1 00:01:47,374 --> 00:01:50,043 (夏目)おい どこまで行くんだ? 2 00:01:50,043 --> 00:01:52,713 もうすぐです 夏目様。 3 00:01:52,713 --> 00:01:54,715 もうすぐ もうすぐ。 4 00:01:54,715 --> 00:01:58,719 この先の角のまんじゅう屋で 新作が出たらしいのですが➡ 5 00:01:58,719 --> 00:02:01,989 黄金色のあんが クリなのか サツマイモなのか➡ 6 00:02:01,989 --> 00:02:05,325 気になって夜も眠れないのです。 へぇ…。 7 00:02:05,325 --> 00:02:08,662 (ニャンコ先生)それは ぜひとも 調査せねばならんぞ 夏目! 8 00:02:08,662 --> 00:02:11,064 リサーチ サーチ! 9 00:02:13,667 --> 00:02:17,004 < その日は 中級たちに引っ張られて➡ 10 00:02:17,004 --> 00:02:19,339 少し遠くの町へ来ていた> 11 00:02:19,339 --> 00:02:21,341 意外にも カスタードクリームかもしれませんなぁ。 12 00:02:21,341 --> 00:02:24,011 ここは どの辺なんだ? そろそろ帰らないと➡ 13 00:02:24,011 --> 00:02:26,346 日が暮れる…。 とお かん や…。 14 00:02:26,346 --> 00:02:29,016 怒っちゃダメ 怒っちゃダメ。 15 00:02:29,016 --> 00:02:32,019 すみません。 16 00:02:32,019 --> 00:02:35,355 ほう 案山子の群れですな。 かっ 案山子!? 17 00:02:35,355 --> 00:02:37,357 なんで 案山子が? 18 00:02:37,357 --> 00:02:39,693 山へと入っていくな。 19 00:02:39,693 --> 00:02:41,695 そのようですな。 20 00:02:41,695 --> 00:02:45,699 稲刈りも終わったので お役御免になったのでしょう。 21 00:02:45,699 --> 00:02:49,703 《お役御免 いや そもそも…》 22 00:02:49,703 --> 00:02:52,205 うま うま~。 そこは うし うし~。 23 00:02:52,205 --> 00:02:55,609 《案山子は あんなふうに動かない…》 24 00:03:01,314 --> 00:03:05,018 《ここは 今日 通った あの道…》 25 00:03:08,989 --> 00:03:10,991 《案山子!》 26 00:03:13,326 --> 00:03:17,330 《あの屋敷へ入っていく? 27 00:03:17,330 --> 00:03:19,332 あっ…》 28 00:03:19,332 --> 00:03:21,668 鎌~!? わぁ! どっ…。 29 00:03:21,668 --> 00:03:24,671 うっ なんだ どうしたというのだ!? 30 00:03:24,671 --> 00:03:26,840 あっ…。 31 00:03:26,840 --> 00:03:29,342 まったくもう…。 32 00:03:29,342 --> 00:03:32,679 なぜ またここに 来なければならんのだ。 33 00:03:32,679 --> 00:03:35,682 不穏な感じだったから 気になるんだ。 34 00:03:35,682 --> 00:03:38,018 この近くに 夢で見た屋敷がなければ➡ 35 00:03:38,018 --> 00:03:40,353 気も晴れるし…。 36 00:03:40,353 --> 00:03:43,023 また まんじゅう買って帰れるぞ。 37 00:03:43,023 --> 00:03:45,025 ふむ…。 38 00:03:45,025 --> 00:03:49,029 2個 買ってやるからさ。 よし いいだろう。 39 00:03:49,029 --> 00:03:58,038 ♪~ 40 00:03:58,038 --> 00:04:00,640 ニャーン! あっ…。 41 00:04:00,640 --> 00:04:04,044 先生 あそこだ あの屋敷に…。 42 00:04:06,646 --> 00:04:10,317 (門が開く音) 43 00:04:10,317 --> 00:04:13,653 とお かん や…。 あっ…。 44 00:04:13,653 --> 00:04:18,325 とお かん や…。 とお かん や…。 45 00:04:18,325 --> 00:04:20,327 《なんだ?》 46 00:04:20,327 --> 00:04:25,332 とお かん や…。 とお かん や…。 47 00:04:25,332 --> 00:04:30,337 昨日と同じ案山子のようだな 気味の悪い連中だ。 48 00:04:30,337 --> 00:04:33,006 あぁ…。 おもしろそうだな。 49 00:04:33,006 --> 00:04:35,342 案山子どもを追ってみるか? 50 00:04:35,342 --> 00:04:40,046 それより この家の人が 無事なのか…。 51 00:04:43,350 --> 00:04:45,685 あっ… うわっ 柊! 52 00:04:45,685 --> 00:04:48,522 ということは… あっ。 53 00:04:48,522 --> 00:04:51,525 (名取)やぁ 夏目。 名取さん。 54 00:04:51,525 --> 00:04:54,027 また 妙なところで会うね。 55 00:04:54,027 --> 00:04:56,029 ここで何をしてるんだい? 56 00:04:56,029 --> 00:04:58,698 あっ いえ ただ案山子が…。 57 00:04:58,698 --> 00:05:01,968 案山子? その 鎌とか…。 58 00:05:01,968 --> 00:05:04,638 鎌? 59 00:05:04,638 --> 00:05:07,641 また何かに 首 突っ込んでるのかい? 60 00:05:07,641 --> 00:05:10,477 まだです まだ突っ込んでません。 61 00:05:10,477 --> 00:05:13,313 まったく…。 62 00:05:13,313 --> 00:05:17,984 でも 名取さんがいるってことは 祓い屋の仕事中ですか? 63 00:05:17,984 --> 00:05:21,988 ひょっとして この家で何か…。 64 00:05:21,988 --> 00:05:24,991 部外者には話したくないなぁ。 65 00:05:27,661 --> 00:05:29,663 やれやれ…。 66 00:05:29,663 --> 00:05:34,334 この家の家人が 最近よく眠れないらしくてね。 67 00:05:34,334 --> 00:05:38,004 どうも家の中で 妙な気配を感じるようだ。 68 00:05:38,004 --> 00:05:42,342 見てのとおり 古くここら一帯で 力を持つ領家で➡ 69 00:05:42,342 --> 00:05:45,679 まぁ 古いつきあいもある 祓い屋を通じて➡ 70 00:05:45,679 --> 00:05:50,016 調査の相談が 私のところに 回ってきたってわけさ。 71 00:05:50,016 --> 00:05:54,020 家の中で妙な気配ですか…。 72 00:05:54,020 --> 00:05:56,356 それで 夏目は? 73 00:05:56,356 --> 00:06:00,460 夏目は何を見てしまったの? 74 00:06:00,460 --> 00:06:02,462 実は…。 75 00:06:02,462 --> 00:06:06,633 案山子の姿の妖… 聞いたことないなぁ。 76 00:06:06,633 --> 00:06:10,303 山神か タヌキが遊んでいるのか…。 77 00:06:10,303 --> 00:06:12,639 他に何か 気づいたことはあるかい? 78 00:06:12,639 --> 00:06:14,641 そうですね…。 79 00:06:14,641 --> 00:06:18,311 そういえば 何かブツブツ言っていたような…。 80 00:06:18,311 --> 00:06:21,014 案山子が? なんて言ってた? 81 00:06:23,316 --> 00:06:29,322 ((とお かん や…。 とお かん や…) 82 00:06:29,322 --> 00:06:31,658 「とお かん や」。 83 00:06:31,658 --> 00:06:35,996 「とおかんや」? たしか そう聞こえました。 84 00:06:35,996 --> 00:06:37,998 「とおかんや」って➡ 85 00:06:37,998 --> 00:06:42,335 十五夜とか 十三夜とかの 十日夜のことでしょうか? 86 00:06:42,335 --> 00:06:45,005 う~ん 収穫の感謝のお祭りなんかで➡ 87 00:06:45,005 --> 00:06:47,007 聞いたことあるけど…。 88 00:06:47,007 --> 00:06:49,342 いや 待てよ…。 89 00:06:49,342 --> 00:06:53,013 たぶん 別の字だ。 どこかで聞いたことがある。 90 00:06:53,013 --> 00:06:55,682 別の字? ちょうどいい➡ 91 00:06:55,682 --> 00:06:59,686 この近くに 知り合いの 妖が見える人が住んでいる。 92 00:06:59,686 --> 00:07:02,622 ちょっと偏屈だけど物知りなんだ。 93 00:07:02,622 --> 00:07:05,292 意見を聞きにいってみよう。 あっ…。 94 00:07:05,292 --> 00:07:07,294 夏目も来るかい? 95 00:07:07,294 --> 00:07:09,296 いいんですか? 96 00:07:09,296 --> 00:07:12,966 今更 別行動とられたほうが 心配だからね。 97 00:07:12,966 --> 00:07:15,302 手伝ってくれるかい? 98 00:07:15,302 --> 00:07:18,305 はい。 夏目 まんじゅう。 99 00:07:18,305 --> 00:07:20,974 あぁ 帰りにな。 100 00:07:20,974 --> 00:07:23,643 < こうして 名取さんと➡ 101 00:07:23,643 --> 00:07:27,047 妙な案山子の群れについて 調べることになった> 102 00:07:30,984 --> 00:07:33,653 ずいぶん 森の奥に住んでいるんですね。 103 00:07:33,653 --> 00:07:37,324 う~ なんだこの森 気持ち悪いぞ。 104 00:07:37,324 --> 00:07:39,326 先生…。 105 00:07:39,326 --> 00:07:42,329 柊は大丈夫か? (柊)あぁ。 106 00:07:42,329 --> 00:07:44,664 多少 結界があるからね。 107 00:07:44,664 --> 00:07:46,100 箱崎邸と似たようなものさ。 108 00:07:46,100 --> 00:07:49,002 依島家といって➡ 109 00:07:49,002 --> 00:07:53,340 昔は 的場一門と張り合うほどの 祓いの一族だったけど…。 110 00:07:53,340 --> 00:07:55,342 的場一門と…。 111 00:07:55,342 --> 00:07:58,678 今は 廃業して 森に引きこもっている。 112 00:07:58,678 --> 00:08:02,282 まだまだ力があるくせにね。 113 00:08:02,282 --> 00:08:05,285 (依島)こら 祓い屋。 あっ…。 114 00:08:05,285 --> 00:08:09,289 人の敷地に勝手に入って 何をしている。 115 00:08:09,289 --> 00:08:12,292 お久しぶりです 依島さん。 116 00:08:12,292 --> 00:08:14,961 《この人が 依島さん…》 117 00:08:14,961 --> 00:08:19,966 祓い屋なんぞに話すことなどない さっさと帰れ 名取。 118 00:08:19,966 --> 00:08:22,969 うん? お前 何を連れている? 119 00:08:22,969 --> 00:08:27,640 友人です 妖の見えるね。 夏目といいます。 120 00:08:27,640 --> 00:08:32,645 《なんだろう この人 何かが気になる…》 121 00:08:32,645 --> 00:08:34,647 おい 小僧! 122 00:08:34,647 --> 00:08:36,816 いいから さっさと家へあげろ。 123 00:08:36,816 --> 00:08:40,653 なっ! 客には速やかに茶を出すもんだぞ。 124 00:08:40,653 --> 00:08:43,656 名取 なんだ この生物は!? 125 00:08:43,656 --> 00:08:46,326 貴様 何かの嫌がらせをしに来たのか!? 126 00:08:46,326 --> 00:08:49,329 すっ すみません そのまあるい猫は 俺のです。 127 00:08:49,329 --> 00:08:51,331 なに!? 猫? 128 00:08:51,331 --> 00:08:53,333 ニャンコ先生だ! うわっ! 129 00:08:53,333 --> 00:08:55,335 名取! 130 00:08:58,671 --> 00:09:02,275 すみませんね 虫の居所が悪いときに➡ 131 00:09:02,275 --> 00:09:05,612 お邪魔しちゃったみたいで。 貴様のせいだ。 132 00:09:05,612 --> 00:09:08,014 茶を飲んだら さっさと去れ。 133 00:09:09,949 --> 00:09:13,286 君の気配は なんだか不思議だ。 134 00:09:13,286 --> 00:09:16,623 なんだろう 相当強いのか? 135 00:09:16,623 --> 00:09:19,959 その鞠のような獣が 君の式か? 136 00:09:19,959 --> 00:09:24,297 いえ これは居候です。 用心棒だ ニャンコ先生だ! 137 00:09:24,297 --> 00:09:26,633 もぐもぐ…。 とまぁ ちょっと➡ 138 00:09:26,633 --> 00:09:29,969 危なっかしい子なんですよ。 139 00:09:29,969 --> 00:09:31,971 「とおかんや」。 140 00:09:31,971 --> 00:09:34,641 そうだな たしか 「とおかんや」とは➡ 141 00:09:34,641 --> 00:09:39,312 いわゆる 人と妖の間で行う 勝負の一つだ。 142 00:09:39,312 --> 00:09:42,982 十で完する夜と書いて 「十完夜」。 143 00:09:42,982 --> 00:09:44,984 住みかが欲しい妖が➡ 144 00:09:44,984 --> 00:09:47,654 目をつけた家に 吹っかける勝負事で➡ 145 00:09:47,654 --> 00:09:50,657 家人が それを受ければ始まる。 146 00:09:50,657 --> 00:09:52,992 勝負内容は 十日間。 147 00:09:52,992 --> 00:09:57,664 一日に一度 妖が訪れ 家人を脅かし続け➡ 148 00:09:57,664 --> 00:10:03,670 家人が家を空ければ 妖の勝ちで 家は妖のものになる。 149 00:10:03,670 --> 00:10:06,673 人が恐怖に負けず 家に1人でも とどまれば➡ 150 00:10:06,673 --> 00:10:11,678 人の勝ちで 妖は家に 富を与えなければならない➡ 151 00:10:11,678 --> 00:10:13,680 という勝負さ。 152 00:10:13,680 --> 00:10:17,350 《人と妖の勝負…》 153 00:10:17,350 --> 00:10:19,352 じゃあ あの家の人は➡ 154 00:10:19,352 --> 00:10:22,021 その勝負を 受けたってことですか? 155 00:10:22,021 --> 00:10:25,024 どうだろう。 勝負の開始ってのが➡ 156 00:10:25,024 --> 00:10:28,361 妖が その家の者の名を呼んで➡ 157 00:10:28,361 --> 00:10:31,698 はいと返事してしまったら 開始だからな。 158 00:10:31,698 --> 00:10:34,701 妖のだまし討ちのようなものだな。 159 00:10:34,701 --> 00:10:39,038 《妖の理など 人には わからない。 160 00:10:39,038 --> 00:10:41,708 偶発的に接触がおこって➡ 161 00:10:41,708 --> 00:10:44,377 知らぬ間に つながってしまうんだ》 162 00:10:44,377 --> 00:10:46,379 もう一つ いいですか? 163 00:10:46,379 --> 00:10:49,382 案山子の妖って いるんですか? 164 00:10:49,382 --> 00:10:54,387 なんだか 森や山で見る妖と 何かが違うように感じたんです。 165 00:10:54,387 --> 00:10:56,389 案山子…。 166 00:10:56,389 --> 00:11:00,326 それは おそらく 禁術で作られた案山子だろう。 167 00:11:00,326 --> 00:11:02,328 あっ…。 (依島)人は まったく知らず➡ 168 00:11:02,328 --> 00:11:05,665 案山子を作るが 時に自覚がなくとも➡ 169 00:11:05,665 --> 00:11:09,669 力ある者が 妖になってしまう 案山子の作り方を➡ 170 00:11:09,669 --> 00:11:12,338 やってしまうことがある。 171 00:11:12,338 --> 00:11:17,010 田畑や実りへの感謝や想いが 強くこもるから なおさらだ。 172 00:11:17,010 --> 00:11:20,680 《気づかないうちに行ってしまう 禁術…》 173 00:11:20,680 --> 00:11:24,684 ((レイコ:ねぇ 私と勝負しない?) 174 00:11:24,684 --> 00:11:28,021 《たぶん レイコさんも そうだったんじゃないだろうか。 175 00:11:28,021 --> 00:11:32,025 気まぐれな暇つぶしに 思いついた遊び…。 176 00:11:32,025 --> 00:11:35,361 それでも それは不思議な力を持つゆえに➡ 177 00:11:35,361 --> 00:11:38,197 多くの者を縛って…》 178 00:11:38,197 --> 00:11:42,368 基本的に 魂を縛る 魂を作る…。 179 00:11:42,368 --> 00:11:46,372 新たな魂を 宿らせるための器を作る。 180 00:11:46,372 --> 00:11:51,377 そういう類いは 人が行うべきではないのさ。 181 00:11:51,377 --> 00:11:53,379 実際 そうやって作り➡ 182 00:11:53,379 --> 00:11:55,715 生まれてしまった 案山子なんかは➡ 183 00:11:55,715 --> 00:11:58,051 獣や鳥から田を守り➡ 184 00:11:58,051 --> 00:12:01,988 役目を終えたあとは 行く場も帰る場もなく➡ 185 00:12:01,988 --> 00:12:04,991 山へ隠れることがある。 186 00:12:04,991 --> 00:12:07,660 その案山子の一団ってのは➡ 187 00:12:07,660 --> 00:12:10,997 そういうものの群れなのだろう。 188 00:12:10,997 --> 00:12:14,300 《行く場も 帰る場も…》 189 00:12:17,337 --> 00:12:21,007 妖に心を引っ張られて しまっているじゃないか。 190 00:12:21,007 --> 00:12:23,009 名取 こんな子どもを➡ 191 00:12:23,009 --> 00:12:26,346 お前のような野蛮な祓い屋が 連れまわすな。 192 00:12:26,346 --> 00:12:28,348 わかってますよ。 193 00:12:28,348 --> 00:12:33,686 名取 最近のお前は 的場のガキに似てきたぞ。 194 00:12:33,686 --> 00:12:37,357 あっ… いえ 名取さんと的場さんは違います。 195 00:12:37,357 --> 00:12:39,359 的場さんには的場さんの…。 196 00:12:39,359 --> 00:12:42,362 名取さんには 名取さんのやり方があって…。 197 00:12:42,362 --> 00:12:45,698 名取さんのやり方に 抵抗があるときもあるけれど➡ 198 00:12:45,698 --> 00:12:48,868 どうにか 誰かの力になろうって…。 199 00:12:48,868 --> 00:12:53,373 俺は そういう名取さんを すごい人だと思っています。 200 00:12:53,373 --> 00:12:58,044 すまない 君の友人を 悪く言うつもりはなかった。 201 00:12:58,044 --> 00:13:00,313 いえ すみません➡ 202 00:13:00,313 --> 00:13:02,982 押しかけて いろいろ教えてもらっているのに。 203 00:13:02,982 --> 00:13:05,985 そろそろ失礼しようか。 204 00:13:05,985 --> 00:13:07,987 失礼しました。 205 00:13:07,987 --> 00:13:11,658 おじゃましましたね。 さっさと帰れ 二度と来るな。 206 00:13:11,658 --> 00:13:13,660 はいはい。 207 00:13:13,660 --> 00:13:16,663 しかし 変な感じの子だ。 208 00:13:16,663 --> 00:13:18,998 知っているような 知らないような…。 209 00:13:18,998 --> 00:13:21,334 いろんな気配がする。 210 00:13:21,334 --> 00:13:23,670 何か 妙なものに 憑かれているのか➡ 211 00:13:23,670 --> 00:13:26,005 持っているのか…。 212 00:13:26,005 --> 00:13:30,677 依島さん。 レイコさんって聞いたことあります? 213 00:13:30,677 --> 00:13:32,679 夏目レイコ。 214 00:13:37,350 --> 00:13:41,354 夏目レイコ? いや。 215 00:13:41,354 --> 00:13:43,356 (名取)じゃあ 友人帳は? 216 00:13:43,356 --> 00:13:45,358 なに? 知らん。 217 00:13:45,358 --> 00:13:48,361 なんだ 何を調べている? 名取。 218 00:13:48,361 --> 00:13:51,030 いえ まぁ 大事なことですよ。 219 00:13:51,030 --> 00:13:53,366 ただ 調べようがなくて。 220 00:13:53,366 --> 00:13:55,702 でも 今のは内密に。 221 00:13:55,702 --> 00:13:58,705 もし 何か耳にしたら教えてください。 222 00:13:58,705 --> 00:14:02,642 そんな義理はない。 ですね では。 223 00:14:02,642 --> 00:14:04,644 (戸が閉まる音) 224 00:14:04,644 --> 00:14:07,980 ぬ~ 虫の好かない空間だった。 225 00:14:07,980 --> 00:14:09,982 大丈夫か? 先生。 226 00:14:09,982 --> 00:14:12,318 俺は なんだか 落ち着く感じだったんだけど。 227 00:14:12,318 --> 00:14:14,654 なに!? このニブチンめ! 228 00:14:14,654 --> 00:14:16,989 はいはい…。 229 00:14:16,989 --> 00:14:20,660 《なんだったんだろう? 不思議な この感覚…》 230 00:14:20,660 --> 00:14:23,329 お待たせ 夏目。 あっ…。 231 00:14:23,329 --> 00:14:28,000 原因はわかった いけそうかい? はい。 232 00:14:28,000 --> 00:14:33,005 (雨沢)おぉ 名取さん よくいらしてくださった。 233 00:14:33,005 --> 00:14:35,675 <依頼人の雨沢家のご主人は➡ 234 00:14:35,675 --> 00:14:39,679 この辺に多くの田畑を持つ おおらかな人だった> 235 00:14:39,679 --> 00:14:43,349 最近 昼寝や夜眠ると 1回は➡ 236 00:14:43,349 --> 00:14:48,688 家の中をいろんな人に 追い回される怖い夢を見るのです。 237 00:14:48,688 --> 00:14:53,025 だんだん この家にいるのが 恐ろしくなってきましてな。 238 00:14:53,025 --> 00:14:56,028 ご相談したのです。 239 00:14:56,028 --> 00:15:00,299 しかし そうですか 案山子の妖…。 240 00:15:00,299 --> 00:15:02,969 不思議なことも あるものですな。 241 00:15:02,969 --> 00:15:06,639 それで 異変が起き始めてから 何日目ですか? 242 00:15:06,639 --> 00:15:11,978 あれは 金曜からだったので ゆうべで9日目のはずです。 243 00:15:11,978 --> 00:15:14,313 十完夜は10日で終わるから…。 244 00:15:14,313 --> 00:15:18,317 おそらく 今晩こらえれば 異変は去ります。 245 00:15:18,317 --> 00:15:21,988 我々は 一応 結界や追い祓う準備をして➡ 246 00:15:21,988 --> 00:15:24,323 結末を見守りたいのですが…。 247 00:15:24,323 --> 00:15:28,327 古いが 思い出も歴史も詰まった 我が家です。 248 00:15:28,327 --> 00:15:31,664 よろしくお願いいたします。 249 00:15:31,664 --> 00:15:33,100 <塔子さんに連絡して➡ 250 00:15:33,100 --> 00:15:37,670 ロケの手伝いで1泊すると 名取さんから伝えてもらい➡ 251 00:15:37,670 --> 00:15:42,074 2人で夜通し 雨沢さんのお屋敷を 見張ることになった> 252 00:15:44,343 --> 00:15:46,345 うぅ…。 253 00:15:48,681 --> 00:15:51,350 あと1日なら どうにかなりそうですね。 254 00:15:51,350 --> 00:15:54,687 あぁ 助かったよ 夏目のおかげかな。 255 00:15:54,687 --> 00:15:57,690 嫌みですか? 何もしてませんよ。 256 00:15:57,690 --> 00:16:02,295 いや いつも依島さんは あんなにベラベラしゃべらない。 257 00:16:02,295 --> 00:16:04,964 不思議な人ですね。 258 00:16:04,964 --> 00:16:08,301 怖いような 懐かしいような…。 259 00:16:08,301 --> 00:16:11,971 妖と話しているときと 似ているような…。 260 00:16:11,971 --> 00:16:13,973 遠からずだね。 261 00:16:13,973 --> 00:16:16,642 ああ見えて 結構 年がいってるらしい。 262 00:16:16,642 --> 00:16:19,645 うわさだと 半身 妖だとか…。 263 00:16:19,645 --> 00:16:21,981 妖の血が流れているのか? 264 00:16:21,981 --> 00:16:25,651 いや 妖に左腕を食われたが➡ 265 00:16:25,651 --> 00:16:28,654 次の日には腕が戻っていたとか なんだとか…。 266 00:16:28,654 --> 00:16:31,657 えっ? 妖が 左腕に成り代わって➡ 267 00:16:31,657 --> 00:16:34,994 取り憑いているとか いないとか。 あっ…。 268 00:16:34,994 --> 00:16:37,997 妖と 関わっている人たちといると➡ 269 00:16:37,997 --> 00:16:44,003 自分なんかの不安や心配事なんて ひどく ちっぽけに思えるんだ。 270 00:16:44,003 --> 00:16:47,340 でも ちっぽけでも➡ 271 00:16:47,340 --> 00:16:50,843 つらいことは やっぱりあって…。 272 00:16:50,843 --> 00:16:54,680 怖いときも やっぱりあって…。 273 00:16:54,680 --> 00:16:56,682 はい…。 274 00:16:58,684 --> 00:17:01,954 おおかた 罠の陣は はれたかな。 275 00:17:01,954 --> 00:17:05,291 勝負事の間は 妖は客人だ。 276 00:17:05,291 --> 00:17:07,960 結界は あまり当てにならないけど➡ 277 00:17:07,960 --> 00:17:11,297 一応 門の前に描いておくか。 はい。 278 00:17:11,297 --> 00:17:13,299 (2人)あっ…。 (物音) 279 00:17:20,306 --> 00:17:23,309 来た! 日付が変わったばかりだぞ。 280 00:17:23,309 --> 00:17:25,611 せっかちな。 おい! 281 00:17:27,980 --> 00:17:30,650 夏目 雨沢さんの様子を。 282 00:17:30,650 --> 00:17:33,986 庭から見える縁側の部屋だ。 はい! 283 00:17:33,986 --> 00:17:36,656 柊。 雨沢さんは? 284 00:17:36,656 --> 00:17:38,991 うなされていて 目を覚まさない。 285 00:17:38,991 --> 00:17:43,329 ここは 私が見ている。 名取を手伝ってやってくれ 夏目。 286 00:17:43,329 --> 00:17:45,331 あぁ わかった。 287 00:17:47,333 --> 00:17:49,635 あっ…。 (斑)グオー! 288 00:17:51,671 --> 00:17:55,675 フンッ まず1匹 追い出したぞ。 ありがとう 先生。 289 00:17:55,675 --> 00:17:59,345 案山子は10体だったから あと9匹。 290 00:17:59,345 --> 00:18:02,281 カア! カア カア! 291 00:18:02,281 --> 00:18:04,283 もっと こっちだ! 292 00:18:04,283 --> 00:18:06,285 俺たちを追い出さないと 勝てないぞ! 293 00:18:06,285 --> 00:18:10,289 カア カア! カッ…。 294 00:18:10,289 --> 00:18:12,625 カア! 295 00:18:12,625 --> 00:18:14,627 2匹目。 296 00:18:20,633 --> 00:18:23,636 いった… いったぁ! 297 00:18:23,636 --> 00:18:26,038 ええい うっとうしいわ! 298 00:18:28,975 --> 00:18:30,977 名取さん! 299 00:18:30,977 --> 00:18:33,646 汝 名のついた土なり。 300 00:18:33,646 --> 00:18:36,983 つけた者を守らずは ただの土なり。 301 00:18:36,983 --> 00:18:39,986 汝を踏むものを我は許さず。 302 00:18:39,986 --> 00:18:42,989 放られよ いらぬ者なり。 303 00:18:44,991 --> 00:18:48,327 これで9体 あと1匹。 304 00:18:48,327 --> 00:18:51,330 (名取)瓜姫 笹後 中はどうだ? 305 00:18:51,330 --> 00:18:56,335 (笹後)見当たりません。 先生 においは? 306 00:18:56,335 --> 00:18:58,337 ワラ人形だぞ におうか! 307 00:18:58,337 --> 00:19:00,272 《あと1匹…。 308 00:19:00,272 --> 00:19:04,276 どこだ? どこに…》 309 00:19:04,276 --> 00:19:06,278 (雨沢)うぅ…。 あっ…。 310 00:19:06,278 --> 00:19:08,280 うぅ…。 311 00:19:08,280 --> 00:19:10,950 うっ あぁ…。 312 00:19:10,950 --> 00:19:14,954 雨沢さん 大丈夫ですか? あっ…。 313 00:19:14,954 --> 00:19:18,457 瓜姫は 裏門を。 (瓜姫)はっ。 314 00:19:18,457 --> 00:19:21,460 ダメです 雨沢さん まだ終わっていない。 315 00:19:21,460 --> 00:19:23,796 あと1匹 見つかってないんです。 316 00:19:23,796 --> 00:19:26,799 雨沢さん! 317 00:19:26,799 --> 00:19:28,801 雨沢さん。 318 00:19:28,801 --> 00:19:32,471 すまんな 案山子の妖とやら。 319 00:19:32,471 --> 00:19:36,976 帰れぬのは つらかろうが 悪いが ここは大事な家だ。 320 00:19:36,976 --> 00:19:39,278 譲ってはやれない。 321 00:19:41,647 --> 00:19:43,649 《ホウキが!》 322 00:19:59,999 --> 00:20:05,171 < こうして 妖と人の奇妙な勝負が終わった> 323 00:20:05,171 --> 00:20:10,009 おい ヤツらを逃がして 大丈夫なのか? 324 00:20:10,009 --> 00:20:13,345 また どっかで人に 勝負を吹っかけるかもしれんぞ。 325 00:20:13,345 --> 00:20:15,681 彼らは 負けたんだ。 326 00:20:15,681 --> 00:20:19,351 負けたら 義務を果たすまで 次はできないだろうさ。 327 00:20:19,351 --> 00:20:21,353 それに 所詮は木偶。 328 00:20:21,353 --> 00:20:24,356 こんな大それたことに 力を使ったんだ。 329 00:20:24,356 --> 00:20:27,359 しばらくは 大したこともできないさ。 330 00:20:27,359 --> 00:20:30,029 《おそらくは 偶然に…。 331 00:20:30,029 --> 00:20:34,533 ただ 何かのいたずらで おこってしまった禁術。 332 00:20:34,533 --> 00:20:37,636 あの案山子たちは…》 333 00:20:39,705 --> 00:20:42,041 ありがとうございました。 334 00:20:42,041 --> 00:20:44,710 いえ 我々は大したことは…。 335 00:20:44,710 --> 00:20:47,713 よく案山子の場所が わかりましたね。 336 00:20:47,713 --> 00:20:52,051 夢の中で 怖い連中に 追い回されていたんですがね➡ 337 00:20:52,051 --> 00:20:55,221 門のところに見慣れぬホウキが…。 338 00:20:55,221 --> 00:21:00,326 長く生きてきましたが 不思議なこともあるものですなぁ。 339 00:21:00,326 --> 00:21:04,663 いったい うちの何を気に入ったのか…。 340 00:21:04,663 --> 00:21:08,667 妻は先立ち 子どもたちも巣立った。 341 00:21:08,667 --> 00:21:13,672 フフ… うちは もともと 田畑に支えられてきた家だ。 342 00:21:13,672 --> 00:21:15,674 もし このあと➡ 343 00:21:15,674 --> 00:21:19,345 あの案山子たちが成してくれる 財が回ってくるなら➡ 344 00:21:19,345 --> 00:21:21,347 それを差し上げるので➡ 345 00:21:21,347 --> 00:21:25,017 かなうなら 案山子たちを 解放してやってください➡ 346 00:21:25,017 --> 00:21:27,019 祓い屋さん。 347 00:21:27,019 --> 00:21:31,023 あっ…。 フフ… 善処します。 348 00:21:33,692 --> 00:21:36,362 そんなことできるんですか? 名取さん。 349 00:21:36,362 --> 00:21:38,364 さあね。 えっ? 350 00:21:38,364 --> 00:21:40,366 前 言ったろ? 351 00:21:40,366 --> 00:21:44,703 退治より 解約や解術は やっかいなのが多いんだ。 352 00:21:44,703 --> 00:21:48,707 そうですね。 見つけるよ いつか…。 353 00:21:48,707 --> 00:21:53,612 友人帳とかいうのから 君を解放する方法を。 354 00:21:57,716 --> 00:21:59,718 ニャン。 わっ! おい 夏目。 355 00:21:59,718 --> 00:22:02,655 このまま帰る気か!? えっ? あっ! 356 00:22:02,655 --> 00:22:05,324 「あっ」じゃない! まんじゅう買うまで➡ 357 00:22:05,324 --> 00:22:07,993 帰さんからな! それも2個だ! 358 00:22:07,993 --> 00:22:10,663 (名取)まだ店 開いてないんじゃないかい? 359 00:22:10,663 --> 00:22:13,666 ニャッ!? ニャンだと~! 360 00:24:10,983 --> 00:24:13,986 おい 夏目 まんじゅう! それも2個だ!