1 00:00:02,920 --> 00:00:04,800 (議長たち)んん… 2 00:00:05,460 --> 00:00:08,300 (アヌビス)どうしても ご納得いただけませんか? 3 00:00:08,380 --> 00:00:09,840 (レオンハート)当たり前だ 4 00:00:09,930 --> 00:00:12,260 そのような へ理屈は 受け入れられん 5 00:00:12,350 --> 00:00:15,520 (アヌビス)へ理屈とは 心外でございますな 6 00:00:15,600 --> 00:00:19,560 昨夜の舞踏会にて サリフィ様は ご自身のお言葉で⸺ 7 00:00:19,650 --> 00:00:22,270 王妃にはなれないと おっしゃいました 8 00:00:22,360 --> 00:00:25,740 つまり 試練を 途中放棄されたのです 9 00:00:26,400 --> 00:00:29,070 よって その時点でサリフィ様は 10 00:00:29,160 --> 00:00:32,450 王妃候補の資格を 消失したものと見なします 11 00:00:32,530 --> 00:00:36,660 だが サリフィは ミストレスとしての役目を果たし 12 00:00:36,750 --> 00:00:40,420 結果として ガロアの後見を得る成果を出した 13 00:00:40,500 --> 00:00:45,960 (アヌビス)それは サリフィ様が 試練の放棄を宣言された後のこと 14 00:00:46,050 --> 00:00:50,550 どんな結果であれ サリフィ様が 王妃を拒絶したことは事実 15 00:00:51,340 --> 00:00:53,640 そのような消極的な姿勢で⸺ 16 00:00:53,720 --> 00:00:57,520 責任ある地位を お任せできるとお思いですか? 17 00:00:57,600 --> 00:01:02,270 とにかく 我々は 今回の試練が達成されたとは 18 00:01:02,350 --> 00:01:05,900 断固として 認めるわけにはまいりませぬ 19 00:01:05,980 --> 00:01:10,990 ♪~ 20 00:02:30,940 --> 00:02:35,950 ~♪ 21 00:02:52,870 --> 00:02:54,710 (ドアが開く音) 22 00:02:54,790 --> 00:02:56,630 (サリフィ) あっ おかえり おーさま 23 00:02:56,710 --> 00:02:57,960 (レオンハート)ハァ… 24 00:02:58,920 --> 00:03:00,210 (サリフィ)大丈夫? 25 00:03:00,300 --> 00:03:02,590 少々 小言を聞き疲れてな 26 00:03:02,670 --> 00:03:06,550 もしかして また私のことで… 27 00:03:06,640 --> 00:03:10,180 お前が心配するようなことは 何もない 28 00:03:10,930 --> 00:03:14,140 (レオンハート)サリフィには 伏せておいたほうがよかろう 29 00:03:14,230 --> 00:03:17,270 言えば 己の行動を 悔いるかもしれぬ 30 00:03:18,190 --> 00:03:22,820 サリフィには これ以上 無用な枷(かせ)をつけさせたくない 31 00:03:25,150 --> 00:03:26,950 (サリフィ)おーさま (レオンハート)ん? 32 00:03:27,030 --> 00:03:30,530 ホントに 何かあったら言ってね 33 00:03:34,330 --> 00:03:37,290 (レオンハート)いつか あれにも分かる日が来るはずだ 34 00:03:38,630 --> 00:03:41,300 あれ? この本の続きがない 35 00:03:41,380 --> 00:03:44,050 (ロプス)「魚竜族の歴史」 36 00:03:44,130 --> 00:03:47,340 どこか別の書庫から 紛れ込んできたのだな 37 00:03:47,430 --> 00:03:49,510 ここ以外にも 書庫があるの? 38 00:03:49,600 --> 00:03:51,180 (ロプス)もちろんなのだ 39 00:03:51,260 --> 00:03:54,390 オズマルゴの歴史の分だけ あるのだぞ 40 00:03:54,480 --> 00:03:57,730 中には 王族しか 閲覧することが許されない⸺ 41 00:03:57,810 --> 00:04:00,060 禁断の書庫なんてのもあるのだ 42 00:04:00,150 --> 00:04:00,980 (キュク)のだ~! 43 00:04:01,070 --> 00:04:03,690 へえ~ 禁断の書庫! 44 00:04:03,780 --> 00:04:06,400 ね… 念のために言っておくのだが 45 00:04:06,490 --> 00:04:09,410 禁断とは 入っては駄目という意味なのだぞ! 46 00:04:11,450 --> 00:04:14,540 その本の続きは 我々が探してくるから⸺ 47 00:04:14,620 --> 00:04:17,160 サリは ここで待ってるのだ (キュク)のだ! 48 00:04:17,250 --> 00:04:20,000 えっ いいよ 自分で探すから 49 00:04:20,750 --> 00:04:23,710 いつも 2人にばっかり 働かせちゃってるし 50 00:04:24,800 --> 00:04:27,970 (サリフィ) 一番近い書庫から探してみよう 51 00:04:28,050 --> 00:04:29,720 どこにあるのかな? 52 00:04:29,800 --> 00:04:31,760 (警備兵)ハハハ… (警備兵)そしたら… 53 00:04:31,850 --> 00:04:32,680 (アヌビス)そこの2人! 54 00:04:32,760 --> 00:04:36,140 職務中に 無駄口をたたくとは何事か! 55 00:04:36,230 --> 00:04:38,350 はっ 申し訳ございません! 56 00:04:39,060 --> 00:04:41,690 (アヌビス)王のために 心血を注ぐ気のない者は 57 00:04:41,770 --> 00:04:43,610 この王宮には要らぬ 58 00:04:43,690 --> 00:04:46,440 貴様らの代わりなど いくらでもいるのだからな 59 00:04:46,530 --> 00:04:47,700 はっ… はい! 60 00:04:47,780 --> 00:04:49,150 失礼いたしました! 61 00:04:49,860 --> 00:04:50,860 (アヌビス)フン 62 00:04:53,780 --> 00:04:55,490 (警備兵たち)ハァ~… 63 00:04:55,580 --> 00:04:59,330 ハァ~ びっくりした 最近 ますます荒れてるな 64 00:04:59,420 --> 00:05:01,080 気持ちは分かるけど 65 00:05:01,170 --> 00:05:04,210 でも この前の舞踏会を見てたら 66 00:05:04,300 --> 00:05:07,550 人間ってのも 結構 いいとこあるんだな 67 00:05:07,630 --> 00:05:08,920 …なんて思ったよ 68 00:05:09,010 --> 00:05:10,930 (アヌビス)愚か者め 69 00:05:11,010 --> 00:05:13,180 あれが そんな かわいらしいものか 70 00:05:14,050 --> 00:05:19,810 命惜しさに王に取り入り 生贄(いけにえ)を免れた こざかしい小娘だ 71 00:05:19,890 --> 00:05:22,770 私の目は ごまかせぬ 72 00:05:23,650 --> 00:05:28,070 なんとしても あの小娘を 王のおそばから排除せねば 73 00:05:28,570 --> 00:05:30,900 たとえ どんな手段を使おうと 74 00:05:30,990 --> 00:05:32,110 あっ… 75 00:05:32,200 --> 00:05:33,200 (アヌビス)あっ! 76 00:05:33,280 --> 00:05:35,200 サイショーさん! 77 00:05:36,290 --> 00:05:39,290 (サリフィ)ごめんね 忙しいのに連れてきてもらって 78 00:05:39,370 --> 00:05:40,330 (アヌビス)いえ 79 00:05:40,410 --> 00:05:42,790 (サリフィ)でも すごい本の量 80 00:05:43,380 --> 00:05:45,920 これじゃあ どうやって 探せばいいかな? 81 00:05:46,000 --> 00:05:49,840 (アヌビス)どんな手で 王を たぶらかしたのか知らんが 82 00:05:49,920 --> 00:05:53,510 この私が 必ず亡き者に! 83 00:05:54,090 --> 00:05:54,930 あっ! 84 00:05:55,430 --> 00:05:56,640 亡き者に 85 00:05:56,720 --> 00:05:58,600 できる 86 00:05:58,680 --> 00:06:02,600 今 私と小娘が ここにいることは 誰も知らぬ 87 00:06:02,690 --> 00:06:05,110 敷き詰められた本棚 88 00:06:05,190 --> 00:06:07,360 事故など いくらでも起こせる 89 00:06:07,980 --> 00:06:09,490 始末できる! 90 00:06:10,320 --> 00:06:12,950 ためらうことなど何もない 何も! 91 00:06:15,280 --> 00:06:16,830 (サリフィ)わっ サイショーさん! (アヌビス)うわっ… 92 00:06:17,330 --> 00:06:19,620 (アヌビスのせき込み) (サリフィ)大丈夫? 93 00:06:19,700 --> 00:06:22,290 もういいよ 後は自分で探すから 94 00:06:22,370 --> 00:06:24,710 (アヌビス) いえ お手伝いいたします 95 00:06:24,790 --> 00:06:26,040 (サリフィ)そう? 96 00:06:27,000 --> 00:06:28,090 よかった 97 00:06:28,170 --> 00:06:29,000 (アヌビス)ん? 98 00:06:29,590 --> 00:06:33,380 本当は自分一人で なんとかしたかったんだけど 99 00:06:33,470 --> 00:06:36,970 でも サイショーさんが ついててくれるなら 大丈夫だね 100 00:06:37,600 --> 00:06:39,060 ありがとう 101 00:06:39,890 --> 00:06:42,020 (アヌビス)アホか この娘は 102 00:06:42,770 --> 00:06:46,520 この危機意識のなさ めまいのする愚かさ 103 00:06:46,610 --> 00:06:48,980 早く始末を… 104 00:06:49,570 --> 00:06:54,240 王に全てを捧(ささ)げると誓った この私の手で… 105 00:06:54,320 --> 00:06:55,320 (倒れる音) (サリフィ)ん? 106 00:06:55,950 --> 00:06:58,950 サイショーさん サイショーさん! 107 00:07:01,620 --> 00:07:04,000 (侍女) 坊ちゃま シリウス坊ちゃま 108 00:07:04,620 --> 00:07:09,340 お父上のご葬儀が始まります そろそろ お支度を 109 00:07:10,050 --> 00:07:11,300 (少年アヌビス)僕は行かない 110 00:07:11,380 --> 00:07:13,590 (侍女)何をおっしゃいます 111 00:07:13,670 --> 00:07:15,760 このご葬儀は シリウス坊ちゃまが⸺ 112 00:07:15,840 --> 00:07:19,470 正式にアヌビスの名を 頂く場でもあるのですよ 113 00:07:20,470 --> 00:07:22,100 だから嫌なんだ 114 00:07:22,180 --> 00:07:24,940 僕は王家の下僕になんか なりたくない 115 00:07:25,640 --> 00:07:27,480 (先代アヌビス)いいか シリウス 116 00:07:27,560 --> 00:07:31,650 我々 アルビス一族の血は 代々 王家に仕え 117 00:07:31,730 --> 00:07:34,700 王家をお守りするために 紡がれてきた 118 00:07:34,780 --> 00:07:38,070 その血 その命の全ては⸺ 119 00:07:38,160 --> 00:07:42,160 いつか お前の王へ 捧げるためのものなのだよ 120 00:07:42,740 --> 00:07:46,000 (少年アヌビス)僕に そう言い聞かせ続けてきた父上は 121 00:07:46,080 --> 00:07:49,920 暗殺者から王を守って 命を落とした 122 00:07:50,500 --> 00:07:54,630 だが 王族どもは 父上の死など なんとも思わず⸺ 123 00:07:54,720 --> 00:07:58,390 駒が1つ欠けたくらいにしか 思ってなかった 124 00:07:58,470 --> 00:08:01,140 (先代王) アヌビスの小せがれか 125 00:08:01,220 --> 00:08:04,560 あやつの葬式には 顔を見せなかったな 126 00:08:04,640 --> 00:08:08,190 (少年アヌビス)はい 少し体調を崩してしまいまして 127 00:08:08,270 --> 00:08:10,230 (先代王)まあ よい 128 00:08:10,310 --> 00:08:15,150 どちらにしろ まだ幼い貴様では 先代の後任は務まらぬ 129 00:08:15,650 --> 00:08:19,030 貴様には これより 王子の側仕えを命じよう 130 00:08:19,700 --> 00:08:21,490 (少年アヌビス)承知いたしました 131 00:08:22,660 --> 00:08:24,500 (少年アヌビス) シリウスと申します 132 00:08:24,580 --> 00:08:26,160 よろしくお願いいたします 133 00:08:26,250 --> 00:08:27,790 (少年レオンハート)シリウス? 134 00:08:27,870 --> 00:08:29,120 アヌビスじゃないのか? 135 00:08:29,210 --> 00:08:34,340 私は まだ正式にアヌビスの名を 頂いておりませんので 136 00:08:34,420 --> 00:08:35,300 (少年アヌビス)フン… 137 00:08:35,380 --> 00:08:39,470 誰が 貴様ら王族の 下僕としての名前など継ぐか 138 00:08:39,550 --> 00:08:41,350 (少年レオンハート)そうか 139 00:08:41,430 --> 00:08:43,470 よろしくな シリウス 140 00:08:51,400 --> 00:08:53,770 (少年アヌビス) 僕は 絶対に偉くなってやる 141 00:08:54,820 --> 00:08:58,320 たくさん勉強して いつか 王族どもを出し抜いて⸺ 142 00:08:58,400 --> 00:09:01,240 この国で 誰よりも 偉くなってやるんだ 143 00:09:01,320 --> 00:09:04,280 そのためなら どんな手段も… 144 00:09:04,990 --> 00:09:05,830 ん? 145 00:09:07,540 --> 00:09:08,620 なんですか? 146 00:09:08,710 --> 00:09:09,540 (少年レオンハート)ん! 147 00:09:11,580 --> 00:09:13,540 これが何か? 148 00:09:13,630 --> 00:09:15,880 踏んでしまっては かわいそうだ 149 00:09:17,050 --> 00:09:18,050 はあ? 150 00:09:18,130 --> 00:09:23,300 お言葉ですが 百目アリには 死を恐れる感情などありません 151 00:09:23,390 --> 00:09:28,350 1匹や2匹 踏みつけたくらいで 絶滅するようなこともないですし 152 00:09:28,430 --> 00:09:31,650 仲間を殺されたと 悲しむ知能もないです 153 00:09:31,730 --> 00:09:35,820 それに 動物も植物も 適度に間引かれているから 154 00:09:35,900 --> 00:09:39,110 正常な生態系を 維持していけるのです 155 00:09:39,190 --> 00:09:41,610 かわいそうなどという 甘えた情こそが⸺ 156 00:09:41,700 --> 00:09:45,120 いつか それらを 滅ぼすことになるのですよ 157 00:09:45,780 --> 00:09:48,790 なるほど お前は頭がいいんだな 158 00:09:50,830 --> 00:09:52,960 じゃあ これは知っているか? 159 00:09:53,670 --> 00:09:57,670 百目アリは 先頭のアリの行く道を 絶対 外れない 160 00:09:58,460 --> 00:09:59,380 これでいい 161 00:10:00,920 --> 00:10:03,260 よけて通れるものなのに⸺ 162 00:10:03,340 --> 00:10:05,800 わざわざ踏みつける理由は ないだろう 163 00:10:07,680 --> 00:10:12,060 (少年アヌビス) ああ お前たち王族は それでいいさ 164 00:10:12,810 --> 00:10:17,940 踏みつけるも つけないも 自分で決められる身分なんだから 165 00:10:22,150 --> 00:10:24,740 (少年アヌビス)王子 どちらにいらしたのですか? 166 00:10:24,820 --> 00:10:26,580 剣のお稽古の時間ですよ 167 00:10:26,660 --> 00:10:28,990 私は 剣は嫌いだ 168 00:10:29,080 --> 00:10:30,790 (少年アヌビス)何を弱気な… 169 00:10:30,870 --> 00:10:34,580 いずれ 王子も兵を率いて 戦に赴く日が来るのに 170 00:10:34,670 --> 00:10:38,130 (少年レオンハート)でも 木剣で たたかれたって痛いのに 171 00:10:38,210 --> 00:10:41,260 本物の剣で斬られたら もっと痛いだろう 172 00:10:41,840 --> 00:10:43,510 (少年アヌビス)大丈夫ですよ 173 00:10:43,590 --> 00:10:46,010 王子が斬られるのは 一番最後 174 00:10:46,640 --> 00:10:49,510 真っ先に死ぬのは 下っ端ですから 175 00:10:49,600 --> 00:10:51,730 (少年レオンハート) 味方だって 敵だって⸺ 176 00:10:51,810 --> 00:10:53,640 傷つけられたら みんな痛い 177 00:10:54,600 --> 00:10:56,020 どんな種族も 178 00:10:56,100 --> 00:10:59,480 みんな 争わなくていい国が つくれたらいいのに 179 00:11:00,480 --> 00:11:03,530 そうですね それはすばらしい 180 00:11:04,280 --> 00:11:06,450 (少年アヌビス) 夢のような理想だ 181 00:11:06,530 --> 00:11:09,740 理想とは 自分を取り巻く現実を⸺ 182 00:11:09,830 --> 00:11:13,120 正しく見据えられる者だけが かなえられる 183 00:11:13,210 --> 00:11:14,160 (少年レオンハート)んっ! 184 00:11:15,080 --> 00:11:17,710 うっ えい ふんっ… うわっ! 185 00:11:17,790 --> 00:11:18,960 うっ… 186 00:11:19,630 --> 00:11:22,260 (少年アヌビス) 僕は 現実を見ている 187 00:11:22,340 --> 00:11:24,720 いつか この国の頂点に⸺ 188 00:11:24,800 --> 00:11:26,970 今の王の代では無理でも⸺ 189 00:11:27,050 --> 00:11:30,760 この甘ったれ王子の代になれば 必ず… 190 00:11:30,850 --> 00:11:32,600 必ず… 191 00:11:33,680 --> 00:11:35,480 (せき込み) 192 00:11:35,560 --> 00:11:39,900 (少年アヌビス)ああ 勉強しなくちゃいけないのに 193 00:11:39,980 --> 00:11:42,780 休んでる暇なんかないのに 194 00:11:43,400 --> 00:11:45,780 (侍女) また熱を出したのね 坊ちゃま 195 00:11:45,860 --> 00:11:48,950 (侍女)もともと あまり丈夫ではないもの 196 00:11:49,030 --> 00:11:52,160 王子のお世話で 疲れも出たんでしょうけど 197 00:11:52,240 --> 00:11:55,620 (侍女)こんなことで 本当に先代の跡を継げるのかしら 198 00:11:55,710 --> 00:11:57,420 (少年アヌビス)うるさい 199 00:11:57,500 --> 00:11:59,500 うるさい うるさい! 200 00:11:59,580 --> 00:12:02,130 父上の跡なんか継ぐもんか! 201 00:12:02,840 --> 00:12:05,050 父上は僕が苦しい時に⸺ 202 00:12:05,130 --> 00:12:08,140 一度だって様子を 見に来てくれたことがなかった 203 00:12:08,840 --> 00:12:13,010 使命のほうが 僕よりも大切だから 204 00:12:13,560 --> 00:12:15,020 (物音) 205 00:12:15,600 --> 00:12:16,440 (少年アヌビス)ん? 206 00:12:17,770 --> 00:12:18,600 なんだ? 207 00:12:19,810 --> 00:12:21,520 温かい… 208 00:12:22,520 --> 00:12:23,360 あっ! 209 00:12:23,440 --> 00:12:26,030 王子! なぜ ここに? (せき込み) 210 00:12:26,110 --> 00:12:28,700 (少年レオンハート) お前の具合がよくないと聞いてな 211 00:12:28,780 --> 00:12:30,700 様子を見に来たんだ 212 00:12:32,080 --> 00:12:33,740 (少年アヌビス) お1人で ここまで? 213 00:12:34,700 --> 00:12:37,040 誰にも見つからなかったはずだぞ 214 00:12:38,330 --> 00:12:41,130 調理場から 元気の出そうなものを持ってきた 215 00:12:41,880 --> 00:12:44,340 たくさん食べて 早くよくなれ 216 00:12:44,920 --> 00:12:48,300 ど… どうして王子がそこまで 217 00:12:48,380 --> 00:12:49,680 (少年レオンハート)ん? 218 00:12:49,760 --> 00:12:52,890 私は お前の心配をしては いけないのか? 219 00:12:52,970 --> 00:12:54,350 (少年アヌビス)え? 220 00:12:54,430 --> 00:12:56,600 心配? 221 00:12:56,680 --> 00:12:59,810 王族が たかが臣下を… 222 00:13:00,480 --> 00:13:03,270 僕のことを 本当に? 223 00:13:05,150 --> 00:13:06,400 (少年レオンハート)それに 224 00:13:06,490 --> 00:13:10,610 お前の父上は 私の父上を守ってくれた 225 00:13:10,700 --> 00:13:11,660 (少年アヌビス)ハッ… 226 00:13:11,740 --> 00:13:16,040 (少年レオンハート)私の父上は 厳しくて怖い人だけど⸺ 227 00:13:16,120 --> 00:13:19,250 私には 大好きな父上だから 228 00:13:20,750 --> 00:13:23,750 感謝してるんだ とても 229 00:13:24,630 --> 00:13:27,920 (少年アヌビス) ああ そういうことか 230 00:13:29,800 --> 00:13:31,640 (少年アヌビス)これは要りません (少年レオンハート)え? 231 00:13:31,720 --> 00:13:33,470 (少年アヌビス) お部屋に戻ってください 232 00:13:33,550 --> 00:13:34,850 シリウス? 233 00:13:34,930 --> 00:13:36,100 (少年アヌビス)さあ 早く 234 00:13:36,180 --> 00:13:37,180 待って シリウス 235 00:13:37,270 --> 00:13:39,140 早く 出ていってください! 236 00:13:39,230 --> 00:13:40,100 (窓ガラスが割れる音) 237 00:13:43,940 --> 00:13:45,770 (警備隊長) 王子が賊にさらわれた! 238 00:13:45,860 --> 00:13:48,240 (警備兵)先代アヌビス様の ご子息も一緒です 239 00:13:48,320 --> 00:13:50,950 (警備隊長) すぐに追跡隊を組織しろ! 240 00:13:59,250 --> 00:14:01,870 (少年アヌビス)うっ… ここは? 241 00:14:04,420 --> 00:14:05,250 あっ! 242 00:14:05,880 --> 00:14:06,750 王子! 243 00:14:06,840 --> 00:14:09,670 (暗殺者)ああ? (暗殺者)ガキが1匹 起きたか 244 00:14:10,380 --> 00:14:14,760 ありがとよ お前のおかげで 王子を人質にできたぜ 245 00:14:14,850 --> 00:14:17,970 これで捕まってる仲間を 解放できる 246 00:14:18,060 --> 00:14:22,480 そしたら 今度こそ王の首だ もう失敗はしねえぞ 247 00:14:22,560 --> 00:14:26,150 (少年アヌビス)こいつら 王を暗殺しようとした やつらか? 248 00:14:26,900 --> 00:14:28,190 ということは… 249 00:14:28,280 --> 00:14:30,530 イテッ! 何しやがる 250 00:14:31,530 --> 00:14:33,820 (少年アヌビス)僕の父上を返せ! 251 00:14:33,910 --> 00:14:35,950 (暗殺者)ああ? なんだと! 252 00:14:36,030 --> 00:14:37,280 (少年アヌビス)うわっ! 253 00:14:37,370 --> 00:14:38,450 あっ… 254 00:14:38,540 --> 00:14:40,910 お前 アヌビスの息子か 255 00:14:41,000 --> 00:14:44,420 王族の影として死ぬ アヌビス一族 256 00:14:44,500 --> 00:14:48,920 お前にも その血が流れているなら これは天命だぜ 257 00:14:49,000 --> 00:14:51,210 (暗殺者)なぜ俺たちが 王子だけじゃなく⸺ 258 00:14:51,300 --> 00:14:53,380 お前も連れてきたと思う? 259 00:14:53,470 --> 00:14:59,100 まず1匹 先に殺してみせて 俺たちが本気だと分からせるためよ 260 00:14:59,180 --> 00:15:04,060 王子は最後の切り札だが お前には 人質の価値はないからな 261 00:15:05,100 --> 00:15:08,230 (暗殺者)これも王子のためだ 光栄だろう? 262 00:15:08,320 --> 00:15:11,860 恨むんなら 俺たちに こんなことさせる王族と⸺ 263 00:15:11,940 --> 00:15:13,780 自分の血を恨むんだな 264 00:15:13,860 --> 00:15:14,740 (暗殺者)てやっ! 265 00:15:18,280 --> 00:15:19,530 (少年アヌビス)ハッ! 266 00:15:19,990 --> 00:15:22,200 お… 王子 267 00:15:23,250 --> 00:15:24,410 あっ あ… 268 00:15:24,540 --> 00:15:25,420 (心臓の鼓動) 269 00:15:25,420 --> 00:15:27,170 (心臓の鼓動) (少年アヌビス)王族の血が… 270 00:15:27,790 --> 00:15:30,840 臣下が 王族にかばわれて 271 00:15:30,920 --> 00:15:32,090 こんな… 272 00:15:32,630 --> 00:15:32,960 (速くなる心臓の鼓動) 273 00:15:32,960 --> 00:15:34,170 (速くなる心臓の鼓動) 許されない 274 00:15:34,170 --> 00:15:35,430 (速くなる心臓の鼓動) 275 00:15:35,430 --> 00:15:37,470 (速くなる心臓の鼓動) おしまいだ 276 00:15:37,550 --> 00:15:40,260 僕は もうおしまいだ 277 00:15:40,350 --> 00:15:43,140 バカ! 斬るなら そっちのガキだろ 278 00:15:43,220 --> 00:15:45,100 おっ おお… 分かってる! 279 00:15:48,100 --> 00:15:52,440 お… 王子! これ以上は おやめください 280 00:15:52,530 --> 00:15:54,530 未来の王が こんな危険に… 281 00:15:54,610 --> 00:15:58,320 (少年レオンハート) 王とは みんなを守るものだ 282 00:15:58,410 --> 00:15:59,240 (少年アヌビス)え? 283 00:15:59,320 --> 00:16:02,910 目の前の たった一人 284 00:16:03,500 --> 00:16:06,080 友達一人 守れずに… 285 00:16:06,670 --> 00:16:08,420 何が王だ! 286 00:16:09,580 --> 00:16:13,300 (暗殺者たちの叫び声) 287 00:16:14,550 --> 00:16:15,380 (少年アヌビス)くっ… 288 00:16:16,880 --> 00:16:19,090 (少年レオンハート)あっ… (少年アヌビス)王子! 289 00:16:19,180 --> 00:16:20,930 しっかりしてください 王子! 290 00:16:21,010 --> 00:16:23,810 シリウス… 291 00:16:23,890 --> 00:16:26,390 ケガは… ないか? 292 00:16:27,440 --> 00:16:29,230 は… はい 293 00:16:30,560 --> 00:16:32,190 よかった… 294 00:16:41,070 --> 00:16:42,410 (少年アヌビス)逃げなきゃ 295 00:16:43,080 --> 00:16:45,410 あいつらが気絶してるうちに⸺ 296 00:16:45,500 --> 00:16:48,330 王子を守らなきゃ 297 00:16:50,000 --> 00:16:51,080 (親衛隊) 魔力を感知したのは この先だ! 298 00:16:51,080 --> 00:16:51,920 (少年アヌビス)あっ! (親衛隊) 魔力を感知したのは この先だ! 299 00:16:52,880 --> 00:16:54,170 (親衛隊)いらっしゃったぞ! 300 00:16:54,250 --> 00:16:56,300 アヌビス様のご子息も一緒だ 301 00:16:56,840 --> 00:17:00,220 (親衛隊たちの走る足音) (少年アヌビス)早く 王子を… 302 00:17:02,970 --> 00:17:05,770 (侍女)本当に ご無事で何よりでした 303 00:17:05,850 --> 00:17:11,230 王子も 2~3日 お休みになれば 回復されるそうでございます 304 00:17:11,310 --> 00:17:12,690 (少年アヌビス)そうか… 305 00:17:12,770 --> 00:17:17,990 それと 王子が王様に 嘆願なさってくださったそうですよ 306 00:17:18,070 --> 00:17:20,570 坊ちゃまに 責任を負わせるようなことは 307 00:17:20,660 --> 00:17:22,450 絶対にしないでほしいと 308 00:17:23,490 --> 00:17:27,160 これでアヌビス家の名に 傷がつくことはありません 309 00:17:27,250 --> 00:17:29,580 本当に よかったですわね 310 00:17:31,120 --> 00:17:32,420 (少年アヌビス)僕は⸺ 311 00:17:33,130 --> 00:17:36,960 あんな時まで 自分のことしか 考えてなかったのに 312 00:17:38,800 --> 00:17:41,890 父上 やっと分かりました 313 00:17:42,640 --> 00:17:44,890 どこかで見ておられますか? 314 00:17:45,720 --> 00:17:49,480 私も 私の王を見つけました 315 00:17:50,940 --> 00:17:53,230 (少年レオンハート) どうしたんだ シリウス 316 00:17:53,310 --> 00:17:54,860 (少年アヌビス)先日の一件では 317 00:17:54,940 --> 00:17:56,610 側仕えでありながら 318 00:17:56,690 --> 00:17:58,740 王子の御身をお守りできず 319 00:17:58,820 --> 00:18:01,070 誠に申し訳ございませんでした 320 00:18:01,150 --> 00:18:02,740 気にするな 321 00:18:02,820 --> 00:18:06,620 元はといえば 私がお前を巻き込んだんだ 322 00:18:06,700 --> 00:18:07,790 謝るのは 私の… 323 00:18:07,870 --> 00:18:09,200 (少年アヌビス)王子 324 00:18:09,290 --> 00:18:13,250 王族が むやみに謝罪の言葉を 口にしてはなりません 325 00:18:13,330 --> 00:18:15,040 それに今回のように 326 00:18:15,130 --> 00:18:17,800 他者をかばって 御身を危険にさらすなど 327 00:18:18,420 --> 00:18:21,130 軽率で浅はかな行動です 328 00:18:21,220 --> 00:18:23,470 どうか 今後はお慎みください 329 00:18:24,140 --> 00:18:26,220 シリウス? 330 00:18:26,300 --> 00:18:27,180 (少年アヌビス)いいえ 331 00:18:27,970 --> 00:18:29,810 私はアヌビス 332 00:18:29,890 --> 00:18:34,400 これより 王子の影として 全てを捧げる者です 333 00:18:36,650 --> 00:18:42,240 (少年アヌビス)強く 厳しく 絶対的な王に このお方を導くため 334 00:18:42,320 --> 00:18:45,200 私は どんな手段もいとわぬ 335 00:18:45,280 --> 00:18:50,330 たとえ 二度とあの温かさには 触れられなくなろうとも 336 00:18:53,160 --> 00:18:55,500 (アヌビス)ん… なんだ? 337 00:18:56,130 --> 00:18:57,670 温かい 338 00:18:59,460 --> 00:19:01,300 王子? 339 00:19:03,130 --> 00:19:04,010 ハッ 340 00:19:04,090 --> 00:19:04,970 あっ! 341 00:19:05,050 --> 00:19:06,800 やっと起きた 342 00:19:06,890 --> 00:19:08,890 具合どう? サイショーさん 343 00:19:08,970 --> 00:19:11,060 (アヌビス)こ… こむす… 344 00:19:12,600 --> 00:19:13,850 (アヌビス)一生の不覚! 345 00:19:14,520 --> 00:19:17,940 この小娘に 王の姿を重ねてしまうなど 346 00:19:18,570 --> 00:19:21,320 サリフィ様 これは一体… 347 00:19:21,900 --> 00:19:24,070 (サリフィ)書庫で突然 倒れちゃったんだよ 348 00:19:24,780 --> 00:19:26,610 でも もう大丈夫そうだね 349 00:19:26,700 --> 00:19:27,820 (アヌビス)触るな! (サリフィ)あっ! 350 00:19:28,620 --> 00:19:30,740 (アヌビス)こんなことで 恩を売ったつもりか? 351 00:19:30,830 --> 00:19:31,830 あさましい 352 00:19:31,910 --> 00:19:36,290 自分が生き残るためなら どんな相手にでも こびを売る 353 00:19:36,370 --> 00:19:38,630 卑しい人間の女め! 354 00:19:39,250 --> 00:19:41,550 その手管で 王に取り入ったのだろうが⸺ 355 00:19:41,630 --> 00:19:43,300 私は だまされぬ! 356 00:19:43,380 --> 00:19:46,430 たかだか 昨日今日 現れた 人間の小娘などに⸺ 357 00:19:46,510 --> 00:19:49,930 これ以上 王のお心を 惑わされてなるものか! 358 00:19:50,010 --> 00:19:54,020 私は 貴様など絶対に認めぬ! 359 00:19:57,690 --> 00:20:00,440 よかった 安心しちゃった 360 00:20:00,520 --> 00:20:02,820 やっと サイショーさんらしく なったみたい 361 00:20:03,860 --> 00:20:04,740 (アヌビス)は? 362 00:20:04,820 --> 00:20:08,450 だって さっき “サリフィ様”なんて言いだして 363 00:20:08,530 --> 00:20:10,070 すっごい怪しかったもん 364 00:20:10,160 --> 00:20:11,120 (アヌビス)ぐっ… 365 00:20:11,200 --> 00:20:15,330 (サリフィ)それに おーさまも心配するから 366 00:20:16,500 --> 00:20:18,330 (アヌビス)知ったふうな口を… 367 00:20:18,420 --> 00:20:20,170 小娘風情が 368 00:20:20,250 --> 00:20:23,500 王のお心を代弁するなど 1000年 早いわ! 369 00:20:23,590 --> 00:20:26,670 私と王のこれまでを 何も知らぬ分際で! 370 00:20:26,760 --> 00:20:29,140 (サリフィ) うん それは知らないけど 371 00:20:30,300 --> 00:20:33,890 でも おーさまが 何を大切にしてるのかは 372 00:20:33,970 --> 00:20:36,140 おーさまを見てたら分かるから 373 00:20:38,480 --> 00:20:41,480 きっと顔には出さないけど とっても心配するよ 374 00:20:41,560 --> 00:20:43,270 サイショーさんのこと 375 00:20:44,150 --> 00:20:48,110 だから早く よくなって 次の試練 考えておいてね 376 00:20:48,200 --> 00:20:49,360 (ドアが閉まる音) 377 00:20:50,200 --> 00:20:51,320 (アヌビス)くっ… 378 00:20:52,030 --> 00:20:53,080 ハァ… 379 00:20:53,160 --> 00:20:54,490 あっ 380 00:20:57,250 --> 00:20:58,250 おーさ… 381 00:21:04,750 --> 00:21:06,840 (サリフィ)ほら やっぱり 382 00:21:09,760 --> 00:21:12,100 次の試練 考えておいてね 383 00:21:16,680 --> 00:21:20,520 (議長)それでは 議会を開会させていただきます 384 00:21:20,600 --> 00:21:23,650 (議長)えー 先日から協議しております⸺ 385 00:21:23,730 --> 00:21:26,690 サリフィ様の 処遇についてですが 386 00:21:26,780 --> 00:21:28,570 (アヌビス)議長殿 (議長たち)うっ! 387 00:21:29,200 --> 00:21:32,120 (アヌビス) 今回は 王のご意向を尊重し 388 00:21:32,200 --> 00:21:35,030 試練は達成されたものと 認めましょう 389 00:21:35,120 --> 00:21:36,120 (レオンハート)ん? 390 00:21:36,200 --> 00:21:39,410 (アヌビス)サリフィ様には 今後も王妃候補として 391 00:21:39,500 --> 00:21:42,080 引き続き 試練を受けていただきます 392 00:21:42,170 --> 00:21:43,670 (議長たち)え? 393 00:21:43,750 --> 00:21:45,710 よいのか ホントに? 394 00:21:45,800 --> 00:21:47,590 (アヌビス)二言はありません 395 00:21:50,430 --> 00:21:51,470 (アヌビス)小娘よ 396 00:21:52,260 --> 00:21:55,600 ここからは 私も本気で見定めにいってやる 397 00:21:55,680 --> 00:22:00,890 貴様が 私の王のお心を委ねるに ふさわしい存在であるのかを 398 00:22:01,600 --> 00:22:03,520 覚悟するがいい 399 00:22:04,940 --> 00:22:09,940 ♪~ 400 00:23:29,860 --> 00:23:34,860 ~♪ 401 00:23:36,320 --> 00:23:37,490 (サリフィ)大聖祭? 402 00:23:37,570 --> 00:23:40,540 (アヌビス)はい サリフィ様にも ぜひご列席を 403 00:23:40,620 --> 00:23:43,120 …などと言うと思うか このたわけ! 404 00:23:43,200 --> 00:23:46,870 貴様に王の隣など 100年 早いわ! 405 00:23:46,960 --> 00:23:49,250 (サリフィ)心の声が漏れてるよ (アヌビス)はうっ!