1 00:00:01,969 --> 00:00:04,471 <森の猫は何かに長けた➨ 2 00:00:04,471 --> 00:00:07,474 心根の優しい おもしろい人間が好きだ。 3 00:00:07,474 --> 00:00:11,144 そんな人間は 多くが王城にいるもので➨ 4 00:00:11,144 --> 00:00:15,315 森の猫も王城住まいのものが 多いわけだが➨ 5 00:00:15,315 --> 00:00:19,987 どこの世界にも 変わり者というのはいるもので> 6 00:00:19,987 --> 00:00:22,990 《ハイブチ:私の寝床は ここ。 7 00:00:22,990 --> 00:00:26,326 街を見下ろす大鐘楼だ》 8 00:00:26,326 --> 00:00:40,040 ♬~ 9 00:02:22,976 --> 00:02:26,480 にゃあん。 なぁお。 10 00:02:26,480 --> 00:02:29,316 《彼らは 街の普通の猫。 11 00:02:29,316 --> 00:02:32,152 我々と違って 魔法は使えない。 12 00:02:32,152 --> 00:02:35,489 人間の言葉も話さない》 13 00:02:35,489 --> 00:02:39,326 おお ハイブチ! お前さんも早いな! なぁ~お。 14 00:02:39,326 --> 00:02:41,995 《彼は飯屋の店主だ》 15 00:02:41,995 --> 00:02:44,164 よしよし いいもんやる。 16 00:02:44,164 --> 00:02:46,366 ほら いくぞ~! 17 00:02:48,668 --> 00:02:52,839 はははは…! あいかわらず お前さんは器用だな。 18 00:02:52,839 --> 00:02:56,176 《もう おわかりかと思うが 私は この街では➨ 19 00:02:56,176 --> 00:02:59,179 普通の猫として暮らしているのだ。 20 00:02:59,179 --> 00:03:01,782 そのほうが人間は 普通通りの姿を➨ 21 00:03:01,782 --> 00:03:03,784 見せてくれるからである》 22 00:03:03,784 --> 00:03:06,620 どれ もう一枚やろうか。 23 00:03:06,620 --> 00:03:08,789 アンタ! あっ!? 24 00:03:08,789 --> 00:03:13,794 忘れてたキャベツも出しとくれ! お おう わかった わかった! 25 00:03:13,794 --> 00:03:17,130 《おっと… 店主の女房殿だ。 26 00:03:17,130 --> 00:03:20,300 彼女は この辺では珍しいエルフ。 27 00:03:20,300 --> 00:03:23,970 私が森の猫だと 見抜いてしまいかねない…。 28 00:03:23,970 --> 00:03:26,306 さっさと退散しよう》 29 00:03:26,306 --> 00:03:29,309 な~お! 30 00:03:29,309 --> 00:03:31,812 おう ハイブチ またなあ! 31 00:03:37,150 --> 00:03:39,486 わぁ 緊張する~。 にゃ? 32 00:03:39,486 --> 00:03:44,157 《ハイブチ:少年少女の4人組。 普段持ち歩かない武器。 33 00:03:44,157 --> 00:03:46,493 てんで バラバラの服。 34 00:03:46,493 --> 00:03:49,162 駆け出しの冒険者たちだな。 35 00:03:49,162 --> 00:03:54,668 しょしんしゃのもりに 行くのであろうとすると…。 36 00:03:54,668 --> 00:03:57,337 いた いた! 37 00:03:57,337 --> 00:03:59,673 彼女は ミケミケ。 38 00:03:59,673 --> 00:04:03,443 森に住む猫で ギルドの受付嬢の友人なのだ》 39 00:04:03,443 --> 00:04:05,445 (ミケミケ)な? 40 00:04:05,445 --> 00:04:07,447 にゃおにゃお~! 41 00:04:07,447 --> 00:04:09,950 今日も冒険者たちの お目付役かい? 42 00:04:09,950 --> 00:04:13,954 ニャオ… ニャオ ニャオ…。 43 00:04:13,954 --> 00:04:18,291 ええ おせっかいで 心配性な友人に頼みこまれて…。 44 00:04:18,291 --> 00:04:22,129 さぁ 出発だ! おう! 45 00:04:22,129 --> 00:04:27,634 《愚痴りながらも 彼女は いつも 受付嬢のお願いを聞いて➨ 46 00:04:27,634 --> 00:04:32,639 冒険者たちを そっと見守り 問題があれば助けている。 47 00:04:32,639 --> 00:04:37,144 彼女と受付嬢は なんとも似合いの友人同士だ》 48 00:04:39,980 --> 00:04:42,315 《さて 今日は 他に➨ 49 00:04:42,315 --> 00:04:45,652 どんな おもしろい 人間がいるかな? 50 00:04:45,652 --> 00:04:47,654 この人間は…? 51 00:04:47,654 --> 00:04:50,657 ああ 新聞記者だな。 52 00:04:50,657 --> 00:04:55,662 なぜかって ほら 辺りを見回す 視線が鋭く➨ 53 00:04:55,662 --> 00:04:59,833 指には ペンだこと インク汚れの染みが。 54 00:04:59,833 --> 00:05:03,270 靴の底は 何度も 張り替えたらしく➨ 55 00:05:03,270 --> 00:05:05,772 素材の色合いが合ってない。 56 00:05:05,772 --> 00:05:08,275 服装は 地味で目立たない。 57 00:05:08,275 --> 00:05:13,446 様々な場面に溶け込んで スクープを狙う新聞記者…。 58 00:05:13,446 --> 00:05:16,783 ぬ? 地味で 様々な場所に溶け込む? 59 00:05:16,783 --> 00:05:20,787 待てよ それは 人間の書物でしか知らないが➨ 60 00:05:20,787 --> 00:05:23,790 もしかして スパイとか いうやつなのではないか!? 61 00:05:23,790 --> 00:05:26,293 おもしろいぞ! 62 00:05:26,293 --> 00:05:30,997 スパイめ よおし 今日は この人間を尾行だ》 63 00:05:33,466 --> 00:05:35,802 《ここは 職人通り。 64 00:05:35,802 --> 00:05:41,308 鍛冶職人や家具職人などが 軒を連ねる通りだ。 65 00:05:41,308 --> 00:05:45,979 この国の最新の武器を 入手しに来たのか?》 66 00:05:45,979 --> 00:05:51,318 あの お仕事中すみません。 新聞社の者なのですが…。 67 00:05:51,318 --> 00:05:53,653 ええ 新聞? はい。 68 00:05:53,653 --> 00:05:57,991 《おっと! やはり 新聞記者を騙るか!?》 69 00:05:57,991 --> 00:06:01,595 今 評判の椅子について 記事にしたいのです。 70 00:06:01,595 --> 00:06:04,264 《んっ 椅子?》 あっ あれっ! 71 00:06:04,264 --> 00:06:07,434 アンタ あの角の三男坊? 72 00:06:07,434 --> 00:06:10,604 あっ そうです! 前の親方が亡くなってから➨ 73 00:06:10,604 --> 00:06:15,108 見ないねって言ってたのよ! へぇ~ 新聞記者? 74 00:06:15,108 --> 00:06:19,779 はい 兄たちから お前は 好きなことをしろって言われて。 75 00:06:19,779 --> 00:06:24,284 はぁ すごいな。 いえ これが初仕事なんで…。 76 00:06:24,284 --> 00:06:26,453 《うむ スパイではなかったか。 77 00:06:26,453 --> 00:06:28,788 ちょっと残念。 78 00:06:28,788 --> 00:06:32,959 しかし ずいぶん 街の生活に 密着した記事を書くのだな。 79 00:06:32,959 --> 00:06:36,963 彼の書く記事を 読むのが楽しみだぞ》 80 00:06:41,635 --> 00:06:44,638 なぁお~! 81 00:06:44,638 --> 00:06:46,640 ん? おぉ! 82 00:06:46,640 --> 00:06:50,310 ああ 申し訳ないが 少し腹が空いていてだね…。 83 00:06:50,310 --> 00:06:53,813 おっと そうだったか。 それじゃあ…。 84 00:06:53,813 --> 00:07:00,754 ここだ ここは何ヶ月かぶりだから それなりにいると思うんだが。 85 00:07:00,754 --> 00:07:04,257 こういう倉庫は いくら きちんと つくっても➨ 86 00:07:04,257 --> 00:07:06,593 入ってきてしまうんだねぇ。 87 00:07:06,593 --> 00:07:09,763 よろしく頼むよ。 88 00:07:09,763 --> 00:07:12,933 《人間の食べ物を 貯蔵するところは➨ 89 00:07:12,933 --> 00:07:16,937 少しの隙間もなく つくられているはずなのに➨ 90 00:07:16,937 --> 00:07:19,439 それでも いつの間にか入りこみ➨ 91 00:07:19,439 --> 00:07:21,775 食料を食い荒らしているのが➨ 92 00:07:21,775 --> 00:07:25,612 ネズミという動物の 恐ろしいところだ》 93 00:07:25,612 --> 00:07:34,454 ♬~ 94 00:07:34,454 --> 00:07:37,624 お~ ずいぶん 捕まえたみたいだね。 95 00:07:37,624 --> 00:07:39,626 おなかが重たそうだ。 96 00:07:39,626 --> 00:07:42,295 ん~ 少し 食べ過ぎてしまったかな。 97 00:07:42,295 --> 00:07:46,800 げっぷがでそう… うっ くるしい。 98 00:07:46,800 --> 00:07:50,470 ははは! 宙を蹴って帰れるかい? 99 00:07:50,470 --> 00:07:53,306 (ハイブチ)も もちろんだ。 気をつけてなぁ。 100 00:07:53,306 --> 00:07:55,642 また いつでも寄ってくれ! 101 00:07:55,642 --> 00:07:58,478 ネズミは いくらでも出てくるからね。 102 00:07:58,478 --> 00:08:01,247 《ゴミは ゴミ捨て場へ。 103 00:08:01,247 --> 00:08:05,585 ネズミの血や食い残しで 倉庫を汚す訳にはいかない。 104 00:08:05,585 --> 00:08:08,755 その辺を きちんと配慮して 狩りをするのだ。 105 00:08:08,755 --> 00:08:11,958 街に住む森の猫はね》 106 00:08:13,927 --> 00:08:17,263 《今日の人間たちの活動も終わり。 107 00:08:17,263 --> 00:08:21,601 食い溜めのおかげで 数日は 人間観察に集中できるだろう。 108 00:08:21,601 --> 00:08:23,603 おっ。 109 00:08:23,603 --> 00:08:27,273 おや 教育係の彼女 戻ってきたのか》 110 00:08:27,273 --> 00:08:29,442 なゃお。 にゃ? 111 00:08:29,442 --> 00:08:31,611 にゃおお。 112 00:08:31,611 --> 00:08:33,780 《じゃあ 彼らも?》 113 00:08:33,780 --> 00:08:36,116 いや~ よかった よかった! 114 00:08:36,116 --> 00:08:38,451 助かったよ! 115 00:08:38,451 --> 00:08:40,620 《おやおや いいね。 116 00:08:40,620 --> 00:08:45,125 まるで 初めて 狩りに 成功した子猫のような顔だ》 117 00:08:45,125 --> 00:08:49,129 にゃおお。 な~お。 118 00:08:49,129 --> 00:08:52,132 《どうやら あの 駆け出し冒険者たちは➨ 119 00:08:52,132 --> 00:08:56,970 人を見る目の厳しい彼女から 及第点をもらったようだ。 120 00:08:56,970 --> 00:09:00,907 ふふ… 駆け出し新聞記者に 駆け出し冒険者たち。 121 00:09:00,907 --> 00:09:03,576 彼らは どんな 成長を遂げるだろう。 122 00:09:03,576 --> 00:09:05,578 楽しみでしかたがない。 123 00:09:05,578 --> 00:09:07,580 さて…。 124 00:09:07,580 --> 00:09:10,583 私も寝床に帰るとしよう》 125 00:09:10,583 --> 00:09:15,255 ♬~ 126 00:09:15,255 --> 00:09:18,258 おっ ありゃ ハイブチじゃないか! 127 00:09:18,258 --> 00:09:20,427 ハイブチ? 128 00:09:20,427 --> 00:09:22,429 朝 早くによくエサを…。 129 00:09:22,429 --> 00:09:26,099 あっ いや…。 挨拶しにきてくれるんだよ。 130 00:09:26,099 --> 00:09:30,103 かわいいだろう? 野良だろうが頭もいい! 131 00:09:30,103 --> 00:09:32,439 ふうん…。 132 00:09:32,439 --> 00:09:36,109 あの猫に好かれてるなら アンタ なによりだ。 133 00:09:36,109 --> 00:09:38,945 え…? 134 00:09:38,945 --> 00:09:40,947 うれしいことだよ。 135 00:09:45,285 --> 00:09:47,454 (スタン)ゴク…。 136 00:09:47,454 --> 00:09:49,456 (スタン)ごちそうさまでした! 137 00:09:49,456 --> 00:09:52,292 《クロバネ:我が弟子は 今日も同じ朝食だ。 138 00:09:52,292 --> 00:09:56,296 堅焼きパンに 油紙で包まれたチーズ。 139 00:09:56,296 --> 00:09:58,798 木片のような硬い干し肉。 140 00:09:58,798 --> 00:10:02,135 王族出身の口には 合わないだろうに》 141 00:10:02,135 --> 00:10:05,805 うむ 今日も冒険者らしい 朝食を堪能した! 142 00:10:05,805 --> 00:10:07,974 それはよかった…。 143 00:10:07,974 --> 00:10:11,144 冒険者らしいと言えば アレをやってないな。 144 00:10:11,144 --> 00:10:13,146 ん? 145 00:10:13,146 --> 00:10:16,816 初心者の冒険者がやる 冒険といえば 薬草採集! 146 00:10:16,816 --> 00:10:19,319 なっ…。 147 00:10:19,319 --> 00:10:22,322 決めたぞ 師匠殿! 次は 薬草採集だ! 148 00:10:22,322 --> 00:10:25,492 やる必要があるか…? 149 00:10:25,492 --> 00:10:29,162 薬草採集ですか? 150 00:10:29,162 --> 00:10:32,999 では まず 講習を 受けていただく事になりますが。 151 00:10:32,999 --> 00:10:35,835 え 講習!? 152 00:10:35,835 --> 00:10:39,506 (スタン)まさか 薬草採集に 講習があるとは…。 153 00:10:39,506 --> 00:10:42,342 普通はないのだな? 154 00:10:42,342 --> 00:10:46,679 聞いたことがないな。 このあたりは特別らしい。 155 00:10:46,679 --> 00:10:51,017 で 講習は明日なので 今日は 買い物だ。 156 00:10:51,017 --> 00:10:54,020 また 恐ろしく 硬いパンでも買い足すのか? 157 00:10:54,020 --> 00:10:56,523 マントだよ マント! 158 00:10:56,523 --> 00:11:00,293 (スタン)王宮でのマントは 飾りとしか思わなかったが➨ 159 00:11:00,293 --> 00:11:03,296 冒険者ならば 装備せねばなるまい! 160 00:11:03,296 --> 00:11:09,135 では 私は 昼寝場所でも探すとしよう。 161 00:11:09,135 --> 00:11:11,838 らっしゃ~い。 (ドアの開閉音) 162 00:11:16,142 --> 00:11:19,479 おお~ いいぞ! この実用一辺倒なマント。 163 00:11:19,479 --> 00:11:21,481 買いだ。 164 00:11:21,481 --> 00:11:24,484 他の品も地味だが 実用的なものばかり! 165 00:11:24,484 --> 00:11:28,321 いい店だ! アンタ なんで こんな店にいるんだ? 166 00:11:28,321 --> 00:11:30,490 ん? 167 00:11:30,490 --> 00:11:32,492 いや 俺も昔は冒険者でな。 168 00:11:32,492 --> 00:11:35,662 見りゃあ 少しは 腕前が分かるもんだからよ。 169 00:11:35,662 --> 00:11:39,332 アンタぐらいの腕なら ここにあるような安もん➨ 170 00:11:39,332 --> 00:11:41,501 買わねぇでもいいだろ? 171 00:11:41,501 --> 00:11:46,506 《元冒険者に認められる喜び! 嬉しい! むっちゃ嬉しい! 172 00:11:46,506 --> 00:11:51,177 日常の所作を見ただけで レベル測れるなんて かっこいい! 173 00:11:51,177 --> 00:11:53,680 く~ これだよ! こういう世界に➨ 174 00:11:53,680 --> 00:11:56,182 身を置きたかったんだよ~!》 175 00:11:56,182 --> 00:12:01,788 いや いや 見ての通り 自分は 駆けだしで金もないですし! 176 00:12:01,788 --> 00:12:06,292 ああ… まあ うちは値段の割に 使えるもん揃ってっから➨ 177 00:12:06,292 --> 00:12:08,628 ゆっくり見てってくれや。 178 00:12:08,628 --> 00:12:10,797 ありがとうございます! 179 00:12:10,797 --> 00:12:14,634 《憧れていた冒険者。 180 00:12:14,634 --> 00:12:19,639 実力はある。 しかし 経験はまだまだ》 181 00:12:19,639 --> 00:12:23,476 (スタン)クロバネ 師匠殿! なんだ? 182 00:12:23,476 --> 00:12:26,312 私は 今晩 ここで過ごす。 183 00:12:26,312 --> 00:12:29,315 そうしたいでしょうが 明日は講習! 184 00:12:29,315 --> 00:12:32,819 きっと多くの冒険者たちと 顔を合わせるわけで! 185 00:12:32,819 --> 00:12:38,324 お前がな。 (スタン)師匠もです! 186 00:12:38,324 --> 00:12:41,995 さあ! 宿に向かおう! 宿でさっぱりしよう! 187 00:12:41,995 --> 00:12:46,100 (スタン)ほら クロバネ! 師匠殿! 《経験といえば…》 188 00:12:46,100 --> 00:12:49,335 (スタン)し~しょ~ど~の~! 189 00:12:49,335 --> 00:12:51,638 (お湯をかけられる音) 190 00:12:54,340 --> 00:12:58,344 こんな立派な湯船は久しぶりだ。 なあ クロバネ! 191 00:12:58,344 --> 00:13:02,115 《いくら経験しようが 私は どうも風呂だけは➨ 192 00:13:02,115 --> 00:13:04,284 いまだに慣れない》 193 00:13:04,284 --> 00:13:07,954 実は マントを手に入れただけでなく その後 酒場で➨ 194 00:13:07,954 --> 00:13:10,456 情報収集もしたのだぞ! 195 00:13:10,456 --> 00:13:14,293 明日には 講習を受けて 薬草採集もできるし➨ 196 00:13:14,293 --> 00:13:18,298 これで 私も一点の 曇りもない冒険者だ! 197 00:13:18,298 --> 00:13:21,634 (スタン)英雄に近づいたぞ! わ~はっはっはっはっ! 198 00:13:21,634 --> 00:13:27,140 《クロバネ:そして 王子の豪快すぎる 笑い方も直らないままだ》 199 00:13:35,982 --> 00:13:38,317 初心者らしい面々だ。 200 00:13:38,317 --> 00:13:40,319 うむ。 201 00:13:40,319 --> 00:13:43,823 (スタン)でも あそこの2人は違う。 (クロバネ)そうだな。 202 00:13:43,823 --> 00:13:45,992 おはよう! 203 00:13:45,992 --> 00:13:49,662 まさか こんなところで 森に住む猫と その友人に➨ 204 00:13:49,662 --> 00:13:53,499 会えるとは思わなかった。 君たちも受講するのかな? 205 00:13:53,499 --> 00:13:58,171 はい お世話になります。 ただ この方は友人ではなく➨ 206 00:13:58,171 --> 00:14:00,940 師匠殿なんですよ。 207 00:14:00,940 --> 00:14:05,111 (スタン)友人にしていただくには 私は まだまだ未熟なものでして。 208 00:14:05,111 --> 00:14:07,947 あははは! 驚いた! 209 00:14:07,947 --> 00:14:10,283 そういう関係もあるんだね。 210 00:14:10,283 --> 00:14:14,487 君ぐらいの使い手でも 彼のお眼鏡にはかなわないわけだ。 211 00:14:18,124 --> 00:14:20,460 (スタン)使い手ってのは 大げさですよ。 212 00:14:20,460 --> 00:14:22,795 まだまだ半人前ですから。 213 00:14:22,795 --> 00:14:24,797 まぁ 君の師匠から見れば➨ 214 00:14:24,797 --> 00:14:28,134 君も僕も まだまだ未熟かな。 215 00:14:28,134 --> 00:14:30,803 (スタン)そっち なにしてるの? 216 00:14:30,803 --> 00:14:33,973 そうそう 忘れるところだった。 ん? 217 00:14:33,973 --> 00:14:36,809 君たちに ちょっと お手伝いを頼みたいんだ。 218 00:14:36,809 --> 00:14:38,978 はい? 219 00:14:38,978 --> 00:14:42,148 教官役の僕たち2人で 十数名を見るわけで➨ 220 00:14:42,148 --> 00:14:45,485 そんなに危険なところには 行かないけど➨ 221 00:14:45,485 --> 00:14:48,654 もしもの時の対処を 手伝ってもらいたいんだ。 222 00:14:48,654 --> 00:14:52,825 なるほど! 師匠殿もいれば 頼もしいでしょうね。 223 00:14:52,825 --> 00:14:55,161 え~と。 224 00:14:55,161 --> 00:14:58,831 おもしろい話だ 受けろ。 225 00:14:58,831 --> 00:15:00,767 おっ。 226 00:15:00,767 --> 00:15:04,270 10匹以上の人間を守りながら 行動するというのは➨ 227 00:15:04,270 --> 00:15:07,940 相当に 難しいだろう 貴重な経験だ。 228 00:15:07,940 --> 00:15:10,443 この2匹も 私も居る。 229 00:15:10,443 --> 00:15:12,612 胸を借りるつもりで 受ければいい…。 230 00:15:12,612 --> 00:15:14,614 ふいっ!? 231 00:15:14,614 --> 00:15:16,616 (2人)あ…。 232 00:15:16,616 --> 00:15:18,618 あっはっはっはっ! 233 00:15:18,618 --> 00:15:21,454 いやぁ この人は 小動物が好きでして➨ 234 00:15:21,454 --> 00:15:25,458 さっきから黒猫殿を 触りたいと思っていたようで。 235 00:15:25,458 --> 00:15:28,461 話していて 隙ができたんだ! 236 00:15:28,461 --> 00:15:31,798 (スタン)こんな経験は貴重ですな。 師匠殿! あっはっはっはっ! 237 00:15:31,798 --> 00:15:33,800 笑っとらんでやめさしぇる…! 238 00:15:33,800 --> 00:15:38,638 はは… 改めて 提案を引き受けます。 239 00:15:38,638 --> 00:15:42,475 ありがたい 頼むよ 黒猫殿も。 240 00:15:42,475 --> 00:15:47,146 まへ いつまれ こおひているきらっ こらっ…! 241 00:15:47,146 --> 00:15:51,651 みんな集まったかな? 薬草にも色々あるけど➨ 242 00:15:51,651 --> 00:15:56,155 すべてに共通するのは 魔獣の糞や亡骸なんかのそばに➨ 243 00:15:56,155 --> 00:15:58,324 生えるということなんだ。 244 00:15:58,324 --> 00:16:02,929 つまり 薬草は魔獣がいる ところでしか採れないってこと。 245 00:16:02,929 --> 00:16:06,599 だから 僕たち 冒険者がお金を もらって採りに行くわけだね。 246 00:16:06,599 --> 00:16:09,936 さて そこの君 ちょっとこっちへ。 247 00:16:09,936 --> 00:16:11,938 はい。 そこに立って。 248 00:16:14,273 --> 00:16:17,610 ああああ…! 何するんですかっ!? 249 00:16:17,610 --> 00:16:21,280 あっはっは ちょっと 反応が遅すぎるな。 250 00:16:21,280 --> 00:16:26,285 常に気を張ってないとダメだよ。 って それは いいとして➨ 251 00:16:26,285 --> 00:16:28,955 傷薬を使ってみてくれるかな? 252 00:16:28,955 --> 00:16:33,125 どこの街でも手に入る おなじみのやつ。 253 00:16:33,125 --> 00:16:36,796 ♬~ 254 00:16:36,796 --> 00:16:39,131 うん 血は止まったね。 255 00:16:39,131 --> 00:16:43,135 一昼夜もすれば このくらいの 傷は綺麗に治るよね。 256 00:16:43,135 --> 00:16:47,473 じゃあ もう一度 今度は この薬を使ってみて。 257 00:16:47,473 --> 00:16:53,479 同じ薬なんだけどね この街で作られたものだ。 258 00:16:53,479 --> 00:16:55,481 あぁ…。 259 00:16:55,481 --> 00:16:57,483 (一同)おぉ~! 260 00:16:57,483 --> 00:17:01,587 全然 違う薬みたい…。 わかってもらえたかな? 261 00:17:01,587 --> 00:17:04,757 傷薬の効果は 質に左右されるんだ。 262 00:17:04,757 --> 00:17:08,594 使っている薬草の品種も 製法もほとんど同じ。 263 00:17:08,594 --> 00:17:11,931 違うのは薬草の質と調剤師の腕だ。 264 00:17:11,931 --> 00:17:16,435 まあ 値段は高いけど こっちが欲しいよね。 265 00:17:16,435 --> 00:17:19,272 で こっちの薬を 作れるかどうかは➨ 266 00:17:19,272 --> 00:17:21,941 君たちの採集の仕方に かかっているんだ。 267 00:17:21,941 --> 00:17:24,610 (一同)はい! 268 00:17:24,610 --> 00:17:26,779 正しい採集をした 薬草が多いほど➨ 269 00:17:26,779 --> 00:17:29,615 この街の調剤師も いい仕事ができる。 270 00:17:29,615 --> 00:17:31,617 うちの奥さんもね。 271 00:17:33,619 --> 00:17:37,290 あ こちらが 僕の奥さん 調剤師。 272 00:17:37,290 --> 00:17:39,292 (一同)はあ!? 273 00:17:43,129 --> 00:17:46,465 あはは! 調剤師に見えないかい? 274 00:17:46,465 --> 00:17:51,137 彼女は冒険者でもあるからね。 すごく強いんだよ。 275 00:17:51,137 --> 00:17:53,639 おう 戦士だと思っていたぞ…。 276 00:17:53,639 --> 00:17:57,476 夫婦なのも びっくりだが 見た目で判断してはいけないな。 277 00:17:57,476 --> 00:18:01,414 師匠殿。 う うむ…。 278 00:18:01,414 --> 00:18:06,085 薬草を採集するときは 必ず根っこまで全部 採ること。 279 00:18:06,085 --> 00:18:08,921 根を残さないように! 280 00:18:08,921 --> 00:18:14,593 残った根が魔物と化して徘徊する なんてこともあるからね。 281 00:18:14,593 --> 00:18:16,929 ええ~っ! こわっ! 282 00:18:16,929 --> 00:18:19,599 だから 土ごと掘り起こしてから➨ 283 00:18:19,599 --> 00:18:22,435 水で そっと土を流す。 284 00:18:22,435 --> 00:18:27,273 みんな 水筒は持ってきたね? 魔法で水を出してもいいよ。 285 00:18:27,273 --> 00:18:30,943 土を落としたら 傷つかないように布に包んで…。 286 00:18:30,943 --> 00:18:33,112 あとは ギルドに持っていけばいい。 287 00:18:33,112 --> 00:18:38,451 色々言ったけど とにかく丁重に 扱いさえすれば大丈夫だよ。 288 00:18:38,451 --> 00:18:40,620 早速 実践してみようか。 289 00:18:40,620 --> 00:18:46,459 僕が合図するまで そうだな 真昼までに この近くで…。 290 00:18:46,459 --> 00:18:48,961 最低ひとり一株は採ってみて! 291 00:18:48,961 --> 00:18:51,964 じゃあ 始めっ! 292 00:18:53,966 --> 00:18:55,968 よおし! 293 00:18:58,971 --> 00:19:02,241 (スタン)見つけた! まず一株! 294 00:19:02,241 --> 00:19:06,078 そして 採集ばかりでなく 万が一の時のため➨ 295 00:19:06,078 --> 00:19:08,748 周囲にも気を配らなくては。 296 00:19:08,748 --> 00:19:12,251 これは なかなか 難しい課題だぞ 師匠殿! 297 00:19:12,251 --> 00:19:14,420 じつにいい! 298 00:19:14,420 --> 00:19:16,756 冒険というのは 困難であればあるほど➨ 299 00:19:16,756 --> 00:19:19,425 成し遂げた時に 英雄に近づこうというものだ! 300 00:19:19,425 --> 00:19:21,761 お~! 301 00:19:21,761 --> 00:19:24,263 《まあ このあたり クマほど厄介なものは➨ 302 00:19:24,263 --> 00:19:26,432 出てこないだろうが…。 303 00:19:26,432 --> 00:19:30,269 そうはいかんか…。 304 00:19:30,269 --> 00:19:32,938 あれは イワワリオオワシだ。 305 00:19:32,938 --> 00:19:35,741 これは 厄介な魔物だ》 306 00:19:46,285 --> 00:19:48,788 《初心者が倒せる相手ではない。 307 00:19:48,788 --> 00:19:50,790 私と王子で ワシを引きつけ➨ 308 00:19:50,790 --> 00:19:55,494 その隙に近くの受講生に呼びかけ 教官役の2人に連絡を…》 309 00:19:57,963 --> 00:19:59,965 (スタン)はぁ! 310 00:20:05,471 --> 00:20:08,307 フッ…! 311 00:20:08,307 --> 00:20:10,976 今… 雷が? 312 00:20:10,976 --> 00:20:12,978 《は… 早! 313 00:20:12,978 --> 00:20:15,147 飛ぶ魔獣を 相手にしたのは初めてだ。 314 00:20:15,147 --> 00:20:18,150 電撃の魔法を選んだのは正しい。 315 00:20:18,150 --> 00:20:20,820 そして いきなり成功させた…。 316 00:20:20,820 --> 00:20:23,322 実行してやろうという豪胆さと➨ 317 00:20:23,322 --> 00:20:26,659 成功させる技術とを 持ちあわせている》 318 00:20:26,659 --> 00:20:31,330 おお 師匠殿! 悪いんだけど ここにいてくれないかな? 319 00:20:31,330 --> 00:20:34,166 かまわんが お前は何処へ行くのだ? 320 00:20:34,166 --> 00:20:36,502 決まってるだろう! 薬草を採らねば。 321 00:20:36,502 --> 00:20:39,171 え…。 322 00:20:39,171 --> 00:20:41,340 魔獣の1匹や2匹に 襲われたからといって➨ 323 00:20:41,340 --> 00:20:44,677 おくれを取るようでは 英雄たりえんだろう! 324 00:20:44,677 --> 00:20:49,515 やはり ここは 今日一番の 収穫をあげて見せねばならん! 325 00:20:49,515 --> 00:20:51,684 《あ~》 326 00:20:51,684 --> 00:20:56,188 黒猫殿 ありがとう! ケガ人は? 327 00:20:56,188 --> 00:21:00,126 これは すごいなぁ。 328 00:21:00,126 --> 00:21:02,962 7株! 最高記録だ。 329 00:21:02,962 --> 00:21:06,065 (冒険者たち)おお~! ははは…。 330 00:21:09,301 --> 00:21:11,804 また近くに来たら寄ってよ。 331 00:21:11,804 --> 00:21:13,973 薬草集めの英雄くん! 332 00:21:13,973 --> 00:21:16,642 うっ… 英雄は英雄でも なんか違う…。 333 00:21:16,642 --> 00:21:19,812 けど 必ず寄ります! 334 00:21:19,812 --> 00:21:23,315 フ~ッ! 335 00:21:23,315 --> 00:21:25,651 (スタン)師匠殿! 336 00:21:25,651 --> 00:21:28,654 挨拶代わりに ちょっとだけ撫でて。 337 00:21:28,654 --> 00:21:30,856 耳の後ろとかそっと。 338 00:21:37,830 --> 00:21:41,534 ハァ~! 339 00:21:44,837 --> 00:21:48,340 ケットシーに選ばれた人間を 何人か見たことがあるけど➨ 340 00:21:48,340 --> 00:21:51,010 彼は ひときわ ユニークな子だね。 341 00:21:51,010 --> 00:21:54,680 どんな人物に 成長するのか楽しみだ。 342 00:21:54,680 --> 00:21:58,184 念願の英雄になれてよかったな。 343 00:21:58,184 --> 00:22:02,087 ああ! これも本物の 英雄への一歩だ!