1 00:00:04,790 --> 00:00:07,120 (マスター)暇だな。 2 00:00:07,120 --> 00:00:09,790 なんか おもしろい話ないの? 3 00:00:09,790 --> 00:00:14,130 (カヤ)あの この間 本を読んだのですが…。 4 00:00:14,130 --> 00:00:16,800 (マスター)ほう。 (潤)何ていう本なんですか? 5 00:00:16,800 --> 00:00:19,800 (カヤ)それが タイトルを忘れてしまったのよ。 6 00:00:19,800 --> 00:00:22,470 (潤)どんな話か 聞かせてくださいよ。 7 00:00:22,470 --> 00:00:28,140 ええ。 それは 科学技術を溺愛する者の物語。 8 00:00:28,140 --> 00:00:31,150 (カヤ)科学の粋を集めて 生み出されたロボット。 9 00:00:31,150 --> 00:00:33,150 (マスター)鉄人28○! 10 00:00:33,150 --> 00:00:36,490 (カヤ)生み出されたロボットで 私欲を満たさんと もくろむ…。 11 00:00:36,490 --> 00:00:38,490 (マスター)ジャイアントロ○! 12 00:00:38,490 --> 00:00:41,160 (カヤ)私欲を満たさんと もくろむ天才科学者。 13 00:00:41,160 --> 00:00:44,160 (マスター)マジン○ ゼ~ット! 14 00:00:44,160 --> 00:00:47,160 (カヤ)彼は 亡くした 愛する息子の代わりにと➡ 15 00:00:47,160 --> 00:00:51,500 武器を備え 高い運動能力を持ち 感情をも備えた➡ 16 00:00:51,500 --> 00:00:54,840 高性能の人造人間を 生み出したのだけれど➡ 17 00:00:54,840 --> 00:00:58,840 そのロボットの体は 人間のように 成長することは なかったの。 18 00:00:58,840 --> 00:01:01,780 (マスター)鉄腕アト○。 19 00:01:01,780 --> 00:01:04,450 その科学者の残した 設計図をもとに➡ 20 00:01:04,450 --> 00:01:09,120 子孫の少年が作ったカラクリロボットには 決まった口癖があるの。 21 00:01:09,120 --> 00:01:11,720 (潤)ああ ワガハイ わかったナリ! 22 00:02:54,100 --> 00:02:58,100 (やよゐ)戻ろう 加奈子。 私は するべきことをしたよ。 23 00:02:58,100 --> 00:03:01,440 (加奈子)やよゐ? (やよゐ)私たちのこの体には➡ 24 00:03:01,440 --> 00:03:03,780 とても大切な意味があったのよ。 25 00:03:03,780 --> 00:03:09,110 それを果たせたのだから こんなに幸せなことはないわ。 26 00:03:09,110 --> 00:03:14,120 だから もう平気。 私たちに何が起こっても 平気よ。 27 00:03:14,120 --> 00:03:16,720 そう。 ええ わかったわ。 28 00:03:21,790 --> 00:03:23,990 (加奈子)戻るわよ。 29 00:03:26,130 --> 00:03:29,130 <どれだけ 時が過ぎようと➡ 30 00:03:29,130 --> 00:03:33,140 夏の暑さは 変わらないものだ。 31 00:03:33,140 --> 00:03:37,810 だから この季節になると 思い出す。 32 00:03:37,810 --> 00:03:44,150 13歳の夏 何も知らなかった少年の日々。 33 00:03:44,150 --> 00:03:49,150 今でも 僕の中で 変わらずにあるものを> 34 00:03:51,760 --> 00:03:53,760 (一)ホントに 治るんだろうな? 35 00:03:53,760 --> 00:03:55,760 (加奈子)私たち幽体には➡ 36 00:03:55,760 --> 00:03:59,770 存在感というような 特殊なエネルギーが必要なの。 37 00:03:59,770 --> 00:04:03,770 (潤)存在感? (加奈子)私と やよゐは 今まで➡ 38 00:04:03,770 --> 00:04:06,110 お互いの残り少ない力を やり取りして➡ 39 00:04:06,110 --> 00:04:08,440 存在を維持してきたのよ。 40 00:04:08,440 --> 00:04:13,440 嵐山さんから奪った存在する力を もとに戻せば…。 41 00:04:23,120 --> 00:04:25,420 (一)あらしさん…。 42 00:04:30,800 --> 00:04:33,130 (あらし)ここは…。 43 00:04:33,130 --> 00:04:36,470 私 どうして… みんな…。 44 00:04:36,470 --> 00:04:39,470 あらしさん! はっ 一ちゃん!? 45 00:04:39,470 --> 00:04:43,810 よかった。 よかった 戻って。 46 00:04:43,810 --> 00:04:47,480 何? どうしたの? 一ちゃん。 47 00:04:47,480 --> 00:04:49,780 これで ひと安心ですね。 48 00:04:54,090 --> 00:04:56,760 伏見さん 山崎さん。 49 00:04:56,760 --> 00:04:59,760 皆さん 今まで ごめんなさい。 50 00:04:59,760 --> 00:05:02,760 私たちは 自分を守ろうとするあまり➡ 51 00:05:02,760 --> 00:05:05,100 あなた方を傷つけてしまった。 52 00:05:05,100 --> 00:05:09,100 だから その罰を 受けなければいけません。 53 00:05:09,100 --> 00:05:11,770 そんな…。 今ので 私たちは➡ 54 00:05:11,770 --> 00:05:15,770 存在する力を ほとんど使い果たしたの。 55 00:05:15,770 --> 00:05:21,110 大丈夫。 覚悟は できているわ。 ねぇ やよゐ。 はい。 56 00:05:21,110 --> 00:05:23,120 そんな… 待てよ! 57 00:05:23,120 --> 00:05:27,120 いろいろ ありがとう 一ちゃん。 58 00:05:27,120 --> 00:05:30,220 待てってば! さようなら。 59 00:05:34,460 --> 00:05:38,130 2人とも 早まらないで。 一ちゃん。 60 00:05:38,130 --> 00:05:40,130 潤。 61 00:05:48,470 --> 00:05:52,080 存在が戻った。 どうして? 62 00:05:52,080 --> 00:05:58,420 それはね 私には一ちゃんが 通じた相手がいるからだよ。 63 00:05:58,420 --> 00:06:01,090 この時代の人間と通じると➡ 64 00:06:01,090 --> 00:06:03,760 薄れかけた存在感が 戻るみたいなの。 65 00:06:03,760 --> 00:06:06,760 えっ! 存在を意識するからなのか➡ 66 00:06:06,760 --> 00:06:10,760 それとも 生命の力に触れるからなのか。 67 00:06:10,760 --> 00:06:12,760 それじゃあ 私たちは…。 68 00:06:12,760 --> 00:06:18,100 通じる現代人を見つければ 消えはしないはず。 69 00:06:18,100 --> 00:06:20,100 (みんな)え~っ! 70 00:06:23,780 --> 00:06:26,110 (グラサン)ったく 人騒がせだぜ。 71 00:06:26,110 --> 00:06:29,110 屋敷に隠れてねえで もっと人と会ってりゃ➡ 72 00:06:29,110 --> 00:06:31,120 早くわかったこったろうによ。 73 00:06:31,120 --> 00:06:33,790 車椅子の子を守って 暮らしてたんじゃ➡ 74 00:06:33,790 --> 00:06:36,460 不用心なことは できねえだろ。 75 00:06:36,460 --> 00:06:40,130 (マスター)いいじゃん 丸く収まったんなら。 76 00:06:40,130 --> 00:06:45,460 そう。 やよゐちゃんも山崎さんも あの日を境に幽体になったの。 77 00:06:45,460 --> 00:06:48,130 ええ 気がついたら こんな体に。 78 00:06:48,130 --> 00:06:52,740 私と あらし以外にも 同じ境遇の人がいたとはね。 79 00:06:52,740 --> 00:06:56,740 身に起きたことは 悲しいけど 再会は うれしいわ。 80 00:06:56,740 --> 00:07:00,580 はい。 私も あらしさんや カヤさんに再会できて➡ 81 00:07:00,580 --> 00:07:03,580 本当に うれしいです。 これからも よろしくね。 82 00:07:03,580 --> 00:07:07,920 でも 2人が通じる相手を 捜さないといけませんね。 83 00:07:07,920 --> 00:07:12,760 心配ないわ。 当面は この男から エネルギーを補給するから。 84 00:07:12,760 --> 00:07:15,090 (グラサン)うん? おい 何 勝手なこと言ってんだ! 85 00:07:15,090 --> 00:07:17,100 (加奈子) どうせ ロクに仕事ないんでしょ? 86 00:07:17,100 --> 00:07:19,430 うちで 屋敷の下働きを兼ねて雇うわ。 87 00:07:19,430 --> 00:07:23,100 冗談じゃねえ。 誰が オメエなんかに… 何だよ。 88 00:07:23,100 --> 00:07:27,110 命懸けで誰かを助けられるような 勇敢な人になるんじゃ➡ 89 00:07:27,110 --> 00:07:29,780 なかったのか? あらしさんみたいに。 90 00:07:29,780 --> 00:07:31,780 なんで オメエ それを…。 91 00:07:31,780 --> 00:07:36,780 あっ もしかして 俺の親父の命を 救った あらしってのは…。 92 00:07:36,780 --> 00:07:40,790 まさか そのあらしさんの旧友を 見捨てたりはしねえよな? 93 00:07:40,790 --> 00:07:44,790 うっ…。 これにて 一件落着ね。 94 00:07:44,790 --> 00:07:47,790 (加奈子)待って。 95 00:07:47,790 --> 00:07:50,730 まだよ。 96 00:07:50,730 --> 00:07:55,230 私たちは みんなに迷惑をかけたし 助けてもらったお礼もあるわ。 97 00:07:55,230 --> 00:07:58,240 お詫びと ご恩返しを しなければいけません。 98 00:07:58,240 --> 00:08:00,740 いいよ そんなの気にしなくて。 99 00:08:00,740 --> 00:08:03,410 それじゃあ 私たちの気が済まないわ。 100 00:08:03,410 --> 00:08:05,410 何でもいいから言って。 101 00:08:05,410 --> 00:08:07,710 それじゃあ こういうのは どう? 102 00:08:12,080 --> 00:08:14,090 あの これは…。 103 00:08:14,090 --> 00:08:18,090 (マスター)ご恩返しだよ。 ここで ウエートレスとして ご奉仕するの。 104 00:08:18,090 --> 00:08:20,430 冗談じゃないわ! なんで こんな…。 105 00:08:20,430 --> 00:08:22,430 何でも言ってくれって言っただろ。 106 00:08:22,430 --> 00:08:24,760 へぇ~ かわいいじゃねえか 加奈子。 107 00:08:24,760 --> 00:08:28,100 いい女に見えるじゃねえか 加奈子。 108 00:08:28,100 --> 00:08:31,770 かわいいわよ 山崎さん。 109 00:08:31,770 --> 00:08:35,440 ダハハハハッ! こりゃ おもしれぇ。 110 00:08:35,440 --> 00:08:39,440 かわいい服 着たら 中身も女らしくなんのか~ん。 111 00:08:39,440 --> 00:08:44,120 クククッ! まぁ 馬子にも衣装 番茶も出花…。 112 00:08:44,120 --> 00:08:48,120 あの おっかねえ女が おしとやかに ウエートレスたぁ➡ 113 00:08:48,120 --> 00:08:50,720 こりゃあ 見もの! 114 00:08:50,720 --> 00:08:54,730 あっ? あっちぃ~! 115 00:08:54,730 --> 00:08:56,730 何すんだ テメエ! 116 00:08:56,730 --> 00:08:59,060 うちの子 いじめたら 容赦しないよ。 117 00:08:59,060 --> 00:09:02,060 (グラサン)だからって 限度があんだろうが! 118 00:09:04,740 --> 00:09:08,410 伏見やよゐと申します。 よろしくお願いします。 119 00:09:08,410 --> 00:09:11,410 新しい子かい。 華やかだね。 120 00:09:11,410 --> 00:09:16,080 今に珍しく 物腰がやわらかい子が 多くて いい店だ 師匠。 121 00:09:16,080 --> 00:09:18,750 狙いどおり。 122 00:09:18,750 --> 00:09:21,250 いらっしゃいませ… あっ! 123 00:09:24,420 --> 00:09:26,760 (ようこ)エッヘヘヘ。 (潤)ようこ。 124 00:09:26,760 --> 00:09:28,760 近くで撮影があったんで 来ちゃった。 125 00:09:28,760 --> 00:09:32,430 まっ 待って。 ここじゃ モデルやってるってことは 秘密に…。 126 00:09:32,430 --> 00:09:36,270 大丈夫。 わかってるって。 127 00:09:36,270 --> 00:09:40,110 (ようこ)はじめまして。 私 姫川ようこと申します。 128 00:09:40,110 --> 00:09:43,110 上賀茂潤の彼女です。 えっ! 129 00:09:43,110 --> 00:09:45,440 (どよめき) 130 00:09:45,440 --> 00:09:49,110 潤ったら バイト先のこと 全然 教えてくれなくって➡ 131 00:09:49,110 --> 00:09:52,120 寂しいから ちょっと のぞいてみようかな~って➡ 132 00:09:52,120 --> 00:09:54,120 来ちゃいました。 おっ おい! 133 00:09:54,120 --> 00:09:57,120 勉強 勉強。 男になりきるチャンスよ。 134 00:09:57,120 --> 00:09:59,790 (塩谷)塩ください。 許せ~ん! 135 00:09:59,790 --> 00:10:04,800 テメエ カヤさんと二股かけてたのか!? えっ それは その…。 136 00:10:04,800 --> 00:10:07,800 《潤:私が女だって知ってるのは カヤさんだけ。 137 00:10:07,800 --> 00:10:10,800 何とか ごまかして!》 138 00:10:10,800 --> 00:10:13,470 ああ なんてことかしら。 139 00:10:13,470 --> 00:10:15,470 私という女がありながら➡ 140 00:10:15,470 --> 00:10:19,810 潤が 若い娘と 逢瀬を重ねていたなんて! 141 00:10:19,810 --> 00:10:22,480 えっ? 信じていたのに…。 142 00:10:22,480 --> 00:10:26,820 私は 何も知らず 純情を弄ばれていたのね。 143 00:10:26,820 --> 00:10:29,150 《潤:ああ そっち方向に ごまかさないで!》 144 00:10:29,150 --> 00:10:31,160 (塩谷)塩ください。 145 00:10:31,160 --> 00:10:34,830 ひどい! 潤が浮気してたなんて…。 146 00:10:34,830 --> 00:10:36,830 ようこ! 147 00:10:36,830 --> 00:10:40,500 (ようこ)潤のバカ! あなたを殺して 私も死ぬわ! 148 00:10:40,500 --> 00:10:43,170 (塩谷)塩ください 塩。 女を泣かせるとは➡ 149 00:10:43,170 --> 00:10:45,170 男の風上にもおけねえ! 150 00:10:45,170 --> 00:10:47,510 その曲がった根性 たたき直してやる! 151 00:10:47,510 --> 00:10:50,440 真に受けるな バカ! ようこも仕事の邪魔しないで➡ 152 00:10:50,440 --> 00:10:52,440 帰ってくれよ。 え~! 153 00:10:52,440 --> 00:10:54,780 お客なんだから いいじゃない。 154 00:10:54,780 --> 00:10:57,120 なんだか もめてるみたいですね。 155 00:10:57,120 --> 00:10:59,790 痴情のもつれよ。 放っておきなさい。 156 00:10:59,790 --> 00:11:02,790 でも 私たちは 助けられた身だし➡ 157 00:11:02,790 --> 00:11:06,120 お友達としても放っておけないわ。 (加奈子)やよゐ。 158 00:11:06,120 --> 00:11:08,130 あの…。 はい? 159 00:11:08,130 --> 00:11:11,800 差し出がましいかも しれませんが 殿方に対しては➡ 160 00:11:11,800 --> 00:11:15,800 もっと広い心で 穏やかに 接したほうが よろしいかと。 161 00:11:15,800 --> 00:11:17,800 はぁ? 162 00:11:17,800 --> 00:11:22,140 まして 好いた方なら なおのこと むやみに騒いで 事を荒だてては➡ 163 00:11:22,140 --> 00:11:24,810 良い解決も 得られなくなってしまいます。 164 00:11:24,810 --> 00:11:28,810 どうか ここは お怒りを 収めていただけないでしょうか。 165 00:11:28,810 --> 00:11:32,820 あなた そんなことじゃ ダメよ。 えっ? 166 00:11:32,820 --> 00:11:34,820 (ようこ) 女だからって我慢してると➡ 167 00:11:34,820 --> 00:11:37,490 不満が募って 関係が壊れるわよ。 168 00:11:37,490 --> 00:11:40,160 それに 自分を出して 主張したほうが➡ 169 00:11:40,160 --> 00:11:42,830 楽しく恋愛できるでしょ。 えっ!? 170 00:11:42,830 --> 00:11:45,830 (ようこ)黙っていたら 泣きを見るだけよ。 171 00:11:45,830 --> 00:11:48,830 それに 女のほうから ガンガン言ってやったほうが➡ 172 00:11:48,830 --> 00:11:51,770 男のためにもなるの。 173 00:11:51,770 --> 00:11:54,110 それより アイスコーヒー1つ。 174 00:11:54,110 --> 00:11:56,110 (塩谷)ついでに こっちも塩ください。 175 00:11:56,110 --> 00:11:59,440 はい。 176 00:11:59,440 --> 00:12:01,450 お待たせしました。 177 00:12:01,450 --> 00:12:04,450 (塩谷)しっ 塩…。 178 00:12:04,450 --> 00:12:07,120 (ようこ)キャーッ! (やよゐ)加奈子おさえて。 179 00:12:07,120 --> 00:12:09,120 (加奈子)こんな小娘に へりくだることなんかないわ! 180 00:12:09,120 --> 00:12:11,460 (あらし)でも お客様だから。 (加奈子)こういう 周りを➡ 181 00:12:11,460 --> 00:12:14,790 顧みない女の物言いは 身の毛が よだつのよ。 182 00:12:14,790 --> 00:12:18,460 (一)周りを顧みないのは お前だ~! 183 00:12:18,460 --> 00:12:21,130 まったく。 やよゐさんは ともかく➡ 184 00:12:21,130 --> 00:12:23,470 加奈子は 乱暴でいけねえや。 185 00:12:23,470 --> 00:12:26,810 フフフッ 大変な時代を生きてたからね。 186 00:12:26,810 --> 00:12:30,140 あらしさん。 でも 昔の知り合いに会うと➡ 187 00:12:30,140 --> 00:12:33,140 なんか 懐かしい気分になるなぁ。 188 00:12:33,140 --> 00:12:35,150 (一)あらしさんって➡ 189 00:12:35,150 --> 00:12:37,820 たまに ばあさんくさいとき ありますよね。 190 00:12:37,820 --> 00:12:40,820 冷てぇ! あっ ごめ~ん 一ちゃん。 191 00:12:40,820 --> 00:12:42,820 な~んだ。 あらしさんって➡ 192 00:12:42,820 --> 00:12:47,830 何だかんだ若ぶってると思ったら 結構 気にしいだったんですね。 193 00:12:47,830 --> 00:12:51,430 わっ 冷てぇ! あらしさ…。 194 00:12:51,430 --> 00:12:55,770 (山代)冷たい。 いや~ 元気あるね。 195 00:12:55,770 --> 00:12:57,940 (2人)すみません。 お店の中に どうぞ。 196 00:12:57,940 --> 00:12:59,940 すぐ乾かしますので。 197 00:12:59,940 --> 00:13:03,280 おや? あなたは…。 えっ? 198 00:13:03,280 --> 00:13:05,280 お久しぶりです。 199 00:13:12,780 --> 00:13:16,450 本当に すみません。 すぐ乾かしてまいりますので。 200 00:13:16,450 --> 00:13:18,790 そんなに お気になさらず。 201 00:13:18,790 --> 00:13:21,460 今日は もう 仕事も終わりましたし。 202 00:13:21,460 --> 00:13:25,130 まったく不注意ね。 ふざけてるから こんなことに。 203 00:13:25,130 --> 00:13:28,470 カヤさん アイツ 知ってます? えっ? 204 00:13:28,470 --> 00:13:30,800 あらしさんを知ってるらしくて➡ 205 00:13:30,800 --> 00:13:34,140 アイツも 同じ時代にいた幽霊かな と思って。 206 00:13:34,140 --> 00:13:36,470 さあ? 私は 記憶にないわ。 207 00:13:36,470 --> 00:13:39,810 そうですか。 ってことは 現代人なのか。 208 00:13:39,810 --> 00:13:43,820 それで あの… 私のことをご存じで? 209 00:13:43,820 --> 00:13:47,650 ああ 失敬。 先ほどは 唐突な物言いでしたね。 210 00:13:47,650 --> 00:13:50,090 俺 あなたに会ったことが あるんですよ。 211 00:13:50,090 --> 00:13:52,090 私に? 212 00:13:52,090 --> 00:13:55,430 山代武士といいます。 聞き覚えありませんか? 213 00:13:55,430 --> 00:13:57,430 山代 武士? 214 00:13:57,430 --> 00:14:01,600 (十五流)軽率だな。 焦ると 本来の標的を逃がすぞ。 215 00:14:01,600 --> 00:14:04,100 お~ いい雰囲気じゃねえか。 216 00:14:04,100 --> 00:14:07,770 生まれは昔でも 体は 16~17だもんなぁ。 217 00:14:07,770 --> 00:14:10,110 やっぱ 恋する年頃だよなぁ。 218 00:14:10,110 --> 00:14:12,780 嵐山先輩が 恋!? 219 00:14:12,780 --> 00:14:18,120 新鮮だなぁ。 恋の話だけでも 恥ずかしいんですか? 220 00:14:18,120 --> 00:14:20,220 おっ 戻ってくるぞ。 221 00:14:22,790 --> 00:14:24,790 (マスター)で どうなのよ? アイツ。 222 00:14:24,790 --> 00:14:27,130 (カヤ)ずいぶん 話し込んでいたようだけど。 223 00:14:27,130 --> 00:14:30,130 (あらし)山代さんは 私のこと知ってるんだって。 224 00:14:30,130 --> 00:14:32,460 (やよゐ)さすがは 嵐山先輩。 225 00:14:32,460 --> 00:14:35,130 女学校でも 人気の有名な方でしたから。 226 00:14:35,130 --> 00:14:38,140 (あらし) でも 私は 記憶にないのよね~。 227 00:14:38,140 --> 00:14:40,140 ナンパの口実じゃないですか? 228 00:14:40,140 --> 00:14:44,480 まったく不純ね。 知らない男と なれなれしく話すなんて。 229 00:14:44,480 --> 00:14:46,480 で どうするんだよ? 230 00:14:46,480 --> 00:14:49,650 それなんですけどね。 デートに誘われちゃいました。 231 00:14:49,650 --> 00:14:51,580 (みんな)おぉ~。 232 00:14:51,580 --> 00:14:55,420 そっ それで 嵐山先輩は 申し出を受けたんですか? 233 00:14:55,420 --> 00:14:58,760 断る理由もなかったし。 はぁ~。 234 00:14:58,760 --> 00:15:01,760 不潔よ。 やよゐ もう これ以上 聞いちゃダメ。 235 00:15:01,760 --> 00:15:05,100 むやみに現代人と関わって 大丈夫なの? 236 00:15:05,100 --> 00:15:09,100 私たちの存在が知れ渡って 騒ぎになると困るわよ。 237 00:15:09,100 --> 00:15:15,110 う~ん でも なんていうか… 放っておけないの あの人のこと。 238 00:15:15,110 --> 00:15:17,440 (あらし)どうだ 一ちゃん。 239 00:15:17,440 --> 00:15:21,110 私は こう見えて 結構イケてるらしいのだよ。 240 00:15:21,110 --> 00:15:24,450 もう ばあさんくさいなんて 言わせないよ。 ハッハッハッハ! 241 00:15:24,450 --> 00:15:27,450 フンッ その程度 なんてことねえっすよ。 242 00:15:27,450 --> 00:15:30,460 (マスター)どこ行くんだよ。 (一)便所掃除っす。 243 00:15:30,460 --> 00:15:32,460 ヘッヘ~ン ブイッ! 244 00:15:35,790 --> 00:15:40,800 その着物で行くのかよ。 言えば 私の勝負服 貸したのに。 245 00:15:40,800 --> 00:15:45,140 勝負服? うんとセクシーなやつ。下着込みで。 246 00:15:45,140 --> 00:15:48,140 《潤:これで 正解のような気がする》 247 00:15:48,140 --> 00:15:52,440 いいかい あらしさん。 はい。 では 行ってまいります。 248 00:15:55,080 --> 00:15:59,420 心配だわ。 あ~ すてきです 嵐山先輩。 249 00:15:59,420 --> 00:16:02,420 時代を超えて 晴れやか。 憧れです。 250 00:16:02,420 --> 00:16:06,090 なんて 無節操な。 ああなっては ダメよ やよゐ。 251 00:16:06,090 --> 00:16:11,430 あれっ? 一は? 買い出しに行くって さっき…。 252 00:16:11,430 --> 00:16:13,430 チャリで? 253 00:16:13,430 --> 00:16:15,430 チャリ ですよね。 254 00:16:15,430 --> 00:16:18,440 うお~っ! 255 00:16:18,440 --> 00:16:23,780 今日は 久々に地元を楽しめるよ。 どこか 行きたいところは ある? 256 00:16:23,780 --> 00:16:26,780 私と会った場所って 覚えてますか? 257 00:16:26,780 --> 00:16:28,780 ああ もちろん。 258 00:16:28,780 --> 00:16:32,450 よかったら そこへ行きませんか? いいよ。 259 00:16:32,450 --> 00:16:35,450 実は 俺も そこに連れていきたかったんだ。 260 00:16:40,790 --> 00:16:44,130 《一:俺 何しようってんだよ こんなことして。 261 00:16:44,130 --> 00:16:46,800 んなこたぁ どうでもいい。 ここは 男同士だ。 262 00:16:46,800 --> 00:16:49,470 負けっかよ こんにゃろう! 263 00:16:49,470 --> 00:16:52,070 何でもやってやら~!》 264 00:16:52,070 --> 00:16:54,370 あ~っ! 265 00:17:06,420 --> 00:17:10,090 ここで 私と会ったんですか? 266 00:17:10,090 --> 00:17:13,090 俺は ここで 夜の海に入ったんだ。 267 00:17:13,090 --> 00:17:15,430 まさか 何か思い詰めて…。 268 00:17:15,430 --> 00:17:19,730 (山代)いや 昼間は 人が多くてね。 ハッハハハハハ! 269 00:17:21,770 --> 00:17:23,770 ちょっと腐っててね。 270 00:17:23,770 --> 00:17:27,770 急に泳ぎたくなって 服を着たまま 海に入ったんだ。 271 00:17:27,770 --> 00:17:31,110 (山代)そしたら 思いのほか 波が強くて…。 272 00:17:31,110 --> 00:17:33,780 ヤバいと思って 引き返そうとしても➡ 273 00:17:33,780 --> 00:17:35,780 潮に どんどん流されて➡ 274 00:17:35,780 --> 00:17:40,450 助けを呼ぼうにも 誰もいない。 あたりは 真っ暗な海。 275 00:17:40,450 --> 00:17:43,120 冷たい波に体力も奪われて…。 276 00:17:43,120 --> 00:17:45,460 もうダメだと思った。 277 00:17:45,460 --> 00:17:50,060 でも そのとき 俺は その人に助けられたんだ。 278 00:17:50,060 --> 00:17:53,060 どうやったのか 全然 覚えていないけど➡ 279 00:17:53,060 --> 00:17:55,070 気がついたら 俺は➡ 280 00:17:55,070 --> 00:17:58,070 ずぶ濡れのまま 砂浜で説教されてた。 281 00:17:58,070 --> 00:18:03,070 君は 本当に そっくりなんだ その 10年前の女の子に。 282 00:18:05,740 --> 00:18:09,410 君が その10年前の彼女じゃない ってことは わかっているのに➡ 283 00:18:09,410 --> 00:18:13,080 あまりに そっくりなんで どうしても話したくて。 284 00:18:13,080 --> 00:18:15,420 そうですか。 285 00:18:15,420 --> 00:18:18,090 悪かったね。 いいえ。 286 00:18:18,090 --> 00:18:20,690 (あらし) 私も よい話が聞けました。 287 00:18:23,090 --> 00:18:25,430 (あらし)ただいま~。 288 00:18:25,430 --> 00:18:27,430 (やよゐ) おかえりなさい 嵐山先輩。 289 00:18:27,430 --> 00:18:30,100 (マスター)それで どうだった? 楽しかったですよ。 290 00:18:30,100 --> 00:18:34,440 ドライブして 海に行って お食事して 送っていただきました。 291 00:18:34,440 --> 00:18:36,770 さすが 先輩 進んでます。 292 00:18:36,770 --> 00:18:42,110 考えられないハレンチ行為だわ。 やよゐは 絶対に マネしては ダメよ。 293 00:18:42,110 --> 00:18:45,780 あ~あ そんだけ? 妙なマネは されなかった? 294 00:18:45,780 --> 00:18:48,120 ううん いい人だったよ。 295 00:18:48,120 --> 00:18:51,720 あ~ だから 勝負服 貸してやる って言ったのに。 296 00:18:51,720 --> 00:18:55,390 あら? どうしたの? 一ちゃん そのケガ。 297 00:18:55,390 --> 00:18:59,400 一は 過去の女を捨てて 生まれ変わったんだよな~。 298 00:18:59,400 --> 00:19:01,400 (一)うるせぇ。 話しかけんな。 299 00:19:01,400 --> 00:19:04,400 (マスター)泣くなよ。 世界の半分は 女だぜ。 300 00:19:04,400 --> 00:19:08,410 (一)泣いてねえし 関係ねえ。 男ってのは 引き時が肝心よ。 301 00:19:08,410 --> 00:19:10,740 お~ いい男じゃねえか アイツ。 302 00:19:10,740 --> 00:19:15,080 (一)手は引いても あらしさんが 飛ぶの 協力は するぜ。 303 00:19:15,080 --> 00:19:18,750 一度 引き受けた以上は 途中で投げたりしねえから。 304 00:19:18,750 --> 00:19:21,750 それは 心配すんな。 305 00:19:21,750 --> 00:19:24,090 あのね 一ちゃん。 306 00:19:24,090 --> 00:19:29,090 私 あの人と一緒にいて わかったことがあるの。 307 00:19:29,090 --> 00:19:34,430 (あらし)私 やっぱり あの人に 会ったことはなかったの。 308 00:19:34,430 --> 00:19:38,770 でも あの人は 私に 命を救われた過去があるんだって。 309 00:19:38,770 --> 00:19:41,440 それで思ったんだよ。 310 00:19:41,440 --> 00:19:46,440 ああ これから 私が 助けに行く人が現われたんだって。 311 00:19:48,780 --> 00:19:50,780 詳しく知りたくても➡ 312 00:19:50,780 --> 00:19:55,120 細かいことは 直接 会って 感覚で つかむしかないから。 313 00:19:55,120 --> 00:19:57,790 なんだ。 それで デートに行ったんですね。 314 00:19:57,790 --> 00:20:00,460 なんでぇ つまんねえの。 315 00:20:00,460 --> 00:20:03,130 心配かけて ごめんね 一ちゃん。 316 00:20:03,130 --> 00:20:06,800 フッ 俺は はなから そうだと わかってたぜ。 317 00:20:06,800 --> 00:20:09,800 あらしさんを信じてましたよ。 ハッハッハ! 318 00:20:09,800 --> 00:20:11,800 お~ バカだ。 319 00:20:11,800 --> 00:20:16,140 あの人を助けに行きたいの。 一緒に飛んでくれる? 一ちゃん。 320 00:20:16,140 --> 00:20:18,240 フッ しかたねえ。 321 00:20:21,480 --> 00:20:23,980 (一)あんにゃろう 世話かけやがって。 322 00:20:23,980 --> 00:20:26,980 行くぜ あらしさん。 (あらし)うん。 323 00:20:32,820 --> 00:20:34,830 ひと騒動だったわね。 324 00:20:34,830 --> 00:20:38,160 うん。 でも 全部 丸く収まったから。 325 00:20:38,160 --> 00:20:42,500 無事で よかったです。 山代さんも 私たちも。 326 00:20:42,500 --> 00:20:46,500 こうして みんなでいると あの時代が帰ってきたみたい。 327 00:20:46,500 --> 00:20:49,170 (あらし) ここは 昔のままだものね。 328 00:20:49,170 --> 00:20:53,780 ええ。 なんだか このお店だけ あの頃に戻ったよう。 329 00:20:53,780 --> 00:20:57,620 うん。 でも 私たち みんなを まとめてくれたのって➡ 330 00:20:57,620 --> 00:21:00,450 一ちゃんなんだよね。 331 00:21:00,450 --> 00:21:02,790 (一)あらしさ~ん! 332 00:21:02,790 --> 00:21:05,460 マスターが歓迎会をやるそうです。 333 00:21:05,460 --> 00:21:08,460 あら ずいぶん気が利いてるわね。 334 00:21:08,460 --> 00:21:11,460 飲んで騒ぐ理由が 欲しいだけだそうですよ。 335 00:21:11,460 --> 00:21:13,460 まぁ あの人らしいわね。 336 00:21:13,460 --> 00:21:18,300 男の子は ひと夏で 成長するものなのかもね。 337 00:21:18,300 --> 00:21:20,470 あらしさん 早く! 338 00:21:20,470 --> 00:21:23,810 本人が気づいてないところが かわいいわ。 339 00:21:23,810 --> 00:21:26,210 (あらし)うん。 今 行く。 340 00:22:28,140 --> 00:22:30,480 (あらし) そう。 それは よかったわ。 341 00:22:30,480 --> 00:22:33,140 また おもしろい本を 読みましたのよ。 342 00:22:33,140 --> 00:22:36,480 まぁ それは 何という本かしら? 343 00:22:36,480 --> 00:22:40,820 (やよゐ)それは… ああ タイトルを忘れてしまったわ。 344 00:22:40,820 --> 00:22:45,520 どんなお話か聞かせてくださる? (やよゐ)ええ よろしくてよ。 345 00:22:47,490 --> 00:22:50,760 (やよゐ)それは 時を超えし物語。 346 00:22:50,760 --> 00:22:56,430 60年の時代を経て 存在せし少女と 邂逅する少年。 347 00:22:56,430 --> 00:23:00,940 少女は 少年を 波乱に満ちた 冒険の旅へといざなう。 348 00:23:00,940 --> 00:23:04,110 まぁ なんて心躍るお話でしょう。 349 00:23:04,110 --> 00:23:07,780 その語りべには 決まった口癖があるの。 350 00:23:07,780 --> 00:23:11,120 何? 聞かせて。 351 00:23:11,120 --> 00:23:16,120 (やよゐ)どれだけ 時が過ぎようと 夏の暑さは 変わらないものだ。 352 00:23:16,120 --> 00:23:19,790 だから この季節になると 思い出す。 353 00:23:19,790 --> 00:23:24,130 (あらし)13歳の夏 何も知らなかった少年の日々。 354 00:23:24,130 --> 00:23:28,430 (みんな)今でも 僕の中で 変わらずにあるものを。