1 00:00:34,268 --> 00:00:36,770 <森の猫は何かに長けた➡ 2 00:00:36,770 --> 00:00:39,773 心根の優しい おもしろい人間が好きだ。 3 00:00:39,773 --> 00:00:43,443 そんな人間は 多くが王城にいるもので➡ 4 00:00:43,443 --> 00:00:47,614 森の猫も王城住まいのものが 多いわけだが➡ 5 00:00:47,614 --> 00:00:52,286 どこの世界にも 変わり者というのはいるもので> 6 00:00:52,286 --> 00:00:55,289 《ハイブチ:私の寝床は ここ。 7 00:00:55,289 --> 00:00:58,625 街を見下ろす大鐘楼だ》 8 00:00:58,625 --> 00:01:12,339 ♬~ 9 00:02:55,275 --> 00:02:58,779 にゃあん。 なぁお。 10 00:02:58,779 --> 00:03:01,615 《彼らは 街の普通の猫。 11 00:03:01,615 --> 00:03:04,451 我々と違って 魔法は使えない。 12 00:03:04,451 --> 00:03:07,788 人間の言葉も話さない》 13 00:03:07,788 --> 00:03:11,625 おお ハイブチ! お前さんも早いな! なぁ~お。 14 00:03:11,625 --> 00:03:14,294 《彼は飯屋の店主だ》 15 00:03:14,294 --> 00:03:16,463 よしよし いいもんやる。 16 00:03:16,463 --> 00:03:18,665 ほら いくぞ~! 17 00:03:20,967 --> 00:03:25,138 はははは…! あいかわらず お前さんは器用だな。 18 00:03:25,138 --> 00:03:28,475 《もう おわかりかと思うが 私は この街では➡ 19 00:03:28,475 --> 00:03:31,478 普通の猫として暮らしているのだ。 20 00:03:31,478 --> 00:03:34,081 そのほうが人間は 普通通りの姿を➡ 21 00:03:34,081 --> 00:03:36,083 見せてくれるからである》 22 00:03:36,083 --> 00:03:38,919 どれ もう一枚やろうか。 23 00:03:38,919 --> 00:03:41,088 アンタ! あっ!? 24 00:03:41,088 --> 00:03:46,093 忘れてたキャベツも出しとくれ! お おう わかった わかった! 25 00:03:46,093 --> 00:03:49,429 《おっと… 店主の女房殿だ。 26 00:03:49,429 --> 00:03:52,599 彼女は この辺では珍しいエルフ。 27 00:03:52,599 --> 00:03:56,269 私が森の猫だと 見抜いてしまいかねない…。 28 00:03:56,269 --> 00:03:58,605 さっさと退散しよう》 29 00:03:58,605 --> 00:04:01,608 な~お! 30 00:04:01,608 --> 00:04:04,111 おう ハイブチ またなあ! 31 00:04:09,449 --> 00:04:11,785 わぁ 緊張する~。 にゃ? 32 00:04:11,785 --> 00:04:16,456 《ハイブチ:少年少女の4人組。 普段持ち歩かない武器。 33 00:04:16,456 --> 00:04:18,792 てんで バラバラの服。 34 00:04:18,792 --> 00:04:21,461 駆け出しの冒険者たちだな。 35 00:04:21,461 --> 00:04:26,967 しょしんしゃのもりに 行くのであろうとすると…。 36 00:04:26,967 --> 00:04:29,636 いた いた! 37 00:04:29,636 --> 00:04:31,972 彼女は ミケミケ。 38 00:04:31,972 --> 00:04:35,742 森に住む猫で ギルドの受付嬢の友人なのだ》 39 00:04:35,742 --> 00:04:37,744 (ミケミケ)な? 40 00:04:37,744 --> 00:04:39,746 にゃおにゃお~! 41 00:04:39,746 --> 00:04:42,249 今日も冒険者たちの お目付役かい? 42 00:04:42,249 --> 00:04:46,253 ニャオ… ニャオ ニャオ…。 43 00:04:46,253 --> 00:04:50,590 ええ おせっかいで 心配性な友人に頼みこまれて…。 44 00:04:50,590 --> 00:04:54,427 さぁ 出発だ! おう! 45 00:04:54,427 --> 00:04:59,933 《愚痴りながらも 彼女は いつも 受付嬢のお願いを聞いて➡ 46 00:04:59,933 --> 00:05:04,938 冒険者たちを そっと見守り 問題があれば助けている。 47 00:05:04,938 --> 00:05:09,442 彼女と受付嬢は なんとも似合いの友人同士だ》 48 00:05:12,279 --> 00:05:14,614 《さて 今日は 他に➡ 49 00:05:14,614 --> 00:05:17,951 どんな おもしろい 人間がいるかな? 50 00:05:17,951 --> 00:05:19,953 この人間は…? 51 00:05:19,953 --> 00:05:22,956 ああ 新聞記者だな。 52 00:05:22,956 --> 00:05:27,961 なぜかって ほら 辺りを見回す 視線が鋭く➡ 53 00:05:27,961 --> 00:05:32,132 指には ペンだこと インク汚れの染みが。 54 00:05:32,132 --> 00:05:35,569 靴の底は 何度も 張り替えたらしく➡ 55 00:05:35,569 --> 00:05:38,071 素材の色合いが合ってない。 56 00:05:38,071 --> 00:05:40,574 服装は 地味で目立たない。 57 00:05:40,574 --> 00:05:45,745 様々な場面に溶け込んで スクープを狙う新聞記者…。 58 00:05:45,745 --> 00:05:49,082 ぬ? 地味で 様々な場所に溶け込む? 59 00:05:49,082 --> 00:05:53,086 待てよ それは 人間の書物でしか知らないが➡ 60 00:05:53,086 --> 00:05:56,089 もしかして スパイとか いうやつなのではないか!? 61 00:05:56,089 --> 00:05:58,592 おもしろいぞ! 62 00:05:58,592 --> 00:06:03,296 スパイめ よおし 今日は この人間を尾行だ》 63 00:06:05,765 --> 00:06:08,101 《ここは 職人通り。 64 00:06:08,101 --> 00:06:13,607 鍛冶職人や家具職人などが 軒を連ねる通りだ。 65 00:06:13,607 --> 00:06:18,278 この国の最新の武器を 入手しに来たのか?》 66 00:06:18,278 --> 00:06:23,617 あの お仕事中すみません。 新聞社の者なのですが…。 67 00:06:23,617 --> 00:06:25,952 ええ 新聞? はい。 68 00:06:25,952 --> 00:06:30,290 《おっと! やはり 新聞記者を騙るか!?》 69 00:06:30,290 --> 00:06:33,894 今 評判の椅子について 記事にしたいのです。 70 00:06:33,894 --> 00:06:36,563 《んっ 椅子?》 あっ あれっ! 71 00:06:36,563 --> 00:06:39,733 アンタ あの角の三男坊? 72 00:06:39,733 --> 00:06:42,902 あっ そうです! 前の親方が亡くなってから➡ 73 00:06:42,902 --> 00:06:47,407 見ないねって言ってたのよ! へぇ~ 新聞記者? 74 00:06:47,407 --> 00:06:52,078 はい 兄たちから お前は 好きなことをしろって言われて。 75 00:06:52,078 --> 00:06:56,583 はぁ すごいな。 いえ これが初仕事なんで…。 76 00:06:56,583 --> 00:06:58,752 《うむ スパイではなかったか。 77 00:06:58,752 --> 00:07:01,087 ちょっと残念。 78 00:07:01,087 --> 00:07:05,258 しかし ずいぶん 街の生活に 密着した記事を書くのだな。 79 00:07:05,258 --> 00:07:09,262 彼の書く記事を 読むのが楽しみだぞ》 80 00:07:13,933 --> 00:07:16,937 なぁお~! 81 00:07:16,937 --> 00:07:18,938 ん? おぉ! 82 00:07:18,938 --> 00:07:22,609 ああ 申し訳ないが 少し腹が空いていてだね…。 83 00:07:22,609 --> 00:07:26,112 おっと そうだったか。 それじゃあ…。 84 00:07:26,112 --> 00:07:33,053 ここだ ここは何ヶ月かぶりだから それなりにいると思うんだが。 85 00:07:33,053 --> 00:07:36,556 こういう倉庫は いくら きちんと つくっても➡ 86 00:07:36,556 --> 00:07:38,892 入ってきてしまうんだねぇ。 87 00:07:38,892 --> 00:07:42,062 よろしく頼むよ。 88 00:07:42,062 --> 00:07:45,231 《人間の食べ物を 貯蔵するところは➡ 89 00:07:45,231 --> 00:07:49,235 少しの隙間もなく つくられているはずなのに➡ 90 00:07:49,235 --> 00:07:51,738 それでも いつの間にか入りこみ➡ 91 00:07:51,738 --> 00:07:54,074 食料を食い荒らしているのが➡ 92 00:07:54,074 --> 00:07:57,911 ネズミという動物の 恐ろしいところだ》 93 00:07:57,911 --> 00:08:06,753 ♬~ 94 00:08:06,753 --> 00:08:09,923 お~ ずいぶん 捕まえたみたいだね。 95 00:08:09,923 --> 00:08:11,925 おなかが重たそうだ。 96 00:08:11,925 --> 00:08:14,594 ん~ 少し 食べ過ぎてしまったかな。 97 00:08:14,594 --> 00:08:19,099 げっぷがでそう… うっ くるしい。 98 00:08:19,099 --> 00:08:22,769 ははは! 宙を蹴って帰れるかい? 99 00:08:22,769 --> 00:08:25,605 (ハイブチ)も もちろんだ。 気をつけてなぁ。 100 00:08:25,605 --> 00:08:27,941 また いつでも寄ってくれ! 101 00:08:27,941 --> 00:08:30,777 ネズミは いくらでも出てくるからね。 102 00:08:30,777 --> 00:08:33,546 《ゴミは ゴミ捨て場へ。 103 00:08:33,546 --> 00:08:37,884 ネズミの血や食い残しで 倉庫を汚す訳にはいかない。 104 00:08:37,884 --> 00:08:41,054 その辺を きちんと配慮して 狩りをするのだ。 105 00:08:41,054 --> 00:08:44,257 街に住む森の猫はね》 106 00:08:46,226 --> 00:08:49,562 《今日の人間たちの活動も終わり。 107 00:08:49,562 --> 00:08:53,900 食い溜めのおかげで 数日は 人間観察に集中できるだろう。 108 00:08:53,900 --> 00:08:55,902 おっ。 109 00:08:55,902 --> 00:08:59,572 おや 教育係の彼女 戻ってきたのか》 110 00:08:59,572 --> 00:09:01,741 なゃお。 にゃ? 111 00:09:01,741 --> 00:09:03,910 にゃおお。 112 00:09:03,910 --> 00:09:06,079 《じゃあ 彼らも?》 113 00:09:06,079 --> 00:09:08,415 いや~ よかった よかった! 114 00:09:08,415 --> 00:09:10,750 助かったよ! 115 00:09:10,750 --> 00:09:12,919 《おやおや いいね。 116 00:09:12,919 --> 00:09:17,424 まるで 初めて 狩りに 成功した子猫のような顔だ》 117 00:09:17,424 --> 00:09:21,428 にゃおお。 な~お。 118 00:09:21,428 --> 00:09:24,431 《どうやら あの 駆け出し冒険者たちは➡ 119 00:09:24,431 --> 00:09:29,269 人を見る目の厳しい彼女から 及第点をもらったようだ。 120 00:09:29,269 --> 00:09:33,206 ふふ… 駆け出し新聞記者に 駆け出し冒険者たち。 121 00:09:33,206 --> 00:09:35,875 彼らは どんな 成長を遂げるだろう。 122 00:09:35,875 --> 00:09:37,877 楽しみでしかたがない。 123 00:09:37,877 --> 00:09:39,879 さて…。 124 00:09:39,879 --> 00:09:42,882 私も寝床に帰るとしよう》 125 00:09:42,882 --> 00:09:47,554 ♬~ 126 00:09:47,554 --> 00:09:50,557 おっ ありゃ ハイブチじゃないか! 127 00:09:50,557 --> 00:09:52,725 ハイブチ? 128 00:09:52,725 --> 00:09:54,727 朝 早くによくエサを…。 129 00:09:54,727 --> 00:09:58,398 あっ いや…。 挨拶しにきてくれるんだよ。 130 00:09:58,398 --> 00:10:02,402 かわいいだろう? 野良だろうが頭もいい! 131 00:10:02,402 --> 00:10:04,737 ふうん…。 132 00:10:04,737 --> 00:10:08,408 あの猫に好かれてるなら アンタ なによりだ。 133 00:10:08,408 --> 00:10:11,244 え…? 134 00:10:11,244 --> 00:10:13,246 うれしいことだよ。 135 00:10:17,584 --> 00:10:19,752 (スタン)ゴク…。 136 00:10:19,752 --> 00:10:21,754 (スタン)ごちそうさまでした! 137 00:10:21,754 --> 00:10:24,591 《クロバネ:我が弟子は 今日も同じ朝食だ。 138 00:10:24,591 --> 00:10:28,595 堅焼きパンに 油紙で包まれたチーズ。 139 00:10:28,595 --> 00:10:31,097 木片のような硬い干し肉。 140 00:10:31,097 --> 00:10:34,434 王族出身の口には 合わないだろうに》 141 00:10:34,434 --> 00:10:38,104 うむ 今日も冒険者らしい 朝食を堪能した! 142 00:10:38,104 --> 00:10:40,273 それはよかった…。 143 00:10:40,273 --> 00:10:43,443 冒険者らしいと言えば アレをやってないな。 144 00:10:43,443 --> 00:10:45,445 ん? 145 00:10:45,445 --> 00:10:49,115 初心者の冒険者がやる 冒険といえば 薬草採集! 146 00:10:49,115 --> 00:10:51,618 なっ…。 147 00:10:51,618 --> 00:10:54,621 決めたぞ 師匠殿! 次は 薬草採集だ! 148 00:10:54,621 --> 00:10:57,790 やる必要があるか…? 149 00:10:57,790 --> 00:11:01,461 薬草採集ですか? 150 00:11:01,461 --> 00:11:05,298 では まず 講習を 受けていただく事になりますが。 151 00:11:05,298 --> 00:11:08,134 え 講習!? 152 00:11:08,134 --> 00:11:11,804 (スタン)まさか 薬草採集に 講習があるとは…。 153 00:11:11,804 --> 00:11:14,641 普通はないのだな? 154 00:11:14,641 --> 00:11:18,978 聞いたことがないな。 このあたりは特別らしい。 155 00:11:18,978 --> 00:11:23,316 で 講習は明日なので 今日は 買い物だ。 156 00:11:23,316 --> 00:11:26,319 また 恐ろしく 硬いパンでも買い足すのか? 157 00:11:26,319 --> 00:11:28,821 マントだよ マント! 158 00:11:28,821 --> 00:11:32,592 (スタン)王宮でのマントは 飾りとしか思わなかったが➡ 159 00:11:32,592 --> 00:11:35,595 冒険者ならば 装備せねばなるまい! 160 00:11:35,595 --> 00:11:41,434 では 私は 昼寝場所でも探すとしよう。 161 00:11:41,434 --> 00:11:44,137 らっしゃ~い。 (ドアの開閉音) 162 00:11:48,441 --> 00:11:51,778 おお~ いいぞ! この実用一辺倒なマント。 163 00:11:51,778 --> 00:11:53,780 買いだ。 164 00:11:53,780 --> 00:11:56,783 他の品も地味だが 実用的なものばかり! 165 00:11:56,783 --> 00:12:00,620 いい店だ! アンタ なんで こんな店にいるんだ? 166 00:12:00,620 --> 00:12:02,789 ん? 167 00:12:02,789 --> 00:12:04,791 いや 俺も昔は冒険者でな。 168 00:12:04,791 --> 00:12:07,961 見りゃあ 少しは 腕前が分かるもんだからよ。 169 00:12:07,961 --> 00:12:11,631 アンタぐらいの腕なら ここにあるような安もん➡ 170 00:12:11,631 --> 00:12:13,800 買わねぇでもいいだろ? 171 00:12:13,800 --> 00:12:18,805 《元冒険者に認められる喜び! 嬉しい! むっちゃ嬉しい! 172 00:12:18,805 --> 00:12:23,476 日常の所作を見ただけで レベル測れるなんて かっこいい! 173 00:12:23,476 --> 00:12:25,979 く~ これだよ! こういう世界に➡ 174 00:12:25,979 --> 00:12:28,481 身を置きたかったんだよ~!》 175 00:12:28,481 --> 00:12:34,087 いや いや 見ての通り 自分は 駆けだしで金もないですし! 176 00:12:34,087 --> 00:12:38,591 ああ… まあ うちは値段の割に 使えるもん揃ってっから➡ 177 00:12:38,591 --> 00:12:40,927 ゆっくり見てってくれや。 178 00:12:40,927 --> 00:12:43,096 ありがとうございます! 179 00:12:43,096 --> 00:12:46,933 《憧れていた冒険者。 180 00:12:46,933 --> 00:12:51,938 実力はある。 しかし 経験はまだまだ》 181 00:12:51,938 --> 00:12:55,775 (スタン)クロバネ 師匠殿! なんだ? 182 00:12:55,775 --> 00:12:58,611 私は 今晩 ここで過ごす。 183 00:12:58,611 --> 00:13:01,614 そうしたいでしょうが 明日は講習! 184 00:13:01,614 --> 00:13:05,118 きっと多くの冒険者たちと 顔を合わせるわけで! 185 00:13:05,118 --> 00:13:10,623 お前がな。 (スタン)師匠もです! 186 00:13:10,623 --> 00:13:14,293 さあ! 宿に向かおう! 宿でさっぱりしよう! 187 00:13:14,293 --> 00:13:19,298 (スタン)ほら クロバネ! 師匠殿! 《経験といえば…》 188 00:13:19,298 --> 00:13:21,634 (スタン)し~しょ~ど~の~! 189 00:13:21,634 --> 00:13:23,936 (お湯をかけられる音) 190 00:13:26,639 --> 00:13:30,643 こんな立派な湯船は久しぶりだ。 なあ クロバネ! 191 00:13:30,643 --> 00:13:34,414 《いくら経験しようが 私は どうも風呂だけは➡ 192 00:13:34,414 --> 00:13:36,582 いまだに慣れない》 193 00:13:36,582 --> 00:13:40,253 実は マントを手に入れただけでなく その後 酒場で➡ 194 00:13:40,253 --> 00:13:42,755 情報収集もしたのだぞ! 195 00:13:42,755 --> 00:13:46,592 明日には 講習を受けて 薬草採集もできるし➡ 196 00:13:46,592 --> 00:13:50,596 これで 私も一点の 曇りもない冒険者だ! 197 00:13:50,596 --> 00:13:53,933 (スタン)英雄に近づいたぞ! わ~はっはっはっはっ! 198 00:13:53,933 --> 00:13:59,439 《クロバネ:そして 王子の豪快すぎる 笑い方も直らないままだ》 199 00:14:08,281 --> 00:14:10,616 初心者らしい面々だ。 200 00:14:10,616 --> 00:14:12,618 うむ。 201 00:14:12,618 --> 00:14:16,122 (スタン)でも あそこの2人は違う。 (クロバネ)そうだな。 202 00:14:16,122 --> 00:14:18,291 おはよう! 203 00:14:18,291 --> 00:14:21,961 まさか こんなところで 森に住む猫と その友人に➡ 204 00:14:21,961 --> 00:14:25,798 会えるとは思わなかった。 君たちも受講するのかな? 205 00:14:25,798 --> 00:14:30,470 はい お世話になります。 ただ この方は友人ではなく➡ 206 00:14:30,470 --> 00:14:33,239 師匠殿なんですよ。 207 00:14:33,239 --> 00:14:37,410 (スタン)友人にしていただくには 私は まだまだ未熟なものでして。 208 00:14:37,410 --> 00:14:40,246 あははは! 驚いた! 209 00:14:40,246 --> 00:14:42,582 そういう関係もあるんだね。 210 00:14:42,582 --> 00:14:46,786 君ぐらいの使い手でも 彼のお眼鏡にはかなわないわけだ。 211 00:14:50,423 --> 00:14:52,759 (スタン)使い手ってのは 大げさですよ。 212 00:14:52,759 --> 00:14:55,094 まだまだ半人前ですから。 213 00:14:55,094 --> 00:14:57,096 まぁ 君の師匠から見れば➡ 214 00:14:57,096 --> 00:15:00,433 君も僕も まだまだ未熟かな。 215 00:15:00,433 --> 00:15:03,102 (スタン)そっち なにしてるの? 216 00:15:03,102 --> 00:15:06,272 そうそう 忘れるところだった。 ん? 217 00:15:06,272 --> 00:15:09,108 君たちに ちょっと お手伝いを頼みたいんだ。 218 00:15:09,108 --> 00:15:11,277 はい? 219 00:15:11,277 --> 00:15:14,447 教官役の僕たち2人で 十数名を見るわけで➡ 220 00:15:14,447 --> 00:15:17,784 そんなに危険なところには 行かないけど➡ 221 00:15:17,784 --> 00:15:20,953 もしもの時の対処を 手伝ってもらいたいんだ。 222 00:15:20,953 --> 00:15:25,124 なるほど! 師匠殿もいれば 頼もしいでしょうね。 223 00:15:25,124 --> 00:15:27,460 え~と。 224 00:15:27,460 --> 00:15:31,130 おもしろい話だ 受けろ。 225 00:15:31,130 --> 00:15:33,065 おっ。 226 00:15:33,065 --> 00:15:36,569 10匹以上の人間を守りながら 行動するというのは➡ 227 00:15:36,569 --> 00:15:40,239 相当に 難しいだろう 貴重な経験だ。 228 00:15:40,239 --> 00:15:42,742 この2匹も 私も居る。 229 00:15:42,742 --> 00:15:44,911 胸を借りるつもりで 受ければいい…。 230 00:15:44,911 --> 00:15:46,913 ふいっ!? 231 00:15:46,913 --> 00:15:48,915 (2人)あ…。 232 00:15:48,915 --> 00:15:50,917 あっはっはっはっ! 233 00:15:50,917 --> 00:15:53,753 いやぁ この人は 小動物が好きでして➡ 234 00:15:53,753 --> 00:15:57,757 さっきから黒猫殿を 触りたいと思っていたようで。 235 00:15:57,757 --> 00:16:00,760 話していて 隙ができたんだ! 236 00:16:00,760 --> 00:16:04,096 (スタン)こんな経験は貴重ですな。 師匠殿! あっはっはっはっ! 237 00:16:04,096 --> 00:16:06,098 笑っとらんでやめさしぇる…! 238 00:16:06,098 --> 00:16:10,937 はは… 改めて 提案を引き受けます。 239 00:16:10,937 --> 00:16:14,774 ありがたい 頼むよ 黒猫殿も。 240 00:16:14,774 --> 00:16:19,445 まへ いつまれ こおひているきらっ こらっ…! 241 00:16:19,445 --> 00:16:23,950 みんな集まったかな? 薬草にも色々あるけど➡ 242 00:16:23,950 --> 00:16:28,454 すべてに共通するのは 魔獣の糞や亡骸なんかのそばに➡ 243 00:16:28,454 --> 00:16:30,623 生えるということなんだ。 244 00:16:30,623 --> 00:16:35,228 つまり 薬草は魔獣がいる ところでしか採れないってこと。 245 00:16:35,228 --> 00:16:38,898 だから 僕たち 冒険者がお金を もらって採りに行くわけだね。 246 00:16:38,898 --> 00:16:42,235 さて そこの君 ちょっとこっちへ。 247 00:16:42,235 --> 00:16:44,237 はい。 そこに立って。 248 00:16:46,572 --> 00:16:49,909 ああああ…! 何するんですかっ!? 249 00:16:49,909 --> 00:16:53,579 あっはっは ちょっと 反応が遅すぎるな。 250 00:16:53,579 --> 00:16:58,584 常に気を張ってないとダメだよ。 って それは いいとして➡ 251 00:16:58,584 --> 00:17:01,254 傷薬を使ってみてくれるかな? 252 00:17:01,254 --> 00:17:05,424 どこの街でも手に入る おなじみのやつ。 253 00:17:05,424 --> 00:17:09,095 ♬~ 254 00:17:09,095 --> 00:17:11,430 うん 血は止まったね。 255 00:17:11,430 --> 00:17:15,434 一昼夜もすれば このくらいの 傷は綺麗に治るよね。 256 00:17:15,434 --> 00:17:19,772 じゃあ もう一度 今度は この薬を使ってみて。 257 00:17:19,772 --> 00:17:25,778 同じ薬なんだけどね この街で作られたものだ。 258 00:17:25,778 --> 00:17:27,780 あぁ…。 259 00:17:27,780 --> 00:17:29,782 (一同)おぉ~! 260 00:17:29,782 --> 00:17:33,886 全然 違う薬みたい…。 わかってもらえたかな? 261 00:17:33,886 --> 00:17:37,056 傷薬の効果は 質に左右されるんだ。 262 00:17:37,056 --> 00:17:40,893 使っている薬草の品種も 製法もほとんど同じ。 263 00:17:40,893 --> 00:17:44,230 違うのは薬草の質と調剤師の腕だ。 264 00:17:44,230 --> 00:17:48,734 まあ 値段は高いけど こっちが欲しいよね。 265 00:17:48,734 --> 00:17:51,571 で こっちの薬を 作れるかどうかは➡ 266 00:17:51,571 --> 00:17:54,240 君たちの採集の仕方に かかっているんだ。 267 00:17:54,240 --> 00:17:56,909 (一同)はい! 268 00:17:56,909 --> 00:17:59,078 正しい採集をした 薬草が多いほど➡ 269 00:17:59,078 --> 00:18:01,914 この街の調剤師も いい仕事ができる。 270 00:18:01,914 --> 00:18:03,916 うちの奥さんもね。 271 00:18:05,918 --> 00:18:09,589 あ こちらが 僕の奥さん 調剤師。 272 00:18:09,589 --> 00:18:11,591 (一同)はあ!? 273 00:18:15,428 --> 00:18:18,764 あはは! 調剤師に見えないかい? 274 00:18:18,764 --> 00:18:23,436 彼女は冒険者でもあるからね。 すごく強いんだよ。 275 00:18:23,436 --> 00:18:25,938 おう 戦士だと思っていたぞ…。 276 00:18:25,938 --> 00:18:29,775 夫婦なのも びっくりだが 見た目で判断してはいけないな。 277 00:18:29,775 --> 00:18:33,713 師匠殿。 う うむ…。 278 00:18:33,713 --> 00:18:38,384 薬草を採集するときは 必ず根っこまで全部 採ること。 279 00:18:38,384 --> 00:18:41,220 根を残さないように! 280 00:18:41,220 --> 00:18:46,892 残った根が魔物と化して徘徊する なんてこともあるからね。 281 00:18:46,892 --> 00:18:49,228 ええ~っ! こわっ! 282 00:18:49,228 --> 00:18:51,897 だから 土ごと掘り起こしてから➡ 283 00:18:51,897 --> 00:18:54,734 水で そっと土を流す。 284 00:18:54,734 --> 00:18:59,572 みんな 水筒は持ってきたね? 魔法で水を出してもいいよ。 285 00:18:59,572 --> 00:19:03,242 土を落としたら 傷つかないように布に包んで…。 286 00:19:03,242 --> 00:19:05,411 あとは ギルドに持っていけばいい。 287 00:19:05,411 --> 00:19:10,750 色々言ったけど とにかく丁重に 扱いさえすれば大丈夫だよ。 288 00:19:10,750 --> 00:19:12,918 早速 実践してみようか。 289 00:19:12,918 --> 00:19:18,758 僕が合図するまで そうだな 真昼までに この近くで…。 290 00:19:18,758 --> 00:19:21,260 最低ひとり一株は採ってみて! 291 00:19:21,260 --> 00:19:24,263 じゃあ 始めっ! 292 00:19:26,265 --> 00:19:28,267 よおし! 293 00:19:31,270 --> 00:19:34,540 (スタン)見つけた! まず一株! 294 00:19:34,540 --> 00:19:38,377 そして 採集ばかりでなく 万が一の時のため➡ 295 00:19:38,377 --> 00:19:41,047 周囲にも気を配らなくては。 296 00:19:41,047 --> 00:19:44,550 これは なかなか 難しい課題だぞ 師匠殿! 297 00:19:44,550 --> 00:19:46,719 じつにいい! 298 00:19:46,719 --> 00:19:49,055 冒険というのは 困難であればあるほど➡ 299 00:19:49,055 --> 00:19:51,724 成し遂げた時に 英雄に近づこうというものだ! 300 00:19:51,724 --> 00:19:54,060 お~! 301 00:19:54,060 --> 00:19:56,562 《まあ このあたり クマほど厄介なものは➡ 302 00:19:56,562 --> 00:19:58,731 出てこないだろうが…。 303 00:19:58,731 --> 00:20:02,568 そうはいかんか…。 304 00:20:02,568 --> 00:20:05,237 あれは イワワリオオワシだ。 305 00:20:05,237 --> 00:20:08,040 これは 厄介な魔物だ》 306 00:20:18,584 --> 00:20:21,087 《初心者が倒せる相手ではない。 307 00:20:21,087 --> 00:20:23,089 私と王子で ワシを引きつけ➡ 308 00:20:23,089 --> 00:20:27,793 その隙に近くの受講生に呼びかけ 教官役の2人に連絡を…》 309 00:20:30,262 --> 00:20:32,264 (スタン)はぁ! 310 00:20:37,770 --> 00:20:40,606 フッ…! 311 00:20:40,606 --> 00:20:43,275 今… 雷が? 312 00:20:43,275 --> 00:20:45,277 《は… 早! 313 00:20:45,277 --> 00:20:47,446 飛ぶ魔獣を 相手にしたのは初めてだ。 314 00:20:47,446 --> 00:20:50,449 電撃の魔法を選んだのは正しい。 315 00:20:50,449 --> 00:20:53,119 そして いきなり成功させた…。 316 00:20:53,119 --> 00:20:55,621 実行してやろうという豪胆さと➡ 317 00:20:55,621 --> 00:20:58,958 成功させる技術とを 持ちあわせている》 318 00:20:58,958 --> 00:21:03,629 おお 師匠殿! 悪いんだけど ここにいてくれないかな? 319 00:21:03,629 --> 00:21:06,465 かまわんが お前は何処へ行くのだ? 320 00:21:06,465 --> 00:21:08,801 決まってるだろう! 薬草を採らねば。 321 00:21:08,801 --> 00:21:11,470 え…。 322 00:21:11,470 --> 00:21:13,639 魔獣の1匹や2匹に 襲われたからといって➡ 323 00:21:13,639 --> 00:21:16,976 おくれを取るようでは 英雄たりえんだろう! 324 00:21:16,976 --> 00:21:21,814 やはり ここは 今日一番の 収穫をあげて見せねばならん! 325 00:21:21,814 --> 00:21:23,983 《あ~》 326 00:21:23,983 --> 00:21:28,487 黒猫殿 ありがとう! ケガ人は? 327 00:21:28,487 --> 00:21:32,424 これは すごいなぁ。 328 00:21:32,424 --> 00:21:35,261 7株! 最高記録だ。 329 00:21:35,261 --> 00:21:38,364 (冒険者たち)おお~! ははは…。 330 00:21:41,600 --> 00:21:44,103 また近くに来たら寄ってよ。 331 00:21:44,103 --> 00:21:46,272 薬草集めの英雄くん! 332 00:21:46,272 --> 00:21:48,941 うっ… 英雄は英雄でも なんか違う…。 333 00:21:48,941 --> 00:21:52,111 けど 必ず寄ります! 334 00:21:52,111 --> 00:21:55,614 フ~ッ! 335 00:21:55,614 --> 00:21:57,950 (スタン)師匠殿! 336 00:21:57,950 --> 00:22:00,953 挨拶代わりに ちょっとだけ撫でて。 337 00:22:00,953 --> 00:22:03,155 耳の後ろとかそっと。 338 00:22:10,129 --> 00:22:13,832 ハァ~! 339 00:22:17,136 --> 00:22:20,639 ケットシーに選ばれた人間を 何人か見たことがあるけど➡ 340 00:22:20,639 --> 00:22:23,309 彼は ひときわ ユニークな子だね。 341 00:22:23,309 --> 00:22:26,979 どんな人物に 成長するのか楽しみだ。 342 00:22:26,979 --> 00:22:30,482 念願の英雄になれてよかったな。 343 00:22:30,482 --> 00:22:34,386 ああ! これも本物の 英雄への一歩だ!