1 00:01:42,035 --> 00:01:45,372 うぅ… うっ うぅ…。 2 00:01:45,372 --> 00:01:47,374 あっ…。 3 00:01:47,374 --> 00:01:49,376 (多軌)これ? 4 00:01:49,376 --> 00:01:52,679 えっ えぇ… ありがとう。 5 00:01:54,715 --> 00:01:58,719 ねぇ 今の 5組の多軌さん? すてきよね~。 6 00:01:58,719 --> 00:02:01,989 でも もの静かだから 少し声をかけづらいのよね…。 7 00:02:01,989 --> 00:02:04,324 あっ ねぇ そういえば タキさんって➡ 8 00:02:04,324 --> 00:02:06,326 すっごい美形の 彼氏がいるんだって。 9 00:02:06,326 --> 00:02:08,662 《夏目:えっ!?》 10 00:02:08,662 --> 00:02:12,332 (西村)夏目 どうやら あのうわさは 本当らしい…。 11 00:02:12,332 --> 00:02:15,002 に 西村? うわさって? 12 00:02:15,002 --> 00:02:18,672 タキさんが清潔感あふれる男と デートしてたって! 13 00:02:18,672 --> 00:02:22,009 えっ!? フレンチの店にも入ってったって! 14 00:02:22,009 --> 00:02:26,013 あぁ! 俺も金か清潔感さえあれば!! 15 00:02:26,013 --> 00:02:29,683 《タキの彼氏 か…。 16 00:02:29,683 --> 00:02:34,354 思えば タキのことを 詳しく聞いたことはなかった。 17 00:02:34,354 --> 00:02:37,024 いつも聞いてもらうばかりで…》 18 00:02:37,024 --> 00:02:39,026 ハァー。 19 00:02:39,026 --> 00:02:41,028 (ニャンコ先生)さっきから ため息ばかりだな。 20 00:02:41,028 --> 00:02:43,030 わっ 先生! 21 00:02:43,030 --> 00:02:45,032 あ~ん。 22 00:02:45,032 --> 00:02:48,368 ちょっと 反省しないと いけないことがあってさ。 23 00:02:48,368 --> 00:02:51,038 ちょっと? いっぱい反省しろ! 24 00:02:51,038 --> 00:02:54,374 主に私の扱いが なっていない点をだな。 25 00:02:54,374 --> 00:02:57,377 ん? そのエクレア どうしたんだ? 26 00:02:57,377 --> 00:02:59,713 そこで タキにもらったのだ。 27 00:02:59,713 --> 00:03:01,982 だ 誰かと一緒だったか? 28 00:03:01,982 --> 00:03:04,317 いや 一人だ。 29 00:03:04,317 --> 00:03:08,321 何やら悩んでるような 顔をしていたぞ。 30 00:03:11,658 --> 00:03:13,994 ハァー。 31 00:03:13,994 --> 00:03:16,296 《めちゃめちゃ悩んでる!》 32 00:03:20,667 --> 00:03:24,671 タキ。 あっ 夏目くん。 33 00:03:24,671 --> 00:03:28,341 大丈夫か? 何か困ってるみたいだけど…。 34 00:03:28,341 --> 00:03:30,677 よかったら聞かせてくれないか? 35 00:03:30,677 --> 00:03:35,015 タキが いつも 聞いてくれるみたいに 俺も…。 36 00:03:35,015 --> 00:03:38,018 ありがとう! 夏目くん。 37 00:03:38,018 --> 00:03:40,020 実は…。 38 00:03:40,020 --> 00:03:42,522 兄が帰ってきたの。 39 00:03:42,522 --> 00:03:44,624 兄? 40 00:03:49,362 --> 00:03:53,700 <タキのご両親は 仕事の関係で 海外にいることが多く➡ 41 00:03:53,700 --> 00:03:59,039 6歳上のお兄さんは 離れた大学へ 行っていると聞いていた> 42 00:03:59,039 --> 00:04:03,643 兄は… なんて言えばいいのか 現実主義者で。 43 00:04:03,643 --> 00:04:08,648 祖父と話の合った私とは 相性が あまりよくなくて。 44 00:04:08,648 --> 00:04:11,985 兄のほうも 私といるのが苦手なのか➡ 45 00:04:11,985 --> 00:04:14,988 めったに家に近寄らなくて。 46 00:04:14,988 --> 00:04:18,992 なのに 2日前 突然帰ってきたの。 47 00:04:18,992 --> 00:04:22,996 そうか… きっと 一人でいるタキが心配で…。 48 00:04:22,996 --> 00:04:25,665 えぇ… だから うれしくて➡ 49 00:04:25,665 --> 00:04:27,667 「すき焼きにしようか」 って言ったら➡ 50 00:04:27,667 --> 00:04:31,004 兄は 「それより 外で食べよう」って。 51 00:04:31,004 --> 00:04:35,342 フレンチとかイタリアンとか 毎日外食で…。 52 00:04:35,342 --> 00:04:38,345 《それが 「タキさんの彼氏」 か…》 53 00:04:38,345 --> 00:04:42,015 私の手間を省く 気遣いかもしれないけど➡ 54 00:04:42,015 --> 00:04:45,685 私の料理を 食べたくないんじゃないかって…。 55 00:04:45,685 --> 00:04:48,021 そんなことは…。 うん。 56 00:04:48,021 --> 00:04:51,691 マイナスに考えないようにしないと って思ってる。 57 00:04:51,691 --> 00:04:56,029 でもね 「ただいま」 って帰ってきたと思ったら➡ 58 00:04:56,029 --> 00:05:00,300 30分くらいで 家から出ていってしまうの。 59 00:05:00,300 --> 00:05:04,638 どう思う? そんなことを何度も繰り返すの。 60 00:05:04,638 --> 00:05:06,973 嫌がらせなんかじゃないと思う。 61 00:05:06,973 --> 00:05:12,279 でも… 兄さんは 何をしに帰ってきたんだろう…。 62 00:05:14,314 --> 00:05:18,652 あっ! ごめん 夏目くん 意味わからないこと言って…。 63 00:05:18,652 --> 00:05:21,655 いや 話してくれてうれしいよ。 64 00:05:21,655 --> 00:05:24,991 俺には きょうだいの距離感って わからないけど…。 65 00:05:24,991 --> 00:05:27,327 確かに 気になる話だな。 66 00:05:27,327 --> 00:05:30,664 帰ってきた理由を 聞けばいいんだけど➡ 67 00:05:30,664 --> 00:05:32,999 なんだか聞きづらくて。 68 00:05:32,999 --> 00:05:36,670 お前が消極的とは よっぽどだな。 69 00:05:36,670 --> 00:05:40,674 それなら夏目に聞かせたらいい。 (2人)えっ!? 70 00:05:43,009 --> 00:05:47,347 兄の名は 勇。 真面目で成績優秀。 71 00:05:47,347 --> 00:05:52,352 ちょっと高圧的で 近寄りがたい雰囲気のある人よ。 72 00:05:52,352 --> 00:05:55,355 迷信や言い伝えの類いを 信じないから➡ 73 00:05:55,355 --> 00:05:58,358 山とか森とか ずかずか入っていく。 74 00:05:58,358 --> 00:06:00,660 ワイルド系かな? 75 00:06:02,963 --> 00:06:06,633 兄さん ただいま。 (戸を開ける音) 76 00:06:06,633 --> 00:06:09,636 靴がない。 77 00:06:09,636 --> 00:06:13,306 帰ってないみたい。 自転車もないし。 78 00:06:13,306 --> 00:06:15,308 なぁ さっきの話だけど➡ 79 00:06:15,308 --> 00:06:17,978 お兄さんって タキを避けてるというより…。 80 00:06:17,978 --> 00:06:20,647 (勇)おい 透。 あっ 兄さん。 81 00:06:20,647 --> 00:06:22,649 えっ。 82 00:06:22,649 --> 00:06:26,653 (勇)ソイツ 誰だ? 《かわいい系!?》 83 00:06:26,653 --> 00:06:29,322 あの こちら 夏目くん。 84 00:06:29,322 --> 00:06:34,661 私が困っていたとき 力になってくれた大事な友人なの。 85 00:06:34,661 --> 00:06:36,663 そうか。 86 00:06:36,663 --> 00:06:38,665 こんにちは。 87 00:06:38,665 --> 00:06:42,335 あ あのね 兄さんの好きな エクレア買ってきたの。 88 00:06:42,335 --> 00:06:44,671 お茶入れるから一緒に…。 89 00:06:44,671 --> 00:06:48,008 君 この家 入ったことあるか? 90 00:06:48,008 --> 00:06:50,343 はい。 91 00:06:50,343 --> 00:06:52,345 兄さん? 92 00:06:52,345 --> 00:06:54,681 (勇)いいだろう。 93 00:06:54,681 --> 00:06:57,684 君も上がって お茶でもしていくといい。 94 00:06:57,684 --> 00:06:59,953 (多軌)ホント!? やった! 95 00:06:59,953 --> 00:07:02,555 さぁ 夏目くん 上がって! (戸を開ける音) 96 00:07:05,625 --> 00:07:08,295 あ うまい。 よかった。 97 00:07:08,295 --> 00:07:13,633 ハッピーブランコの新作エクレアだって。 兄さんは どう? 98 00:07:13,633 --> 00:07:16,636 ごめんね。 口に合わなかった? 99 00:07:16,636 --> 00:07:19,639 いや 透が謝る必要はない。 100 00:07:19,639 --> 00:07:22,976 俺が今 甘いものの 気分じゃなかっただけだ。 101 00:07:22,976 --> 00:07:25,979 う… うん。 102 00:07:25,979 --> 00:07:29,983 勇さんは今 大学お休みですか? 103 00:07:29,983 --> 00:07:32,319 なぜ戻ってきているんです? 104 00:07:32,319 --> 00:07:36,323 自分の家に戻ってきちゃ悪いか? いえ。 105 00:07:36,323 --> 00:07:39,326 でも あまり家にいないと 聞いたので➡ 106 00:07:39,326 --> 00:07:41,661 何か他に目的があるのかと。 107 00:07:41,661 --> 00:07:44,998 顔に似合わず ずけずけと踏み込むんだな。 108 00:07:44,998 --> 00:07:46,100 兄さん。 (勇)しかし まぁ➡ 109 00:07:46,100 --> 00:07:49,302 目的があってというのは…。 110 00:07:52,005 --> 00:07:55,008 少し散歩に行ってくる。 えっ!? 111 00:07:55,008 --> 00:07:57,310 ちょっと… 兄さん。 112 00:07:59,679 --> 00:08:02,382 (戸の開閉音) 113 00:08:10,623 --> 00:08:13,626 勇さん! (足音) 114 00:08:13,626 --> 00:08:16,963 ハァ ハァ…。 115 00:08:16,963 --> 00:08:22,302 夏目くん だっけ? まだ何か用? えぇ。 116 00:08:22,302 --> 00:08:26,306 俺は そんなに話したい 相手でもないだろうに。 117 00:08:26,306 --> 00:08:31,311 タキは 俺にとっても 大事な友人なんです。 118 00:08:31,311 --> 00:08:34,614 お兄さんのことを とても心配していて…。 119 00:08:36,983 --> 00:08:38,985 《今 一瞬…》 120 00:08:38,985 --> 00:08:40,987 い 勇さん! えっ!? 121 00:08:40,987 --> 00:08:43,323 最近 何か 変なことはありませんか? 122 00:08:43,323 --> 00:08:47,327 妙な場所へ行ったとか おかしなものを見たとか…。 123 00:08:47,327 --> 00:08:51,664 なぜ そんなことを? あ いや…。 124 00:08:51,664 --> 00:08:56,002 しかし まぁ あまり人の 行かないところには よく行くよ。 125 00:08:56,002 --> 00:08:59,672 郷土研究のサークルに入っているんだ。 えっ。 126 00:08:59,672 --> 00:09:02,609 君 お化けとか妖怪って 信じるかい? 127 00:09:02,609 --> 00:09:05,278 うちの祖父は そういうのが好きで➡ 128 00:09:05,278 --> 00:09:08,615 透とも よく楽しそうに話していたよ。 129 00:09:08,615 --> 00:09:11,951 でも 俺は どうしても信じられなくてね。 130 00:09:11,951 --> 00:09:13,953 だから 古い伝承や➡ 131 00:09:13,953 --> 00:09:15,955 うわさのあるところへ 行って調査し➡ 132 00:09:15,955 --> 00:09:17,957 それは事実ではないとか➡ 133 00:09:17,957 --> 00:09:19,959 ただの迷信だと 証明して 回っているんだ! 134 00:09:19,959 --> 00:09:21,961 は はぁ…。 135 00:09:21,961 --> 00:09:24,297 最近行ったのは 剣馬山の➡ 136 00:09:24,297 --> 00:09:27,300 黒影のバケモノが出ると うわさされる祠で➡ 137 00:09:27,300 --> 00:09:30,637 5日間キャンプで泊まり込んだが 怪異などなく➡ 138 00:09:30,637 --> 00:09:33,640 調べていくと そもそも 祠ではなく➡ 139 00:09:33,640 --> 00:09:37,644 大地主が建てた ただのオブジェだった。 140 00:09:37,644 --> 00:09:40,647 そのヤバいものを 見るような目は やめろ。 141 00:09:40,647 --> 00:09:43,983 そんな目はしていません。 142 00:09:43,983 --> 00:09:46,986 冷たいヤツだと自分でも思うけど➡ 143 00:09:46,986 --> 00:09:51,658 祖父と透の話に入ろうとしても やっぱりだめで…。 144 00:09:51,658 --> 00:09:54,661 だったら これはもう 性分だって。 145 00:09:54,661 --> 00:09:59,332 突き詰めてみたいと 思っているんだ。 146 00:09:59,332 --> 00:10:03,002 勇さんは 甘いものを 食べる気分じゃなかったのに➡ 147 00:10:03,002 --> 00:10:05,004 お茶をしてくれたでしょ。 148 00:10:05,004 --> 00:10:07,340 タキには そういうの 伝わると思うんです。 149 00:10:07,340 --> 00:10:12,345 もう少しだけ話してくれたら きっと ちゃんと伝わります。 150 00:10:14,347 --> 00:10:16,349 夏目くん。 はい。 151 00:10:16,349 --> 00:10:19,018 君に 手伝ってほしいことがあるんだ。 152 00:10:19,018 --> 00:10:23,022 えっ? 明日また うちに来てくれ。 153 00:10:23,022 --> 00:10:25,024 頼んでいいか? 154 00:10:27,026 --> 00:10:29,028 はい。 155 00:10:29,028 --> 00:10:34,367 先生 一緒に来て 確かめてくれないか? 156 00:10:34,367 --> 00:10:37,704 勇さんから妙な気配がしたんだ。 157 00:10:37,704 --> 00:10:40,039 また面倒な。 158 00:10:40,039 --> 00:10:44,644 頼むよ エクレア1本で。 エクレア1本で!? 159 00:10:50,717 --> 00:10:53,720 《勇さんの頼みって なんだろう? 160 00:10:53,720 --> 00:10:56,389 タキの不安を 払ってやれたらいいけど…》 161 00:10:56,389 --> 00:10:58,725 (足音) 162 00:10:58,725 --> 00:11:02,996 うわっ タキ どうした! 夏目くん…。 163 00:11:02,996 --> 00:11:06,332 朝 起きてみたら 兄が…。 164 00:11:06,332 --> 00:11:11,004 (足音) 165 00:11:11,004 --> 00:11:14,340 やぁ。 166 00:11:14,340 --> 00:11:18,011 そんなに私と家にいるのが…。 いや タキ。 167 00:11:18,011 --> 00:11:22,015 もしそうなら 大学へ戻れば済むと思わないか? 168 00:11:22,015 --> 00:11:25,351 勇さん 入ります。 169 00:11:25,351 --> 00:11:30,356 わざわざ悪い 夏目くん。 自分で何とかしたかったんだが…。 170 00:11:30,356 --> 00:11:33,693 休みも そろそろ 終わってしまうからね。 171 00:11:33,693 --> 00:11:36,029 透 入ってくれ。 172 00:11:36,029 --> 00:11:40,033 お前にも手伝ってほしい。 はい! 173 00:11:40,033 --> 00:11:43,703 実は 大学で 荷物整理をしていたら➡ 174 00:11:43,703 --> 00:11:46,706 子どもの頃の日記帳を見つけてね。 175 00:11:46,706 --> 00:11:50,710 表紙の裏に テープで鍵が貼り付けてあったんだ。 176 00:11:50,710 --> 00:11:52,712 これだ。 177 00:11:52,712 --> 00:11:55,381 古いものですね。 (勇)あぁ。 178 00:11:55,381 --> 00:11:59,719 何の鍵だか思い出せないんだが すごく懐かしくて…。 179 00:11:59,719 --> 00:12:03,656 それで この鍵穴を探しに 帰ってきたんだ。 180 00:12:03,656 --> 00:12:05,992 透 見覚えはないか? 181 00:12:05,992 --> 00:12:07,994 ううん。 182 00:12:07,994 --> 00:12:11,331 でも うちには 古いものが いっぱいだから…。 183 00:12:11,331 --> 00:12:15,001 あぁ。 だから あちこちの鍵穴にさしてみれば➡ 184 00:12:15,001 --> 00:12:17,337 何かわかるかと思ったんだが…。 185 00:12:17,337 --> 00:12:21,674 なぜだか家に入ると 具合が悪くなって…。 186 00:12:21,674 --> 00:12:25,011 どうしても… 家にいられないんだ。 187 00:12:25,011 --> 00:12:27,347 うわぁ~!! な 夏目くん? 188 00:12:27,347 --> 00:12:29,682 どうした? いえ。 189 00:12:29,682 --> 00:12:33,019 《勇さんには やはり 妖怪がついてる》 190 00:12:33,019 --> 00:12:35,021 ん? (物音) 191 00:12:35,021 --> 00:12:37,023 ん? 192 00:12:37,023 --> 00:12:39,025 (2人)わっ!? 193 00:12:39,025 --> 00:12:43,363 おい なんだ そのかわいい生物は。 すみません うちの猫で。 194 00:12:43,363 --> 00:12:46,366 外に出してきます。 えっ 待っ…。 195 00:12:46,366 --> 00:12:49,369 夏目くんは 慌ただしいな。 196 00:12:49,369 --> 00:12:53,373 でもまぁ 俺が家にいられないのは そういう事情で…。 197 00:12:53,373 --> 00:12:57,377 不安にさせたみたいだな。 悪かった。 198 00:12:57,377 --> 00:13:00,647 ううん ありがとう。 199 00:13:00,647 --> 00:13:03,650 外で待っててくれって言ったろ。 200 00:13:03,650 --> 00:13:08,321 どうやらヤツは 妖ものに くっつかれやすい体質のようだ。 201 00:13:08,321 --> 00:13:10,990 この家には タキのじいさんが遺した➡ 202 00:13:10,990 --> 00:13:13,660 結界や術が あちこちにあるから➡ 203 00:13:13,660 --> 00:13:18,998 くっついている妖の具合が 勇にも影響するのだろう。 204 00:13:18,998 --> 00:13:23,336 なら そいつを追い払えば…。 それはどうかな。 205 00:13:23,336 --> 00:13:27,006 あれは なかなか 大物っぽいぞ。 えっ。 206 00:13:27,006 --> 00:13:32,011 しかし 家の中以外で大丈夫なら 害のないやつかもしれん。 207 00:13:32,011 --> 00:13:35,348 放っておけば そのうち離れていくさ。 208 00:13:35,348 --> 00:13:39,352 それだと 当分の間 勇さんは 家にいられない。 209 00:13:39,352 --> 00:13:43,022 まぁ 策がないわけでもないぞ。 210 00:13:43,022 --> 00:13:47,694 鍵穴は 7ミリほどの こういうシンプルな形状だろう。 211 00:13:47,694 --> 00:13:50,363 (多軌)了解。 頼んだ。 212 00:13:50,363 --> 00:13:54,033 俺も何か思い出すまで 家の中で探すつもりだ。 213 00:13:54,033 --> 00:13:57,337 兄さん 大丈夫? 顔色が…。 214 00:13:59,372 --> 00:14:01,307 ニャンコ先生! また現れた!! 215 00:14:01,307 --> 00:14:03,309 なんだ この魅惑の生物は!! 216 00:14:03,309 --> 00:14:05,311 《さすが きょうだい…》 217 00:14:05,311 --> 00:14:10,316 あの 勇さん よければ そのまま 預かっといてもらえませんか? 218 00:14:10,316 --> 00:14:13,653 ((私ほどの 超大物に触れていれば➡ 219 00:14:13,653 --> 00:14:16,656 妖の影響は受けにくくなるだろう。 220 00:14:16,656 --> 00:14:19,992 この家には とっくに慣れているしな) 221 00:14:19,992 --> 00:14:22,995 勝手にうろついて 迷子になりそうなので。 222 00:14:22,995 --> 00:14:27,300 なに? かまわないが…。 よろしくお願いします。 223 00:14:30,670 --> 00:14:35,675 ねぇ 夏目くん ひょっとして 兄には何か妖怪が? 224 00:14:35,675 --> 00:14:39,679 あぁ… でも 害のあるやつじゃなさそうだって。 225 00:14:39,679 --> 00:14:43,683 先生が念のため そばで様子を見てくれてる。 226 00:14:43,683 --> 00:14:46,352 そうなの… ありがとう。 227 00:14:46,352 --> 00:14:50,356 もし祖父が ここにいて 夏目くんに会えてたら➡ 228 00:14:50,356 --> 00:14:53,693 きっと踊りあがって 喜んだだろうな。 229 00:14:53,693 --> 00:14:56,028 おじいさんの写真? えぇ。 230 00:14:56,028 --> 00:14:58,030 優しそうな人だ。 231 00:14:58,030 --> 00:15:01,968 不思議だな。 同じ家族でも それぞれ違って…。 232 00:15:01,968 --> 00:15:07,974 フフッ でも 楽しかった。 小さい頃は 兄も一緒に➡ 233 00:15:07,974 --> 00:15:10,977 言い伝えのあるようなところへ 行ったりしたの。 234 00:15:10,977 --> 00:15:13,980 おじいちゃんは はしゃいで由来を話して➡ 235 00:15:13,980 --> 00:15:18,651 お兄ちゃんは それはおかしいって あれこれ調べ出して。 236 00:15:18,651 --> 00:15:22,321 私は ただただ楽しくて…。 237 00:15:22,321 --> 00:15:25,992 あっ いけない。 おしゃべりばっかり。 238 00:15:25,992 --> 00:15:28,661 ええと 次は… あっ! 239 00:15:28,661 --> 00:15:32,331 こ ここはいいの。 新しいのだから! 240 00:15:32,331 --> 00:15:35,001 両親が いろいろ送ってくるの。 241 00:15:35,001 --> 00:15:38,337 最近は すぐ理由をつけて 帰国したり…。 242 00:15:38,337 --> 00:15:42,008 本当は 私も一緒に 行けばいいんだけど…。 243 00:15:42,008 --> 00:15:47,013 家族の思い出がいっぱいの この家から離れたくなくて。 244 00:15:47,013 --> 00:15:50,349 わがまま言って 留守番させてもらってて…。 245 00:15:50,349 --> 00:15:52,351 そうか。 246 00:15:52,351 --> 00:15:57,356 タキは みんなが帰ってくるこの家を 守っているんだな。 247 00:15:57,356 --> 00:16:00,626 えぇ。 248 00:16:00,626 --> 00:16:02,962 これも入らないか…。 (足音) 249 00:16:02,962 --> 00:16:06,299 勇さん そっちはどうですか? 250 00:16:06,299 --> 00:16:08,634 それらしいものは まだ…。 251 00:16:08,634 --> 00:16:13,639 だが そろそろ 具合が悪くなる頃なのに大丈夫だ。 252 00:16:13,639 --> 00:16:17,310 なぜだ…。 そうですか よかった。 253 00:16:17,310 --> 00:16:21,981 どれも合わない。 錠のほうは捨ててしまったのか…。 254 00:16:21,981 --> 00:16:24,317 でも これを見つけたとき➡ 255 00:16:24,317 --> 00:16:28,321 漠然と とても大事な 鍵だった気がしたんだ。 256 00:16:28,321 --> 00:16:32,625 何か 忘れてはいけないことを 忘れているような…。 257 00:16:40,666 --> 00:16:44,070 これが 何の鍵か わかりますか? 258 00:16:46,672 --> 00:16:50,676 なぜ勇さんに? 離れてもらえませんか? 259 00:16:50,676 --> 00:16:52,678 夏目くん? 260 00:16:52,678 --> 00:16:58,351 今は… 離れられぬゆえ… 詫びに警告を。 261 00:16:58,351 --> 00:17:00,286 えっ。 262 00:17:00,286 --> 00:17:05,291 ホウオウの書棚… ひとのこ… したじき。 263 00:17:05,291 --> 00:17:08,294 勇さん! ホウオウの書棚ってありますか!? 264 00:17:08,294 --> 00:17:11,964 鳳凰? 倉に鳥のレリーフのある本棚が…。 265 00:17:11,964 --> 00:17:15,301 急いでそこへ! タキが危ない! えっ! 266 00:17:15,301 --> 00:17:20,006 う~ん。 ここかと思ったんだけど…。 267 00:17:22,975 --> 00:17:27,313 一応 兄さんたちにも…。 268 00:17:27,313 --> 00:17:29,315 タキ!! チッ! 269 00:17:29,315 --> 00:17:32,018 (斑)グワーッ! わぁ! 270 00:17:37,323 --> 00:17:39,659 兄さん…。 271 00:17:39,659 --> 00:17:42,995 ニャッ! タキ 勇さん 無事ですか!? 272 00:17:42,995 --> 00:17:46,999 あぁ。 夏目くん ニャンコ先生。 273 00:17:46,999 --> 00:17:52,338 ところで… タキは なぜここへ? 鍵のこと考えて…。 274 00:17:52,338 --> 00:17:55,341 誰かから もらったんじゃないかと思ったの。 275 00:17:55,341 --> 00:18:00,613 それで 古いものなら おじいちゃんかなって。 276 00:18:00,613 --> 00:18:04,283 おじいちゃんは 私と たくさんおしゃべりしたけど➡ 277 00:18:04,283 --> 00:18:07,286 兄さんとは ひと言ふた言 交わすだけで➡ 278 00:18:07,286 --> 00:18:09,622 とてもうれしそうだった。 279 00:18:09,622 --> 00:18:11,958 私は まだ小さかったから➡ 280 00:18:11,958 --> 00:18:14,961 2人だけの秘密も あるんだろうなって➡ 281 00:18:14,961 --> 00:18:17,296 ちょっとヤキモチを焼いてた。 282 00:18:17,296 --> 00:18:20,967 私が生まれる前の2人が どんなだったか教えてって➡ 283 00:18:20,967 --> 00:18:23,636 母さんたちに せがんだりして。 284 00:18:23,636 --> 00:18:25,972 そうやって 聞かせてもらったのが➡ 285 00:18:25,972 --> 00:18:31,310 倉の書棚の前で よく本を広げて おしゃべりしてたって。 286 00:18:31,310 --> 00:18:33,646 それを思い出して。 287 00:18:33,646 --> 00:18:36,983 でも 違ったみたい。 鍵穴らしきものは…。 288 00:18:36,983 --> 00:18:40,653 いや 俺も思い出した。 えっ…。 289 00:18:40,653 --> 00:18:43,356 下がってて。 うっ…。 290 00:18:45,324 --> 00:18:49,662 (3人)うっ…。 291 00:18:49,662 --> 00:18:53,666 あぁ… じいちゃんとも こうやって2人で…。 292 00:19:01,607 --> 00:19:03,609 (鍵が開く音) 293 00:19:07,947 --> 00:19:10,950 何か入ってる… 石? 294 00:19:10,950 --> 00:19:14,620 (勇)あぁ 全部思い出したよ。 295 00:19:14,620 --> 00:19:19,291 これは お前のものさ。 えっ…。 296 00:19:19,291 --> 00:19:21,627 (勇)透が生まれる前の日に➡ 297 00:19:21,627 --> 00:19:24,630 じいちゃんと 河原へ散歩に行ったんだ。 298 00:19:24,630 --> 00:19:29,301 じいちゃんが 花のような 模様がある石は縁起がいいから➡ 299 00:19:29,301 --> 00:19:33,305 それを見つけて 妹に プレゼントしようって。 300 00:19:33,305 --> 00:19:38,310 きっと迷信だとわかっていたけど 俺も見つけてみたくなって。 301 00:19:38,310 --> 00:19:43,315 でも 日が暮れるまで探したけど 見つからなくて。 302 00:19:43,315 --> 00:19:49,989 だから きれいな石を拾って帰って 花の絵を描こうって…。 303 00:19:49,989 --> 00:19:55,327 いつか 妹にプレゼントする日までは 2人だけの秘密だと➡ 304 00:19:55,327 --> 00:19:57,997 鍵を預かったんだ。 305 00:19:57,997 --> 00:20:01,333 そのあと 透が生まれた忙しさと➡ 306 00:20:01,333 --> 00:20:04,003 じいちゃんが 体調を崩しだした さみしさで➡ 307 00:20:04,003 --> 00:20:06,338 忘れてしまっていた。 308 00:20:06,338 --> 00:20:10,009 ((この裏には 隠し扉があるんだ。 309 00:20:10,009 --> 00:20:12,011 一人じゃだめだ。 310 00:20:12,011 --> 00:20:16,015 2人の力じゃないと この本棚は動かせない。 311 00:20:16,015 --> 00:20:20,686 (勇)うん。 その秘密の場所へ隠しておこう。 312 00:20:20,686 --> 00:20:26,025 じいちゃん こんな ただの石… 喜んでもらえるかな。 313 00:20:26,025 --> 00:20:31,030 きっと喜ぶさ。 こんなにきれいだ。 314 00:20:31,030 --> 00:20:37,369 もし喜んでもらえなかったら また2人で探しに行こう 勇。 315 00:20:37,369 --> 00:20:39,672 約束だ) 316 00:20:46,378 --> 00:20:51,717 ありがとう 兄さん おじいちゃん。 317 00:20:51,717 --> 00:20:56,388 (勇)あのとき 「ただの石」 って言ってしまったけど➡ 318 00:20:56,388 --> 00:21:01,660 俺にとっては宝物なんだって。 そういうのも俺は言えなくて。 319 00:21:01,660 --> 00:21:05,331 透なら 素直な言葉が出るんだろうな。 320 00:21:05,331 --> 00:21:08,000 フフッ そうですね。 321 00:21:08,000 --> 00:21:12,671 勇さん 怪しい場所を巡るのも ほどほどにしてくださいね。 322 00:21:12,671 --> 00:21:15,341 そこは譲れないなぁ。 323 00:21:15,341 --> 00:21:18,677 夏目くん いろいろ感謝している。 324 00:21:18,677 --> 00:21:21,013 いえ 俺は何も。 325 00:21:21,013 --> 00:21:25,351 君になら… 妹を 任せてもいいかもしれないな。 326 00:21:25,351 --> 00:21:27,353 (2人)ブーッ!! 327 00:21:27,353 --> 00:21:29,655 世話になった またな。 328 00:21:33,025 --> 00:21:36,362 < つむじ風のような人だった> 329 00:21:36,362 --> 00:21:41,367 勇さんにくっついていたのは 大学裏の祠にいた妖で➡ 330 00:21:41,367 --> 00:21:45,037 勇さんについていないと 帰れなくなったみたいで…。 331 00:21:45,037 --> 00:21:48,707 (多軌)フフッ そっかぁ。 332 00:21:48,707 --> 00:21:52,044 ありがとう 夏目くん ニャンコ先生。 333 00:21:52,044 --> 00:21:54,380 <タキさ~ん! 334 00:21:54,380 --> 00:21:58,050 あの… 新しいお菓子 売ってて。 335 00:21:58,050 --> 00:22:02,321 その… よかったら 一緒に味見しない? 336 00:22:02,321 --> 00:22:06,659 えっ… うん! 337 00:22:06,659 --> 00:22:12,665 ハッ 夏目 エクレア!! あぁ 約束だもんな。 338 00:24:10,983 --> 00:24:13,986 エクレア1本で!? 私の扱いがなっていない!