1 00:01:46,193 --> 00:01:52,510 (ゼツ)母は この地を愛した。 そして人間を愛そうとした。 2 00:01:52,510 --> 00:01:55,410 だが その希望は奪われ→ 3 00:01:55,410 --> 00:01:59,826 自らの子を守るために 神樹の実を口にした。 4 00:01:59,826 --> 00:02:01,826 しかしだ…。 5 00:02:01,826 --> 00:02:07,143 母の本当の絶望の物語は ここから始まる。 6 00:02:07,143 --> 00:02:12,126 母は それから間もなく 双子を産んだ。 7 00:02:12,126 --> 00:02:16,122 それが ハゴロモとハムラだ。 8 00:02:28,143 --> 00:02:31,926 (ハムラ)母上は ああして 毎日 空を見上げているが→ 9 00:02:31,926 --> 00:02:35,093 いったい何を見ているのだろう。 10 00:02:35,093 --> 00:02:38,793 (ハゴロモ)私たちには 何も語ってくれないからな。 11 00:02:38,793 --> 00:02:41,776 心の内は誰もわからない。 12 00:02:41,776 --> 00:02:43,826 きっと母上には→ 13 00:02:43,826 --> 00:02:48,122 我ら息子とて計り知れない思いが あるのかもしれぬな。 14 00:02:55,110 --> 00:02:58,126 (ハオリ) ねぇ ハゴロモ ハムラ ちょっと来て! 15 00:02:58,126 --> 00:03:00,623 どうした ハオリ? 16 00:03:04,426 --> 00:03:07,926 てめえのところで 全部 水をとっちまったんじゃ→ 17 00:03:07,926 --> 00:03:10,709 下流の田んぼにゃあ 水はいかなくなっちまうだろ! 18 00:03:10,709 --> 00:03:12,776 それは俺のせいじゃねえ! 19 00:03:12,776 --> 00:03:15,374 待てよ どうしたんだ? 20 00:03:17,542 --> 00:03:20,926 どうもこうも こいつが 水を全部とっちまうからよ。 21 00:03:20,926 --> 00:03:24,477 俺の田んぼが上流にあるんだから 当たり前だろう。 22 00:03:24,477 --> 00:03:28,210 だけど 今までは他のところにも 水はいってたんだろ? 23 00:03:28,210 --> 00:03:31,706 それが 急に川の流れが弱くなってよ。 24 00:03:43,059 --> 00:03:46,443 上流で何かあったのか? 25 00:03:46,443 --> 00:03:49,542 上流を見にいくにも この山には→ 26 00:03:49,542 --> 00:03:53,059 どでかい熊がウロウロしてて うかつには入れねえ。 27 00:03:53,059 --> 00:03:56,126 この前だって 山菜採りに入った ばあさんが→ 28 00:03:56,126 --> 00:03:58,043 大ケガさせられたしよ。 29 00:03:58,043 --> 00:04:01,009 わかった 我々で見てくる。 30 00:04:01,009 --> 00:04:03,210 ほんとか? 助かるよ。 31 00:04:03,210 --> 00:04:05,742 気をつけてね ハゴロモ。 32 00:04:05,742 --> 00:04:09,738 大丈夫だ。 行くぞ ハムラ。 うん。 33 00:04:13,376 --> 00:04:16,972 何か見えるか? ちょっと待って。 34 00:04:20,360 --> 00:04:23,956 (ハムラ)どうやら上流に でかい岩があるね。 35 00:04:30,526 --> 00:04:35,360 なるほど こいつが川の流れを ふさいでたのか。 36 00:04:35,360 --> 00:04:38,492 だけど この岩は どこから来たんだ? 37 00:04:38,492 --> 00:04:40,959 前に来たときには なかったよ。 38 00:04:40,959 --> 00:04:44,993 どこからか降ってきたか 誰かが置いたか。 39 00:04:44,993 --> 00:04:49,492 誰かって… こんな大岩を動かせるのは→ 40 00:04:49,492 --> 00:04:52,043 母上か兄者以外いないぞ。 41 00:04:52,043 --> 00:04:54,640 (ガマ丸) それは わしが置いたのじゃ。 42 00:04:57,993 --> 00:05:01,409 (ガマ丸)お~い 無視するな。 43 00:05:01,409 --> 00:05:06,404 じゃが わしは虫ではなく 蛙じゃがな。 44 00:05:09,310 --> 00:05:12,943 おい 私の頭がおかしいのか? 45 00:05:12,943 --> 00:05:15,959 蛙が つまらぬシャレを言っている。 46 00:05:15,959 --> 00:05:20,592 兄者… それなら俺も 頭がおかしくなったってことか? 47 00:05:20,592 --> 00:05:24,993 べつに お前たちの頭は どうにもなっとらん。 48 00:05:24,993 --> 00:05:26,959 ちゃんと わしが話してるんじゃ。 49 00:05:26,959 --> 00:05:30,943 いや… わしのシャレが おもしろくないという点で→ 50 00:05:30,943 --> 00:05:32,941 おかしいかもしれぬが。 51 00:05:36,976 --> 00:05:39,909 (ハムラ)誰も隠れてない。 52 00:05:39,909 --> 00:05:42,926 腹話術じゃないみたいだ。 53 00:05:42,926 --> 00:05:45,893 用心深いやつじゃの 人間の分際で。 54 00:05:45,893 --> 00:05:48,943 ずいぶんと威張った蛙だな。 55 00:05:48,943 --> 00:05:51,926 お前たちが知らないだけで わしら蛙のほうが→ 56 00:05:51,926 --> 00:05:54,976 ずっと昔から この地に住んどるんじゃ。 57 00:05:54,976 --> 00:05:58,592 しゃべる蛙って捕まえて帰ったら みんな喜ぶかな? 58 00:05:58,592 --> 00:06:02,425 バカ者! 貴様ら程度に捕まる わしではない! 59 00:06:02,425 --> 00:06:06,375 言うじゃないか 蛙のくせに。 60 00:06:06,375 --> 00:06:09,375 おっ どうやら 新しいお客さんじゃぞ。 61 00:06:09,375 --> 00:06:12,425 グォ~ッ! 62 00:06:12,425 --> 00:06:15,476 グォ~ グォ~! 63 00:06:15,476 --> 00:06:18,359 グォ~! 64 00:06:18,359 --> 00:06:20,759 でかい熊だな。 65 00:06:20,759 --> 00:06:24,555 ちょうどいい。 わしの強さを自慢してやる。 66 00:06:30,226 --> 00:06:32,723 (ハムラ/ハゴロモ)おぉ~。 67 00:06:36,626 --> 00:06:40,342 この岩はお前たちに会うために わしが置いたのじゃ。 68 00:06:40,342 --> 00:06:46,009 わしの名前は ガマ丸。 お前たちは ハゴロモとハムラじゃな。 69 00:06:46,009 --> 00:06:49,043 蛙に呼び捨てにされた。 70 00:06:49,043 --> 00:06:51,840 2人とも ちょっと来い。 71 00:06:53,959 --> 00:06:56,456 おっと 忘れてた。 72 00:06:59,260 --> 00:07:02,257 ほぅ… 少しはやるようじゃな。 73 00:07:10,843 --> 00:07:13,826 なんだ? こんな場所に連れてきて。 74 00:07:13,826 --> 00:07:16,692 あれを知っているか? 75 00:07:16,692 --> 00:07:20,325 もちろん。 あれは 終焉の峠。 76 00:07:20,325 --> 00:07:23,292 あの向こうを見たことはあるか? 77 00:07:23,292 --> 00:07:26,342 いいや ないな。 78 00:07:26,342 --> 00:07:29,309 母上からあの峠には近づくな と言われている。 79 00:07:29,309 --> 00:07:32,325 全員の掟だ。 80 00:07:32,325 --> 00:07:35,359 誰もあの向こう側を 見た者はいない。 81 00:07:35,359 --> 00:07:38,292 あの向こうに神樹の正体がある。 82 00:07:38,292 --> 00:07:40,325 神樹の正体? 83 00:07:40,325 --> 00:07:43,292 (ガマ丸)神樹は大地の力を 吸い取り続けている。 84 00:07:43,292 --> 00:07:47,776 あれがあるかぎり この大地は弱り続ける。 85 00:07:47,776 --> 00:07:53,342 そうなの? でも神樹の力で この地は潤っていると聞くけど。 86 00:07:53,342 --> 00:07:58,676 違う。 真実を知りたかったら 峠の向こうを見てみるんじゃな。 87 00:07:58,676 --> 00:08:01,473 じゃあの。 88 00:08:04,126 --> 00:08:06,923 真実。 89 00:08:10,459 --> 00:08:13,809 はぁ? ほんとにカグヤ様はいないのか? 90 00:08:13,809 --> 00:08:17,259 何度言われても いないものはいません。 91 00:08:17,259 --> 00:08:21,292 おかえりなさいまし ハゴロモ様 ハムラ様。 92 00:08:21,292 --> 00:08:24,959 どうした? このお方がどうにもしつこくて。 93 00:08:24,959 --> 00:08:28,909 あんた誰? オイラは旅の薬売りだ。 94 00:08:28,909 --> 00:08:34,442 この辺で商売しようと思って カグヤ様の許可をもらいに来たのよ。 95 00:08:34,442 --> 00:08:38,509 母上は? 今晩は留守にされると。 96 00:08:38,509 --> 00:08:41,425 そうか また出かけたのか。 97 00:08:41,425 --> 00:08:45,022 最近は多いな。 まいったな。 98 00:08:49,126 --> 00:08:53,421 ほぅ… どれどれ? 俺がお前の薬を見てやる。 99 00:08:55,409 --> 00:08:59,043 うわぁ 人の商売道具に なにしやがる! 100 00:08:59,043 --> 00:09:02,742 ただの雑草にカビの生えた木の実。 101 00:09:02,742 --> 00:09:05,626 こりゃ毒キノコだ。 102 00:09:05,626 --> 00:09:08,526 こんなの飲まされたら よけい具合が悪くなる。 103 00:09:08,526 --> 00:09:13,209 さてはお前 ペテンの薬売りだな? ギクッ! 104 00:09:13,209 --> 00:09:16,576 この村には母上と兄者の力がある。 105 00:09:16,576 --> 00:09:20,342 それがあれば どんな病気だって たちどころに治る。 106 00:09:20,342 --> 00:09:23,342 こんなの買うやつは誰もいないよ。 107 00:09:23,342 --> 00:09:26,843 それって あの神樹様の お力なのか? 108 00:09:26,843 --> 00:09:30,926 いいから とっとと出ていけ。 痛い目に遭いたくなきゃな! 109 00:09:30,926 --> 00:09:34,422 あ… あ… あぁ~! 110 00:09:38,175 --> 00:09:41,375 チクショー! バカにしやがって…。 111 00:09:41,375 --> 00:09:43,409 アタタタタ…。 112 00:09:43,409 --> 00:09:46,706 頭にきたら 腰の痛みが ぶり返してきたぜ。 113 00:09:49,359 --> 00:09:52,375 神樹か…。 114 00:09:52,375 --> 00:09:56,676 もし 欠片でも持って帰れば さぞ お高く…。 115 00:09:56,676 --> 00:09:58,692 よし! 鬼のいぬ間に…。 116 00:09:58,692 --> 00:10:02,642 やめろ やめろ! うかつに神樹に近づくと 死ぬぞ。 117 00:10:02,642 --> 00:10:05,192 あっ! お前は…。 118 00:10:05,192 --> 00:10:10,242 さっきは悪かったな。 弟は ちゃめっ気があるんでな。 119 00:10:10,242 --> 00:10:13,159 何の用だ… あっ! イテテテ…。 120 00:10:13,159 --> 00:10:15,542 お前に聞きたいことがある。 121 00:10:15,542 --> 00:10:18,626 ふざけるな!! 何も教えてやるものか! 122 00:10:18,626 --> 00:10:21,623 答えてくれれば 腰を治してやる。 123 00:10:23,509 --> 00:10:27,476 フン! そんなことで 病気が治ったら 誰も苦労は…。 124 00:10:27,476 --> 00:10:30,459 あ… あれ!? 治った…。 125 00:10:30,459 --> 00:10:34,009 おぉ~! 本当に治ってる。 ハハハ!! 126 00:10:34,009 --> 00:10:38,642 で… 私の質問に答えてくれるか? へい! なんでも。 127 00:10:38,642 --> 00:10:42,659 お前は いろいろな場所を 旅してるのだろ? 128 00:10:42,659 --> 00:10:47,092 えぇ そりゃ もう。 それが商売ですから。 129 00:10:47,092 --> 00:10:50,592 あの峠の向こうは 見たことがあるか? 130 00:10:50,592 --> 00:10:54,092 あぁ いえ それはないですが 他のところなら…。 131 00:10:54,092 --> 00:10:57,609 そこでの母上の噂は どんなだ? 132 00:10:57,609 --> 00:11:00,659 へい そりゃ… あぁ え~っと…。 133 00:11:00,659 --> 00:11:03,943 言いづらいことでもいい。 へい…。 134 00:11:03,943 --> 00:11:09,242 実は カグヤ様が行ってる 神樹へのしきたりに反対して→ 135 00:11:09,242 --> 00:11:12,242 あちこちで 反乱が起きてるって噂です。 136 00:11:12,242 --> 00:11:14,943 それを鎮圧するのに カグヤ様は→ 137 00:11:14,943 --> 00:11:18,893 彼の国の連中を 全滅させているとか…。 138 00:11:18,893 --> 00:11:23,559 最近じゃ カグヤ様は暴君だって噂が あちこちで…。 139 00:11:23,559 --> 00:11:25,926 全滅…。 140 00:11:25,926 --> 00:11:29,375 それで 母上は 最近 留守に…。 141 00:11:29,375 --> 00:11:32,476 行け! もう 戻ってくるな。 142 00:11:32,476 --> 00:11:35,473 そのほうが お前のためだ。 へい。 143 00:11:48,209 --> 00:11:50,893 どこも異常ないよ。 144 00:11:50,893 --> 00:11:54,893 兄者? あ… あぁ。 145 00:11:54,893 --> 00:11:57,859 何もないのが いちばんだ。 146 00:11:57,859 --> 00:12:01,959 兄者… あの蛙の言ったことが 気になるのかい? 147 00:12:01,959 --> 00:12:05,255 いや そういうわけではないが…。 148 00:12:10,192 --> 00:12:13,489 あれは 神樹様へのしきたりの…。 149 00:12:16,209 --> 00:12:19,826 あっ! そんな…。 あ… 兄者! 150 00:12:19,826 --> 00:12:22,559 ハオリ! 151 00:12:22,559 --> 00:12:26,526 ハゴロモ… ハムラ…。 これは…。 152 00:12:26,526 --> 00:12:30,542 私に 神樹様への お使いの知らせが来たの。 153 00:12:30,542 --> 00:12:34,192 だが…。 しかたないことよ。 154 00:12:34,192 --> 00:12:38,142 ずっと昔から カグヤ様が決めた しきたりなんだから…。 155 00:12:38,142 --> 00:12:44,526 ハゴロモ… ハムラ… 短い間だったけど 2人に会えて 楽しかったわ。 156 00:12:44,526 --> 00:12:48,509 私のこと 忘れないでね。 157 00:12:48,509 --> 00:12:50,507 ハオリ! 158 00:13:00,594 --> 00:13:03,043 母上…。 159 00:13:03,043 --> 00:13:06,427 神樹のしきたりを 中止してください。 160 00:13:06,427 --> 00:13:09,927 (カグヤ)それは ならぬ。 しかし…。 161 00:13:09,927 --> 00:13:14,544 お前たちとて わらわに 逆らうことは許しません。 162 00:13:14,544 --> 00:13:17,093 では 教えてください。 163 00:13:17,093 --> 00:13:19,460 あのしきたりで 神樹に向かった者たちは→ 164 00:13:19,460 --> 00:13:24,243 どうなるのです? なぜ 1人も帰ってこないのですか? 165 00:13:24,243 --> 00:13:29,360 しきたりは必要なのだ。 あの者たちが来るまでは。 166 00:13:29,360 --> 00:13:31,610 あの者たち? 167 00:13:31,610 --> 00:13:35,906 それはまだ お前たちが知る必要はない。 168 00:13:38,560 --> 00:13:42,677 ハゴロモ ハムラ わらわはまた出かける。 169 00:13:42,677 --> 00:13:45,674 留守を頼む。 はい。 170 00:13:52,177 --> 00:13:54,894 兄者 まさか…。 171 00:13:54,894 --> 00:13:58,243 ああ 私はあの峠に登ろうと思う。 172 00:13:58,243 --> 00:14:01,210 母上に知れれば ただでは済まないぞ。 173 00:14:01,210 --> 00:14:04,110 それは覚悟のうえだ。 174 00:14:04,110 --> 00:14:07,707 わかった 兄者 俺も行こう。 175 00:14:26,677 --> 00:14:29,577 何だ これは? 176 00:14:29,577 --> 00:14:31,875 兄者! 177 00:14:34,210 --> 00:14:36,508 ハムラ。 178 00:14:54,811 --> 00:14:58,307 どうした? 兄者 この繭を。 179 00:15:02,510 --> 00:15:04,508 ハオリ! 180 00:15:06,477 --> 00:15:09,510 ハオリ 起きろ ハオリ。 181 00:15:09,510 --> 00:15:12,607 兄者 ムダだ。 182 00:15:14,761 --> 00:15:17,093 死んでる。 183 00:15:17,093 --> 00:15:22,010 うぉ~ うぉ~! 184 00:15:22,010 --> 00:15:26,106 (ハムラ)これが 神樹のしきたりの正体。 185 00:15:30,160 --> 00:15:33,157 (ハムラ)兄者 その目は…。 186 00:15:36,294 --> 00:15:38,891 出てこい ガマ丸。 187 00:15:44,827 --> 00:15:49,422 どうやら行ったようじゃな あの峠の向こうに。 188 00:15:54,610 --> 00:15:57,107 わしに ついてこい。 189 00:16:03,744 --> 00:16:05,910 ここは? 190 00:16:05,910 --> 00:16:08,408 ここは蝦蟇の国じゃ。 191 00:16:11,077 --> 00:16:14,711 なんだ? 不思議な力を感じる。 192 00:16:14,711 --> 00:16:19,893 ほう さすがじゃな 人間でここの力を感じとるとは。 193 00:16:19,893 --> 00:16:24,060 ここは仙力と呼ばれる 自然パワーが満ちておる。 194 00:16:24,060 --> 00:16:27,027 だから その力を使えば…。 195 00:16:27,027 --> 00:16:32,093 よっ! わしにでも こんなことができるのじゃ。 196 00:16:32,093 --> 00:16:35,690 すげえ。 よいしょ ついてこい。 197 00:16:40,711 --> 00:16:43,727 これは記憶石と呼ばれるものじゃ。 198 00:16:43,727 --> 00:16:45,727 記憶石? 199 00:16:45,727 --> 00:16:49,327 地上に起きた あらゆることを 記録している石じゃ。 200 00:16:49,327 --> 00:16:54,694 見るがいい かつて 何が起きたのかを。 201 00:16:54,694 --> 00:16:59,160 その昔 あの樹は 空から降ってきた。 202 00:16:59,160 --> 00:17:05,727 それを追うように お前たちの母 カグヤもやってきた。 203 00:17:05,727 --> 00:17:10,661 カグヤは地上に降りてから この地の帝と恋に落ち→ 204 00:17:10,661 --> 00:17:13,510 お前たちを身ごもった。 205 00:17:13,510 --> 00:17:17,677 だが カグヤの運命は 人間に翻弄され→ 206 00:17:17,677 --> 00:17:20,826 そして 人間の敵に回った。 207 00:17:20,826 --> 00:17:24,843 カグヤは 神樹の力を得て お前たちの父親を→ 208 00:17:24,843 --> 00:17:28,977 そして 人々を 神樹の生贄に変えた。 209 00:17:28,977 --> 00:17:32,360 一部の人間は 人間を絶やさぬために→ 210 00:17:32,360 --> 00:17:35,494 記憶を抜かれ 元に戻されたようじゃがな。 211 00:17:35,494 --> 00:17:38,460 真相は カグヤしか知らぬ。 212 00:17:38,460 --> 00:17:42,977 母上は いったいどこから? なぜ神樹を守ろうとする? 213 00:17:42,977 --> 00:17:46,876 わからん。 遠い空からやってきたことと→ 214 00:17:46,876 --> 00:17:50,977 関係しているのかもしれぬ はっきりしていることは…。 215 00:17:50,977 --> 00:17:53,793 あの神樹が生えてから→ 216 00:17:53,793 --> 00:17:58,260 明らかに大地の自然エネルギ-は 減少しているということじゃ。 217 00:17:58,260 --> 00:18:01,460 なんてことを。 218 00:18:01,460 --> 00:18:05,093 大地ばかりではない 人間からもじゃ。 219 00:18:05,093 --> 00:18:09,327 あの神樹がある限り やがて大地は枯れ果て→ 220 00:18:09,327 --> 00:18:11,824 我々も同じ運命をたどる。 221 00:18:17,610 --> 00:18:20,726 母上と 話をする必要があるな。 222 00:18:20,726 --> 00:18:24,077 だけど母上が話なんて…。 223 00:18:24,077 --> 00:18:28,726 ハゴロモよ お前の母の力は絶大じゃ。 224 00:18:28,726 --> 00:18:33,093 わしも素直に話を 聞いてくれる相手とは思えない。 225 00:18:33,093 --> 00:18:36,243 たとえ息子のお前でも。 226 00:18:36,243 --> 00:18:40,760 ガマ丸 私に仙力の使い方を 教えてくれないか。 227 00:18:40,760 --> 00:18:44,427 兄者 まさか母上と 戦うつもりでは? 228 00:18:44,427 --> 00:18:46,760 万が一のためだ。 229 00:18:46,760 --> 00:18:51,410 なるほど カグヤの力を 強く受け継いだお前が→ 230 00:18:51,410 --> 00:18:55,560 仙力を習得すれば たしかに 対抗できるかもしれぬ。 231 00:18:55,560 --> 00:18:57,910 じゃが。 なんだ? 232 00:18:57,910 --> 00:19:00,294 お前に 仙力を教えることは→ 233 00:19:00,294 --> 00:19:03,077 危険な賭けじゃ。 なぜだ? 234 00:19:03,077 --> 00:19:05,460 仙力を会得したお前が→ 235 00:19:05,460 --> 00:19:08,693 母親と同じにならない保証が あるか? 236 00:19:08,693 --> 00:19:10,726 ガマ丸 ここまできて→ 237 00:19:10,726 --> 00:19:13,227 怖気づいたのか? なんじゃと? 238 00:19:13,227 --> 00:19:16,193 お前の話は矛盾している。 239 00:19:16,193 --> 00:19:18,693 お前は なぜ私たちを待っていた? 240 00:19:18,693 --> 00:19:24,494 お前は母上と我々が戦うことを 最初から予測していたはずだ。 241 00:19:24,494 --> 00:19:28,544 う… お前 人間のクセに鋭いな。 242 00:19:28,544 --> 00:19:32,027 そうじゃ お告げがあったのじゃ。 243 00:19:32,027 --> 00:19:34,160 (ハゴロモ)お告げ? 夢じゃ。 244 00:19:34,160 --> 00:19:36,693 ガマは滅多に夢を見ない。 245 00:19:36,693 --> 00:19:39,660 その夢は いわば予言に近い。 246 00:19:39,660 --> 00:19:43,527 わしはお前たちが カグヤと戦う夢を見た。 247 00:19:43,527 --> 00:19:45,876 その結果は? 248 00:19:45,876 --> 00:19:47,977 そこまでは 見ていないはずだ。 249 00:19:47,977 --> 00:19:50,193 見ていたら びびりなどしない。 250 00:19:50,193 --> 00:19:54,344 ゲコ!? 何から何まで 蛙の心を読むとは。 251 00:19:54,344 --> 00:19:56,841 なんてやつじゃ。 252 00:20:05,676 --> 00:20:07,826 何も考えるな。 253 00:20:07,826 --> 00:20:12,422 自然エネルギーを感じて それを自分の中に取り込め。 254 00:20:20,660 --> 00:20:23,143 《こいつは驚きだのお。 255 00:20:23,143 --> 00:20:27,638 ハゴロモめ あっという間に 仙力を習得しとる》 256 00:20:33,977 --> 00:20:37,926 母上 もうお戻りになられたのですか? 257 00:20:37,926 --> 00:20:40,977 ハゴロモは どうしたのです? 258 00:20:40,977 --> 00:20:44,477 兄者は まだ村を 見回りに行ったまま。 259 00:20:44,477 --> 00:20:47,826 ハムラ。 260 00:20:47,826 --> 00:20:50,823 わらわに隠し事は無駄だ。 261 00:20:57,826 --> 00:21:00,593 う! 無駄だ。 262 00:21:00,593 --> 00:21:03,660 お前の白眼で 跳ね返そうとしても→ 263 00:21:03,660 --> 00:21:09,155 わらわの白眼は お前のを はるかに上回る。