1 00:01:07,034 --> 00:01:09,036 (アヌビス)現在のところ 目立った混乱の報告も➡ 2 00:01:09,036 --> 00:01:11,038 届いておりません。 3 00:01:11,038 --> 00:01:14,374 (アヌビス)国内は 平常に戻りつつあります。 4 00:01:14,374 --> 00:01:17,711 (レオンハート)お前も無事 傷が癒えて何よりだ。 5 00:01:17,711 --> 00:01:20,047 苦労をかけたな。 6 00:01:20,047 --> 00:01:22,883 王のためとあらば。 7 00:01:22,883 --> 00:01:25,719 そうか。 8 00:01:25,719 --> 00:01:29,556 (レオンハート)しかし 王宮内は 少々 騒がしいようだが。 9 00:01:29,556 --> 00:01:33,894 2日後に控えた 式典の準備でございます。 10 00:01:33,894 --> 00:01:37,898 こたびの フェンリルをはじめとする 反乱分子の沈静化。 11 00:01:37,898 --> 00:01:41,401 王のご回復を祝し 市街を巡る凱旋の儀を➡ 12 00:01:41,401 --> 00:01:43,737 行うことになりました。 13 00:01:43,737 --> 00:01:46,406 要らぬことを…。 ただ➡ 14 00:01:46,406 --> 00:01:48,575 前回の大聖祭同様➡ 15 00:01:48,575 --> 00:01:51,411 こたびの 凱旋の儀におかれましても➡ 16 00:01:51,411 --> 00:01:54,081 サリフィ様のお姿は お隠しになられたほうが➡ 17 00:01:54,081 --> 00:01:56,416 よろしいかと。 18 00:01:56,416 --> 00:02:01,088 王自ら命を懸け 敵から王妃を取り戻された…。 19 00:02:01,088 --> 00:02:04,925 魔族同士であれば これ以上の美談はありません。 20 00:02:04,925 --> 00:02:10,030 ですが それが 人間の娘の ためであったという事実では➡ 21 00:02:10,030 --> 00:02:13,033 この勝利の空気に水を差す➡ 22 00:02:13,033 --> 00:02:15,335 唯一の汚点となります。 23 00:02:21,575 --> 00:02:24,411 これ以上は差し出た発言。 24 00:02:24,411 --> 00:02:27,180 あとは王のご判断に委ねます。 25 00:04:15,522 --> 00:04:18,859 (サリフィ)わぁ 今日は一段とおいしそう。 26 00:04:18,859 --> 00:04:21,695 (アミト)王様ご回復のお祝いですわ。 27 00:04:21,695 --> 00:04:23,697 ラント様もいかがです? 28 00:04:23,697 --> 00:04:27,367 (ラントベルト)悪いけど 鍛錬中につき 甘いもの断ち。 29 00:04:27,367 --> 00:04:30,036 まぁ そうでしたの。 30 00:04:30,036 --> 00:04:32,038 あら サリフィ様➡ 31 00:04:32,038 --> 00:04:34,040 指輪は どうなさいましたの? 32 00:04:34,040 --> 00:04:36,710 あ… 壊れちゃったんだ。 33 00:04:36,710 --> 00:04:40,046 まぁ! 王様から 頂いたものだったのでしょう? 34 00:04:40,046 --> 00:04:42,415 えっ アミトさん知ってたの? 35 00:04:42,415 --> 00:04:45,085 肌身離さず 身につけてらして。 36 00:04:45,085 --> 00:04:48,421 それに あの王様の瞳と同じ色の石…。 37 00:04:48,421 --> 00:04:52,392 一度見れば 誰でもわかってしまいますわ。 38 00:04:52,392 --> 00:04:55,228 別に あんな ちっこい石一つなくなっても➡ 39 00:04:55,228 --> 00:04:57,898 正式な王妃になりゃ もっと上等なもん➡ 40 00:04:57,898 --> 00:05:02,235 つけ放題じゃん? やっぱ 1個もらうわ。 41 00:05:02,235 --> 00:05:07,174 フフッ 大切な方から 心を込めて頂いたものなら➡ 42 00:05:07,174 --> 00:05:12,179 たとえ道端の小石だって どんな宝石より輝きますのよ。 43 00:05:12,179 --> 00:05:14,514 アミトさん…。 いっそ➡ 44 00:05:14,514 --> 00:05:16,850 ドンとぜいたくなもん ねだっちゃえば? 45 00:05:16,850 --> 00:05:19,853 ぜいたくはともかく サリフィ様➡ 46 00:05:19,853 --> 00:05:21,855 王様に何か 代わりのものを➡ 47 00:05:21,855 --> 00:05:24,558 お願いしてみてはいかがです? 48 00:05:26,860 --> 00:05:30,864 (レオンハート)指輪? あぁ 壊れてしまったのか。 49 00:05:30,864 --> 00:05:33,533 だが あれはもともと 瘴気を和らげるために➡ 50 00:05:33,533 --> 00:05:36,369 持たせたもの。 お前には すでに➡ 51 00:05:36,369 --> 00:05:39,039 十分 瘴気への耐性がついている。 52 00:05:39,039 --> 00:05:41,208 もう必要ないだろう。 53 00:05:41,208 --> 00:05:43,210 ねぇ おーさま。 54 00:05:43,210 --> 00:05:45,545 私が あの指輪をもらったとき➡ 55 00:05:45,545 --> 00:05:48,381 おーさまに話したことって 覚えてる? 56 00:05:48,381 --> 00:05:51,885 ん? 57 00:05:51,885 --> 00:05:54,054 ごめん なんでもない! 58 00:05:54,054 --> 00:05:57,557 《サリフィ:そうだよね もうずいぶん前のことだもん。 59 00:05:57,557 --> 00:06:01,061 しかたないよ…》 サリフィ。 60 00:06:01,061 --> 00:06:03,663 来い。 見せたいものがある。 61 00:06:06,833 --> 00:06:08,835 どこまで行くの? おーさま。 62 00:06:08,835 --> 00:06:11,671 もうずいぶん 飛んでるけど…。 63 00:06:11,671 --> 00:06:13,873 着いた。 えっ? 64 00:06:18,712 --> 00:06:20,680 あっ。 65 00:06:23,884 --> 00:06:26,219 木が…。 王宮のある➡ 66 00:06:26,219 --> 00:06:28,555 魔廻樹に似てるけど➡ 67 00:06:28,555 --> 00:06:31,558 この木は 青々と茂ってる。 68 00:06:31,558 --> 00:06:35,362 ふだんは結界で 覆い隠してある大樹だ。 69 00:06:35,362 --> 00:06:38,064 下りるぞ。 70 00:06:38,064 --> 00:06:41,735 不思議… 青い水が湧いてる。 71 00:06:41,735 --> 00:06:44,738 この水は 一切の瘴気を含まない。 72 00:06:44,738 --> 00:06:48,909 オズマルゴで特別 清き水の湧く泉だ。 73 00:06:48,909 --> 00:06:52,579 以前 お前の指輪を 作る際に利用した アンブロシアも➡ 74 00:06:52,579 --> 00:06:56,082 この水の湧く所にしか 実をつけぬ。 75 00:06:56,082 --> 00:06:58,585 水が青いのは かつて この地が➡ 76 00:06:58,585 --> 00:07:02,255 瘴気の雲でなく 青き空に包まれていたころの➡ 77 00:07:02,255 --> 00:07:05,025 名残だと言われている。 78 00:07:05,025 --> 00:07:07,027 そんなころがあったの? 79 00:07:07,027 --> 00:07:10,697 遠い伝承だ。 真実はわからぬ。 80 00:07:10,697 --> 00:07:14,534 だが その伝承ゆえに ここは聖地とされ➡ 81 00:07:14,534 --> 00:07:18,872 力を授かった王族と 一部の神官しか解けぬ結界で➡ 82 00:07:18,872 --> 00:07:22,042 守られているのだ。 (サリフィ)いいの? そんな場所に➡ 83 00:07:22,042 --> 00:07:24,878 私なんかが…。 (レオンハート)いつか見せようと➡ 84 00:07:24,878 --> 00:07:28,548 思っていた。 お前の瞳の色と同じ➡ 85 00:07:28,548 --> 00:07:30,884 この澄んだ美しい青を。 86 00:07:30,884 --> 00:07:33,853 あ… あっ ありがと。 87 00:07:33,853 --> 00:07:37,557 でも おーさまの目の色もきれいだよ。 88 00:07:37,557 --> 00:07:40,894 あったかい炎の色みたいで。 89 00:07:40,894 --> 00:07:44,531 サリフィ 手を。 90 00:07:44,531 --> 00:07:46,533 逆だ。 えっ! 91 00:07:46,533 --> 00:07:50,036 左手の… 薬指だったな。 92 00:07:50,036 --> 00:07:53,540 指輪が 特別な意味を持つというのは。 93 00:07:53,540 --> 00:07:56,042 あ…。 94 00:07:56,042 --> 00:07:59,045 ⦅おーさま。 人間の国で➡ 95 00:07:59,045 --> 00:08:02,048 左手の薬指に 指輪をはめるのって➡ 96 00:08:02,048 --> 00:08:04,217 どんな意味があるか知ってる? 97 00:08:04,217 --> 00:08:06,486 あのね➡ 98 00:08:06,486 --> 00:08:08,822 ずっと一緒にいようねっていう➡ 99 00:08:08,822 --> 00:08:11,658 誓いの証しだよ⦆ 100 00:08:11,658 --> 00:08:14,995 覚えててくれたの? 101 00:08:14,995 --> 00:08:17,664 うれしい… ありがとう。 102 00:08:17,664 --> 00:08:20,500 それは まだ 急ごしらえの飾りだ。 103 00:08:20,500 --> 00:08:22,502 少し下がっていろ。 104 00:08:22,502 --> 00:08:35,014 ♬~ 105 00:08:35,014 --> 00:08:37,117 わっ! 106 00:08:39,185 --> 00:08:41,521 以前のものは 私にとって➡ 107 00:08:41,521 --> 00:08:44,524 お前の身を守るための 道具だった。 108 00:08:44,524 --> 00:08:49,863 だが これは 正真正銘の誓いの証し。 109 00:08:49,863 --> 00:08:54,167 私と お前が 永遠に共にあるという証しだ。 110 00:08:56,703 --> 00:09:00,039 《サリフィ:どうしよう…。 いいのかな➡ 111 00:09:00,039 --> 00:09:03,043 こんなぜいたくな気持ち…。 112 00:09:03,043 --> 00:09:05,512 もう 知らなかったころには➡ 113 00:09:05,512 --> 00:09:08,815 戻れないよ》 114 00:09:08,815 --> 00:09:12,318 サリフィ。 明日の式典は➡ 115 00:09:12,318 --> 00:09:15,822 この指輪をつけて 私の隣に立ってくれ。 116 00:09:15,822 --> 00:09:20,493 正式な ただ一人のきさき候補として。 117 00:09:20,493 --> 00:09:23,863 《サリフィ:私が おーさまの隣に?》 118 00:09:23,863 --> 00:09:27,033 ⚟王様! ⚟王様 ばんざ~い! 119 00:09:27,033 --> 00:09:29,702 ⚟オズマルゴ ばんざ~い! (歓声) 120 00:09:29,702 --> 00:09:35,375 (歓声) 121 00:09:35,375 --> 00:09:39,012 ⦅サリフィ:私… その式典には出席しない。 122 00:09:39,012 --> 00:09:42,015 サリフィ…。 だって 私が出たら➡ 123 00:09:42,015 --> 00:09:46,019 大騒ぎになっちゃうよ。 そんなものは私が鎮める。 124 00:09:46,019 --> 00:09:48,354 どんな雑音も私が打ち払う。 125 00:09:48,354 --> 00:09:51,191 私が 必ず お前を守ってみせる。 126 00:09:51,191 --> 00:09:53,526 雑音なんかじゃない。 127 00:09:53,526 --> 00:09:56,196 この国に生きる人たちの声だよ。 128 00:09:56,196 --> 00:09:59,365 あっ…。 気持ちはうれしいよ。 129 00:09:59,365 --> 00:10:01,868 でも私は おーさまにふさわしい➡ 130 00:10:01,868 --> 00:10:05,972 おきさき様になるから… それまで待ってて。 131 00:10:05,972 --> 00:10:08,808 サリフィ…。 その代わり➡ 132 00:10:08,808 --> 00:10:10,810 式典が終わったら➡ 133 00:10:10,810 --> 00:10:12,812 私のおーさまに戻ってね。 134 00:10:15,315 --> 00:10:18,985 あぁ わかった⦆ 135 00:10:18,985 --> 00:10:21,821 《レオンハート:私は少し あせりすぎていたのかも➡ 136 00:10:21,821 --> 00:10:23,823 しれぬ。 137 00:10:23,823 --> 00:10:27,327 サリフィ お前なら きっと…》 138 00:10:31,164 --> 00:10:35,502 まったく… 全部 部屋に持ち込む必要ある? 139 00:10:35,502 --> 00:10:37,670 (ロプス)運ぶのだ~。 (キュク)運ぶ! 140 00:10:37,670 --> 00:10:39,672 ごめんね。 気になった本は➡ 141 00:10:39,672 --> 00:10:42,675 一気に読んじゃわないと なんだか落ち着かなくて。 142 00:10:42,675 --> 00:10:44,844 本なんか何が楽しいのか➡ 143 00:10:44,844 --> 00:10:47,514 俺には まったくわかんないけど。 144 00:10:47,514 --> 00:10:50,183 知らないことばっかりで楽しいよ。 145 00:10:50,183 --> 00:10:52,519 あっ! 146 00:10:52,519 --> 00:10:56,189 あ…。 (セト)おや これはこれは…。 147 00:10:56,189 --> 00:10:59,359 大変失礼いたしました 妃殿下代理。 148 00:10:59,359 --> 00:11:04,197 おケガはございませんか? あ… はい 大丈夫です。 149 00:11:04,197 --> 00:11:06,533 では。 150 00:11:06,533 --> 00:11:09,369 誰あれ? ホーカンの セトさん。 151 00:11:09,369 --> 00:11:12,372 私も話したことは ほとんどないけど…。 152 00:11:12,372 --> 00:11:15,708 (ラントベルト)なんか影薄いの。 153 00:11:15,708 --> 00:11:18,545 それで全部? さっさと部屋に戻ったほうが➡ 154 00:11:18,545 --> 00:11:20,547 よさそうだよ。 155 00:11:20,547 --> 00:11:22,549 (ラントベルト)雲行き怪しくなってきた。 156 00:11:28,721 --> 00:11:30,890 少しは落ち着いたか。 157 00:11:30,890 --> 00:11:32,892 うん もう大丈夫…。 (雷鳴) 158 00:11:32,892 --> 00:11:36,729 うわっ! 159 00:11:36,729 --> 00:11:38,898 お前の その心の傷は➡ 160 00:11:38,898 --> 00:11:42,068 私が 作ってしまったものなのだな。 161 00:11:42,068 --> 00:11:44,571 どうして? もともとは➡ 162 00:11:44,571 --> 00:11:47,907 こんな夜に 生贄となる運命を知ったことが➡ 163 00:11:47,907 --> 00:11:50,743 原因なのだろう? 164 00:11:50,743 --> 00:11:54,247 その生贄のおきては 先代王が定め➡ 165 00:11:54,247 --> 00:11:57,250 私が引き継いだのだ。 でも おーさまは…。 166 00:11:57,250 --> 00:12:02,088 確かに 私は生贄の娘を 食らったことはないが➡ 167 00:12:02,088 --> 00:12:04,591 私が逃がした娘の その後まで➡ 168 00:12:04,591 --> 00:12:07,193 助けてやれるわけではない。 169 00:12:07,193 --> 00:12:10,363 それに 生贄に選ばれた時点で➡ 170 00:12:10,363 --> 00:12:14,033 その娘は 元の生活には戻れなくなる。 171 00:12:14,033 --> 00:12:17,537 こうして そばにいても 私には➡ 172 00:12:17,537 --> 00:12:21,574 この嵐を 止めてやることはできぬ。 173 00:12:21,574 --> 00:12:24,911 ねぇ おーさま。 何か お話して? 174 00:12:24,911 --> 00:12:27,413 話? うん。 175 00:12:27,413 --> 00:12:31,884 そうだな。 では 私の母の話を…。 176 00:12:31,884 --> 00:12:35,888 いいの? 私ばかり お前の事情を知って➡ 177 00:12:35,888 --> 00:12:39,692 自分は何も語らぬのは 公平ではないからな。 178 00:12:41,761 --> 00:12:43,930 (レオンハート)幼いころの私にとって➡ 179 00:12:43,930 --> 00:12:47,266 母とは 私を産んで すぐに亡くなったという➡ 180 00:12:47,266 --> 00:12:50,603 肖像画の先代王妃だった。 181 00:12:50,603 --> 00:12:52,772 だが その先代王妃は➡ 182 00:12:52,772 --> 00:12:55,775 私の母ではなかった。 183 00:12:55,775 --> 00:12:59,612 ならば 私は いったいどこから来たのだろう。 184 00:12:59,612 --> 00:13:02,282 本当の母がいるのだろうか。 185 00:13:02,282 --> 00:13:05,885 この世界のどこかで 生きているのだろうか…。 186 00:13:05,885 --> 00:13:09,389 今でも 考えてしまうことがある。 187 00:13:09,389 --> 00:13:12,225 あれほど 異種族を忌み嫌った父は➡ 188 00:13:12,225 --> 00:13:14,560 母を愛したのだろうか? 189 00:13:14,560 --> 00:13:19,399 まだ見ぬ母は 私を愛してくれただろうか…。 190 00:13:19,399 --> 00:13:22,568 私は 誰かに望まれて➡ 191 00:13:22,568 --> 00:13:25,905 この世に 生まれてきたのだろうか と…。 192 00:13:25,905 --> 00:13:28,541 おーさま…。 すまぬ。 193 00:13:28,541 --> 00:13:30,877 公平でないからと言いながら➡ 194 00:13:30,877 --> 00:13:33,880 これでは 何も話していないのと同じだな。 195 00:13:33,880 --> 00:13:38,584 ううん。 話してくれてありがとう。 196 00:13:38,584 --> 00:13:42,922 《サリフィ:相いれない 2つの血を 持って生まれてきた おーさま。 197 00:13:42,922 --> 00:13:46,893 本当の両親に 一度捨てられている私》 198 00:13:46,893 --> 00:13:51,564 もし本当に 誰にも望まれず 生まれてきたんだとしても➡ 199 00:13:51,564 --> 00:13:53,566 しようがないよね。 だって➡ 200 00:13:53,566 --> 00:13:56,402 もう生まれちゃったんだもん。 あっ。 201 00:13:56,402 --> 00:13:59,572 そのおかげで こうやって誰かを望むことも➡ 202 00:13:59,572 --> 00:14:02,075 望まれることもできたもの。 203 00:14:02,075 --> 00:14:05,178 そっちのほうが ずっとず~っと大事。 204 00:14:05,178 --> 00:14:07,680 あぁ そうだな。 205 00:14:07,680 --> 00:14:11,184 《大切なのは 過去よりも今。 206 00:14:11,184 --> 00:14:14,187 そして これから先の…》 207 00:14:14,187 --> 00:14:17,190 サリフィ。 何? 208 00:14:17,190 --> 00:14:22,028 私は以前から 少し考えていたことがある。 209 00:14:22,028 --> 00:14:25,031 これから幾度か 天啓の夜を越えると➡ 210 00:14:25,031 --> 00:14:29,035 再び ヨアナから 生贄が送られてくることになる。 211 00:14:29,035 --> 00:14:31,537 うん。 (レオンハート)小手先の細工で➡ 212 00:14:31,537 --> 00:14:35,375 周囲をけむに巻くのも いずれ限界はくる。 213 00:14:35,375 --> 00:14:38,878 何より 一度 生贄に選ばれた者の不幸は➡ 214 00:14:38,878 --> 00:14:41,881 変わらぬ。 生贄という➡ 215 00:14:41,881 --> 00:14:44,717 そもそもの根底を絶たねば。 216 00:14:44,717 --> 00:14:46,719 あっ それって…。 217 00:14:46,719 --> 00:14:50,723 《サリフィ:生贄制度を なくすってこと!?》 218 00:14:50,723 --> 00:14:55,061 生贄制度は 魔族と 人間の力関係の縮図。 219 00:14:55,061 --> 00:14:57,396 大戦を経験した旧世代ほど➡ 220 00:14:57,396 --> 00:14:59,899 廃止には反発するだろう。 221 00:14:59,899 --> 00:15:02,769 だが これから先は確実に➡ 222 00:15:02,769 --> 00:15:06,339 人間への憎悪を 知らぬ世代が増えてゆく。 223 00:15:06,339 --> 00:15:10,676 (レオンハート)そのとき 彼らが偏見や 過去の確執に惑わされず➡ 224 00:15:10,676 --> 00:15:14,347 心のまま 相手と 向き合うことができるように➡ 225 00:15:14,347 --> 00:15:16,849 正常な国交という土台を今➡ 226 00:15:16,849 --> 00:15:19,685 私が 作っておかなければならぬ。 227 00:15:19,685 --> 00:15:23,022 それが王たる私の義務だ。 228 00:15:23,022 --> 00:15:26,025 《おーさま…》 だが そのためには➡ 229 00:15:26,025 --> 00:15:28,361 避けて通れぬ問題がある。 230 00:15:28,361 --> 00:15:31,030 相互不可侵のおきてだ。 231 00:15:31,030 --> 00:15:33,533 相互不可侵のおきて? 232 00:15:33,533 --> 00:15:36,536 いかなる者 いかなる理由においても➡ 233 00:15:36,536 --> 00:15:39,205 国境を越えた者は 互いに命の保証は➡ 234 00:15:39,205 --> 00:15:41,874 一切されないものとする。 235 00:15:41,874 --> 00:15:46,546 ヨアナに歩み寄る以上 一度は使者を送ることになる。 236 00:15:46,546 --> 00:15:50,383 だが その間 使者は何者にも庇護されぬ。 237 00:15:50,383 --> 00:15:52,552 ハッ… じゃあもし 使者が➡ 238 00:15:52,552 --> 00:15:55,388 命を 落とすようなことがあったら…。 239 00:15:55,388 --> 00:15:58,391 人間への憎悪は ますます強くなり➡ 240 00:15:58,391 --> 00:16:02,228 和解の道は 大きく遠ざかることになろう。 241 00:16:02,228 --> 00:16:05,865 《人間にとって 魔族の世界が危険なように➡ 242 00:16:05,865 --> 00:16:10,203 魔族にとっても 人間の世界は危険な場所…。 243 00:16:10,203 --> 00:16:12,171 人間?》 244 00:16:12,171 --> 00:16:14,173 おーさま。 245 00:16:14,173 --> 00:16:17,176 その役目 私ならできる? 246 00:16:19,545 --> 00:16:21,514 私なら…。 247 00:16:24,517 --> 00:16:27,353 (アヌビス)私は反対です! そもそも➡ 248 00:16:27,353 --> 00:16:29,689 生贄制度を廃止するなどと…。 249 00:16:29,689 --> 00:16:32,692 そんなこと 認められるはずがございません! 250 00:16:32,692 --> 00:16:35,728 何も 今すぐという話ではない。 251 00:16:35,728 --> 00:16:37,897 (レオンハート)まずは ヨアナに使者を立て➡ 252 00:16:37,897 --> 00:16:40,566 両国が直接 話し合う場を設けることを➡ 253 00:16:40,566 --> 00:16:44,036 提案する。 それが問題なのです! 254 00:16:44,036 --> 00:16:46,372 (アヌビス)こちらが ヨアナへ歩み寄りを示す…。 255 00:16:46,372 --> 00:16:49,542 それが何を意味するか おわかりですか!? 256 00:16:49,542 --> 00:16:53,713 無論。 将来の国交回復を目指し➡ 257 00:16:53,713 --> 00:16:57,216 オズマルゴは今後 ヨアナとは 国家として対等に➡ 258 00:16:57,216 --> 00:16:59,719 協議を行っていく。 (3人)なっ…。 259 00:16:59,719 --> 00:17:03,055 し… しかし ヨアナと対等とは…。 260 00:17:03,055 --> 00:17:05,658 反乱分子を退け 王の威厳も➡ 261 00:17:05,658 --> 00:17:08,661 誇示できたというのに… それでは国民は➡ 262 00:17:08,661 --> 00:17:11,998 納得しませんぞ! 「国民が」 じゃなくて➡ 263 00:17:11,998 --> 00:17:15,334 アンタらがでしょ? じいさんたち。 なっ! 264 00:17:15,334 --> 00:17:18,504 今どきの連中は 恨んだり 憎んだりできるほど➡ 265 00:17:18,504 --> 00:17:20,673 人間のこと知らないっての。 266 00:17:20,673 --> 00:17:23,342 下々の声なんか 聞いたことないくせに➡ 267 00:17:23,342 --> 00:17:27,013 代弁者ヅラしないでよね。 うっ… ぶっ 無礼な! 268 00:17:27,013 --> 00:17:31,517 口を慎みたまえ! アンタらじゃ話にならないや。 269 00:17:31,517 --> 00:17:33,853 サリフィが行くなら俺も行くよ。 270 00:17:33,853 --> 00:17:36,355 (ラントベルト)そのための 親衛隊でしょ? 271 00:17:36,355 --> 00:17:41,060 ラント 私たちは席を外そう。 272 00:17:41,060 --> 00:17:44,030 (ラントベルト)ったく 俺が サリフィについていけば➡ 273 00:17:44,030 --> 00:17:46,699 それで済む話なのにさ。 274 00:17:46,699 --> 00:17:48,868 でも 魔族のラントが もし 人間と➡ 275 00:17:48,868 --> 00:17:53,039 もめ事起こしちゃったら いろいろ ややこしくなるから…。 276 00:17:53,039 --> 00:17:55,541 絶対にもめない自信ある? ない! 277 00:17:55,541 --> 00:17:58,044 でしょ? 278 00:17:58,044 --> 00:18:02,548 《やっぱり そんな 簡単なことじゃないんだよね》 279 00:18:02,548 --> 00:18:05,151 おーさま 話はまとまった? 280 00:18:05,151 --> 00:18:08,821 いや… アヌビスが お前と 2人で話がしたいと➡ 281 00:18:08,821 --> 00:18:12,024 言っている。 サイショーさんが? 282 00:18:21,167 --> 00:18:25,338 まったく 今時の若い娘は 掃除もまともにできぬのか。 283 00:18:25,338 --> 00:18:28,007 フッ。 誰のマネだ 誰の! 284 00:18:28,007 --> 00:18:30,009 ハァ。 285 00:18:30,009 --> 00:18:34,180 小娘 貴様は 魔族と 人間がわかり合うことなど➡ 286 00:18:34,180 --> 00:18:37,850 本当にできると思うか? それは➡ 287 00:18:37,850 --> 00:18:40,019 もちろん 簡単なことじゃ ないと思うけど…。 288 00:18:40,019 --> 00:18:42,688 余計な前置きは要らぬ。 289 00:18:42,688 --> 00:18:45,524 是か非で答えろ。 290 00:18:45,524 --> 00:18:48,194 できる… と思う。 291 00:18:48,194 --> 00:18:51,197 それで 自ら使者に名乗りを上げ➡ 292 00:18:51,197 --> 00:18:54,867 魔族と 人間の 架け橋にでもなろうというのか? 293 00:18:54,867 --> 00:18:58,704 おごるな 小娘。 そんな 架け橋だなんて…。 294 00:18:58,704 --> 00:19:00,873 それは言い過ぎだよ サイショーさん。 295 00:19:00,873 --> 00:19:03,042 だから そう言ってるだろうが! 296 00:19:03,042 --> 00:19:06,679 不愉快だ! やはり人間などとは話が通じん! 297 00:19:06,679 --> 00:19:10,049 「人間とは」じゃなくて 「私とは」でしょ。 298 00:19:11,984 --> 00:19:14,487 人間とか 魔族とかじゃなくて➡ 299 00:19:14,487 --> 00:19:18,324 サイショーさんは 私が嫌いなだけだもんね? 300 00:19:18,324 --> 00:19:20,493 頭の固いサイショーさんでも➡ 301 00:19:20,493 --> 00:19:22,828 種族より 個人を見られるんだもん。 302 00:19:22,828 --> 00:19:25,498 他の人だってできるよ。 くっ…。 303 00:19:25,498 --> 00:19:28,334 それで嫌いになっちゃうなら しかたないけど➡ 304 00:19:28,334 --> 00:19:31,170 なんにも知らない同士 誤解や 伝聞だけで➡ 305 00:19:31,170 --> 00:19:34,006 憎しみが連鎖していくのは➡ 306 00:19:34,006 --> 00:19:36,842 すごく怖いことだと思う。 307 00:19:36,842 --> 00:19:39,011 だから この歩み寄りが➡ 308 00:19:39,011 --> 00:19:42,014 未来を少し 変えられるかもしれないなら➡ 309 00:19:42,014 --> 00:19:46,052 私も 今の自分に できるかぎりのことをしたい。 310 00:19:46,052 --> 00:19:48,888 おーさまの目指す未来のために➡ 311 00:19:48,888 --> 00:19:52,024 今の私にしか できないことがあるなら➡ 312 00:19:52,024 --> 00:19:56,696 今の私を与えてくれた おーさまのためなら…。 313 00:19:56,696 --> 00:19:58,697 わかった。 あっ。 314 00:19:58,697 --> 00:20:01,867 私は ヨアナに使者を送ること➡ 315 00:20:01,867 --> 00:20:05,471 その使者に貴様を 選出することを認めよう。 316 00:20:05,471 --> 00:20:08,974 元老院議官たちへは 私から申し伝えておく。 317 00:20:08,974 --> 00:20:12,812 ありがとう サイショーさん! サイショーさん たま~にいい人だね! 318 00:20:12,812 --> 00:20:16,482 ぐぐ…。 おーさまにも伝えてくるね! 319 00:20:16,482 --> 00:20:19,485 《「おーさまのためなら」 か…。 320 00:20:19,485 --> 00:20:23,155 つくづく腹の立つ小娘だ》 321 00:20:23,155 --> 00:20:26,325 そうか アヌビスが…。 322 00:20:26,325 --> 00:20:28,994 わかった。 ヨアナへの使いは➡ 323 00:20:28,994 --> 00:20:32,665 お前に任せる。 あ… おーさま。 324 00:20:32,665 --> 00:20:36,669 ただし ラントベルト以下 数名の護衛をつける。 325 00:20:36,669 --> 00:20:40,339 えっ でもそれじゃ 私が行く意味が…。 326 00:20:40,339 --> 00:20:43,008 お前の安全には代えられぬ。 327 00:20:43,008 --> 00:20:45,678 おーさま お願い。 私が頼りなくて➡ 328 00:20:45,678 --> 00:20:48,848 心配なのは わかるけど…。 違う! 329 00:20:48,848 --> 00:20:51,684 私は…。 (ベンヌ)ちょお~っと待った~! 330 00:20:51,684 --> 00:20:54,186 (ベンヌ)天下の大聖獣 不死鳥ベンヌ様➡ 331 00:20:54,186 --> 00:20:57,356 大登場! 魔族でも 人間でもない➡ 332 00:20:57,356 --> 00:20:59,525 この俺様を縛れる鎖なんざ➡ 333 00:20:59,525 --> 00:21:02,328 ありゃあしねえぜ タコナスゥ! 334 00:21:04,363 --> 00:21:06,699 ベンヌちゃん! よっ。 335 00:21:06,699 --> 00:21:09,869 そっか。 聖獣なら 魔族と 人間のおきても➡ 336 00:21:09,869 --> 00:21:12,538 関係ないね! そゆこと。 337 00:21:12,538 --> 00:21:15,875 お嬢一人 背中に乗せてひとっ飛びよ。 338 00:21:15,875 --> 00:21:19,545 ベンヌちゃんに飛んでもらえば 安全に ヨアナに行けるよ。 339 00:21:19,545 --> 00:21:21,547 ねっ おーさま! 340 00:21:23,716 --> 00:21:26,552 私の負けだ。 341 00:21:26,552 --> 00:21:29,221 《セト:やはり これだけの文献を調べても➡ 342 00:21:29,221 --> 00:21:32,391 一切見つからない。 343 00:21:32,391 --> 00:21:35,561 王妃 側室の懐妊の時期➡ 344 00:21:35,561 --> 00:21:38,397 出生の場所 日時 気候。 345 00:21:38,397 --> 00:21:40,399 立ち会った神官…。 346 00:21:40,399 --> 00:21:43,235 本来 事細かに 残っているはずの情報が➡ 347 00:21:43,235 --> 00:21:46,572 不自然なほど抜け落ちている。 348 00:21:46,572 --> 00:21:50,075 ある王族のものだけが。 349 00:21:50,075 --> 00:21:55,080 そう 現王の出生の記録だけが!》 350 00:21:58,250 --> 00:22:01,921 サリフィ様! 本当に 本当にお気をつけて! 351 00:22:01,921 --> 00:22:05,224 危なくなったら すぐに 戻ってきてくださいまし! 352 00:22:05,224 --> 00:22:08,861 ガオーン! 全然 納得いかない! 353 00:22:08,861 --> 00:22:11,397 護衛なら 俺の仕事なのにさ。 354 00:22:11,397 --> 00:22:14,033 みんな お見送りありがとう。 355 00:22:14,033 --> 00:22:18,037 でも オーサマも冷たいよね。 見送りにも来ないなんて➡ 356 00:22:18,037 --> 00:22:21,707 ま~だ すねてんのかね。 そうじゃないよ。 357 00:22:21,707 --> 00:22:24,376 おーさまにはね 王宮を出るときに➡ 358 00:22:24,376 --> 00:22:27,379 ちゃんと お見送りしてもらったから…。 359 00:22:27,379 --> 00:22:30,049 ⦅私は親書を届けて 返事を聞いて➡ 360 00:22:30,049 --> 00:22:32,351 帰ってくるだけでいいんだよね。 361 00:22:34,720 --> 00:22:37,556 じゃあ いってきます。 362 00:22:37,556 --> 00:22:39,892 サリフィ。 363 00:22:39,892 --> 00:22:42,061 お前を使者に立てたことは➡ 364 00:22:42,061 --> 00:22:45,564 おそらく 今の段階で可能な最善策だ。 365 00:22:45,564 --> 00:22:47,900 あるいは 後々まで➡ 366 00:22:47,900 --> 00:22:52,404 歴史の一ページに残る 決断となるやもしれぬ。 367 00:22:52,404 --> 00:22:57,409 だが 私は… くっ! 368 00:22:57,409 --> 00:23:01,747 おーさま。 私 おーさまに謝らなくちゃ。 369 00:23:01,747 --> 00:23:04,783 私 この前 頼りなくて心配なのは➡ 370 00:23:04,783 --> 00:23:08,721 わかるって言ったけど 違うよね。 371 00:23:08,721 --> 00:23:11,523 おーさまは ただ 私の事➡ 372 00:23:11,523 --> 00:23:13,859 大切に 思ってくれてるから。 373 00:23:13,859 --> 00:23:17,196 心配してくれるんだよね。 374 00:23:17,196 --> 00:23:20,733 だから…。 375 00:23:20,733 --> 00:23:23,068 心配しないで とは言わない。 376 00:23:23,068 --> 00:23:25,337 その代わり ただ待ってて。 377 00:23:27,539 --> 00:23:30,576 おーさまが 待っていてくれるなら➡ 378 00:23:30,576 --> 00:23:33,746 私にも 帰れる場所があるなら➡ 379 00:23:33,746 --> 00:23:37,383 それだけで すごく 勇気をもらえるから。 380 00:23:37,383 --> 00:23:40,552 あぁ。 あっ! 381 00:23:40,552 --> 00:23:43,222 私は お前の帰りを待っている。 382 00:23:43,222 --> 00:23:48,060 だから… 死ぬほど 心配させてくれ。 383 00:23:48,060 --> 00:23:50,262 うん。 384 00:23:50,262 --> 00:23:52,931 《サリフィ:いってきます おーさま》 385 00:23:57,603 --> 00:24:02,274 (セト)現王は 出生に何か 重大な秘密を抱えている。 386 00:24:02,274 --> 00:24:06,845 おそらく 露見すれば すべてが覆りかねないほどの…。 387 00:24:06,845 --> 00:24:09,014 どうか お気をつけて! 388 00:24:09,014 --> 00:24:12,685 (キュク/ロプス)サリー! ちゃっちゃと済ませてきてよ! 389 00:24:12,685 --> 00:24:14,687 いってきます みんな! 390 00:24:16,855 --> 00:24:20,359 (セト)つまり それを 暴くことができれば➡ 391 00:24:20,359 --> 00:24:23,195 必ずや 果たせるはずだ。 392 00:24:23,195 --> 00:24:25,898 (セト)私の長年の悲願が! 393 00:24:30,536 --> 00:24:34,540 《人間の… 生贄の私が➡ 394 00:24:34,540 --> 00:24:37,876 魔族の使者として➡ 395 00:24:37,876 --> 00:24:39,878 ヨアナへ!》