1 00:00:10,043 --> 00:00:14,047 [時行の叔父 北条 泰家] 2 00:00:14,047 --> 00:00:18,051 [もうじき 嵐を呼ぶ男である] 3 00:00:18,051 --> 00:00:21,054 お… 叔父上~! 4 00:00:21,054 --> 00:00:23,056 よくぞ ご無事で~! 5 00:00:23,056 --> 00:00:28,061 時行殿こそ! 泰家 感激ですぞ~! 6 00:00:28,061 --> 00:00:31,064 実の叔父上が生きてたとは 驚きっすよ。 7 00:00:31,064 --> 00:00:33,066 ああ。 8 00:00:33,066 --> 00:00:37,070 (頼重)幕府の頂点 高時様の実の弟君。➡ 9 00:00:37,070 --> 00:00:42,075 正真正銘 幕府の中枢に おられたお方だ。➡ 10 00:00:42,075 --> 00:00:46,079 鎌倉陥落の時 時行様を私に預ける手はずを➡ 11 00:00:46,079 --> 00:00:51,084 整えてくださったのも 泰家様なのだ。 12 00:00:51,084 --> 00:00:56,089 そういえば 叔父上は どうやって あの修羅場から脱出を? 13 00:00:56,089 --> 00:00:58,091 ああ 新田の兵になりきった。 14 00:00:58,091 --> 00:01:00,093 えっ? 15 00:01:08,035 --> 00:01:10,037 《ん?》 16 00:01:14,041 --> 00:01:16,043 (郎党) 《負傷兵だ! 通してくれ!》 17 00:01:16,043 --> 00:01:18,045 《うう… 痛いよ~》 18 00:01:18,045 --> 00:01:21,048 (泰家)敵方の負傷兵の ふりをして➡ 19 00:01:21,048 --> 00:01:23,050 鎌倉から脱出したのだよ。 20 00:01:23,050 --> 00:01:25,052 (玄蕃)すげーな。 旦那。 21 00:01:25,052 --> 00:01:30,057 一族が バカスカ 死んでく中で よくも そんな恥知らずな逃げ方。 22 00:01:30,057 --> 00:01:34,061 (泰家)もちろん 共に死のうと言われたさ。 23 00:01:34,061 --> 00:01:37,064 《ささ 泰家殿もご一緒に》 24 00:01:37,064 --> 00:01:40,067 (泰家)だが わしは こう言った。 25 00:01:40,067 --> 00:01:42,069 命など惜しくはないが➡ 26 00:01:42,069 --> 00:01:44,071 再び 天下を取り返すことで➡ 27 00:01:44,071 --> 00:01:47,074 皆の無念は必ず晴らすと。 28 00:01:47,074 --> 00:01:50,077 (弧次郎)《デコ…》 (亜也子)《おデコ なんか見える》 29 00:01:50,077 --> 00:01:52,079 叔父上。 ん? 30 00:01:52,079 --> 00:01:55,082 死にたくなかったと 顔に書いてありますよ。 31 00:01:55,082 --> 00:02:00,087 おっ おっと! 時行殿は目ざといなぁ。 アハハハ。 32 00:02:00,087 --> 00:02:03,023 この2年 東北を巡り➡ 33 00:02:03,023 --> 00:02:06,026 北条残党を 集めて戦ってきたが➡ 34 00:02:06,026 --> 00:02:10,030 どこも負けて 逃げてきた。 35 00:02:10,030 --> 00:02:13,033 そなたが最後の希望だ。➡ 36 00:02:13,033 --> 00:02:19,039 諏訪 頼重 勝算ある準備は できたのか? 37 00:02:19,039 --> 00:02:23,043 ええ おおむね順調なのですが。 38 00:02:23,043 --> 00:02:25,045 んっ? 39 00:02:25,045 --> 00:02:28,048 少々 気になる未来が 見えまして。 40 00:02:28,048 --> 00:02:31,051 よければ あちらで ご相談させてください。 41 00:02:31,051 --> 00:02:34,054 (泰家)おお わかった。 行こう。 42 00:02:34,054 --> 00:02:37,057 ん? (弧次郎)ん? 43 00:02:40,060 --> 00:02:42,062 (泰家)ホ~ ホホ…。 44 00:02:42,062 --> 00:02:45,065 (弧次郎)うるせぇ! 早く行け! 45 00:02:45,065 --> 00:02:49,069 (吹雪) うるさいくらい顔に出るご仁だ。 46 00:02:49,069 --> 00:02:53,073 逃げザマといい 幕府の重鎮とは思えませんね。 47 00:02:53,073 --> 00:02:57,077 叔父上は 昔っから生き汚いんだ。 48 00:02:57,077 --> 00:03:01,014 下心 丸出しで あれこれ たくらみ➡ 49 00:03:01,014 --> 00:03:04,017 権力や命に執着し➡ 50 00:03:04,017 --> 00:03:07,020 けど それが全部 素直に顔に出る。 51 00:03:07,020 --> 00:03:10,023 武士の仮面で飾らない 正直な人柄が➡ 52 00:03:10,023 --> 00:03:13,026 私は大好きだったよ。 53 00:03:13,026 --> 00:03:15,028 フフ…。 54 00:03:15,028 --> 00:03:17,030 (亜也子・弧次郎)フ…。 55 00:03:18,698 --> 00:03:20,367 (玄蕃)フン。 56 00:03:20,367 --> 00:03:30,377 ♬~ 57 00:05:01,935 --> 00:05:04,938 (玄蕃)《なんだか 役者が揃って来やがった》➡ 58 00:05:04,938 --> 00:05:08,942 《大戦も目の前ってとこか》➡ 59 00:05:08,942 --> 00:05:11,945 《そうなりゃ 今まで以上に危険な目に遭う》➡ 60 00:05:11,945 --> 00:05:14,948 《坊は見てて飽きない奴だが➡ 61 00:05:14,948 --> 00:05:17,951 命を懸けて従うほどの 理由があるか?》➡ 62 00:05:17,951 --> 00:05:20,954 《坊と違って 俺には 討つべき敵も➡ 63 00:05:20,954 --> 00:05:23,957 救うべき一族もいない》➡ 64 00:05:23,957 --> 00:05:27,961 《この辺りで降りちまうのも 一つの手だが…》➡ 65 00:05:27,961 --> 00:05:31,965 《まあ また今度 考えっか》 66 00:05:31,965 --> 00:05:33,967 (玄蕃)ん? 67 00:05:38,972 --> 00:05:40,974 (玄蕃)《何か居やがる》 68 00:05:40,974 --> 00:05:42,976 (玄蕃)《気のせいか?》➡ 69 00:05:42,976 --> 00:05:44,978 《諏訪大社の敷地内は➡ 70 00:05:44,978 --> 00:05:46,980 頼重が 厳重に見張らせている》➡ 71 00:05:46,980 --> 00:05:48,982 《そうそう 誰かが入れるはずが…》 72 00:05:48,982 --> 00:05:50,650 ん!? 73 00:05:50,650 --> 00:05:52,319 くっ。 74 00:05:52,319 --> 00:05:53,920 (玄蕃)《と… 飛び道具!?》 75 00:05:58,992 --> 00:06:03,930 (天狗面)ほう。 察知力は なかなか。 76 00:06:03,930 --> 00:06:06,933 (玄蕃)《天狗の… 面?》 77 00:06:06,933 --> 00:06:09,936 (天狗面)曲がりなりにも 忍びのようだ。➡ 78 00:06:09,936 --> 00:06:13,940 情報にあった信濃の狐面 風間 玄蕃か。➡ 79 00:06:13,940 --> 00:06:16,943 いや その後継者か。➡ 80 00:06:16,943 --> 00:06:20,947 まあどうせ死ぬから どちらでもいい。 81 00:06:20,947 --> 00:06:23,950 ちょ 待て待て。 落ち着けよ。 82 00:06:23,950 --> 00:06:25,952 俺は 手ぶらの丸腰だぜ。➡ 83 00:06:25,952 --> 00:06:28,955 第一 誰だ? 玄蕃って? 84 00:06:28,955 --> 00:06:31,958 これ ただの祭り用の狐面だぞ。➡ 85 00:06:31,958 --> 00:06:33,960 ほれ よく見ろ。 86 00:06:35,962 --> 00:06:37,964 ハッ! 87 00:06:37,964 --> 00:06:39,633 (玄蕃)ん!? 88 00:06:39,633 --> 00:06:41,968 (天狗面)技じゃないな 手品だ。 89 00:06:41,968 --> 00:06:43,637 (玄蕃)ぐっ! 90 00:06:43,637 --> 00:06:45,939 (天狗面) 冥土の鬼でも楽しませてろ。 91 00:06:47,974 --> 00:06:49,976 (爆発音) 92 00:06:49,976 --> 00:06:52,979 (兵士)あそこで 誰か 戦っている!? 93 00:06:52,979 --> 00:06:55,982 (天狗面)他人を呼んで 自分を守るか。➡ 94 00:06:55,982 --> 00:07:00,987 そのザマでは 自分の主君を 守るなど 到底無理だな。 95 00:07:05,925 --> 00:07:10,930 (天狗面)風間 玄蕃 噂ほどにもなし。 96 00:07:12,933 --> 00:07:15,935 (兵士)玄蕃! (兵士)今の音は…。 97 00:07:17,938 --> 00:07:19,940 (玄蕃)頼重に話がある。➡ 98 00:07:19,940 --> 00:07:23,943 相当 ヤバい事態かもしれない。 99 00:07:23,943 --> 00:07:25,945 (頼重)言う通りに警備を置いた。➡ 100 00:07:25,945 --> 00:07:29,950 襲撃も盗み聞きも心配ない。 101 00:07:29,950 --> 00:07:33,954 (頼重)話せ 玄蕃。 お前を襲ったのは何者だ? 102 00:07:33,954 --> 00:07:37,957 (玄蕃)親父から 聞いたことがある。➡ 103 00:07:37,957 --> 00:07:41,962 足利直属の忍び集団➡ 104 00:07:41,962 --> 00:07:43,964 天狗衆。➡ 105 00:07:43,964 --> 00:07:48,969 神速の体術と潜入技術で 暴けぬ秘密はないという。 106 00:07:48,969 --> 00:07:54,974 [足利 尊氏が 京の幕府軍を 全滅させた日は…] 107 00:08:01,915 --> 00:08:06,920 [尊氏の同志 新田 義貞は 迷っていた] 108 00:08:06,920 --> 00:08:08,922 (義貞)尊氏殿が 京を落とすと同時に➡ 109 00:08:08,922 --> 00:08:12,926 俺が鎌倉を攻める作戦だが➡ 110 00:08:12,926 --> 00:08:15,929 京の戦況が さっぱりわからん。 111 00:08:15,929 --> 00:08:19,933 [新田 義貞は 京の陥落を まだ知らない] 112 00:08:19,933 --> 00:08:23,937 [京都から群馬まで 一日で情報を伝えるのは➡ 113 00:08:23,937 --> 00:08:25,939 当時 不可能である] 114 00:08:25,939 --> 00:08:27,941 (義貞)《尊氏殿が 仮に敗れていたら➡ 115 00:08:27,941 --> 00:08:30,944 俺の少ない兵では 幕府に勝てん》➡ 116 00:08:30,944 --> 00:08:33,947 《今は挙兵をやめるべきか?》 117 00:08:33,947 --> 00:08:35,949 (郎党)殿! 118 00:08:37,951 --> 00:08:39,953 (郎党)援軍です! およそ2,000!➡ 119 00:08:39,953 --> 00:08:43,957 あれは 越後に住む我が一族です! 120 00:08:43,957 --> 00:08:45,959 (義貞)なぜ来れた?➡ 121 00:08:45,959 --> 00:08:48,962 俺の挙兵は まだ一族にも秘密にしていたのに。 122 00:08:48,962 --> 00:08:51,965 天狗が知らせてくれたんです。 123 00:08:51,965 --> 00:08:53,967 天狗? 124 00:08:53,967 --> 00:08:56,970 (武士)一人の天狗が わずか一日で 越後中を巡り➡ 125 00:08:56,970 --> 00:09:02,976 新田殿が鎌倉攻略に立ち上がると 触れ回ったんです! 126 00:09:02,976 --> 00:09:05,979 なんと奇妙なことがあるものだ。 127 00:09:05,979 --> 00:09:11,985 フッ。 まあいい。 2,000も来れば 俺には 十分! 128 00:09:11,985 --> 00:09:14,988 (いななき) (義貞)鎌倉攻めにもはや迷いなし。 129 00:09:14,988 --> 00:09:19,993 (義貞)続け 者ども! (郎党たち)おう! 130 00:09:19,993 --> 00:09:21,995 [こうして 新田 義貞は➡ 131 00:09:21,995 --> 00:09:26,100 京の尊氏に気を取られた 鎌倉幕府の隙を突き➡ 132 00:09:26,100 --> 00:09:31,004 鎌倉を滅ぼすことが できたのだった] 133 00:09:31,004 --> 00:09:34,007 [この「天狗の報せ」の エピソードは➡ 134 00:09:34,007 --> 00:09:39,012 当時の人が書いた 『太平記』に記されている] 135 00:09:39,012 --> 00:09:41,014 [作り話と断ずるのは簡単だが➡ 136 00:09:41,014 --> 00:09:46,019 日本史上初の 東西同時クーデターは➡ 137 00:09:46,019 --> 00:09:50,023 天狗でもいなければ説明できない 離れ業であり➡ 138 00:09:50,023 --> 00:09:55,028 当時から謎に思われていたことを 示している] 139 00:09:55,028 --> 00:09:59,032 (玄蕃)奴らは 日に百里駆けると いわれている。➡ 140 00:09:59,032 --> 00:10:02,969 情報戦で 幕府打倒の 大きな力になったらしい。 141 00:10:02,969 --> 00:10:06,973 (頼重)天狗面の話は 私も耳にした。➡ 142 00:10:06,973 --> 00:10:09,976 足利学校という古くから続く 教育機関があり➡ 143 00:10:09,976 --> 00:10:15,982 そこに腕利きの忍びを養成する 部署があるとの噂だ。 144 00:10:15,982 --> 00:10:18,985 [文献上 最初の忍びを使ったのは➡ 145 00:10:18,985 --> 00:10:23,990 足利家執事 高師直である] 146 00:10:23,990 --> 00:10:27,994 (玄蕃)とにかく もう大戦は中止すべきだ。➡ 147 00:10:27,994 --> 00:10:30,997 でなければ 乱の証拠を押さえられ➡ 148 00:10:30,997 --> 00:10:35,001 坊の正体も突き止められて 全て終わりだ。 149 00:10:37,003 --> 00:10:40,006 時行殿を守らねば。 150 00:10:42,008 --> 00:10:46,012 先日 不吉な未来が見えました。➡ 151 00:10:46,012 --> 00:10:49,015 時行様が このまま 諏訪に とどまっていたら➡ 152 00:10:49,015 --> 00:10:53,019 死ぬであろう。 なるべく遠くへ逃げるが吉と。➡ 153 00:10:53,019 --> 00:10:59,025 玄蕃の言うとおり 計画には 大きな変更が必要になった。 154 00:10:59,025 --> 00:11:02,962 例の件 よろしいですか? 泰家様。 155 00:11:02,962 --> 00:11:05,965 うん 引き受けた。 156 00:11:08,968 --> 00:11:10,970 (頼重)時行様。 157 00:11:12,972 --> 00:11:18,311 信濃を離れ 泰家様と共に 京の都へお上りなされ。 158 00:11:18,311 --> 00:11:19,979 京? 159 00:11:19,979 --> 00:11:23,983 大戦の決行は 来月を予定しており➡ 160 00:11:23,983 --> 00:11:28,988 わしは この後 京の協力者と 乱の算段を練る予定です。➡ 161 00:11:28,988 --> 00:11:31,991 わしと共に ついてくれば その間➡ 162 00:11:31,991 --> 00:11:34,994 天狗どもの追及を 完全に かわせる。➡ 163 00:11:34,994 --> 00:11:36,996 敵方も まさか➡ 164 00:11:36,996 --> 00:11:41,000 北条宗家の二人が 京にいるとは想像もしない。➡ 165 00:11:41,000 --> 00:11:45,004 人も多く 紛れるのは たやすいはず。 166 00:11:45,004 --> 00:11:48,007 (頼重)それに 天下人を目指す以上➡ 167 00:11:48,007 --> 00:11:50,009 時行様は 一度 京を見ておくべきと➡ 168 00:11:50,009 --> 00:11:52,011 思っていました。 169 00:11:52,011 --> 00:11:56,015 京の都は あらゆる文化の最先端。➡ 170 00:11:56,015 --> 00:12:00,620 人材も 帝 尊氏をはじめ 新田 楠木など➡ 171 00:12:00,620 --> 00:12:04,958 敵ながら ずぬけた英才が 集っています。 172 00:12:04,958 --> 00:12:06,960 楠木? 173 00:12:06,960 --> 00:12:12,966 (瘴奸)《楠木殿にでも 戦を教われれば よかったのにな》 174 00:12:12,966 --> 00:12:15,301 (頼重)むろん 彼らと 顔を合わせることがあっては➡ 175 00:12:15,301 --> 00:12:16,970 なりませんが➡ 176 00:12:16,970 --> 00:12:19,973 才気あふれる京の空気から 得るものは➡ 177 00:12:19,973 --> 00:12:21,975 計り知れないはずです。 178 00:12:25,979 --> 00:12:28,982 行ってみたいです。 京へ! 179 00:12:28,982 --> 00:12:30,984 うん。 では さっそく 今夜にも➡ 180 00:12:30,984 --> 00:12:32,986 出発していただきましょう。 181 00:12:32,986 --> 00:12:35,989 (亜也子)今夜!? (弧次郎)そんな急に!? 182 00:12:35,989 --> 00:12:38,992 実のところ こういう事態も想定済み。➡ 183 00:12:38,992 --> 00:12:44,998 諏訪神党は 非常時の暗号を使い 既に計画を進めております。 184 00:12:44,998 --> 00:12:49,002 (海野)最近のおかずは? (祢津)野沢菜漬けだ。 185 00:12:49,002 --> 00:12:51,004 野沢菜漬けか… 厄介だな。 186 00:12:51,004 --> 00:12:53,006 奴は ご飯泥棒だ。 187 00:12:53,006 --> 00:12:55,008 太らぬよう注意せよ。 188 00:12:55,008 --> 00:13:00,013 ああ この上 塩ジャケも来たら 箸が止まらん。 189 00:13:02,949 --> 00:13:05,952 でも どうやって 若を信濃から逃がすんです?➡ 190 00:13:05,952 --> 00:13:10,957 多分 今も天狗衆ってのが 諏訪大社を見張ってますよ。➡ 191 00:13:10,957 --> 00:13:12,959 子供が旅立てば怪しまれる。 192 00:13:12,959 --> 00:13:15,962 (頼重)それだが 謎の侵入者に 混乱する➡ 193 00:13:15,962 --> 00:13:17,964 この状況を逆手に取り➡ 194 00:13:17,964 --> 00:13:22,969 逃がすのと証拠隠滅を 同時に行う。 195 00:13:22,969 --> 00:13:27,974 名残を惜しむ時間がないのが この策の泣きどころですが。 196 00:13:27,974 --> 00:13:29,642 (武士)火事だ~! 197 00:13:29,642 --> 00:13:32,979 (武士)頼重様の館が 燃えているぞ! 198 00:13:32,979 --> 00:13:34,981 火元は!? (武士)たいまつの一つが➡ 199 00:13:34,981 --> 00:13:36,983 倒れたようで。 (盛高)くそっ! 200 00:13:36,983 --> 00:13:41,988 賊を警戒して 夜のたいまつを 増やしたのが あだになったか! 201 00:13:41,988 --> 00:13:44,991 近隣の諏訪神党に 使いを出せ! 202 00:13:44,991 --> 00:13:46,993 延焼を防ぐ人手が必要だ! 203 00:13:46,993 --> 00:13:49,996 (武士)はっ! 204 00:13:49,996 --> 00:13:53,100 (天狗衆)どう見ます? (天狗面)ただの失火か➡ 205 00:13:53,100 --> 00:13:57,003 それとも失火に見せかけ 乱の証拠書類を燃やしているか➡ 206 00:13:57,003 --> 00:14:00,006 現時点では判断できん。➡ 207 00:14:00,006 --> 00:14:03,943 人の動きから目を離すな。 (天狗衆)はっ。 208 00:14:03,943 --> 00:14:06,946 (天狗面)《意図的とすれば 凄まじく打つ手が早い》➡ 209 00:14:06,946 --> 00:14:09,949 《チッ… あの狐に察知されていなければ》 210 00:14:09,949 --> 00:14:11,951 (玄蕃)《ブリブリブリブリ…》 211 00:14:15,955 --> 00:14:17,957 ついてきてるか? はいっ! 212 00:14:17,957 --> 00:14:23,963 ばらばらに出発した郎党たちとも この先で合流します。 213 00:14:23,963 --> 00:14:25,965 (頼重)《京は京で危険が多い》➡ 214 00:14:25,965 --> 00:14:30,970 《不確かな未来を根拠に 送り出すのは いつも心が痛む》➡ 215 00:14:30,970 --> 00:14:37,977 《ですが この旅の中で あなた様は また成長するはず》➡ 216 00:14:37,977 --> 00:14:41,981 《危険を乗り越え 大きく育った我が子を見たい》➡ 217 00:14:41,981 --> 00:14:43,983 《親代わりの身としては➡ 218 00:14:43,983 --> 00:14:47,987 厳しく突き放すことも また愛なのです》➡ 219 00:14:47,987 --> 00:14:49,989 《さあ 行きなされ!》➡ 220 00:14:49,989 --> 00:14:53,993 《振り返ってはなりませぬぞ! 時行殿~!》 221 00:14:53,993 --> 00:14:55,995 (頼重)あっ? 222 00:14:55,995 --> 00:14:57,997 え…? 223 00:14:57,997 --> 00:15:00,933 [頼重が ついてきている] 224 00:15:00,933 --> 00:15:02,935 《あんたも来て どうすんだよ!》 225 00:15:02,935 --> 00:15:05,938 (頼重)いや… 時行様が心配で。 226 00:15:05,938 --> 00:15:08,941 《天狗に見られたら 偽装工作が台無しですよ》 227 00:15:08,941 --> 00:15:11,944 《早く戻れ!》➡ 228 00:15:11,944 --> 00:15:13,946 《その顔 やめろ!》 229 00:15:13,946 --> 00:15:18,985 《父様 見苦しい。 帰って 早く》 230 00:15:18,985 --> 00:15:23,956 (玄蕃たち)《か~え~れ! か~え~れ! か~え~れ!》 231 00:15:23,956 --> 00:15:25,958 ふえ~ん! 232 00:15:25,958 --> 00:15:28,961 ハハ…。 233 00:15:28,961 --> 00:15:31,964 [期待を胸に 時行が京へ向かったのは➡ 234 00:15:31,964 --> 00:15:34,967 六月のことだった] 235 00:15:49,882 --> 00:15:53,886 (吹雪)朝廷か足利方が 作った関所だ。 236 00:15:53,886 --> 00:15:57,890 検査も 相当 厳しそうですね。 237 00:15:57,890 --> 00:16:02,895 そもそも 泰家殿の顔に 北条と書いてあるので➡ 238 00:16:02,895 --> 00:16:04,897 絶対 バレます。 (泰家)ヒヒ…。 239 00:16:04,897 --> 00:16:06,899 ニヒヒヒ…。 240 00:16:06,899 --> 00:16:08,901 他に道はないのか? 241 00:16:08,901 --> 00:16:10,903 (吹雪)遠回りだが➡ 242 00:16:10,903 --> 00:16:12,905 山を越えるしかない。 243 00:16:12,905 --> 00:16:17,910 だが 傾斜が険しく 馬を 捨てなければ それも難しい。 244 00:16:17,910 --> 00:16:20,913 いや こんな奴らごときのために➡ 245 00:16:20,913 --> 00:16:23,916 馬と荷を失って たまるものか。➡ 246 00:16:23,916 --> 00:16:28,921 わしに考えがあるが 半日ほど準備が必要だ。➡ 247 00:16:28,921 --> 00:16:31,924 手前に 宿場町があったろう。➡ 248 00:16:31,924 --> 00:16:34,927 そなたたちは そこで時間を潰しておれ。 249 00:16:34,927 --> 00:16:37,930 (弧次郎)ってことだけど 飯屋でも入ります? 250 00:16:37,930 --> 00:16:41,934 いいや ここで 無駄金は使いたくない。 251 00:16:41,934 --> 00:16:44,937 京は 何かと 金がかかるらしいから。 252 00:16:44,937 --> 00:16:48,941 ねえ 見たことない服や ご飯が 何でも あるんだって! 253 00:16:48,941 --> 00:16:52,945 滞在中 ずっと 「どすえ」って連呼したい。➡ 254 00:16:52,945 --> 00:16:56,949 父様のくれたお小遣い 多くはないから➡ 255 00:16:56,949 --> 00:16:58,951 使いどころ 気をつけなきゃ。 256 00:16:58,951 --> 00:17:01,888 (雫)ん? (玄蕃)アハ…。 257 00:17:01,888 --> 00:17:03,890 (玄蕃)おっと失礼。 258 00:17:03,890 --> 00:17:05,892 貧乏人には目の毒だったかな? 259 00:17:05,892 --> 00:17:09,896 げげげ… 玄蕃くん そんな大金 どこから? 260 00:17:09,896 --> 00:17:13,900 エッヘッヘッヘ~。 頼重に せびったのさ。➡ 261 00:17:13,900 --> 00:17:15,902 敵の忍びを発見した手柄は でかい。➡ 262 00:17:15,902 --> 00:17:19,906 俺がいなけりゃ 諏訪は滅んでいたかもなって。 263 00:17:19,906 --> 00:17:21,908 エヘヘヘ…。 (吹雪)確かに。 264 00:17:21,908 --> 00:17:24,911 君のおかげで 大戦の計画が敵に漏れず➡ 265 00:17:24,911 --> 00:17:26,913 わが君も こうして逃げられた。 266 00:17:26,913 --> 00:17:29,916 その大金に ふさわしい手柄だ。 267 00:17:29,916 --> 00:17:31,918 で 相談なんだが➡ 268 00:17:31,918 --> 00:17:33,920 お金 貸してくれないか? 269 00:17:33,920 --> 00:17:36,923 自分の金は とうに尽きてしまったんだ。 270 00:17:36,923 --> 00:17:38,925 (雫)吹雪くん 途中の宿場で➡ 271 00:17:38,925 --> 00:17:40,927 つまらない買い食い しまくるから。 272 00:17:40,927 --> 00:17:43,930 持ってきた食料も ほとんど一人で食べ尽くしてるし。 273 00:17:43,930 --> 00:17:48,935 あっ! あ… うっ…。 274 00:17:48,935 --> 00:17:52,939 まあ 自業自得だ。 275 00:17:52,939 --> 00:17:54,941 (玄蕃)あー 食った食った!➡ 276 00:17:54,941 --> 00:17:57,944 貧乏人を尻目に豪遊するのは➡ 277 00:17:57,944 --> 00:18:00,880 たまらんぜ。 (亜也子)ぐぬぬぬ…。 278 00:18:00,880 --> 00:18:03,883 さすがに 吹雪が かわいそうだ。 279 00:18:03,883 --> 00:18:05,885 足りないかもしれないが 差し入れてやろう。 280 00:18:05,885 --> 00:18:08,888 (玄蕃)ほっとけ あんなポンコツ。 281 00:18:08,888 --> 00:18:10,890 そういえば 吹雪は? 282 00:18:10,890 --> 00:18:12,892 (雫)向こうの竹やぶ。➡ 283 00:18:12,892 --> 00:18:15,895 空腹を紛らわすために 鍛錬するって。 284 00:18:18,898 --> 00:18:21,901 (吹雪)ふっ ふっ くっ! 285 00:18:21,901 --> 00:18:25,905 (吹雪)フゥ~ おなか… 減った! 286 00:18:25,905 --> 00:18:27,907 お~っ! 287 00:18:27,907 --> 00:18:31,911 (玄蕃)《一食 抜いたくらいで なんつう飢えた目だ》➡ 288 00:18:31,911 --> 00:18:35,915 《こいつも まだまだ 引き出しを隠してやがる》 289 00:18:35,915 --> 00:18:37,917 あっ。 290 00:18:37,917 --> 00:18:40,920 (吹雪)フゥ~。 (玄蕃)おい。 291 00:18:40,920 --> 00:18:43,923 (吹雪)フフフフ… おおお…。 292 00:18:43,923 --> 00:18:47,927 (玄蕃)飯の礼に ちょっと教えろ。 293 00:18:47,927 --> 00:18:50,930 ん~。 (玄蕃)あの天狗に言われた。➡ 294 00:18:50,930 --> 00:18:53,933 俺の戦術は 技じゃなく手品だと。 295 00:18:53,933 --> 00:18:57,937 (吹雪)ん? (玄蕃)かなう気がしなかった。➡ 296 00:18:57,937 --> 00:19:00,873 何か決定的な差がある気がして。➡ 297 00:19:00,873 --> 00:19:04,877 奴と俺 違いは何だと思う? 298 00:19:04,877 --> 00:19:09,882 そうだな 忍びの技は専門外だが あえて言うなら➡ 299 00:19:09,882 --> 00:19:13,886 とにかく威力を追求した技を 開発すべきかな。➡ 300 00:19:13,886 --> 00:19:16,889 でないと君に 凄みを感じない。 301 00:19:16,889 --> 00:19:18,891 (玄蕃)凄み? 302 00:19:18,891 --> 00:19:22,895 (吹雪)いたずらを生かして 敵を縛る技は 君の持ち味だが➡ 303 00:19:22,895 --> 00:19:25,231 皆が死を覚悟した戦場では➡ 304 00:19:25,231 --> 00:19:28,901 いたずら程度では 敵は止まらない。➡ 305 00:19:28,901 --> 00:19:31,904 「本気なら殺せるぞ」 その凄みが伝われば➡ 306 00:19:31,904 --> 00:19:34,907 真の意味で 敵を縛れる。➡ 307 00:19:34,907 --> 00:19:38,911 手品と技の差があるなら そこだと思う。 308 00:19:38,911 --> 00:19:40,913 (玄蕃)なるほど。➡ 309 00:19:40,913 --> 00:19:43,916 殺傷力の高い道具が 開発できれば➡ 310 00:19:43,916 --> 00:19:46,919 隠し持っているだけでも はったりが効くってことか。 311 00:19:46,919 --> 00:19:48,921 まさしく。 312 00:19:50,923 --> 00:19:54,927 ところで 泰家様の策は 本当に大丈夫なんすか? 313 00:19:54,927 --> 00:19:58,931 顔に北条と書いてあったら 絶対 無理だと思うけど。 314 00:19:58,931 --> 00:20:02,868 きっと大丈夫。 そろそろ合流しよう。 315 00:20:02,868 --> 00:20:05,871 叔父上が体を汚しておいてくれと 言っていた。 316 00:20:05,871 --> 00:20:09,875 玄蕃は狐面だと怪しいから 適当な顔に。 317 00:20:09,875 --> 00:20:11,877 凄みと言うなら 叔父上も凄いぞ。 318 00:20:11,877 --> 00:20:14,880 本心が顔に出ていようが関係ない。 319 00:20:14,880 --> 00:20:17,883 (玄蕃)ん? それを超えた凄みで➡ 320 00:20:17,883 --> 00:20:19,885 無理やり突破するんだ! 321 00:20:19,885 --> 00:20:21,887 お願いでございますぅ! 322 00:20:21,887 --> 00:20:25,891 明日中に京に着かないと 野垂れ死んでしまいますぅ!➡ 323 00:20:25,891 --> 00:20:28,928 西園寺 公宗様の下男として➡ 324 00:20:28,928 --> 00:20:31,897 雇っていただける お約束なんですぅ!➡ 325 00:20:31,897 --> 00:20:33,899 母を亡くした この子らにも➡ 326 00:20:33,899 --> 00:20:36,902 やっと楽な暮らしが させられるんですぅ! 327 00:20:36,902 --> 00:20:39,905 (泰家)こんな みすぼらしい 田舎侍が➡ 328 00:20:39,905 --> 00:20:41,907 初めて もらった いい仕事なんですぅ! 329 00:20:41,907 --> 00:20:45,911 借金までして 馬と贈り物を買ったんですぅ!➡ 330 00:20:45,911 --> 00:20:49,915 どうか どうか どうか…。 (武士)うっ うう…。 331 00:20:49,915 --> 00:20:52,251 ええい もういい! 332 00:20:52,251 --> 00:20:53,919 通れ! (泰家)ああ 痛い! 333 00:20:53,919 --> 00:20:56,922 (武士)哀れすぎて こっちも惨めになってくるわ。 334 00:20:56,922 --> 00:20:59,925 その辺で野垂れ死ぬなよ。 迷惑だから。 335 00:20:59,925 --> 00:21:04,864 へえ… おありがとうございますぅ…。 336 00:21:04,864 --> 00:21:06,866 アハハ…。 337 00:21:06,866 --> 00:21:08,868 まあ ざっとこんなものよ。➡ 338 00:21:08,868 --> 00:21:12,872 半日間 飯を抜き 山の中を転げ回って➡ 339 00:21:12,872 --> 00:21:15,875 哀れな侍に なりきった。 340 00:21:19,879 --> 00:21:21,881 (泰家)ひとときの哀れさで 素性を隠すことなど➡ 341 00:21:21,881 --> 00:21:24,884 何でもないぞ 時行殿。➡ 342 00:21:24,884 --> 00:21:29,889 なぜなら 我らは天下の北条だからだ! 343 00:21:32,892 --> 00:21:39,899 [天下人の弟 北条 泰家は 初めて上京する田舎侍を装って➡ 344 00:21:39,899 --> 00:21:41,901 京に潜入したという] 345 00:21:41,901 --> 00:21:45,905 [幕府の中枢では ドロドロの権力抗争を演じ➡ 346 00:21:45,905 --> 00:21:48,908 幕府が滅べば ちゃっかり逃亡し➡ 347 00:21:48,908 --> 00:21:51,911 逃げた先々で反乱を扇動し➡ 348 00:21:51,911 --> 00:21:56,916 さらには京に潜入して 前代未聞の計画を立てる] 349 00:21:56,916 --> 00:22:00,853 [この時代屈指の寝業師である] 350 00:22:00,853 --> 00:22:06,859 [時行が持つ生命力は 病弱で無気力な父 高時よりも➡ 351 00:22:06,859 --> 00:22:09,862 この叔父に似たのかもしれない] 352 00:22:09,862 --> 00:22:13,866 (玄蕃)《坊も旦那も 危機の時ほど面白くなる》➡ 353 00:22:13,866 --> 00:22:16,869 《凄みか》 (玄蕃)ケケケ…。 354 00:22:16,869 --> 00:22:19,872 (玄蕃)《俺も 何か 凄いもん開発するか》➡ 355 00:22:19,872 --> 00:22:22,875 《天狗野郎の間抜け面を 拝むためにも》 356 00:22:22,875 --> 00:22:25,878 (泰家)さあ 京は目の前だ 時行殿。➡ 357 00:22:25,878 --> 00:22:29,882 哀れみが欲しい時は わしに任せろ! 358 00:22:29,882 --> 00:22:39,892 ♬~