1 00:03:16,596 --> 00:03:22,919 (ゼツ)母は この地を愛した。 そして人間を愛そうとした。 2 00:03:22,919 --> 00:03:25,822 だが その希望は奪われ→ 3 00:03:25,822 --> 00:03:30,243 自らの子を守るために 神樹の実を口にした。 4 00:03:30,243 --> 00:03:32,245 しかしだ…。 5 00:03:32,245 --> 00:03:37,567 母の本当の絶望の物語は ここから始まる。 6 00:03:37,567 --> 00:03:42,555 母は それから間もなく 双子を産んだ。 7 00:03:42,555 --> 00:03:46,555 それが ハゴロモとハムラだ。 8 00:03:58,588 --> 00:04:02,375 (ハムラ)母上は ああして 毎日 空を見上げているが→ 9 00:04:02,375 --> 00:04:05,545 いったい何を見ているのだろう。 10 00:04:05,545 --> 00:04:09,249 (ハゴロモ)私たちには 何も語ってくれないからな。 11 00:04:09,249 --> 00:04:12,235 心の内は誰もわからない。 12 00:04:12,235 --> 00:04:14,287 きっと母上には→ 13 00:04:14,287 --> 00:04:18,587 我ら息子とて計り知れない思いが あるのかもしれぬな。 14 00:04:25,582 --> 00:04:28,601 (ハオリ) ねぇ ハゴロモ ハムラ ちょっと来て! 15 00:04:28,601 --> 00:04:31,101 どうした ハオリ? 16 00:04:34,907 --> 00:04:38,411 てめえのところで 全部 水をとっちまったんじゃ→ 17 00:04:38,411 --> 00:04:41,197 下流の田んぼにゃあ 水はいかなくなっちまうだろ! 18 00:04:41,197 --> 00:04:43,266 それは俺のせいじゃねえ! 19 00:04:43,266 --> 00:04:45,866 待てよ どうしたんだ? 20 00:04:48,037 --> 00:04:51,424 どうもこうも こいつが 水を全部とっちまうからよ。 21 00:04:51,424 --> 00:04:54,978 俺の田んぼが上流にあるんだから 当たり前だろう。 22 00:04:54,978 --> 00:04:58,715 だけど 今までは他のところにも 水はいってたんだろ? 23 00:04:58,715 --> 00:05:02,215 それが 急に川の流れが弱くなってよ。 24 00:05:13,579 --> 00:05:16,966 上流で何かあったのか? 25 00:05:16,966 --> 00:05:20,069 上流を見にいくにも この山には→ 26 00:05:20,069 --> 00:05:23,589 どでかい熊がウロウロしてて うかつには入れねえ。 27 00:05:23,589 --> 00:05:26,659 この前だって 山菜採りに入った ばあさんが→ 28 00:05:26,659 --> 00:05:28,578 大ケガさせられたしよ。 29 00:05:28,578 --> 00:05:31,547 わかった 我々で見てくる。 30 00:05:31,547 --> 00:05:33,750 ほんとか? 助かるよ。 31 00:05:33,750 --> 00:05:36,285 気をつけてね ハゴロモ。 32 00:05:36,285 --> 00:05:40,285 大丈夫だ。 行くぞ ハムラ。 うん。 33 00:05:43,926 --> 00:05:47,526 何か見えるか? ちょっと待って。 34 00:05:50,917 --> 00:05:54,517 (ハムラ)どうやら上流に でかい岩があるね。 35 00:06:01,094 --> 00:06:05,932 なるほど こいつが川の流れを ふさいでたのか。 36 00:06:05,932 --> 00:06:09,068 だけど この岩は どこから来たんだ? 37 00:06:09,068 --> 00:06:11,537 前に来たときには なかったよ。 38 00:06:11,537 --> 00:06:15,575 どこからか降ってきたか 誰かが置いたか。 39 00:06:15,575 --> 00:06:20,079 誰かって… こんな大岩を動かせるのは→ 40 00:06:20,079 --> 00:06:22,632 母上か兄者以外いないぞ。 41 00:06:22,632 --> 00:06:25,232 (ガマ丸) それは わしが置いたのじゃ。 42 00:06:28,588 --> 00:06:32,008 (ガマ丸)お~い 無視するな。 43 00:06:32,008 --> 00:06:37,008 じゃが わしは虫ではなく 蛙じゃがな。 44 00:06:39,916 --> 00:06:43,553 おい 私の頭がおかしいのか? 45 00:06:43,553 --> 00:06:46,572 蛙が つまらぬシャレを言っている。 46 00:06:46,572 --> 00:06:51,210 兄者… それなら俺も 頭がおかしくなったってことか? 47 00:06:51,210 --> 00:06:55,615 べつに お前たちの頭は どうにもなっとらん。 48 00:06:55,615 --> 00:06:57,583 ちゃんと わしが話してるんじゃ。 49 00:06:57,583 --> 00:07:01,571 いや… わしのシャレが おもしろくないという点で→ 50 00:07:01,571 --> 00:07:03,571 おかしいかもしれぬが。 51 00:07:07,610 --> 00:07:10,546 (ハムラ)誰も隠れてない。 52 00:07:10,546 --> 00:07:13,566 腹話術じゃないみたいだ。 53 00:07:13,566 --> 00:07:16,536 用心深いやつじゃの 人間の分際で。 54 00:07:16,536 --> 00:07:19,589 ずいぶんと威張った蛙だな。 55 00:07:19,589 --> 00:07:22,575 お前たちが知らないだけで わしら蛙のほうが→ 56 00:07:22,575 --> 00:07:25,628 ずっと昔から この地に住んどるんじゃ。 57 00:07:25,628 --> 00:07:29,248 しゃべる蛙って捕まえて帰ったら みんな喜ぶかな? 58 00:07:29,248 --> 00:07:33,085 バカ者! 貴様ら程度に捕まる わしではない! 59 00:07:33,085 --> 00:07:37,039 言うじゃないか 蛙のくせに。 60 00:07:37,039 --> 00:07:40,042 おっ どうやら 新しいお客さんじゃぞ。 61 00:07:40,042 --> 00:07:43,095 グォ~ッ! 62 00:07:43,095 --> 00:07:46,149 グォ~ グォ~! 63 00:07:46,149 --> 00:07:49,035 グォ~! 64 00:07:49,035 --> 00:07:51,437 でかい熊だな。 65 00:07:51,437 --> 00:07:55,237 ちょうどいい。 わしの強さを自慢してやる。 66 00:08:00,913 --> 00:08:03,413 (ハムラ/ハゴロモ)おぉ~。 67 00:08:07,320 --> 00:08:11,040 この岩はお前たちに会うために わしが置いたのじゃ。 68 00:08:11,040 --> 00:08:16,712 わしの名前は ガマ丸。 お前たちは ハゴロモとハムラじゃな。 69 00:08:16,712 --> 00:08:19,749 蛙に呼び捨てにされた。 70 00:08:19,749 --> 00:08:22,549 2人とも ちょっと来い。 71 00:08:24,670 --> 00:08:27,170 おっと 忘れてた。 72 00:08:29,976 --> 00:08:32,976 ほぅ… 少しはやるようじゃな。 73 00:08:41,571 --> 00:08:44,557 なんだ? こんな場所に連れてきて。 74 00:08:44,557 --> 00:08:47,426 あれを知っているか? 75 00:08:47,426 --> 00:08:51,063 もちろん。 あれは 終焉の峠。 76 00:08:51,063 --> 00:08:54,033 あの向こうを見たことはあるか? 77 00:08:54,033 --> 00:08:57,086 いいや ないな。 78 00:08:57,086 --> 00:09:00,056 母上からあの峠には近づくな と言われている。 79 00:09:00,056 --> 00:09:03,075 全員の掟だ。 80 00:09:03,075 --> 00:09:06,112 誰もあの向こう側を 見た者はいない。 81 00:09:06,112 --> 00:09:09,048 あの向こうに神樹の正体がある。 82 00:09:09,048 --> 00:09:11,083 神樹の正体? 83 00:09:11,083 --> 00:09:14,053 (ガマ丸)神樹は大地の力を 吸い取り続けている。 84 00:09:14,053 --> 00:09:18,541 あれがあるかぎり この大地は弱り続ける。 85 00:09:18,541 --> 00:09:24,113 そうなの? でも神樹の力で この地は潤っていると聞くけど。 86 00:09:24,113 --> 00:09:29,452 違う。 真実を知りたかったら 峠の向こうを見てみるんじゃな。 87 00:09:29,452 --> 00:09:32,252 じゃあの。 88 00:09:34,907 --> 00:09:37,707 真実。 89 00:09:41,247 --> 00:09:44,600 はぁ? ほんとにカグヤ様はいないのか? 90 00:09:44,600 --> 00:09:48,054 何度言われても いないものはいません。 91 00:09:48,054 --> 00:09:52,091 おかえりなさいまし ハゴロモ様 ハムラ様。 92 00:09:52,091 --> 00:09:55,761 どうした? このお方がどうにもしつこくて。 93 00:09:55,761 --> 00:09:59,715 あんた誰? オイラは旅の薬売りだ。 94 00:09:59,715 --> 00:10:05,254 この辺で商売しようと思って カグヤ様の許可をもらいに来たのよ。 95 00:10:05,254 --> 00:10:09,325 母上は? 今晩は留守にされると。 96 00:10:09,325 --> 00:10:12,244 そうか また出かけたのか。 97 00:10:12,244 --> 00:10:15,844 最近は多いな。 まいったな。 98 00:10:19,952 --> 00:10:24,252 ほぅ… どれどれ? 俺がお前の薬を見てやる。 99 00:10:26,242 --> 00:10:29,879 うわぁ 人の商売道具に なにしやがる! 100 00:10:29,879 --> 00:10:33,582 ただの雑草にカビの生えた木の実。 101 00:10:33,582 --> 00:10:36,469 こりゃ毒キノコだ。 102 00:10:36,469 --> 00:10:39,372 こんなの飲まされたら よけい具合が悪くなる。 103 00:10:39,372 --> 00:10:44,060 さてはお前 ペテンの薬売りだな? ギクッ! 104 00:10:44,060 --> 00:10:47,430 この村には母上と兄者の力がある。 105 00:10:47,430 --> 00:10:51,200 それがあれば どんな病気だって たちどころに治る。 106 00:10:51,200 --> 00:10:54,203 こんなの買うやつは誰もいないよ。 107 00:10:54,203 --> 00:10:57,707 それって あの神樹様の お力なのか? 108 00:10:57,707 --> 00:11:01,794 いいから とっとと出ていけ。 痛い目に遭いたくなきゃな! 109 00:11:01,794 --> 00:11:05,294 あ… あ… あぁ~! 110 00:11:09,051 --> 00:11:12,254 チクショー! バカにしやがって…。 111 00:11:12,254 --> 00:11:14,290 アタタタタ…。 112 00:11:14,290 --> 00:11:17,590 頭にきたら 腰の痛みが ぶり返してきたぜ。 113 00:11:20,246 --> 00:11:23,265 神樹か…。 114 00:11:23,265 --> 00:11:27,570 もし 欠片でも持って帰れば さぞ お高く…。 115 00:11:27,570 --> 00:11:29,588 よし! 鬼のいぬ間に…。 116 00:11:29,588 --> 00:11:33,542 やめろ やめろ! うかつに神樹に近づくと 死ぬぞ。 117 00:11:33,542 --> 00:11:36,095 あっ! お前は…。 118 00:11:36,095 --> 00:11:41,150 さっきは悪かったな。 弟は ちゃめっ気があるんでな。 119 00:11:41,150 --> 00:11:44,070 何の用だ… あっ! イテテテ…。 120 00:11:44,070 --> 00:11:46,455 お前に聞きたいことがある。 121 00:11:46,455 --> 00:11:49,542 ふざけるな!! 何も教えてやるものか! 122 00:11:49,542 --> 00:11:52,542 答えてくれれば 腰を治してやる。 123 00:11:54,430 --> 00:11:58,401 フン! そんなことで 病気が治ったら 誰も苦労は…。 124 00:11:58,401 --> 00:12:01,387 あ… あれ!? 治った…。 125 00:12:01,387 --> 00:12:04,940 おぉ~! 本当に治ってる。 ハハハ!! 126 00:12:04,940 --> 00:12:09,578 で… 私の質問に答えてくれるか? へい! なんでも。 127 00:12:09,578 --> 00:12:13,599 お前は いろいろな場所を 旅してるのだろ? 128 00:12:13,599 --> 00:12:18,037 えぇ そりゃ もう。 それが商売ですから。 129 00:12:18,037 --> 00:12:21,540 あの峠の向こうは 見たことがあるか? 130 00:12:21,540 --> 00:12:25,044 あぁ いえ それはないですが 他のところなら…。 131 00:12:25,044 --> 00:12:28,564 そこでの母上の噂は どんなだ? 132 00:12:28,564 --> 00:12:31,617 へい そりゃ… あぁ え~っと…。 133 00:12:31,617 --> 00:12:34,904 言いづらいことでもいい。 へい…。 134 00:12:34,904 --> 00:12:40,209 実は カグヤ様が行ってる 神樹へのしきたりに反対して→ 135 00:12:40,209 --> 00:12:43,212 あちこちで 反乱が起きてるって噂です。 136 00:12:43,212 --> 00:12:45,915 それを鎮圧するのに カグヤ様は→ 137 00:12:45,915 --> 00:12:49,869 彼の国の連中を 全滅させているとか…。 138 00:12:49,869 --> 00:12:54,540 最近じゃ カグヤ様は暴君だって噂が あちこちで…。 139 00:12:54,540 --> 00:12:56,909 全滅…。 140 00:12:56,909 --> 00:13:00,362 それで 母上は 最近 留守に…。 141 00:13:00,362 --> 00:13:03,466 行け! もう 戻ってくるな。 142 00:13:03,466 --> 00:13:06,466 そのほうが お前のためだ。 へい。 143 00:13:19,215 --> 00:13:21,901 どこも異常ないよ。 144 00:13:21,901 --> 00:13:25,905 兄者? あ… あぁ。 145 00:13:25,905 --> 00:13:28,874 何もないのが いちばんだ。 146 00:13:28,874 --> 00:13:32,978 兄者… あの蛙の言ったことが 気になるのかい? 147 00:13:32,978 --> 00:13:36,278 いや そういうわけではないが…。 148 00:13:41,220 --> 00:13:44,520 あれは 神樹様へのしきたりの…。 149 00:13:47,243 --> 00:13:50,863 あっ! そんな…。 あ… 兄者! 150 00:13:50,863 --> 00:13:53,599 ハオリ! 151 00:13:53,599 --> 00:13:57,570 ハゴロモ… ハムラ…。 これは…。 152 00:13:57,570 --> 00:14:01,590 私に 神樹様への お使いの知らせが来たの。 153 00:14:01,590 --> 00:14:05,244 だが…。 しかたないことよ。 154 00:14:05,244 --> 00:14:09,198 ずっと昔から カグヤ様が決めた しきたりなんだから…。 155 00:14:09,198 --> 00:14:15,588 ハゴロモ… ハムラ… 短い間だったけど 2人に会えて 楽しかったわ。 156 00:14:15,588 --> 00:14:19,575 私のこと 忘れないでね。 157 00:14:19,575 --> 00:14:21,575 ハオリ! 158 00:16:01,577 --> 00:16:04,029 母上…。 159 00:16:04,029 --> 00:16:07,416 神樹のしきたりを 中止してください。 160 00:16:07,416 --> 00:16:10,919 (カグヤ)それは ならぬ。 しかし…。 161 00:16:10,919 --> 00:16:15,541 お前たちとて わらわに 逆らうことは許しません。 162 00:16:15,541 --> 00:16:18,093 では 教えてください。 163 00:16:18,093 --> 00:16:20,462 あのしきたりで 神樹に向かった者たちは→ 164 00:16:20,462 --> 00:16:25,250 どうなるのです? なぜ 1人も帰ってこないのですか? 165 00:16:25,250 --> 00:16:30,372 しきたりは必要なのだ。 あの者たちが来るまでは。 166 00:16:30,372 --> 00:16:32,624 あの者たち? 167 00:16:32,624 --> 00:16:36,924 それはまだ お前たちが知る必要はない。 168 00:16:39,581 --> 00:16:43,702 ハゴロモ ハムラ わらわはまた出かける。 169 00:16:43,702 --> 00:16:46,702 留守を頼む。 はい。 170 00:16:53,212 --> 00:16:55,931 兄者 まさか…。 171 00:16:55,931 --> 00:16:59,284 ああ 私はあの峠に登ろうと思う。 172 00:16:59,284 --> 00:17:02,254 母上に知れれば ただでは済まないぞ。 173 00:17:02,254 --> 00:17:05,157 それは覚悟のうえだ。 174 00:17:05,157 --> 00:17:08,757 わかった 兄者 俺も行こう。 175 00:17:27,746 --> 00:17:30,649 何だ これは? 176 00:17:30,649 --> 00:17:32,949 兄者! 177 00:17:35,287 --> 00:17:37,587 ハムラ。 178 00:17:55,908 --> 00:17:59,408 どうした? 兄者 この繭を。 179 00:18:03,615 --> 00:18:05,615 ハオリ! 180 00:18:07,586 --> 00:18:10,622 ハオリ 起きろ ハオリ。 181 00:18:10,622 --> 00:18:13,722 兄者 ムダだ。 182 00:18:15,878 --> 00:18:18,213 死んでる。 183 00:18:18,213 --> 00:18:23,135 うぉ~ うぉ~! 184 00:18:23,135 --> 00:18:27,235 (ハムラ)これが 神樹のしきたりの正体。 185 00:18:31,293 --> 00:18:34,293 (ハムラ)兄者 その目は…。 186 00:18:37,433 --> 00:18:40,033 出てこい ガマ丸。 187 00:18:45,974 --> 00:18:50,574 どうやら行ったようじゃな あの峠の向こうに。 188 00:18:55,767 --> 00:18:58,267 わしに ついてこい。 189 00:19:04,910 --> 00:19:07,079 ここは? 190 00:19:07,079 --> 00:19:09,579 ここは蝦蟇の国じゃ。 191 00:19:12,251 --> 00:19:15,888 なんだ? 不思議な力を感じる。 192 00:19:15,888 --> 00:19:21,076 ほう さすがじゃな 人間でここの力を感じとるとは。 193 00:19:21,076 --> 00:19:25,247 ここは仙力と呼ばれる 自然パワーが満ちておる。 194 00:19:25,247 --> 00:19:28,217 だから その力を使えば…。 195 00:19:28,217 --> 00:19:33,288 よっ! わしにでも こんなことができるのじゃ。 196 00:19:33,288 --> 00:19:36,888 すげえ。 よいしょ ついてこい。 197 00:19:41,914 --> 00:19:44,933 これは記憶石と呼ばれるものじゃ。 198 00:19:44,933 --> 00:19:46,935 記憶石? 199 00:19:46,935 --> 00:19:50,539 地上に起きた あらゆることを 記録している石じゃ。 200 00:19:50,539 --> 00:19:55,911 見るがいい かつて 何が起きたのかを。 201 00:19:55,911 --> 00:20:00,382 その昔 あの樹は 空から降ってきた。 202 00:20:00,382 --> 00:20:06,955 それを追うように お前たちの母 カグヤもやってきた。 203 00:20:06,955 --> 00:20:11,894 カグヤは地上に降りてから この地の帝と恋に落ち→ 204 00:20:11,894 --> 00:20:14,746 お前たちを身ごもった。 205 00:20:14,746 --> 00:20:18,917 だが カグヤの運命は 人間に翻弄され→ 206 00:20:18,917 --> 00:20:22,070 そして 人間の敵に回った。 207 00:20:22,070 --> 00:20:26,091 カグヤは 神樹の力を得て お前たちの父親を→ 208 00:20:26,091 --> 00:20:30,229 そして 人々を 神樹の生贄に変えた。 209 00:20:30,229 --> 00:20:33,615 一部の人間は 人間を絶やさぬために→ 210 00:20:33,615 --> 00:20:36,752 記憶を抜かれ 元に戻されたようじゃがな。 211 00:20:36,752 --> 00:20:39,721 真相は カグヤしか知らぬ。 212 00:20:39,721 --> 00:20:44,243 母上は いったいどこから? なぜ神樹を守ろうとする? 213 00:20:44,243 --> 00:20:48,146 わからん。 遠い空からやってきたことと→ 214 00:20:48,146 --> 00:20:52,251 関係しているのかもしれぬ はっきりしていることは…。 215 00:20:52,251 --> 00:20:55,070 あの神樹が生えてから→ 216 00:20:55,070 --> 00:20:59,541 明らかに大地の自然エネルギ-は 減少しているということじゃ。 217 00:20:59,541 --> 00:21:02,744 なんてことを。 218 00:21:02,744 --> 00:21:06,381 大地ばかりではない 人間からもじゃ。 219 00:21:06,381 --> 00:21:10,619 あの神樹がある限り やがて大地は枯れ果て→ 220 00:21:10,619 --> 00:21:13,119 我々も同じ運命をたどる。 221 00:21:18,910 --> 00:21:22,030 母上と 話をする必要があるな。 222 00:21:22,030 --> 00:21:25,384 だけど母上が話なんて…。 223 00:21:25,384 --> 00:21:30,038 ハゴロモよ お前の母の力は絶大じゃ。 224 00:21:30,038 --> 00:21:34,409 わしも素直に話を 聞いてくれる相手とは思えない。 225 00:21:34,409 --> 00:21:37,562 たとえ息子のお前でも。 226 00:21:37,562 --> 00:21:42,084 ガマ丸 私に仙力の使い方を 教えてくれないか。 227 00:21:42,084 --> 00:21:45,754 兄者 まさか母上と 戦うつもりでは? 228 00:21:45,754 --> 00:21:48,090 万が一のためだ。 229 00:21:48,090 --> 00:21:52,744 なるほど カグヤの力を 強く受け継いだお前が→ 230 00:21:52,744 --> 00:21:56,898 仙力を習得すれば たしかに 対抗できるかもしれぬ。 231 00:21:56,898 --> 00:21:59,251 じゃが。 なんだ? 232 00:21:59,251 --> 00:22:01,637 お前に 仙力を教えることは→ 233 00:22:01,637 --> 00:22:04,423 危険な賭けじゃ。 なぜだ? 234 00:22:04,423 --> 00:22:06,808 仙力を会得したお前が→ 235 00:22:06,808 --> 00:22:10,045 母親と同じにならない保証が あるか? 236 00:22:10,045 --> 00:22:12,080 ガマ丸 ここまできて→ 237 00:22:12,080 --> 00:22:14,583 怖気づいたのか? なんじゃと? 238 00:22:14,583 --> 00:22:17,552 お前の話は矛盾している。 239 00:22:17,552 --> 00:22:20,055 お前は なぜ私たちを待っていた? 240 00:22:20,055 --> 00:22:25,861 お前は母上と我々が戦うことを 最初から予測していたはずだ。 241 00:22:25,861 --> 00:22:29,915 う… お前 人間のクセに鋭いな。 242 00:22:29,915 --> 00:22:33,402 そうじゃ お告げがあったのじゃ。 243 00:22:33,402 --> 00:22:35,537 (ハゴロモ)お告げ? 夢じゃ。 244 00:22:35,537 --> 00:22:38,073 ガマは滅多に夢を見ない。 245 00:22:38,073 --> 00:22:41,043 その夢は いわば予言に近い。 246 00:22:41,043 --> 00:22:44,913 わしはお前たちが カグヤと戦う夢を見た。 247 00:22:44,913 --> 00:22:47,265 その結果は? 248 00:22:47,265 --> 00:22:49,368 そこまでは 見ていないはずだ。 249 00:22:49,368 --> 00:22:51,586 見ていたら びびりなどしない。 250 00:22:51,586 --> 00:22:55,741 ゲコ!? 何から何まで 蛙の心を読むとは。 251 00:22:55,741 --> 00:22:58,241 なんてやつじゃ。 252 00:23:07,085 --> 00:23:09,237 何も考えるな。 253 00:23:09,237 --> 00:23:13,837 自然エネルギーを感じて それを自分の中に取り込め。 254 00:23:22,084 --> 00:23:24,569 《こいつは驚きだのお。 255 00:23:24,569 --> 00:23:29,069 ハゴロモめ あっという間に 仙力を習得しとる》 256 00:23:35,414 --> 00:23:39,367 母上 もうお戻りになられたのですか? 257 00:23:39,367 --> 00:23:42,421 ハゴロモは どうしたのです? 258 00:23:42,421 --> 00:23:45,924 兄者は まだ村を 見回りに行ったまま。 259 00:23:45,924 --> 00:23:49,277 ハムラ。 260 00:23:49,277 --> 00:23:52,277 わらわに隠し事は無駄だ。 261 00:23:59,287 --> 00:24:02,057 う! 無駄だ。 262 00:24:02,057 --> 00:24:05,127 お前の白眼で 跳ね返そうとしても→ 263 00:24:05,127 --> 00:24:10,627 わらわの白眼は お前のを はるかに上回る。