1 00:00:02,502 --> 00:00:04,838 (ルーデウス)未来…。 2 00:00:04,838 --> 00:00:07,508 (ルーデウス)未来の俺… ってことか? 3 00:00:07,508 --> 00:00:13,313 (老ルーデウス)そう。 俺は今から だいたい50年後の お前だ。 4 00:00:15,515 --> 00:00:19,520 いきなり そんなこと言われて 信じられるはずないだろう。 5 00:00:19,520 --> 00:00:23,523 俺は お前の かつての名前を知っていた。 6 00:00:23,523 --> 00:00:26,860 信じる理由は それだけじゃ足りないか? 7 00:00:26,860 --> 00:00:29,529 この世界には魔術ってもんがある。 8 00:00:29,529 --> 00:00:32,032 記憶ぐらい読めても 不思議じゃない。 9 00:00:32,032 --> 00:00:35,202 魔術で人の記憶が読めるなら➨ 10 00:00:35,202 --> 00:00:38,906 タイムスリップがあっても おかしくはないだろう? 11 00:00:42,376 --> 00:00:44,378 悪いが お前に➨ 12 00:00:44,378 --> 00:00:48,715 過去転移魔術の理論を 説明している暇はない。 13 00:00:48,715 --> 00:00:54,721 ハリウッド映画みたいな言葉で悪いが 本当に時間がない。 聞いてくれ。 14 00:00:54,721 --> 00:00:56,890 ハリウッド映画って…。 15 00:00:56,890 --> 00:00:59,893 本当に 俺なのか? 16 00:00:59,893 --> 00:01:02,663 けど…。 17 00:01:02,663 --> 00:01:05,832 地下室には何もない。 あっ…。 18 00:01:05,832 --> 00:01:09,836 俺は地下室に行って 何もないと思った。 19 00:01:09,836 --> 00:01:12,339 そして後日 ヒトガミから➨ 20 00:01:12,339 --> 00:01:14,675 「何もなかったんなら いいよ」➨ 21 00:01:14,675 --> 00:01:18,345 という言葉を聞いて 安心することになる。 22 00:01:18,345 --> 00:01:21,014 でも それは間違いだ。 23 00:01:21,014 --> 00:01:25,686 間違い? 地下室に行って数週間後➨ 24 00:01:25,686 --> 00:01:29,523 ロキシーが死ぬ。 25 00:01:29,523 --> 00:01:32,025 は…? 26 00:01:43,036 --> 00:01:45,205 あっ…。 27 00:01:45,205 --> 00:01:47,207 ロキシーが死ぬ? 28 00:01:47,207 --> 00:01:49,710 なんで地下室に行くだけで そうなるんだよ!? 29 00:01:49,710 --> 00:01:55,115 まぁそう思うよな。 いいか 落ち着いて聞け。 30 00:01:57,050 --> 00:02:00,988 たぶんだが 地下室にはネズミがいる。 31 00:02:00,988 --> 00:02:03,490 病気になったネズミだ。 32 00:02:03,490 --> 00:02:09,997 ネズミは地下室の扉を開けたお前に 驚き 逃げる。 台所へとな。 33 00:02:09,997 --> 00:02:14,167 そして 昨日の飯の 食い残しをあさる。 34 00:02:14,167 --> 00:02:18,338 その食い残しは 翌日にはアイシャの手で➨ 35 00:02:18,338 --> 00:02:21,341 野良猫に分け与えられ なくなる。 36 00:02:21,341 --> 00:02:28,515 だがその前に 小腹のすいたロキシーが その食い残しを少しつまむ。 37 00:02:28,515 --> 00:02:33,186 その結果 ネズミの持っていた病気に感染する。 38 00:02:33,186 --> 00:02:37,691 病気? 魔石病だ。 39 00:02:37,691 --> 00:02:44,364 体が しだいに魔石と化していき やがて死に至るという難病だ。 40 00:02:44,364 --> 00:02:46,366 最初は気付かない。 41 00:02:46,366 --> 00:02:51,538 何せ 人間は魔石病には めったにかからないからな。 42 00:02:51,538 --> 00:02:58,378 あの病原菌は体の中に宿る もう一つの生命にしか感染しない。 43 00:02:58,378 --> 00:03:00,647 もう一つの生命…? 44 00:03:00,647 --> 00:03:03,483 ハッ! まさか…。 45 00:03:03,483 --> 00:03:06,820 胎児だ。 あっ…。 46 00:03:06,820 --> 00:03:11,825 いや でも ロキシーはまだ…。 妊娠してるはずだ。 47 00:03:11,825 --> 00:03:17,497 けど それはいい やることやってんだ 当然だろ。 48 00:03:17,497 --> 00:03:21,501 魔石病は ネズミをキャリアにしている。 49 00:03:21,501 --> 00:03:26,173 歯が紫色の結晶になっているから 一目でわかる。 50 00:03:26,173 --> 00:03:29,676 感染経路は経口感染のみ。 51 00:03:29,676 --> 00:03:35,348 病原菌は胎児を作り替えて 母体ごと魔石化させる。 52 00:03:35,348 --> 00:03:39,519 そんな病気に ロキシーがかかるってのか? 53 00:03:39,519 --> 00:03:45,025 これから 何も考えずに地下室に行けば➨ 54 00:03:45,025 --> 00:03:48,195 数日以内に ロキシーは熱を出す。 55 00:03:48,195 --> 00:03:50,197 そして…。 56 00:03:50,197 --> 00:03:52,899 死ぬ。 ハァッ…! 57 00:03:54,868 --> 00:03:58,038 治らなかったのか? 治そうとはしたんだろ? 58 00:03:58,038 --> 00:04:03,977 俺は なんとか助けようと ミリス神聖国まで行き➨ 59 00:04:03,977 --> 00:04:09,483 神級解毒魔術の詠唱を 手に入れることに成功した。 60 00:04:09,483 --> 00:04:12,152 だが 帰ってきたときには➨ 61 00:04:12,152 --> 00:04:14,821 すでに遅かった…。 そんな…。 62 00:04:14,821 --> 00:04:16,823 んっ…。 ハッ! 63 00:04:16,823 --> 00:04:21,161 それから一連の出来事が つながるのは 更に30年後。 64 00:04:21,161 --> 00:04:23,497 ヒトガミの言葉からだ。 65 00:04:23,497 --> 00:04:26,500 ヤツの言葉に惑わされるな。 66 00:04:26,500 --> 00:04:30,837 前世の知識がある お前なら そのくらいわかるだろう。 67 00:04:30,837 --> 00:04:36,042 ヤツこそが諸悪の根源 ラスボスだ。 68 00:04:39,846 --> 00:04:43,517 でも なんでその… ロキシーを? 69 00:04:43,517 --> 00:04:47,020 わからない いまだにな。 70 00:04:47,020 --> 00:04:51,024 だが 目的があったのは確かだ。 71 00:04:51,024 --> 00:04:54,694 ヤツが 最後にこう言ったんだ。 72 00:04:54,694 --> 00:04:57,197 「君がバカなおかげで➨ 73 00:04:57,197 --> 00:05:02,636 僕の思いどおりに事が進んだよ」 ってな。 クソッ…。 74 00:05:02,636 --> 00:05:07,307 ヒトガミが そんなことを…。 ヤツの目的については➨ 75 00:05:07,307 --> 00:05:09,810 もしかすると オルステッドあたりなら➨ 76 00:05:09,810 --> 00:05:12,646 何か知っているのかも しれないが…。 77 00:05:12,646 --> 00:05:16,650 俺は 50年間会えなかった。 あっ! 78 00:05:16,650 --> 00:05:20,053 ナナホシは オルステッドの居場所を 知らなかったのか? 79 00:05:23,156 --> 00:05:26,159 ナナホシは どうなったんだ? 80 00:05:26,159 --> 00:05:31,331 最後の最後で 実験に失敗するんだ。 81 00:05:31,331 --> 00:05:34,334 それで 落ち込んで。 82 00:05:34,334 --> 00:05:39,506 俺は フォローに失敗して… それで…。 83 00:05:39,506 --> 00:05:43,009 わかった。 もう いい…。 84 00:05:43,009 --> 00:05:45,679 ああ 俺も言いたくない。 85 00:05:45,679 --> 00:05:47,848 ハァ…。 86 00:05:47,848 --> 00:05:51,184 いいか お前も知ることになるが➨ 87 00:05:51,184 --> 00:05:54,187 ヒトガミは もともと そう呼ばれていない。 88 00:05:54,187 --> 00:05:56,189 どういう意味だ? 89 00:05:56,189 --> 00:06:00,460 「ジンシン」。 かつてヤツは そう呼ばれていたらしい。 90 00:06:00,460 --> 00:06:03,630 だが今は ヒトガミを名乗っている。 91 00:06:03,630 --> 00:06:06,466 なぜそんなことを? 知るか。 92 00:06:06,466 --> 00:06:09,469 どうせ ろくでもない理由に 決まってる。 93 00:06:09,469 --> 00:06:11,972 ヤツは一見すると➨ 94 00:06:11,972 --> 00:06:16,142 俺のためになるようなこと ばかりを口にしてきた。 95 00:06:16,142 --> 00:06:20,814 確かに 今この瞬間まで ウソはついてこなかった。 96 00:06:20,814 --> 00:06:24,484 俺にわかるようなウソはな。 97 00:06:24,484 --> 00:06:27,988 それもこれも この一回のため➨ 98 00:06:27,988 --> 00:06:33,159 うたぐり深いお前が なんのためらいもなく従う➨ 99 00:06:33,159 --> 00:06:35,495 この瞬間のためにだ…! 100 00:06:35,495 --> 00:06:38,164 あっ! だまされるな! 101 00:06:38,164 --> 00:06:40,166 漫画で読んだだろ? 102 00:06:40,166 --> 00:06:44,838 信じる 信じないを口にするヤツは 必ずウソをつくんだ。 103 00:06:44,838 --> 00:06:46,840 そりゃ わかるけど…。 104 00:06:46,840 --> 00:06:48,842 わかっていない! 105 00:06:48,842 --> 00:06:52,012 ロキシーの次は 次は…。 106 00:06:52,012 --> 00:06:54,114 シルフィだぞ! 107 00:06:58,184 --> 00:07:00,954 ハァ… ハァ…。 108 00:07:00,954 --> 00:07:04,457 ロキシーを失って傷心のお前は➨ 109 00:07:04,457 --> 00:07:07,961 シルフィのことが しばらく考えられなくなる。 110 00:07:07,961 --> 00:07:10,630 シルフィは傷つき鬱になり➨ 111 00:07:10,630 --> 00:07:15,802 そこにヒトガミが ルークを操って付け入る。 ルークを? 112 00:07:15,802 --> 00:07:18,638 ルークが アリエルに進言し➨ 113 00:07:18,638 --> 00:07:22,809 シルフィは俺を捨てて アスラ王国に行ってしまう。 114 00:07:22,809 --> 00:07:27,314 ペルギウスの取り込みに失敗した アリエルと共にだ! 115 00:07:27,314 --> 00:07:32,152 アリエルは内乱を起こし… そして敗北する。 116 00:07:32,152 --> 00:07:34,654 シルフィは 戦死だ。 117 00:07:34,654 --> 00:07:37,490 死ぬ? シルフィが? 118 00:07:37,490 --> 00:07:41,661 お前はあの2人を 失うんだよ…! 119 00:07:41,661 --> 00:07:47,500 あぁ 種明かしのときのヤツの声が 今でも耳に残っている。 120 00:07:47,500 --> 00:07:51,171 「お疲れさん」と 肩を叩かれたときの感触が➨ 121 00:07:51,171 --> 00:07:54,007 甲高い笑い声が…。 122 00:07:54,007 --> 00:07:59,679 グッソ…! ぢくしょ~! 123 00:07:59,679 --> 00:08:03,450 ハァ ハァ もう一度言う。 124 00:08:03,450 --> 00:08:08,455 ヤツを信用するな。 後悔することになるぞ。 グッ…。 125 00:08:08,455 --> 00:08:11,458 クククッ…! ハァ… ハァ…。 126 00:08:11,458 --> 00:08:16,629 とはいえ 何をしていいか わからないだろう。 127 00:08:16,629 --> 00:08:19,966 まずはそうだな エリスのことだ。 128 00:08:19,966 --> 00:08:21,968 エリス? 129 00:08:21,968 --> 00:08:25,972 アイツに 今すぐに 手紙を書いてやってほしい。 130 00:08:25,972 --> 00:08:30,643 まぁちょっと浮気したけど お前のことは愛してるって。 131 00:08:30,643 --> 00:08:34,314 愛してない。 俺はアイツのせいで 不能になったんだぞ。 132 00:08:34,314 --> 00:08:39,319 許してやれよ。 それが男の器ってもんだろ? 133 00:08:39,319 --> 00:08:41,988 っても 俺は許せなくて➨ 134 00:08:41,988 --> 00:08:47,327 何年もアイツと対立することに なったんだけどな。 対立? 135 00:08:47,327 --> 00:08:51,831 何度も何度も エリスに殺されかけたよ。 136 00:08:51,831 --> 00:08:55,001 アイツは俺をどこまでも追ってきて➨ 137 00:08:55,001 --> 00:08:58,505 見かけるたびに 全力での戦闘になった。 138 00:08:58,505 --> 00:09:04,944 けど まぁ 手加減してたんだな。 アイツがその気になれば➨ 139 00:09:04,944 --> 00:09:08,448 いくらでも 俺を殺す方法はあったのに。 140 00:09:08,448 --> 00:09:12,285 それどころか 俺がピンチになると➨ 141 00:09:12,285 --> 00:09:15,121 陰ながら助けてくれたもんだ。 142 00:09:15,121 --> 00:09:20,126 まるで野菜の国の 王子様みたいなヤツだな。 143 00:09:20,126 --> 00:09:22,462 フッ… アイツは➨ 144 00:09:22,462 --> 00:09:25,465 ずっと俺のことが好きだったんだ。 145 00:09:25,465 --> 00:09:29,469 でも 口下手で どうしていいかわからないから➨ 146 00:09:29,469 --> 00:09:32,806 結局 殴るしかできなかったんだ。 147 00:09:32,806 --> 00:09:36,643 そりゃ エリスのことが 好きだった時期もあったけど➨ 148 00:09:36,643 --> 00:09:39,312 俺には シルフィとロキシーが…。 149 00:09:39,312 --> 00:09:41,314 問題ないさ。 んっ…。 150 00:09:41,314 --> 00:09:46,152 2人なら 事前に説明しておけば 納得はする。 151 00:09:46,152 --> 00:09:51,491 お前だって 本当のところは まだエリスが好きだろう? 152 00:09:51,491 --> 00:09:53,993 あっ…。 153 00:09:53,993 --> 00:09:55,995 んなこといったって…。 154 00:09:55,995 --> 00:10:01,167 好きって言ってくれる女を 全員囲う。 いいじゃねえか。 155 00:10:01,167 --> 00:10:04,504 ひと事だと思って 勝手なことを言うなよ。 156 00:10:04,504 --> 00:10:09,175 俺は誰も手元に残っていない。 157 00:10:09,175 --> 00:10:14,347 自分のことだから言ってるんだよ。 158 00:10:14,347 --> 00:10:20,019 エリスは俺のそばにいるために ず~っと頑張ってたんだ。 159 00:10:20,019 --> 00:10:24,858 受け入れてやらなきゃ アイツの努力はなんだったんだ。 160 00:10:24,858 --> 00:10:28,695 そうギレーヌに 責められることになるぞ。 161 00:10:28,695 --> 00:10:32,031 エリスの なきがらの前でな。 162 00:10:32,031 --> 00:10:34,200 ハッ…。 163 00:10:34,200 --> 00:10:36,703 エリスも 死ぬのか…? 164 00:10:36,703 --> 00:10:43,042 ああ 戦いの中で 俺をかばってな。 165 00:10:43,042 --> 00:10:48,715 いいか 絶対に手紙を送れ。 後悔したくなかったらな…。 166 00:10:48,715 --> 00:10:52,719 あっ ああ…。 まぁそう言うなら送るけど。 167 00:10:52,719 --> 00:10:55,054 でも どこに送るんだよ。 168 00:10:55,054 --> 00:10:59,559 剣の聖地だよ。 うすうす感づいてただろ。 169 00:10:59,559 --> 00:11:03,496 突き放すようなことは書くなよ。 170 00:11:03,496 --> 00:11:08,001 エリスが自暴自棄になったら お前 殺されるぞ。 171 00:11:08,001 --> 00:11:11,170 わかってるよ。 フッ…。 172 00:11:11,170 --> 00:11:13,840 俺は わからなかったさ…。 173 00:11:13,840 --> 00:11:18,845 エリスがどういうヤツか 知っているつもりだったのに。 174 00:11:18,845 --> 00:11:22,849 アイツは俺を捨てたつもりなんて なかったんだ。 175 00:11:22,849 --> 00:11:26,186 だが 俺には それがわからなかった。 176 00:11:26,186 --> 00:11:32,358 そうして すれ違って 不幸を生むんだ。 177 00:11:32,358 --> 00:11:34,527 ハァ…。 178 00:11:34,527 --> 00:11:39,032 重要なことを言い忘れていたが ヒトガミとは敵対するな。 179 00:11:39,032 --> 00:11:42,368 敵対するなって だましてたんだろ? 180 00:11:42,368 --> 00:11:45,872 ああ。 でも ヒトガミには勝てない。 181 00:11:45,872 --> 00:11:50,577 俺では ヒトガミのところには たどりつけないんだ。 182 00:11:52,545 --> 00:11:55,882 それがわかったときは震えたよ。 183 00:11:55,882 --> 00:12:02,488 俺は ロキシーやシルフィの敵を 取ることすらできないんだ。 184 00:12:02,488 --> 00:12:04,991 あっ! ヤツを倒すために➨ 185 00:12:04,991 --> 00:12:08,828 こんなに頑張ったのにさ 届かないんだぜ? 186 00:12:08,828 --> 00:12:12,665 俺の手の届く範囲に ヤツは来ないんだ。 187 00:12:12,665 --> 00:12:15,001 宙に浮くこともできるし➨ 188 00:12:15,001 --> 00:12:18,338 遠くの相手に 通信することもできる。 189 00:12:18,338 --> 00:12:21,507 それどころか 時間すら飛び越えて➨ 190 00:12:21,507 --> 00:12:24,344 過去に飛べるようにまでなった…。 191 00:12:24,344 --> 00:12:28,181 まぁ この魔術は失敗だがな。 192 00:12:28,181 --> 00:12:30,350 失敗? 193 00:12:30,350 --> 00:12:33,853 この世界の魔術ってのは万能だ。 194 00:12:33,853 --> 00:12:37,690 そこに気付けば だいたい なんだってできる。 195 00:12:37,690 --> 00:12:41,027 失った腕を生やすことだってな。 196 00:12:41,027 --> 00:12:45,698 だが こんな力 もうなんの意味もない。 197 00:12:45,698 --> 00:12:48,534 俺が強くなったとき➨ 198 00:12:48,534 --> 00:12:53,873 守りたいヤツは誰一人として 残っていなかった。 うっ…。 199 00:12:53,873 --> 00:12:56,042 おっ おい! (うめき声) 200 00:12:56,042 --> 00:13:00,480 どこか悪いのか? ハァ… ハァ…。 201 00:13:00,480 --> 00:13:03,816 いいか もう一度言うぞ。 202 00:13:03,816 --> 00:13:07,820 ヒトガミには勝てない。 勝つ方法がない。 203 00:13:07,820 --> 00:13:13,493 だから こびへつらってでもいい アイツと敵対するな。 204 00:13:13,493 --> 00:13:18,498 いいように やられるだけだ…。 205 00:13:18,498 --> 00:13:22,335 お前がやるべきことは 3つだ。 206 00:13:22,335 --> 00:13:27,340 ナナホシに相談しろ。 エリスに手紙を送れ。 207 00:13:27,340 --> 00:13:31,511 ヒトガミを疑い でも敵対はするな。 208 00:13:31,511 --> 00:13:34,347 いきなりそんなことを 言われても…。 209 00:13:34,347 --> 00:13:37,350 もっと具体的なアドバイスとか ないのか? 210 00:13:37,350 --> 00:13:39,352 アドバイスね。 211 00:13:39,352 --> 00:13:42,355 ハッ 懐かしいな。 212 00:13:42,355 --> 00:13:46,693 そういや このころの俺は たるんでいたなぁ…。 213 00:13:46,693 --> 00:13:52,865 まぁ俺としても もっと細かく 教えてやりたいところだが…。 214 00:13:52,865 --> 00:13:54,867 時間切れだ…。 215 00:13:54,867 --> 00:13:58,705 時間はないとか 時間切れって さっきからなんなんだ。 216 00:13:58,705 --> 00:14:00,973 深夜アニメでも始まるのか? 217 00:14:00,973 --> 00:14:05,144 いいや… 終わるんだよ。 218 00:14:05,144 --> 00:14:09,482 っていうか あんまり他人に甘えるなよ。 219 00:14:09,482 --> 00:14:11,818 こっちの世界に来た頃は➨ 220 00:14:11,818 --> 00:14:15,988 そんな誰かに頼ってばっかりじゃ なかっただろう…。 221 00:14:15,988 --> 00:14:21,994 それに こうして俺が来たことで 歴史は変わったはずだ。 222 00:14:21,994 --> 00:14:26,999 そして 過去転移が こういう形になった以上➨ 223 00:14:26,999 --> 00:14:30,670 俺の歩んできた歴史は 変わらない…。 224 00:14:30,670 --> 00:14:34,674 グゥッ…! ハァ… ハァ… ハァ…。 225 00:14:34,674 --> 00:14:40,513 お前は… 俺とは 違う人生を… 送るだろう。 226 00:14:40,513 --> 00:14:44,350 今までどおり 成功もすれば➨ 227 00:14:44,350 --> 00:14:46,686 失敗もする…。 228 00:14:46,686 --> 00:14:51,023 反省もするし… 後悔もする…。 229 00:14:51,023 --> 00:14:53,693 グッ…! 230 00:14:53,693 --> 00:14:55,895 おい 大丈夫か!? 231 00:14:58,698 --> 00:15:02,635 俺が… 未来から来たからって➨ 232 00:15:02,635 --> 00:15:07,306 失敗に取り返しがつくとは 思うなよ。 233 00:15:07,306 --> 00:15:13,813 本当は 人生に やり直しは ないんだ…。 234 00:15:13,813 --> 00:15:18,317 俺の経験したことが書いてある…。 235 00:15:18,317 --> 00:15:23,656 お前は… 後悔しないように 頑張ってくれ…。 236 00:15:23,656 --> 00:15:32,331 あんなヤツに 笑われて 俺みたいに ならないでくれ…。 237 00:15:32,331 --> 00:15:35,168 なんだよ その体…? 238 00:15:35,168 --> 00:15:38,504 ハッ… 俺の過去転移では➨ 239 00:15:38,504 --> 00:15:43,509 体すべてを持ってくることが できなかった…。 240 00:15:43,509 --> 00:15:46,012 だって 腕も生やせるって さっき。 241 00:15:46,012 --> 00:15:49,182 もう 魔力がないんだ。 242 00:15:49,182 --> 00:15:55,521 せめて クリフが生きていれば 過去転移も うまく…。 243 00:15:55,521 --> 00:15:59,959 もうちょっと ここで 情報を…。 244 00:15:59,959 --> 00:16:01,961 (落ちる音) 245 00:16:01,961 --> 00:16:06,632 ごめん もういいから しゃべるなよ。 246 00:16:06,632 --> 00:16:14,473 お前に… 後悔を… ヒトガミの思いどおりに…。 247 00:16:14,473 --> 00:16:18,144 なんで こんなところで…。 248 00:16:18,144 --> 00:16:23,816 言うべきことは… 過去に来たんだか…。 249 00:16:23,816 --> 00:16:26,986 せめて 一目…。 250 00:16:26,986 --> 00:16:29,822 うっ! 251 00:16:29,822 --> 00:16:34,494 あぁ シルフィ ロキシー…。 252 00:16:34,494 --> 00:16:42,602 クソ… 相変わらず かわいいなぁ…。 253 00:16:54,847 --> 00:16:56,849 (ドアの開く音) 254 00:16:56,849 --> 00:16:58,851 あっ! 255 00:17:00,786 --> 00:17:04,290 (シルフィエット)ルディ なんか 声と物音が聞こえたけど➨ 256 00:17:04,290 --> 00:17:07,126 誰かいるの? (ロキシー)泥棒ですか? 257 00:17:07,126 --> 00:17:09,629 ごめん ちょっと寝ぼけてさ。 258 00:17:09,629 --> 00:17:13,132 変な夢見て魔術使っちゃったんだ。 259 00:17:13,132 --> 00:17:16,469 寝ぼけて魔術って… 大丈夫なの? 260 00:17:16,469 --> 00:17:19,071 またつらいなら 一緒に寝ようか? 261 00:17:22,475 --> 00:17:24,477 いや いいよ 今日は。 262 00:17:24,477 --> 00:17:26,479 ルディ? 263 00:17:26,479 --> 00:17:30,149 本当に大丈夫だから 2人は部屋に戻って。 264 00:17:30,149 --> 00:17:33,152 俺も部屋を片づけたら寝るからさ。 265 00:17:35,488 --> 00:17:38,491 悩みがあれば 遠慮なく言ってくださいね。 266 00:17:38,491 --> 00:17:42,995 ありがとう。 じゃあ 一つお願いなんだけど…。 267 00:17:42,995 --> 00:17:46,666 2人とも 今晩は もう部屋を出ないでほしい。 268 00:17:46,666 --> 00:17:50,503 (シルフィエット)部屋を? えっと… なんで? 269 00:17:50,503 --> 00:17:53,506 それは…。 270 00:17:53,506 --> 00:17:57,343 わかりました。 ルディが言うならそうしましょう。 271 00:17:57,343 --> 00:18:00,947 うん。 そうだね。 272 00:18:00,947 --> 00:18:03,115 うん。 ルディが言うなら…。 273 00:18:03,115 --> 00:18:05,117 フッ…。 274 00:18:07,119 --> 00:18:10,289 では おやすみなさい。 おやすみ ルディ。 275 00:18:10,289 --> 00:18:12,291 うん おやすみ。 276 00:18:12,291 --> 00:18:14,994 (ドアの開閉音) 277 00:18:21,133 --> 00:18:25,137 《前世の男:いろいろと唐突すぎて 信じきれないのも確かだが➨ 278 00:18:25,137 --> 00:18:27,139 これだけは言える。 279 00:18:27,139 --> 00:18:29,809 俺は あの2人を失いたくない。 280 00:18:29,809 --> 00:18:35,614 そして あの老人のように 後悔して死にたくもない》 281 00:18:43,322 --> 00:18:45,324 あっ! 282 00:18:48,494 --> 00:18:50,796 あぁ…。 283 00:18:58,838 --> 00:19:40,146 ♬~ 284 00:19:40,146 --> 00:19:44,650 《この骨は パウロと同じ場所に埋めてやろう。 285 00:19:44,650 --> 00:19:47,319 老人が本当に俺なら➨ 286 00:19:47,319 --> 00:19:49,822 それが いちばんうれしいはずだ》 287 00:19:59,165 --> 00:20:02,668 《老人は行くなと言った。 だが…》 288 00:20:05,337 --> 00:20:07,506 んっ? 289 00:20:07,506 --> 00:20:09,508 ハッ! 290 00:20:09,508 --> 00:20:13,012 ⸨たぶんだが 地下室にはネズミがいる⸩ 291 00:20:13,012 --> 00:20:15,114 ハッ…! あっ…。 292 00:20:25,858 --> 00:20:29,195 フロストノヴァ。 293 00:20:29,195 --> 00:20:31,697 フロストノヴァ。 294 00:20:35,367 --> 00:20:37,570 ハァ…。 295 00:20:41,707 --> 00:20:44,376 んっ! 296 00:20:44,376 --> 00:20:48,881 (足音) 297 00:20:48,881 --> 00:20:50,883 ハッ! 298 00:21:02,161 --> 00:21:05,498 《この死体は 魔術ギルドあたりに預けて➨ 299 00:21:05,498 --> 00:21:07,500 研究してもらおう。 300 00:21:07,500 --> 00:21:11,837 老人の言った 魔石病の情報と 併せて報告すれば➨ 301 00:21:11,837 --> 00:21:15,007 本当かどうか 確かめるすべにもなる。 302 00:21:15,007 --> 00:21:18,010 まずは 何をすべきだろうか。 303 00:21:18,010 --> 00:21:21,313 今できることは なんだろうか》 304 00:21:23,349 --> 00:21:25,684 《これを読めば これから先に➨ 305 00:21:25,684 --> 00:21:28,020 何が起こるか わかるかもしれない。 306 00:21:28,020 --> 00:21:30,689 だが 歴史は変わると言っていた。 307 00:21:30,689 --> 00:21:34,860 あるゲーム風に言うなら ここは別の世界線。 308 00:21:34,860 --> 00:21:38,531 未来から俺が来て変化した世界だ。 309 00:21:38,531 --> 00:21:41,033 この日記を読んで予習をしても➨ 310 00:21:41,033 --> 00:21:44,537 そのとおりのことは 起こらない可能性も高い》 311 00:21:46,539 --> 00:21:50,209 ⸨お前がやるべきことは 3つだ。 312 00:21:50,209 --> 00:21:55,047 ナナホシに相談しろ。 エリスに手紙を送れ。 313 00:21:55,047 --> 00:21:59,652 ヒトガミを疑い でも敵対はするな⸩ 314 00:22:02,321 --> 00:22:07,493 《この日記を放置して 次に進むわけにはいかない。 315 00:22:07,493 --> 00:22:11,997 この日記は あの老人の軌跡なのだから》