30,810 《嫌… 嫌… やめて。 それだけは聞きたくない…》 109 00:08:30,810 --> 00:08:34,414 あなたが生まれてきたせいで お母様は…。 110 00:08:36,416 --> 00:08:41,087 《カロリーナ:私は母に会ったことも 話したこともない。 111 00:08:41,087 --> 00:08:44,758 母のカレン・サンチェス公爵夫人は➡ 112 00:08:44,758 --> 00:08:47,761 私を産んで すぐに 病で亡くなった。 113 00:08:47,761 --> 00:08:51,431 体調を崩したきっかけは 間違いなく出産だ。 114 00:08:51,431 --> 00:08:54,100 私が生まれてこなければ➡ 115 00:08:54,100 --> 00:08:57,437 母は生きていたかもしれない》 116 00:08:57,437 --> 00:09:01,441 (フローラ)お母様は 本当に すばらしい方だったわ。 117 00:09:01,441 --> 00:09:05,779 優しくて 思いやりがあって まるで聖母様のようだった。 118 00:09:05,779 --> 00:09:08,114 だから➡ 119 00:09:08,114 --> 00:09:11,117 お母様を殺した あなたを許さないし➡ 120 00:09:11,117 --> 00:09:15,789 あなたが お母様の 生き写しだなんて絶対に認めない。 121 00:09:15,789 --> 00:09:20,293 私は 私のすべてで あなたを否定してやるわ! 122 00:09:24,798 --> 00:09:28,468 おかえりなさいませ。 (イリス)おかえりなさいませ。 123 00:09:28,468 --> 00:09:31,471 (イリス)いかがでしたか? 本日の舞踏会は。 124 00:09:31,471 --> 00:09:34,073 おかえりなさいませ。 あっ…。 125 00:09:34,073 --> 00:09:38,244 ありがとう。 旦那様が客室にてお待ちです。 126 00:09:38,244 --> 00:09:40,246 お父様が? 127 00:09:40,246 --> 00:09:42,248 (ノック) 128 00:09:42,248 --> 00:09:45,251 カロリーナ様 戻られました。 (レイモンド)入れ。 129 00:09:47,754 --> 00:09:49,756 あっ…。 130 00:09:49,756 --> 00:09:53,426 (レイモンド)カロリーナ 突っ立っていないで 挨拶をしなさい。 131 00:09:53,426 --> 00:09:58,765 ご挨拶が遅れてしまい も… 申し訳ありません。 132 00:09:58,765 --> 00:10:01,434 サンチェス公爵家 次女のカロリーナが➡ 133 00:10:01,434 --> 00:10:04,104 ネイサン国王陛下にご挨拶…。 (ネイサン)シーッ。 134 00:10:04,104 --> 00:10:08,408 (ネイサン)お忍びだからね。 もう少し 声を抑えてね。 135 00:10:10,443 --> 00:10:13,112 (ネイサン)まあ 君と会うのは いつ以来だろう? 136 00:10:13,112 --> 00:10:16,449 元気にしてたかい? (カロリーナ)はい おかげさまで。 137 00:10:16,449 --> 00:10:18,952 陛下も お変わりないようで 安心しました。 138 00:10:18,952 --> 00:10:23,289 私は健康だけが取り柄だからね。 自慢じゃないが➡ 139 00:10:23,289 --> 00:10:26,459 今まで風邪や病気に 一度も かかったことがないんだ。 140 00:10:26,459 --> 00:10:28,795 すごいだろう? 141 00:10:28,795 --> 00:10:33,133 すばらしいことだと思います。 (ネイサン)ところで カロリーナ嬢には➡ 142 00:10:33,133 --> 00:10:37,136 恋人とかいないのかい? 恋人… ですか? 143 00:10:37,136 --> 00:10:40,139 陛下 世間話は そこらあたりにして➡ 144 00:10:40,139 --> 00:10:42,809 いいかげん 本題に。 世間話? 145 00:10:42,809 --> 00:10:45,478 これが ただの世間話に見えるのかい? 146 00:10:45,478 --> 00:10:48,815 私が ここに来た目的を 知っている君なら➡ 147 00:10:48,815 --> 00:10:53,153 この質問が どれほど重要なのか 理解していると思うけど。 148 00:10:53,153 --> 00:10:55,154 それは…。 149 00:10:57,157 --> 00:11:02,162 では 本題に入ろうか。 まずは… そうだね。 150 00:11:02,162 --> 00:11:06,833 実は いよいよ帝国からの 広域連盟締結の期限が➡ 151 00:11:06,833 --> 00:11:09,502 迫ってきていてね。 152 00:11:09,502 --> 00:11:13,840 だけど 折り悪く我が国の人間が マルコシアス帝国の公爵夫人に➡ 153 00:11:13,840 --> 00:11:17,177 無礼を働いてしまったんだよ。 154 00:11:17,177 --> 00:11:21,181 その公爵夫人というのが 現皇帝の妹君でね。 155 00:11:21,181 --> 00:11:25,184 あちらも黙っているわけには いかなくなった。 156 00:11:25,184 --> 00:11:28,188 本来なら何か制裁を 受けるところだろうが➡ 157 00:11:28,188 --> 00:11:32,692 つい先日 帝国から 使いの者がやって来てね。 158 00:11:32,692 --> 00:11:37,463 幸い 帝国側は我々と関係を 悪化させるつもりはないらしい。 159 00:11:37,463 --> 00:11:41,134 だが この件を 放置するわけにはいかない。 160 00:11:41,134 --> 00:11:43,803 そこで こんな提案をしてきた。 161 00:11:43,803 --> 00:11:49,142 それは マルコシアス帝国 第二皇子との結婚だ。 162 00:11:49,142 --> 00:11:54,480 <カロリーナ:マルコシアス帝国 第二皇子 エドワード・ルビー・マルティネス。 163 00:11:54,480 --> 00:11:58,818 烈火の不死鳥団 団長であり その創設者。 164 00:11:58,818 --> 00:12:02,488 剣や魔法の才能に 秀でているといわれている。 165 00:12:02,488 --> 00:12:05,825 彼は あまたの戦で武勲を上げ➡ 166 00:12:05,825 --> 00:12:08,828 烈火の不死鳥団を世に知らしめた。 167 00:12:08,828 --> 00:12:12,432 けれど 英雄とは呼ばれない。 なぜなら…> 168 00:12:15,168 --> 00:12:20,173 <彼は 女も子どもも関係なく 斬りつける残虐性を持っており➡ 169 00:12:20,173 --> 00:12:23,843 血も涙もないと 国民から恐れられている。 170 00:12:23,843 --> 00:12:26,512 付けられた通り名は➡ 171 00:12:26,512 --> 00:12:29,515 戦好きの第二皇子> 172 00:12:31,517 --> 00:12:34,120 (ネイサン)そういうわけで 我々は近日中に➡ 173 00:12:34,120 --> 00:12:37,123 エドワード皇子の結婚相手を選出し➡ 174 00:12:37,123 --> 00:12:40,126 帝国側に引き渡さないと いけないんだけど➡ 175 00:12:40,126 --> 00:12:42,795 これが結構 難しくてね。 176 00:12:42,795 --> 00:12:47,133 我が国でも身分の高い者を 選ばなくてはならない。 177 00:12:47,133 --> 00:12:51,804 私の娘たちは皆 嫁いでいるし 次期聖女候補のフローラを➡ 178 00:12:51,804 --> 00:12:55,808 我が国としては 手放すわけにはいかない。 179 00:12:55,808 --> 00:13:01,481 つまり 私を エドワード皇子殿下の結婚相手に…。 180 00:13:01,481 --> 00:13:04,484 ああ そのとおりだよ。 181 00:13:04,484 --> 00:13:09,822 私は そうしたいと思っている。 君は公爵家の令嬢だからね。 182 00:13:09,822 --> 00:13:13,159 《私の代わりは いくらでもいる。 183 00:13:13,159 --> 00:13:17,830 でも フローラの代わりは誰もいない。 だから 選ばれたんだ》 184 00:13:17,830 --> 00:13:20,833 さて 説明も終わったことだし➡ 185 00:13:20,833 --> 00:13:24,003 早速 さっきの質問に 答えてもらおうか。 186 00:13:24,003 --> 00:13:28,841 (ネイサン)カロリーナ嬢 君には今 恋人がいるかい? 187 00:13:28,841 --> 00:13:32,345 陛下 私に恋人はいません。 188 00:13:32,345 --> 00:13:37,116 カロリーナ嬢 これが最後の質問。 いや お願いだ。 189 00:13:37,116 --> 00:13:42,789 この国のために マルコシアス帝国の 第二皇子と結婚してほしい。 190 00:13:42,789 --> 00:13:46,459 はい わかりました。 191 00:13:46,459 --> 00:13:50,797 そうか。 じゃあ 僕は これで失礼するよ。 192 00:13:50,797 --> 00:13:53,466 (ネイサン)帝国へは 3日後に行ってもらう。 193 00:13:53,466 --> 00:13:56,135 それまでに 準備を整えておいてくれ。 194 00:13:56,135 --> 00:13:59,472 それから 今日のことは くれぐれも他言しないように。 195 00:13:59,472 --> 00:14:01,474 いいね? 196 00:14:01,474 --> 00:14:04,811 (カロリーナ)ご安心ください。 197 00:14:04,811 --> 00:14:07,413 (ドアが閉まる音) 198 00:14:11,818 --> 00:14:15,154 《どうしよう… お父様と二人きり。 199 00:14:15,154 --> 00:14:19,158 何か話したほうがいいのかしら…。 でも いったい 何を…》 200 00:14:19,158 --> 00:14:21,160 カロリーナ。 は… はい。 201 00:14:21,160 --> 00:14:23,162 ヒッ…。 202 00:14:23,162 --> 00:14:26,833 エドワード皇子殿下との結婚 後悔していないか? 203 00:14:26,833 --> 00:14:29,836 もし そうなら 私が陛下を説得して➡ 204 00:14:29,836 --> 00:14:33,773 この件を白紙に戻す。 だから 正直に答えてくれ。 205 00:14:33,773 --> 00:14:36,442 そんなことをしたら 我が国は どうなっ…。 206 00:14:36,442 --> 00:14:38,444 そんなことは わかっている! 207 00:14:38,444 --> 00:14:40,780 私だって わかっているんだ。 208 00:14:40,780 --> 00:14:44,784 自分が今 どれだけ おかしなことを口走っているのか。 209 00:14:44,784 --> 00:14:48,454 だが 生贄のように 他国へ嫁がされる娘を➡ 210 00:14:48,454 --> 00:14:51,124 私は 黙って 見送ることなどできない。 211 00:14:51,124 --> 00:14:54,961 お前は 大切な娘なのだから! えっ…。 212 00:14:54,961 --> 00:14:59,465 今 何て おっしゃったんですか? 「結婚を白紙に」と。 213 00:14:59,465 --> 00:15:02,802 いえ そうではなくて…。 214 00:15:02,802 --> 00:15:07,140 私 ずっと 愛されていないのかと 思っていました。 215 00:15:07,140 --> 00:15:09,809 私は出来損ないだから➡ 216 00:15:09,809 --> 00:15:12,812 愛される価値なんてないのかと…。 217 00:15:12,812 --> 00:15:16,315 誰が言ったのだ? そんなわけ あるか! 218 00:15:16,315 --> 00:15:19,152 (カロリーナ)ありがとうございます お父様…。 219 00:15:19,152 --> 00:15:23,823 この結婚をお受けすること 私は後悔していません。 220 00:15:23,823 --> 00:15:28,828 そ… それは本心か? 本当に不満はないのか? 221 00:15:28,828 --> 00:15:31,497 ええ。 セレスティア王国の…。 222 00:15:31,497 --> 00:15:35,101 我が家のお役に立てるなら 本望です。 223 00:15:35,101 --> 00:15:37,770 そうか… お前が そう言うなら…。 224 00:15:37,770 --> 00:15:40,106 強いていうなら…。 うん? 225 00:15:40,106 --> 00:15:44,110 私じゃなきゃいけない理由が ないのが 少し残念ですわ。 226 00:15:44,110 --> 00:15:47,613 フッ… そういうところは カレンにそっくりだな。 227 00:15:47,613 --> 00:15:51,117 えっ… お… お父様 私は その…。 228 00:15:51,117 --> 00:15:53,786 お母様に似ていますか? 229 00:15:53,786 --> 00:15:56,789 (レイモンド)ああ。 カロリーナは カレンに よく似ている。 230 00:15:56,789 --> 00:15:59,792 そうやって 自分のことに無頓着なところも➡ 231 00:15:59,792 --> 00:16:04,797 他人に優しいところも 努力を惜しまないところも全部。 232 00:16:04,797 --> 00:16:09,135 お前は まるで カレンの生き写しのようだ。 233 00:16:09,135 --> 00:16:11,804 あの… お父様。 234 00:16:11,804 --> 00:16:16,142 ご迷惑でなければ お母様のことを もっと教えていただけませんか? 235 00:16:16,142 --> 00:16:20,146 ここを去る前に もっと よく知っておきたいんです。 236 00:16:20,146 --> 00:16:22,815 (レイモンド)もちろんだ。 237 00:16:22,815 --> 00:16:27,820 < それから 私は父と 夜通し 母の話をした。 238 00:16:27,820 --> 00:16:32,758 母が努力を重ね 父に一度だけ チェスで勝ったこと。 239 00:16:32,758 --> 00:16:36,429 夜中に こっそり作る夜食が すごく おいしかったこと。 240 00:16:36,429 --> 00:16:39,432 努力家で真面目だけど➡ 241 00:16:39,432 --> 00:16:42,435 ちょっとした いたずらで 父を困らせていたこと。 242 00:16:42,435 --> 00:16:45,104 そして フローラと一緒に➡ 243 00:16:45,104 --> 00:16:48,107 花を摘みにいくのが 好きだったこと。 244 00:16:48,107 --> 00:16:53,112 そして 死ぬその瞬間まで 決して誰も恨まなかったこと。 245 00:16:53,112 --> 00:16:57,450 まるで宝物を見せるかのように 大切そうに➡ 246 00:16:57,450 --> 00:17:02,121 一言 一言に たくさんの思いを乗せながら…> 247 00:17:02,121 --> 00:17:06,125 (レイモンド)私も… ハッハッハッ! (カロリーナ)フフフフ…。 248 00:17:09,128 --> 00:17:11,464 (ノック) 249 00:17:11,464 --> 00:17:15,134 (イリス)お嬢様。 ああ イリスね。 入ってちょうだい。 250 00:17:15,134 --> 00:17:17,136 (イリス)失礼します。 251 00:17:17,136 --> 00:17:20,806 フローラ様 聖女試験のお勉強ですか? 252 00:17:20,806 --> 00:17:22,808 (フローラ)ええ。 253 00:17:22,808 --> 00:17:26,145 (イリス)お嬢様なら大丈夫ですよ。 (フローラ)フフッ…。 254 00:17:26,145 --> 00:17:30,449 ところで カロリーナ様のことなのですが…。 255 00:17:39,759 --> 00:17:42,762 《ヒヤシンスの花言葉は たしか➡ 256 00:17:42,762 --> 00:17:45,264 青が 「変わらぬ愛」で➡ 257 00:17:45,264 --> 00:17:49,101 白が 「控えめな愛らしさ」 だったかしら? 258 00:17:49,101 --> 00:17:53,105 お父様って 見かけによらず 意外と ロマンチックだったのね》 259 00:17:53,105 --> 00:17:58,778 カレン。 お前が この世を去ってから もうすぐ 16年だ。 260 00:17:58,778 --> 00:18:02,782 なのに 私は いまだに お前のいない生活に➡ 261 00:18:02,782 --> 00:18:05,117 慣れることができない。 262 00:18:05,117 --> 00:18:08,788 気がついたら お前の面影を探している。 263 00:18:08,788 --> 00:18:13,626 そうだ。 今日は カロリーナを連れてきたよ。 264 00:18:13,626 --> 00:18:16,796 (カロリーナ)お久しぶりです お母様。 265 00:18:16,796 --> 00:18:20,132 私は お母様が頑丈な体に 産んでくれたおかげで➡ 266 00:18:20,132 --> 00:18:22,468 ピンピンしています。 267 00:18:22,468 --> 00:18:27,473 元気だけが取り柄の私ですが 実は 結婚が決まり➡ 268 00:18:27,473 --> 00:18:30,810 明日 マルコシアス帝国へと参ります。 269 00:18:30,810 --> 00:18:36,082 お母様 きっと今日が 最後のお墓参りになると思います。 270 00:18:36,082 --> 00:18:39,385 だから 最後に一つだけ 聞かせてください。 271 00:18:41,754 --> 00:18:46,759 お母様は 私を産んで よかったと思っていますか? 272 00:18:46,759 --> 00:18:51,430 カロリーナ? 私は セレスティア王国の貴族たちに➡ 273 00:18:51,430 --> 00:18:55,434 サンチェス公爵家 唯一の出来損ない と呼ばれています。 274 00:18:55,434 --> 00:18:58,771 私には 優秀な頭脳も 才能もなくて➡ 275 00:18:58,771 --> 00:19:03,109 おまけに 私は お母様を死なせてしまった。 276 00:19:03,109 --> 00:19:07,113 出来損ないのカロリーナなんて 産まなければよかったと➡ 277 00:19:07,113 --> 00:19:09,782 思ったことは ありませんか? 278 00:19:09,782 --> 00:19:12,385 カロリーナ もう やめないか。 279 00:19:14,453 --> 00:19:17,790 すみません。 失礼なことを聞いてしまって。 280 00:19:17,790 --> 00:19:20,793 でも 後悔はしていません。 281 00:19:20,793 --> 00:19:24,463 (風の音) 282 00:19:24,463 --> 00:19:26,866 (カロリーナ)お母様? 283 00:19:32,738 --> 00:19:37,243 お母様 どうか そこで 見守っていてください。 284 00:19:37,243 --> 00:19:42,081 私は もう自分の運命から 逃げたりしませんから。 285 00:19:42,081 --> 00:19:45,785 《それでは お母様 ごきげんよう》 286 00:19:56,762 --> 00:20:00,066 ねぇ 聞いたわよ カロリーナ。 287 00:20:02,435 --> 00:20:05,104 あなた マルコシアス帝国の➡ 288 00:20:05,104 --> 00:20:08,107 エドワード皇子のもとへ 嫁ぐんですってね? 289 00:20:08,107 --> 00:20:11,777 それも トラブル解消のための 生贄として。 290 00:20:11,777 --> 00:20:15,448 エドワード皇子といえば 残虐で粗野で➡ 291 00:20:15,448 --> 00:20:19,118 血も涙も 愛もない人間だって話じゃない。 292 00:20:19,118 --> 00:20:22,455 いいこと? 出来損ないのあなたは どこへ行っても➡ 293 00:20:22,455 --> 00:20:25,124 誰からも愛されないのよ。 294 00:20:25,124 --> 00:20:27,426 覚えておくといいわ。 295 00:20:29,462 --> 00:20:34,867 《これで最後。 もう フローラには二度と…》 296 00:20:46,479 --> 00:20:48,481 (カロリーナ)お父様。 297 00:20:48,481 --> 00:20:51,150 お忙しいなか 見送りにきてくださり➡ 298 00:20:51,150 --> 00:20:55,821 ありがとうございます。 16年間 大変お世話になりました。 299 00:20:55,821 --> 00:20:57,823 礼などいらん。 300 00:20:57,823 --> 00:21:01,127 娘の門出に 親が立ち会うのは当然のことだ。 301 00:21:08,501 --> 00:21:13,172 カロリーナ・サンチェス。 私は お前を誇りに思う。 302 00:21:13,172 --> 00:21:17,176 カレンと私のもとに 生まれてきてくれて➡ 303 00:21:17,176 --> 00:21:20,846 本当に… 本当に ありがとう。 304 00:21:20,846 --> 00:21:24,183 こちらこそ ありがとうございました お父様。 305 00:21:24,183 --> 00:21:27,520 その言葉が聞けて安心しました。 306 00:21:27,520 --> 00:21:30,856 特別にも 一番にも ならなくていい。 307 00:21:30,856 --> 00:21:33,125 ただ元気に➡ 308 00:21:33,125 --> 00:21:38,130 健やかに過ごしなさい。 私が お前に望むのは それだけだ。 309 00:21:38,130 --> 00:21:41,467 はい お父様。 310 00:21:41,467 --> 00:21:43,869 《いってまいります》 311 00:21:57,149 --> 00:22:00,820 お嬢様。 まもなく 約束の場所でございます。 312 00:22:00,820 --> 00:22:03,155 ええ ありがとう。 313 00:22:03,155 --> 00:22:07,826 <約束の場所とは 烈火の不死鳥団が待つ場所。 314 00:22:07,826 --> 00:22:12,164 私の移動は 秘密裏に 行わなければならないため➡ 315 00:22:12,164 --> 00:22:16,502 遠征帰りの騎士団と合流して 帝国に入ることになっている。 316 00:22:16,502 --> 00:22:20,506 それなら 誰にも 怪しまれることがないから> 317 00:22:25,177 --> 00:22:27,847 《遠征帰りなだけあって➡ 318 00:22:27,847 --> 00:22:30,516 人数が多いわね。 319 00:22:30,516 --> 00:22:34,787 ここから先は 侍女や護衛を一人も連れず➡ 320 00:22:34,787 --> 00:22:38,123 たった一人で 帝国に向かうことになっている。 321 00:22:38,123 --> 00:22:41,126 さすがに心細いけど…》 322 00:22:43,128 --> 00:22:45,464 烈火の不死鳥団の皆様。 323 00:22:45,464 --> 00:22:48,133 お待たせしてしまって 申し訳ありません。 324 00:22:48,133 --> 00:22:52,471 私は サンチェス公爵家の次女 カロリーナ・サンチェスですわ。 325 00:22:52,471 --> 00:22:54,873 しばらく お世話になります。 326 00:23:09,154 --> 00:23:11,824 《この人が➡ 327 00:23:11,824 --> 00:23:17,496 マルコシアス帝国の第二皇子にして 烈火の不死鳥団の団長➡ 328 00:23:17,496 --> 00:23:20,899 エドワード・ルビー・マルティネス…》