1 00:00:12,052 --> 00:00:14,052 《シルヴィア:後悔はない…》 2 00:00:16,223 --> 00:00:19,226 《二度とこの地を踏むことが かなわなくても…。 3 00:00:19,226 --> 00:00:22,926 名を汚され 地にまみれようとも》 4 00:00:27,902 --> 00:00:31,102 《愛した景色は 眼裏に焼きついてる…》 5 00:00:33,240 --> 00:00:35,240 《レディバード》 6 00:00:38,412 --> 00:00:42,612 (ざわめき) 7 00:00:46,754 --> 00:00:49,089 (アンナ)エリアーナ様とソフィア様? 8 00:00:49,089 --> 00:00:51,759 どこに行くのかしら…。 9 00:00:51,759 --> 00:00:55,930 (ソフィア)エリアーナ様が 一緒に 来てくださって 心強いです。 10 00:00:55,930 --> 00:00:58,933 リリア様に 古城探検に誘われたんですが 11 00:00:58,933 --> 00:01:00,935 心細くって。 12 00:01:00,935 --> 00:01:05,606 《エリアーナ:リリアったら 好奇心旺盛なんだから…》 13 00:01:05,606 --> 00:01:09,106 (足音) 14 00:01:12,046 --> 00:01:15,716 目障りですの エリアーナ様。 15 00:01:15,716 --> 00:01:17,718 ソフィア様? 16 00:01:17,718 --> 00:01:20,721 少ししたら 迎えをよこしますわ。 17 00:01:20,721 --> 00:01:23,891 それまでに 別の殿方を お呼びしてありますので 18 00:01:23,891 --> 00:01:26,393 どうぞ 仲を深めていらして。 19 00:01:26,393 --> 00:01:28,893 フッフフフ…。 んっ んっ! 20 00:01:31,398 --> 00:01:33,398 はっ…! 21 00:01:35,402 --> 00:01:39,406 (アーヴィン)アンタ うかつにもほどがあるな。 22 00:01:39,406 --> 00:01:41,406 はっ…。 23 00:03:28,549 --> 00:03:30,551 あっ キャッ! 24 00:03:30,551 --> 00:03:32,720 はっ…! フッ…。 25 00:03:32,720 --> 00:03:34,888 アンタに 手なんか出さねぇよ。 26 00:03:34,888 --> 00:03:37,088 あの蹴りは 俺でも恐ろしい。 27 00:03:39,226 --> 00:03:42,229 少し話をしたかったんだ。 28 00:03:42,229 --> 00:03:44,729 あっ…。 29 00:03:50,237 --> 00:03:54,575 俺は マルドゥラ国の人間だ。 はっ! 30 00:03:54,575 --> 00:03:56,577 アンタを 手にかければ 31 00:03:56,577 --> 00:04:00,414 さすがのサウズリンドも 人道的な仮面を脱ぎ棄てて 32 00:04:00,414 --> 00:04:02,583 戦に踏み切るかな。 33 00:04:02,583 --> 00:04:04,585 あっ…。 34 00:04:04,585 --> 00:04:07,421 フッ 冗談だよ。 35 00:04:07,421 --> 00:04:10,190 ほら ハンカチ。 36 00:04:10,190 --> 00:04:13,861 あっ ありがとうございます…。 37 00:04:13,861 --> 00:04:16,861 ほかの出口から退散して 夜会に戻ろう。 38 00:04:21,035 --> 00:04:24,204 本当に マルドゥラ国の 方なのですか? 39 00:04:24,204 --> 00:04:26,874 半分な。 半分? 40 00:04:26,874 --> 00:04:29,710 母親は サウズリンドの人間だ。 41 00:04:29,710 --> 00:04:32,713 俺が どんな環境で育ってきたかは 42 00:04:32,713 --> 00:04:34,882 アンタでも 想像つくだろ? 43 00:04:34,882 --> 00:04:38,719 政略的な ものだったのですか? 44 00:04:38,719 --> 00:04:42,723 (アーヴィン)いや 偶然出逢って 恋に落ちたんだと。 45 00:04:42,723 --> 00:04:46,393 俺は どちらの国の血も引くかぎり 46 00:04:46,393 --> 00:04:48,729 どちらの歴史も背負っている。 47 00:04:48,729 --> 00:04:53,567 マルドゥラが過去 サウズリンドに幾度も 戦を仕掛けたのは事実だし 48 00:04:53,567 --> 00:04:57,905 サウズリンドが マルドゥラ国を 野蛮国と 見ているのも知ってる。 49 00:04:57,905 --> 00:05:00,240 だから 50 00:05:00,240 --> 00:05:04,078 うちへの支援を提言した アンタの話を聞いた時 51 00:05:04,078 --> 00:05:06,078 ホントに驚いた。 52 00:05:09,583 --> 00:05:12,352 アンタに礼を言う エリアーナ嬢。 53 00:05:12,352 --> 00:05:17,024 アンタのおかげで 母親の祖国との戦が回避できた。 54 00:05:17,024 --> 00:05:19,193 あぁ…。 55 00:05:19,193 --> 00:05:22,696 辺境伯は 夢見がちな 理想論と言ったが 56 00:05:22,696 --> 00:05:25,032 俺は 別にいいと思う。 57 00:05:25,032 --> 00:05:29,036 国の頂点に立つ人間が 理想を追わずに 58 00:05:29,036 --> 00:05:32,039 国は どこに向かう。 59 00:05:32,039 --> 00:05:34,875 アーヴィン様…。 60 00:05:34,875 --> 00:05:38,212 それが 誤った理想ならともかく 61 00:05:38,212 --> 00:05:40,547 アンタの周りにいる人間は 62 00:05:40,547 --> 00:05:42,549 そうは言ってないだろ。 63 00:05:42,549 --> 00:05:45,219 だから アンタの案は採用され 64 00:05:45,219 --> 00:05:48,555 サウズリンドの民は アンタを支持する。 65 00:05:48,555 --> 00:05:53,060 もっと胸張れよ 王太子の婚約者だろ。 66 00:05:53,060 --> 00:05:56,396 フフッ… ありがとうございます。 67 00:05:56,396 --> 00:05:59,399 フッ… ってところで 68 00:05:59,399 --> 00:06:02,736 そろそろ いつまでも にらみ合ってないで出て来いよ。 69 00:06:02,736 --> 00:06:04,736 おっ? 70 00:06:08,075 --> 00:06:10,677 ジャン! あぁ…。 71 00:06:10,677 --> 00:06:14,181 (アーヴィン)コイツが 古城の亡霊の正体だ。 72 00:06:14,181 --> 00:06:17,017 えっ? 俺の 従者なんだが 73 00:06:17,017 --> 00:06:20,187 このとおり目立つんで 隠れてろって言ったら 74 00:06:20,187 --> 00:06:22,187 亡霊にされてたな。 75 00:06:25,692 --> 00:06:27,692 キャアァ~! 76 00:06:30,531 --> 00:06:32,533 (レイ)んっ…。 クックク…。 77 00:06:32,533 --> 00:06:35,369 (ジャン)お嬢 なんでそう 閉じ込められるのが 78 00:06:35,369 --> 00:06:37,538 好きなんすか。 んっ! 79 00:06:37,538 --> 00:06:39,540 はっ! くっ…! 80 00:06:39,540 --> 00:06:42,209 ふぅっ! んっ! いっ…! 81 00:06:42,209 --> 00:06:45,045 チッ 女を狙え! 82 00:06:45,045 --> 00:06:47,047 レイ 俺の剣は? 83 00:06:47,047 --> 00:06:50,050 知りませんよ ご自分で どうにかなさってください。 84 00:06:50,050 --> 00:06:53,720 ぐあぁ! なんて心優しい従者だ お前は。 85 00:06:53,720 --> 00:06:56,557 くっ…。 86 00:06:56,557 --> 00:06:58,559 逃げてください! 87 00:06:58,559 --> 00:07:01,395 おっ…。 ここは 甘えて逃げるっす。 88 00:07:01,395 --> 00:07:07,234 (戦う声) 89 00:07:07,234 --> 00:07:09,236 フッヒヒヒ…。 90 00:07:09,236 --> 00:07:11,171 アン…っ! チッ! 91 00:07:11,171 --> 00:07:13,674 なんで女が 二人いやがるんだ。 92 00:07:13,674 --> 00:07:17,344 どっちが エリアーナ・ベルンシュタインだ! 93 00:07:17,344 --> 00:07:20,514 んっ…。 94 00:07:20,514 --> 00:07:22,516 (夜盗)どっちだ! 95 00:07:22,516 --> 00:07:24,516 んっ!? 96 00:07:31,858 --> 00:07:34,861 本を足蹴にするとは 何事ですか。 97 00:07:34,861 --> 00:07:38,198 あなた方は 人類の敵ですね。 98 00:07:38,198 --> 00:07:40,200 何? 99 00:07:40,200 --> 00:07:42,869 私が エリアーナ・ベルンシュタインです! 100 00:07:42,869 --> 00:07:44,871 あなたたちは何者です? 101 00:07:44,871 --> 00:07:46,873 目的を言いなさい! 102 00:07:46,873 --> 00:07:50,544 (夜盗)なぁに ちょっとした 事件を起こすだけだ。 103 00:07:50,544 --> 00:07:53,380 サウズリンドの王太子婚約者と 104 00:07:53,380 --> 00:07:56,580 マルドゥラの王子が密会中に殺される。 105 00:07:58,552 --> 00:08:00,721 マルドゥラの 王子? 106 00:08:00,721 --> 00:08:03,557 犯人は どちらの国の人間か 107 00:08:03,557 --> 00:08:06,893 再度 両国の間に緊張が走るな。 108 00:08:06,893 --> 00:08:10,330 この国に攻め入る 大義名分を作る。 109 00:08:10,330 --> 00:08:13,000 それがお前たちの目的か。 110 00:08:13,000 --> 00:08:15,836 マルドゥラの強攻派はつくづく 111 00:08:15,836 --> 00:08:18,171 考えナシな やからばかりだな。 112 00:08:18,171 --> 00:08:21,341 同国人として ちょっと恥ずかしいぞ。 113 00:08:21,341 --> 00:08:24,011 敵国の血を引いてる人間に 114 00:08:24,011 --> 00:08:27,811 同国人だなどと 冗談でも口にしてほしくねぇな。 115 00:08:30,851 --> 00:08:34,354 痴れ者が…。 あっ…。 116 00:08:34,354 --> 00:08:37,858 そんな考えだから マルドゥラはいつまでも 117 00:08:37,858 --> 00:08:41,862 頭の悪い 蛮勇国扱いなんだ。 (夜盗)なんだと!? 118 00:08:41,862 --> 00:08:44,865 どうせ 第三王子あたりの手の者だろ。 119 00:08:44,865 --> 00:08:48,035 んっ うるさい 殺れっ! 120 00:08:48,035 --> 00:08:50,037 んっ! 121 00:08:50,037 --> 00:08:52,706 ぐおっ!? 122 00:08:52,706 --> 00:08:55,606 おっ! ぐほっ! おぉっ! 123 00:09:00,047 --> 00:09:02,549 (クリストファー)少し 私が留守にしただけで 124 00:09:02,549 --> 00:09:05,385 ずいぶんと 慮外者が わいて出たね。 125 00:09:05,385 --> 00:09:07,385 はっ! 126 00:09:11,325 --> 00:09:13,325 ただいま エリィ。 127 00:09:15,495 --> 00:09:18,832 殿下… なぜここに。 128 00:09:18,832 --> 00:09:22,502 エリィの危機に はせ参じないわけないだろう? 129 00:09:22,502 --> 00:09:26,673 それに 非公式に 他国の賓客が来ていると 130 00:09:26,673 --> 00:09:29,343 小耳に挟んだものでね。 131 00:09:29,343 --> 00:09:31,345 (テオドール)やれやれ。 132 00:09:31,345 --> 00:09:33,680 お前に知らせたら ややこしくなるから 133 00:09:33,680 --> 00:09:36,016 時期を見計らったというのに。 134 00:09:36,016 --> 00:09:38,518 解せませんね 叔父上。 135 00:09:38,518 --> 00:09:41,021 彼は 昨年亡くなられた 136 00:09:41,021 --> 00:09:43,523 母親の故郷を 見に来ただけだ。 137 00:09:43,523 --> 00:09:48,028 彼の母親 シルヴィア・スレイド嬢の代わりに。 138 00:09:48,028 --> 00:09:51,628 フッ もう令嬢って歳じゃ なかったけどな。 139 00:09:53,700 --> 00:09:56,370 (ジーク)殿下 ひとまず場を移しましょう。 140 00:09:56,370 --> 00:09:58,705 皆 この騒ぎに気づいています。 141 00:09:58,705 --> 00:10:01,041 ふぅ…。 142 00:10:01,041 --> 00:10:03,210 (シシリー)賊が入ったんですって? 143 00:10:03,210 --> 00:10:06,046 (カロライン)殿下も 戻ってらしたそうよ。 144 00:10:06,046 --> 00:10:09,049 (一同)おぉ~。 145 00:10:09,049 --> 00:10:11,051 (リリア)エリィ姉様! 146 00:10:11,051 --> 00:10:14,054 この耳は飾りなの!? うぅ…! 147 00:10:14,054 --> 00:10:16,723 私 ちゃんと注意してって 言ったでしょ! 148 00:10:16,723 --> 00:10:19,393 んん… リリア 痛いです…。 149 00:10:19,393 --> 00:10:23,730 リリア嬢 エリィは何者かに おびき出されて 150 00:10:23,730 --> 00:10:25,930 この城に 閉じ込められていたんだ。 151 00:10:28,068 --> 00:10:31,568 彼女が古城にいると 触れ回っていたのは 誰かな? 152 00:10:33,573 --> 00:10:36,576 わっ 私 そんな…。 153 00:10:36,576 --> 00:10:38,578 あぁ…。 154 00:10:38,578 --> 00:10:42,749 (アラン)はいは~い ご令嬢は 賊と無関係ですね。 155 00:10:42,749 --> 00:10:45,752 (ソフィア)んっ ロナ!? 156 00:10:45,752 --> 00:10:48,922 (アラン)今回 エリアーナ様の馬に 157 00:10:48,922 --> 00:10:51,258 細工された 疑いがあったと聞いて 158 00:10:51,258 --> 00:10:54,594 賊とつながりのある者が 潜り込んでいると 159 00:10:54,594 --> 00:10:56,596 仮定して調べていました。 160 00:10:56,596 --> 00:10:59,599 それで ご令嬢を隠れミノにしていた 161 00:10:59,599 --> 00:11:01,768 この侍女を見つけたのです。 162 00:11:01,768 --> 00:11:04,771 エリアーナ様が 閉じ込められたあとに 163 00:11:04,771 --> 00:11:08,275 賊に密告した 現場を確認しました。 164 00:11:08,275 --> 00:11:12,879 ご令嬢は侍女に そそのかされて 利用されたんですね。 165 00:11:12,879 --> 00:11:16,383 利用… そんな…。 166 00:11:16,383 --> 00:11:18,385 うっ…。 (ざわめき) 167 00:11:18,385 --> 00:11:21,555 (ざわめき) 168 00:11:21,555 --> 00:11:23,557 ソフィア嬢が…。 169 00:11:23,557 --> 00:11:26,560 伯爵家も ただではすまないわね。 170 00:11:26,560 --> 00:11:31,064 リリア ソフィア様のこと 気にかけてあげてね。 171 00:11:31,064 --> 00:11:35,402 もう エリィ姉様は人がよすぎるわ! 172 00:11:35,402 --> 00:11:37,402 うっ…。 173 00:11:39,573 --> 00:11:42,909 ほら しっかりなさって。 うぅ…。 174 00:11:42,909 --> 00:11:45,078 ふっ…。 エリィ。 175 00:11:45,078 --> 00:11:48,415 あっ! リリア嬢に賛成だな。 176 00:11:48,415 --> 00:11:51,251 もう少し 危機感をもってね。 177 00:11:51,251 --> 00:11:54,588 私 以外の男とのウワサなんて 178 00:11:54,588 --> 00:11:56,588 立てられたらダメだよ。 179 00:11:58,592 --> 00:12:01,261 はい…。 180 00:12:01,261 --> 00:12:04,264 (クライス夫人)ご無事で よろしゅうございました。 181 00:12:04,264 --> 00:12:07,100 (クライス夫人)エリアーナ様 アンナ様。 182 00:12:07,100 --> 00:12:10,203 あの…。 183 00:12:10,203 --> 00:12:13,707 クライス夫人は シルヴィア・スレイド様と 184 00:12:13,707 --> 00:12:15,709 お知り合いだったのですか? 185 00:12:15,709 --> 00:12:18,211 はい。 186 00:12:18,211 --> 00:12:20,380 俺が無理を言ったんだ。 187 00:12:20,380 --> 00:12:22,549 話してくれるかな? 188 00:12:22,549 --> 00:12:25,385 (アーヴィン)俺の母親は 189 00:12:25,385 --> 00:12:27,387 エイデル領を納めていた 190 00:12:27,387 --> 00:12:30,056 スレイド公爵家の一人娘だった。 191 00:12:30,056 --> 00:12:34,060 母は生まれ育った この地を愛していた。 192 00:12:34,060 --> 00:12:37,397 だが 父親のスレイド公爵が 193 00:12:37,397 --> 00:12:39,399 王家に謀反を企てて 194 00:12:39,399 --> 00:12:42,399 マルドゥラ国と 通じていたことが発覚する。 195 00:12:44,404 --> 00:12:48,074 その頃 オヤジ 現マルドゥラ国王は 196 00:12:48,074 --> 00:12:50,243 当時は王子の身分で 197 00:12:50,243 --> 00:12:52,746 サウズリンドの事情を探っていて 198 00:12:52,746 --> 00:12:55,415 母と出逢ったらしい。 199 00:12:55,415 --> 00:12:58,418 当時 攻め入る 画策をしていたヤツらとは 200 00:12:58,418 --> 00:13:01,588 敵対関係だったと聞いているが。 201 00:13:01,588 --> 00:13:03,590 ん…。 202 00:13:03,590 --> 00:13:08,094 (アーヴィン)母は自分の人生に なんの後悔もないと言っていた。 203 00:13:08,094 --> 00:13:10,030 だが 生まれ故郷に 204 00:13:10,030 --> 00:13:13,199 帰りたかったんじゃないかと 思ってる。 205 00:13:13,199 --> 00:13:17,537 それで母の友人だった クライス夫人を頼った。 206 00:13:17,537 --> 00:13:20,537 うちの事情に 巻き込んで悪かったな。 207 00:13:23,710 --> 00:13:26,546 レディバード・シルヴィア…。 208 00:13:26,546 --> 00:13:29,549 すべてが腑に落ちました。 209 00:13:29,549 --> 00:13:34,220 テオドール様 スレイド公爵の 謀反が発覚したのは 210 00:13:34,220 --> 00:13:38,224 内部からの密告があったと おっしゃいましたね。 211 00:13:38,224 --> 00:13:40,560 ああ。 それは 212 00:13:40,560 --> 00:13:42,860 シルヴィア様から だったのではないですか? 213 00:13:45,398 --> 00:13:47,734 そうだ。 だが彼女は同時に 214 00:13:47,734 --> 00:13:50,904 罪人の娘のらく印も 押されることになり 215 00:13:50,904 --> 00:13:53,904 事実は伏せられたんだよ。 216 00:13:56,242 --> 00:13:58,912 アーヴィン様 シルヴィア様は 217 00:13:58,912 --> 00:14:01,915 ずっとこの刺繍を 好まれていたのでしょうか? 218 00:14:01,915 --> 00:14:04,250 虫の刺繍だろう? 219 00:14:04,250 --> 00:14:06,753 不思議に思って 聞いたことがあるが 220 00:14:06,753 --> 00:14:10,453 自分の心だとか ごまかされたが…。 221 00:14:13,193 --> 00:14:17,697 虫の名は レディバードと言います。 222 00:14:17,697 --> 00:14:20,867 エイデル領は春になると 223 00:14:20,867 --> 00:14:26,206 領地一帯を 埋めつくすほどの エイデルの白い花が咲きます。 224 00:14:26,206 --> 00:14:30,543 レディバードは その花にのみ寄り付きます。 225 00:14:30,543 --> 00:14:33,213 そのため エイデルの花は 226 00:14:33,213 --> 00:14:37,384 レディバードなしに受粉しない と言われており 227 00:14:37,384 --> 00:14:43,223 ゆえに レディバードを別名 花守り虫 と言います。 228 00:14:43,223 --> 00:14:46,559 シルヴィア:生まれ育った地を 守ってみせる。 229 00:14:46,559 --> 00:14:49,062 戦場にしたりはしない。 230 00:14:49,062 --> 00:14:53,066 エイデルの花を守る レディバードのように 231 00:14:53,066 --> 00:14:55,166 ん…。 232 00:14:57,904 --> 00:14:59,904 はっ。 233 00:15:01,908 --> 00:15:04,077 ヘイドン辺境伯様。 234 00:15:04,077 --> 00:15:07,914 私はやはり 甘いと言われても 235 00:15:07,914 --> 00:15:11,017 力に力で返す方法は選べません。 236 00:15:11,017 --> 00:15:14,020 んっ! 今回のように 237 00:15:14,020 --> 00:15:17,857 お命を狙われても 同じことを おっしゃるおつもりか? 238 00:15:17,857 --> 00:15:23,863 何度でも 何度だって 戦の芽はつみ取ってみせます。 239 00:15:23,863 --> 00:15:26,700 そんな野心を持つ気も 起きなくなるくらい 240 00:15:26,700 --> 00:15:29,202 何度でも。 241 00:15:29,202 --> 00:15:33,540 そうやって マルドゥラ国との間に戦が起こらず 242 00:15:33,540 --> 00:15:36,042 交流のある隣国となれば 243 00:15:36,042 --> 00:15:41,715 イーディアの領民が 脅威におびえる 必要はなくなるはずです。 244 00:15:41,715 --> 00:15:45,115 マルドゥラと友誼を結ぶと言われるか。 245 00:15:51,224 --> 00:15:54,624 エリィはエリィらしくあればいい 246 00:15:57,731 --> 00:16:00,233 難しいのは わかっています。 247 00:16:00,233 --> 00:16:02,402 でも それがたとえ 248 00:16:02,402 --> 00:16:05,739 どんなに険しく 遠い道のりだったとしても 249 00:16:05,739 --> 00:16:11,511 一歩を踏み出さなければ 永遠に辿りつけないままです。 250 00:16:11,511 --> 00:16:14,848 シルヴィア様は 武力に頼らずエイデル領を 251 00:16:14,848 --> 00:16:16,850 国を守りました。 252 00:16:16,850 --> 00:16:21,187 殿方はとかく 力に頼りがちな面が 見受けられますが 253 00:16:21,187 --> 00:16:25,024 力自慢のガキ大将と なんら変わりありません。 254 00:16:25,024 --> 00:16:29,195 なっ…。 時にはシルヴィア様のような女性を 255 00:16:29,195 --> 00:16:31,531 見習っていただきたいと思います。 256 00:16:31,531 --> 00:16:34,701 ハハ…。 はっ。 ククッ…。 257 00:16:34,701 --> 00:16:37,537 クッハッハッハッハ! 258 00:16:37,537 --> 00:16:39,539 あ…。 259 00:16:39,539 --> 00:16:43,543 夢見がちな理想論ですな。 260 00:16:43,543 --> 00:16:46,212 だが…。 261 00:16:46,212 --> 00:16:51,050 あなたの言葉には 若さと可能性がある。 262 00:16:51,050 --> 00:16:54,387 エリアーナ・ベルンシュタイン嬢。 263 00:16:54,387 --> 00:16:56,723 あなたがおられる限り 264 00:16:56,723 --> 00:17:01,394 我が国が戦場になることは ないと信じられる。 265 00:17:01,394 --> 00:17:05,398 あなたと あなたを選ばれた王太子殿下に 266 00:17:05,398 --> 00:17:09,569 ロウ・ヘイドンの名において 忠誠を誓いましょう。 267 00:17:09,569 --> 00:17:11,569 は…。 268 00:17:13,506 --> 00:17:15,508 ヘイドン辺境伯。 269 00:17:15,508 --> 00:17:19,679 そなたの忠誠は 守護神の加護も同然だ。 270 00:17:19,679 --> 00:17:24,379 その忠誠に恥じぬ道を歩むことを 私も誓おう。 271 00:17:28,688 --> 00:17:32,358 では俺も 持ち札を切らせてもらおう。 272 00:17:32,358 --> 00:17:35,695 今回 非公式で訪問したのは 273 00:17:35,695 --> 00:17:38,698 母の故郷が 見たかったのは第一だが 274 00:17:38,698 --> 00:17:40,867 下見ってのもあった。 275 00:17:40,867 --> 00:17:42,869 下見とは? 276 00:17:42,869 --> 00:17:47,540 マルドゥラ第二王子から 友誼を結べる 相手がいるかどうか 277 00:17:47,540 --> 00:17:51,878 見極めてほしいという 言葉があった。 278 00:17:51,878 --> 00:17:53,880 エリアーナ嬢を見れば 279 00:17:53,880 --> 00:17:57,717 王太子殿下の 人となりもわかると思ってな。 280 00:17:57,717 --> 00:18:00,053 友誼という盟約のもと 281 00:18:00,053 --> 00:18:03,723 そちらの王位争いに 巻き込もうということかな。 282 00:18:03,723 --> 00:18:07,560 少なくとも 第二王子派は俺も含めて 283 00:18:07,560 --> 00:18:09,729 戦をしたいわけじゃない。 284 00:18:09,729 --> 00:18:13,166 その第二王子派 という者たちでなくとも 285 00:18:13,166 --> 00:18:16,669 うちの選択肢は数多くあるのでね。 286 00:18:16,669 --> 00:18:18,671 利を示せってか。 287 00:18:18,671 --> 00:18:22,342 ウワサどおり 見かけ以上に 食えない御仁だな。 288 00:18:22,342 --> 00:18:25,845 お褒めの言葉と 受け取っておくよ。 289 00:18:25,845 --> 00:18:27,845 あ…。 290 00:18:30,016 --> 00:18:33,853 じゃあエリィ もう何も心配はいらないから 291 00:18:33,853 --> 00:18:36,522 今日はゆっくり休んで。 292 00:18:36,522 --> 00:18:38,522 あっ…。 293 00:18:40,860 --> 00:18:44,697 殿下 あの…。 んっ? 294 00:18:44,697 --> 00:18:50,370 とても… お会いしたかったです 殿下。 295 00:18:50,370 --> 00:18:53,039 エリィ…。 296 00:18:53,039 --> 00:18:55,375 ん… エリアーナ。 297 00:18:55,375 --> 00:18:59,879 このリボンをエリィだと思って 毎日つけてたんだよ。 298 00:18:59,879 --> 00:19:01,881 殿下…。 299 00:19:01,881 --> 00:19:03,883 フフッ。 300 00:19:03,883 --> 00:19:06,886 私 まだまだいたりませんが 301 00:19:06,886 --> 00:19:11,157 でも きっと殿下にふさわしい 婚約者になります。 302 00:19:11,157 --> 00:19:14,327 王家の一員となっても 恥じることのない…。 303 00:19:14,327 --> 00:19:16,329 ごめん エリィ…。 304 00:19:16,329 --> 00:19:18,331 限界…。 305 00:19:18,331 --> 00:19:20,333 (マルセ)お嬢様~。 306 00:19:20,333 --> 00:19:24,504 クリストファー殿下は長旅から 戻られたばかりでお疲れです。 307 00:19:24,504 --> 00:19:26,506 (2人)あ…。 (セルマ)そろそろ 308 00:19:26,506 --> 00:19:29,175 解放してさしあげませんと。 309 00:19:29,175 --> 00:19:32,178 狸の監視の目か…。 310 00:19:32,178 --> 00:19:35,181 ん…。 311 00:19:35,181 --> 00:19:40,853 < そして翌日 狩猟祭最終日を迎えました。 312 00:19:40,853 --> 00:19:43,690 目ざましい腕を見せられたのは 313 00:19:43,690 --> 00:19:46,590 前評判どおり ヘイドン辺境伯で> 314 00:19:48,528 --> 00:19:50,530 <今年の花冠を 315 00:19:50,530 --> 00:19:54,130 レディバード・シルヴィア姫へと ささげられました> 316 00:19:57,203 --> 00:20:00,873 < それからアンナ様は 意を決したように 317 00:20:00,873 --> 00:20:04,544 ヘイドン辺境伯に向き合われました> 318 00:20:04,544 --> 00:20:08,214 お父様 私は今は婚姻よりも 319 00:20:08,214 --> 00:20:11,217 歴史を学ぶ道に進みたいのです。 320 00:20:11,217 --> 00:20:15,054 女性の生き方は 一つではありません。 321 00:20:15,054 --> 00:20:18,654 シルヴィア様やエリアーナ様が 教えてくださいました。 322 00:20:21,060 --> 00:20:23,563 (クライス夫人)エリアーナ様。 (2人)んっ? 323 00:20:23,563 --> 00:20:25,732 クライス夫人。 324 00:20:25,732 --> 00:20:30,570 あなたのおかげで 友人の心を知ることができました。 325 00:20:30,570 --> 00:20:34,574 彼女の心が エリアーナ様に受け継がれるのなら 326 00:20:34,574 --> 00:20:38,411 彼女は今もこの国に生きているわ。 327 00:20:38,411 --> 00:20:40,411 フフッ。 328 00:20:45,084 --> 00:20:47,584 アーヴィン様 これを。 329 00:20:51,591 --> 00:20:56,095 男が刺繍本 持ってても しかたないだろう。 330 00:20:56,095 --> 00:21:00,266 では 私がいただいても よろしいでしょうか。 331 00:21:00,266 --> 00:21:02,435 虫かぶり姫か…。 332 00:21:02,435 --> 00:21:06,939 そっちのほうが サウズリンドの頭脳 なんてご大層な呼び名より 333 00:21:06,939 --> 00:21:09,609 よっぽどアンタに似合いだな。 334 00:21:09,609 --> 00:21:12,879 隣国の人間を 好きになったからといって 335 00:21:12,879 --> 00:21:15,715 迫害されることのない国…。 336 00:21:15,715 --> 00:21:19,886 俺もそれを見てみたい エリアーナ嬢。 337 00:21:19,886 --> 00:21:23,056 エイデルの花は春に咲きます。 338 00:21:23,056 --> 00:21:25,056 ぜひ 見に来てくださいませ。 339 00:21:27,060 --> 00:21:31,397 春になったら アンタは他の男のものか…。 340 00:21:31,397 --> 00:21:33,399 あっ? 341 00:21:33,399 --> 00:21:36,069 親父のように アンタをさらっていったら 342 00:21:36,069 --> 00:21:38,071 どうなるかな。 343 00:21:38,071 --> 00:21:40,073 えっ? 344 00:21:40,073 --> 00:21:43,743 それは私への挑戦ということかな。 345 00:21:43,743 --> 00:21:47,080 フッ 冗談だよ…。 346 00:21:47,080 --> 00:21:49,082 ん…。 347 00:21:49,082 --> 00:21:52,251 エリアーナ嬢 会えてよかった。 348 00:21:52,251 --> 00:21:54,251 虫かぶり姫。 349 00:21:59,759 --> 00:22:02,762 行こうか エリィ。 350 00:22:02,762 --> 00:22:04,931 あっ クリス様! 351 00:22:04,931 --> 00:22:08,434 なっ! 今 なんて…。 352 00:22:08,434 --> 00:22:10,870 クリス様…。 353 00:22:10,870 --> 00:22:16,542 初めてだね 人前でエリィが そう呼んでくれるのは。 354 00:22:16,542 --> 00:22:19,879 今更ですが…。 355 00:22:19,879 --> 00:22:25,051 あの… おかえりなさいませ。 356 00:22:25,051 --> 00:22:28,851 ただいま 私のレディバード。