1 00:00:01,042 --> 00:00:07,048 ♪~ 2 00:01:27,220 --> 00:01:33,230 ~♪ 3 00:01:56,790 --> 00:01:58,420 (淡幽(たんゆう)のため息) 4 00:02:24,610 --> 00:02:28,450 (たま)なんだ… ギンコ お前か 5 00:02:29,200 --> 00:02:30,410 (ギンコ)どうも 6 00:02:36,040 --> 00:02:38,330 (たま)どうだ 仕事の方は? 7 00:02:38,460 --> 00:02:40,420 まあ 相変わらずだよ 8 00:02:41,130 --> 00:02:42,710 淡幽の調子は? 9 00:02:43,340 --> 00:02:45,550 (たま)こちらも変わりはない 10 00:02:45,840 --> 00:02:48,050 さっきまで 執筆をしておられたので― 11 00:02:48,180 --> 00:02:50,260 お休み中だがな 12 00:02:52,930 --> 00:02:55,220 今日も書庫に行くのだろ? 13 00:02:55,350 --> 00:02:56,390 (ギンコ)ああ 14 00:02:57,430 --> 00:02:59,440 (たま)そっちで待っておれ 15 00:03:46,480 --> 00:03:48,740 (たま)どの辺りを読みたい? 16 00:03:48,940 --> 00:03:51,700 (ギンコ)先代までのは あらかた読んだな 17 00:03:51,860 --> 00:03:55,530 (たま)それじゃあ 淡幽お嬢さんの代からだね 18 00:03:56,030 --> 00:03:57,910 そっちの棚からだよ 19 00:03:58,040 --> 00:03:59,710 (ギンコ)どうも お世話様 20 00:04:01,830 --> 00:04:03,170 ああ そうだ 21 00:04:03,290 --> 00:04:05,210 あれ出しな 葉巻 22 00:04:05,340 --> 00:04:07,250 ここで吸ったりしねえよ 23 00:04:07,380 --> 00:04:09,720 (たま)もしもがあっちゃ ならないからね 24 00:04:11,090 --> 00:04:16,100 ここの書物が ただの 蟲(むし)封じ指南書ではないこと― 25 00:04:16,310 --> 00:04:18,220 忘れてはおらんだろうな 26 00:04:19,810 --> 00:04:20,730 分かってるよ 27 00:04:23,350 --> 00:04:24,230 (ギンコ)そう― 28 00:04:25,520 --> 00:04:29,230 これらの書物は 紛れもなく秘書である 29 00:04:29,900 --> 00:04:31,740 内容はもちろんのこと― 30 00:04:32,990 --> 00:04:36,240 その存在理由において 主に… 31 00:04:37,580 --> 00:04:41,830 (たま) “序 狩房(かりぶさ)家第四代筆記者―” 32 00:04:42,080 --> 00:04:45,250 “淡幽の生誕についての もろもろ” 33 00:04:45,830 --> 00:04:50,670 “狩房家付蟲師(むしし) 薬袋(みない)たま 記す…” 34 00:04:52,930 --> 00:04:54,180 (寝息) 35 00:04:55,890 --> 00:05:02,230 (赤ん坊の泣き声) 36 00:05:02,940 --> 00:05:04,650 (淡幽の父)これは… 37 00:05:04,770 --> 00:05:06,230 間違いございません 38 00:05:07,610 --> 00:05:12,240 墨色のあざ… 四代目の“筆記者”です 39 00:05:14,910 --> 00:05:16,620 (たま)淡幽お嬢さん 40 00:05:21,200 --> 00:05:22,790 部屋にお戻りください 41 00:05:22,910 --> 00:05:23,750 (淡幽)やだ! 42 00:05:24,870 --> 00:05:27,750 私も… 外で遊びたい 43 00:05:27,880 --> 00:05:31,050 なんで読み書きの 勉強ばかりなの? 44 00:05:31,760 --> 00:05:34,260 なんで この足 動かないの? 45 00:05:35,050 --> 00:05:38,010 (淡幽のすすり泣き) 46 00:05:38,550 --> 00:05:40,470 そうですね… 47 00:05:40,970 --> 00:05:43,180 お嬢さんには もう― 48 00:05:43,310 --> 00:05:45,730 お分かりいただけると 思いますので― 49 00:05:46,690 --> 00:05:50,360 すべて お話しいたしましょう 50 00:05:52,900 --> 00:05:57,990 (たま)その右足のあざは 蟲を封じた跡なのです 51 00:05:59,120 --> 00:06:01,660 たまの先祖の蟲師が― 52 00:06:01,790 --> 00:06:07,000 お嬢さんのご先祖のお体に 禁種(きんしゅ)の蟲を封じたのです 53 00:06:07,790 --> 00:06:08,710 (淡幽)禁種? 54 00:06:09,630 --> 00:06:10,460 (たま)はい 55 00:06:11,880 --> 00:06:17,880 本来 私ども動植物と蟲は 同調しておるものです 56 00:06:19,010 --> 00:06:22,890 動植物栄える所 蟲も栄え― 57 00:06:23,520 --> 00:06:26,640 枯れたる所では枯れるもの 58 00:06:27,020 --> 00:06:30,650 けれど その昔の大天災の折― 59 00:06:30,770 --> 00:06:35,990 動植物も蟲も衰えゆく中 異質な蟲が現れ― 60 00:06:36,780 --> 00:06:40,410 他のすべての生命を 消さんとしたのです 61 00:06:41,580 --> 00:06:42,990 どんな蟲なの? 62 00:06:43,490 --> 00:06:48,080 姿も形も 体内に封じた方法も― 63 00:06:49,000 --> 00:06:52,130 記録は一切 見つかっておりません 64 00:06:53,840 --> 00:06:56,670 たまの一族に 伝わっているのは― 65 00:06:56,800 --> 00:07:00,930 身重でありながら蟲を封じた ご先祖様のお体は― 66 00:07:01,050 --> 00:07:03,810 全身 墨の色となり― 67 00:07:05,220 --> 00:07:07,770 蟲は体内で生き続けましたが― 68 00:07:07,890 --> 00:07:14,480 ご先祖様は出産後 命を落とされたということです 69 00:07:15,610 --> 00:07:19,320 それから狩房家には 何代かにお一人― 70 00:07:19,450 --> 00:07:24,830 体の一部に墨色のあざを持つ方が お生まれになるのです 71 00:07:28,870 --> 00:07:32,580 (淡幽)ここに それが まだ生きてるの? 72 00:07:34,420 --> 00:07:36,250 私も そのうち死んじゃうの? 73 00:07:36,340 --> 00:07:38,970 そうさせぬために たまがおりまする! 74 00:07:40,630 --> 00:07:42,640 蟲を眠らす お力も― 75 00:07:42,760 --> 00:07:46,310 お嬢さんは お備えになっている はずなのです 76 00:07:47,600 --> 00:07:49,980 たまが お手伝いいたします 77 00:07:50,890 --> 00:07:54,480 いま少し読み書きが お達者になられた日には― 78 00:07:54,610 --> 00:07:57,360 たまと別邸へと参りましょう 79 00:07:57,610 --> 00:08:01,660 そこで禁種の蟲を 地下に眠らすのです 80 00:08:01,780 --> 00:08:05,030 そうすれば 体のあざは消え― 81 00:08:05,160 --> 00:08:07,540 歩けるようにもなるでしょう 82 00:08:08,450 --> 00:08:11,460 これまで3人のご先祖様が そうして― 83 00:08:11,580 --> 00:08:15,460 少しずつ眠らせてきたのですよ 84 00:08:17,630 --> 00:08:20,840 (たま)お嬢さん 着きましたよ 85 00:08:29,890 --> 00:08:31,140 (淡幽)ハァ 86 00:08:32,730 --> 00:08:35,440 ずいぶんと昔の夢だったな… 87 00:08:41,950 --> 00:08:46,490 (淡幽)その後 たまから 聞かされた蟲の眠らせ方は― 88 00:08:46,620 --> 00:08:48,660 意外な方法だった 89 00:08:53,960 --> 00:08:56,420 (たま) これから たまのするお話を― 90 00:08:56,540 --> 00:08:59,920 後から紙に 写し取ってくださいまし 91 00:09:00,710 --> 00:09:02,800 (淡幽)たまの話は すべて― 92 00:09:02,920 --> 00:09:08,810 たまが昔 蟲師をしていたころ 蟲をほふった体験談― 93 00:09:09,010 --> 00:09:12,180 夢物語のような実話ばかり 94 00:09:12,350 --> 00:09:14,900 大捕り物は活劇調に― 95 00:09:15,310 --> 00:09:18,060 悲しい話は あんどんの下(もと)で 96 00:09:18,900 --> 00:09:22,690 遠い土地 見知らぬ人々の物語 97 00:09:22,820 --> 00:09:26,280 それらは 常に 私の心を引き付けた 98 00:09:28,070 --> 00:09:32,000 けれど それを紙に記す時― 99 00:09:32,200 --> 00:09:34,870 足のあざには激痛が走った 100 00:09:35,370 --> 00:09:39,460 (淡幽)今 蟲が 体から出てきているの? 101 00:09:39,880 --> 00:09:41,250 そうです 102 00:09:41,380 --> 00:09:44,720 たまが蟲をほふってきたという 事実が― 103 00:09:44,880 --> 00:09:47,300 その蟲にとっては呪(じゅ)なのです 104 00:09:48,140 --> 00:09:51,140 おつらいでしょうが こらえてください 105 00:09:52,140 --> 00:09:53,520 (淡幽)ああ… 106 00:09:55,100 --> 00:09:56,350 たま… 107 00:09:57,650 --> 00:10:00,690 たまも私のために― 108 00:10:00,820 --> 00:10:05,700 蟲師にならねばならん宿命を 負わされたのだな 109 00:10:06,360 --> 00:10:08,530 つらいことも あったろ? 110 00:10:08,870 --> 00:10:11,080 それを恨んだりもしたろ? 111 00:10:12,620 --> 00:10:14,580 そのようなものは― 112 00:10:14,700 --> 00:10:18,830 お嬢さんに会えましたことで すっかり消え申した 113 00:10:19,380 --> 00:10:23,050 今は感謝しておりますよ 114 00:10:25,050 --> 00:10:27,800 (淡幽)続き… 話して 115 00:10:28,050 --> 00:10:29,050 大丈夫で? 116 00:10:30,140 --> 00:10:32,560 (淡幽)うん 大丈夫よ 117 00:10:36,770 --> 00:10:38,100 (淡幽)たまが― 118 00:10:38,230 --> 00:10:42,440 いかに私の痛みを紛らわそうと 苦心してくれていたか 119 00:10:42,770 --> 00:10:47,240 それは やがて時が過ぎ たまの話も尽き― 120 00:10:47,610 --> 00:10:51,030 ほかの蟲師を 招くようになるころに分かった 121 00:10:51,740 --> 00:10:54,660 (蟲師1)そして私は その害蟲(がいちゅう)めを一掃すべく― 122 00:10:54,790 --> 00:10:57,330 山中に 天敵である蟲を… 123 00:10:58,500 --> 00:11:00,630 こちらの蟲でございますが― 124 00:11:00,750 --> 00:11:02,920 大量に放ったのでございます 125 00:11:03,500 --> 00:11:06,090 害蟲めは ひと月もせぬうちに― 126 00:11:06,210 --> 00:11:08,300 ちらとも見ぬようになりました 127 00:11:09,260 --> 00:11:12,430 むろん こちらの蟲も その後 処理いたしました 128 00:11:12,720 --> 00:11:15,140 増えすぎては困りますのでな… 129 00:11:16,140 --> 00:11:18,440 方法は分かっておりましたので… 130 00:11:20,940 --> 00:11:23,730 (淡幽) 私が聞いてきた話は 皆― 131 00:11:23,860 --> 00:11:26,690 しょせん 殺生の話だったのか… 132 00:11:28,360 --> 00:11:30,160 足の痛みは― 133 00:11:30,610 --> 00:11:33,870 心の痛みも伴うものに なっていった 134 00:11:35,160 --> 00:11:38,080 微小で下等なる生命へのおごり 135 00:11:38,580 --> 00:11:43,420 異形のモノたちへの 理由なき恐れが招く殺生 136 00:11:44,130 --> 00:11:48,050 そういうものが 少なからず感じ取れるのだ 137 00:11:49,220 --> 00:11:53,470 (蟲師2)殺さずとも 済むのではないか… と? 138 00:11:54,470 --> 00:11:55,640 失礼ながら― 139 00:11:55,760 --> 00:11:59,180 それは実際に 蟲と対峙(たいじ)した者でなければ― 140 00:11:59,310 --> 00:12:00,980 言えぬことかと… 141 00:12:03,690 --> 00:12:05,860 (淡幽)それは そのとおりで… 142 00:12:06,440 --> 00:12:10,610 けれど 私には どうしようもないことだった 143 00:12:18,870 --> 00:12:22,370 私だって この足さえ動けば… 144 00:12:22,870 --> 00:12:25,250 (ギンコ)あの… もし 145 00:12:27,170 --> 00:12:28,960 狩房家の娘さん? 146 00:12:30,170 --> 00:12:31,170 (淡幽)ああ 147 00:12:31,300 --> 00:12:32,380 (ギンコ)やっぱね 148 00:12:32,510 --> 00:12:35,180 この辺 ほかに家ないしね 149 00:12:35,350 --> 00:12:39,060 あ… じゃあ これが うわさの墨色のあざ? 150 00:12:40,730 --> 00:12:42,230 お前も蟲師か 151 00:12:43,140 --> 00:12:45,770 蟲の話 集めてんだろ? 152 00:12:45,900 --> 00:12:49,820 協力すれば “狩房文庫” 閲覧できると聞いたんだが 153 00:12:50,530 --> 00:12:52,400 (淡幽)悪いが帰ってくれ 154 00:12:53,570 --> 00:12:56,490 蟲を殺す話は もうたくさんだ 155 00:12:57,780 --> 00:12:59,490 じゃあ 殺さねえ話な 156 00:12:59,620 --> 00:13:02,710 ああ そっちの方が ずいぶん多いな 157 00:13:03,040 --> 00:13:04,580 いや それでは役に立たない… 158 00:13:04,710 --> 00:13:07,710 (ギンコ)え~… まずは ほくろを食う蟲の話 159 00:13:08,210 --> 00:13:09,300 (淡幽)ほくろ? 160 00:13:09,420 --> 00:13:12,090 ん? なんか今 言いかけたろ 161 00:13:13,800 --> 00:13:15,720 いや… いい 162 00:13:17,050 --> 00:13:20,770 話してくれ 蟲の話… 163 00:13:23,430 --> 00:13:26,520 (戸を開ける音) 164 00:13:26,650 --> 00:13:27,940 (淡幽)本当は― 165 00:13:28,060 --> 00:13:31,150 たまの許可が下りてからでないと いけないんだが… 166 00:13:31,780 --> 00:13:36,110 きっと たまは お前のような 蟲師は雇いたがらんだろうし― 167 00:13:36,240 --> 00:13:37,070 特別な 168 00:13:48,630 --> 00:13:50,250 (ギンコ)すげえ… 169 00:13:50,920 --> 00:13:54,550 ただし 扱いには 十分 気をつけてくれ 170 00:13:54,670 --> 00:13:57,840 その文字列の中に 蟲が眠っておるのだ 171 00:13:58,430 --> 00:14:00,720 ああ その話は聞いてる 172 00:14:01,600 --> 00:14:03,220 禁種の蟲だろ? 173 00:14:03,350 --> 00:14:05,190 そう簡単には くたばらねえ 174 00:14:06,350 --> 00:14:10,020 それにしても こいつは蟲師にゃ宝だな 175 00:14:11,860 --> 00:14:13,190 そうだな… 176 00:14:13,690 --> 00:14:18,200 だが これらは すべて死の目録だ 177 00:14:19,410 --> 00:14:20,910 私は― 178 00:14:21,200 --> 00:14:25,410 生物と蟲が共に生きている話を もっと聞きたい 179 00:14:27,170 --> 00:14:30,460 たまには なんとか私から話を通す 180 00:14:31,130 --> 00:14:33,250 また話をしに来てくれるか? 181 00:14:34,960 --> 00:14:36,300 喜んで 182 00:14:43,350 --> 00:14:44,430 (たま)お嬢さん 183 00:14:44,560 --> 00:14:46,430 おや お目覚めでしたか 184 00:14:46,560 --> 00:14:47,480 (淡幽)ああ 185 00:14:48,060 --> 00:14:50,560 ギンコが来ておりますが… 186 00:14:52,400 --> 00:14:54,440 すぐ呼んでくれ 187 00:15:00,870 --> 00:15:01,700 ん? 188 00:15:02,240 --> 00:15:04,040 なんだ これ? 189 00:15:07,160 --> 00:15:08,580 紙魚(しみ)の卵… 190 00:15:08,960 --> 00:15:09,920 やばい! 191 00:15:10,040 --> 00:15:12,130 これも… これもか 192 00:15:15,460 --> 00:15:17,590 文字列が崩れだしてる… 193 00:15:18,720 --> 00:15:21,340 起きた… のか? 194 00:15:22,800 --> 00:15:23,640 (たま)ギンコ 195 00:15:23,760 --> 00:15:26,100 (ギンコ)おたまさん 紙魚が紙を食い始めてるぞ! 196 00:15:26,390 --> 00:15:28,430 (たま)おっ… (ギンコ)封が解けちまう! 197 00:15:34,980 --> 00:15:36,070 なんと! 198 00:15:41,200 --> 00:15:43,070 (たま)お嬢さん (淡幽)ん… 199 00:15:44,660 --> 00:15:45,790 どうした? 200 00:15:47,580 --> 00:15:49,710 (たま)封の一部が解けました 201 00:15:50,080 --> 00:15:52,750 そちらへ向かっておりまする! 202 00:16:03,390 --> 00:16:05,260 (ギンコ)えらいことになったな 203 00:16:05,930 --> 00:16:09,270 (淡幽)なに この部屋からは 出られん 204 00:16:11,850 --> 00:16:14,860 ハハ… ちゃんと生きておったのだな 205 00:16:15,860 --> 00:16:19,570 本当… 数百年も 眠ってたとは思えんな 206 00:16:21,030 --> 00:16:23,410 いや お前のことだよ ギンコ 207 00:16:25,240 --> 00:16:27,080 (ギンコ)なんか余裕だな 208 00:16:27,580 --> 00:16:29,660 こいつら 元に戻せるのか? 209 00:16:31,330 --> 00:16:35,670 私にだって できる蟲封じはあるのだぞ 210 00:16:36,340 --> 00:16:38,170 たま (たま)はい 211 00:16:39,380 --> 00:16:40,380 ん? 212 00:16:42,340 --> 00:16:44,720 (ギンコ) 文字列の動きが止まってる 213 00:16:47,060 --> 00:16:47,890 (ギンコ)んっ! 214 00:16:48,850 --> 00:16:53,390 この部屋の壁と天井には 特別な のりが塗ってあるのだ 215 00:16:55,860 --> 00:17:00,150 巻(かん)の一千八百五十三 一の章 216 00:17:11,750 --> 00:17:13,120 二の章 217 00:17:15,290 --> 00:17:18,380 内容… 全部覚えてるのか 218 00:17:19,630 --> 00:17:21,800 紙魚がいようといまいと― 219 00:17:21,920 --> 00:17:24,760 いずれ紙は劣化するものだからな 220 00:17:25,510 --> 00:17:29,510 少しずつ こうして 写しをせねばならんのだ 221 00:17:30,220 --> 00:17:34,600 かといって 普通に写したのでは 封じたことにならぬ 222 00:17:35,100 --> 00:17:38,480 これが家に伝わる 写しのやり方だ 223 00:17:39,480 --> 00:17:43,030 あの紙魚は お嬢さんの愛玩物なのだよ 224 00:17:43,240 --> 00:17:44,200 (ギンコ)え… 225 00:17:44,450 --> 00:17:47,530 ハハ… あれは 愛きょうがあってよい 226 00:17:47,660 --> 00:17:49,870 少し増えすぎなんじゃねえか? 227 00:17:49,990 --> 00:17:50,990 いいだろう 228 00:17:51,120 --> 00:17:54,250 私がこうして きっちり写しをすればよいことだ 229 00:17:55,620 --> 00:17:58,170 またそれは危険な遊びを… 230 00:17:58,290 --> 00:18:00,250 (淡幽)決して 下手をしたりはしない 231 00:18:01,500 --> 00:18:05,430 それが私の務めなのだから 232 00:18:08,340 --> 00:18:12,220 (ギンコ)文字の海に 溺れるように生きている娘が― 233 00:18:12,350 --> 00:18:13,640 1人いる 234 00:18:16,270 --> 00:18:20,520 (淡幽)ハハハ… それで一件落着か 235 00:18:21,020 --> 00:18:22,480 ほかには? 236 00:18:22,900 --> 00:18:24,400 (ギンコ)うーん… 237 00:18:25,740 --> 00:18:28,070 今日は これくらいにしとくか 238 00:18:28,450 --> 00:18:29,660 まだ いいぞ 239 00:18:29,780 --> 00:18:33,580 蟲封じに使えそうな話は 5割もなかったろ 240 00:18:33,700 --> 00:18:35,870 (ギンコ) 昨日の今日で疲れてんだろ 241 00:18:36,000 --> 00:18:37,290 無理すんな 242 00:18:40,880 --> 00:18:42,090 分かったよ 243 00:18:48,800 --> 00:18:52,470 ギンコ 終わるまで そこにいてくれな 244 00:18:54,100 --> 00:18:55,140 ああ 245 00:19:31,470 --> 00:19:32,680 (淡幽)うっ… 246 00:19:34,100 --> 00:19:37,640 うう… う… 247 00:19:44,730 --> 00:19:47,400 (ギンコ) 蟲に体を浸食されながら― 248 00:19:47,990 --> 00:19:51,570 蟲を めでつつ 蟲を封じる 249 00:19:52,370 --> 00:19:56,490 そういう娘が1人いる 250 00:20:06,300 --> 00:20:08,050 終わりましたか 251 00:20:08,170 --> 00:20:10,050 (ギンコ)ああ 布団を 252 00:20:10,340 --> 00:20:11,680 (淡幽)ギンコ 253 00:20:13,180 --> 00:20:15,050 休まなくても平気だ 254 00:20:15,810 --> 00:20:19,100 それより外が見たい 255 00:20:19,230 --> 00:20:21,060 連れてってくれるか? 256 00:20:32,950 --> 00:20:34,410 (淡幽)この足… 257 00:20:34,910 --> 00:20:38,790 一体 いつになれば 動かせるようになるんだろうな 258 00:20:41,000 --> 00:20:42,420 焦るなよ 259 00:20:42,920 --> 00:20:46,340 少しずつでも あざは減ってきてるんだろ 260 00:20:46,540 --> 00:20:49,510 ほんの少しずつだ 261 00:20:51,130 --> 00:20:53,550 死ぬまでに消せなければ― 262 00:20:53,800 --> 00:20:57,100 いずれ私の子孫が 引き継ぐことになる 263 00:20:57,680 --> 00:21:02,440 今まで ずっと そうだったように… 264 00:21:04,560 --> 00:21:09,440 私の代でも 結局 かなわないのかもしれないな 265 00:21:24,830 --> 00:21:26,170 お前さ… 266 00:21:26,710 --> 00:21:29,630 足 治ったら どうすんだ? 267 00:21:33,470 --> 00:21:36,720 お前と旅がしたいな 268 00:21:38,550 --> 00:21:41,140 話に聞いた蟲を見たい 269 00:21:42,180 --> 00:21:44,270 なんてな ハハ… 270 00:21:44,690 --> 00:21:47,770 よくても そのころ 私は老婆だがな 271 00:21:50,570 --> 00:21:52,280 (ギンコ)うーん… 272 00:21:54,570 --> 00:21:56,240 (淡幽)冗談だよ (ギンコ)いいぜ 273 00:21:57,160 --> 00:22:03,120 それまで無事 俺が 生き延びられてたら… だがな 274 00:22:10,130 --> 00:22:11,710 生きてるんだよ 275 00:22:12,460 --> 00:22:15,800 (ギンコ)いや 明日にでも 蟲に食われてっかもしんねーし… 276 00:22:15,930 --> 00:22:18,840 (淡幽) それでも生きてるんだよ 277 00:22:19,930 --> 00:22:21,510 (ギンコ)むちゃ言ってんな… 278 00:22:22,100 --> 00:22:25,600 (淡幽)ハハ… なんとかなるさ 279 00:22:25,730 --> 00:22:31,730 ♪~ 280 00:23:23,330 --> 00:23:29,330 ~♪