1 00:01:41,034 --> 00:01:44,037 (夏目)北本の家に行くの 久しぶりだな。 2 00:01:44,037 --> 00:01:47,040 (北本)いつも おじゃましてばかりも悪いしな。 3 00:01:47,040 --> 00:01:51,044 西村は 塾のあとに来るって。 塾かぁ…。 4 00:01:51,044 --> 00:01:54,381 意外に アイツ そういうところ しっかりしてるよな。 5 00:01:54,381 --> 00:01:56,383 ん? 6 00:01:56,383 --> 00:01:58,385 どうした? 7 00:01:58,385 --> 00:02:01,989 ここの古本屋 いつも閉まってたのに 開いてる。 8 00:02:01,989 --> 00:02:05,659 へぇ 店があるなんて 気付かなかったな。 9 00:02:05,659 --> 00:02:09,329 だろ。 小さいときは 時々開いてて…。 10 00:02:09,329 --> 00:02:13,333 たしか 一度 親父と入ったこともあったな…。 11 00:02:13,333 --> 00:02:18,338 何年も閉じてたから 閉店したのかと思ってたけど…。 12 00:02:18,338 --> 00:02:22,342 ちょっと のぞいていかないか? あぁ いいな。 13 00:02:22,342 --> 00:02:24,344 (ドアベルの音) 14 00:02:28,682 --> 00:02:30,684 こんにちは。 15 00:02:30,684 --> 00:02:34,688 いらっしゃい。 ゆっくりご覧になってね。 16 00:02:34,688 --> 00:02:38,692 おじゃまします。 わぁ 懐かしい…。 17 00:02:38,692 --> 00:02:43,030 広いな。 あぁ 外からだと わかんないけど。 18 00:02:43,030 --> 00:02:46,033 何か 掘り出し物でも 見つかりそうだ。 19 00:02:46,033 --> 00:02:48,702 なんか ここ ワクワクするよな。 20 00:02:48,702 --> 00:02:52,406 じゃあ ちょっと 自由に見て回ろうぜ。 あぁ。 21 00:02:55,042 --> 00:02:57,377 《それにしても広いな。 22 00:02:57,377 --> 00:02:59,379 あまりに広くて➡ 23 00:02:59,379 --> 00:03:02,082 店の中だということも 忘れそうな…》 24 00:03:04,651 --> 00:03:09,322 《今 何かの気配を 感じた気がしたけれど。 25 00:03:09,322 --> 00:03:11,992 害があるかないか わかればな…》 26 00:03:11,992 --> 00:03:13,994 (あくび) 27 00:03:13,994 --> 00:03:17,664 《でも 用心したほうがいい》 28 00:03:17,664 --> 00:03:22,669 すごいな 全然変わってない。 29 00:03:22,669 --> 00:03:26,673 あぁ 手が届くようになってる。 30 00:03:26,673 --> 00:03:30,677 父ちゃんに あれこれ せがんで 困らせたんだよな…。 31 00:03:30,677 --> 00:03:34,347 ん? なんだ これ。 あっ 北本。 32 00:03:34,347 --> 00:03:39,686 よかった そろそろ行こう。 うん そうだな。 33 00:03:39,686 --> 00:03:42,689 おじゃましました。 (ドアベルの音) 34 00:03:42,689 --> 00:03:46,026 (ニャンコ先生)ん~ んっ なに 古本屋? 35 00:03:46,026 --> 00:03:50,697 北本の家の方角だよ。 先生は何か知らないか? 36 00:03:50,697 --> 00:03:52,699 ブルルル…。 37 00:03:52,699 --> 00:03:56,536 お前まさか また変なのに かまったんじゃないだろうな? 38 00:03:56,536 --> 00:03:59,039 こら やめろ 先生。 39 00:03:59,039 --> 00:04:02,642 気配がしたから さっさと出てきたぞ。 40 00:04:02,642 --> 00:04:07,647 それでいい 怪しいものには 近づかないのが いちばんだ。 41 00:04:07,647 --> 00:04:11,651 あぁ もう…。 やっぱり そうだよな。 42 00:04:11,651 --> 00:04:15,655 《でも本当は もう少し散策してみたかった。 43 00:04:15,655 --> 00:04:18,658 あの不思議な古本屋を…》 44 00:04:18,658 --> 00:04:29,669 ♬~ 45 00:04:29,669 --> 00:04:32,339 今日も開いてる。 46 00:04:32,339 --> 00:04:35,008 おじゃまし…。 (ドアベルの音) 47 00:04:35,008 --> 00:04:52,692 ♬~ 48 00:04:52,692 --> 00:04:56,029 あれ? まただ。 なんだ これ…。 (足音) 49 00:04:56,029 --> 00:04:58,632 (カエダ)おい。 50 00:05:01,968 --> 00:05:04,304 (チャイム) 51 00:05:04,304 --> 00:05:06,973 (西村)夏目。 夏目! 52 00:05:06,973 --> 00:05:10,310 ん? 西村 テストどうだった? 53 00:05:10,310 --> 00:05:13,313 聞くな! 俺は これから伸びるんだ! 54 00:05:13,313 --> 00:05:15,315 じゃなくてさ➡ 55 00:05:15,315 --> 00:05:18,318 北本 最近 ちょっと 変じゃないか? 56 00:05:18,318 --> 00:05:20,987 変って… 何かあったのか? 57 00:05:20,987 --> 00:05:24,658 いや… 俺の気のせいかなぁ。 58 00:05:24,658 --> 00:05:29,663 ここ2~3日さ なんていうか いるけどいないような…。 59 00:05:36,002 --> 00:05:38,338 うわっ 先生 なんでここに。 60 00:05:38,338 --> 00:05:41,007 お前こそ こそこそ何をしている。 61 00:05:41,007 --> 00:05:43,343 西村が 気になることを言ってたから➡ 62 00:05:43,343 --> 00:05:46,680 北本の様子を…。 63 00:05:46,680 --> 00:05:48,682 (ドアベルの音) 64 00:05:48,682 --> 00:05:50,684 (足音) 65 00:05:50,684 --> 00:05:53,353 北本。 夏目? 66 00:05:53,353 --> 00:05:57,023 どうした 顔が青いぞ。 また貧血か? 67 00:05:57,023 --> 00:05:59,960 いや それより なんで またここに…。 68 00:05:59,960 --> 00:06:03,630 えっ? そりゃ 本は好きなほうだし…。 69 00:06:03,630 --> 00:06:06,633 それに ここに来たら 思い出したんだ。 70 00:06:06,633 --> 00:06:10,971 小さい頃さ 妹の真奈が まだ手がかかって➡ 71 00:06:10,971 --> 00:06:14,307 俺は かまってもらえず いじけたときがあって…。 72 00:06:14,307 --> 00:06:18,979 気付いてくれた父ちゃんが 男同士で探検に行こうって➡ 73 00:06:18,979 --> 00:06:21,648 2人きりで 散歩したことがあってさ。 74 00:06:21,648 --> 00:06:24,651 すごく楽しかったんだ。 75 00:06:24,651 --> 00:06:26,987 そのとき ここへも来て…。 76 00:06:26,987 --> 00:06:30,657 父ちゃんが欲しそうに見てた本が あったなって。 77 00:06:30,657 --> 00:06:35,328 それをまぁ 思い出しながらでも 探せないかなって。 78 00:06:35,328 --> 00:06:37,664 そうか…。 79 00:06:37,664 --> 00:06:42,002 でもさ 妙なことに気が付いたんだ。 80 00:06:42,002 --> 00:06:45,672 夏目と来た日にさ 適当に開いた本に➡ 81 00:06:45,672 --> 00:06:48,008 紙切れが1枚 挟まっていて➡ 82 00:06:48,008 --> 00:06:52,679 落書きみたいな 奇妙な 文字っぽいものが書いてあった。 83 00:06:52,679 --> 00:06:56,683 元の持ち主が挟んだまま 売ったんだろうと思ったけど➡ 84 00:06:56,683 --> 00:07:01,788 翌日また 似たような変な紙切れが 挟まってる本を見つけたんだ。 85 00:07:01,788 --> 00:07:04,624 気になって あれこれ取って開いてみたら➡ 86 00:07:04,624 --> 00:07:08,295 他にも5~6冊あったんだ。 そんなに? 87 00:07:08,295 --> 00:07:10,630 (北本)あぁ。 さすがに そうなると➡ 88 00:07:10,630 --> 00:07:13,633 ここで誰かが 挟みこんでるんじゃないかって。 89 00:07:13,633 --> 00:07:16,303 誰が? 何のためにだろう。 90 00:07:16,303 --> 00:07:18,638 《落書きみたいな文字…》 91 00:07:18,638 --> 00:07:22,642 ん~ あまり考えたくないけれど➡ 92 00:07:22,642 --> 00:07:26,646 イタズラとか 店への嫌がらせ って可能性もあるんだよな。 93 00:07:26,646 --> 00:07:29,316 あの紙切れ うまく言えないけど➡ 94 00:07:29,316 --> 00:07:32,652 見たとき すごく嫌な気分になったんだ。 95 00:07:32,652 --> 00:07:38,358 その変な紙切れって どんな…。 あぁ えっと… どこだったかな。 96 00:07:48,001 --> 00:07:50,003 《これは…》 97 00:07:50,003 --> 00:07:54,341 あっ そうだ それだよ。 よく見つけたな 夏目。 98 00:07:54,341 --> 00:07:56,643 《妖文字?》 99 00:08:00,280 --> 00:08:03,950 《読める。 100 00:08:03,950 --> 00:08:05,952 「した」?》 101 00:08:05,952 --> 00:08:07,954 テーイ! イッテ! 102 00:08:07,954 --> 00:08:10,957 フシューッ!! あっ 夏目んちの…。 103 00:08:10,957 --> 00:08:13,626 外で待ってろって言ったのに。 104 00:08:13,626 --> 00:08:17,297 《やっぱり ヤバい妖怪が ここにいるのか》 105 00:08:17,297 --> 00:08:20,967 北本 帰ろう。 えっ 待て 夏目…。 106 00:08:20,967 --> 00:08:22,969 (カエダ)おい。 107 00:08:22,969 --> 00:08:25,972 また来てしまったのか。 そっちこそ。 108 00:08:25,972 --> 00:08:28,975 そりゃ開いてりゃ来るだろ 客なんだから。 109 00:08:28,975 --> 00:08:32,645 だっ 誰? この店の店員さんだろ。 110 00:08:32,645 --> 00:08:35,982 なんでか 早く帰れって よく絡まれるんだ。 111 00:08:35,982 --> 00:08:39,652 この店は危険なんだ。 あまり入ってこないでくれ。 112 00:08:39,652 --> 00:08:41,654 えっ。 113 00:08:41,654 --> 00:08:45,658 だから危険って何が? 棚の立てつけとか? 114 00:08:45,658 --> 00:08:49,662 それは あなた方に関係ないこと。 (北本)横暴だぞ!? 115 00:08:49,662 --> 00:08:54,334 ハァー。 困ってることがあるなら 手伝うって言ってるだろ。 116 00:08:54,334 --> 00:08:58,671 それとも 俺たちが来て 何か迷惑なことでもあるのか? 117 00:08:58,671 --> 00:09:02,942 迷惑ということではなく…。 118 00:09:02,942 --> 00:09:06,946 とにかく 今日はもう出よう 北本。 えっ けど…。 119 00:09:06,946 --> 00:09:10,049 おじゃましました。 (ドアベルの音) 120 00:09:12,285 --> 00:09:14,287 (北本)あの子 ちょっと変わってるよな。 121 00:09:14,287 --> 00:09:16,289 そうだな。 122 00:09:16,289 --> 00:09:18,625 でもさ あまり話したことないけど➡ 123 00:09:18,625 --> 00:09:21,961 あの店のために必死な感じで。 124 00:09:21,961 --> 00:09:25,298 例の紙切れのことも 聞いてみたいけど➡ 125 00:09:25,298 --> 00:09:28,635 あの様子だと 俺が疑われかねないよな。 126 00:09:28,635 --> 00:09:30,970 ん~。 127 00:09:30,970 --> 00:09:33,306 《あの紙が妖絡みなら➡ 128 00:09:33,306 --> 00:09:36,309 あまり人には 知られないほうがいいかも》 129 00:09:36,309 --> 00:09:38,311 あっ まずい。 130 00:09:38,311 --> 00:09:40,647 母ちゃんを手伝う 約束してたんだ…。 131 00:09:40,647 --> 00:09:42,982 変なことにつきあわせて悪かった。 132 00:09:42,982 --> 00:09:44,984 じゃあな。 あっ…。 133 00:09:47,320 --> 00:09:51,324 <北本の後ろ姿は 父親へのサプライズと➡ 134 00:09:51,324 --> 00:09:55,028 不思議な古本屋に 心が弾んでいるようだった> 135 00:10:01,668 --> 00:10:05,672 ((この店は危険なんだ。 あまり入ってこないでくれ)) 136 00:10:05,672 --> 00:10:09,008 あの女の子は 何か知っているのかな。 137 00:10:09,008 --> 00:10:12,345 知ってるもなにも あの女は妖ものだろう。 138 00:10:12,345 --> 00:10:16,349 ブーッ! えっ!? だって 北本も見えてた…。 139 00:10:16,349 --> 00:10:21,020 おそらく あの店内が 妖の世とつながっているのだろう。 140 00:10:21,020 --> 00:10:25,358 だから 人間に姿を見せることが できるのかもしれん。 141 00:10:25,358 --> 00:10:28,027 じゃあ あのレジのおばあさんも? 142 00:10:28,027 --> 00:10:31,030 いや あっちは 普通の人間だろう。 143 00:10:31,030 --> 00:10:34,701 場所的な要因や 古いものを集めることで➡ 144 00:10:34,701 --> 00:10:37,704 境界に作用することもあるのさ。 145 00:10:37,704 --> 00:10:39,706 そして 大抵の人間は➡ 146 00:10:39,706 --> 00:10:43,042 迷い込んだとしても 気付かんもんさ。 147 00:10:43,042 --> 00:10:45,044 (心音) 148 00:10:45,044 --> 00:10:49,048 《北本が 妖と触れ合ってしまったのか…》 149 00:10:49,048 --> 00:10:53,052 先生 あの店員は 危険な妖だと思うか? 150 00:10:53,052 --> 00:10:56,055 さあな それは わからんが…。 151 00:10:56,055 --> 00:11:01,060 あの紙切れは まずい感じだぞ。 おそらくは 呪詛だな。 152 00:11:04,664 --> 00:11:08,668 ハァー。 153 00:11:08,668 --> 00:11:13,339 ((でい:ちょうだい… ちょうだい…。 154 00:11:13,339 --> 00:11:16,676 ちょうだいします。 155 00:11:16,676 --> 00:11:24,017 ちょうだい… ちょうだい… ちょうだいします。 156 00:11:24,017 --> 00:11:27,687 ちょうだい ちょうだい。 157 00:11:27,687 --> 00:11:29,689 舌をちょうだい)) 158 00:11:29,689 --> 00:11:32,358 うわぁ~! うわぁ! 159 00:11:32,358 --> 00:11:34,694 舌かぁ…。 160 00:11:34,694 --> 00:11:38,364 《あの紙切れ… 調べてみないと》 161 00:11:38,364 --> 00:11:40,366 (遠雷の音) 162 00:11:40,366 --> 00:11:42,669 (ドアベルの音) 163 00:11:46,372 --> 00:11:48,708 あの…。 164 00:11:48,708 --> 00:11:52,045 あなたは… 来るなと言ってるのに。 165 00:11:52,045 --> 00:11:54,380 俺も来たくて来たんじゃない。 166 00:11:54,380 --> 00:11:59,385 君 ひょっとして妖なのか? なぜわかった。 167 00:11:59,385 --> 00:12:01,321 《やっぱり…》 168 00:12:01,321 --> 00:12:03,656 ん~ ニャッ それだけではないぞ。 169 00:12:03,656 --> 00:12:06,659 た たぬき!? あなた方は いったい…。 170 00:12:06,659 --> 00:12:08,661 ニャンコ先生だ!! 171 00:12:08,661 --> 00:12:14,334 本に何やら よからぬ紙切れを 挟んでるのは お前か!? 172 00:12:14,334 --> 00:12:17,003 その紙切れは どこに! えっ。 173 00:12:17,003 --> 00:12:19,339 私は この店を守る者。 174 00:12:19,339 --> 00:12:21,674 その怪しき呪術を 行っているやつを➡ 175 00:12:21,674 --> 00:12:26,012 再び書へと 封じ直さねばならないのだ。 176 00:12:26,012 --> 00:12:28,014 これだ。 177 00:12:30,016 --> 00:12:32,352 これは間違いなく ヤツの気配。 178 00:12:32,352 --> 00:12:35,688 ヤツって? 昔から この書店に➡ 179 00:12:35,688 --> 00:12:39,025 「でい」という悪鬼を封じた 書物があったのだが➡ 180 00:12:39,025 --> 00:12:42,695 店を再開する際 その書の封が解かれ➡ 181 00:12:42,695 --> 00:12:46,032 ヤツは 店内へ放たれてしまった。 182 00:12:46,032 --> 00:12:48,034 私は カエダ。 183 00:12:48,034 --> 00:12:50,036 とある古き書に宿り➡ 184 00:12:50,036 --> 00:12:55,041 持ち主が眠る間 あるじに代わり家を守るのが役目。 185 00:12:55,041 --> 00:12:58,044 ヤツが 悪さをするかもしれないので➡ 186 00:12:58,044 --> 00:13:02,315 客が来れば姿を見せ 早く帰るよう助言しているのだ。 187 00:13:02,315 --> 00:13:04,317 助言…。 188 00:13:04,317 --> 00:13:08,655 そうか ヤツが何かを 仕掛けている気配があったが…。 189 00:13:08,655 --> 00:13:12,992 この感じ… おそらく 最初に これを見た者に呪いをかけ➡ 190 00:13:12,992 --> 00:13:17,664 ここに書かれている 体の部位の力を抜くものだ。 191 00:13:17,664 --> 00:13:19,666 ふむ これは 舌だが➡ 192 00:13:19,666 --> 00:13:24,003 右耳や爪 臓物なんてのもあるだろうな。 193 00:13:24,003 --> 00:13:26,673 ((でい:ちょうだい ちょうだい…)) 194 00:13:26,673 --> 00:13:31,010 まずい! じゃあ 数枚 見てしまった北本にも 呪いが…。 195 00:13:31,010 --> 00:13:34,681 あの人も! しかし まだ猶予はある。 196 00:13:34,681 --> 00:13:38,017 ヤツは 封じられていた影響で 力が弱まり➡ 197 00:13:38,017 --> 00:13:40,687 店外へ出ることができないはずだ。 198 00:13:40,687 --> 00:13:43,690 だからこうして ヒルが血を吸うように➡ 199 00:13:43,690 --> 00:13:47,694 人間の部位から少しずつ 力を吸い取っているのだろう。 200 00:13:47,694 --> 00:13:50,363 だが のんびりもしておれんぞ。 201 00:13:50,363 --> 00:13:52,699 そいつが外へ放たれるとき➡ 202 00:13:52,699 --> 00:13:56,703 呪われた部位は 完全に抜き取られるだろうからな。 203 00:13:56,703 --> 00:13:59,972 《北本の紙には 何と書かれていたんだろう》 204 00:13:59,972 --> 00:14:03,643 ヤツを見つけ出し 再び書物へ封じられれば➡ 205 00:14:03,643 --> 00:14:06,979 呪詛もともに 解することができるはずだが…。 206 00:14:06,979 --> 00:14:10,650 ええい 何かがウロチョロしているようだが…。 207 00:14:10,650 --> 00:14:12,985 場所までは わからんぞ。 208 00:14:12,985 --> 00:14:16,656 呪いの本の気配なら なんとなくわかる。 えっ。 209 00:14:16,656 --> 00:14:20,326 本の回収は手伝うから 早くその悪鬼を封じてくれ。 210 00:14:20,326 --> 00:14:25,665 全力を尽くす。 こちらこそ頼む。 あぁ。 211 00:14:25,665 --> 00:14:29,335 < こうして 悪鬼探しが始まったが➡ 212 00:14:29,335 --> 00:14:32,338 カエダは 店主が居眠りする間しか動けず➡ 213 00:14:32,338 --> 00:14:36,676 呪詛を探す俺のほうも 思うように進まなくて…> 214 00:14:36,676 --> 00:14:41,013 (塔子)貴志くん おしょうゆ かけすぎよ。 えっ。 215 00:14:41,013 --> 00:14:44,350 あっ… すみません。 216 00:14:44,350 --> 00:14:46,853 < なかなか見つけ出せなかった> 217 00:14:46,853 --> 00:14:51,023 ごめんな もっと要領がよければ➡ 218 00:14:51,023 --> 00:14:53,693 店主さんに 店を閉めるように話すんだが…。 219 00:14:53,693 --> 00:14:58,364 いや… ヤツを退治できれば この店を守れるし➡ 220 00:14:58,364 --> 00:15:02,969 あなたも… 北本とかいう あの人も…。 221 00:15:02,969 --> 00:15:05,304 北本 いいヤツだろ。 222 00:15:05,304 --> 00:15:08,307 (カエダ)いいヤツというより おせっかいな人だ。 223 00:15:08,307 --> 00:15:12,311 フフ… 来るなと 何度も言ったのに…。 224 00:15:12,311 --> 00:15:35,334 ♬~ 225 00:15:35,334 --> 00:15:37,670 ((北本:なぁ 何が危険なんだ? 226 00:15:37,670 --> 00:15:40,006 店主さんに 俺から話してやろうか? 227 00:15:40,006 --> 00:15:43,342 いらんことはしてくれるな。 心配をかけるだろう。 228 00:15:43,342 --> 00:15:45,344 わかんないなぁ…。 229 00:15:45,344 --> 00:15:49,015 ひょっとして 俺が万引きしそうだとでも? 230 00:15:49,015 --> 00:15:52,018 断じて 断じてそうではない。 231 00:15:52,018 --> 00:15:55,354 ハァー そんな怖い顔するなよ。 232 00:15:55,354 --> 00:15:57,356 顔!? 233 00:15:59,692 --> 00:16:03,629 ハハハ…。 234 00:16:03,629 --> 00:16:07,300 俺 本を探してるんだ。 235 00:16:07,300 --> 00:16:11,637 小さい頃ここで見かけた本で… 親父に贈りたくて…。 236 00:16:11,637 --> 00:16:15,308 それを見つけたいだけなんだ。 237 00:16:15,308 --> 00:16:19,312 見たことないかな。 たしか 背表紙は赤っぽくて…。 238 00:16:19,312 --> 00:16:22,982 外国について 書かれた本だった気がするんだ。 239 00:16:22,982 --> 00:16:27,987 君 言葉が何か古風だし 本をたくさん読んでそうだし➡ 240 00:16:27,987 --> 00:16:30,990 もし ピンとくるのがあったら…。 241 00:16:30,990 --> 00:16:34,660 本など読んだことはない。 えっ!? 242 00:16:34,660 --> 00:16:41,000 私は 役目で忙しいのだ。 書物を読む暇などない。 243 00:16:41,000 --> 00:16:43,002 フゥー。 244 00:16:45,004 --> 00:16:47,673 そっか…。 245 00:16:47,673 --> 00:16:50,676 こんなに本があったら ワクワクしてくるよ。 246 00:16:50,676 --> 00:16:54,680 俺は ミステリー系が好きなんだけど。 ミステリー? 247 00:16:54,680 --> 00:16:56,682 うん 謎解き。 248 00:16:56,682 --> 00:17:00,286 短編とか疲れたときに読むと スッとするんだ。 249 00:17:00,286 --> 00:17:03,623 ほう… 謎解きか…。 250 00:17:03,623 --> 00:17:07,627 それは確かに楽しそうだ…。 251 00:17:07,627 --> 00:17:10,963 ハッ しまった。 話し込んでしまった…。 252 00:17:10,963 --> 00:17:12,965 いいから早く帰れ! えっ。 253 00:17:12,965 --> 00:17:15,968 そんなものに興味はない。 なんだよ もう)) 254 00:17:18,304 --> 00:17:21,307 彼と話していると調子が狂う。 255 00:17:21,307 --> 00:17:25,978 ここに来て以来 この店の中だけが私の世界だ。 256 00:17:25,978 --> 00:17:29,649 お役目以外 いらぬのだ。 257 00:17:29,649 --> 00:17:33,986 すまないが もう来るなと あなたから伝えてくれないか。 258 00:17:33,986 --> 00:17:36,656 夏目の言葉なら きっと通じるだろう。 259 00:17:36,656 --> 00:17:39,859 あぁ。 (ドアベルの音) 260 00:17:46,332 --> 00:17:49,335 おい こら。 また来たのか。 何度言えば…。 261 00:17:49,335 --> 00:17:52,672 (北本)あぁ 大丈夫。 今日は すぐ帰るから。 262 00:17:52,672 --> 00:17:55,675 本探し まだ続けたかったんだけど➡ 263 00:17:55,675 --> 00:17:59,679 しばらく忙しくて 来られそうにないから安心しろよ。 264 00:17:59,679 --> 00:18:02,281 えっ…。 それと これ。 265 00:18:02,281 --> 00:18:05,284 ミステリーなんだけど 短編集で読みやすいし➡ 266 00:18:05,284 --> 00:18:09,288 おもしろいんだ。 気が向いたら読んでみないか。 267 00:18:12,959 --> 00:18:14,961 じゃあな。 268 00:18:14,961 --> 00:18:18,264 ま 待て 私は…。 (ドアベルの音) 269 00:18:20,299 --> 00:18:25,304 私は読まんぞ。 そんな暇など…。 270 00:18:25,304 --> 00:18:27,640 見たか 夏目。 えっ? 271 00:18:27,640 --> 00:18:29,642 お前には見えんか。 272 00:18:29,642 --> 00:18:33,980 北本の右手首や 左肩辺りが透けて見えたぞ。 273 00:18:33,980 --> 00:18:37,984 急がないと。 しかし 好機かもしれんぞ。 274 00:18:37,984 --> 00:18:41,988 ヤツが力をつければ 見つけやすくなるだろう。 275 00:18:41,988 --> 00:18:45,658 《必ず見つけてみせる》 276 00:18:45,658 --> 00:18:50,830 (田沼)北本なら また寝てるよ。 最近 疲れてるみたいだな…。 277 00:18:50,830 --> 00:18:54,333 親父さんが大病してから いろいろ大変なんだろうけど➡ 278 00:18:54,333 --> 00:18:56,669 そういうの あんまり話さないからさ。 279 00:18:56,669 --> 00:19:01,273 《そうだ 北本は優しいから 俺の境遇を気遣ってか➡ 280 00:19:01,273 --> 00:19:04,610 あまり家族の話を 聞かせてくれることはなかった》 281 00:19:04,610 --> 00:19:07,947 < だから 古本屋で大切な思い出を➡ 282 00:19:07,947 --> 00:19:12,284 話してくれたのが すごくうれしかったんだ> 283 00:19:12,284 --> 00:19:16,288 え~い そこか~っ! でい! 284 00:19:16,288 --> 00:19:19,959 あっ! やめろブタね… おやめください 本が傷みます。 285 00:19:19,959 --> 00:19:22,294 先生。 くそう! 286 00:19:22,294 --> 00:19:25,297 今 棚の隙間に何か感じたのだ。 287 00:19:25,297 --> 00:19:29,602 <確かに でいの気配は 濃くなってきていた> 288 00:19:32,972 --> 00:19:35,641 うっ! 289 00:19:35,641 --> 00:19:37,977 《また力を抜かれている。 290 00:19:37,977 --> 00:19:41,280 でも この感覚は… 近い!》 291 00:19:45,317 --> 00:19:48,654 《来た!》 292 00:19:48,654 --> 00:19:52,324 つかまえたぞ!! ちょうだい… ちょうだい…。 293 00:19:52,324 --> 00:19:55,995 夏目! でかした。 294 00:19:55,995 --> 00:20:00,332 (斑)さっさと本へ帰るんだな。 295 00:20:00,332 --> 00:20:02,334 ひっ! 296 00:20:02,334 --> 00:20:07,673 開かれたるは出口にあらず。 これをむかえよ。 297 00:20:07,673 --> 00:20:11,010 ひぃ~。 298 00:20:11,010 --> 00:20:13,312 (カエダ)むかえて閉じよ! 299 00:20:20,019 --> 00:20:24,356 フゥー うまく封じたようだな 夏… あっ! 300 00:20:24,356 --> 00:20:27,026 <本棚から 舞い上がっては砕けていく➡ 301 00:20:27,026 --> 00:20:30,696 呪詛の破片が見えた気がした。 302 00:20:30,696 --> 00:20:34,366 こうして悪鬼は 呪いともども封じられ➡ 303 00:20:34,366 --> 00:20:39,705 俺の舌も 北本の体の調子も 元に戻っていた。 304 00:20:39,705 --> 00:20:43,709 お~い カエダ。 カエダ どこだ。 305 00:20:49,715 --> 00:20:51,717 どうした? 306 00:20:51,717 --> 00:20:55,387 封じ直すのに 力をかなり使ったからな。 307 00:20:55,387 --> 00:20:59,992 またしばらく本へと帰り 眠ることにする。 308 00:20:59,992 --> 00:21:01,994 あぁ そうだ。 309 00:21:01,994 --> 00:21:07,333 悪いが この本 あの人に返しておいてくれないか。 310 00:21:07,333 --> 00:21:11,003 少しは読んでみた? 311 00:21:11,003 --> 00:21:14,607 言っただろ。 興味などないと。 312 00:21:19,011 --> 00:21:24,016 <妖には 人の字が読めるのと 読めないのがいるけれど➡ 313 00:21:24,016 --> 00:21:27,686 カエダは どっちだったのだろう> 314 00:21:27,686 --> 00:21:32,024 (北本)そっか… あの子 引っ越していっちゃったのか…。 315 00:21:32,024 --> 00:21:36,695 少しは読んでくれたかな…。 316 00:21:36,695 --> 00:21:42,701 なぁ 北本 今度 時間ができたら またあの古本屋に行かないか? 317 00:21:42,701 --> 00:21:47,373 俺も 北本の探している本 見てみたいんだ。 318 00:21:47,373 --> 00:21:50,376 あぁ… ありがとう。 319 00:21:52,378 --> 00:21:57,049 < いつか俺も 妖のことを話せるだろうか> 320 00:21:57,049 --> 00:21:59,985 あれ。 ん? どうした。 321 00:21:59,985 --> 00:22:03,589 いや 差しといた しおりの位置が変わってるんだ。 322 00:22:09,662 --> 00:22:11,664 そうか。 323 00:24:10,983 --> 00:24:13,986 え~い そこか~っ! でい!