1 00:00:02,252 --> 00:00:03,670 (デインクーン)ふん… 2 00:00:03,795 --> 00:00:05,046 (トルウェイ)挑戦? 3 00:00:05,171 --> 00:00:08,717 さあ 帝国男児なら 潔く受けて立て! 4 00:00:09,050 --> 00:00:12,512 いや… でも 僕 あまり剣は得意じゃなくて… 5 00:00:12,846 --> 00:00:17,642 貴様! それでどうやって 仕えし姫君を守る所存なのか? 6 00:00:17,767 --> 00:00:19,686 (シャミーユ) 大概にせよ デインクーン准尉 7 00:00:19,811 --> 00:00:20,645 はっ 8 00:00:21,062 --> 00:00:23,273 余の騎士を 目の前で愚弄(ぐろう)するのか? 9 00:00:23,398 --> 00:00:24,232 ああ… 10 00:00:24,733 --> 00:00:28,486 第一 トルウェイの得手は射撃だ 現代の戦場において… 11 00:00:28,695 --> 00:00:30,739 失礼をば! 12 00:00:31,406 --> 00:00:32,448 いや だから… 13 00:00:32,573 --> 00:00:34,993 (デインクーン)お許しをば! 14 00:00:35,118 --> 00:00:36,995 もうよい おもてを上げよ 15 00:00:37,120 --> 00:00:38,329 (デインクーン)どうか 何とぞ! 16 00:00:38,455 --> 00:00:40,123 (ヤトリ) 将棋で戦うのは どうかしら? 17 00:00:40,915 --> 00:00:42,625 それならトルウェイも得意だし 18 00:00:43,209 --> 00:00:44,335 (シャミーユ)それはよい 19 00:00:44,461 --> 00:00:49,340 盤上の深慮遠謀をもって 優れた軍人たるを示してはどうか? 20 00:00:49,466 --> 00:00:50,550 (デインクーン)ははあ! 21 00:00:50,675 --> 00:00:54,763 挽回の機会を与えていただき 光栄の至りにあります! 22 00:00:57,724 --> 00:00:59,100 これで詰みだよね 23 00:00:59,225 --> 00:01:00,769 ぐわあ! 24 00:01:00,894 --> 00:01:03,313 恐るべき男よ トルウェイ・レミオン 25 00:01:03,438 --> 00:01:07,275 だが これで終わりと思うな ふん! 26 00:01:08,777 --> 00:01:12,322 (マシュー) たった54手… 弱すぎだろ 27 00:01:13,823 --> 00:01:14,657 (デインクーン)邪魔だ のけ! 28 00:01:15,325 --> 00:01:16,159 (イクタ)うう~ 29 00:01:16,951 --> 00:01:18,369 ソ… ソローク! 30 00:01:18,495 --> 00:01:21,873 (イクタ)み… 水… 31 00:01:21,998 --> 00:01:27,003 ♪~ 32 00:02:46,958 --> 00:02:51,963 ~♪ 33 00:03:02,390 --> 00:03:05,476 プハ~ 僕 生きてる 34 00:03:06,227 --> 00:03:08,229 (ハロ)あ 正気に戻られましたね 35 00:03:08,813 --> 00:03:11,232 “悪い 悪い 1日勘違いしたわ”って― 36 00:03:11,357 --> 00:03:13,318 クソ! サザルーフ中尉め! 37 00:03:13,818 --> 00:03:15,445 自業自得でしょ 38 00:03:15,570 --> 00:03:19,657 正気に戻ったなら さっさと 姫殿下のおみ足から離れなさい 39 00:03:20,074 --> 00:03:20,950 (イクタ)ん? 40 00:03:22,368 --> 00:03:26,289 ソローク 何か余に対して 言うことはないか? 41 00:03:26,414 --> 00:03:27,832 そうですね 42 00:03:28,249 --> 00:03:30,209 うん どうせ膝枕するなら― 43 00:03:30,335 --> 00:03:32,962 もっと肉付きのいいほうが いいですかね まあ 女性の… 44 00:03:33,087 --> 00:03:34,047 (殴る音) (イクタ)グハッ! 45 00:03:34,756 --> 00:03:37,217 そなたなど そのまま死んでしまえ! 46 00:03:37,634 --> 00:03:38,635 (イクタ)ぐぐ… 47 00:03:38,760 --> 00:03:40,511 さっさと復活しなさい 48 00:03:40,637 --> 00:03:42,597 周りがいい迷惑よ 49 00:03:42,722 --> 00:03:44,515 (イクタ)う… うん 50 00:03:44,641 --> 00:03:47,435 クンクン クンクン おお さすがヤトリ! 51 00:03:49,062 --> 00:03:51,481 (ハロ)ヤトリさん わざわざイクタさんのために? 52 00:03:51,940 --> 00:03:52,774 あっ 53 00:03:53,233 --> 00:03:55,652 自分で食べるために 残しておいただけよ 54 00:04:04,577 --> 00:04:08,539 (カンナ)ああ もう… 騎兵のやつらはいいな 55 00:04:10,333 --> 00:04:13,378 (トァック)補給部隊の護衛など 退屈だろうな 56 00:04:13,503 --> 00:04:15,672 ヤトリシノ准尉 コホッ コホッ… 57 00:04:16,422 --> 00:04:19,716 いえ 任務の重要性は わきまえています 58 00:04:19,841 --> 00:04:25,139 むしろ 少佐のような高等士官が 自ら同行されることに驚きました 59 00:04:26,099 --> 00:04:29,394 (トァック)そうしなければならぬ 理由があるのだよ 60 00:04:29,519 --> 00:04:33,231 基地を造れば 付近の住民にも負担は及ぶ 61 00:04:33,356 --> 00:04:34,357 だから 我々は― 62 00:04:34,482 --> 00:04:37,652 民衆の顔色をうかがわねば やっていけない 63 00:04:37,986 --> 00:04:40,738 (トァック) コホッ… 失望したかね? 64 00:04:41,614 --> 00:04:44,117 軍とは本来 そういうものではないでしょうか? 65 00:04:44,993 --> 00:04:47,704 平和のために 戦いがあるのであって― 66 00:04:48,204 --> 00:04:51,958 戦いのために 平和が 食い潰されるべきではありません 67 00:04:52,458 --> 00:04:54,043 (トァック)ふむ… 68 00:04:55,044 --> 00:04:57,213 そのとおりかもしれんな 69 00:05:00,967 --> 00:05:03,136 つ… 着いた 70 00:05:03,386 --> 00:05:07,390 (イクタ)んああ… もう着いたかな? 71 00:05:07,724 --> 00:05:11,144 (カンナ)え? あっ イッくん殿! んっ… 72 00:05:12,520 --> 00:05:13,688 大声禁止! 73 00:05:13,813 --> 00:05:14,647 (カンナ)うんうん 74 00:05:15,273 --> 00:05:17,650 (イクタ)ともあれ こんにちは カンナ 75 00:05:17,775 --> 00:05:21,362 今日もリボンでまとめた髪が チャーミングだね 76 00:05:21,487 --> 00:05:24,782 ずっと隠れて乗ってたの? どうりで重いと… 77 00:05:24,907 --> 00:05:26,284 それは違う 78 00:05:26,409 --> 00:05:28,786 僕がベッド代わりにしていた 荷車を― 79 00:05:28,911 --> 00:05:31,331 君たちが勝手に 動かしたんじゃないか 80 00:05:31,456 --> 00:05:33,708 ウソです! さっき出てきた時― 81 00:05:33,833 --> 00:05:35,710 “もう着いたかな?”って 言いました! 82 00:05:35,835 --> 00:05:38,755 脱水症状を 主因とする幻聴かな? 83 00:05:38,880 --> 00:05:39,881 え? ちょ… 84 00:05:40,006 --> 00:05:41,674 私 ここで待ってないと! 85 00:05:42,050 --> 00:05:44,177 (イクタ) 時間は有効に使わないと 86 00:05:44,302 --> 00:05:46,554 せっかく街まで来てるんだから 87 00:05:48,514 --> 00:05:50,099 (女性)誰だい? あんた 88 00:05:50,224 --> 00:05:52,518 (イクタ) こんにちは 美しいおねえさん 89 00:05:53,352 --> 00:05:57,148 突然だけど 僕たち のどが渇いちゃって 90 00:05:58,483 --> 00:06:00,860 水場まで サトウキビでしのげだなんて― 91 00:06:00,985 --> 00:06:02,612 親切なご婦人だ 92 00:06:02,737 --> 00:06:05,656 イッくん殿 ひょっとして あれですか? 93 00:06:05,782 --> 00:06:07,658 “女たらし”っていう人種ですか? 94 00:06:08,117 --> 00:06:09,869 それは誤解だよ 95 00:06:09,994 --> 00:06:11,496 僕のほうこそが― 96 00:06:11,621 --> 00:06:14,665 この世の全ての年配女性に 魅了されているんだ 97 00:06:16,042 --> 00:06:17,752 それにしても あのご婦人 98 00:06:17,877 --> 00:06:20,421 僕の軍服を見ても 平然としていたよ 99 00:06:21,380 --> 00:06:24,634 ここの住人は 軍人を嫌ってないみたいだね 100 00:06:24,759 --> 00:06:26,803 (カンナ)え? ああ はい 101 00:06:26,928 --> 00:06:29,138 補給のための重要地点だし― 102 00:06:29,263 --> 00:06:32,308 住人との接し方には 気を遣うようにというのが― 103 00:06:32,433 --> 00:06:34,060 トァック少佐の方針なんです 104 00:06:34,602 --> 00:06:37,063 サフィーダ中将(ちゅうじょう)じゃなくて? 105 00:06:37,188 --> 00:06:40,316 中将は仕事を 少佐に丸投げしてますから 106 00:06:41,359 --> 00:06:43,194 トップはお飾り 107 00:06:43,319 --> 00:06:45,780 トァック少佐は そのお目付け役か… 108 00:06:46,364 --> 00:06:49,033 (カンナ) あ でも 1つだけ例外が 109 00:06:49,158 --> 00:06:51,494 シナーク族がらみの問題だけは― 110 00:06:51,619 --> 00:06:54,205 サフィーダ中将から 直接 命令が来ます 111 00:06:54,664 --> 00:06:56,791 (イクタ) シナーク族? どうして? 112 00:06:57,333 --> 00:06:58,501 その… 113 00:06:58,626 --> 00:07:02,130 中将はシナーク族をいじめるのが 楽しいんじゃないかな 114 00:07:02,755 --> 00:07:06,300 ふだんの振る舞いを見ていると 私にはそう思えます 115 00:07:07,051 --> 00:07:10,430 (イクタ)やっぱり あれは そういうことか… 116 00:07:12,098 --> 00:07:13,182 (イクタ)中尉殿 117 00:07:14,517 --> 00:07:15,893 これって… 118 00:07:16,811 --> 00:07:19,355 あっちゃならない光景でしょ 119 00:07:19,647 --> 00:07:23,151 光を浴びなければ 精霊は動けなくなってしまうのに 120 00:07:24,235 --> 00:07:27,530 もし 精霊と契約者を 強引に引き離したのだとしたら― 121 00:07:28,364 --> 00:07:31,033 アルデラ教の教義にも 反することになる 122 00:07:31,701 --> 00:07:34,036 これは明らかに精霊虐待だ 123 00:07:34,912 --> 00:07:37,540 (サザルーフ) もう 見られちまったから言うがな 124 00:07:38,124 --> 00:07:41,502 これは他でもない サフィーダ中将の命令だ 125 00:07:41,627 --> 00:07:44,130 (イクタ) あ… この精霊たちは― 126 00:07:44,255 --> 00:07:46,966 シナーク族から 取り上げたものですね 127 00:07:47,091 --> 00:07:48,301 察しがいいな 128 00:07:48,926 --> 00:07:52,597 (イクタ)捕らえられているのは 風と火の精霊ばかり 129 00:07:52,722 --> 00:07:56,058 この2つを失えば 戦力としては がた落ちになる 130 00:07:56,642 --> 00:08:00,980 シナーク族の反骨精神を 押さえつける苦肉の策だ 131 00:08:01,105 --> 00:08:03,691 まあ やつらの 最近のおとなしさを見ても― 132 00:08:04,317 --> 00:08:07,653 この作戦は 効果を上げているみたいだぞ 133 00:08:08,321 --> 00:08:10,698 (イクタ) 僕なら こういうやり方は避ける 134 00:08:11,657 --> 00:08:16,287 何より このことで 向こうには大義が生まれてしまった 135 00:08:17,163 --> 00:08:20,583 非道に奪われたパートナーを 取り戻すという― 136 00:08:21,083 --> 00:08:23,461 シンプルで強力な大義が… 137 00:08:23,586 --> 00:08:26,589 (桶(おけ)が上げられる音) 138 00:08:30,009 --> 00:08:31,260 (カンナ)イッくん殿? 139 00:08:31,385 --> 00:08:33,429 ん? ああ 140 00:08:33,554 --> 00:08:36,390 あの 1つ聞いていいですか? 141 00:08:36,515 --> 00:08:37,933 どうぞ どうぞ 142 00:08:38,058 --> 00:08:41,895 ちなみに今夜なら ベッドの右半分が空いているけど 143 00:08:42,020 --> 00:08:43,898 そんなんじゃなくて! 144 00:08:44,690 --> 00:08:47,860 はあ… あの この前の本の話で 145 00:08:48,569 --> 00:08:50,696 ああ 「大アラファトラ風土記」 146 00:08:51,572 --> 00:08:53,407 確か 一番面白かったのが― 147 00:08:53,533 --> 00:08:56,244 アルデラ教についての考察って 言ってたよね? 148 00:08:56,369 --> 00:08:59,247 はい それ自体 興味深いけど― 149 00:08:59,372 --> 00:09:02,500 もうちょっと根本的なところに 疑問があって 150 00:09:02,833 --> 00:09:04,460 根本的なところ? 151 00:09:05,044 --> 00:09:08,464 だって 普通に考えて おかしいと思いませんか? 152 00:09:08,589 --> 00:09:10,258 シナーク族の間では― 153 00:09:10,383 --> 00:09:14,053 神… つまりアルデラミンの存在 っていう前提なしに― 154 00:09:14,178 --> 00:09:16,222 精霊について語られている 155 00:09:16,764 --> 00:09:19,475 でも 私たちの常識では― 156 00:09:19,600 --> 00:09:23,813 四大精霊は神によって 地上に遣わされたもので… 157 00:09:24,021 --> 00:09:25,356 ええと… 158 00:09:25,856 --> 00:09:27,358 精霊の存在は― 159 00:09:27,483 --> 00:09:30,361 まず アルデラミンありきで 語られている 160 00:09:30,736 --> 00:09:32,280 そ… そうです! 161 00:09:32,405 --> 00:09:36,242 だから 私たちの常識からすると 完全におかしいんです 162 00:09:37,201 --> 00:09:40,037 でも シナーク族の精霊信仰は― 163 00:09:40,162 --> 00:09:43,499 アルデラミンとは関係なしに 確実に存在している 164 00:09:44,250 --> 00:09:46,294 それで ふと思ったんです 165 00:09:46,419 --> 00:09:50,172 疑うべきは こちらの常識のほうじゃないかって 166 00:09:50,548 --> 00:09:52,800 だって ほら 精霊たちだって― 167 00:09:52,925 --> 00:09:55,720 “神を信じろ”なんて 言わないじゃないですか 168 00:09:57,388 --> 00:09:59,098 (トァック) 君は ここまででいい 169 00:09:59,223 --> 00:10:02,518 せっかく街まで出てるのだ コホッ 170 00:10:03,352 --> 00:10:05,479 では 外でお待ちしております 171 00:10:06,606 --> 00:10:10,443 君には“羽を伸ばせ”と 命令する必要がありそうだな 172 00:10:10,568 --> 00:10:13,738 (ヤトリ)もちろん それも命令として承っています 173 00:10:14,947 --> 00:10:19,076 私の身の回りに伸ばせる羽は これ以外ありませんので 174 00:10:20,369 --> 00:10:21,412 ふ… 175 00:10:21,996 --> 00:10:27,293 彼女の真面目さが重苦しくないのは あのユーモアのおかげだろうな 176 00:10:27,752 --> 00:10:31,422 彼女ならば たとえ時勢に恵まれずとも― 177 00:10:31,547 --> 00:10:33,758 必ずや よい軍人でいられるだろう 178 00:10:34,842 --> 00:10:37,094 (部下) 出迎えが遅いですね 今日は 179 00:10:37,219 --> 00:10:38,054 (トァック)うむ… 180 00:10:38,971 --> 00:10:43,059 取り込み中なのかもしれんが 待たされる立場でもない 181 00:10:45,603 --> 00:10:46,437 失敬 182 00:10:46,937 --> 00:10:49,190 司令長官の代理で… あっ! 183 00:10:50,900 --> 00:10:52,568 外へ出るぞ 184 00:10:55,029 --> 00:10:55,863 (どよめき) 185 00:10:58,157 --> 00:10:59,492 (カンナ) アルデラ教の根っこは― 186 00:10:59,950 --> 00:11:02,620 戒律を厳格に守るところにある 187 00:11:03,329 --> 00:11:05,748 対して シナーク族の精霊信仰には― 188 00:11:05,873 --> 00:11:08,793 そういった 命令的な部分がなくて… 189 00:11:08,918 --> 00:11:11,504 だから… その… 190 00:11:12,004 --> 00:11:16,092 カンナ 急がなくていいよ ゆっくり言葉を探して 191 00:11:16,342 --> 00:11:18,636 んん… ふう… 192 00:11:20,554 --> 00:11:24,433 そこにあるのは 四大精霊への素朴な感謝と― 193 00:11:24,558 --> 00:11:27,478 それを表す さまざまなお祭りだけ 194 00:11:27,770 --> 00:11:31,399 戒律とか決まり事なんかに 精霊信仰は関わらない 195 00:11:32,566 --> 00:11:34,068 本にあったとおり― 196 00:11:34,193 --> 00:11:37,613 アルデラ教と精霊信仰が 全く違うものだとすれば― 197 00:11:38,406 --> 00:11:39,532 この子たちには― 198 00:11:39,657 --> 00:11:43,411 アルデラミンの使いとしての 側面とは全く別のところに― 199 00:11:43,536 --> 00:11:46,497 本当の姿があるんじゃないかって… 200 00:11:46,914 --> 00:11:47,748 あっ! 201 00:11:47,957 --> 00:11:49,166 すごいよ カンナ! 202 00:11:49,291 --> 00:11:51,335 君は神の呪いを解いたんだ! 203 00:11:51,460 --> 00:11:52,628 それも ほとんど自力で! 204 00:11:53,295 --> 00:11:55,131 か… 神の呪い? 205 00:11:55,464 --> 00:11:58,843 神の都合に合った事実しか 採用しない その頑迷さが― 206 00:11:58,968 --> 00:12:00,928 真実をねじ曲げている 207 00:12:01,053 --> 00:12:03,180 その呪いを 振り払わないことには― 208 00:12:01,053 --> 00:12:03,180 (カンナ) あ… ちょっと 209 00:12:03,305 --> 00:12:07,143 絶対に正しい科学の道へ 進むことはできないっていうのに! 210 00:12:07,268 --> 00:12:08,477 (カンナ)イッくん殿? 211 00:12:08,602 --> 00:12:11,897 (イクタ)だって 至上の神が 本当にいるとすれば― 212 00:12:12,022 --> 00:12:15,025 それは第一声で“怠けよ”と 命じているはずだ 213 00:12:15,317 --> 00:12:18,654 それ以外を命じる神は 全て偽物だ! 214 00:12:18,779 --> 00:12:20,489 私 そこまでは言ってない… 215 00:12:20,823 --> 00:12:22,908 (イクタ)あはは… 216 00:12:23,451 --> 00:12:24,618 あ… 217 00:12:25,870 --> 00:12:30,332 はは… 変なやつだな イッくんは 218 00:12:31,000 --> 00:12:32,460 (銃声) 219 00:12:32,585 --> 00:12:33,252 うっ! 220 00:12:33,377 --> 00:12:34,837 あっ! 221 00:12:39,216 --> 00:12:40,050 少佐! 222 00:12:43,137 --> 00:12:44,096 あ… 223 00:12:50,102 --> 00:12:51,020 (賊1)え? 224 00:12:54,356 --> 00:12:55,024 (賊2)こいつ! 225 00:12:55,733 --> 00:12:56,650 (メライゼ)引け! 226 00:12:57,401 --> 00:12:59,403 (メライゼ) うてらの目的は果たした 227 00:13:05,993 --> 00:13:08,287 あとはお任せください トァック少佐 228 00:13:09,163 --> 00:13:11,665 これより敵の追撃に向かいます 229 00:13:22,468 --> 00:13:23,302 どうして… 230 00:13:24,261 --> 00:13:26,805 (イクタ)帝国軍人が5人と― 231 00:13:26,931 --> 00:13:30,684 シナーク族の男が1人と 住人かな 232 00:13:31,352 --> 00:13:32,645 (カンナ)気をつけてください 233 00:13:32,770 --> 00:13:35,856 まだ 敵が 中に残っている可能性もあります 234 00:13:36,357 --> 00:13:37,191 (イクタ)分かってる 235 00:13:38,859 --> 00:13:42,321 屋敷に住んでた人は ほぼ全滅か… 236 00:13:43,739 --> 00:13:45,950 (イクタ)あっ (カンナ)ん? 237 00:13:46,867 --> 00:13:48,202 (イクタ)何だ? これ 238 00:13:49,620 --> 00:13:53,958 イッくん殿 それって アルデラ教の巡礼服じゃ? 239 00:13:54,083 --> 00:13:57,211 みたいだ でも どうして? 240 00:13:57,336 --> 00:14:00,089 シナーク族が 着るようなものでもないのに… 241 00:14:03,259 --> 00:14:04,093 逃がさない 242 00:14:06,262 --> 00:14:09,181 総員 遠間武器 構え! 243 00:14:11,475 --> 00:14:12,309 あっ! 244 00:14:13,561 --> 00:14:15,104 (馬のいななき) 245 00:14:15,229 --> 00:14:17,356 攻撃中止! 全員 止まりなさい! 246 00:14:21,861 --> 00:14:23,988 兵を伏せてあったのね 247 00:14:25,698 --> 00:14:26,949 シナークの民! 248 00:14:27,074 --> 00:14:30,619 なぜ 私たちの同胞を 殺害する暴挙に及んだの? 249 00:14:31,245 --> 00:14:33,122 あなたたちの釈明を 聞かせなさい! 250 00:14:34,039 --> 00:14:35,374 (ナナク)くっ… 251 00:14:36,208 --> 00:14:38,294 仲間死ぬの つらいか? 252 00:14:38,419 --> 00:14:40,880 うぬらでも それ つらいか? 253 00:14:41,171 --> 00:14:42,381 あ… 254 00:14:43,507 --> 00:14:45,885 なして ハハシクを奪った? 255 00:14:46,677 --> 00:14:47,928 ハハシク? 256 00:14:48,053 --> 00:14:51,015 (ナナク) 今それ うぬらのそばにもいるな 257 00:14:51,891 --> 00:14:56,520 あてたちから それ奪ってくの 人でなしの業でなくて 何だ? 258 00:14:57,980 --> 00:14:59,356 精霊のこと? 259 00:14:59,481 --> 00:15:02,276 (ナナク)うぬたち いろんな都合 押しつけた 260 00:15:03,444 --> 00:15:05,571 平地の街で 物 売れなくした 261 00:15:05,696 --> 00:15:08,324 あてらが作ったモロコシも 買いたたかれて― 262 00:15:08,449 --> 00:15:11,035 野菜も果物も ちょっとしか買えね 263 00:15:11,160 --> 00:15:16,540 しかたなく 盗み 始めた仲間も うぬらが片端から殺した 264 00:15:16,707 --> 00:15:20,169 その上 大切なハハシクまでも… 265 00:15:20,628 --> 00:15:21,837 んだらこと― 266 00:15:21,962 --> 00:15:24,048 人でなし以外に誰がすっか! 267 00:15:26,467 --> 00:15:28,427 なら 要求を言いなさい! 268 00:15:28,802 --> 00:15:32,431 今後の軍に対して あなたたちが望むところは何? 269 00:15:33,057 --> 00:15:36,060 (ナナク)ふっ… 望むところなんかね 270 00:15:37,561 --> 00:15:40,814 あてたちは あるべき形に返るだけ 271 00:15:42,024 --> 00:15:46,028 うぬらを倒して ハハシクを取り戻し― 272 00:15:46,236 --> 00:15:49,073 シナーク本来の世界へ返るだけ 273 00:15:50,074 --> 00:15:53,661 今からやんのは そのための聖なる戦だ 274 00:15:55,329 --> 00:15:59,041 シナーク族長 ナナク・ダルが その名の下― 275 00:15:59,166 --> 00:16:02,086 ここに 聖戦の火ぶたを切って落とす! 276 00:16:03,003 --> 00:16:07,675 (部下)宣戦布告後 賊たちは 大アラファトラへと退却 277 00:16:07,800 --> 00:16:11,220 (サフィーダ) そうか トァックは死んだか 278 00:16:11,929 --> 00:16:14,848 (サフィーダ) その件は まだ中央には伝えるな 279 00:16:15,140 --> 00:16:16,600 (部下)ですが… 280 00:16:16,725 --> 00:16:19,353 (サフィーダ) 報告は まとめて行えばいい 281 00:16:19,478 --> 00:16:22,982 どのみち 多少の戦死者は 出るだろうからな 282 00:16:23,107 --> 00:16:23,941 (部下)は? 283 00:16:24,608 --> 00:16:30,447 その宣戦布告 部族を挙げての 反乱の宣言と受け取った 284 00:16:31,031 --> 00:16:35,452 どうやら大がかりな駆除の時期が 来たようだな 285 00:16:37,371 --> 00:16:38,956 (イクタ)聖戦… 286 00:16:39,623 --> 00:16:44,461 ヤトリ 確認するけど 相手は本当にそう言ったのかい? 287 00:16:44,586 --> 00:16:46,922 (ヤトリ) ええ 確かにそう言ったわ 288 00:16:47,047 --> 00:16:47,881 (イクタ)ふむ… 289 00:16:49,091 --> 00:16:51,510 (士官1) 正面対決でいいじゃねえか! 290 00:16:51,844 --> 00:16:54,054 (士官2)トァック少佐の敵(かたき)だ! 291 00:16:54,179 --> 00:16:56,140 (士官3) 山出しどもが 調子乗りやがって! 292 00:16:57,766 --> 00:17:00,185 何を酔っぱらっとるか 貴様ら! 293 00:17:00,644 --> 00:17:03,981 こんな戦いに 奮い立つ騎士などいるか! 294 00:17:04,106 --> 00:17:05,190 (士官2)何だよ? 295 00:17:05,315 --> 00:17:08,986 他の誰より 戦争に出たがってたくせに 296 00:17:10,029 --> 00:17:11,821 (デインクーン)至極当然 297 00:17:12,698 --> 00:17:15,576 相手が怨敵 キオカであればな 298 00:17:16,617 --> 00:17:19,413 だが 騎士の剣とは― 299 00:17:19,538 --> 00:17:22,583 断じて 殺りくするための凶器ではない! 300 00:17:22,915 --> 00:17:24,542 (士官たち)う… 301 00:17:25,419 --> 00:17:27,212 ちょっと意外でした 302 00:17:27,421 --> 00:17:31,592 ハルグンスカ准尉さんが ここで非戦派に回るなんて 303 00:17:31,925 --> 00:17:33,844 (ヤトリ) 意外と言うのは彼に失礼ね 304 00:17:34,386 --> 00:17:35,387 騎士であれば― 305 00:17:35,512 --> 00:17:38,557 同じ帝国民と戦うことに 抵抗を覚えるのは― 306 00:17:38,682 --> 00:17:40,517 むしろ自然な感覚 307 00:17:40,642 --> 00:17:42,436 僕も そう思う 308 00:17:42,561 --> 00:17:45,856 あの空気の中で主張できた デッくんは すごいと思うよ 309 00:17:46,940 --> 00:17:50,069 (イクタ)聖戦… 聖戦か 310 00:17:50,778 --> 00:17:53,155 まだ そこに引っかかってたの? 311 00:17:53,655 --> 00:17:55,532 (イクタ)存在しないんだ 312 00:17:56,158 --> 00:18:00,329 シナーク族の語彙に “聖戦”なんて単語は… 313 00:18:01,413 --> 00:18:02,331 どういうこと? 314 00:18:03,457 --> 00:18:07,753 (イクタ)シナークにとって 戦は純粋な生存競争だ 315 00:18:08,212 --> 00:18:10,380 否定も肯定もしないし― 316 00:18:10,506 --> 00:18:13,300 ましてや“聖なるもの” だなんて考えない 317 00:18:13,425 --> 00:18:16,220 彼らが聖なるものと呼ぶのは ハハシク 318 00:18:16,345 --> 00:18:19,223 (ヤトリ)あ… (イクタ)四大精霊だけだ 319 00:18:20,474 --> 00:18:22,726 なして ハハシクを奪った? 320 00:18:23,310 --> 00:18:26,939 だったら もし彼らが 戦争に踏み切った理由が― 321 00:18:27,064 --> 00:18:29,108 精霊と関係してるとしたら? 322 00:18:30,025 --> 00:18:34,404 “聖なるもの”を取り返すために 戦うという意味で“聖戦”と… 323 00:18:34,530 --> 00:18:36,448 (イクタ)いや そんな こざかしい理屈を― 324 00:18:36,573 --> 00:18:39,326 彼らがこねくり回すとは思えない 325 00:18:40,285 --> 00:18:42,371 恐らく 答えは1つ 326 00:18:43,622 --> 00:18:44,790 いるんだよ 327 00:18:44,915 --> 00:18:48,669 出来合いの詭弁(きべん)を シナークに吹き込んだやつが… 328 00:18:58,929 --> 00:19:02,683 (イクタ)君はもう 部隊に戻ったほうがよさそうだな 329 00:19:02,808 --> 00:19:04,101 (カンナ)はい 330 00:19:04,518 --> 00:19:05,394 (イクタ)次に会った時― 331 00:19:05,936 --> 00:19:10,274 シナーク族と精霊について 僕の考えを話すよ 332 00:19:11,358 --> 00:19:12,901 (ドアが開く音) (カンナ)ん? 333 00:19:13,402 --> 00:19:14,236 (タルカ)聞け! 334 00:19:14,361 --> 00:19:17,906 明朝6時をもって 本隊はシナーク族討伐に向かう! 335 00:19:18,657 --> 00:19:22,161 各自 そのつもりで 準備に怠りのないよう 336 00:19:22,661 --> 00:19:24,454 (シャミーユ)実に不本意だ 337 00:19:24,580 --> 00:19:27,499 (イクタ)“お姫様は やはり 前線にいるべきではない” 338 00:19:27,624 --> 00:19:32,671 というのが 上の意向ですから 我々としても残念至極… 339 00:19:33,589 --> 00:19:36,466 (シャミーユ)やっかい払いできて 喜んでいるのであろうが 340 00:19:36,592 --> 00:19:37,426 (イクタ)ふむ… 341 00:19:37,885 --> 00:19:40,596 国力の消耗してるこの時期に― 342 00:19:40,721 --> 00:19:43,932 同じ帝国民で争うなど 狂気の沙汰だ 343 00:19:52,399 --> 00:19:57,279 戻ってきた時は また皆 息災な姿を見せてくれ 344 00:19:58,030 --> 00:19:59,448 (一同)はい! 345 00:20:01,408 --> 00:20:03,827 (ハロ)正直 ホッとしました 346 00:20:03,952 --> 00:20:06,538 (マシュー)けど 何で 北域南端の基地なんて― 347 00:20:06,663 --> 00:20:08,165 中途半端な場所なんだ? 348 00:20:08,957 --> 00:20:13,754 彼女を中央に帰したくない 中将の意向が働いているのかも 349 00:20:13,879 --> 00:20:15,881 (イクタ)だろうな (一同)ん? 350 00:20:16,256 --> 00:20:19,635 討伐隊編成の 異常な早さから言っても― 351 00:20:19,760 --> 00:20:22,387 中央と やりとりしたとは思えない 352 00:20:22,721 --> 00:20:25,224 中将の完全なスタンドプレーだよ 353 00:20:25,349 --> 00:20:26,308 でもさ 354 00:20:26,975 --> 00:20:30,062 俺たちは今までどおり 予備待機のままなんだよな? 355 00:20:30,562 --> 00:20:33,899 (イクタ)我が友 マシュー 悲しいかな 356 00:20:34,024 --> 00:20:38,070 常識をわきまえる人間にしか 常識論は通じない 357 00:20:40,405 --> 00:20:43,242 今は中将が その一員であってくれることを― 358 00:20:43,367 --> 00:20:44,952 祈るばかりだ 359 00:20:47,621 --> 00:20:49,456 (部隊長) これより 我が部隊も― 360 00:20:49,581 --> 00:20:52,334 討伐隊として シナーク族の鎮圧に向かう! 361 00:20:53,210 --> 00:20:57,839 各自 万全の準備を整え 警戒を怠らぬように 362 00:20:59,424 --> 00:21:03,470 (カンナ)始まるんだ 戦いが… 363 00:21:08,475 --> 00:21:11,728 (トルウェイ)どうしたんだい? イッくん こんな所で 364 00:21:13,647 --> 00:21:15,440 あ! これは… 365 00:21:16,483 --> 00:21:19,111 (イクタ)今のうちに 使い慣れておいてくれ 366 00:21:19,444 --> 00:21:21,863 いざって時の切り札になる 367 00:21:24,074 --> 00:21:26,576 (砲撃音) (兵士たちの悲鳴) 368 00:21:28,412 --> 00:21:30,455 (上官)進め! ひるむな! 369 00:21:30,580 --> 00:21:31,790 (カンナ)無理だ 370 00:21:32,416 --> 00:21:34,501 (上官)こちらも風臼(ふうきゅう)砲を出せ! 371 00:21:34,626 --> 00:21:35,460 (カンナ)無理だって 372 00:21:36,920 --> 00:21:38,463 (上官)風臼砲は まだか? 373 00:21:38,839 --> 00:21:40,924 (兵士)うう… (カンナ)しっかりしろ! 374 00:21:41,049 --> 00:21:42,801 (砲撃音) 375 00:21:42,926 --> 00:21:44,219 (カンナ)イッくん殿 376 00:21:44,678 --> 00:21:48,890 ここには 科学のかけらも ありはしないよ 377 00:21:51,310 --> 00:21:54,855 (ナレーション)これまでの北域に 例を見ない大規模戦闘 378 00:21:54,980 --> 00:21:59,151 “カトヴァーナ北域動乱”は かくして始まった 379 00:21:59,735 --> 00:22:04,948 帝国の歴史の一端を 同胞の血のりで塗りたくりながら 380 00:22:07,617 --> 00:22:12,622 ♪~ 381 00:23:30,909 --> 00:23:35,914 ~♪ 382 00:23:37,207 --> 00:23:40,252 (ナレーション)次回 「いつか、 三度目に」