1 00:00:01,042 --> 00:00:07,048 ♪~ 2 00:01:24,584 --> 00:01:30,590 ~♪ 3 00:01:54,155 --> 00:01:55,782 (淡幽(たんゆう)のため息) 4 00:02:21,975 --> 00:02:25,812 (たま)なんだ… ギンコ お前か 5 00:02:26,563 --> 00:02:27,772 (ギンコ)どうも 6 00:02:33,403 --> 00:02:35,697 (たま)どうだ 仕事の方は? 7 00:02:35,822 --> 00:02:37,782 まあ 相変わらずだよ 8 00:02:38,491 --> 00:02:40,076 淡幽の調子は? 9 00:02:40,702 --> 00:02:42,912 (たま)こちらも変わりはない 10 00:02:43,204 --> 00:02:45,415 さっきまで 執筆をしておられたので― 11 00:02:45,540 --> 00:02:47,625 お休み中だがな 12 00:02:50,295 --> 00:02:52,589 今日も書庫に行くのだろ? 13 00:02:52,714 --> 00:02:53,756 (ギンコ)ああ 14 00:02:54,799 --> 00:02:56,801 (たま)そっちで待っておれ 15 00:03:43,848 --> 00:03:46,100 (たま)どの辺りを読みたい? 16 00:03:46,309 --> 00:03:49,062 (ギンコ)先代までのは あらかた読んだな 17 00:03:49,229 --> 00:03:52,899 (たま)それじゃあ 淡幽お嬢さんの代からだね 18 00:03:53,399 --> 00:03:55,276 そっちの棚からだよ 19 00:03:55,401 --> 00:03:57,070 (ギンコ)どうも お世話様 20 00:03:59,197 --> 00:04:00,531 ああ そうだ 21 00:04:00,657 --> 00:04:02,575 あれ出しな 葉巻 22 00:04:02,700 --> 00:04:04,619 ここで吸ったりしねえよ 23 00:04:04,744 --> 00:04:07,080 (たま)もしもがあっちゃ ならないからね 24 00:04:08,456 --> 00:04:13,461 ここの書物が ただの 蟲(むし)封じ指南書ではないこと― 25 00:04:13,670 --> 00:04:15,588 忘れてはおらんだろうな 26 00:04:17,173 --> 00:04:18,091 分かってるよ 27 00:04:20,718 --> 00:04:21,594 (ギンコ)そう― 28 00:04:22,887 --> 00:04:26,599 これらの書物は 紛れもなく秘書である 29 00:04:27,267 --> 00:04:29,102 内容はもちろんのこと― 30 00:04:30,353 --> 00:04:33,606 その存在理由において 主に… 31 00:04:34,941 --> 00:04:39,195 (たま) “序 狩房(かりぶさ)家第四代筆記者―” 32 00:04:39,445 --> 00:04:42,615 “淡幽の生誕についての もろもろ” 33 00:04:43,199 --> 00:04:48,037 “狩房家付蟲師(むしし) 薬袋(みない)たま 記す…” 34 00:04:50,290 --> 00:04:51,541 (寝息) 35 00:04:53,251 --> 00:04:59,590 (赤ん坊の泣き声) 36 00:05:00,300 --> 00:05:02,010 (淡幽の父)これは… 37 00:05:02,135 --> 00:05:03,594 間違いございません 38 00:05:04,971 --> 00:05:09,600 墨色のあざ… 四代目の“筆記者”です 39 00:05:12,270 --> 00:05:13,980 (たま)淡幽お嬢さん 40 00:05:18,568 --> 00:05:20,153 部屋にお戻りください 41 00:05:20,278 --> 00:05:21,112 (淡幽)やだ! 42 00:05:22,238 --> 00:05:25,116 私も… 外で遊びたい 43 00:05:25,241 --> 00:05:28,411 なんで読み書きの 勉強ばかりなの? 44 00:05:29,120 --> 00:05:31,622 なんで この足 動かないの? 45 00:05:32,415 --> 00:05:35,376 (淡幽のすすり泣き) 46 00:05:35,918 --> 00:05:37,837 そうですね… 47 00:05:38,337 --> 00:05:40,548 お嬢さんには もう― 48 00:05:40,673 --> 00:05:43,092 お分かりいただけると 思いますので― 49 00:05:44,052 --> 00:05:47,722 すべて お話しいたしましょう 50 00:05:50,266 --> 00:05:55,354 (たま)その右足のあざは 蟲を封じた跡なのです 51 00:05:56,481 --> 00:05:59,025 たまの先祖の蟲師が― 52 00:05:59,150 --> 00:06:04,363 お嬢さんのご先祖のお体に 禁種(きんしゅ)の蟲を封じたのです 53 00:06:05,156 --> 00:06:06,074 (淡幽)禁種? 54 00:06:06,991 --> 00:06:07,825 (たま)はい 55 00:06:09,243 --> 00:06:15,249 本来 私ども動植物と蟲は 同調しておるものです 56 00:06:16,375 --> 00:06:20,254 動植物栄える所 蟲も栄え― 57 00:06:20,880 --> 00:06:24,008 枯れたる所では枯れるもの 58 00:06:24,383 --> 00:06:28,012 けれど その昔の大天災の折― 59 00:06:28,137 --> 00:06:33,351 動植物も蟲も衰えゆく中 異質な蟲が現れ― 60 00:06:34,143 --> 00:06:37,772 他のすべての生命を 消さんとしたのです 61 00:06:38,940 --> 00:06:40,358 どんな蟲なの? 62 00:06:40,858 --> 00:06:45,446 姿も形も 体内に封じた方法も― 63 00:06:46,364 --> 00:06:49,492 記録は一切 見つかっておりません 64 00:06:51,202 --> 00:06:54,038 たまの一族に 伝わっているのは― 65 00:06:54,163 --> 00:06:58,292 身重でありながら蟲を封じた ご先祖様のお体は― 66 00:06:58,417 --> 00:07:01,170 全身 墨の色となり― 67 00:07:02,588 --> 00:07:05,133 蟲は体内で生き続けましたが― 68 00:07:05,258 --> 00:07:11,848 ご先祖様は出産後 命を落とされたということです 69 00:07:12,974 --> 00:07:16,686 それから狩房家には 何代かにお一人― 70 00:07:16,811 --> 00:07:22,191 体の一部に墨色のあざを持つ方が お生まれになるのです 71 00:07:26,237 --> 00:07:29,949 (淡幽)ここに それが まだ生きてるの? 72 00:07:31,784 --> 00:07:33,619 私も そのうち死んじゃうの? 73 00:07:33,703 --> 00:07:36,330 そうさせぬために たまがおりまする! 74 00:07:37,999 --> 00:07:40,001 蟲を眠らす お力も― 75 00:07:40,126 --> 00:07:43,671 お嬢さんは お備えになっている はずなのです 76 00:07:44,964 --> 00:07:47,341 たまが お手伝いいたします 77 00:07:48,259 --> 00:07:51,846 いま少し読み書きが お達者になられた日には― 78 00:07:51,971 --> 00:07:54,724 たまと別邸へと参りましょう 79 00:07:54,974 --> 00:07:59,020 そこで禁種の蟲を 地下に眠らすのです 80 00:07:59,145 --> 00:08:02,398 そうすれば 体のあざは消え― 81 00:08:02,523 --> 00:08:04,901 歩けるようにもなるでしょう 82 00:08:05,818 --> 00:08:08,821 これまで3人のご先祖様が そうして― 83 00:08:08,946 --> 00:08:12,825 少しずつ眠らせてきたのですよ 84 00:08:14,994 --> 00:08:18,206 (たま)お嬢さん 着きましたよ 85 00:08:27,256 --> 00:08:28,508 (淡幽)ハァ 86 00:08:30,092 --> 00:08:32,803 ずいぶんと昔の夢だったな… 87 00:08:39,310 --> 00:08:43,856 (淡幽)その後 たまから 聞かされた蟲の眠らせ方は― 88 00:08:43,981 --> 00:08:46,025 意外な方法だった 89 00:08:51,322 --> 00:08:53,783 (たま) これから たまのするお話を― 90 00:08:53,908 --> 00:08:57,286 後から紙に 写し取ってくださいまし 91 00:08:58,079 --> 00:09:00,164 (淡幽)たまの話は すべて― 92 00:09:00,289 --> 00:09:06,170 たまが昔 蟲師をしていたころ 蟲をほふった体験談― 93 00:09:06,379 --> 00:09:09,549 夢物語のような実話ばかり 94 00:09:09,715 --> 00:09:12,260 大捕り物は活劇調に― 95 00:09:12,677 --> 00:09:15,429 悲しい話は あんどんの下(もと)で 96 00:09:16,264 --> 00:09:20,059 遠い土地 見知らぬ人々の物語 97 00:09:20,184 --> 00:09:23,646 それらは 常に 私の心を引き付けた 98 00:09:25,439 --> 00:09:29,360 けれど それを紙に記す時― 99 00:09:29,569 --> 00:09:32,238 足のあざには激痛が走った 100 00:09:32,738 --> 00:09:36,826 (淡幽)今 蟲が 体から出てきているの? 101 00:09:37,243 --> 00:09:38,619 そうです 102 00:09:38,744 --> 00:09:42,081 たまが蟲をほふってきたという 事実が― 103 00:09:42,248 --> 00:09:44,667 その蟲にとっては呪(じゅ)なのです 104 00:09:45,501 --> 00:09:48,504 おつらいでしょうが こらえてください 105 00:09:49,505 --> 00:09:50,881 (淡幽)ああ… 106 00:09:52,466 --> 00:09:53,718 たま… 107 00:09:55,011 --> 00:09:58,055 たまも私のために― 108 00:09:58,180 --> 00:10:03,060 蟲師にならねばならん宿命を 負わされたのだな 109 00:10:03,728 --> 00:10:05,896 つらいことも あったろ? 110 00:10:06,230 --> 00:10:08,441 それを恨んだりもしたろ? 111 00:10:09,984 --> 00:10:11,944 そのようなものは― 112 00:10:12,069 --> 00:10:16,198 お嬢さんに会えましたことで すっかり消え申した 113 00:10:16,741 --> 00:10:20,411 今は感謝しておりますよ 114 00:10:22,413 --> 00:10:25,166 (淡幽)続き… 話して 115 00:10:25,416 --> 00:10:26,417 大丈夫で? 116 00:10:27,501 --> 00:10:29,920 (淡幽)うん 大丈夫よ 117 00:10:34,133 --> 00:10:35,468 (淡幽)たまが― 118 00:10:35,593 --> 00:10:39,805 いかに私の痛みを紛らわそうと 苦心してくれていたか 119 00:10:40,139 --> 00:10:44,602 それは やがて時が過ぎ たまの話も尽き― 120 00:10:44,977 --> 00:10:48,397 ほかの蟲師を 招くようになるころに分かった 121 00:10:49,106 --> 00:10:52,026 (蟲師1)そして私は その害蟲(がいちゅう)めを一掃すべく― 122 00:10:52,151 --> 00:10:54,695 山中に 天敵である蟲を… 123 00:10:55,863 --> 00:10:57,990 こちらの蟲でございますが― 124 00:10:58,115 --> 00:11:00,284 大量に放ったのでございます 125 00:11:00,868 --> 00:11:03,454 害蟲めは ひと月もせぬうちに― 126 00:11:03,579 --> 00:11:05,665 ちらとも見ぬようになりました 127 00:11:06,624 --> 00:11:09,794 むろん こちらの蟲も その後 処理いたしました 128 00:11:10,086 --> 00:11:12,505 増えすぎては困りますのでな… 129 00:11:13,506 --> 00:11:15,800 方法は分かっておりましたので… 130 00:11:18,302 --> 00:11:21,097 (淡幽) 私が聞いてきた話は 皆― 131 00:11:21,222 --> 00:11:24,058 しょせん 殺生の話だったのか… 132 00:11:25,726 --> 00:11:27,520 足の痛みは― 133 00:11:27,978 --> 00:11:31,232 心の痛みも伴うものに なっていった 134 00:11:32,525 --> 00:11:35,444 微小で下等なる生命へのおごり 135 00:11:35,945 --> 00:11:40,783 異形のモノたちへの 理由なき恐れが招く殺生 136 00:11:41,492 --> 00:11:45,413 そういうものが 少なからず感じ取れるのだ 137 00:11:46,580 --> 00:11:50,835 (蟲師2)殺さずとも 済むのではないか… と? 138 00:11:51,836 --> 00:11:53,003 失礼ながら― 139 00:11:53,129 --> 00:11:56,549 それは実際に 蟲と対峙(たいじ)した者でなければ― 140 00:11:56,674 --> 00:11:58,342 言えぬことかと… 141 00:12:01,053 --> 00:12:03,222 (淡幽)それは そのとおりで… 142 00:12:03,806 --> 00:12:07,977 けれど 私には どうしようもないことだった 143 00:12:16,235 --> 00:12:19,738 私だって この足さえ動けば… 144 00:12:20,239 --> 00:12:22,616 (ギンコ)あの… もし 145 00:12:24,535 --> 00:12:26,328 狩房家の娘さん? 146 00:12:27,538 --> 00:12:28,539 (淡幽)ああ 147 00:12:28,664 --> 00:12:29,748 (ギンコ)やっぱね 148 00:12:29,874 --> 00:12:32,543 この辺 ほかに家ないしね 149 00:12:32,710 --> 00:12:36,422 あ… じゃあ これが うわさの墨色のあざ? 150 00:12:38,090 --> 00:12:39,592 お前も蟲師か 151 00:12:40,509 --> 00:12:43,137 蟲の話 集めてんだろ? 152 00:12:43,262 --> 00:12:47,183 協力すれば “狩房文庫” 閲覧できると聞いたんだが 153 00:12:47,892 --> 00:12:49,768 (淡幽)悪いが帰ってくれ 154 00:12:50,936 --> 00:12:53,856 蟲を殺す話は もうたくさんだ 155 00:12:55,149 --> 00:12:56,859 じゃあ 殺さねえ話な 156 00:12:56,984 --> 00:13:00,070 ああ そっちの方が ずいぶん多いな 157 00:13:00,404 --> 00:13:01,947 いや それでは役に立たない… 158 00:13:02,072 --> 00:13:05,075 (ギンコ)え~… まずは ほくろを食う蟲の話 159 00:13:05,576 --> 00:13:06,660 (淡幽)ほくろ? 160 00:13:06,785 --> 00:13:09,455 ん? なんか今 言いかけたろ 161 00:13:11,165 --> 00:13:13,083 いや… いい 162 00:13:14,418 --> 00:13:18,130 話してくれ 蟲の話… 163 00:13:20,799 --> 00:13:23,886 (戸を開ける音) 164 00:13:24,011 --> 00:13:25,304 (淡幽)本当は― 165 00:13:25,429 --> 00:13:28,516 たまの許可が下りてからでないと いけないんだが… 166 00:13:29,141 --> 00:13:33,479 きっと たまは お前のような 蟲師は雇いたがらんだろうし― 167 00:13:33,604 --> 00:13:34,438 特別な 168 00:13:45,991 --> 00:13:47,618 (ギンコ)すげえ… 169 00:13:48,285 --> 00:13:51,914 ただし 扱いには 十分 気をつけてくれ 170 00:13:52,039 --> 00:13:55,209 その文字列の中に 蟲が眠っておるのだ 171 00:13:55,793 --> 00:13:58,087 ああ その話は聞いてる 172 00:13:58,963 --> 00:14:00,589 禁種の蟲だろ? 173 00:14:00,714 --> 00:14:02,550 そう簡単には くたばらねえ 174 00:14:03,717 --> 00:14:07,388 それにしても こいつは蟲師にゃ宝だな 175 00:14:09,223 --> 00:14:10,558 そうだな… 176 00:14:11,058 --> 00:14:15,563 だが これらは すべて死の目録だ 177 00:14:16,772 --> 00:14:18,274 私は― 178 00:14:18,566 --> 00:14:22,778 生物と蟲が共に生きている話を もっと聞きたい 179 00:14:24,530 --> 00:14:27,825 たまには なんとか私から話を通す 180 00:14:28,492 --> 00:14:30,619 また話をしに来てくれるか? 181 00:14:32,329 --> 00:14:33,664 喜んで 182 00:14:40,713 --> 00:14:41,797 (たま)お嬢さん 183 00:14:41,922 --> 00:14:43,799 おや お目覚めでしたか 184 00:14:43,924 --> 00:14:44,842 (淡幽)ああ 185 00:14:45,426 --> 00:14:47,928 ギンコが来ておりますが… 186 00:14:49,763 --> 00:14:51,807 すぐ呼んでくれ 187 00:14:58,230 --> 00:14:59,064 ん? 188 00:14:59,607 --> 00:15:01,400 なんだ これ? 189 00:15:04,528 --> 00:15:05,946 紙魚(しみ)の卵… 190 00:15:06,322 --> 00:15:07,281 やばい! 191 00:15:07,406 --> 00:15:09,491 これも… これもか 192 00:15:12,828 --> 00:15:14,955 文字列が崩れだしてる… 193 00:15:16,081 --> 00:15:18,709 起きた… のか? 194 00:15:20,169 --> 00:15:21,003 (たま)ギンコ 195 00:15:21,128 --> 00:15:23,464 (ギンコ)おたまさん 紙魚が紙を食い始めてるぞ! 196 00:15:23,756 --> 00:15:25,799 (たま)おっ… (ギンコ)封が解けちまう! 197 00:15:32,348 --> 00:15:33,432 なんと! 198 00:15:38,562 --> 00:15:40,439 (たま)お嬢さん (淡幽)ん… 199 00:15:42,024 --> 00:15:43,150 どうした? 200 00:15:44,944 --> 00:15:47,071 (たま)封の一部が解けました 201 00:15:47,446 --> 00:15:50,115 そちらへ向かっておりまする! 202 00:16:00,751 --> 00:16:02,628 (ギンコ)えらいことになったな 203 00:16:03,295 --> 00:16:06,632 (淡幽)なに この部屋からは 出られん 204 00:16:09,218 --> 00:16:12,221 ハハ… ちゃんと生きておったのだな 205 00:16:13,222 --> 00:16:16,934 本当… 数百年も 眠ってたとは思えんな 206 00:16:18,394 --> 00:16:20,771 いや お前のことだよ ギンコ 207 00:16:22,606 --> 00:16:24,441 (ギンコ)なんか余裕だな 208 00:16:24,942 --> 00:16:27,027 こいつら 元に戻せるのか? 209 00:16:28,696 --> 00:16:33,033 私にだって できる蟲封じはあるのだぞ 210 00:16:33,701 --> 00:16:35,536 たま (たま)はい 211 00:16:36,745 --> 00:16:37,746 ん? 212 00:16:39,707 --> 00:16:42,084 (ギンコ) 文字列の動きが止まってる 213 00:16:44,420 --> 00:16:45,254 (ギンコ)んっ! 214 00:16:46,213 --> 00:16:50,759 この部屋の壁と天井には 特別な のりが塗ってあるのだ 215 00:16:53,220 --> 00:16:57,516 巻(かん)の一千八百五十三 一の章 216 00:17:09,111 --> 00:17:10,487 二の章 217 00:17:12,656 --> 00:17:15,743 内容… 全部覚えてるのか 218 00:17:16,994 --> 00:17:19,163 紙魚がいようといまいと― 219 00:17:19,288 --> 00:17:22,124 いずれ紙は劣化するものだからな 220 00:17:22,875 --> 00:17:26,879 少しずつ こうして 写しをせねばならんのだ 221 00:17:27,588 --> 00:17:31,967 かといって 普通に写したのでは 封じたことにならぬ 222 00:17:32,468 --> 00:17:35,846 これが家に伝わる 写しのやり方だ 223 00:17:36,847 --> 00:17:40,392 あの紙魚は お嬢さんの愛玩物なのだよ 224 00:17:40,601 --> 00:17:41,560 (ギンコ)え… 225 00:17:41,810 --> 00:17:44,897 ハハ… あれは 愛きょうがあってよい 226 00:17:45,022 --> 00:17:47,232 少し増えすぎなんじゃねえか? 227 00:17:47,357 --> 00:17:48,358 いいだろう 228 00:17:48,484 --> 00:17:51,612 私がこうして きっちり写しをすればよいことだ 229 00:17:52,988 --> 00:17:55,532 またそれは危険な遊びを… 230 00:17:55,657 --> 00:17:57,618 (淡幽)決して 下手をしたりはしない 231 00:17:58,869 --> 00:18:02,790 それが私の務めなのだから 232 00:18:05,709 --> 00:18:09,588 (ギンコ)文字の海に 溺れるように生きている娘が― 233 00:18:09,713 --> 00:18:11,006 1人いる 234 00:18:13,634 --> 00:18:17,888 (淡幽)ハハハ… それで一件落着か 235 00:18:18,388 --> 00:18:19,848 ほかには? 236 00:18:20,265 --> 00:18:21,767 (ギンコ)うーん… 237 00:18:23,102 --> 00:18:25,437 今日は これくらいにしとくか 238 00:18:25,813 --> 00:18:27,022 まだ いいぞ 239 00:18:27,147 --> 00:18:30,943 蟲封じに使えそうな話は 5割もなかったろ 240 00:18:31,068 --> 00:18:33,237 (ギンコ) 昨日の今日で疲れてんだろ 241 00:18:33,362 --> 00:18:34,655 無理すんな 242 00:18:38,242 --> 00:18:39,451 分かったよ 243 00:18:46,166 --> 00:18:49,837 ギンコ 終わるまで そこにいてくれな 244 00:18:51,463 --> 00:18:52,506 ああ 245 00:19:28,834 --> 00:19:30,043 (淡幽)うっ… 246 00:19:31,461 --> 00:19:35,007 うう… う… 247 00:19:42,097 --> 00:19:44,766 (ギンコ) 蟲に体を浸食されながら― 248 00:19:45,350 --> 00:19:48,937 蟲を めでつつ 蟲を封じる 249 00:19:49,730 --> 00:19:53,859 そういう娘が1人いる 250 00:20:03,660 --> 00:20:05,412 終わりましたか 251 00:20:05,537 --> 00:20:07,414 (ギンコ)ああ 布団を 252 00:20:07,706 --> 00:20:09,041 (淡幽)ギンコ 253 00:20:10,542 --> 00:20:12,419 休まなくても平気だ 254 00:20:13,170 --> 00:20:16,465 それより外が見たい 255 00:20:16,590 --> 00:20:18,425 連れてってくれるか? 256 00:20:30,312 --> 00:20:31,772 (淡幽)この足… 257 00:20:32,272 --> 00:20:36,151 一体 いつになれば 動かせるようになるんだろうな 258 00:20:38,362 --> 00:20:39,780 焦るなよ 259 00:20:40,280 --> 00:20:43,700 少しずつでも あざは減ってきてるんだろ 260 00:20:43,909 --> 00:20:46,870 ほんの少しずつだ 261 00:20:48,497 --> 00:20:50,916 死ぬまでに消せなければ― 262 00:20:51,166 --> 00:20:54,461 いずれ私の子孫が 引き継ぐことになる 263 00:20:55,045 --> 00:20:59,800 今まで ずっと そうだったように… 264 00:21:01,927 --> 00:21:06,807 私の代でも 結局 かなわないのかもしれないな 265 00:21:22,197 --> 00:21:23,532 お前さ… 266 00:21:24,074 --> 00:21:26,994 足 治ったら どうすんだ? 267 00:21:30,831 --> 00:21:34,084 お前と旅がしたいな 268 00:21:35,919 --> 00:21:38,505 話に聞いた蟲を見たい 269 00:21:39,548 --> 00:21:41,633 なんてな ハハ… 270 00:21:42,050 --> 00:21:45,137 よくても そのころ 私は老婆だがな 271 00:21:47,931 --> 00:21:49,641 (ギンコ)うーん… 272 00:21:51,935 --> 00:21:53,603 (淡幽)冗談だよ (ギンコ)いいぜ 273 00:21:54,521 --> 00:22:00,485 それまで無事 俺が 生き延びられてたら… だがな 274 00:22:07,492 --> 00:22:09,077 生きてるんだよ 275 00:22:09,828 --> 00:22:13,165 (ギンコ)いや 明日にでも 蟲に食われてっかもしんねーし… 276 00:22:13,290 --> 00:22:16,209 (淡幽) それでも生きてるんだよ 277 00:22:17,294 --> 00:22:18,879 (ギンコ)むちゃ言ってんな… 278 00:22:19,463 --> 00:22:22,966 (淡幽)ハハ… なんとかなるさ 279 00:22:23,091 --> 00:22:29,097 ♪~ 280 00:23:20,690 --> 00:23:26,696 ~♪