1 00:00:05,339 --> 00:00:09,843 (ルーデウス)ハァ ハァ ハァ…。 2 00:00:09,843 --> 00:00:12,512 (ザノバ)師匠~…! あっ! 3 00:00:12,512 --> 00:00:16,016 あっ…! (叫び声) 4 00:00:16,016 --> 00:00:21,188 ハァ ハァ ハァ… ハッ! 5 00:00:21,188 --> 00:00:25,859 ハッ! うっ! あっ あああ…! 6 00:00:25,859 --> 00:00:28,028 あああ…! 7 00:00:28,028 --> 00:00:31,031 うわぁ~っ! 8 00:00:31,031 --> 00:00:33,133 ハッ! 9 00:00:35,202 --> 00:00:37,604 あっ…。 ハッ…。 10 00:00:39,873 --> 00:00:43,377 《前世の男:もし あのとき ペルギウスが来てくれなければ➨ 11 00:00:43,377 --> 00:00:46,713 誰とも もう 会えなかったかもしれない》 12 00:00:46,713 --> 00:00:51,718 (シルフィエット)んっ… ルディ? どうしたの? 13 00:00:53,887 --> 00:00:56,089 大丈夫だよ。 14 00:01:06,833 --> 00:01:08,835 あっ! ザノバ! 15 00:01:08,835 --> 00:01:10,837 んっ? 師匠! 16 00:01:10,837 --> 00:01:13,173 おケガのほうは大丈夫なのですか? 17 00:01:13,173 --> 00:01:18,178 ああ。 ザノバのほうこそ平気なのか? ええ このとおり。 18 00:01:18,178 --> 00:01:21,682 すまなかったな 術に巻き込んで。 19 00:01:21,682 --> 00:01:24,518 あれが最善と 思ってのことでしょう。 20 00:01:24,518 --> 00:01:27,354 であれば 無事に生還できたことを➨ 21 00:01:27,354 --> 00:01:30,857 喜びましょうぞ。 そうだな。 22 00:01:30,857 --> 00:01:33,860 あとは ナナホシの容体が よくなればいいんだが。 23 00:01:33,860 --> 00:01:36,029 (クリフ)ナナホシなら大丈夫だ。 24 00:01:36,029 --> 00:01:38,865 体調は だいぶ安定した様子だった。 25 00:01:38,865 --> 00:01:42,202 (エリナリーゼ)今は クリフのほうが 心配になりますわ。 26 00:01:42,202 --> 00:01:45,706 キシリカにもらった魔眼ですか? ああ。 27 00:01:45,706 --> 00:01:48,709 「識別眼」というものらしいが。 28 00:01:48,709 --> 00:01:52,045 目に映るもの すべての情報が浮かんできて➨ 29 00:01:52,045 --> 00:01:54,381 視界が文字だらけなんだ。 30 00:01:54,381 --> 00:01:58,719 俺も 魔眼をもらってすぐは 同じように苦労しました。 31 00:01:58,719 --> 00:02:01,488 なに すぐ制御してみせるさ。 32 00:02:01,488 --> 00:02:05,492 今後 同じようなことがあったら 頼ってくれていいからな。 33 00:02:05,492 --> 00:02:08,328 はい。 ナナホシの見舞いなら➨ 34 00:02:08,328 --> 00:02:10,330 君も行ってくるといい。 35 00:02:10,330 --> 00:02:12,332 今ならまだ起きているだろう。 36 00:02:12,332 --> 00:02:14,635 ええ 行ってきます。 37 00:02:43,864 --> 00:02:45,866 体調のほうはどうだ? 38 00:02:45,866 --> 00:02:48,535 (ナナホシ)かなりよくなりました。 39 00:02:48,535 --> 00:02:52,873 まだ ひとつきは安静にしてないと ダメだとは言われましたけれど…。 40 00:02:52,873 --> 00:02:56,877 今回は ありがとうございました。 41 00:02:56,877 --> 00:02:59,379 あっ。 危険な所に➨ 42 00:02:59,379 --> 00:03:02,149 わざわざ薬を取りに行って いただけたようで。 43 00:03:02,149 --> 00:03:05,652 その… 助かりました。 44 00:03:05,652 --> 00:03:08,321 《なんか やけに殊勝だな》 45 00:03:08,321 --> 00:03:11,992 気にするなよ。 考えてみれば➨ 46 00:03:11,992 --> 00:03:14,494 ルーデウスさんは年上の方なのに➨ 47 00:03:14,494 --> 00:03:16,830 すごく ぞんざいな口を 利いてしまって…。 48 00:03:16,830 --> 00:03:20,167 申し訳ないです。 別にいいよ。 49 00:03:20,167 --> 00:03:22,335 こっちでは まだ18歳だしな。 50 00:03:22,335 --> 00:03:24,671 もとは 何歳ぐらいだったんですか? 51 00:03:24,671 --> 00:03:28,842 さんじゅう… いや 年齢の話はやめよう。 52 00:03:28,842 --> 00:03:30,844 敬語も使わなくていい。 53 00:03:30,844 --> 00:03:33,847 今までどおりでいこう。 はい。 54 00:03:38,351 --> 00:03:41,354 聞いたと思うけど お前の病気…。 55 00:03:41,354 --> 00:03:45,358 治らない らしいわね。 56 00:03:45,358 --> 00:03:47,360 《ソーカス草で一時的に➨ 57 00:03:47,360 --> 00:03:50,363 体内の魔力を 排せつすることはできるが➨ 58 00:03:50,363 --> 00:03:53,700 いずれまた 体に魔力が たまってしまうらしい。 59 00:03:53,700 --> 00:03:55,702 この世界で生きる以上➨ 60 00:03:55,702 --> 00:03:58,605 魔力に触れずに過ごすことは できないのだ》 61 00:04:00,474 --> 00:04:03,810 ナナホシ お前は帰らなきゃいけない。 62 00:04:03,810 --> 00:04:05,812 こんな世界で死ぬことはない。 63 00:04:07,814 --> 00:04:11,151 はい…。 俺も できるかぎり手伝うからな。 64 00:04:11,151 --> 00:04:17,491 (すすり泣き) 65 00:04:17,491 --> 00:04:20,994 ありがとう ございます。 66 00:04:23,830 --> 00:04:26,833 私は 帰るのよ。 67 00:04:26,833 --> 00:04:30,670 そうだな 早く帰りたいよな。 68 00:04:30,670 --> 00:04:35,008 そうじゃなくて 帰るまでに 恩を返しきれない…。 69 00:04:35,008 --> 00:04:39,346 恩なんて考えなくていいよ。 あっ でも困ったときに➨ 70 00:04:39,346 --> 00:04:41,515 相談に乗ってくれたら うれしいかな。 71 00:04:41,515 --> 00:04:43,517 わかったわ。 72 00:04:43,517 --> 00:04:45,852 フッ。 73 00:04:45,852 --> 00:04:49,189 じゃあ そういうことで お大事にな。 74 00:04:49,189 --> 00:04:52,592 はい。 ありがとうございました。 75 00:04:54,528 --> 00:04:57,697 そこで師匠から放たれた 紫色の魔力が➨ 76 00:04:57,697 --> 00:05:00,634 アトーフェの体を 焼き焦がしたのであります。 77 00:05:00,634 --> 00:05:03,637 (ペルギウス)ほう アトーフェが あれほど弱ったのは➨ 78 00:05:03,637 --> 00:05:05,639 ヤツの仕業であったか。 79 00:05:05,639 --> 00:05:08,642 (アリエル)それで そのあと どうなったのですか? 80 00:05:08,642 --> 00:05:12,312 さて それが 余はそこで 気を失ってしまったので…。 81 00:05:12,312 --> 00:05:14,481 (ルーデウス)みなさんでお茶会ですか? 82 00:05:14,481 --> 00:05:16,650 師匠! そうなのです! 83 00:05:16,650 --> 00:05:19,152 ペルギウス様が アトーフェとの戦いの模様を➨ 84 00:05:19,152 --> 00:05:21,321 ぜひ聞きたいと おっしゃられるので➨ 85 00:05:21,321 --> 00:05:24,324 余が事細かに 説明していたところです。 86 00:05:24,324 --> 00:05:26,326 聞いたぞ ルーデウスよ。 87 00:05:26,326 --> 00:05:28,829 アトーフェが あれほど 弱体化していたのは➨ 88 00:05:28,829 --> 00:05:31,331 貴様の魔術のおかげらしいな。 89 00:05:31,331 --> 00:05:35,836 フフッ 今もヤツの まぬけな姿が 目に浮かぶ。 90 00:05:35,836 --> 00:05:38,338 《そんなに 嫌いだったのだろうか》 91 00:05:38,338 --> 00:05:40,340 ご機嫌ですね。 92 00:05:40,340 --> 00:05:43,176 こんなところで 復讐の機会がやってくるとは➨ 93 00:05:43,176 --> 00:05:45,512 思いもよらなかったからな。 94 00:05:45,512 --> 00:05:48,682 復讐 ですか? そうだ。 95 00:05:48,682 --> 00:05:53,186 ラプラス戦役では ヤツに何度も 煮え湯を飲まされたからな。 96 00:05:53,186 --> 00:05:56,022 いずれ意趣返しをする つもりではあったが➨ 97 00:05:56,022 --> 00:05:58,692 我が親友である 北神カールマンに➨ 98 00:05:58,692 --> 00:06:02,128 アトーフェとの殺し合いを 禁じられていたのだ。 99 00:06:02,128 --> 00:06:06,800 気付けば復讐の機会を失い 半ば諦めていたのだが…。 100 00:06:06,800 --> 00:06:10,637 まさか一方的にヤツを殴れるとはな。 101 00:06:10,637 --> 00:06:15,475 お前には礼を言わねばなるまい。 よくぞやってくれた。 102 00:06:15,475 --> 00:06:18,311 約束は守らなくても よかったのですか? 103 00:06:18,311 --> 00:06:21,147 カールが禁じたのは 「殺し合い」だ。 104 00:06:21,147 --> 00:06:24,985 一方的に殴るのであれば 文句はあるまいて。 105 00:06:24,985 --> 00:06:27,821 あの程度では どうせ死なんしな。 106 00:06:27,821 --> 00:06:29,823 フフフフフフ…。 107 00:06:29,823 --> 00:06:33,326 我は お前のことを 少し誤解していたようだ。 108 00:06:33,326 --> 00:06:36,830 これは何か 褒美をやらねばな。 109 00:06:36,830 --> 00:06:40,333 褒美…。 110 00:06:40,333 --> 00:06:43,336 その… ペルギウス様から➨ 111 00:06:43,336 --> 00:06:46,506 戦うためのすべを 学ばせていただけないでしょうか。 112 00:06:46,506 --> 00:06:50,343 フン。 アトーフェに触発されたのか? 113 00:06:50,343 --> 00:06:52,345 それとも欲が出たか? 114 00:06:52,345 --> 00:06:54,347 いえ ただ…。 115 00:06:54,347 --> 00:06:58,051 家族を守れるだけの力が 欲しいと思っただけです。 116 00:06:59,953 --> 00:07:03,790 一応 我と連絡を取るための 道具をやろう。 117 00:07:03,790 --> 00:07:06,092 シルヴァリル。 118 00:07:08,628 --> 00:07:11,298 (ペルギウス)それを我と ゆかりのある場所で使えば➨ 119 00:07:11,298 --> 00:07:16,469 クリアナイトが聞き届け アルマンフィが迎えにいくであろう。 120 00:07:16,469 --> 00:07:20,807 《何か困ったときに 助けてくれる ということだろうか》 121 00:07:20,807 --> 00:07:22,809 お前も席に着くがいい。 122 00:07:22,809 --> 00:07:25,979 まだしばらく話そうではないか。 123 00:07:25,979 --> 00:07:28,982 《ペルギウスは 話してみると➨ 124 00:07:28,982 --> 00:07:31,484 なかなかにおもしろい人物だった。 125 00:07:31,484 --> 00:07:35,488 俺自身は知識不足で 話に ついていけていないが➨ 126 00:07:35,488 --> 00:07:39,326 彼の話を聞いているだけでも 興味がそそられる》 127 00:07:39,326 --> 00:07:42,829 ペルギウス様 近々 師匠の作った人形を➨ 128 00:07:42,829 --> 00:07:45,498 市場に出そうと 思っているのですが➨ 129 00:07:45,498 --> 00:07:48,668 忌憚のない意見を お聞かせ願えませぬか? 130 00:07:48,668 --> 00:07:51,171 んっ? 貴様は➨ 131 00:07:51,171 --> 00:07:54,674 我が魔族嫌いだと知っていて 申しておるのか? 132 00:07:54,674 --> 00:07:58,345 さすが ペルギウス様 一目で言い当てるとは。 133 00:07:58,345 --> 00:08:01,614 《ペルギウスが魔族を憎悪している ことくらい➨ 134 00:08:01,614 --> 00:08:04,784 ザノバだって知っているだろうに どういうつもりだ?》 135 00:08:04,784 --> 00:08:08,955 こんなものを販売するなど… やめよ。 136 00:08:08,955 --> 00:08:11,124 しかしながら ペルギウス様も➨ 137 00:08:11,124 --> 00:08:13,293 この人形のモデルとなった人物には➨ 138 00:08:13,293 --> 00:08:16,463 借りがあるはず。 借りだと? 139 00:08:16,463 --> 00:08:19,966 んっ…。 あっ!? 140 00:08:19,966 --> 00:08:23,803 まさか この人形 ルイジェルド・スペルディアか? 141 00:08:23,803 --> 00:08:25,972 そのとおりでございます! 142 00:08:25,972 --> 00:08:29,809 以前 話してくださった ラプラスとの最終決戦…。 143 00:08:29,809 --> 00:08:32,645 そこで ペルギウス様方に 助太刀をしてくれた➨ 144 00:08:32,645 --> 00:08:35,482 あのルイジェルド殿でございます。 145 00:08:35,482 --> 00:08:39,652 無論 ペルギウス様が魔族のことを お嫌いだということは➨ 146 00:08:39,652 --> 00:08:41,821 重々に承知しております。 147 00:08:41,821 --> 00:08:44,324 ですが 師匠の技術が世に出れば➨ 148 00:08:44,324 --> 00:08:47,494 新たな芸術の旋風が 巻き起こるでしょう! 149 00:08:47,494 --> 00:08:49,829 見てみたくはありませぬか? 150 00:08:49,829 --> 00:08:52,999 芸術品のあふれる 素晴らしき世界を! 151 00:08:52,999 --> 00:08:55,335 スペルド族は嫌いだ。 152 00:08:55,335 --> 00:08:58,505 ヤツらは無垢の民を殺し尽くした。 153 00:08:58,505 --> 00:09:03,443 が ルイジェルドの助太刀なくば 我は生きてはいまい…。 154 00:09:03,443 --> 00:09:07,447 (ペルギウス)しかし う~む…。 155 00:09:07,447 --> 00:09:09,616 ペルギウス様 ルイジェルドさんは➨ 156 00:09:09,616 --> 00:09:11,951 自分のしでかしたことを 後悔しています。 157 00:09:11,951 --> 00:09:15,455 後悔? 彼は ラプラスに操られ➨ 158 00:09:15,455 --> 00:09:20,293 自分の一族の名誉を穢し 家族まで手にかけてしまった…。 159 00:09:20,293 --> 00:09:24,130 ラプラスか…。 (ルーデウス)彼は ラプラスを憎悪し➨ 160 00:09:24,130 --> 00:09:27,967 一族の名誉を取り戻すべく 世界を回っています。 161 00:09:27,967 --> 00:09:31,638 この人形は その手助けをするためのものです。 162 00:09:31,638 --> 00:09:34,808 彼のためにも 許可していただけませんか? 163 00:09:34,808 --> 00:09:39,646 スペルド族の名誉など 知ったことではないが…。 164 00:09:39,646 --> 00:09:43,149 借りは 返さねばならんな。 165 00:09:43,149 --> 00:09:46,986 おぉ では? 好きにするがいい。 166 00:09:46,986 --> 00:09:49,489 ご配慮 ありがとうございます。 167 00:09:49,489 --> 00:09:54,828 《これで スペルド族名誉回復計画は また一歩 前進した。 168 00:09:54,828 --> 00:09:57,163 待っててくれよ ルイジェルド》 169 00:09:57,163 --> 00:09:59,999 そうだ 師匠。 人形作りの工程を➨ 170 00:09:59,999 --> 00:10:02,669 ペルギウス様にお見せしては いかがでしょうか。 171 00:10:02,669 --> 00:10:05,839 人形作りを? 見せてみよ。 172 00:10:05,839 --> 00:10:08,174 貴様の魔術には興味がある。 173 00:10:08,174 --> 00:10:10,176 わかりました。 174 00:10:13,012 --> 00:10:15,181 これは シルヴァリルか? 175 00:10:15,181 --> 00:10:18,685 土魔術を こんなことに 使う者がいたとはな。 176 00:10:18,685 --> 00:10:20,687 驚きだ。 177 00:10:20,687 --> 00:10:23,690 注文をいただければ 何でもお作りしますよ? 178 00:10:23,690 --> 00:10:27,694 そうだな よきものが出来たならば 持ってこい。 179 00:10:27,694 --> 00:10:31,197 我が買い取ってやろう。 それでしたら➨ 180 00:10:31,197 --> 00:10:35,368 我らがアスラ王国にも 素晴らしい石細工師がございます。 181 00:10:35,368 --> 00:10:37,537 私が王になった際には➨ 182 00:10:37,537 --> 00:10:40,373 ペルギウス様の像を ご用意いたしましょう。 183 00:10:40,373 --> 00:10:44,043 フン。 貴族の見栄だけに作られた 石細工など➨ 184 00:10:44,043 --> 00:10:47,213 なんのおもしろみもないわ。 えっ…。 185 00:10:47,213 --> 00:10:51,718 王になったのなら 先にすることが あるのではないか? 186 00:10:51,718 --> 00:10:53,920 そ… それは…。 187 00:10:56,222 --> 00:10:58,558 (ペルギウス)アリエル・アネモイ・アスラよ。 188 00:10:58,558 --> 00:11:01,160 貴様にとって 王とはなんだ? 189 00:11:01,160 --> 00:11:04,831 真の王とは 何を表すと思う? 190 00:11:04,831 --> 00:11:08,001 それは… 知識を持ち➨ 191 00:11:08,001 --> 00:11:12,005 大臣の言葉に耳を貸し 王である自覚を持っていて…。 192 00:11:12,005 --> 00:11:14,007 違うな。 あっ! 193 00:11:14,007 --> 00:11:17,510 我が朋友 ガウニス・フリーアン・アスラは 真の王だが➨ 194 00:11:17,510 --> 00:11:20,013 そんな男ではなかったぞ。 195 00:11:20,013 --> 00:11:22,682 ヤツは臆病で 戦いは好まず➨ 196 00:11:22,682 --> 00:11:28,354 酒場の娘に色目を使う そんな男だった。 197 00:11:28,354 --> 00:11:32,358 だが ヤツは王として 最も重要な要素を持っていた。 198 00:11:32,358 --> 00:11:37,864 だからこそ 我はヤツが 真の王だと思っている。 199 00:11:37,864 --> 00:11:40,533 重要な要素とは…? 200 00:11:40,533 --> 00:11:45,538 それを自分の口から言えれば 我は貴様に手を貸してやろう。 201 00:11:45,538 --> 00:11:49,542 《なるほど。 アリエルは試されているのか》 202 00:11:49,542 --> 00:11:53,379 ルーデウスよ 貴様は何かわかるか? 203 00:11:53,379 --> 00:11:56,182 王とは何か… ですか? 204 00:11:58,551 --> 00:12:00,486 私だったら…。 205 00:12:00,486 --> 00:12:03,156 民の立場に立って 考えてくれる人が➨ 206 00:12:03,156 --> 00:12:06,159 王様になってくれたほうが うれしいですかね。 207 00:12:06,159 --> 00:12:08,161 ほう。 208 00:12:08,161 --> 00:12:11,364 この男はお前よりも マシな回答を出したぞ。 209 00:12:13,499 --> 00:12:17,604 考えるがいい アリエル・アネモイ・アスラよ。 210 00:12:21,841 --> 00:12:26,646 王として 最も重要な要素…。 211 00:12:29,515 --> 00:12:32,018 (シルフィエット)ただいま~。 (ドアの開く音) 212 00:12:32,018 --> 00:12:35,021 (アイシャ)はいは~い おかえりなさ~い! 213 00:12:35,021 --> 00:12:37,857 って お兄ちゃんに シルフィ姉! 214 00:12:37,857 --> 00:12:39,859 ただいま。 215 00:12:39,859 --> 00:12:43,363 もう終わったの? ナナホシさん 助かったの? 216 00:12:43,363 --> 00:12:47,200 それとも…。 (ロキシー)2人とも おかえりなさい。 217 00:12:47,200 --> 00:12:51,204 ただいま。 体調は大丈夫ですか? シルフィ。 218 00:12:51,204 --> 00:12:54,540 うん。 しばらく留守にしてて ごめんね。 219 00:12:54,540 --> 00:12:57,877 いいんですよ。 本当は ボクだけ➨ 220 00:12:57,877 --> 00:13:00,980 先に帰ってくるつもり だったんだけどね。 フッ。 221 00:13:00,980 --> 00:13:04,150 その様子だと うまくいったみたいですね。 222 00:13:04,150 --> 00:13:07,320 ああ。 詳しくは後で説明するよ。 223 00:13:07,320 --> 00:13:09,322 でも その前に。 (2人)んっ? 224 00:13:11,491 --> 00:13:14,327 ただいま。 あっ…。 225 00:13:14,327 --> 00:13:16,629 おかえりなさい。 226 00:13:19,332 --> 00:13:23,002 というわけで ナナホシのことは ひとまず大丈夫だ。 227 00:13:23,002 --> 00:13:25,505 ただ 母さんの症状については➨ 228 00:13:25,505 --> 00:13:27,840 結局 呪いらしい ということまでしか➨ 229 00:13:27,840 --> 00:13:30,176 わからなかった。 すまない。 230 00:13:30,176 --> 00:13:33,179 それだけでも大きな進展ですよ。 231 00:13:33,179 --> 00:13:38,518 これからは空中城塞に通いながら 治療法を探してみようと思う。 232 00:13:38,518 --> 00:13:43,189 ボクも アリエル様の護衛で しばらくは留守にすると思う。 233 00:13:43,189 --> 00:13:46,693 わかりました。 こちらは心配しないでください。 234 00:13:46,693 --> 00:13:50,863 ごめんね。 戻ってこれそうな日は こっちに帰るから。 235 00:13:50,863 --> 00:13:52,865 ルーシーのこと お願い。 236 00:13:52,865 --> 00:13:55,702 (リーリャ)家のこと すべて お任せください。 237 00:13:55,702 --> 00:13:57,704 ありがとうございます。 238 00:13:57,704 --> 00:14:00,640 フッ…。 報告は以上だ。 239 00:14:00,640 --> 00:14:03,042 また何かあったら共有する。 240 00:14:07,647 --> 00:14:10,149 《ペルギウスに会いに行ってから➨ 241 00:14:10,149 --> 00:14:13,653 短い間に ずいぶんといろいろあったな。 242 00:14:13,653 --> 00:14:18,157 ナナホシが倒れ 魔大陸に行って キシリカに会い➨ 243 00:14:18,157 --> 00:14:20,560 アトーフェを怒らせて…》 244 00:14:22,495 --> 00:14:24,664 強かったな。 245 00:14:24,664 --> 00:14:29,669 俺ももう少し 強くならなきゃな…。 246 00:14:29,669 --> 00:14:33,339 《そういう意味では ペルギウスから学ぶのは➨ 247 00:14:33,339 --> 00:14:36,008 いい方向性と 言えるかもしれない》 248 00:14:36,008 --> 00:14:40,513 あとは… なんだっけな。 249 00:14:40,513 --> 00:14:43,683 《考えることが多すぎて➨ 250 00:14:43,683 --> 00:14:46,352 古いほうから どんどん忘れてしまう。 251 00:14:46,352 --> 00:14:50,022 これでは また似たような失敗を 繰り返しそうだ》 252 00:14:50,022 --> 00:14:52,859 よし 日記をつけるか。 253 00:14:52,859 --> 00:14:54,861 《よし 書こう。 254 00:14:54,861 --> 00:14:57,163 今すぐ書こう》 (風呂からあがる音) 255 00:15:05,471 --> 00:15:08,775 ハッ…。 よし! 256 00:15:13,146 --> 00:15:16,315 さて 何から書くかな。 257 00:15:16,315 --> 00:15:19,652 《日記なんて いつ以来だろうか》 258 00:15:19,652 --> 00:15:23,156 今回は 三日坊主にならなきゃいいな。 259 00:15:32,665 --> 00:15:34,667 (ヒトガミ)やぁ! 260 00:15:34,667 --> 00:15:36,836 (前世の男)お前…。 261 00:15:36,836 --> 00:15:39,672 ってことは 俺は寝ちまったのか。 262 00:15:39,672 --> 00:15:43,676 久しぶりだね。 ああ。 冒険者やってた頃は➨ 263 00:15:43,676 --> 00:15:46,512 3年間 一度も 出てこなかったもんな お前。 264 00:15:46,512 --> 00:15:49,682 あのころは俺も いろいろと すさんでたが…。 265 00:15:49,682 --> 00:15:52,351 そうだね。 それに比べて➨ 266 00:15:52,351 --> 00:15:55,855 最近の君は ずいぶんと調子がよさそうだ。 267 00:15:55,855 --> 00:15:59,525 まぁな。 結婚して 家族と仲よくして➨ 268 00:15:59,525 --> 00:16:03,296 確かに 前世とは 比べられないぐらい充実してる。 269 00:16:03,296 --> 00:16:06,299 ペルギウスとも知り合いになったしね。 270 00:16:06,299 --> 00:16:09,302 ペルギウスか。 すごい人だよな。 271 00:16:09,302 --> 00:16:11,471 アトーフェにも気に入られたし。 272 00:16:11,471 --> 00:16:15,141 いや~ それはちょっと 気に入られたくなかったな。 273 00:16:15,141 --> 00:16:18,311 ロキシーに水王級魔術を 習ってなければ➨ 274 00:16:18,311 --> 00:16:22,481 ヤバかったかもしれない。 そうだね あの魔術はすごいよ。 275 00:16:22,481 --> 00:16:26,652 闘気を無視して 肉を物理的に 麻痺させる魔術なんて➨ 276 00:16:26,652 --> 00:16:28,654 そうそうないからね。 277 00:16:28,654 --> 00:16:31,157 闘気? なんだそりゃ。 278 00:16:31,157 --> 00:16:35,995 体の中の魔力を使って 身体能力を上げる技術のことだよ。 279 00:16:35,995 --> 00:16:38,998 極めていくと 動きも俊敏になるし➨ 280 00:16:38,998 --> 00:16:42,168 並大抵のことでは 傷つかなくなるみたいだよ。 281 00:16:42,168 --> 00:16:46,339 体を鍛えていれば しぜんと 使えるようになるらしいよ? 282 00:16:46,339 --> 00:16:49,175 俺だって そこそこ 鍛えてるつもりだが➨ 283 00:16:49,175 --> 00:16:51,177 使えたことなんてないぞ。 284 00:16:51,177 --> 00:16:54,013 たまにいるんだよ。 どれだけ鍛えても➨ 285 00:16:54,013 --> 00:16:56,182 闘気をまとえない人間。 286 00:16:56,182 --> 00:16:58,351 才能ってやつだね。 287 00:16:58,351 --> 00:17:00,286 そりゃどうも。 288 00:17:00,286 --> 00:17:02,288 落ち込むことはないよ。 289 00:17:02,288 --> 00:17:05,458 君の魔術は そんな闘気を無視できるんだ。 290 00:17:05,458 --> 00:17:08,461 きっと オルステッドにも 通用するだろうね。 291 00:17:08,461 --> 00:17:10,630 そうなのか…。 って➨ 292 00:17:10,630 --> 00:17:12,965 俺は オルステッドとやる気はないぞ。 293 00:17:12,965 --> 00:17:15,468 恨みはないしな。 そうかい? 294 00:17:15,468 --> 00:17:19,305 そういえば ベガリット大陸のときは助かったよ。 295 00:17:19,305 --> 00:17:22,475 後悔してないと言えば ウソになるが…。 296 00:17:22,475 --> 00:17:24,644 でも 悪くはなかった。 297 00:17:24,644 --> 00:17:27,480 お前の助言には 従わなかったけどな。 298 00:17:27,480 --> 00:17:29,982 まぁ それも君の選択だよ。 299 00:17:29,982 --> 00:17:32,318 一応 聞いておくけど。 300 00:17:32,318 --> 00:17:35,154 俺が行かなかった場合 どうなったんだ? 301 00:17:35,154 --> 00:17:39,492 行かなかったら 君の父親は なんとかして母親を助けたし➨ 302 00:17:39,492 --> 00:17:41,494 死ぬこともなかった。 303 00:17:41,494 --> 00:17:46,165 そして君は 獣族の姫君を 2人とも自分のモノにして➨ 304 00:17:46,165 --> 00:17:49,835 幸せに暮らしていたよ。 なんだそりゃ…。 305 00:17:49,835 --> 00:17:53,339 俺が行ったせいで パウロが死んだってことか? 306 00:17:53,339 --> 00:17:56,342 そうだよ。 君がいて➨ 307 00:17:56,342 --> 00:17:59,178 君に いいところを見せようと 彼が張り切って➨ 308 00:17:59,178 --> 00:18:01,614 それで ダメになったじゃないか。 309 00:18:01,614 --> 00:18:05,284 いや でも そんな…。 310 00:18:05,284 --> 00:18:09,455 放っておいても 彼はきちんと 母親を救い出したさ。 311 00:18:09,455 --> 00:18:11,791 もちろん ロキシーもね。 312 00:18:11,791 --> 00:18:14,627 ちょっと信じられないな。 313 00:18:14,627 --> 00:18:16,963 うまくいき過ぎだろ それは。 314 00:18:16,963 --> 00:18:21,300 かもね。 でも そんなもんだよ 運命ってのは。 315 00:18:21,300 --> 00:18:23,302 そっか…。 316 00:18:23,302 --> 00:18:26,305 俺 いないほうがよかったのか…。 317 00:18:26,305 --> 00:18:29,642 クソッ そう言われると へこむな。 318 00:18:29,642 --> 00:18:32,144 過ぎたことさ。 319 00:18:32,144 --> 00:18:35,815 そうだな。 後悔してもしようがない。 320 00:18:35,815 --> 00:18:38,985 俺は今 幸せを感じている。 321 00:18:38,985 --> 00:18:43,322 選択肢は間違えたかもしれないが それは事実だ。 322 00:18:43,322 --> 00:18:45,992 俺にとっては マイナスだけじゃなかった。 323 00:18:45,992 --> 00:18:47,994 そう思おう。 324 00:18:47,994 --> 00:18:49,996 前向きだね。 325 00:18:49,996 --> 00:18:52,331 ところで 今日はどうしたんだ? 326 00:18:52,331 --> 00:18:54,500 また助言でも言いにきたのか? 327 00:18:54,500 --> 00:18:58,170 いや 助言というより 頼みに近いかな。 328 00:18:58,170 --> 00:19:00,606 頼み? 珍しいな。 329 00:19:00,606 --> 00:19:03,275 僕だってたまには 頼みぐらいするさ。 330 00:19:03,275 --> 00:19:06,946 まぁいいか。 たまには お前の助言を➨ 331 00:19:06,946 --> 00:19:10,616 そのまま素直に実行するのも いいだろうとは思ってたんだ。 332 00:19:10,616 --> 00:19:14,120 おっ そうかい? そう言ってくれると助かるよ。 333 00:19:14,120 --> 00:19:16,789 まっ 散々 助けてもらったからな。 334 00:19:16,789 --> 00:19:19,625 むしろ 今まで疑ってて 悪かったよ。 335 00:19:19,625 --> 00:19:21,961 僕はこれでも神様なんだよ? 336 00:19:21,961 --> 00:19:25,631 誰かを陥れて喜ぶ趣味は ないつもりさ。 337 00:19:25,631 --> 00:19:29,802 だよな。 で 何をすればいいんだ? 338 00:19:29,802 --> 00:19:31,804 大したことじゃないよ。 339 00:19:31,804 --> 00:19:34,306 今からちょっと地下室に行って➨ 340 00:19:34,306 --> 00:19:36,642 異常がないか見てきてほしいんだ。 341 00:19:36,642 --> 00:19:40,312 何もなかったらなかったで それでいいんだけどさ。 342 00:19:40,312 --> 00:19:43,315 異常がないか? なんで…。 343 00:19:43,315 --> 00:19:45,317 いや わかった。 344 00:19:45,317 --> 00:19:49,321 今回は何も疑わず お前の言うとおりにしてみるよ。 345 00:19:49,321 --> 00:19:52,992 フフ そうかい。 んっ? 346 00:19:52,992 --> 00:19:57,163 (ノイズ) 347 00:19:57,163 --> 00:20:00,166 ありがとう…。 348 00:20:05,504 --> 00:20:07,606 んっ…。 349 00:20:10,176 --> 00:20:12,678 シルフィか ロキシーかな? 350 00:20:12,678 --> 00:20:16,015 起こしてくれてよかったのに。 351 00:20:16,015 --> 00:20:18,818 (風の音) 352 00:20:23,022 --> 00:20:27,359 さてと。 クシュッ うぅ 寒っ…。 353 00:20:27,359 --> 00:20:30,863 地下室の様子を見てこい だったよな。 354 00:20:30,863 --> 00:20:33,365 よくわからない助言だけど…。 355 00:20:33,365 --> 00:20:37,203 まさか 我が家のご神体に 何かあるのか? 356 00:20:37,203 --> 00:20:39,538 って そんなわけないか。 357 00:20:39,538 --> 00:20:41,540 んっ? 358 00:20:45,878 --> 00:20:47,880 あっ! 359 00:20:47,880 --> 00:20:51,550 (風の音) 360 00:20:51,550 --> 00:20:53,552 気のせいか。 361 00:20:53,552 --> 00:20:55,554 (ドアの開く音) 362 00:20:55,554 --> 00:20:57,890 と 見せかけて そこだ! 363 00:20:57,890 --> 00:21:00,993 なんてな…。 364 00:21:00,993 --> 00:21:02,995 えっ…? 365 00:21:02,995 --> 00:21:07,500 成功… したのか? 366 00:21:07,500 --> 00:21:11,170 いや… 失敗か。 367 00:21:11,170 --> 00:21:14,673 成功するはずもないか…。 368 00:21:14,673 --> 00:21:16,842 だ… 誰だ? 369 00:21:16,842 --> 00:21:21,180 もしかして ヒトガミか? 370 00:21:21,180 --> 00:21:23,182 ハッ! (ドアの閉まる音) 371 00:21:23,182 --> 00:21:25,184 地下室には行くな。 372 00:21:25,184 --> 00:21:28,521 お前は今 ヒトガミにだまされた。 373 00:21:28,521 --> 00:21:32,525 ちょっと待ってくれ アンタは誰なんだ? 374 00:21:32,525 --> 00:21:34,693 どこから入ってきたんだ? 375 00:21:34,693 --> 00:21:37,096 俺は…。 376 00:21:39,532 --> 00:21:41,700 俺の名は…。 377 00:21:41,700 --> 00:21:47,039 (風の音) 378 00:21:47,039 --> 00:21:52,211 《それは この世界で 俺だけが知っている名前だった。 379 00:21:52,211 --> 00:21:56,715 俺が死ぬまで 俺しか 知らないはずの名前だった。 380 00:21:56,715 --> 00:21:59,385 思い出したくもない名前だった。 381 00:21:59,385 --> 00:22:03,155 この世界に存在しない者の 名前だった。 382 00:22:03,155 --> 00:22:08,160 それは 前世の俺の名前だった》 383 00:22:08,160 --> 00:22:12,064 俺は 未来から来た。