1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 < その国の王族は➨ 2 00:00:04,004 --> 00:00:06,807 代々 強力な魔法使いであった> 3 00:00:11,011 --> 00:00:15,616 < ある日 突然 王都に 1匹の竜が舞い降りた> 4 00:00:22,856 --> 00:00:25,692 構え! (兵士たち)クラーロ・デ・ラディウ・ルークス! 5 00:00:25,692 --> 00:00:27,694 ルーメイ! 6 00:00:31,865 --> 00:00:35,869 バ バカな… 傷一つ ついていない。 7 00:00:38,372 --> 00:00:43,043 (悲鳴) 8 00:00:43,043 --> 00:00:50,217 <誰もが 絶望と恐怖に包まれ もう終わりだと思っていた。 9 00:00:50,217 --> 00:00:52,886 しかし➨ 10 00:00:52,886 --> 00:00:57,391 竜は 人間たちに ひとつの警告を残すと…> 11 00:01:12,005 --> 00:01:20,347 <猛獣や魔獣が跋扈し 精霊が行き交う 深い森の奥。 12 00:01:20,347 --> 00:01:23,850 昔 この森の洞窟に➨ 13 00:01:23,850 --> 00:01:29,523 1匹の まだ若い 雌の火吹き竜が舞い降りた> 14 00:01:29,523 --> 00:02:08,328 ♬~ 15 00:02:08,328 --> 00:02:10,330 (うめき声) 16 00:02:24,845 --> 00:02:28,181 <彼女は 身ごもった母猫だった。 17 00:02:28,181 --> 00:02:31,852 それも 魔獣のいる森に住む➨ 18 00:02:31,852 --> 00:02:35,689 ケットシーという とても賢い猫である> 19 00:02:35,689 --> 00:02:39,693 (ママにゃん)いい洞窟ね。 暖かいし➨ 20 00:02:39,693 --> 00:02:42,529 近くにネズミも多いわ。 21 00:02:42,529 --> 00:02:44,631 何より 敵が少ないし。 22 00:02:47,534 --> 00:02:53,140 (子猫たちの鳴き声) 23 00:03:01,982 --> 00:03:05,085 (子猫たちの鳴き声) 24 00:03:07,154 --> 00:03:16,363 (竜の鳴き声) 25 00:03:18,331 --> 00:03:20,333 あらあら。 26 00:03:23,003 --> 00:03:25,005 《危険な臭いはしないわね》 27 00:03:25,005 --> 00:03:27,007 (竜の鳴き声) 28 00:03:27,007 --> 00:03:30,677 みんな 兄弟が もう1人いたわ。 29 00:03:30,677 --> 00:03:32,679 (子猫の鳴き声) 30 00:03:32,679 --> 00:03:38,852 《以前も 他の母猫が産んだ 子猫を育てたり… フフッ。 31 00:03:38,852 --> 00:03:42,689 魔獣の子どもを 育てたこともあったわね。 32 00:03:42,689 --> 00:03:47,094 この子は どんな子に 育つのかしら…》 33 00:03:53,366 --> 00:03:58,538 よく見て あなたたちも覚えるのよ。 34 00:03:58,538 --> 00:04:00,807 シャー! 35 00:04:00,807 --> 00:04:02,809 (子猫たちの鳴き声) 36 00:04:02,809 --> 00:04:04,811 にゃいっ! 37 00:04:04,811 --> 00:04:06,980 フフフ…。 (子猫たち)にゃあ…。 38 00:04:06,980 --> 00:04:10,984 <ケットシーの種族である猫たちは 賢いだけでなく➨ 39 00:04:10,984 --> 00:04:14,087 皆 多彩な魔法を使える> 40 00:04:20,994 --> 00:04:23,330 あっ…。 41 00:04:23,330 --> 00:04:27,834 (子猫たち)あっ! わぁ… ガハッ! 42 00:04:27,834 --> 00:04:29,836 にゃっ! あらら~。 43 00:04:29,836 --> 00:04:32,672 (せきこむ声) 44 00:04:32,672 --> 00:04:36,343 エヘヘ…。 (子猫たち)にゃっ…。 45 00:04:36,343 --> 00:04:40,514 あなたは みんなと違う魔法が 使えるようね。 (物音) 46 00:04:40,514 --> 00:04:43,183 みんな 静かに! 47 00:04:43,183 --> 00:04:47,687 お母ちゃん あれ 何? 初めて見るよ? 48 00:04:47,687 --> 00:04:50,357 人間よ。 (子猫たち)人間? 49 00:04:50,357 --> 00:04:52,859 この森はね 人間に➨ 50 00:04:52,859 --> 00:04:55,362 「しょしんしゃのもり」と 呼ばれていて➨ 51 00:04:55,362 --> 00:04:58,365 彼らも ネズミなどを狩りにくるの。 52 00:04:58,365 --> 00:05:01,468 人間は とても個性の強い生き物。 53 00:05:01,468 --> 00:05:04,137 優しい個体もいる。 54 00:05:04,137 --> 00:05:06,807 けど 残酷な個体もいるし➨ 55 00:05:06,807 --> 00:05:09,976 クマよりも恐ろしい力を持つ 個体もいるわ。 56 00:05:09,976 --> 00:05:12,479 (子猫たち)クマよりも!? 57 00:05:12,479 --> 00:05:16,817 そして 人間たちにとって 私たち ケットシーは➨ 58 00:05:16,817 --> 00:05:18,818 とてもすてきな獲物なの。 59 00:05:20,820 --> 00:05:22,822 よく匂いを覚えなきゃ。 60 00:05:22,822 --> 00:05:25,659 ええ 森で出くわさないようにね。 61 00:05:25,659 --> 00:05:28,328 (子猫たち)クンクン…。 62 00:05:28,328 --> 00:05:30,330 《これなら大丈夫。 63 00:05:30,330 --> 00:05:34,834 この子たちも もうすぐ 巣立つことができる》 64 00:05:34,834 --> 00:05:37,537 < それから 少し後の ある日> 65 00:05:40,173 --> 00:05:42,842 お母ちゃん!? 66 00:05:42,842 --> 00:05:45,345 あぁ…。 どうしたの? 体が! 67 00:05:45,345 --> 00:05:48,014 体が消えてるわ! 68 00:05:48,014 --> 00:05:50,016 (子猫たち)お母ちゃん! 69 00:05:52,519 --> 00:05:57,190 これは おそらく 人間が使う 召喚魔法というものだわ。 70 00:05:57,190 --> 00:06:00,627 そんな! お母ちゃん 行っちゃ駄目! 71 00:06:00,627 --> 00:06:03,630 お母ちゃん! お母ちゃん…。 72 00:06:03,630 --> 00:06:07,634 お前たちは もう立派な狩人よ。 73 00:06:07,634 --> 00:06:10,804 一匹一匹でも生きていける。 74 00:06:10,804 --> 00:06:13,306 だけど この森は とても危険だから➨ 75 00:06:13,306 --> 00:06:16,476 必要なときは みんなで力を合わせて➨ 76 00:06:16,476 --> 00:06:19,145 協力し合って生きていって。 77 00:06:19,145 --> 00:06:21,314 森の中で生活していれば➨ 78 00:06:21,314 --> 00:06:24,150 お前たちの兄弟に 出会うかもしれない。 79 00:06:24,150 --> 00:06:28,989 私の匂いに気づけば きっとよくしてくれるはずよ。 80 00:06:28,989 --> 00:06:33,660 いつまでも元気で。 私のいとしい子どもたち。 81 00:06:33,660 --> 00:06:37,063 あなたたちを誇りに思ってるわ。 82 00:06:39,100 --> 00:06:42,102 (子猫たち)お母ちゃ~ん! 83 00:06:50,010 --> 00:06:52,345 <月日は流れ➨ 84 00:06:52,345 --> 00:06:55,515 兄と姉たちは巣立っていった。 85 00:06:55,515 --> 00:06:59,953 竜は 母たち家族と暮らした 洞窟にとどまり➨ 86 00:06:59,953 --> 00:07:02,455 1匹で狩りをして過ごした> 87 00:07:05,458 --> 00:07:07,761 ハッ! 88 00:07:23,977 --> 00:07:25,979 お姉ちゃん? 89 00:07:25,979 --> 00:07:27,981 あ…。 ただいま。 90 00:07:27,981 --> 00:07:30,483 これが一番末の弟よ。 91 00:07:35,488 --> 00:07:37,824 確かに君の兄弟だ! 92 00:07:37,824 --> 00:07:39,993 でしょ? 93 00:07:39,993 --> 00:07:47,801 (鳴き声) 94 00:07:52,005 --> 00:07:55,008 うわぁ。 ほら もっと頭を伏せて。 95 00:07:55,008 --> 00:07:57,010 うわぁ…。 96 00:07:57,010 --> 00:07:59,679 ひげが通れるところじゃないと 肩は通れない。 97 00:07:59,679 --> 00:08:04,451 獲物を見つけて うれしくても しっぽを立てては駄目だ。 98 00:08:04,451 --> 00:08:06,453 見つかってしまう。 99 00:08:06,453 --> 00:08:08,788 あれが人間だ。 100 00:08:08,788 --> 00:08:12,592 決して近づいてはいけない。 (子猫たち)うん。 101 00:08:15,962 --> 00:08:19,132 バイバイ おじちゃ~ん! さようなら~。 102 00:08:19,132 --> 00:08:21,134 元気でね~。 103 00:08:29,976 --> 00:08:31,978 あ…。 104 00:08:31,978 --> 00:08:35,815 《これは… お兄ちゃんたちと同じ匂い》 105 00:08:35,815 --> 00:08:40,653 こんにちは はじめまして。 こんにちは。 106 00:08:40,653 --> 00:08:44,991 あの… ここの洞窟で 子どもを産みたくて…。 107 00:08:44,991 --> 00:08:46,993 子どもを? 108 00:08:46,993 --> 00:08:48,995 お父ちゃんに言われたんです。 109 00:08:48,995 --> 00:08:52,832 子どもを産む場所に困ったら この洞窟に行けって。 110 00:08:52,832 --> 00:08:56,503 そこにいる 大きな翼を持った猫は➨ 111 00:08:56,503 --> 00:09:01,307 お父ちゃんの兄弟だから 彼を頼りなさいって。 112 00:09:17,957 --> 00:09:21,461 <季節が巡り 大人へと成長した竜は➨ 113 00:09:21,461 --> 00:09:25,632 自然の中を遊ぶ精霊たちと 会話できるほどに➨ 114 00:09:25,632 --> 00:09:28,301 魔法の力も強くなった> 115 00:09:28,301 --> 00:09:30,303 えっ。 116 00:09:30,303 --> 00:09:33,139 私は猫じゃない!? 117 00:09:33,139 --> 00:09:37,310 というわけで 私は猫ではない。 118 00:09:37,310 --> 00:09:41,981 皆とは別の… 魔獣なのだ。 119 00:09:41,981 --> 00:09:43,983 そうなんだぁ。 120 00:09:43,983 --> 00:09:46,486 えっ? ふ~ん。 121 00:09:46,486 --> 00:09:49,989 それより おじちゃん! 魔法練習の続きしよ! 122 00:09:57,997 --> 00:09:59,999 ん? 123 00:10:06,172 --> 00:10:10,577 (咆哮) 124 00:10:16,182 --> 00:10:20,353 なぜだ? 人間は この猫たちをみんな食うのか? 125 00:10:20,353 --> 00:10:24,524 食べるためではない。 126 00:10:24,524 --> 00:10:28,528 彼らはケットシーの毛皮が欲しくて 殺すのよ。 127 00:10:28,528 --> 00:10:31,698 《食べるのであれば しかたない。 128 00:10:31,698 --> 00:10:35,869 私たちも生きるために 他の命を奪う。 129 00:10:35,869 --> 00:10:38,037 だが!》 130 00:10:38,037 --> 00:10:41,040 自分は 猫たちを守る竜である! 131 00:10:41,040 --> 00:10:44,544 森で猫を殺して回っていた 冒険者は➨ 132 00:10:44,544 --> 00:10:47,046 私が焼き払った! 133 00:10:47,046 --> 00:10:49,716 今後も 猫を殺すのであれば➨ 134 00:10:49,716 --> 00:10:52,385 街もろとも すべての人間が➨ 135 00:10:52,385 --> 00:10:55,221 冒険者と同じようになるであろう。 136 00:10:55,221 --> 00:10:58,391 構え! (兵士たち)クラーロ・デ・ラディウ・ルークス! 137 00:10:58,391 --> 00:11:01,094 ルーメイ! 138 00:11:04,831 --> 00:11:07,167 (咆哮) 139 00:11:07,167 --> 00:11:11,871 (悲鳴) 140 00:11:17,510 --> 00:11:19,846 《人間は残酷。 141 00:11:19,846 --> 00:11:23,349 焼き払うべき… なのか?》 142 00:11:25,351 --> 00:11:27,353 シャー! 143 00:11:29,522 --> 00:11:32,125 《この匂いは…》 144 00:11:35,028 --> 00:11:38,031 ⸨人間にも優しい個体は いる⸩ 145 00:11:38,031 --> 00:11:40,833 シャー! 146 00:11:45,371 --> 00:11:48,041 今一度 言う。 147 00:11:48,041 --> 00:11:51,211 森の猫をみだりに殺すことは 許さない。 148 00:11:51,211 --> 00:11:55,715 食らい 己の命をつなぐ以外の目的で➨ 149 00:11:55,715 --> 00:11:57,884 殺すことも許さない! 150 00:11:57,884 --> 00:12:00,820 私は 猫たちを守る竜である。 151 00:12:00,820 --> 00:12:07,493 猫たちを殺そうとするときは この竜の恐ろしさを思い出せ! 152 00:12:07,493 --> 00:12:14,100 < そして 竜は 森へと帰っていった> 153 00:12:18,004 --> 00:12:20,673 < それより月日が流れた> 154 00:12:20,673 --> 00:12:24,010 おやすみなさいませ 王子様。 155 00:12:24,010 --> 00:12:26,012 おやすみ ばあや。 156 00:12:48,034 --> 00:12:50,536 ヴァルズ・イグニット! 157 00:12:53,206 --> 00:12:57,710 あぁ… ヴァルズ・イグニット! 158 00:12:57,710 --> 00:13:00,980 ヴァルズ・イグニット! 159 00:13:00,980 --> 00:13:03,650 ヴァルズ! ヴァールズ! 160 00:13:03,650 --> 00:13:08,554 あ… 駄目だぁ 何度やっても。 161 00:13:12,492 --> 00:13:17,330 第一王子様の魔力の弱さは やはり生まれつきのものらしい。 162 00:13:17,330 --> 00:13:22,835 王位を継ぐには 相当の努力が必要ということだ。 163 00:13:22,835 --> 00:13:27,507 陛下も さぞ 心配されていることだろう。 164 00:13:27,507 --> 00:13:30,009 エッヘヘ…。 にゃ~。 165 00:13:33,680 --> 00:13:35,682 諦めちゃ駄目だ! 166 00:13:35,682 --> 00:13:38,584 ヴァルズ・イグニット! 167 00:13:42,188 --> 00:13:44,357 わぁ…。 にゃ~! 168 00:13:44,357 --> 00:13:46,859 ハハハ…。 にゃ~! 169 00:13:46,859 --> 00:13:50,363 にゃ~。 お… 応援してくれるの? 170 00:13:50,363 --> 00:13:52,532 にゃっ! 171 00:13:52,532 --> 00:13:56,703 どこから来たの? お城には猫はいないし…。 172 00:13:56,703 --> 00:14:01,641 みゃ~。 もしかして 君 森の猫かい? 173 00:14:01,641 --> 00:14:04,811 ⸨森の猫が迷い込んだときは➨ 174 00:14:04,811 --> 00:14:08,481 丁寧に 森に帰さなければなりません。 175 00:14:08,481 --> 00:14:11,317 もしも 傷つけたり 殺してしまうと➨ 176 00:14:11,317 --> 00:14:13,986 再び皇竜がやってきて➨ 177 00:14:13,986 --> 00:14:18,658 今度こそ 皆 焼き尽くされてしまうでしょう⸩ 178 00:14:18,658 --> 00:14:23,162 うっ… 迷い込んだの? にゃ~。 179 00:14:23,162 --> 00:14:27,166 森に ひとりで帰れる? みゃっ! 180 00:14:27,166 --> 00:14:30,370 あ…。 181 00:14:36,342 --> 00:14:41,147 《いない 森に帰ったのかな?》 182 00:14:46,018 --> 00:14:48,020 あっ! 183 00:14:48,020 --> 00:14:50,022 アハハ…。 184 00:14:50,022 --> 00:14:53,359 こんばんは また来たんだね。 にゃ~。 185 00:14:53,359 --> 00:14:56,062 ヴァルズ・イグニット! 186 00:15:00,967 --> 00:15:03,636 ヴァルズ・イグニット! ヴァルズ・イグニット! 187 00:15:03,636 --> 00:15:07,039 ヴァルズ・イグニット~! ヴァルズ・イグニット! 188 00:15:10,977 --> 00:15:12,979 やった! 189 00:15:12,979 --> 00:15:14,981 みゃ~。 ヘヘヘ…。 190 00:15:14,981 --> 00:15:16,983 ありがとう。 191 00:15:16,983 --> 00:15:18,985 < それから毎夜➨ 192 00:15:18,985 --> 00:15:22,321 魔法の練習を続ける 王子のそばに 猫は現れ➨ 193 00:15:22,321 --> 00:15:24,490 見守り続けた。 194 00:15:24,490 --> 00:15:30,663 共に時間を過ごすなかで やがて王子と猫は心を許し合い➨ 195 00:15:30,663 --> 00:15:33,566 互いに 言葉を交わすようになった> 196 00:15:35,668 --> 00:15:37,670 一緒に食べよう。 197 00:15:37,670 --> 00:15:39,839 ありがとう。 198 00:15:39,839 --> 00:15:42,842 僕も 厨房から持ってきたんだ。 199 00:15:45,845 --> 00:15:50,016 あっ 最後の一つ どうぞ。 200 00:15:50,016 --> 00:15:52,018 半分。 201 00:15:54,520 --> 00:15:58,858 森の猫さんは 上手に魔法が使えるんだね。 202 00:15:58,858 --> 00:16:00,793 僕も もっと練習して➨ 203 00:16:00,793 --> 00:16:03,796 猫さんみたいに 魔法が使えるようにならなきゃ! 204 00:16:05,798 --> 00:16:09,302 森に住む猫 ケットシーか…。 205 00:16:13,306 --> 00:16:16,476 陛下 いかがいたしましょう? 206 00:16:16,476 --> 00:16:19,479 友人なのだな? そうです。 207 00:16:19,479 --> 00:16:23,149 お前が無理に引き留めたわけでは ないのだな? 208 00:16:23,149 --> 00:16:25,151 はい。 209 00:16:25,151 --> 00:16:29,322 かつて 我が国を 滅ぼすほどの力を持ちながら➨ 210 00:16:29,322 --> 00:16:32,325 慈悲を示した皇竜だ。 211 00:16:32,325 --> 00:16:34,494 事情を説明する間もなく➨ 212 00:16:34,494 --> 00:16:37,997 国を焼き尽くすようなことは しないだろう。 213 00:16:37,997 --> 00:16:40,500 しかし…。 (警鐘) 214 00:16:40,500 --> 00:16:43,336 (どよめき) 215 00:16:43,336 --> 00:16:47,006 竜だ! 伝説の皇竜だ! 216 00:16:47,006 --> 00:16:50,676 あぁ…。 217 00:16:50,676 --> 00:16:52,879 下がれ! 218 00:17:00,953 --> 00:17:02,955 にゃ~! 219 00:17:05,791 --> 00:17:10,463 にゃっ にゃっ にゃ~。 にゃあ にゃにゃんみゃあ。 220 00:17:10,463 --> 00:17:15,301 おい 誰か ケットシーの猫語が わかるやつはいないか? 221 00:17:15,301 --> 00:17:17,970 はっ 少しならば。 222 00:17:17,970 --> 00:17:21,641 にゃあ…。 にゃあ にゃにゃ。 223 00:17:21,641 --> 00:17:25,478 おいら 人間の子どもに 魔法を教えてやりたいんだ。 224 00:17:25,478 --> 00:17:29,482 森を出て 人の街で 何をしているかと思えば。 225 00:17:29,482 --> 00:17:32,818 子どもというのは この国の王子だろう? 226 00:17:32,818 --> 00:17:34,820 そうだよ。 227 00:17:34,820 --> 00:17:37,156 いっつも一生懸命 練習してるけど➨ 228 00:17:37,156 --> 00:17:39,492 てんで駄目なんだ。 229 00:17:39,492 --> 00:17:42,328 人間の魔法は おじちゃんの魔法と違って➨ 230 00:17:42,328 --> 00:17:44,330 むらっ気が多すぎるんだ。 231 00:17:44,330 --> 00:17:48,668 ならん! 人間は危険な動物だと 教えたはずだ。 232 00:17:48,668 --> 00:17:53,005 あの子は大丈夫だよ 友達なんだ。 233 00:17:53,005 --> 00:17:55,174 ハァ ハァ… あっ…。 234 00:17:55,174 --> 00:17:57,677 殿下! 王子 危のうございます! 235 00:17:57,677 --> 00:18:02,181 猫さん…。 この子だよ。 236 00:18:09,789 --> 00:18:12,959 おじちゃん 友達は 大切にしないといけないって➨ 237 00:18:12,959 --> 00:18:15,628 言ってたじゃないか。 なっ!? 238 00:18:15,628 --> 00:18:19,799 おいらが魔法を教えて この子が立派な王様になれば➨ 239 00:18:19,799 --> 00:18:21,801 猫に感謝して➨ 240 00:18:21,801 --> 00:18:25,137 大事にしてくれるかも しれないじゃないか。 241 00:18:25,137 --> 00:18:28,140 うっ ううむ…。 242 00:18:28,140 --> 00:18:32,144 よし 私が 人間の王とやらに 聞いてみよう。 243 00:18:32,144 --> 00:18:34,146 その者が許すと言えば よし! 244 00:18:34,146 --> 00:18:36,482 駄目と言うなら 諦めろ。 245 00:18:36,482 --> 00:18:40,987 やった! やっぱり 羽のおじちゃんは 話がわかるや。 246 00:18:40,987 --> 00:18:44,657 アムトアニマハトゥール➨ 247 00:18:44,657 --> 00:18:48,060 アマヌフィールスガスヴィスカ! 248 00:18:53,332 --> 00:18:55,668 王に お会いしたい。 249 00:18:55,668 --> 00:18:59,839 少し前に 兵士を焼き殺した竜と言えば➨ 250 00:18:59,839 --> 00:19:01,774 わかるであろう。 251 00:19:01,774 --> 00:19:06,278 に… 人間の言葉!? わ… わかった。 252 00:19:21,961 --> 00:19:25,798 人間の王よ お初にお目にかかる。 253 00:19:25,798 --> 00:19:29,468 私は 森に住む猫たちを守る竜だ。 254 00:19:29,468 --> 00:19:32,805 皇竜殿よ お初にお目にかかる。 255 00:19:32,805 --> 00:19:35,474 私は この国の王だ。 256 00:19:35,474 --> 00:19:39,145 私の息子が あなたが守る猫の1匹に➨ 257 00:19:39,145 --> 00:19:41,147 世話になっているようだ。 258 00:19:41,147 --> 00:19:43,482 あの子は 私が狩りを教え➨ 259 00:19:43,482 --> 00:19:46,318 魔法を教えた子どもの1匹だ。 260 00:19:46,318 --> 00:19:50,156 どういうわけか 王子と友達になったらしい。 261 00:19:50,156 --> 00:19:53,492 その友に 魔法を教えてやりたいという。 262 00:19:53,492 --> 00:19:58,330 王が許すのであれば 私は許すつもりだ。 263 00:19:58,330 --> 00:20:00,499 ですが 皇竜殿➨ 264 00:20:00,499 --> 00:20:04,837 あなたの教えた猫たちの魔法は 魔術の奥義ともいえるものだ。 265 00:20:04,837 --> 00:20:09,842 息子に教えるということは 国に教えるということ。 266 00:20:09,842 --> 00:20:11,844 一向にかまわぬ。 267 00:20:11,844 --> 00:20:16,348 私とて 精霊たちから 扱いを習っただけのこと。 268 00:20:16,348 --> 00:20:19,518 精霊と 話すことができる者であれば➨ 269 00:20:19,518 --> 00:20:23,189 あの程度の魔法など 誰にでも使えるのだ。 270 00:20:23,189 --> 00:20:25,191 あ…。 271 00:20:25,191 --> 00:20:29,695 《精霊より知識を与えられた 魔法は まさに奥義。 272 00:20:29,695 --> 00:20:34,033 国と国との力関係を ひっくり返すほどの大事。 273 00:20:34,033 --> 00:20:36,035 それなのに…》 274 00:20:36,035 --> 00:20:38,037 皇竜殿…。 275 00:20:38,037 --> 00:20:41,373 その 皇竜というのは 何なのだろうか? 276 00:20:41,373 --> 00:20:43,375 私は火吹き竜であり➨ 277 00:20:43,375 --> 00:20:46,378 「こうりゅう」という者では ないのだが。 278 00:20:46,378 --> 00:20:50,549 皇竜というのは 竜の皇帝という意味だ。 279 00:20:50,549 --> 00:20:53,052 強く 位の高い竜を➨ 280 00:20:53,052 --> 00:20:57,389 人間の間では 敬意を込めて そう呼ぶのだ。 281 00:20:57,389 --> 00:20:59,558 それはいささか大仰すぎる。 282 00:20:59,558 --> 00:21:02,661 そういう言葉で 私を表すとするならば…。 283 00:21:02,661 --> 00:21:05,998 猫竜というのが 適当ではないだろうか。 284 00:21:05,998 --> 00:21:11,670 なにせ私は 生まれてから ずっと 猫として育ってきたのだから。 285 00:21:11,670 --> 00:21:14,673 にゃあ…。 ハハ…。 286 00:21:14,673 --> 00:21:18,677 では 親愛を込めて 猫竜殿。 287 00:21:18,677 --> 00:21:23,182 < こうして 王子は 猫から魔法を学び➨ 288 00:21:23,182 --> 00:21:27,520 王となって それを国民へ教え伝えた。 289 00:21:27,520 --> 00:21:30,022 王に子が産まれるたびに➨ 290 00:21:30,022 --> 00:21:33,025 森から 猫たちが 遊びにやってくるようになり➨ 291 00:21:33,025 --> 00:21:38,197 猫たちは 王子や姫と 仲よくなると 魔法を教え➨ 292 00:21:38,197 --> 00:21:41,367 共に遊び そばに寄り添う。 293 00:21:41,367 --> 00:21:43,536 その国の人間に➨ 294 00:21:43,536 --> 00:21:47,540 猫が傷つけられることは なくなった。 295 00:21:47,540 --> 00:21:50,376 人間は 森の猫を守り➨ 296 00:21:50,376 --> 00:21:54,547 猫たちは 人々に魔法を教えている。 297 00:21:54,547 --> 00:21:58,050 そして 森に住む竜は➨ 298 00:21:58,050 --> 00:22:04,056 今日も 子猫たちに 狩りと魔法を教えている>