1 00:00:01,418 --> 00:00:06,923 ♪〜 2 00:01:24,417 --> 00:01:30,423 〜♪ 3 00:01:31,424 --> 00:01:35,845 (夏目(なつめ))ハァハァ ハァハァ… 4 00:01:36,179 --> 00:01:39,557 (口の大きな妖怪) 待て〜! 5 00:01:39,682 --> 00:01:41,601 待て〜! 6 00:01:41,768 --> 00:01:44,729 (夏目)ハァハァ ハァハァ… (口の大きな妖怪)アア〜ッ… 7 00:01:47,982 --> 00:01:51,444 待〜て〜! 8 00:01:53,238 --> 00:01:54,989 アア〜ッ… 9 00:01:55,573 --> 00:01:57,450 (口の大きな妖怪)どこだ? 10 00:01:59,828 --> 00:02:01,996 ハァ… うん? 11 00:02:02,163 --> 00:02:04,749 (三ツ皿(みつざら)の うめき声) 12 00:02:04,916 --> 00:02:07,752 (三ツ皿) おもっ… どけ 人の子よ! 13 00:02:07,919 --> 00:02:09,504 あっ ごめん 14 00:02:10,505 --> 00:02:13,424 (三ツ皿)フゥ… (夏目)大丈夫か? 15 00:02:14,175 --> 00:02:18,638 大丈夫ではないわ たわけ! 危うく 召されるところだったぞ! 16 00:02:19,139 --> 00:02:20,140 (夏目)ちっさ… 17 00:02:20,265 --> 00:02:24,144 うん? 小僧 人のくせに私が見えるのか 18 00:02:25,562 --> 00:02:29,357 よし 私の子分にしてやろう ちょうどいい ついてこい 19 00:02:29,482 --> 00:02:31,317 痛い… こら 離せ 20 00:02:31,442 --> 00:02:32,777 (口の大きな妖怪)アア〜ッ… 21 00:02:33,736 --> 00:02:38,408 こんな所に隠れてた 友人帳(ゆうじんちょう)の夏目 22 00:02:38,533 --> 00:02:40,034 うまそう… 23 00:02:40,160 --> 00:02:42,871 あれ? 小さいのもいる 24 00:02:42,996 --> 00:02:45,665 どっちも食うか 25 00:02:46,332 --> 00:02:47,292 ハッ!? 26 00:02:47,876 --> 00:02:49,669 こいつは関係ないだろう 27 00:02:49,836 --> 00:02:51,713 うまそう 28 00:02:52,171 --> 00:02:53,798 うまそう 29 00:02:53,965 --> 00:02:56,384 うまそう 夏目! 30 00:02:56,509 --> 00:02:57,760 (殴る音) 31 00:02:58,970 --> 00:03:01,556 (うめき声) 32 00:03:01,723 --> 00:03:05,560 ハァハァ ハァハァ… 33 00:03:05,894 --> 00:03:07,437 アア… 34 00:03:15,695 --> 00:03:18,823 (夏目)ハァハァハァ… 35 00:03:19,115 --> 00:03:20,825 ここなら大丈夫だろう 36 00:03:21,117 --> 00:03:25,496 お前 あのあやかしものを 殴り倒すほどの力を持っているのか 37 00:03:25,622 --> 00:03:28,458 (夏目)いや… 1人で帰れるか? 38 00:03:28,625 --> 00:03:31,461 ふむ… なんと大したヤツ 39 00:03:31,711 --> 00:03:32,587 うん? 40 00:03:32,754 --> 00:03:34,088 ウワーッ! 41 00:03:34,672 --> 00:03:36,466 ど… どうした? 42 00:03:36,591 --> 00:03:38,718 (三ツ皿)キズが… (夏目)キズ? 43 00:03:39,302 --> 00:03:41,012 アア… やはり 44 00:03:41,137 --> 00:03:45,350 私の美しき笠(かさ)に アウトローな感じのキズが… 45 00:03:45,516 --> 00:03:46,351 あっ… 46 00:03:49,562 --> 00:03:51,231 ごめん 俺か… 47 00:03:51,397 --> 00:03:53,274 バカ バカ! どうしてくれるのだ 48 00:03:53,399 --> 00:03:56,444 朱遠(しゅおん)さまは とても高貴なお方なのだぞ! 49 00:03:56,569 --> 00:03:58,529 しゅ… 朱遠さま? イテッ! 50 00:03:58,655 --> 00:04:02,742 こんなワイルドな面構えでは 引かれてしまうだろうが! 51 00:04:02,909 --> 00:04:04,494 しかたないな 小僧 52 00:04:04,619 --> 00:04:08,164 しばらく私の子分になり 働いてもらうぞ 53 00:04:08,289 --> 00:04:11,376 (ニャンコ先生) 去れ 小物 それは私のだ 54 00:04:11,501 --> 00:04:12,377 (三ツ皿)うん? 55 00:04:12,543 --> 00:04:13,753 ワッ… ギャーッ! 56 00:04:13,878 --> 00:04:16,589 先生 いつから そこにいたんだ? 57 00:04:16,714 --> 00:04:19,717 ここは 私のお散歩コースなのだ 58 00:04:20,051 --> 00:04:23,763 そんな しいたけ 捨てて さっさと帰るぞ 夏目 59 00:04:23,930 --> 00:04:26,766 しいたけだと? 私は あの朱遠さまと 60 00:04:26,891 --> 00:04:28,434 知り合いなのだぞ 無礼者! 61 00:04:28,559 --> 00:04:29,894 朱遠? 62 00:04:30,061 --> 00:04:34,315 ああ やっと もう一度 朱遠さまに会えるかもしれんのだ 63 00:04:34,440 --> 00:04:38,528 だから そばへ行くための 作戦準備をせねばならんのだ 64 00:04:38,778 --> 00:04:41,072 …というわけで 手伝ってもらうぞ 小僧 65 00:04:41,197 --> 00:04:42,448 えっ 俺? 66 00:04:42,573 --> 00:04:44,867 笠の弁償義務があるはずだ 67 00:04:44,993 --> 00:04:45,910 ウウッ… 68 00:04:46,077 --> 00:04:48,955 何なんだ その生意気な しいたけは! 69 00:04:49,080 --> 00:04:50,331 焼いて食ってやるぞ! 70 00:04:50,456 --> 00:04:51,457 おお 食ってみろ! 71 00:04:51,582 --> 00:04:55,753 (夏目) こうして しいたけあやかしの 手伝いをすることになった 72 00:04:59,590 --> 00:05:02,051 (夏目) …で その朱遠さまっていうのは? 73 00:05:02,176 --> 00:05:04,178 (三ツ皿) なに? 知らんのか? 無知め 74 00:05:04,554 --> 00:05:07,181 まあ お前らのような 卑しき人の子や— 75 00:05:07,307 --> 00:05:10,184 下級のあやかしものは知らぬことか 76 00:05:10,310 --> 00:05:11,936 よし 話してやろう 77 00:05:12,270 --> 00:05:13,771 あっ コホン… 78 00:05:13,896 --> 00:05:16,399 私は いつも気高く 1人きり 79 00:05:16,524 --> 00:05:21,195 魚を釣っては 食べたり 寝たりと 忙しい毎日を送っていた 80 00:05:21,362 --> 00:05:23,948 ただ 食っちゃ寝してるだけではないか 81 00:05:24,073 --> 00:05:26,826 先生… 最後まで聞こう 82 00:05:27,285 --> 00:05:28,453 続けてくれ 83 00:05:28,619 --> 00:05:31,164 うむ… ある日のことだった 84 00:05:31,289 --> 00:05:36,586 食い意地の張った獣に捕まり 私は食われそうになったのだ 85 00:05:36,753 --> 00:05:38,963 (夏目)妖怪が獣に? (ニャンコ先生)よわっ! 86 00:05:39,088 --> 00:05:42,133 (三ツ皿) 食われると覚悟したそのときだった 87 00:05:42,508 --> 00:05:45,344 ヒイーッ! お助けー! 88 00:05:45,762 --> 00:05:48,473 誰か! 助けてー! 89 00:05:48,639 --> 00:05:49,932 ウッ… 90 00:05:50,058 --> 00:05:51,851 (朱遠)これこれ (三ツ皿)ハッ… 91 00:05:53,102 --> 00:05:55,313 (三ツ皿)どこから現れたのか… 92 00:05:55,438 --> 00:05:59,108 今まで見かけたことのない あやかしものだった 93 00:05:59,609 --> 00:06:01,861 アア… 94 00:06:02,653 --> 00:06:04,238 (朱遠)美しき獣は— 95 00:06:04,363 --> 00:06:07,241 あやかしを食べても 腹は膨れぬ 96 00:06:07,366 --> 00:06:09,410 放してやっては くれまいか? 97 00:06:09,535 --> 00:06:11,370 (うなり声) 98 00:06:14,707 --> 00:06:16,834 (ほえる声) 99 00:06:17,543 --> 00:06:19,504 ハァ… 助かった 100 00:06:19,629 --> 00:06:22,090 (朱遠) アア… また やってしまった 101 00:06:22,215 --> 00:06:22,882 うん? 102 00:06:23,049 --> 00:06:26,135 (朱遠) 獣には獣の事情がある 103 00:06:26,260 --> 00:06:30,056 それを… 自然を見過ごせぬなど 104 00:06:30,181 --> 00:06:32,391 まだまだ私は… 105 00:06:33,309 --> 00:06:37,980 よく分からぬが あなたは私を救ったのだ 106 00:06:38,106 --> 00:06:41,067 私には命の恩人だ 107 00:06:42,735 --> 00:06:44,195 ありがとう… 108 00:06:45,071 --> 00:06:47,198 フフフフッ… 109 00:06:48,866 --> 00:06:51,911 (三ツ皿) それが朱遠さまとの出会いだった 110 00:06:55,873 --> 00:07:01,170 それ以来 時々 森で出くわし 話をするようになった 111 00:07:01,295 --> 00:07:03,422 恐らく どこかから やって来て… 112 00:07:03,589 --> 00:07:04,257 ウワーッ! 113 00:07:04,382 --> 00:07:09,470 何かの息抜きに 私と たあいない おしゃべりを楽しんでいたのだろう 114 00:07:12,223 --> 00:07:15,560 ホホホホッ… 楽しや 115 00:07:16,436 --> 00:07:17,812 アア… 116 00:07:18,271 --> 00:07:22,442 そして 一緒に釣りをしたりする仲になった 117 00:07:22,817 --> 00:07:25,820 ただ 朱遠さまは変わっていて— 118 00:07:25,987 --> 00:07:29,115 糸には いつも針がついていなかった 119 00:07:30,324 --> 00:07:33,369 (三ツ皿)針がないと 釣れないと言ったではないか 120 00:07:33,494 --> 00:07:35,329 これで よいのだ 121 00:07:35,455 --> 00:07:39,333 しょうがない 私が釣って 食わせてやろう 122 00:07:42,003 --> 00:07:45,298 見ろ かかった! ンッ… クッ… 123 00:07:46,215 --> 00:07:48,468 ンンッ! オッ… 124 00:07:48,885 --> 00:07:50,761 くそ 逃げられた… 125 00:07:50,887 --> 00:07:53,848 (笑い声) ええい 笑うな! 126 00:07:54,015 --> 00:07:58,227 ホホホホッ… 楽しや 楽しや 127 00:08:08,154 --> 00:08:09,864 オッ… ツイてるぞ! 128 00:08:09,989 --> 00:08:14,619 人の世では流れ星に願い事をすると かなうと いわれているのだ 129 00:08:14,744 --> 00:08:17,246 ンン〜ッ… うん? 130 00:08:17,663 --> 00:08:19,207 祈らないのか? 131 00:08:21,667 --> 00:08:26,255 生きとし生けるもの 星も また しかり 132 00:08:26,422 --> 00:08:28,299 (三ツ皿)アア… 133 00:08:30,551 --> 00:08:32,386 (三ツ皿)そして ある夜… 134 00:08:33,429 --> 00:08:35,515 ンッ… ンンッ… 135 00:08:35,681 --> 00:08:39,185 (三ツ皿)うん? (朱遠)友よ 世話になった 136 00:08:39,685 --> 00:08:42,897 我が一行は 今宵(こよい) この地をたつ 137 00:08:43,064 --> 00:08:43,856 へっ? 138 00:08:43,981 --> 00:08:49,278 私は 修行の旅の身 仙術の道へ戻る 139 00:08:50,071 --> 00:08:53,407 道は険しく 二度と見まえまい 140 00:08:54,825 --> 00:08:56,410 私は朱遠 141 00:08:56,953 --> 00:08:58,454 さらばだ 142 00:08:59,747 --> 00:09:00,873 えっ… 143 00:09:03,042 --> 00:09:04,544 ま… 待て! 144 00:09:04,710 --> 00:09:08,256 行くとは どこに? 旅なら私も好きだ! 145 00:09:09,173 --> 00:09:11,551 せっかく友ができたのに… 146 00:09:12,051 --> 00:09:13,928 私も一緒に連れて… 147 00:09:14,762 --> 00:09:16,931 (錫杖(しゃくじょう)の音) 148 00:09:25,606 --> 00:09:27,608 私… 私も! 149 00:09:42,873 --> 00:09:44,208 (三ツ皿)あとで知ったが 150 00:09:44,333 --> 00:09:49,839 朱遠さまとは そこらの者が 口を利いてはならぬほど高貴なお方 151 00:09:50,381 --> 00:09:55,469 それが 私の命を拾い 友と呼んでくれたのだ 152 00:09:55,761 --> 00:09:56,929 ンッ… 153 00:09:57,888 --> 00:10:02,518 連れていかれる美しき一行の方々が 羨ましかった 154 00:10:03,060 --> 00:10:05,563 私も あの中に入りたい… 155 00:10:06,397 --> 00:10:09,984 以来 朱遠さま一行を捜し回って 旅をし 156 00:10:10,109 --> 00:10:12,278 修行の順路で 今日の夕刻— 157 00:10:12,403 --> 00:10:16,324 そこの丘を通るらしいと耳にして 急ぎ やって来たのだ 158 00:10:16,449 --> 00:10:20,244 (ニャンコ先生)ばかばかしい 追いついたところで どうするのだ 159 00:10:20,411 --> 00:10:22,580 フフフッ… それっぽい格好をして— 160 00:10:22,705 --> 00:10:27,960 “最初からいましたよ”という顔で 列の最後についていこうと思うのだ 161 00:10:28,544 --> 00:10:29,211 ウウッ… 162 00:10:29,337 --> 00:10:32,006 すがすがしいほどの 小物っぷりだな 163 00:10:32,173 --> 00:10:34,634 だから こんな 俗っぽいバッテンがあったら— 164 00:10:34,759 --> 00:10:36,344 バレてしまうだろう! 165 00:10:36,469 --> 00:10:38,387 (夏目)そ… そこなのか? 166 00:10:38,554 --> 00:10:41,599 目を覚ませ 妙な夢を見るな 167 00:10:41,724 --> 00:10:44,435 お前のような者と そんな立場の者が— 168 00:10:44,560 --> 00:10:46,771 共に いられるはずないだろう 169 00:10:47,271 --> 00:10:48,272 ハッ… 170 00:10:48,439 --> 00:10:49,523 あっ… 171 00:10:50,441 --> 00:10:51,817 そ… そんなことはない! 172 00:10:51,942 --> 00:10:55,988 美しき姿になって合流すれば 朱遠さまは きっと… 173 00:10:56,322 --> 00:10:59,659 きっと 私も 一緒に連れていってくださる 174 00:10:59,825 --> 00:11:04,830 こんな みすぼらしい姿でなければ きっと… 175 00:11:04,997 --> 00:11:06,374 アア… 176 00:11:07,583 --> 00:11:10,961 そういうわけだから 手伝ってもらうぞ 小僧 177 00:11:11,128 --> 00:11:13,214 (夏目)えっ? (ニャンコ先生)偉そうにすんな! 178 00:11:13,381 --> 00:11:15,633 この他力本願の しいたけめ! 179 00:11:15,758 --> 00:11:17,718 (三ツ皿) しいたけではない あんころ餅が! 180 00:11:17,843 --> 00:11:21,263 (ニャンコ先生) あんころ餅ではない! 高貴な高貴な… 181 00:11:22,139 --> 00:11:24,934 (石をたたく音) 182 00:11:25,059 --> 00:11:26,477 (妖怪たち)うん? 183 00:11:26,644 --> 00:11:28,229 (あくび) 184 00:11:28,396 --> 00:11:29,605 (2人)ヒイッ… 185 00:11:31,774 --> 00:11:34,151 (夏目) 石なんか砕いて どうするんだ? 186 00:11:34,276 --> 00:11:37,113 (三ツ皿)これを 笠に すり込んで キズを埋めるのだ 187 00:11:37,238 --> 00:11:39,115 (夏目)イタッ… (三ツ皿)下手くそめ! 188 00:11:39,281 --> 00:11:42,493 ふむ… まあ これだけあれば十分か 189 00:11:42,660 --> 00:11:44,995 ハ… ハ… ハクション! 190 00:11:45,162 --> 00:11:47,748 (2人)アアッ! (三ツ皿)何をする この鏡餅! 191 00:11:47,873 --> 00:11:51,085 なに!? 生意気な しいたけめ やっぱり食ってやる! 192 00:11:51,210 --> 00:11:53,379 (三ツ皿)ワッ! (夏目)こら 先生! 193 00:11:53,504 --> 00:11:55,756 (三ツ皿)ンッ… ンンッ… 194 00:11:55,923 --> 00:11:59,218 この美しき花で 飾り立てれば… 195 00:11:59,677 --> 00:12:01,512 (夏目)ンッ… ウワッ! 196 00:12:01,679 --> 00:12:03,013 (三ツ皿)ウワーッ! 197 00:12:03,347 --> 00:12:07,309 なんと鮮やかな! あの実の色で 布を染め上げれば… 198 00:12:07,435 --> 00:12:09,728 あの光る石を身に着ければ… 199 00:12:09,895 --> 00:12:10,813 ハアッ! 200 00:12:12,648 --> 00:12:14,191 ウワーッ! 201 00:12:14,316 --> 00:12:16,110 あっ… 大丈夫か? 202 00:12:16,402 --> 00:12:18,487 ハァハァハァ… 203 00:12:18,654 --> 00:12:21,866 俺がやれることなら やるから 言ってくれ 204 00:12:24,285 --> 00:12:25,286 (三ツ皿)オッ… 205 00:12:26,370 --> 00:12:29,123 この木の実も 何かに使えるかもしれん 206 00:12:29,415 --> 00:12:33,169 集めるのは いいけど 何に使うのか考えてるのか? 207 00:12:33,294 --> 00:12:35,671 (三ツ皿)フフッ… フフフフッ… 208 00:12:35,796 --> 00:12:36,964 (夏目)イタッ… 209 00:12:37,798 --> 00:12:40,759 ハッ… バカ者! 何をする! 210 00:12:45,431 --> 00:12:48,392 (三ツ皿)次は気をつけるのだぞ (夏目)アア… 211 00:12:49,143 --> 00:12:50,186 フン… 212 00:12:53,981 --> 00:12:58,068 (三ツ皿)木の蜜で キズを埋めるとは 考えたな 小僧 213 00:12:58,194 --> 00:12:59,987 乾くまで じっとしてろよ 214 00:13:00,112 --> 00:13:01,071 ああ 215 00:13:02,948 --> 00:13:05,451 (寝転ぶ音) (夏目)アア… 疲れた 216 00:13:05,576 --> 00:13:07,870 (ニャンコ先生) あんな甘ちゃん 放っとけ 217 00:13:07,995 --> 00:13:09,079 (夏目)でも… 218 00:13:09,205 --> 00:13:14,084 大体 格好の問題ではない 所詮 住む世界が違うのだ 219 00:13:14,210 --> 00:13:18,422 一緒にいたいなどと あがいても どうにもならんことはある 220 00:13:18,797 --> 00:13:20,049 ンッ… 221 00:13:26,722 --> 00:13:28,182 そうだな 222 00:13:37,858 --> 00:13:38,692 (口の大きな妖怪)アア… 223 00:13:38,859 --> 00:13:39,693 ハッ… 224 00:13:39,860 --> 00:13:42,696 友人帳の夏目… 225 00:13:42,863 --> 00:13:45,199 ハッ!? アア… 226 00:13:48,369 --> 00:13:50,454 アッ… アッ… 227 00:13:50,621 --> 00:13:53,707 (夏目) 住む世界が違う… 228 00:13:53,874 --> 00:13:54,917 ハッ!? 229 00:13:57,127 --> 00:13:59,505 (ニャンコ先生) 怖い夢でも見たのか? 230 00:13:59,630 --> 00:14:00,798 (夏目)いや… 231 00:14:02,675 --> 00:14:04,552 (三ツ皿)おい 小僧! (夏目)うん? 232 00:14:04,677 --> 00:14:06,470 (三ツ皿) アケビを採ってきてやったぞ 233 00:14:06,720 --> 00:14:11,600 まったく あんなに妖力(ようりょく)が 高いくせに これしきで倒れるとは 234 00:14:11,767 --> 00:14:13,352 疲れているのだ 235 00:14:13,477 --> 00:14:17,606 昨日 遅くまで名前を返していて あまり寝てないからな 236 00:14:17,815 --> 00:14:20,150 (三ツ皿)名前? (ニャンコ先生)こっちの話だ 237 00:14:20,276 --> 00:14:21,819 (三ツ皿)アア… とにかく— 238 00:14:21,944 --> 00:14:25,114 甘い物でも食べて しばし休憩していろ 239 00:14:26,407 --> 00:14:29,243 ありがとう 優しいんだな 240 00:14:31,662 --> 00:14:35,040 あ〜 忙しい! 早く花をそろえねば 241 00:14:35,165 --> 00:14:38,085 足りんぞ! 全然 足りんぞ! (あくび) 242 00:14:38,210 --> 00:14:41,380 先生 起きたら食べよう… 243 00:14:42,673 --> 00:14:46,302 (ニャンコ先生) まったく… すぐ ほだされおって 244 00:14:49,138 --> 00:14:52,933 (三ツ皿)フフフッ… もうすぐ 朱遠さまに会える 245 00:14:55,019 --> 00:14:59,481 朱遠さまは 私を覚えていてくれてるだろうか? 246 00:15:00,232 --> 00:15:04,069 いやいや 私に気づいたら きっと感激して“共に行こう”と… 247 00:15:04,194 --> 00:15:06,780 (獣顔の妖怪) 朱遠さま一行のこと 聞いたか? 248 00:15:06,947 --> 00:15:10,367 夕刻 この近くを お通りになるとのウワサだ 249 00:15:10,492 --> 00:15:12,286 (人顔の妖怪)おお 見に行くか? 250 00:15:12,453 --> 00:15:13,412 バカめ 251 00:15:13,537 --> 00:15:17,416 我らなど お姿を見物したら バチが当たるかもしれんぞ 252 00:15:17,541 --> 00:15:18,751 そうか… 253 00:15:18,876 --> 00:15:20,002 まあ しかし— 254 00:15:20,127 --> 00:15:24,673 何か貢ぎ物をすれば 願いを かなえてもらえるかもしれんな 255 00:15:24,840 --> 00:15:26,133 (人顔の妖怪)貢ぎ物とは? 256 00:15:26,258 --> 00:15:30,429 (獣顔の妖怪) そうだな… 高価な書や 衣や 酒 257 00:15:30,554 --> 00:15:32,973 美味な人の子なども いいかもしれんな 258 00:15:33,098 --> 00:15:33,933 ハッ… 259 00:15:34,683 --> 00:15:37,686 うまそう 夏目! 260 00:15:37,853 --> 00:15:39,813 (人顔の妖怪)なるほどな… 261 00:15:41,231 --> 00:15:42,942 人の子… 262 00:15:43,108 --> 00:15:44,693 貢ぎ物… 263 00:15:45,444 --> 00:15:46,445 ハッ… 264 00:15:52,618 --> 00:15:55,621 (ニャンコ先生) まあ たまには いい薬か 265 00:15:58,749 --> 00:16:02,586 できたぞ! まるで 神の使いのような美しき姿 266 00:16:02,711 --> 00:16:05,714 これなら 列に入っても違和感なしだな 267 00:16:06,131 --> 00:16:09,343 大丈夫か? 浮きまくると思うけど 268 00:16:09,468 --> 00:16:13,472 大丈夫だ こう 遠近法とやらで うまいこと ついていく 269 00:16:13,597 --> 00:16:14,974 フフッ… 270 00:16:16,892 --> 00:16:18,352 (三ツ皿)日暮れだ 271 00:16:18,477 --> 00:16:21,981 そろそろ この藪(やぶ)を抜けた所に 一行が現れるのだ 272 00:16:22,106 --> 00:16:25,609 そうか じゃ 俺たちは ジャマしないよう帰るか 273 00:16:25,734 --> 00:16:27,361 ハッ… ダメだ! 274 00:16:27,528 --> 00:16:29,613 (夏目)えっ? (三ツ皿)私のそばにいろ! 275 00:16:30,072 --> 00:16:31,365 アア… 276 00:16:31,782 --> 00:16:33,242 (ニャンコ先生)おい… (夏目)そうだな 277 00:16:33,409 --> 00:16:36,620 アケビも もらったし 最後まで つきあうか 278 00:16:37,037 --> 00:16:40,082 難しいかもしれないけど きっと… 279 00:16:41,083 --> 00:16:42,876 うまくいくと いいな 280 00:16:44,003 --> 00:16:45,421 ハァ… 281 00:16:46,046 --> 00:16:49,425 うん? 元気ないな どうかしたのか? 282 00:16:49,550 --> 00:16:52,302 (三ツ皿)アア… (夏目)そうだ 先生 283 00:16:52,428 --> 00:16:54,680 さっき 何か 言いかけなかったか? 284 00:16:54,805 --> 00:16:55,889 (ニャンコ先生)いや 285 00:16:56,056 --> 00:16:58,142 (錫杖の音) ハッ… 286 00:16:58,892 --> 00:17:00,644 (錫杖の音) 287 00:17:00,811 --> 00:17:02,021 アア… 288 00:17:02,312 --> 00:17:05,607 朱遠さまだ 朱遠さま一行が来る! 289 00:17:05,733 --> 00:17:06,817 (夏目)えっ… 290 00:17:13,574 --> 00:17:15,659 空気が変わった… 291 00:17:15,826 --> 00:17:17,119 (錫杖の音) 292 00:17:23,834 --> 00:17:26,045 (ニャンコ先生)これは また… 293 00:17:27,087 --> 00:17:28,297 (夏目)すごい 294 00:17:28,714 --> 00:17:30,674 光で目が痛む… 295 00:17:30,841 --> 00:17:32,176 オオッ… 先頭にいる 296 00:17:32,301 --> 00:17:35,679 しいたけ やめろ 下手したら 不敬と見なされるぞ 297 00:17:35,804 --> 00:17:38,057 朱遠さまは そんなお方ではない 298 00:17:38,223 --> 00:17:41,018 (ニャンコ先生)取り巻きのことだ お前など寄せつけぬぞ 299 00:17:41,143 --> 00:17:43,062 (三ツ皿)よし 行ってくる! (夏目)あっ… 300 00:17:43,228 --> 00:17:44,480 ウワッ… 301 00:17:44,855 --> 00:17:47,691 (お付きの妖怪たち)うん? (ざわめき) 302 00:17:48,192 --> 00:17:49,318 大丈夫か? 303 00:17:49,818 --> 00:17:51,445 (角妖怪)何奴(なにやつ)よ? 304 00:17:51,570 --> 00:17:55,824 これは朱遠さまの行(ぎょう)である 汚(けが)すは許さぬ 305 00:17:56,700 --> 00:17:59,953 私は 至原(しはら)の林の三ツ皿という者 306 00:18:00,079 --> 00:18:02,831 朱遠さまの列に どうぞ お入れください! 307 00:18:03,165 --> 00:18:06,668 (女妖怪) 見たところ 兆しもなき小物のよう 308 00:18:06,794 --> 00:18:08,087 諦めなされ 309 00:18:08,420 --> 00:18:11,173 ンンッ… ンンッ… 310 00:18:11,507 --> 00:18:14,843 何も持たぬが 何をささげる? 311 00:18:15,010 --> 00:18:18,430 あっ それは… それは… 312 00:18:26,271 --> 00:18:28,524 (角妖怪)何をささげる? 313 00:18:29,608 --> 00:18:30,984 アア… 314 00:18:35,614 --> 00:18:40,285 何も… 何の ささげ物もありませんが 315 00:18:46,416 --> 00:18:52,256 朱遠さまに拾っていただいた命 おそばで ご恩を返したいのです 316 00:18:52,381 --> 00:18:55,259 どうか 私も連れていってください 317 00:18:55,592 --> 00:18:59,596 ご一緒したいのです! 修行も励みます! 318 00:18:59,930 --> 00:19:02,349 だから どうか! 319 00:19:02,474 --> 00:19:03,851 どうか… 320 00:19:06,061 --> 00:19:08,147 (朱遠)三ツ皿どの (三ツ皿)ハッ… 321 00:19:08,313 --> 00:19:11,650 (一同)オオ… 322 00:19:11,817 --> 00:19:14,528 情をかけて すまなかった 323 00:19:14,820 --> 00:19:19,366 言ったように 我らが行く道は あまりに険しき道 324 00:19:19,491 --> 00:19:21,410 連れては いけぬ 325 00:19:21,577 --> 00:19:25,414 (三ツ皿)アア… (朱遠)友よ 帰られよ 326 00:19:25,581 --> 00:19:26,915 (錫杖の音) 327 00:19:29,585 --> 00:19:34,423 (錫杖の音) 328 00:19:50,147 --> 00:19:57,112 (泣き声) 329 00:19:57,654 --> 00:20:00,490 (泣き叫ぶ声) 330 00:20:01,074 --> 00:20:05,245 (泣き叫ぶ声) 331 00:20:05,412 --> 00:20:10,500 (泣き叫ぶ声) 332 00:20:14,546 --> 00:20:16,465 かなわない願いがある 333 00:20:17,049 --> 00:20:20,219 希望を見つけて それでもダメで… 334 00:20:20,636 --> 00:20:23,972 心は いつも揺れ続ける 335 00:20:30,854 --> 00:20:33,482 (三ツ皿)すまなかった 人の子よ 336 00:20:33,941 --> 00:20:35,859 世話になったのに… 337 00:20:36,068 --> 00:20:39,196 本当は 私は お前を… 338 00:20:39,321 --> 00:20:42,532 これから どうするのだ? 帰るのか? 339 00:20:43,325 --> 00:20:44,868 (泣き声) 340 00:20:45,577 --> 00:20:47,913 どうせ することもないのだ 341 00:20:48,330 --> 00:20:49,539 それに— 342 00:20:49,665 --> 00:20:53,794 小物だから連れていけぬなら 大物になるよう修行する 343 00:20:53,961 --> 00:20:56,296 あっ… まだ追うのか? 344 00:20:57,089 --> 00:21:00,550 (三ツ皿)やはり 姿だけ 取り繕ってもダメなのだ 345 00:21:00,968 --> 00:21:05,555 住む世界が違っても 近づくためには あがいてみたい 346 00:21:06,056 --> 00:21:09,851 おそばに ふさわしくなるよう やってみたいのだ 347 00:21:09,977 --> 00:21:11,728 (錫杖の音) ハッ… 348 00:21:15,983 --> 00:21:18,193 (三ツ皿)ハッ… 先ほどの… 349 00:21:19,027 --> 00:21:20,946 三ツ皿どのとやら 350 00:21:21,113 --> 00:21:23,156 ささげ物など要らぬ 351 00:21:23,448 --> 00:21:27,202 我らは ここに書かれた修行を 終えて 参列しておる 352 00:21:27,911 --> 00:21:31,373 先ほどは 冷やかしと からかって申し訳ない 353 00:21:31,623 --> 00:21:34,459 覚悟があるなら こなして来られよ 354 00:21:34,918 --> 00:21:37,170 (三ツ皿)ンン〜ッ… ウワッ! 355 00:21:37,296 --> 00:21:38,839 あっ! 大丈夫か? 356 00:21:39,006 --> 00:21:42,884 て… 手出し無用! だ… 大丈夫だ 357 00:21:43,885 --> 00:21:46,847 きっと やれる そうだろう? 358 00:21:49,391 --> 00:21:51,518 フッ… ああ 359 00:21:54,271 --> 00:21:57,107 ああ きっと… 360 00:22:03,113 --> 00:22:09,119 ♪〜 361 00:23:26,988 --> 00:23:32,994 〜♪ 362 00:23:33,620 --> 00:23:36,748 (塔子(とうこ)) こんなに穏やかで 幸せな日々を— 363 00:23:36,915 --> 00:23:38,667 いつまでも2人で… 364 00:23:38,792 --> 00:23:40,627 (滋(しげる)) 見かけた その子は 痩せていて— 365 00:23:40,752 --> 00:23:43,088 ひどく 所在なさげだったんだ 366 00:23:43,213 --> 00:23:44,589 (塔子)いつも 独りで飛んでいる— 367 00:23:44,714 --> 00:23:48,009 あのカラスは 一体 どちらなんだろう?