1 00:00:01,501 --> 00:00:03,503 {\an8}♪~ 2 00:01:28,505 --> 00:01:30,507 {\an8}~♪ 3 00:01:38,098 --> 00:01:39,682 (ガラスが割れた音) 4 00:01:40,266 --> 00:01:43,770 (神主)おや? 今の音は… 5 00:01:44,270 --> 00:01:46,397 (少年)ごめんなさ~い 6 00:01:46,481 --> 00:01:48,191 (少年)すみません あの… 7 00:01:48,274 --> 00:01:51,277 こっちに ボール 飛んできませんでしたか? 8 00:01:58,660 --> 00:02:01,704 (夏目(なつめ)) 我を守りし者よ その名を示せ 9 00:02:01,788 --> 00:02:02,705 (手を打つ音) 10 00:02:14,300 --> 00:02:15,635 (夏目)うっ… 11 00:02:15,718 --> 00:02:17,804 (渋面の妖怪) 名をお返しいただき 12 00:02:17,887 --> 00:02:19,722 ありがとうございました 13 00:02:20,640 --> 00:02:23,226 お礼に これを 14 00:02:23,852 --> 00:02:24,561 え? 15 00:02:24,644 --> 00:02:30,859 (渋面)霊峰洗馬山(せんばやま)の三百年桜が 落雷で焼けた灰でございます 16 00:02:31,609 --> 00:02:37,532 これを焼き物に練り込むと 茶器や酒器であれば桜の香りが 17 00:02:37,615 --> 00:02:38,616 (ニャンコ先生)なに? 18 00:02:38,700 --> 00:02:44,539 (渋面)花挿しであれば 30日は枯れぬ水になると聞きます 19 00:02:45,164 --> 00:02:47,167 ありがたいけど お礼をもらうわけには… 20 00:02:47,250 --> 00:02:50,879 (渋面)それでは ごきげんよう 21 00:02:50,962 --> 00:02:53,089 (夏目)うわっ… うわああ! 22 00:02:53,590 --> 00:02:55,967 あっ… ちょっと待って! 23 00:02:56,467 --> 00:02:57,677 これ… 24 00:02:59,596 --> 00:03:02,891 (夏目)小さいころから 時々 変なものを見た 25 00:03:03,850 --> 00:03:06,436 ほかの人には 見えないらしい それらは 26 00:03:06,519 --> 00:03:09,939 恐らく 妖怪と呼ばれるものの類い 27 00:03:10,023 --> 00:03:15,695 (ピアノの演奏) 28 00:03:15,778 --> 00:03:18,198 (田沼(たぬま))へえ お礼の灰か 29 00:03:18,698 --> 00:03:20,074 昔話みたいだ 30 00:03:20,909 --> 00:03:22,744 律儀な妖(あやかし)もいるんだな 31 00:03:23,244 --> 00:03:24,537 そうなんだけど… 32 00:03:25,038 --> 00:03:28,166 もともと そいつのものだったのを 返しただけなんだ 33 00:03:28,917 --> 00:03:30,960 ハア… それに 34 00:03:31,044 --> 00:03:34,339 妖に むやみに物をもらうのは ちょっと… 35 00:03:36,466 --> 00:03:39,218 そうだ 夏目 いいものがあるぞ 36 00:03:40,595 --> 00:03:42,472 (ニャンコ先生) む? なんだ これは 37 00:03:42,972 --> 00:03:44,724 (夏目)焼き物の粘土だよ 38 00:03:45,600 --> 00:03:49,395 田沼のお父さんが 行事で使ったのの残りがあるって 39 00:03:49,479 --> 00:03:50,355 くれたんだ 40 00:03:50,438 --> 00:03:52,440 (ニャンコ先生) なに? 酒器を作るのか? 41 00:03:52,523 --> 00:03:53,650 無理だ 42 00:03:53,733 --> 00:03:56,694 でも 一輪挿しならと思って 43 00:03:57,695 --> 00:04:00,990 とりあえず 灰を入れずに 練習してみるか 44 00:04:01,074 --> 00:04:03,076 (ニャンコ先生)ぬっ… くそう 45 00:04:03,159 --> 00:04:06,871 私が こんなかわいい 肉球でなければ… 46 00:04:07,497 --> 00:04:10,333 むっ… 酒器 酒器… 47 00:04:11,960 --> 00:04:13,419 やっぱり無理かも 48 00:04:13,920 --> 00:04:17,882 ええい チェンジだ! 私が とっくりを作る! 49 00:04:17,966 --> 00:04:19,342 (夏目)じゃあ… 50 00:04:19,425 --> 00:04:20,635 (ニャンコ先生) おお! フッフッフ 51 00:04:21,219 --> 00:04:23,346 せめて 見本でもあればな 52 00:04:23,429 --> 00:04:25,139 (ニャンコ先生)んぬ… くっ… 53 00:04:25,223 --> 00:04:28,142 くっ こ… この つ… 爪が! 54 00:04:28,226 --> 00:04:30,895 むっ… んぐぐっ… 55 00:04:30,979 --> 00:04:36,067 ダメだ とっくりとは どう作るものなのだ? 56 00:04:36,567 --> 00:04:38,403 -(夏目)出来た! -(ニャンコ先生)何? 57 00:04:42,198 --> 00:04:43,908 (ニャンコ先生) なんだ? これは 58 00:04:44,409 --> 00:04:45,493 (夏目)ニャンコ先生 59 00:04:45,994 --> 00:04:46,494 うっ… 60 00:04:46,577 --> 00:04:49,831 バカ者~! 遊びではないんだぞ! 61 00:04:49,914 --> 00:04:51,416 ごめん つい… 62 00:04:51,499 --> 00:04:54,419 (妖怪たち)なっつめっさま~! 63 00:04:54,502 --> 00:04:56,254 はい! はい! はい! 64 00:04:56,337 --> 00:04:57,171 (夏目)わあっ! 65 00:04:57,255 --> 00:04:59,173 (ニャンコ先生)んなあああ! 66 00:04:59,924 --> 00:05:02,677 灰が散ってしまったではないか! 67 00:05:02,760 --> 00:05:05,805 (一つ目の中級妖怪) ん~ 何かありましたかな? 68 00:05:05,888 --> 00:05:08,057 (牛顔の中級妖怪) ないない 見えな~い 69 00:05:08,141 --> 00:05:11,310 (夏目) ああ… もう 回収は無理だな 70 00:05:11,394 --> 00:05:14,230 (河童(かっぱ)) 申し訳ありません 夏目様 71 00:05:14,314 --> 00:05:17,025 ぽかぽかと暖かい小春日和ゆえ 72 00:05:17,108 --> 00:05:20,319 昼酒が過ぎまして とんでもないことを… 73 00:05:20,403 --> 00:05:21,946 しかたない 74 00:05:22,447 --> 00:05:24,699 どうせ 使う予定のないものだったし 75 00:05:25,199 --> 00:05:26,326 もういいよ 76 00:05:26,409 --> 00:05:28,661 ありがとうございます! 77 00:05:28,745 --> 00:05:31,289 さすが夏目様 太っ腹! 78 00:05:31,372 --> 00:05:32,832 ぽんぽん ぱらぱら! 79 00:05:32,915 --> 00:05:36,836 (ニャンコ先生) くそう 桜の香りの酒が… 80 00:05:36,919 --> 00:05:39,005 まあまあ 斑(まだら)様 81 00:05:39,088 --> 00:05:41,132 おわびのしるしに ささっ 一杯! 82 00:05:41,215 --> 00:05:43,301 いっぱい かんぱ~い! 83 00:05:43,384 --> 00:05:44,093 (ニャンコ先生)む? 84 00:05:44,177 --> 00:05:47,346 え? もう 晩ご飯だぞ 先生 85 00:05:48,222 --> 00:05:49,557 しょうがないな… 86 00:05:50,058 --> 00:05:53,603 明日 七辻屋(ななつじや)の 新作団子(だんご)を買ってやるから 87 00:05:53,686 --> 00:05:55,146 なに? 88 00:05:55,229 --> 00:05:57,357 お前たち 今日は もう 帰れ 89 00:05:57,440 --> 00:05:59,859 (一つ目)え~ そんな 殺生な 90 00:05:59,942 --> 00:06:02,362 (牛顔) 殺生 毛だらけ モー灰だらけ 91 00:06:02,445 --> 00:06:04,113 (河童)せめて 一杯だけでも 92 00:06:04,197 --> 00:06:05,865 (ニャンコ先生) ええい 早く帰れ! 93 00:06:06,449 --> 00:06:08,910 新作団子が ふいになる! 94 00:06:12,914 --> 00:06:16,000 (夏目)そんなわけで 何も作れなかったんだ 95 00:06:16,501 --> 00:06:19,170 せっかく粘土をもらったのに ごめんな 96 00:06:19,670 --> 00:06:20,755 いや いいんだ 97 00:06:21,339 --> 00:06:25,343 しかし 夏目の所には 次々 妖怪が来ちゃうんだな 98 00:06:25,843 --> 00:06:29,097 見える人だったっていう おばあさんも そうだったのか? 99 00:06:29,597 --> 00:06:31,516 ああ どうかな 100 00:06:32,183 --> 00:06:34,727 交流は たくさん あったみたいだけど… 101 00:06:36,729 --> 00:06:39,524 (夏目)強い妖力(ようりょく)を 持ったという祖母 レイコは… 102 00:06:40,108 --> 00:06:43,277 多くの妖怪に 勝負を持ちかけ 打ち負かし 103 00:06:43,778 --> 00:06:47,406 その証しに 紙に名前を書かせ 集めた 104 00:06:48,324 --> 00:06:52,703 名を呼ばれれば逆らえぬ 契約書の束 友人帳(ゆうじんちょう) 105 00:06:53,663 --> 00:06:56,290 その遺品を 受け継ぐことになった俺は 106 00:06:56,374 --> 00:07:01,921 時折 放免を求め 訪ねてくる妖怪に名前を返す日々 107 00:07:02,422 --> 00:07:04,632 (戸が開く音) (夏目)ただいま~ 108 00:07:04,715 --> 00:07:06,342 (塔子(とうこ))おかえりなさ~い 109 00:07:06,425 --> 00:07:08,386 (田沼)おじゃましま~す 110 00:07:08,469 --> 00:07:11,556 (塔子) 田沼君? どうぞ 上がって 111 00:07:11,639 --> 00:07:12,765 (2人)ん? 112 00:07:15,726 --> 00:07:18,646 (夏目) 塔子さん? どうしたんですか? 113 00:07:18,729 --> 00:07:19,814 (塔子)んっ… う~ん 114 00:07:19,897 --> 00:07:23,109 500円玉が タンスの下に入っちゃったの 115 00:07:24,193 --> 00:07:26,362 物差しを突っ込めば取れるかも 116 00:07:26,904 --> 00:07:28,114 俺が やりましょうか? 117 00:07:28,614 --> 00:07:31,117 (塔子) そうね お願いしようかしら 118 00:07:31,617 --> 00:07:32,118 ん? 119 00:07:36,080 --> 00:07:39,500 あら 出てきた どこかに引っ掛かってたのかしら 120 00:07:43,629 --> 00:07:46,924 (田沼) どう思う? さっきの500円玉 121 00:07:47,008 --> 00:07:50,720 ああ… 何かが 家に潜り込んできたのかも 122 00:07:50,803 --> 00:07:51,387 え? 123 00:07:52,346 --> 00:07:55,516 ニャンコ先生 一応 用心棒なんだろ? 124 00:07:55,600 --> 00:07:57,393 気ままな な! 125 00:07:57,476 --> 00:08:01,022 ん? 何か今 ちくりと… 126 00:08:01,981 --> 00:08:03,232 ガビョ~ン 127 00:08:03,733 --> 00:08:05,651 -(夏目)うわっ! -(田沼)画びょう? 128 00:08:05,735 --> 00:08:07,945 (夏目)た… 田沼は大丈夫か? 129 00:08:08,029 --> 00:08:09,280 (田沼)ああ 夏目は? 130 00:08:09,363 --> 00:08:12,033 (ニャンコ先生) ええい 少しは私の心配をしろ! 131 00:08:12,700 --> 00:08:14,577 俺たちの下にはないな 132 00:08:14,660 --> 00:08:15,786 (田沼)ああ 133 00:08:16,454 --> 00:08:18,289 (夏目) もしかして ニャンコ先生 134 00:08:18,372 --> 00:08:20,958 誰かに狙われてる… のか? 135 00:08:21,042 --> 00:08:23,294 画びょうでか? む? 136 00:08:23,377 --> 00:08:24,837 見ろ 夏目 137 00:08:25,338 --> 00:08:25,880 あ… 138 00:08:26,380 --> 00:08:28,799 変だな しまっておいたはずなのに… 139 00:08:33,012 --> 00:08:34,555 (夏目)さっき… 140 00:08:34,639 --> 00:08:36,390 タンスの裏から コインを押し出す何かが 141 00:08:36,474 --> 00:08:37,975 見えた気がしたけど… 142 00:08:39,560 --> 00:08:40,061 ん? 143 00:08:42,396 --> 00:08:44,815 うわっ! 何かと目が合った 144 00:08:44,899 --> 00:08:45,691 (夏目)え? 145 00:08:51,822 --> 00:08:52,657 (夏目)いない 146 00:08:53,157 --> 00:08:56,577 俺と目が合うってことは ネズミか何かかも 147 00:08:57,161 --> 00:09:00,289 そうだな 妖怪ではないか… 148 00:09:00,790 --> 00:09:01,332 あれ? 149 00:09:02,792 --> 00:09:05,169 俺の作ったミニ先生が なくなってる 150 00:09:05,253 --> 00:09:05,836 (田沼)え? 151 00:09:06,546 --> 00:09:09,090 ネズミが どこかに転がしていったのかな? 152 00:09:09,173 --> 00:09:10,341 そうか 153 00:09:10,841 --> 00:09:14,345 ちょっと 残念だな 見てみたかったのに 154 00:09:18,849 --> 00:09:22,019 (夏目)本当は ちょっと気に入っていたミニ先生 155 00:09:24,647 --> 00:09:27,441 その夜 妙な夢を見た 156 00:09:29,360 --> 00:09:32,572 倒れているのに 体は異様に軽く 157 00:09:33,239 --> 00:09:35,157 自分の手足じゃないようだった 158 00:09:36,325 --> 00:09:39,662 気付くと 誰かが とても悲しそうな顔で 159 00:09:40,162 --> 00:09:42,039 こちらを のぞき込んでいた 160 00:09:43,666 --> 00:09:45,459 俺は ひどく驚いた 161 00:09:46,377 --> 00:09:48,754 だって 俺は こうなっても平気だから 162 00:09:49,338 --> 00:09:51,674 悲しむことは これっぽっちもないって 163 00:09:52,174 --> 00:09:54,218 その人に伝えたかった 164 00:09:58,139 --> 00:10:01,642 けれど やはり 口は動かなかった 165 00:10:02,935 --> 00:10:04,061 あ… 166 00:10:06,063 --> 00:10:07,356 夢か 167 00:10:15,489 --> 00:10:17,742 おはよう ニャンコ先生 168 00:10:22,955 --> 00:10:23,914 あっ 169 00:10:25,207 --> 00:10:26,083 えっ? 170 00:10:26,167 --> 00:10:26,917 (夏目)ちっさ! 171 00:10:30,338 --> 00:10:31,422 (夏目)ま… 待て! 172 00:10:34,508 --> 00:10:36,510 え? 今のは… 173 00:10:38,137 --> 00:10:41,015 (夏目)まさか あの粘土の? 174 00:10:45,019 --> 00:10:46,187 (ニャンコ先生)ふむ 175 00:10:46,270 --> 00:10:48,689 あのとき 灰が かかってしまったのか 176 00:10:49,440 --> 00:10:54,153 この世のものでなくなった人形に 何かが入ったのかもしれんな 177 00:10:54,236 --> 00:10:55,196 (夏目)入った? 178 00:10:55,279 --> 00:10:57,031 依代(よりしろ)だな 179 00:10:57,531 --> 00:11:01,202 私が このキュートな 招き猫の器を得たことで 180 00:11:01,285 --> 00:11:04,830 ほかのヤツにも 姿を見せられるのと同じだ 181 00:11:04,914 --> 00:11:09,543 そんなことって あるのか? ただの粘土人形なのに… 182 00:11:09,627 --> 00:11:13,214 (ニャンコ先生)お前の 強い妖力も影響しているんだろう 183 00:11:13,297 --> 00:11:15,841 意図せず いろいろと 巻き起こしてしまう— 184 00:11:15,925 --> 00:11:17,677 レイコと同じさ 185 00:11:18,177 --> 00:11:19,345 (夏目)依代… 186 00:11:21,347 --> 00:11:25,893 一体 どんなヤツが あのミニ先生に入ったんだろう 187 00:11:29,855 --> 00:11:30,356 あっ… 188 00:11:32,191 --> 00:11:33,275 わあっ! 189 00:11:34,443 --> 00:11:36,362 あっ! こ… こら 待て! 190 00:11:38,406 --> 00:11:39,240 (夏目)こうして 191 00:11:39,740 --> 00:11:43,452 家の中で 時々 ミニ先生を 見かけるようになってしまった 192 00:11:44,954 --> 00:11:46,372 引き出しの中 193 00:11:46,455 --> 00:11:47,248 (夏目)うわっ 194 00:11:48,707 --> 00:11:49,959 (夏目)欄間の陰 195 00:11:51,127 --> 00:11:53,462 ニャンコ先生の座布団の端 196 00:11:55,381 --> 00:11:57,633 捕まえるべきかとも 思ったけれど… 197 00:12:01,971 --> 00:12:03,973 かわいくも思えてきた 198 00:12:05,474 --> 00:12:07,893 それ 振り子時計っていうんだよ 199 00:12:10,479 --> 00:12:11,313 あっ… 200 00:12:12,731 --> 00:12:13,691 ああ… 201 00:12:15,067 --> 00:12:17,111 (夏目)今 うなずいたような… 202 00:12:19,822 --> 00:12:21,991 (夏目のあくび) 203 00:12:22,491 --> 00:12:23,993 おはようございま… 204 00:12:24,076 --> 00:12:25,619 (塔子)あら… 205 00:12:27,037 --> 00:12:28,914 どうしたんですか? それ 206 00:12:28,998 --> 00:12:29,957 (塔子)ん? 207 00:12:30,583 --> 00:12:32,960 ああ おはよう 貴志(たかし)君 208 00:12:33,043 --> 00:12:36,922 それがね ネズミを 見かけたような気がして 209 00:12:37,006 --> 00:12:37,756 え? 210 00:12:38,841 --> 00:12:40,676 何か悪さしましたか? 211 00:12:40,759 --> 00:12:42,636 (塔子)それが全く 212 00:12:42,720 --> 00:12:45,598 だから 気のせい かもしれないんだけど 213 00:12:46,182 --> 00:12:47,767 あっ そういえば 214 00:12:48,809 --> 00:12:51,729 木のお茶碗(ちゃわん)が 1つ なくなっちゃって 215 00:12:52,229 --> 00:12:53,522 使ってないから 216 00:12:53,606 --> 00:12:56,692 もう 物置にしまおうと 思ってたんだけど 217 00:12:58,778 --> 00:13:03,324 そりゃ 田沼が見えるなら 塔子にも見えるだろうさ 218 00:13:03,407 --> 00:13:05,284 しかし まあ 219 00:13:05,367 --> 00:13:08,662 そろそろ ネズミ狩りもいいだろう 220 00:13:09,163 --> 00:13:11,040 (夏目) 手加減してやってくれよ 先生 221 00:13:11,123 --> 00:13:12,208 (襖(ふすま)をたたく音) 222 00:13:12,792 --> 00:13:13,834 (夏目・ニャンコ先生)ん? 223 00:13:18,672 --> 00:13:20,591 (夏目・ニャンコ先生) なっ… いた! 224 00:13:25,179 --> 00:13:27,097 ミ… ミニ先生… 225 00:13:28,140 --> 00:13:30,434 (ニャンコ先生)む? 静かに 226 00:13:31,685 --> 00:13:34,146 ふむ… ふむふむ 227 00:13:34,230 --> 00:13:36,357 “世話になった”と言っているぞ 228 00:13:37,066 --> 00:13:39,235 先生には言葉が分かるのか? 229 00:13:39,860 --> 00:13:42,029 念を飛ばしてくるのだ 230 00:13:42,112 --> 00:13:44,949 こいつ 結構な大物だな 231 00:13:45,658 --> 00:13:46,951 “申し訳ないが” 232 00:13:47,034 --> 00:13:51,247 “この器と木の茶碗を 1つ 譲ってほしい”と 233 00:13:51,330 --> 00:13:54,750 あ… 粘土はいいけど 茶碗は… 234 00:13:55,417 --> 00:13:58,420 “かたじけない それでは失礼” 235 00:13:58,504 --> 00:13:59,004 (夏目)え? 236 00:13:59,088 --> 00:14:01,340 えっ あ… 待て! 237 00:14:01,841 --> 00:14:03,425 こら! 238 00:14:04,343 --> 00:14:07,346 (ニャンコ先生の荒い息) 239 00:14:09,640 --> 00:14:10,516 いた! 240 00:14:13,185 --> 00:14:16,021 茶碗など何に使うつもりだ? 241 00:14:22,027 --> 00:14:23,529 どこまで行くんだろう? 242 00:14:31,245 --> 00:14:32,162 先生 243 00:14:32,746 --> 00:14:33,581 むっ… 244 00:14:34,123 --> 00:14:36,917 この辺りは よくない気が あふれているな 245 00:14:37,501 --> 00:14:38,627 気をつけろ 246 00:14:38,711 --> 00:14:42,006 (夏目) ああ それにミニも見失った 247 00:14:42,506 --> 00:14:46,302 (夏目)粘土のあんな小さな体で 襲われたりしたら… 248 00:14:47,511 --> 00:14:50,681 (茂みが揺れる音) (夏目)あっ… 何か来る! 249 00:14:53,267 --> 00:14:55,269 (被髪の妖怪)おおおお… 250 00:14:56,478 --> 00:14:57,646 チッ… 251 00:14:58,772 --> 00:15:00,649 (斑のうなり声) 252 00:15:00,733 --> 00:15:02,651 おおおおお! 253 00:15:02,735 --> 00:15:05,029 (斑)私の獲物に気安く… 254 00:15:06,488 --> 00:15:06,989 あっ! 255 00:15:08,616 --> 00:15:10,242 (被髪)ううっ! 256 00:15:10,993 --> 00:15:12,661 ミ… ミニ? 257 00:15:13,245 --> 00:15:15,664 (被髪)おお… お… 258 00:15:15,748 --> 00:15:18,000 (斑)な… ぐおっ! 259 00:15:18,667 --> 00:15:19,585 (ニャンコ先生)ニャニャ… 260 00:15:19,668 --> 00:15:23,255 (夏目)わ~っ! ニャンコ先生! ミニ先生! 261 00:15:25,382 --> 00:15:28,260 (夏目)ミニ… 君は 一体 何者なんだ? 262 00:15:29,303 --> 00:15:32,348 “私は ジョウザンソウホウという者” 263 00:15:32,431 --> 00:15:37,144 “本来 朱色川(あかいしがわ)の上流にある 仏像のかけらであったが” 264 00:15:37,227 --> 00:15:41,690 “土に混ざって持ち去られ とある焼き物となった” 265 00:15:41,774 --> 00:15:43,692 仏像のかけら… 266 00:15:44,443 --> 00:15:45,110 (ニャンコ先生)“縁あって” 267 00:15:45,194 --> 00:15:47,738 “ある神社へ 置かれることとなったが” 268 00:15:47,821 --> 00:15:50,199 “ちょっとした事故で 割れてしまい” 269 00:15:50,282 --> 00:15:53,786 “もはや 器に戻れなくなった” 270 00:15:54,286 --> 00:15:57,373 “本体に戻るほどの力もなく” 271 00:15:57,456 --> 00:16:00,709 “しばらく 魂となり さまよっていたが” 272 00:16:01,377 --> 00:16:03,879 “たまたま通りかかった窓に” 273 00:16:03,962 --> 00:16:08,467 “自分が いま一度 宿れそうな 不思議なものを見つけた” 274 00:16:08,550 --> 00:16:11,178 “それが この器なのだ” 275 00:16:11,679 --> 00:16:16,308 “入ってみると これまでと違い なじめば動くこともできた” 276 00:16:16,392 --> 00:16:19,478 “これなら 本体の場所まで帰れるだろう” 277 00:16:20,479 --> 00:16:21,563 だそうだ 278 00:16:23,524 --> 00:16:25,484 さっきの妖怪は 一体… 279 00:16:25,567 --> 00:16:28,445 (ニャンコ先生) 置物として置かれていた神社が 280 00:16:28,529 --> 00:16:30,364 この近くにあるらしい 281 00:16:30,447 --> 00:16:33,492 気になっていた 悪しき妖ものがいるので 282 00:16:33,575 --> 00:16:39,123 ここら一帯から離れる前に 消し飛ばしておこうと来たようだな 283 00:16:39,206 --> 00:16:39,999 (夏目)そうか 284 00:16:40,791 --> 00:16:44,420 (夏目)自分が去ったあと 愁いが残らないように… 285 00:16:45,254 --> 00:16:45,754 あっ 286 00:16:46,463 --> 00:16:48,006 (夏目)腕にひびが… 287 00:16:49,133 --> 00:16:49,758 あっ! 288 00:16:50,342 --> 00:16:51,343 ミニ先生? 289 00:16:52,344 --> 00:16:54,555 {\an8}どうやら もう一匹いるらしいぞ 290 00:16:54,638 --> 00:16:56,265 {\an8}(夏目)えっ… ま… 待て! 291 00:16:56,348 --> 00:16:57,891 ミニ先生! 292 00:16:57,975 --> 00:16:59,852 あっ こら 夏目! 293 00:17:00,853 --> 00:17:02,521 (夏目)あんな腕のままじゃ… 294 00:17:05,649 --> 00:17:07,860 神社… あれが? 295 00:17:09,111 --> 00:17:10,028 いたぞ! 296 00:17:11,280 --> 00:17:13,615 (夏目)待て ミニ先生! 297 00:17:15,117 --> 00:17:16,535 右腕にひびが… 298 00:17:17,327 --> 00:17:19,621 補強しないと壊れてしまうぞ 299 00:17:28,172 --> 00:17:31,091 うっ… なかなか難しいな 300 00:17:31,175 --> 00:17:33,927 (ニャンコ先生) 当たり前だ こんな小さいもんに 301 00:17:39,099 --> 00:17:42,519 “神主の家にも 振り子時計があった” 302 00:17:45,105 --> 00:17:49,193 “カチコチ鳴るのが楽しくて 気に入って眺めていたが” 303 00:17:49,276 --> 00:17:51,904 “ついに壊れて動かなくなった” 304 00:17:52,446 --> 00:17:56,283 “神主は それでも捨てられずに 柱に掛けていた” 305 00:17:56,784 --> 00:17:59,453 “おかしなヤツなのだ” 306 00:18:00,621 --> 00:18:03,332 ミニ先生は どんな置物だったんだ? 307 00:18:07,419 --> 00:18:08,670 (ニャンコ先生)“鳥だ” 308 00:18:08,754 --> 00:18:09,797 (夏目)へえ 309 00:18:09,880 --> 00:18:13,217 (ニャンコ先生) “小さいが羽の美しい白き鳥” 310 00:18:13,759 --> 00:18:17,096 “置物ゆえ 羽ばたくことは できなかったが” 311 00:18:17,179 --> 00:18:20,933 “動けずとも まあ それもよいと思っていた” 312 00:18:21,433 --> 00:18:24,061 “しかし 本当の鳥であれば” 313 00:18:24,144 --> 00:18:28,023 “災いをよけることが できただろうか” 314 00:18:28,524 --> 00:18:29,858 “そうすれば…” 315 00:18:30,442 --> 00:18:31,527 (夏目)そうすれば… 316 00:18:31,610 --> 00:18:33,112 (草むらが揺れる音) 317 00:18:37,449 --> 00:18:38,617 近くにいるぞ! 318 00:18:39,201 --> 00:18:41,703 (夏目) どこだ? どこから来る? 319 00:18:43,330 --> 00:18:46,208 (妖怪の声)キ… キ… 320 00:18:47,459 --> 00:18:48,126 (夏目)わっ! 321 00:18:49,378 --> 00:18:51,213 あっ ミニ先生! 322 00:18:52,422 --> 00:18:54,675 (円背の妖怪)キ… キキ… 323 00:18:54,758 --> 00:18:56,635 これ 怖い 324 00:18:57,511 --> 00:18:59,638 壊れろ… 325 00:19:00,222 --> 00:19:02,641 (夏目)ミニ先生を… 放せ! 326 00:19:04,476 --> 00:19:06,979 -(斑)ぐああっ! -(円背)ぎい~っ! 327 00:19:08,480 --> 00:19:09,356 あっ… 328 00:19:10,357 --> 00:19:13,026 (斑)まだだ 夏目 こいつ しぶといぞ! 329 00:19:17,030 --> 00:19:19,908 (ひびが入る音) (夏目)あっ ダメだ ミニ先生! 330 00:19:21,493 --> 00:19:25,163 (円背)ぎゃあああ! 331 00:19:29,293 --> 00:19:30,252 (夏目)あ… 332 00:19:30,752 --> 00:19:32,212 (倒れた音) 333 00:19:32,713 --> 00:19:37,134 (夏目)粘土の器が砕けたら ミニ先生は どこへ行くんだ? 334 00:19:37,801 --> 00:19:41,680 せっかく帰れるかもしれないのに どこへ… 335 00:19:42,472 --> 00:19:44,182 (ガラスが割れた音) (神主)ん? 336 00:19:45,267 --> 00:19:47,311 (少年)ご… ごめんなさい 337 00:19:47,811 --> 00:19:51,773 神主さんが大事にしてた鳥に 当たっちゃった 338 00:19:51,857 --> 00:19:53,192 (少年)ごめんなさい 339 00:19:53,942 --> 00:19:56,695 (神主)正直に ありがとう 340 00:19:57,279 --> 00:20:01,825 大丈夫 大丈夫 物にも みんな 寿命がある 341 00:20:01,909 --> 00:20:05,203 いつか来る日が 今日だっただけだよ 342 00:20:09,791 --> 00:20:12,336 ああ… すまない 343 00:20:12,836 --> 00:20:15,714 私が窓辺に置いたばかりに 344 00:20:21,345 --> 00:20:23,221 すまないね… 345 00:20:24,222 --> 00:20:26,725 (夏目) ああ 自分で言ったくせに 346 00:20:28,727 --> 00:20:30,979 物には寿命があるだけなのに 347 00:20:31,772 --> 00:20:33,565 もし 本当の鳥であれば 348 00:20:35,025 --> 00:20:37,611 災いをよけることが できただろうか 349 00:20:38,445 --> 00:20:42,991 そうすれば 悲しい顔を させずに済んだだろうか 350 00:20:49,831 --> 00:20:52,626 “軟弱者め”だそうだ 351 00:20:53,418 --> 00:20:54,002 ぎゃっ! 352 00:20:54,586 --> 00:20:55,629 フッ… 353 00:20:57,381 --> 00:21:01,009 (ニャンコ先生)“久しぶりに 動いている振り子時計を見た” 354 00:21:01,677 --> 00:21:03,387 “やっぱり楽しかったが” 355 00:21:03,470 --> 00:21:06,265 “いつの間にか 止まったままの あの時計が” 356 00:21:06,348 --> 00:21:08,600 “好きになっていたようだ” 357 00:21:09,601 --> 00:21:12,229 “動きもしない物が恋しい…” 358 00:21:12,729 --> 00:21:16,024 “人の心が 移ってしまったのだろうか” 359 00:21:16,608 --> 00:21:18,652 “面倒なものだ” 360 00:21:23,281 --> 00:21:25,158 (夏目) 一応 補強はしてみたけど… 361 00:21:25,742 --> 00:21:29,621 本体に合流するまで もてばいいだけの器だ 362 00:21:29,705 --> 00:21:31,415 どうにかなるだろう 363 00:21:32,833 --> 00:21:34,459 お椀(わん)は餞別(せんべつ)だ 364 00:21:35,002 --> 00:21:37,421 塔子さんには 俺から謝っておくよ 365 00:21:39,589 --> 00:21:42,676 (夏目)いたずら心で作った ただの粘土細工 366 00:21:43,301 --> 00:21:44,386 それでも… 367 00:21:45,595 --> 00:21:50,267 ミニ先生を乗せた木のお椀は 不思議に川を上っていった 368 00:21:51,852 --> 00:21:56,106 きっと ミニ先生は 無事にあるべき所へ帰るのだろう 369 00:21:59,901 --> 00:22:00,694 {\an8}なんだ? 370 00:22:01,695 --> 00:22:03,030 (夏目)なんでもないよ 371 00:22:06,033 --> 00:22:08,035 {\an8}♪~ 372 00:23:33,495 --> 00:23:35,497 {\an8}~♪ 373 00:23:36,665 --> 00:23:38,542 {\an8}(塔子)ああ 楽しみ 374 00:23:38,625 --> 00:23:40,752 {\an8}貴志君が花壇を 作ってくれるなんて 375 00:23:40,836 --> 00:23:42,003 {\an8}(夏目)懐かしいようで 376 00:23:42,087 --> 00:23:43,588 {\an8}どこかに 似ている気がした 377 00:23:43,672 --> 00:23:44,756 {\an8}(ニャンコ先生) まったく もう 378 00:23:44,840 --> 00:23:45,674 {\an8}猫使いの荒い! 379 00:23:46,258 --> 00:23:48,051 {\an8}(しだ姫(ひめ))さあ 宴(うたげ)じゃ 380 00:23:48,135 --> 00:23:50,929 {\an8}皆も屋敷も庭も 歌うがよい