1 00:00:13,071 --> 00:00:15,907 ベルンシュタイン侯爵:ご婚約 おめでとうございます 殿下。 2 00:00:15,907 --> 00:00:17,909 (クリストファー)んっ! 3 00:00:17,909 --> 00:00:20,411 (ベルンシュタイン侯爵)素晴らしい お相手ではございませんか。 4 00:00:20,411 --> 00:00:23,247 んっ!? 《その頃の 私は 5 00:00:23,247 --> 00:00:25,249 頭を悩ませていた。 6 00:00:25,249 --> 00:00:28,086 私の 婚約者問題だ》 7 00:00:28,086 --> 00:00:31,255 あの狸め いけしゃあしゃあと。 8 00:00:31,255 --> 00:00:33,257 (テオドール)フッフフフ。 あっ! 9 00:00:33,257 --> 00:00:35,259 叔父上! 10 00:00:35,259 --> 00:00:37,762 この教材本 とても よかったですよ。 11 00:00:37,762 --> 00:00:42,266 そうだろう レッツィ博士の本は とても人気なんだ。 12 00:00:42,266 --> 00:00:45,770 では…。 クリス。 13 00:00:45,770 --> 00:00:48,773 お前 ムキになっている だけじゃないのか? 14 00:00:48,773 --> 00:00:52,443 ミゼラルの公女は まさに理想の姫君だろう? 15 00:00:52,443 --> 00:00:54,779 んっ…。 そろそろ 16 00:00:54,779 --> 00:00:57,949 幼い執着から 一歩前進すべきなんじゃないか? 17 00:00:57,949 --> 00:01:02,286 叔父上 そんなことはわかっています。 18 00:01:02,286 --> 00:01:05,123 けれど それでも…。 19 00:01:05,123 --> 00:01:08,459 私は エリィに対するような感情は 20 00:01:08,459 --> 00:01:11,229 ほかの女性には抱けない。 21 00:01:11,229 --> 00:01:13,898 クリス…。 22 00:01:13,898 --> 00:01:17,402 (馬の走る音) 23 00:01:17,402 --> 00:01:19,402 (いななき) 24 00:01:21,572 --> 00:01:23,908 書物の市場? 25 00:01:23,908 --> 00:01:26,911 これは…。 26 00:01:26,911 --> 00:01:29,747 エリアーナ:書物の市場に 行ってみたいのです。 27 00:01:29,747 --> 00:01:32,250 三年に一度開かれる 28 00:01:32,250 --> 00:01:35,750 シスルの星が持ち込む 書物の市場に 29 00:01:38,756 --> 00:01:41,092 レッツィ:プアハァ~ 30 00:01:41,092 --> 00:01:43,094 《そこで出会ったのが 31 00:01:43,094 --> 00:01:45,430 レッツィ博士だった》 32 00:01:45,430 --> 00:01:47,432 ニコラ・レッツィ? 33 00:01:47,432 --> 00:01:49,934 あり得ない 教材と同じ名前…。 34 00:01:49,934 --> 00:01:52,437 フン…。 35 00:01:52,437 --> 00:01:54,939 青臭い ひよっ子じゃな。 んっ…! 36 00:01:54,939 --> 00:01:58,443 お前さんの世界は まだまだ狭すぎる。 37 00:01:58,443 --> 00:02:01,779 そんなだから その娘っ子の 親父という狸にも 38 00:02:01,779 --> 00:02:04,282 いいように あしらわれるんじゃよ。 39 00:02:04,282 --> 00:02:06,284 どうやったら 勝てる? 40 00:02:06,284 --> 00:02:09,954 んなもん 知るかい 好きな娘の一人や二人 41 00:02:09,954 --> 00:02:13,057 自分の力で 取り戻さなくてどうする。 42 00:02:13,057 --> 00:02:15,226 ひよっ子が。 なっ!? 43 00:02:15,226 --> 00:02:17,228 んっ…。 44 00:02:17,228 --> 00:02:19,228 プッハァ~。 45 00:02:21,733 --> 00:02:24,068 星めぐり というもんが あるんじゃ。 46 00:02:24,068 --> 00:02:26,070 星めぐり? 47 00:02:26,070 --> 00:02:30,742 お前さんと その娘っこの星が めぐり合う時が いつか来る。 48 00:02:30,742 --> 00:02:32,910 なっ…! かどうかは 49 00:02:32,910 --> 00:02:36,080 わしゃ 占星術師じゃないから知らんわい。 50 00:02:36,080 --> 00:02:38,082 おい…。 だが 51 00:02:38,082 --> 00:02:40,752 その時のために 力を磨くのが 52 00:02:40,752 --> 00:02:43,921 青臭い ひよっ子の することじゃろうが。 53 00:02:43,921 --> 00:02:45,923 あっ…! 《その瞬間 54 00:02:45,923 --> 00:02:49,427 うずまいていた苛立ちが 静まっていくのを感じた。 55 00:02:49,427 --> 00:02:52,764 そして いつか来る時のために 56 00:02:52,764 --> 00:02:54,766 力をつけようと思った。 57 00:02:54,766 --> 00:02:59,437 次に出会った時には 決して引き裂かれないように》 58 00:02:59,437 --> 00:03:01,773 爺さん ありがとな! 59 00:03:01,773 --> 00:03:03,941 んっ じゃもう一杯。 60 00:03:03,941 --> 00:03:05,943 なっ あぁ… 61 00:03:05,943 --> 00:03:08,446 《それから 人生勉強と称して 62 00:03:08,446 --> 00:03:11,549 有り金をすべて 酒代として巻き上げられた。 63 00:03:11,549 --> 00:03:14,719 あの日は私は 改めて学び直した。 64 00:03:14,719 --> 00:03:17,722 大人なんて信じない》 65 00:03:17,722 --> 00:03:20,725 借りってなんじゃ? 66 00:03:20,725 --> 00:03:23,060 忘れたとは言わせないぞ。 67 00:03:23,060 --> 00:03:25,062 んん…。 68 00:03:25,062 --> 00:03:27,062 あぁ…。 69 00:05:07,932 --> 00:05:12,632 (鳥のさえずり) 70 00:05:14,538 --> 00:05:16,874 嬢ちゃんが ひよっ子坊主が 71 00:05:16,874 --> 00:05:20,544 狸から取り戻そうと 躍起になってた娘っ子か? 72 00:05:20,544 --> 00:05:22,713 狸? おいっ。 73 00:05:22,713 --> 00:05:25,716 坊主の昔話を聞くか? 74 00:05:25,716 --> 00:05:29,720 酒代出すなら 坊主の あることないこと話してやるぞ。 75 00:05:29,720 --> 00:05:33,724 あぁ… エリアーナ と申します。 76 00:05:33,724 --> 00:05:36,394 博士にお目にかかれて 光栄です。 77 00:05:36,394 --> 00:05:39,397 ふむ…。 ともかく話がある。 78 00:05:39,397 --> 00:05:42,066 んっ? シスルの星の長のところに 79 00:05:42,066 --> 00:05:44,735 案内してくれ。 長じゃと? 80 00:05:44,735 --> 00:05:48,239 なんじゃ サウズリンドの騎士様が殴り込みか? 81 00:05:48,239 --> 00:05:50,908 んん… 話がしたいだけだ。 82 00:05:50,908 --> 00:05:55,413 酒代をたかってきた相手への 奉仕だと思って仲介しろ。 83 00:05:55,413 --> 00:05:59,583 へっ お前さんには一回しか おごってもらっておらんのに 84 00:05:59,583 --> 00:06:01,585 割りに合わんわい。 85 00:06:01,585 --> 00:06:04,755 ルネ 先に お母さんのところへ行っておいで。 86 00:06:04,755 --> 00:06:06,924 あとから 私たちも行くから。 87 00:06:06,924 --> 00:06:09,624 (ルネ)うん。 フッ…。 88 00:06:12,363 --> 00:06:14,365 クリス様。 んっ? 89 00:06:14,365 --> 00:06:16,367 以前 どうして 90 00:06:16,367 --> 00:06:19,036 シスルの星の方と 知り合われたのですか? 91 00:06:19,036 --> 00:06:21,872 あぁ いや ちょっとね。 92 00:06:21,872 --> 00:06:23,874 あぁ…。 93 00:06:23,874 --> 00:06:26,544 じゃあ 行こうか。 あっ! 94 00:06:26,544 --> 00:06:29,213 おっ? あの 私 95 00:06:29,213 --> 00:06:31,613 ルネくんに 付き添います。 96 00:06:37,555 --> 00:06:40,057 エリィ? 97 00:06:40,057 --> 00:06:44,562 《ベルンシュタイン家のことは 私が対処すべきことなのに 98 00:06:44,562 --> 00:06:46,564 なぜか 今 99 00:06:46,564 --> 00:06:50,234 殿下のお側にいることが できません。 100 00:06:50,234 --> 00:06:52,403 ここに来てから 初めて見る 101 00:06:52,403 --> 00:06:54,905 いつもと違う 殿下の一面…。 102 00:06:54,905 --> 00:06:58,075 嬉しいと思う反面 103 00:06:58,075 --> 00:07:00,911 私の知らない 過去があるということが 104 00:07:00,911 --> 00:07:03,581 不安にもつながり…。 105 00:07:03,581 --> 00:07:06,751 でも その不安の一番の原因は 106 00:07:06,751 --> 00:07:09,086 殿下と出会った頃を 107 00:07:09,086 --> 00:07:11,856 何一つ 思い出せないこと…》 108 00:07:11,856 --> 00:07:13,858 (アラン)エリアーナ様。 109 00:07:13,858 --> 00:07:16,694 (パオロ/ルネ)んっ! (アラン)大丈夫ですか? 110 00:07:16,694 --> 00:07:18,696 アラン様…。 111 00:07:18,696 --> 00:07:21,532 一人で悩まないで 不満も不安も 112 00:07:21,532 --> 00:07:24,035 ちゃんとクリス様に 言った方がいいですよ。 113 00:07:24,035 --> 00:07:26,537 あっ…。 でないと 114 00:07:26,537 --> 00:07:28,539 グレンが八つ当たり対象で 115 00:07:28,539 --> 00:07:30,541 げっそりしちゃうから。 116 00:07:30,541 --> 00:07:32,710 はい すみません。 117 00:07:32,710 --> 00:07:35,379 ご心配をおかけいたしまして。 フッ。 118 00:07:35,379 --> 00:07:38,215 お姉ちゃん 行こう。 ええ。 119 00:07:38,215 --> 00:07:40,217 (子ども1)ルネ パオロ! 120 00:07:40,217 --> 00:07:42,219 おっ!? 121 00:07:42,219 --> 00:07:44,221 (パオロ)みんな! 122 00:07:44,221 --> 00:07:46,223 お前ら 無事だったのかよ!? 123 00:07:46,223 --> 00:07:48,392 うん! (パオロ)姉ちゃんたちに 124 00:07:48,392 --> 00:07:51,562 助けてもらったんだ。 おっ? おぉ…。 125 00:07:51,562 --> 00:07:54,899 俺たち お前らが 捕まったと思ったんだ。 126 00:07:54,899 --> 00:07:58,736 だからモグラ貴族に もう言うこと 聞かないって言ったんだ。 127 00:07:58,736 --> 00:08:00,905 (子ども1)そしたら 慌てだしてさ。 128 00:08:00,905 --> 00:08:04,408 (子ども2)ルネの母ちゃんを屋敷に 閉じ込めちゃったんだよ…。 129 00:08:04,408 --> 00:08:06,744 えっ!? はっ!? お母様を…。 130 00:08:06,744 --> 00:08:08,744 僕 ちょっと行ってくる。 131 00:08:11,515 --> 00:08:14,852 証拠も消せって 本を焼く準備もしててさ。 132 00:08:14,852 --> 00:08:16,854 はっ!? 俺たち 133 00:08:16,854 --> 00:08:19,356 長に相談しようと思って 戻って来たんだ! 134 00:08:19,356 --> 00:08:23,360 本を焼く…? えっ…。 135 00:08:23,360 --> 00:08:26,697 どこですか その貴族のいる場所は!? 136 00:08:26,697 --> 00:08:29,366 ルネくんの お母様を閉じ込めた上に 137 00:08:29,366 --> 00:08:33,037 本を焼くなどという 蛮行に及ぶとは。 138 00:08:33,037 --> 00:08:35,372 もはや 人類と呼べません! 139 00:08:35,372 --> 00:08:38,542 ボクが案内するよ! 140 00:08:38,542 --> 00:08:40,711 こっちだ! 141 00:08:40,711 --> 00:08:43,881 エリアーナ様! お前たちは悪いヤツだろ! 142 00:08:43,881 --> 00:08:45,883 なっ ちっ 違う! 143 00:08:45,883 --> 00:08:54,725 ~ 144 00:08:54,725 --> 00:08:56,727 お待ちなさい! おっ!? 145 00:08:56,727 --> 00:08:59,396 なんて 非道なマネをしているのです! 146 00:08:59,396 --> 00:09:01,398 (モーズリ男爵)んん…。 147 00:09:01,398 --> 00:09:03,400 あなたは! 148 00:09:03,400 --> 00:09:07,071 《社交会でいつも 殿下の周りから離れない…。 149 00:09:07,071 --> 00:09:09,406 名前は確か…》 150 00:09:09,406 --> 00:09:12,510 モグラ男爵! モーズリだ! 151 00:09:12,510 --> 00:09:16,013 本を焼くなんて 動物以下の所業です。 152 00:09:16,013 --> 00:09:18,516 決して 許されることではありません。 153 00:09:18,516 --> 00:09:21,852 ゴミ虫 以下です 恥を知りなさい! 154 00:09:21,852 --> 00:09:23,854 ごっ ゴミ…。 155 00:09:23,854 --> 00:09:26,690 んっ…! 156 00:09:26,690 --> 00:09:30,194 子どもたちを使って本を盗み 157 00:09:30,194 --> 00:09:33,364 我が家の名を騙った 事実も明白です。 158 00:09:33,364 --> 00:09:35,533 潔く 罪を認め 159 00:09:35,533 --> 00:09:38,536 ルネくんの お母様を引き渡しなさい。 160 00:09:38,536 --> 00:09:40,538 エリアーナ嬢。 161 00:09:40,538 --> 00:09:43,707 突然現れて 何をおっしゃるかと思えば 162 00:09:43,707 --> 00:09:46,377 このような 根なし草の民の言うことを 163 00:09:46,377 --> 00:09:48,546 真に受けられたのですかな? んっ! 164 00:09:48,546 --> 00:09:52,550 では そこにある書物は どう説明づけるのです? 165 00:09:52,550 --> 00:09:55,553 これは 私が買い求めたものです。 166 00:09:55,553 --> 00:09:57,721 違うよ その人がボクらに 167 00:09:57,721 --> 00:09:59,890 本を盗って来いって 命令したんだ! 168 00:09:59,890 --> 00:10:02,226 自分は ベルンシュタインだって言ってな! 169 00:10:02,226 --> 00:10:04,728 ハッ バカバカしい。 170 00:10:04,728 --> 00:10:07,064 どうです エリアーナ嬢。 171 00:10:07,064 --> 00:10:09,400 取り引きをしませんかな? 172 00:10:09,400 --> 00:10:11,402 取り引き? 173 00:10:11,402 --> 00:10:14,905 王太子殿下の ご婚約者である あなたが 174 00:10:14,905 --> 00:10:17,575 根なし草と関わり合ったことは 175 00:10:17,575 --> 00:10:20,077 私の胸に秘めておきましょう。 176 00:10:20,077 --> 00:10:22,913 その代わり 今進めている 177 00:10:22,913 --> 00:10:26,584 あのくだらない施策を 取りやめていただきたいのですよ。 178 00:10:26,584 --> 00:10:30,421 施策? あんなものに予算を回されて 179 00:10:30,421 --> 00:10:34,592 バース商会との商談をふいにする なんて まったく信じられん。 180 00:10:34,592 --> 00:10:36,594 バース商会は今 181 00:10:36,594 --> 00:10:40,097 新しい武器の製造に 着手しようとしているのですぞ! 182 00:10:40,097 --> 00:10:42,933 あっ…。 他国に 渡される前に 183 00:10:42,933 --> 00:10:46,270 なんとしてでも 我が国で独占すべきです。 184 00:10:46,270 --> 00:10:49,440 これは 国の未来のためなのですよ! 185 00:10:49,440 --> 00:10:52,943 私は国の将来を考えるなら 186 00:10:52,943 --> 00:10:56,113 人を殺める武器の開発よりも 187 00:10:56,113 --> 00:11:00,784 人の病を治すための研究に 費用を充てるべきだと思います。 188 00:11:00,784 --> 00:11:02,786 先人が言っています。 189 00:11:02,786 --> 00:11:05,122 本を焼くところでは 190 00:11:05,122 --> 00:11:07,291 ついには人をも焼くと。 191 00:11:07,291 --> 00:11:09,293 なっ…! 192 00:11:09,293 --> 00:11:12,062 そのような国にしては いけないことだけは 193 00:11:12,062 --> 00:11:14,064 私にも わかります。 194 00:11:14,064 --> 00:11:17,234 あなたとの取り引きには 応じられません。 195 00:11:17,234 --> 00:11:20,904 殿下の威光を かさに着ているだけのくせして 196 00:11:20,904 --> 00:11:22,906 小賢しいことを。 197 00:11:22,906 --> 00:11:25,909 ならば 力ずくで お聞き入れいただこう! 198 00:11:25,909 --> 00:11:27,911 お姉ちゃん! くっ…! 199 00:11:27,911 --> 00:11:30,111 はっ…! 200 00:11:32,249 --> 00:11:34,649 そこまで! あっ! 201 00:11:37,755 --> 00:11:39,757 殿下! 202 00:11:39,757 --> 00:11:43,594 くっ クリストファー殿下 なぜ ここに!? 203 00:11:43,594 --> 00:11:46,430 心外だなぁ 私がエリィを 204 00:11:46,430 --> 00:11:49,099 一人で危険に 立ち向かわせるはずがないだろう。 205 00:11:49,099 --> 00:11:51,769 モーズリ男爵。 206 00:11:51,769 --> 00:11:54,772 殿下 わっ 私は 何も…。 207 00:11:54,772 --> 00:11:57,775 どうか シスルの星の子どもの 言うことなどに 208 00:11:57,775 --> 00:11:59,777 お耳を お貸しにならないでください。 209 00:11:59,777 --> 00:12:02,446 んっ! こヤツらは 汚れた民です。 210 00:12:02,446 --> 00:12:05,449 国に忠義を尽くす 貴族の私と 211 00:12:05,449 --> 00:12:07,451 どちらが信用に足るか 212 00:12:07,451 --> 00:12:10,120 聡明な殿下ならば おわかりのはず。 213 00:12:10,120 --> 00:12:12,556 そなたの言い分は ともかく 214 00:12:12,556 --> 00:12:16,226 私の婚約者に 剣を向けた状況が 215 00:12:16,226 --> 00:12:18,562 何より 問題だと思うけれどね。 216 00:12:18,562 --> 00:12:20,731 いやぁ それは…。 それに。 217 00:12:20,731 --> 00:12:22,733 んっ!? そなたは やたらと 218 00:12:22,733 --> 00:12:25,736 シスルの星たちを 蔑視しているようだが 219 00:12:25,736 --> 00:12:28,238 私は 彼らの言い分にも 220 00:12:28,238 --> 00:12:30,574 きちんと 公平に耳を傾けるよ。 221 00:12:30,574 --> 00:12:32,743 (2人)あっ! 222 00:12:32,743 --> 00:12:35,412 お待ちください クリストファー殿下! 223 00:12:35,412 --> 00:12:39,416 国のために 何が必要なのかが おわかりに ならないのですか! 224 00:12:39,416 --> 00:12:43,087 ひとつ言い忘れていた モーズリ男爵。 225 00:12:43,087 --> 00:12:47,257 そなたが絶賛していた バース商会の武器製造だが 226 00:12:47,257 --> 00:12:50,260 なんでも 手ひどい詐欺にあったそうだよ。 227 00:12:50,260 --> 00:12:53,263 はっ? 武器開発に関しては 228 00:12:53,263 --> 00:12:56,266 右に出る者なし という触れ込みで 229 00:12:56,266 --> 00:12:58,936 開発に携わった 老人がいた。 230 00:12:58,936 --> 00:13:01,939 彼が描いた 図面どおりに仕上げてみると 231 00:13:01,939 --> 00:13:04,441 欠陥品だったそうだ。 232 00:13:04,441 --> 00:13:06,443 そっ そんなはずはない! 233 00:13:06,443 --> 00:13:09,279 では なぜバース商会は今 234 00:13:09,279 --> 00:13:11,548 破産の憂き目に 遭っているのかな? 235 00:13:11,548 --> 00:13:16,220 しかも 高額の酒代を ふんだくられて逃げられたとか。 236 00:13:16,220 --> 00:13:18,222 えぇっ!? 世の中には 237 00:13:18,222 --> 00:13:20,222 困ったご老人がいるものだね。 238 00:13:22,559 --> 00:13:25,359 そっ そんな バカな…。 239 00:13:27,564 --> 00:13:29,566 (グレン)捕えろ! 240 00:13:29,566 --> 00:13:33,404 ハァハァハァ… あれ 終わっちゃったの? 241 00:13:33,404 --> 00:13:36,073 僕の出番なし? 遅い。 242 00:13:36,073 --> 00:13:38,575 え~ 急いだのに。 243 00:13:38,575 --> 00:13:41,578 エリィ。 あっ…。 244 00:13:41,578 --> 00:13:44,415 もっ 申し訳ありません! 245 00:13:44,415 --> 00:13:47,084 一人で勝手な行動をしてしまい。 246 00:13:47,084 --> 00:13:49,086 まったく…。 247 00:13:49,086 --> 00:13:51,755 はっ…! 248 00:13:51,755 --> 00:13:54,091 あぁ…。 249 00:13:54,091 --> 00:13:56,927 本当に君は 目が離せない…。 250 00:13:56,927 --> 00:13:58,929 でっ 殿下…。 251 00:13:58,929 --> 00:14:01,098 王子を待たずに 252 00:14:01,098 --> 00:14:03,934 悪者のところに 乗り込んでいく お姫様なんて 253 00:14:03,934 --> 00:14:05,936 そうそういないよ。 254 00:14:05,936 --> 00:14:08,439 もっ 申し訳ありません…。 255 00:14:08,439 --> 00:14:11,708 あの 怒ってらっしゃらないのですか? 256 00:14:11,708 --> 00:14:13,710 そう見える? 257 00:14:13,710 --> 00:14:15,879 (ルネ)お兄ちゃん お姉ちゃん! んっ? 258 00:14:15,879 --> 00:14:19,216 お母さん 中にいるって 行ってくるね! 259 00:14:19,216 --> 00:14:21,916 私たちも 行こうか。 はい。 260 00:14:23,887 --> 00:14:27,224 お母さん! 261 00:14:27,224 --> 00:14:29,226 ルネ…。 262 00:14:29,226 --> 00:14:31,228 起き上がっても平気なの? 263 00:14:31,228 --> 00:14:33,728 ええ パオロも来てくれたのね。 264 00:14:35,732 --> 00:14:38,068 あぁ…。 エリィ? 265 00:14:38,068 --> 00:14:41,405 あっ いえ その…。 266 00:14:41,405 --> 00:14:44,241 母を 思い出しました。 あ…。 267 00:14:44,241 --> 00:14:47,411 (ルネ)お母さん ボクと同じ青い目をした 268 00:14:47,411 --> 00:14:49,746 サウズリンドの騎士様に会ったよ。 269 00:14:49,746 --> 00:14:52,916 ボクの お父さんだと思ったんだ。 270 00:14:52,916 --> 00:14:54,918 んん…。 271 00:14:54,918 --> 00:14:58,088 その騎士様が 昔話をしてくれたんだ。 272 00:14:58,088 --> 00:15:02,092 青い目をした男の子と お姫様のお話で 273 00:15:02,092 --> 00:15:05,262 お姫さまが 男の子のお母さんにかけられた 274 00:15:05,262 --> 00:15:08,599 悪い魔法を解く 呪文を教えてくれるんだ。 275 00:15:08,599 --> 00:15:12,035 大切なものは 目に見えないって。 276 00:15:12,035 --> 00:15:14,037 あっ…。 277 00:15:14,037 --> 00:15:16,039 《あれは…》 278 00:15:16,039 --> 00:15:18,542 そして 騎士様は言ったんだ。 279 00:15:18,542 --> 00:15:23,213 君は君の 大切なものを 見失ってはいけないよ 280 00:15:23,213 --> 00:15:26,717 ボクね ホントはわかってたんだ。 281 00:15:26,717 --> 00:15:29,553 ボクのお父さんは ホントは もう 282 00:15:29,553 --> 00:15:31,555 どこにもいないんだって。 283 00:15:31,555 --> 00:15:33,555 ルネ…。 284 00:15:35,559 --> 00:15:38,896 お母さん ボクはもう 真実から逃げない! 285 00:15:38,896 --> 00:15:42,065 だって ボクは真実を追求し続けた 286 00:15:42,065 --> 00:15:44,902 シスルの星の一員だもの! 287 00:15:44,902 --> 00:15:47,905 はっ…。 288 00:15:47,905 --> 00:15:49,907 ふっ…。 289 00:15:49,907 --> 00:15:51,907 ふふ…。 290 00:15:55,245 --> 00:15:57,247 ルネ。 291 00:15:57,247 --> 00:16:00,918 んっ? サウズリンドでは つい十日前から 292 00:16:00,918 --> 00:16:03,921 医者と薬師を集めた施療院と 293 00:16:03,921 --> 00:16:06,924 病の研究を専門にする機関を 294 00:16:06,924 --> 00:16:09,259 国が運営し始めたんだ。 295 00:16:09,259 --> 00:16:11,695 (ルネ)国が? そこは誰でも 296 00:16:11,695 --> 00:16:13,864 自由に利用できる 病院なんだ。 297 00:16:13,864 --> 00:16:16,533 俺たち シスルの星でも? 298 00:16:16,533 --> 00:16:19,036 もちろん。 わぁ~! 299 00:16:19,036 --> 00:16:21,872 すげぇ 姉ちゃん やったぜ! 300 00:16:21,872 --> 00:16:24,541 はい はっ…! 301 00:16:24,541 --> 00:16:26,710 運営しているのは 国だけれど 302 00:16:26,710 --> 00:16:31,048 責任者の名前には エリアーナ・ベルンシュタインの名がある。 303 00:16:31,048 --> 00:16:33,383 えっ? 殿下 304 00:16:33,383 --> 00:16:36,386 なぜ 私が責任者なのでしょうか? 305 00:16:36,386 --> 00:16:38,889 発案者は エリィだからね。 306 00:16:38,889 --> 00:16:41,224 えっ 私ですか? 307 00:16:41,224 --> 00:16:43,393 そうだよ。 308 00:16:43,393 --> 00:16:47,230 エリアーナは なぜ そんなに本が好きなの? 309 00:16:47,230 --> 00:16:49,733 お母様を探しているのです。 310 00:16:49,733 --> 00:16:52,402 お母さんを? はい。 311 00:16:52,402 --> 00:16:55,072 母は 三年前に亡くなったので 312 00:16:55,072 --> 00:16:58,575 母に関する思い出が ほとんどありません。 313 00:16:58,575 --> 00:17:01,745 だから 母が好きだった本を読んで 314 00:17:01,745 --> 00:17:04,915 母がどこを好きだったのか 考えるのです。 315 00:17:04,915 --> 00:17:07,918 そうやって 母と私は 316 00:17:07,918 --> 00:17:11,521 お話をしているのだと思います。 317 00:17:11,521 --> 00:17:13,523 それに あの時 318 00:17:13,523 --> 00:17:17,194 本当に母の病を 治す方法はなかったのか 319 00:17:17,194 --> 00:17:19,529 どうしても 探してしまいます。 320 00:17:19,529 --> 00:17:21,531 あっ! だから 321 00:17:21,531 --> 00:17:23,533 本の図書館があるように 322 00:17:23,533 --> 00:17:25,702 誰もが自由に利用できる 323 00:17:25,702 --> 00:17:28,372 お医者様の 図書館もあればいいのに 324 00:17:28,372 --> 00:17:31,041 と思います。 医者の図書館…。 325 00:17:31,041 --> 00:17:33,377 お医者様の図書館ができたら 326 00:17:33,377 --> 00:17:37,881 私の家のように お母様を亡くして悲しむ人も 327 00:17:37,881 --> 00:17:39,883 少なくなるかもしれない。 328 00:17:39,883 --> 00:17:42,219 どなたでも診てもらえる 329 00:17:42,219 --> 00:17:44,719 施療院もできたらいいですよね 330 00:17:47,391 --> 00:17:50,060 殿下は そんな昔の話を…。 331 00:17:50,060 --> 00:17:52,729 フッ…。 332 00:17:52,729 --> 00:17:56,733 はぁ…。 《それなのに 私は》 333 00:17:56,733 --> 00:17:59,403 なんだよ姉ちゃん 恋人同士か 334 00:17:59,403 --> 00:18:01,405 自信がないっていってたけど 335 00:18:01,405 --> 00:18:03,740 どっから どう見てもアツアツじゃんか。 336 00:18:03,740 --> 00:18:07,744 へぇ エリィ 自信がないなんて言ったの? 337 00:18:07,744 --> 00:18:09,913 あの… それは…。 338 00:18:09,913 --> 00:18:13,517 エリィ どうして? あぁ…。 339 00:18:13,517 --> 00:18:15,519 一人で悩まないで 340 00:18:15,519 --> 00:18:19,356 不満も不安も ちゃんとクリス様に 言った方がいいですよ 341 00:18:19,356 --> 00:18:21,692 私… 342 00:18:21,692 --> 00:18:24,528 先日から ずっと考えているのですが 343 00:18:24,528 --> 00:18:26,697 思い出せないのです。 344 00:18:26,697 --> 00:18:30,033 昔 殿下とお会いした時のことを。 345 00:18:30,033 --> 00:18:33,203 エリィ…。 申し訳ありません。 346 00:18:33,203 --> 00:18:35,205 殿下は こうして 347 00:18:35,205 --> 00:18:38,875 私との思い出を 大切にしてくださっているのに。 348 00:18:38,875 --> 00:18:41,545 エリィ エリアーナ! 349 00:18:41,545 --> 00:18:44,047 でっ 殿下! (キスする音) 350 00:18:44,047 --> 00:18:47,384 人前です! エリィ 嬉しいよ。 351 00:18:47,384 --> 00:18:49,386 まさか あのエリィが 352 00:18:49,386 --> 00:18:51,888 思い出そうと 努力してくれていたなんて。 353 00:18:51,888 --> 00:18:54,224 あの…。 (パオロ)なんだよ 姉ちゃん。 354 00:18:54,224 --> 00:18:57,394 えっ! そんなの口づけすりゃ 一発だろ! 355 00:18:57,394 --> 00:19:00,397 はい? だって 昔から言うじゃん。 356 00:19:00,397 --> 00:19:04,234 お姫様の魔法は 王子の口づけで解けるって。 357 00:19:04,234 --> 00:19:07,070 だそうだよ 試してみようか。 358 00:19:07,070 --> 00:19:09,072 結構です! 359 00:19:09,072 --> 00:19:11,341 じゃあ 呪文は? えっ? 360 00:19:11,341 --> 00:19:14,678 (ルネ)お姫様の魔法も 呪文で解けるんじゃないの? 361 00:19:14,678 --> 00:19:18,849 呪文? 《呪文…》 362 00:19:18,849 --> 00:19:21,184 大切なのものは 目に見えない。 363 00:19:21,184 --> 00:19:23,353 君が教えてくれた呪文で 364 00:19:23,353 --> 00:19:25,355 魔法が解けたんだ。 365 00:19:25,355 --> 00:19:29,693 ねぇ エリアーナ 秘密の呪文を次に会ったとき 366 00:19:29,693 --> 00:19:31,693 君だけに教えてあげる 367 00:19:34,698 --> 00:19:36,700 はっ…! 368 00:19:36,700 --> 00:19:38,702 どうしたの? 369 00:19:38,702 --> 00:19:41,705 思い出しました。 370 00:19:41,705 --> 00:19:43,705 はぁ…。 ふふ…。 371 00:19:48,211 --> 00:19:50,711 ありがとう~! またな~! 372 00:19:53,550 --> 00:19:55,886 (レッツィ)坊主 シスルの星が 373 00:19:55,886 --> 00:19:59,386 いつでも見ているのを 忘れるではないぞ~! 374 00:20:01,725 --> 00:20:03,894 「星の旅人」は 375 00:20:03,894 --> 00:20:07,564 シスルの星の方が 書かれているのかもしれませんね。 376 00:20:07,564 --> 00:20:09,564 んっ? 377 00:20:12,068 --> 00:20:16,072 エリィはどうして 昔のことを 思い出したかったの? 378 00:20:16,072 --> 00:20:18,074 あっ…! 379 00:20:18,074 --> 00:20:20,744 それは その… やはり 380 00:20:20,744 --> 00:20:22,746 思い出したくて。 381 00:20:22,746 --> 00:20:25,749 今 私が 殿下のお側にいられるのは 382 00:20:25,749 --> 00:20:28,084 昔のことがあったからです。 383 00:20:28,084 --> 00:20:31,087 それを 思い出せない私は 384 00:20:31,087 --> 00:20:33,590 殿下にふさわしくない気がして。 385 00:20:33,590 --> 00:20:35,592 だから 386 00:20:35,592 --> 00:20:38,261 思い出すべきだと思ったのです。 387 00:20:38,261 --> 00:20:40,430 うん ありがとう。 388 00:20:40,430 --> 00:20:43,099 えっ? じゃあ 私も 389 00:20:43,099 --> 00:20:45,101 正直に言うけれど 390 00:20:45,101 --> 00:20:49,105 本当は はじめ 私も不安だったんだ。 391 00:20:49,105 --> 00:20:51,107 え…。 392 00:20:51,107 --> 00:20:53,407 人は変わる。 393 00:20:55,946 --> 00:20:57,948 母のこともあったからね。 394 00:20:57,948 --> 00:21:00,450 君もやっぱり 会わない間に 395 00:21:00,450 --> 00:21:03,119 変わって しまったんじゃないかって。 396 00:21:03,119 --> 00:21:05,121 殿下…。 でも君は 397 00:21:05,121 --> 00:21:07,290 何も変わっていなかった。 398 00:21:07,290 --> 00:21:10,790 私の知っている 「虫かぶり姫」のままだった。 399 00:21:12,896 --> 00:21:16,233 この四年の間に 変わらない君を見て 400 00:21:16,233 --> 00:21:20,237 でも 昔とは少し違う 成長した君も見て 401 00:21:20,237 --> 00:21:23,740 もう一度 エリアーナに恋をしたんだよ。 402 00:21:23,740 --> 00:21:27,077 私もです。 403 00:21:27,077 --> 00:21:29,579 四年の間に 殿下を 404 00:21:29,579 --> 00:21:34,251 書物よりも かけがえのない お方だと思うようになりました。 405 00:21:34,251 --> 00:21:37,087 エリィ。 406 00:21:37,087 --> 00:21:39,923 はぁ…。 407 00:21:39,923 --> 00:21:43,260 大切なものは目に見えない。 408 00:21:43,260 --> 00:21:47,430 君が教えてくれた呪文で 魔法が解けたんだ。 409 00:21:47,430 --> 00:21:50,600 ありがとう。 どういたしまして。 410 00:21:50,600 --> 00:21:54,771 ねぇ エリアーナ 秘密の呪文を次に会ったとき 411 00:21:54,771 --> 00:21:58,108 君だけに教えてあげる。 はぁ… 412 00:21:58,108 --> 00:22:00,610 殿下 あの日 413 00:22:00,610 --> 00:22:03,613 約束した秘密の呪文を 414 00:22:03,613 --> 00:22:06,783 教えてくださいますか? 415 00:22:06,783 --> 00:22:09,119 ハァハァハァ…。 416 00:22:09,119 --> 00:22:12,389 エリィ! 417 00:22:12,389 --> 00:22:14,389 ふふ… 418 00:22:17,727 --> 00:22:20,897 きみは僕の 宝物…。 419 00:22:20,897 --> 00:22:27,397 ~