1 00:00:14,467 --> 00:00:21,934 君がどうして泣いているのか 僕には何も解からない 2 00:00:22,267 --> 00:00:29,033 “解かるよ”なんて言葉 軽々しく口に出来ない 3 00:00:29,100 --> 00:00:36,701 だから教えて 君が苦しむ理由(わけ)を 4 00:00:36,767 --> 00:00:48,267 僕に出来る精一杯の事 君にしてあげたいから 5 00:00:48,400 --> 00:00:56,200 今 瞬間(とき)を生きる君に この唄を贈ろう 6 00:00:56,267 --> 00:01:03,000 精一杯生きる君に この唄を贈ろう 7 00:01:04,133 --> 00:01:24,133 今日までこんなに苦しんだから 明日からは楽しく過ごせるよ きっと 8 00:01:25,400 --> 00:01:33,067 だから君よ 独りで苦しまないで 9 00:01:42,701 --> 00:01:43,334 柊! 10 00:01:45,033 --> 00:01:45,834 夏目… 11 00:01:52,033 --> 00:01:55,100 おお なんという事だ 豊月様ではないか 12 00:01:55,467 --> 00:01:57,567 なに なんとした事か 13 00:01:57,834 --> 00:01:59,667 いや 待て なにかおかしいぞ 14 00:02:00,467 --> 00:02:02,434 あれは本当に豊月様か? 15 00:02:05,767 --> 00:02:08,667 鹿角の面 間違いなかろう 16 00:02:08,834 --> 00:02:12,000 ややっ かすかに人の子の匂いがする 17 00:02:12,033 --> 00:02:12,968 人の子? 18 00:02:13,067 --> 00:02:13,934 まさか… 19 00:02:14,000 --> 00:02:17,868 まさか人の子が… 我らをたばかっているのではあるまいな 20 00:02:18,367 --> 00:02:20,200 起こせ 確かめろ! 21 00:02:21,100 --> 00:02:22,834 あっあ… 無礼者! 22 00:02:22,901 --> 00:02:23,767 あ うおおっ 23 00:02:25,000 --> 00:02:29,100 豊月と知っての狼藉か 不月がこれを許したというのか 24 00:02:29,968 --> 00:02:31,400 まこと豊月様か! 25 00:02:31,868 --> 00:02:35,167 豊月様ならば 面の下のお顔をお見せください 26 00:02:35,434 --> 00:02:37,667 ああ それは… 27 00:02:37,868 --> 00:02:39,067 やはり おかしい 28 00:02:39,267 --> 00:02:39,968 捕まえろ! 29 00:02:40,033 --> 00:02:40,734 面をはげ! 30 00:02:41,567 --> 00:02:42,133 ああ! 31 00:02:42,400 --> 00:02:43,667 ウウグワー 32 00:02:43,767 --> 00:02:44,634 ううっ 33 00:02:48,367 --> 00:02:49,901 逃げたぞ 追え! 34 00:02:49,968 --> 00:02:51,067 あいつー 35 00:02:52,534 --> 00:02:56,934 待て 人の子があのように 妖者を使えるのだろうか 36 00:02:57,767 --> 00:02:58,434 ううん 37 00:02:58,767 --> 00:03:00,767 ではやはりあれは豊月様? 38 00:03:01,467 --> 00:03:04,200 しかし 人の子の匂いがしたのは確か 39 00:03:04,267 --> 00:03:05,167 何事か? 40 00:03:05,534 --> 00:03:06,400 な… 41 00:03:06,567 --> 00:03:07,167 ああ 42 00:03:07,267 --> 00:03:08,267 不月様 43 00:03:08,300 --> 00:03:09,234 それが… 44 00:03:16,968 --> 00:03:17,901 あ う… 45 00:03:17,968 --> 00:03:19,067 夏目! 46 00:03:19,601 --> 00:03:22,367 大丈夫です 肩をかすっただけです 47 00:03:23,133 --> 00:03:24,434 それより柊は? 48 00:03:24,734 --> 00:03:27,334 どこかで休ませれば目を覚ますだろう 49 00:03:27,901 --> 00:03:30,868 よかった じゃあさっきの屋敷に 50 00:03:31,400 --> 00:03:32,934 私はタクシーか 51 00:03:33,200 --> 00:03:37,300 先生 柊をおろしたら 川に沿ってもう一度下ってくれ 52 00:03:37,601 --> 00:03:38,434 なぜだ 53 00:03:38,901 --> 00:03:42,801 川を流された時 ほんの少しだけ気配を感じたんだ 54 00:03:44,634 --> 00:03:46,667 うはっ あっ あっあ 55 00:03:51,300 --> 00:03:54,033 あれは… たぶん豊月様だ 56 00:03:54,701 --> 00:03:56,634 ちっ 飛ばすぞ 57 00:04:00,634 --> 00:04:02,033 すぐに合流するから 58 00:04:02,667 --> 00:04:03,667 分かりました 59 00:04:06,667 --> 00:04:07,567 お仲間が… 60 00:04:08,000 --> 00:04:09,501 大したケガではない 61 00:04:10,567 --> 00:04:11,267 柊 62 00:04:11,601 --> 00:04:12,667 大丈夫です 63 00:04:14,167 --> 00:04:19,367 お仲間もご無事でなにより ささ 早く豊月様をお探しください 64 00:04:21,334 --> 00:04:26,167 さて 夏目がいない場所で ひとつ確認したい事があるんだが 65 00:04:26,501 --> 00:04:27,167 はい 66 00:04:27,901 --> 00:04:30,801 豊月神は本当に封印されたのか? 67 00:04:32,133 --> 00:04:34,300 どういう意味でございましょう 68 00:04:34,834 --> 00:04:37,100 封印されたのはいつの事だ 69 00:04:37,267 --> 00:04:38,067 ああ 70 00:04:38,234 --> 00:04:42,033 いや ずいぶん土壇場になって 夏目に頼んだねえ 71 00:04:42,534 --> 00:04:45,400 もっと早く動く事も できたんじゃないのか? 72 00:04:47,534 --> 00:04:50,834 彼の妖力の強さや人の良さにつけこんで 73 00:04:51,300 --> 00:04:54,934 何か良からぬ事でも 企んでいるんじゃないかと思ってね 74 00:04:57,901 --> 00:05:01,300 本当はもう豊月神は いなくなったんじゃないのか? 75 00:05:01,634 --> 00:05:02,267 あっ 76 00:05:05,801 --> 00:05:10,100 時の流れや信仰心が薄らいだ事で 力も衰え 77 00:05:10,334 --> 00:05:13,067 祓い人に祓われてしまったか 78 00:05:14,133 --> 00:05:15,901 黒衣たちが言ったように 79 00:05:16,067 --> 00:05:20,400 この山やお前たちが面倒になり この地を捨てて去ったか 80 00:05:20,901 --> 00:05:22,801 残されて困ったお前たちは 81 00:05:23,200 --> 00:05:28,100 夏目を連れてきて本物の豊月神に 仕立てあげるつもりではないだろうな 82 00:05:30,801 --> 00:05:33,367 なるほど それは名案ですな 83 00:05:33,501 --> 00:05:34,133 んん 84 00:05:34,834 --> 00:05:39,234 ふふふふふ おっほほほほ… 85 00:05:39,601 --> 00:05:40,234 お前… 86 00:05:40,367 --> 00:05:43,234 失礼 冗談でございます 87 00:05:43,634 --> 00:05:44,634 んんっ 88 00:05:44,934 --> 00:05:48,000 しかし豊月様が封じられたのは本当です 89 00:05:48,601 --> 00:05:50,601 三年ほど前の事です 90 00:05:50,634 --> 00:05:51,634 だったら… 91 00:05:52,267 --> 00:05:56,400 ギリギリになったのは 我々が思い違いをしていたからです 92 00:05:57,167 --> 00:05:58,434 思い違い? 93 00:05:59,667 --> 00:06:04,534 月分祭で勝った神は 森深い奥の祠を宿とし 94 00:06:04,701 --> 00:06:07,334 山や里を見守っておりました 95 00:06:08,033 --> 00:06:12,934 確かに人の信仰も薄れ 面白みのない日々を送っておられるかとも 96 00:06:13,000 --> 00:06:14,868 推察しておりました 97 00:06:16,734 --> 00:06:22,868 そんなころ 理もろくに知らぬ祓い人が 妖者多きこの森に入り 98 00:06:23,267 --> 00:06:26,667 たまたま見かけた豊月様を 封じてしまったのです 99 00:06:27,567 --> 00:06:30,300 たぶん腕試しのつもりだったのでしょう 100 00:06:33,467 --> 00:06:36,767 封じられた石を我々は探し回りました 101 00:06:37,167 --> 00:06:40,133 しかし封じたのは下級の祓い人 102 00:06:40,767 --> 00:06:43,234 子供だましの封印のようでした 103 00:06:43,534 --> 00:06:47,000 あの程度の封印を 解けぬお方ではないのです 104 00:06:48,400 --> 00:06:52,801 それゆえ 祠で山を守るのに 飽きてしまわれていて 105 00:06:52,968 --> 00:06:56,934 しばらくは封印の中で お休みになっていらっしゃるのだ 106 00:06:56,968 --> 00:07:02,801 また楽しい祭りが始まる頃には きっとお姿を現してくださるだろうと 107 00:07:03,400 --> 00:07:07,133 祠をお守りしながら 我々は待ってしまったのです 108 00:07:09,133 --> 00:07:13,734 豊月様が戻られたら 祭りは今回を限りといたしましょう 109 00:07:14,133 --> 00:07:17,801 役目を終えられたのですから また旅にでも出ましょうと 110 00:07:17,868 --> 00:07:20,267 申し上げるつもりでおりました 111 00:07:21,701 --> 00:07:24,801 ああ 確かにあなた様が言うように 112 00:07:25,000 --> 00:07:28,601 もうとっくに封印など 破ってしまったのかもしれない 113 00:07:29,701 --> 00:07:32,601 この地を去って しまわれたのかもしれない 114 00:07:33,300 --> 00:07:37,167 しかし… しかし去ったとは限らぬのだろう 115 00:07:37,667 --> 00:07:43,167 思わぬほど封印がきつく お前たちの助けを待っているのかもしれない 116 00:07:44,367 --> 00:07:47,367 お前たちを残して 去るような主だったのか? 117 00:07:47,501 --> 00:07:48,300 ああっ 118 00:07:48,601 --> 00:07:52,968 仮にも仕えようと心に決めたなら 主を信じろ 119 00:07:54,567 --> 00:07:55,400 あ… 120 00:08:03,901 --> 00:08:04,667 夏目 121 00:08:05,467 --> 00:08:07,901 名取さん 柊は? 122 00:08:08,601 --> 00:08:11,834 大事を取って もうしばらく休ませることにしたよ 123 00:08:12,734 --> 00:08:13,968 この辺りなのかい? 124 00:08:14,267 --> 00:08:15,701 はい… たぶん 125 00:08:16,167 --> 00:08:17,033 川底? 126 00:08:17,334 --> 00:08:20,601 いいえ 川には落ちてないと 思うんですけど… 127 00:08:22,067 --> 00:08:24,167 夏目は本当にすごいな 128 00:08:24,167 --> 00:08:28,100 川を流されている時でも 気配を感じられるなんて 129 00:08:28,300 --> 00:08:32,200 祓い人にとっては さぞ金のなる木に見えるだろうな 130 00:08:32,267 --> 00:08:34,300 あはは そりゃあ もう 131 00:08:34,367 --> 00:08:35,100 ふん 132 00:08:36,567 --> 00:08:39,734 腕の立つ優秀な助手が 欲しくてたまらない 133 00:08:40,334 --> 00:08:43,834 けれど 大切な友人もなくしたくないんだ 134 00:08:44,200 --> 00:08:45,300 あ… 135 00:08:46,234 --> 00:08:48,667 あっ 先生 名取さん 136 00:08:49,634 --> 00:08:50,901 たぶん あれです 137 00:08:51,033 --> 00:08:56,901 んん? あれか… まずいな あんな所へは降りられない 138 00:08:57,167 --> 00:08:59,567 大丈夫です たぶん先生なら 139 00:08:59,767 --> 00:09:01,067 なに! お前! 140 00:09:01,133 --> 00:09:03,000 先生 ちょっとあれ見てきて 141 00:09:03,868 --> 00:09:04,767 なああっ 142 00:09:05,300 --> 00:09:06,801 獣もいたあー! 143 00:09:06,934 --> 00:09:08,934 グオォ ワー! 144 00:09:09,133 --> 00:09:09,834 ああっ 145 00:09:10,067 --> 00:09:11,300 グアアッ 146 00:09:13,033 --> 00:09:14,267 いったん隠れるぞ! 147 00:09:16,501 --> 00:09:18,467 グルルル 148 00:09:18,767 --> 00:09:21,634 まずいな 近づく事もできない 149 00:09:22,767 --> 00:09:23,467 んん 150 00:09:23,567 --> 00:09:26,734 妖者の牙を一度だけ跳ね返す 151 00:09:27,300 --> 00:09:28,000 はあ… 152 00:09:28,067 --> 00:09:29,467 おかげで助かった 153 00:09:29,534 --> 00:09:31,801 そうだ夏目 名案があるぞ 154 00:09:32,000 --> 00:09:32,501 え? 155 00:09:32,734 --> 00:09:36,400 私があれを食らい その首をお前が持って帰るのだ 156 00:09:36,534 --> 00:09:38,567 みな ひれ伏すぞぉ 157 00:09:38,701 --> 00:09:41,634 ダメだろ そんな神様 ドン引かれるぞ 158 00:09:41,734 --> 00:09:43,701 背に腹は代えられんだろう 159 00:09:44,200 --> 00:09:46,267 そもそも豊月神を見つけても 160 00:09:46,567 --> 00:09:50,901 不月神が先に獣を捕まえれば 負けになるのだぞ 161 00:09:51,000 --> 00:09:51,801 おお… 162 00:09:51,901 --> 00:09:55,901 どうせお前の事だから もしも豊月神が負けたら 163 00:09:56,000 --> 00:09:59,868 都合よく私の力を 借りようとか思っているのだろう 164 00:10:00,000 --> 00:10:04,400 だが さすがの私も神に牙むけば 祟られかねん 165 00:10:04,834 --> 00:10:05,300 ああ… 166 00:10:05,434 --> 00:10:06,634 確かに 167 00:10:07,200 --> 00:10:08,100 名取さん 168 00:10:09,701 --> 00:10:13,834 連れ帰り方はどんな形でも いいのかもしれないって事さ 169 00:10:13,934 --> 00:10:14,501 ん… 170 00:10:15,234 --> 00:10:19,033 不月神を封印するために用意してきた 呪詛と壺がある 171 00:10:19,501 --> 00:10:23,934 これに捕まえて持っていけば 首だけっていうよりはマシかもしれない 172 00:10:24,434 --> 00:10:26,067 あぁ 名取さん! 173 00:10:26,934 --> 00:10:27,901 やってみるか 174 00:10:28,367 --> 00:10:28,934 はい 175 00:10:29,300 --> 00:10:32,100 グウー 176 00:10:32,501 --> 00:10:35,000 グウ ガウ 177 00:10:35,334 --> 00:10:40,467 ガウ ウウ… ガウ ウウ ガウッ 178 00:10:41,167 --> 00:10:41,801 こっちだ! 179 00:10:42,000 --> 00:10:44,200 ガウッ 180 00:10:44,267 --> 00:10:45,834 ウウウウウッ! 181 00:10:51,267 --> 00:10:52,834 ウウウッ 182 00:10:54,868 --> 00:10:56,434 ガウッ ウガ〜! 183 00:10:57,167 --> 00:11:01,033 古土におわす影ならぬもの これを掴むは是 184 00:11:01,534 --> 00:11:02,067 ガウ 185 00:11:02,234 --> 00:11:03,300 示されよ! 186 00:11:04,033 --> 00:11:05,534 グルル ガアウッ! 187 00:11:05,567 --> 00:11:06,167 夏目! 188 00:11:06,367 --> 00:11:06,901 はい 189 00:11:07,033 --> 00:11:08,133 グルルウウウ… 190 00:11:08,434 --> 00:11:11,734 グウウアア アアアッ! 191 00:11:11,834 --> 00:11:14,434 グウウ アアッ アアッ 192 00:11:14,501 --> 00:11:17,667 うっうっ ううっ 193 00:11:18,067 --> 00:11:19,934 んん ががー 194 00:11:30,434 --> 00:11:31,868 ああ 195 00:11:32,767 --> 00:11:37,133 で できた 名取さん ありがとうございます 196 00:11:37,501 --> 00:11:39,734 これできっと… きっとやれます! 197 00:11:40,467 --> 00:11:44,300 ニャンコ先生も妖力を貸してくれてありが… あ 先生! 198 00:11:44,334 --> 00:11:46,033 ううん あい ひぃ 199 00:11:46,334 --> 00:11:47,367 -はっ -いよい 200 00:11:47,901 --> 00:11:48,667 ようし 201 00:11:49,267 --> 00:11:50,501 急げ 早く 202 00:11:55,734 --> 00:11:57,300 なんだ 今の光は? 203 00:11:57,367 --> 00:11:58,767 不吉なものを感じた 204 00:11:59,100 --> 00:12:01,534 ううん どこからだ… 205 00:12:01,601 --> 00:12:02,133 ああ 206 00:12:03,067 --> 00:12:03,501 夏目 207 00:12:03,601 --> 00:12:04,067 あっ… 208 00:12:04,133 --> 00:12:05,901 壺を持って三隅が原に 209 00:12:06,534 --> 00:12:08,868 私はここで あいつらの足を止めておく 210 00:12:09,334 --> 00:12:10,167 名取さん 211 00:12:10,467 --> 00:12:14,534 できれば さっきの崖を探して 豊月神を見つけておく 212 00:12:14,567 --> 00:12:15,534 あっ… 213 00:12:17,000 --> 00:12:18,834 大丈夫だよ 夏目 214 00:12:19,801 --> 00:12:24,167 ここまで頑張ったんだ あと少し きっとやれる 215 00:12:25,200 --> 00:12:26,033 行きなさい 216 00:12:26,767 --> 00:12:28,901 はい 名取さんも気をつけて 217 00:12:30,200 --> 00:12:30,667 んんっ 218 00:12:30,801 --> 00:12:34,100 おい 今何かあっちに 飛び出して行かなかったか? 219 00:12:34,300 --> 00:12:35,534 行かせないよ 220 00:12:35,734 --> 00:12:36,667 うっ あっ 221 00:12:36,801 --> 00:12:37,667 人の子! 222 00:12:37,934 --> 00:12:39,767 人がなぜこのような所に! 223 00:12:40,067 --> 00:12:41,801 何か企んでいるのか? 224 00:12:41,834 --> 00:12:43,667 不月様を祓うつもりか! 225 00:12:44,767 --> 00:12:47,133 さすがに神祓いは難しいが… 226 00:12:47,434 --> 00:12:48,000 お おお… 227 00:12:48,033 --> 00:12:50,367 お前たちと遊ぶくらいはできるさ 228 00:12:51,534 --> 00:12:53,734 来い! んっ 229 00:12:53,801 --> 00:12:56,000 うおおお あああっ 230 00:13:01,033 --> 00:13:02,901 お二人とも遅いのう 231 00:13:03,100 --> 00:13:05,834 このまま勝負がつかないのではないか? 232 00:13:06,467 --> 00:13:09,100 はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ 233 00:13:09,234 --> 00:13:10,167 は あっ 234 00:13:10,801 --> 00:13:14,000 あっ ん はぁ はぁっ 235 00:13:17,534 --> 00:13:22,434 はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ… 236 00:13:22,667 --> 00:13:24,667 急げ 急げ! 237 00:13:25,033 --> 00:13:29,000 はぁ はぁ はぁ わあ! うっ くっ… 238 00:13:29,167 --> 00:13:30,934 くうっ はあ 239 00:13:31,300 --> 00:13:35,200 言い伝えでは不月神が勝てば この山が枯れるのだろう? 240 00:13:35,501 --> 00:13:36,934 恐ろしき事だ 241 00:13:37,367 --> 00:13:39,767 むう… しかし 大丈夫だ 242 00:13:39,901 --> 00:13:44,100 なんといっても今まで豊月神が 負けた事はないのだからな 243 00:13:44,434 --> 00:13:45,634 それはそうだが… 244 00:13:45,834 --> 00:13:47,334 おい! 来たぞ! 245 00:13:47,467 --> 00:13:48,200 来た! 246 00:13:48,367 --> 00:13:49,167 どちらだ! 247 00:13:49,367 --> 00:13:51,534 おおお どっち どっちだ? 248 00:13:51,601 --> 00:13:52,234 へっ へっ 249 00:13:52,300 --> 00:13:55,501 牡丹の冠… 豊月神だ! 250 00:13:55,567 --> 00:13:57,834 やったぞ 豊月様だ! 251 00:13:58,701 --> 00:14:01,033 -おっ ほほほー -あっ んっ 252 00:14:01,067 --> 00:14:03,167 豊月様の様子が変だぞ 253 00:14:03,200 --> 00:14:04,601 ボロボロではないか… 254 00:14:04,834 --> 00:14:05,467 へえっ 255 00:14:05,634 --> 00:14:07,000 あれではまるで… 256 00:14:07,334 --> 00:14:12,734 ふっ ふっ ふっ ふっ ふっ ふっ… 257 00:14:13,000 --> 00:14:16,467 この豊月が先に戻ったぞ! 258 00:14:17,667 --> 00:14:19,701 では獣をこれにー 259 00:14:21,033 --> 00:14:21,601 はあっ 260 00:14:27,567 --> 00:14:29,534 うおおっ! 261 00:14:29,868 --> 00:14:31,167 まさしく! 262 00:14:36,701 --> 00:14:38,200 おおおお! 263 00:14:42,934 --> 00:14:44,968 勝者! 豊月神! 264 00:14:45,734 --> 00:14:50,367 おおおお ほっほっほ! おお! 265 00:14:51,467 --> 00:14:52,067 わあ! 266 00:14:59,167 --> 00:15:00,000 豊月神! 267 00:15:00,601 --> 00:15:03,634 豊月様ー! 268 00:15:04,667 --> 00:15:10,367 やった これで… ふう はあ 269 00:15:10,467 --> 00:15:13,100 -不月様だ -あっ 270 00:15:13,167 --> 00:15:13,734 不月様だ 271 00:15:15,133 --> 00:15:15,934 不月様だ 272 00:15:16,067 --> 00:15:16,801 不月様 273 00:15:16,834 --> 00:15:17,701 不月様 274 00:15:17,801 --> 00:15:19,033 ああ 275 00:15:19,200 --> 00:15:20,067 ええや 276 00:15:25,200 --> 00:15:27,801 お前 豊月ではないな 277 00:15:28,033 --> 00:15:28,834 はっ はっ 278 00:15:29,367 --> 00:15:30,033 ぐあっ 279 00:15:31,334 --> 00:15:32,200 おおお… 280 00:15:32,267 --> 00:15:33,067 な なんだ 281 00:15:33,300 --> 00:15:34,067 あれは… 282 00:15:35,634 --> 00:15:36,133 人の子 283 00:15:36,200 --> 00:15:37,100 …ではないのか 284 00:15:37,767 --> 00:15:39,067 人の子ではないのか 285 00:15:39,934 --> 00:15:40,868 だましおったな 286 00:15:41,434 --> 00:15:42,567 我らはだまされ… 287 00:15:42,701 --> 00:15:44,100 豊月はどうした? 288 00:15:44,801 --> 00:15:48,167 お前たち人間は 気まぐれに我らを担ぎあげ 289 00:15:48,634 --> 00:15:50,634 やがて飽いて放り出した 290 00:15:50,968 --> 00:15:54,868 そのうえ よもやアレを 祓ったのではなかろうな 291 00:15:57,400 --> 00:15:58,434 答えよ 292 00:16:02,167 --> 00:16:02,934 わ うっ 293 00:16:04,200 --> 00:16:06,767 んっ … あはっ 294 00:16:06,901 --> 00:16:12,868 ウワウウ ウワウウ… 295 00:16:12,901 --> 00:16:16,367 さすがの私も神に牙むけば祟られかねん 296 00:16:16,434 --> 00:16:18,300 先生 ダメだ! 297 00:16:18,400 --> 00:16:20,400 獣 不敬である 298 00:16:20,534 --> 00:16:22,567 グルルウウ 299 00:16:22,667 --> 00:16:25,367 ニャンコ先生! ううああっ 300 00:16:25,534 --> 00:16:26,300 名取さん 301 00:16:26,767 --> 00:16:28,100 夏目 これを… 302 00:16:29,200 --> 00:16:31,434 夏目なら この封印が解けるはずだ 303 00:16:34,901 --> 00:16:37,334 はっ これが豊月神 304 00:16:39,300 --> 00:16:41,634 豊月神 目を覚ましてくれ 305 00:16:42,167 --> 00:16:46,834 ウウ グルル… 306 00:16:47,400 --> 00:16:48,167 あっ 307 00:16:49,834 --> 00:16:50,801 ああ あっ 308 00:16:59,367 --> 00:17:00,033 あっ 309 00:17:06,367 --> 00:17:09,801 これは… 豊月神の記憶… 310 00:17:11,033 --> 00:17:13,033 夢 かな? 311 00:17:14,100 --> 00:17:17,934 思ってたより 人が少ない小さな祭りだ 312 00:17:19,434 --> 00:17:22,567 ああ でも あたたかい 313 00:17:24,734 --> 00:17:27,067 世話をかけたな 人の子よ 314 00:17:27,234 --> 00:17:27,767 あ あ… 315 00:17:29,734 --> 00:17:31,501 なぜ そんな顔をする 316 00:17:34,167 --> 00:17:35,033 いえ 317 00:17:35,601 --> 00:17:36,834 さといことだ 318 00:17:37,734 --> 00:17:44,234 そうだよ 私にはもう力はほとんどない あんな封印も解けぬほどだ 319 00:17:45,133 --> 00:17:51,601 祭りに勝ったところで山や森を守る力など もうとっくに なくなっていたのだ 320 00:17:51,667 --> 00:17:52,801 うう ふっう… 321 00:17:54,100 --> 00:17:55,033 あっ… 322 00:17:57,767 --> 00:18:00,767 ならばもう 祭りはしまいか 323 00:18:01,467 --> 00:18:03,567 ああ… しまいだ 324 00:18:05,100 --> 00:18:09,400 ならば もう我らは この山を訪れる理由はない 325 00:18:10,734 --> 00:18:15,300 ここで朽ちるのも勝手だが… 共に行かぬか? 326 00:18:17,033 --> 00:18:18,234 不月… 327 00:18:19,100 --> 00:18:20,767 参りましょう 豊月様 328 00:18:20,868 --> 00:18:21,901 豊月様 329 00:18:22,501 --> 00:18:24,734 我らがきっとお守りいたします 330 00:18:25,601 --> 00:18:28,100 さあさあ 参りましょう 331 00:18:28,267 --> 00:18:31,968 夏目様… ありがとうございました 332 00:18:32,033 --> 00:18:33,400 ありがとうございました 333 00:18:33,567 --> 00:18:36,133 ありがとうございました 334 00:18:36,200 --> 00:18:37,834 ありがとうございました 335 00:18:41,601 --> 00:18:42,868 あっ は… 336 00:18:43,400 --> 00:18:46,501 夏目 は… よかった 337 00:18:47,634 --> 00:18:50,767 名取さん 先生 あっ 338 00:18:50,834 --> 00:18:52,868 急に動かない方がいいぞ 339 00:18:53,501 --> 00:18:57,467 あ… 豊月様たちは? 340 00:18:59,067 --> 00:19:00,767 あっ あっ… 341 00:19:02,234 --> 00:19:03,033 ごらん 342 00:19:07,534 --> 00:19:10,234 豊月神と不月神の一行だよ 343 00:19:15,968 --> 00:19:20,167 きれいだな あの二つがきっと神様だよ 344 00:19:21,734 --> 00:19:24,267 なんだか不思議ですね 345 00:19:24,968 --> 00:19:25,534 ん? 346 00:19:27,067 --> 00:19:30,000 対立して見えていた二つの一行は 347 00:19:30,734 --> 00:19:36,767 今は同じ色に光りながら 遠い遠い 同じ空へと消えて行った 348 00:19:38,167 --> 00:19:41,033 うっ はあ… 349 00:19:41,133 --> 00:19:41,901 うががが 350 00:19:41,968 --> 00:19:42,667 夏目! 351 00:19:43,567 --> 00:19:46,701 よかった できた 352 00:19:46,968 --> 00:19:48,968 ありがとう 名取さん 353 00:19:50,434 --> 00:19:56,901 名取さんが来てくれてよかった 俺だけじゃ きっと叶わなかった 354 00:19:58,033 --> 00:20:01,934 一人じゃ… きっとできなかったんです 355 00:20:05,167 --> 00:20:05,767 はぁ 356 00:20:05,934 --> 00:20:07,300 あはっ… 357 00:20:07,767 --> 00:20:11,767 はあ はぁぁ 358 00:20:12,534 --> 00:20:16,734 そうだね そうだね 夏目 359 00:20:19,067 --> 00:20:22,634 こうして月分祭は幕を閉じた 360 00:20:26,033 --> 00:20:28,534 俺は疲労で数日寝込んでしまい 361 00:20:29,200 --> 00:20:32,801 ネチネチと先生にいやみを 言われ続けることになった 362 00:20:33,367 --> 00:20:35,801 まったくもう お前という奴は 363 00:20:36,033 --> 00:20:38,200 つまらん事に首を突っ込んで 364 00:20:38,300 --> 00:20:41,801 挙げ句に疲れたから熱が出ただとぉ 365 00:20:41,901 --> 00:20:45,300 うっう… 先生 重い 366 00:20:45,367 --> 00:20:46,033 うるさい! 367 00:20:48,801 --> 00:20:52,234 うっ ああ 春の風だ 368 00:20:55,267 --> 00:20:59,634 熱がひいたら たまには俺から 名取さんに会いに行こう 369 00:21:01,267 --> 00:21:04,400 あら 貴志くん もう大丈夫なの? 370 00:21:05,334 --> 00:21:07,901 ええ ちょっと散歩してきます 371 00:21:08,200 --> 00:21:10,133 あんまり無理しないのよ 372 00:21:10,267 --> 00:21:11,000 はい 373 00:21:12,267 --> 00:21:17,067 相変わらず考え方や 行動の違いに戸惑う事があるけれど 374 00:21:17,734 --> 00:21:21,601 違うからこそ補いあっていける事も ある気がしたから 375 00:21:23,167 --> 00:21:29,067 三隅の妖者たちは 豊月神の祠を守っていくことにしたようだ 376 00:21:29,601 --> 00:21:30,467 そうか 377 00:21:30,868 --> 00:21:34,767 名取は神祓いもせず あの事態を収めた事で 378 00:21:35,200 --> 00:21:39,267 図らずも祓い屋仲間での名声が またひとつ上がったぞ 379 00:21:39,934 --> 00:21:40,367 ええ? 380 00:21:40,534 --> 00:21:43,434 ちゃっかりしてるな あの若造め 381 00:21:45,434 --> 00:21:47,801 ケガはもう大丈夫なのか? 382 00:21:48,133 --> 00:21:50,501 ああ 大したケガではない 383 00:21:50,901 --> 00:21:52,067 はあ よかった 384 00:21:53,033 --> 00:21:57,601 お前が書いてくれたまじないが 役に立ったのかもしれんな 385 00:21:57,834 --> 00:22:01,000 そもそも柊が 俺に書いてくれたんじゃないか 386 00:22:01,634 --> 00:22:04,167 それに あれは丸太にも効くのか? 387 00:22:05,667 --> 00:22:09,267 ああ そうだな 今の礼はなしだ 388 00:22:10,033 --> 00:22:10,367 ああ 389 00:22:10,467 --> 00:22:10,801 ああ? 390 00:22:10,968 --> 00:22:11,501 来たぞ 391 00:22:11,634 --> 00:22:12,400 うわっ 392 00:22:12,667 --> 00:22:15,367 あっははは ありがとう 393 00:22:16,200 --> 00:22:21,400 聞きたい事や言いたい事があるなら あとは直接言ってやってくれ 394 00:22:21,968 --> 00:22:22,567 んっ 395 00:22:23,868 --> 00:22:24,434 ん? 396 00:22:24,634 --> 00:22:26,801 ああ そうだな 397 00:22:27,701 --> 00:22:28,601 えっへ 398 00:22:30,267 --> 00:22:32,467 ごめんごめん 待ったかい? 399 00:22:35,868 --> 00:22:41,234 微笑んだうしろ姿に 400 00:22:41,534 --> 00:22:48,100 泣きそうな顔を 隠してた 401 00:22:48,701 --> 00:22:54,400 やさしさで胸がいたくて 402 00:22:54,701 --> 00:23:02,300 こんなに日々がいとおしくて 403 00:23:02,701 --> 00:23:15,033 風の音(ね)に 夕闇に 懐かしい君を思い出す 404 00:23:15,534 --> 00:23:28,367 いつまでも一緒だよ と 叶わぬことくり返し 405 00:23:32,734 --> 00:23:38,534 ぬくもりはこの手に 406 00:23:39,133 --> 00:23:44,767 あざやかなまま 生きている 407 00:23:45,534 --> 00:23:51,901 忘れたくないもの 408 00:23:52,267 --> 00:24:02,234 受け取った愛を 未来にかえながら 409 00:24:06,367 --> 00:24:08,434 何を見てるんだ? 夏目 410 00:24:08,667 --> 00:24:10,234 俺の両親の写真だよ 411 00:24:10,300 --> 00:24:12,100 そんな物があったのか 412 00:24:12,200 --> 00:24:16,634 小さい時は必死に忘れようとして 今はほら もう平気だ 413 00:24:16,701 --> 00:24:20,334 やせ我慢ばかりしていると モヤシになるぞ