1 00:00:06,006 --> 00:00:09,009 《クロバネ:久しぶりに ナワバリの外で➨ 2 00:00:09,009 --> 00:00:12,012 食べ歩きしながら 来たら遅すぎたか? 3 00:00:12,012 --> 00:00:15,182 出迎えも誰もいない…》 4 00:00:15,182 --> 00:00:19,353 ⸨猫竜:実はな お前に 王城に行ってほしいのだ。 5 00:00:19,353 --> 00:00:21,521 (クロバネ)王城? 6 00:00:21,521 --> 00:00:24,191 (猫竜)何かというかだな なんというか➨ 7 00:00:24,191 --> 00:00:27,361 人の王に子供が 生まれたそうなのだ。 8 00:00:27,361 --> 00:00:31,365 ああ 次の王になるオスですね。 9 00:00:31,365 --> 00:00:35,202 以前から 街の猫達にも 王に子が生まれたら➨ 10 00:00:35,202 --> 00:00:37,371 ぜひと頼まれてました。 11 00:00:37,371 --> 00:00:40,707 少し顔を 見てくるだけで構わんのだ。 12 00:00:40,707 --> 00:00:42,709 すまないな。 13 00:00:42,709 --> 00:00:45,712 わかりました。 すぐにでも行くとしましょう。 14 00:00:48,382 --> 00:00:50,550 本当に少しだけでいいからな。 15 00:00:50,550 --> 00:00:54,554 それで 街の者達の面目も保てる。 16 00:00:54,554 --> 00:00:58,058 本当に少しで…。 17 00:00:58,058 --> 00:01:00,160 (クロバネ)おじちゃん わかりましたから⸩ 18 00:01:02,329 --> 00:01:05,832 《やれやれ 人間とつきあうのは よく思ってないくせに➨ 19 00:01:05,832 --> 00:01:07,834 頼まれると断れない。 20 00:01:07,834 --> 00:01:10,671 おじちゃんは 身内に甘いんだから…》 21 00:01:10,671 --> 00:01:12,673 ん…? 22 00:01:12,673 --> 00:01:14,675 《うむ 待てよ。 23 00:01:14,675 --> 00:01:18,178 街猫達は みな 人間に合わせて この時間は眠っているのか。 24 00:01:18,178 --> 00:01:20,681 しまったなあ》 25 00:01:20,681 --> 00:01:25,585 (クロバネ)王城は… たぶん 一番目立つ建物だな。 26 00:01:32,526 --> 00:01:35,028 《立派な壁だ。 27 00:01:35,028 --> 00:01:38,031 これだけのものを作る 人間達は勤勉だな》 28 00:01:43,537 --> 00:01:47,708 《ハァ… 王の友人の 名前は何だったかな。 29 00:01:47,708 --> 00:01:51,712 彼女に聞けば 王の子供の 居場所がわかるだろう。 30 00:01:51,712 --> 00:01:54,881 そうと決まれば寝床探しだ。 31 00:01:54,881 --> 00:01:58,185 見晴らしの 良さそうな所があるぞ》 32 00:02:00,487 --> 00:02:02,823 ん…。 33 00:02:02,823 --> 00:02:08,829 《やわらかい》 う… う…! 34 00:02:08,829 --> 00:02:11,832 うう…。 35 00:02:11,832 --> 00:02:14,501 あ~! 36 00:02:14,501 --> 00:02:18,005 う~ ああ…! 37 00:03:59,039 --> 00:04:01,975 あう~ ああ…! 38 00:04:01,975 --> 00:04:06,980 (クロバネ)顔は人… でも この小さな手 人間の子供だ。 39 00:04:06,980 --> 00:04:09,082 あう…。 40 00:04:11,985 --> 00:04:15,322 あ… あ…! 41 00:04:15,322 --> 00:04:19,326 あ~ あ~! 42 00:04:19,326 --> 00:04:21,528 あ…。 43 00:04:23,997 --> 00:04:25,999 あっ…! 44 00:04:25,999 --> 00:04:29,336 きゃっ きゃっ…! ふふ… 子猫と同じだな。 45 00:04:29,336 --> 00:04:31,338 (ドアの開く音) 46 00:04:35,175 --> 00:04:40,847 ああ あなたは 皇竜様が守る森の 猫様でいらっしゃいますか? 47 00:04:40,847 --> 00:04:43,850 森に暮らす猫の一匹だ。 48 00:04:43,850 --> 00:04:46,353 あちこち散策していたら この子に会った。 49 00:04:46,353 --> 00:04:49,689 あやしていたら いつの間にか こうなってしまったよ。 50 00:04:49,689 --> 00:04:53,026 夜泣きがなかったのは そういうことでしたか。 51 00:04:53,026 --> 00:04:57,364 どうやら 王子は あなたの事が お気に召したようです。 52 00:04:57,364 --> 00:04:59,866 王子? 53 00:04:59,866 --> 00:05:01,801 う~。 54 00:05:01,801 --> 00:05:06,807 あ~ まいったな… 先に 親に 挨拶をするものだと思うのだが。 55 00:05:06,807 --> 00:05:10,143 順番が前後すると 伝えてもらえるか? 56 00:05:10,143 --> 00:05:13,813 フフ… かしこまりました。 57 00:05:13,813 --> 00:05:18,318 あの大クマを一匹で倒して退けた 英雄がいると聞いたが! 58 00:05:18,318 --> 00:05:20,654 君が そうなのか! 59 00:05:20,654 --> 00:05:23,990 いや~ 確かに見事な面構えだ! はっはっはっ…! 60 00:05:23,990 --> 00:05:27,827 《人間の王 クマのごとき体格だな。 61 00:05:27,827 --> 00:05:29,996 声もでかい…》 62 00:05:29,996 --> 00:05:33,834 それで 黒猫殿! 我が息子はいかがか? 63 00:05:33,834 --> 00:05:36,336 お眼鏡に適いそうかな? 64 00:05:36,336 --> 00:05:39,673 いかがと言われても 幼い王子の人となりなど➨ 65 00:05:39,673 --> 00:05:43,510 まだ まったくわからず 答えようがないのだが。 66 00:05:43,510 --> 00:05:48,181 (モナルカ)ふふっ…。 私と りー坊との出会いとは逆ね。 67 00:05:48,181 --> 00:05:50,350 おもしろい! コレが寝ているときに➨ 68 00:05:50,350 --> 00:05:52,853 ちょっかいを かけたのが きっかけでな。 69 00:05:52,853 --> 00:05:56,656 私が5歳の頃だったか はははは! 70 00:05:58,858 --> 00:06:02,128 黒猫殿 じっくりと 見定めていってくれ! 71 00:06:02,128 --> 00:06:06,466 必ず気に入る筈だ等と 親馬鹿な事を言うつもりはない! 72 00:06:06,466 --> 00:06:09,269 君は 英雄なのだからな! 73 00:06:11,304 --> 00:06:13,306 うっふふ…。 74 00:06:13,306 --> 00:06:15,308 フゥ…。 75 00:06:18,478 --> 00:06:21,314 う~ う~。 76 00:06:21,314 --> 00:06:23,650 《移動もできない赤ん坊だ。 77 00:06:23,650 --> 00:06:26,653 どんな人間か見定めようがない》 78 00:06:26,653 --> 00:06:29,489 あっ う~ う~! 79 00:06:29,489 --> 00:06:32,993 あっ あっ…! 80 00:06:32,993 --> 00:06:36,162 《見定めるには時間がかかる…》 81 00:06:36,162 --> 00:06:50,010 ♬~ 82 00:06:50,010 --> 00:06:54,848 王子様 あぶないです! できた! 83 00:06:54,848 --> 00:06:58,551 クロバネは? また練兵場? はい。 84 00:07:01,788 --> 00:07:06,960 魔王軍と戦う国に支援物資を 届けに行かせているのだ。 85 00:07:06,960 --> 00:07:11,131 なるほど どうりで 先月手合わせした者が➨ 86 00:07:11,131 --> 00:07:13,133 見当たらぬわけだ。 87 00:07:13,133 --> 00:07:15,802 魔王軍 戦ってみたかったけどな。 88 00:07:15,802 --> 00:07:20,307 (クロバネ)王も集団のボスだ。 ひとりで勝手はできんのだろうな。 89 00:07:20,307 --> 00:07:22,642 そのとおりだ 黒猫殿! 90 00:07:22,642 --> 00:07:25,145 私が若い時だったらなあ! 91 00:07:25,145 --> 00:07:28,982 森に遊びに行くと言って そのまま冒険者になり➨ 92 00:07:28,982 --> 00:07:31,985 義勇軍に参加して 戦ったろうなあ! 93 00:07:31,985 --> 00:07:37,157 (クロバネ)ふふ… 王は昔 森で遊び クマに追いかけられたのだったな。 94 00:07:37,157 --> 00:07:40,327 そう! あれには 散々 煮え湯を飲まされた! 95 00:07:40,327 --> 00:07:43,163 だから 貴方の偉大さがわかる。 96 00:07:43,163 --> 00:07:46,100 猫の身であれを… とんでもないことだ! 97 00:07:46,100 --> 00:07:52,172 うふふ… 貴方とずっと 一緒の黒猫は私達の英雄なのよ。 98 00:07:52,172 --> 00:07:56,676 森のクマを一匹で倒せる 猫なんて 他にはいないわ。 99 00:07:56,676 --> 00:07:59,946 それはどうかな 子猫の頃 兄弟らと みんなで➨ 100 00:07:59,946 --> 00:08:02,115 クマを倒したことがある。 101 00:08:02,115 --> 00:08:05,285 あの兄弟達なら また クマぐらい倒しかねん。 102 00:08:05,285 --> 00:08:07,787 あっ… あ~っ! クロバネ! 103 00:08:07,787 --> 00:08:10,290 あなた あの子猫達の一人だったの! 104 00:08:10,290 --> 00:08:15,795 (モナルカ)もう伝説の子猫達よ! 他のみんなは今どうしているの? 105 00:08:15,795 --> 00:08:19,966 ずっと会ってない。 この街に来た者もいた筈だが。 106 00:08:19,966 --> 00:08:23,136 黒猫殿の兄弟か。 私も会ってみたいなあ! 107 00:08:23,136 --> 00:08:26,973 クロバネ! あの木 簡単すぎた のぼるの。 108 00:08:26,973 --> 00:08:29,476 もっと難しいこと言ってくれ! 109 00:08:29,476 --> 00:08:33,780 おお そうか では 王 失礼する。 ああ! 110 00:08:36,316 --> 00:08:40,320 あ… はぁ う~! 111 00:08:40,320 --> 00:08:42,322 尻尾を掴まんのか? 112 00:08:42,322 --> 00:08:46,126 赤ちゃんじゃないから! そうか。 113 00:08:48,161 --> 00:08:50,497 なになに!? だれか来たの? 114 00:08:50,497 --> 00:08:52,665 魔王軍を倒した人達だよ! 115 00:08:52,665 --> 00:08:56,336 この国も物を送って 彼らを応援したから➨ 116 00:08:56,336 --> 00:08:59,339 お礼に来たんだって。 どこの国の人? 117 00:08:59,339 --> 00:09:03,610 さあ… 彼らは冒険者で いろんな国で先頭に立って➨ 118 00:09:03,610 --> 00:09:06,112 戦ってくれたんだと! 119 00:09:06,112 --> 00:09:10,116 勇者達よ! 感謝するのは我々のほうだ! 120 00:09:10,116 --> 00:09:14,621 よくやってくれた! 君達の名は 末代まで➨ 121 00:09:14,621 --> 00:09:16,623 語り継がれるであろう! 122 00:09:22,295 --> 00:09:25,298 <クロバネ:兄弟は 本当に冒険者になって➨ 123 00:09:25,298 --> 00:09:30,804 人間の仲間と クマどころか 魔王とかいう輩を> 124 00:09:30,804 --> 00:09:34,641 殿下! 王子様! 125 00:09:34,641 --> 00:09:37,644 また いなくなってしまったぞ! もう…! 126 00:09:37,644 --> 00:09:39,979 私に任せてくれ! 127 00:09:39,979 --> 00:09:41,981 黒猫殿! 128 00:09:45,151 --> 00:09:49,656 流石は クロバネだな。 もう追いつかれた。 129 00:09:52,158 --> 00:09:55,161 そろそろ 私にも 魔法を教えてくれないか? 130 00:09:55,161 --> 00:09:59,833 教えん 宮廷魔術師とやらから 魔術の鍛練を受けるのは➨ 131 00:09:59,833 --> 00:10:03,002 八つになってからだろう。 132 00:10:03,002 --> 00:10:07,173 なあ クロバネ! 私は今日 初めて 冒険者なるものを見た! 133 00:10:07,173 --> 00:10:09,175 あ ああ…。 134 00:10:09,175 --> 00:10:12,178 驚いたのだ! 冒険者という彼らが➨ 135 00:10:12,178 --> 00:10:14,681 父上と同じほどの 気配を纏っていた! 136 00:10:14,681 --> 00:10:16,683 うむ たしかに。 137 00:10:16,683 --> 00:10:18,685 冒険だ クロバネ! 138 00:10:18,685 --> 00:10:20,854 あ…。 139 00:10:20,854 --> 00:10:24,357 冒険こそが その者を 強く たくましく変えるのだ! 140 00:10:24,357 --> 00:10:26,860 だから 私も冒険せねばならん! 141 00:10:26,860 --> 00:10:30,864 立派な王になるために! お おう…。 142 00:10:30,864 --> 00:10:36,870 王になるために? ええと いやさ 少し違うな。 143 00:10:36,870 --> 00:10:41,374 そうか クロバネ! 私は 君のようになりたいのだ! 144 00:10:41,374 --> 00:10:45,712 君の隣に立つにふさわしい 男となりたいのだよ! 145 00:10:45,712 --> 00:10:48,882 《森の猫は街にやってきて➨ 146 00:10:48,882 --> 00:10:52,886 これと思った人間と 友人になり魔法を教える》 147 00:10:52,886 --> 00:10:55,221 だから 冒険をせねばならん! 148 00:10:55,221 --> 00:10:57,724 それには 魔法が必要だろう? 149 00:10:57,724 --> 00:11:04,664 《おもしろい王子と 出会ってしまったものだ…》 150 00:11:04,664 --> 00:11:09,669 王子よ 冒険に出るのであれば 魔法だけではいかん。 151 00:11:09,669 --> 00:11:12,172 おう! 魔法に爪と牙。 152 00:11:12,172 --> 00:11:14,674 人間ならば武器も使えなくては。 153 00:11:14,674 --> 00:11:18,178 そうか! ならば 武器の扱いも覚えよう! 154 00:11:18,178 --> 00:11:20,346 それに言葉遣いだ。 155 00:11:20,346 --> 00:11:24,017 冒険者というのは いかにも 荒々しい言葉を使う。 156 00:11:24,017 --> 00:11:26,519 そういうものか ならば…! 157 00:11:28,855 --> 00:11:33,860 《あの心地よい森を出て 人間の街に来て そして➨ 158 00:11:33,860 --> 00:11:37,063 まさか 次は冒険か…?》 159 00:11:45,705 --> 00:11:48,207 いやあ! すみませんねえ! 160 00:11:48,207 --> 00:11:51,110 ギルドって どこか 教えてもらえませんかあ? 161 00:11:53,379 --> 00:11:56,716 あんた そのクマ 一体 どうして? 162 00:11:56,716 --> 00:12:00,653 森の中で偶然 見つけたんですよ! あっはっはっ! 163 00:12:00,653 --> 00:12:04,157 《2人:なに こいつ 怪しい》 164 00:12:04,157 --> 00:12:07,160 《うむ やはり怪しまれている。 165 00:12:07,160 --> 00:12:09,329 王子は世間知らずだ。 166 00:12:09,329 --> 00:12:12,832 しかし 私も 人間の社会をたいして知らない》 167 00:12:12,832 --> 00:12:15,668 あっ オレとツレで 倒したんじゃないんで➨ 168 00:12:15,668 --> 00:12:18,504 クマの買値って安いんですかね? 169 00:12:18,504 --> 00:12:21,674 《クロバネ:こんなふたりで よく まあ 城を出てきたな》 170 00:12:21,674 --> 00:12:24,177 それと ギルドへの 登録をお願いします。 171 00:12:24,177 --> 00:12:26,346 冒険者として! 172 00:12:26,346 --> 00:12:30,850 《しかし 長いこと 王子なりに 計画してきたことなのだ…》 173 00:12:33,853 --> 00:12:35,855 素敵…。 174 00:12:35,855 --> 00:12:40,026 あの方は どなた? この国の王子 スタンライト様よ! 175 00:12:40,026 --> 00:12:44,197 まだ 12歳! ええっ 12歳!? 176 00:12:44,197 --> 00:12:48,701 王族に猫の友人がいる という噂は本当だったのね…。 177 00:12:51,204 --> 00:12:53,539 は~っ。 178 00:12:53,539 --> 00:12:56,876 この程度で疲れているようでは 走り込みが足らんな。 179 00:12:56,876 --> 00:12:59,545 疲れるって そっちじゃねえって。 180 00:12:59,545 --> 00:13:01,648 わかんだろ? 181 00:13:01,648 --> 00:13:03,650 お嬢様がたのほうだよ。 182 00:13:03,650 --> 00:13:05,985 はぁ…。 183 00:13:05,985 --> 00:13:08,321 揃いも揃って みな 色恋ごとに夢中。 184 00:13:08,321 --> 00:13:11,824 いい男だって言われるのは 悪い気はしないが➨ 185 00:13:11,824 --> 00:13:15,995 私は いや 俺は まだ ホンの子供だぜ。 186 00:13:15,995 --> 00:13:20,333 そこは 俺ァ まだガキだぜ のほうがいいだろう。 187 00:13:20,333 --> 00:13:23,670 む そうか。 なるほど気をつけよう…。 188 00:13:23,670 --> 00:13:26,506 なんで こう 貴族のご令嬢ってのは➨ 189 00:13:26,506 --> 00:13:29,842 いい男だなんだってのが 好きなのかね。 190 00:13:29,842 --> 00:13:32,679 彼女らにしてみれば それが狩りなのだ。 191 00:13:32,679 --> 00:13:34,847 (クロバネ)彼女らにとって 着飾ることは➨ 192 00:13:34,847 --> 00:13:37,684 爪や牙を研ぐのと同じだ。 193 00:13:37,684 --> 00:13:41,354 噂話は獲物の情報を 知ることに近い。 194 00:13:41,354 --> 00:13:43,690 他の狩人への牽制にもなる。 195 00:13:43,690 --> 00:13:48,027 舞踏会などは 彼女らの狩りの機会なのだ。 196 00:13:48,027 --> 00:13:51,864 なるほど なるほど! 私も その姿勢を見習わねばな! 197 00:13:51,864 --> 00:13:54,367 いや 俺も見習わねぇとな! 198 00:13:54,367 --> 00:13:58,204 狩りか… 最近 狩りに行っていないな。 199 00:13:58,204 --> 00:14:02,642 なあに クロバネよ! じきに イヤでもすることになるさ! 200 00:14:02,642 --> 00:14:05,645 準備は終わったのか? 201 00:14:05,645 --> 00:14:09,148 もちろんだとも 冒険だ 冒険だ! 202 00:14:09,148 --> 00:14:14,487 ワインの樽が 20… たしかに。 よろしい 入場を許可する。 203 00:14:14,487 --> 00:14:17,990 いやあ 今日は出入りに厳しいな。 204 00:14:17,990 --> 00:14:20,159 王の誕生日の宴だ。 205 00:14:20,159 --> 00:14:23,830 国外からも いろんな人間が来るからだな。 206 00:14:23,830 --> 00:14:26,032 王に乾杯! 王に祝福を! 207 00:14:28,501 --> 00:14:32,004 素晴らしい王子ですな。 いやはや うらやましい! 208 00:14:32,004 --> 00:14:36,175 いやあ アレも最近 漸く落ちついてきて。 209 00:14:36,175 --> 00:14:39,178 王子を褒められる りー坊の顔ったら。 210 00:14:39,178 --> 00:14:42,014 今日のもう一人の主役は王子ね。 211 00:14:42,014 --> 00:14:47,019 りー坊のかわりに 朝からずっと 客をもてなして立派だったわ。 212 00:14:47,019 --> 00:14:50,022 そろそろ 最後の催しの準備だ。 213 00:14:50,022 --> 00:14:52,358 花火? あなたもやるの? 214 00:14:52,358 --> 00:14:55,361 花火の魔法 練習したんだ 見てね。 215 00:14:55,361 --> 00:14:59,532 では 私も城壁の上の 特等席に移ろうかな。 216 00:14:59,532 --> 00:15:01,534 あら 気が早いわね。 217 00:15:03,469 --> 00:15:05,471 父上! うん? 218 00:15:05,471 --> 00:15:08,474 申し訳ありません。 少々 疲れてしまいました。 219 00:15:08,474 --> 00:15:12,145 花火の時間まで 自室で休みたいのですが。 220 00:15:12,145 --> 00:15:15,648 おう! 今日は 朝から よく働いてくれた! 221 00:15:15,648 --> 00:15:18,651 客人も みな お前に感心していたぞ。 222 00:15:18,651 --> 00:15:22,989 自慢の息子だ。 花火の時間に迎えをやろう。 223 00:15:22,989 --> 00:15:24,991 休んできなさい。 224 00:15:24,991 --> 00:15:26,993 はい 父上。 225 00:15:28,995 --> 00:15:32,331 (歓声) 226 00:15:32,331 --> 00:15:34,333 魔法の花火! 美しい! 227 00:15:34,333 --> 00:15:37,170 この国ならではですな! 228 00:15:37,170 --> 00:15:40,173 へ 陛下っ! おう 王子は? 229 00:15:40,173 --> 00:15:43,342 それが 部屋におられません。 230 00:15:43,342 --> 00:15:47,180 壁には いざ冒険へ! と書かれていて…。 231 00:15:47,180 --> 00:15:49,348 え!? 232 00:15:49,348 --> 00:15:52,518 やられた…。 233 00:15:52,518 --> 00:15:57,023 小さい頃から冒険だ。 冒険者になると言っていた。 234 00:15:57,023 --> 00:16:00,460 最近は ずいぶんと 大人しくなったと思っていたが➨ 235 00:16:00,460 --> 00:16:02,795 まったく…。 236 00:16:02,795 --> 00:16:07,967 はぁ… 願わくば 小さな冒険者の前途に祝福を。 237 00:16:07,967 --> 00:16:09,969 大丈夫よ。 238 00:16:09,969 --> 00:16:14,640 (モナルカ)だって あの子に ついているのは英雄ですもの。 239 00:16:14,640 --> 00:16:17,143 冒険だ! クロバネよ! 240 00:16:17,143 --> 00:16:20,646 ついに! ホントに! 241 00:16:20,646 --> 00:16:22,815 冒険だ! 242 00:16:22,815 --> 00:16:25,818 静かにせんと 追手に見つかるぞ! 243 00:16:25,818 --> 00:16:28,487 <クロバネ:そして しょしんしゃのもりの向こう➨ 244 00:16:28,487 --> 00:16:30,790 隣国を目指す> 245 00:16:34,494 --> 00:16:36,829 隣と言っても遠い国。 246 00:16:36,829 --> 00:16:41,167 わたし… いや 俺の正体もばれないだろう? 247 00:16:41,167 --> 00:16:44,003 それでも すぐに 手配書が回るだろう。 248 00:16:44,003 --> 00:16:46,505 おう 長居するつもりはない! 249 00:16:46,505 --> 00:16:48,841 とりあえず 田舎者を装う。 250 00:16:48,841 --> 00:16:51,677 出来れば ここで 狼か何か…。 251 00:16:51,677 --> 00:16:55,348 ギルドで カネになる物を手に入れたいな。 252 00:16:55,348 --> 00:16:59,519 そうだ ギルドに登録する 偽名がいるな。 253 00:16:59,519 --> 00:17:01,454 スタン… スタンがいい! 254 00:17:01,454 --> 00:17:03,956 今日から 俺はスタンだ! 255 00:17:03,956 --> 00:17:06,792 夜明けが近い。 少し眠ったほうがいいだろう。 256 00:17:06,792 --> 00:17:08,995 (スタン)うむ! 257 00:17:10,963 --> 00:17:13,466 (クロバネ)何をしている? 258 00:17:13,466 --> 00:17:16,469 木の上で寝れば危険は少ない。 259 00:17:16,469 --> 00:17:18,971 《たしかに そうだが せめて もう少し➨ 260 00:17:18,971 --> 00:17:21,574 落ちついた場所のほうが… ハァ…》 261 00:17:24,977 --> 00:17:26,979 《うっ…。 262 00:17:26,979 --> 00:17:28,981 いかん 身体が痛い…。 263 00:17:28,981 --> 00:17:32,485 ソファーやクッションに慣れているのは 私のほうだったか。 264 00:17:32,485 --> 00:17:35,821 情けない… おや?》 265 00:17:35,821 --> 00:17:38,624 王子? (スタン)おおっ 起きたか クロバネ! 266 00:17:43,329 --> 00:17:45,331 なにをしている? 267 00:17:45,331 --> 00:17:48,501 服を埋めたのだ。 田舎者を装うと言っただろう? 268 00:17:48,501 --> 00:17:51,837 田舎者でも 服は着ているものだろう。 269 00:17:51,837 --> 00:17:55,341 クロバネよ あんな お高い服を着ていたら➨ 270 00:17:55,341 --> 00:17:58,344 身元が割れるだろう。 しかし…。 271 00:17:58,344 --> 00:18:01,614 それより 腹が減った。 なにかいないかな。 272 00:18:01,614 --> 00:18:04,951 (スタン)おっ ウサギがいるぞ! 273 00:18:04,951 --> 00:18:06,953 シャー! 274 00:18:06,953 --> 00:18:08,955 あ…。 275 00:18:11,958 --> 00:18:14,293 どうした? クロバネ 食べないのか? 276 00:18:14,293 --> 00:18:17,630 ああ いや おう…。 腹を壊さないか? 277 00:18:17,630 --> 00:18:21,801 身体を強くする 魔法を習得しているぞ。 278 00:18:21,801 --> 00:18:24,136 え? 279 00:18:24,136 --> 00:18:28,140 あっ しまった! なるべく 大きく皮をはごうと思ってたのに。 280 00:18:28,140 --> 00:18:32,144 これでは下着も作れないぞ! あっはっはっはっ! 281 00:18:32,144 --> 00:18:40,152 ♬~ 282 00:18:40,152 --> 00:18:42,655 王子よ 水浴びをせんのか? 283 00:18:42,655 --> 00:18:46,158 クロバネも 水浴びも 湯浴みもしないであろう? 284 00:18:46,158 --> 00:18:48,494 その… とおりだが。 285 00:18:48,494 --> 00:18:51,998 城では赤子の頃より 毎日 風呂に入っていただろう。 286 00:18:51,998 --> 00:18:55,334 他国ではあれだけ 毎日のようには入らん。 287 00:18:55,334 --> 00:18:57,837 我が国くらいだ。 288 00:18:57,837 --> 00:19:00,106 そ… そうだったのか…。 289 00:19:00,106 --> 00:19:04,110 もともと訓練で 身体に いくつも怪我や傷があったからな。 290 00:19:04,110 --> 00:19:06,779 後は汚れさえ 染みつかせてしまえば➨ 291 00:19:06,779 --> 00:19:09,115 田舎から 冒険者になるために出てきた➨ 292 00:19:09,115 --> 00:19:11,817 少年に化けることが できるだろう! 293 00:19:13,786 --> 00:19:18,124 なので そろそろ 狼あたりを 一匹 欲しいところだが…。 294 00:19:18,124 --> 00:19:21,794 狼は群れでいる。 お前の腕では危険だろう。 295 00:19:21,794 --> 00:19:23,796 あ! ん? (草木のこすれる音) 296 00:19:23,796 --> 00:19:25,965 (スタン)クマだ! (クロバネ)いるな。 297 00:19:25,965 --> 00:19:27,967 これは ひとまず遠ざかろう。 298 00:19:27,967 --> 00:19:30,469 なぜだ? 倒すぞ! 299 00:19:30,469 --> 00:19:32,471 なにを言っている? 300 00:19:32,471 --> 00:19:36,142 子供の頃から クロバネに魔法と 戦い方を教わってきたのだ! 301 00:19:36,142 --> 00:19:38,811 ここで 戦わないわけがなかろう! 302 00:19:38,811 --> 00:19:41,647 まて! いきなり これはない。 303 00:19:41,647 --> 00:19:44,984 初心者の森というがな これだけは別格なのだ! 304 00:19:44,984 --> 00:19:47,319 今は まだ…! 305 00:19:47,319 --> 00:19:50,022 冒険だ! 306 00:19:52,491 --> 00:19:55,995 死にそうになったら 助けてくれ 師匠殿! 307 00:19:55,995 --> 00:20:00,099 全く! 少しは 師匠の言う事も聞かんか! 308 00:20:05,504 --> 00:20:07,506 あっはっはっ! 309 00:20:07,506 --> 00:20:09,508 イエーイ! ん…。 310 00:20:09,508 --> 00:20:15,347 ♬~ 311 00:20:15,347 --> 00:20:18,184 (スタン)おおお おおっ うおお…! 312 00:20:18,184 --> 00:20:21,687 見てくれ 師匠殿! まさに冒険者だ! 313 00:20:21,687 --> 00:20:25,024 俺が手に入れた衣類! 俺が手に入れた装備! 314 00:20:25,024 --> 00:20:29,695 俺が手に入れた武器! 如何にも冒険じゃないか! 315 00:20:29,695 --> 00:20:32,531 クマが売れてよかったな しかし…。 316 00:20:32,531 --> 00:20:35,534 いいか 愚弟子よ。 317 00:20:35,534 --> 00:20:40,372 己の実力に見合ったものを 準備することも狩りには必要だ。 318 00:20:40,372 --> 00:20:44,877 お前の毛皮や尻尾は そこそこだが 牙と爪はどうだ? 319 00:20:44,877 --> 00:20:50,216 武器のことか ううむ。 たしかに頼りなくはあるな。 320 00:20:50,216 --> 00:20:53,385 俺に見合った武器っていうと やっぱり…。 321 00:20:53,385 --> 00:20:55,387 (スタン)魔法をとおすやつか。 322 00:20:55,387 --> 00:20:58,390 実家の蔵にあったアレは 使いやすかったなあ! 323 00:20:58,390 --> 00:21:00,659 よし 師匠殿よ! 324 00:21:00,659 --> 00:21:05,331 毛皮と尻尾を鍛えながら 俺にふさわしい牙と爪を探そう! 325 00:21:05,331 --> 00:21:07,666 英雄にふさわしい剣を! 326 00:21:07,666 --> 00:21:09,668 それには まず…。 327 00:21:09,668 --> 00:21:12,004 (スタン)冒険! 冒険だ! 328 00:21:12,004 --> 00:21:14,340 わ~っはっはっは! (クロバネ)とりあえず➨ 329 00:21:14,340 --> 00:21:16,642 もう少し静かにしろ。 330 00:21:18,677 --> 00:21:21,080 世話になった ありがとう! 331 00:21:23,682 --> 00:21:27,019 怪しかった…。 怪しすぎだぞ。 332 00:21:27,019 --> 00:21:31,690 ケットシーを連れてた…。 あの子も魔法が使えるんだろう。 333 00:21:31,690 --> 00:21:34,026 あのクマを片手で引きずっていたし。 334 00:21:34,026 --> 00:21:37,196 クマも あの子と猫が 倒したのでは…。 335 00:21:37,196 --> 00:21:39,198 それじゃ 初心者じゃないだろ! 336 00:21:39,198 --> 00:21:41,700 みんな! これを見て! (一同)ん? 337 00:21:41,700 --> 00:21:44,537 今 回ってきた手配書よ。 338 00:21:44,537 --> 00:21:46,539 (一同)は? 339 00:21:46,539 --> 00:21:52,211 < これが ひとりと一匹の 冒険の始まりのお話。 340 00:21:52,211 --> 00:21:56,382 彼が冒険者として 名を上げていくのは もう少し。 341 00:21:56,382 --> 00:21:59,218 英雄王と 呼ばれるようになるのは➨ 342 00:21:59,218 --> 00:22:02,121 まだまだ先のことである>