1 00:00:06,039 --> 00:00:09,042 うーん…。 2 00:00:09,042 --> 00:00:11,044 うん。 3 00:00:11,044 --> 00:00:15,048 (雫)今 見える範囲のどこかに 金ピカの寺が建つ気がする。 4 00:00:15,048 --> 00:00:18,051 (魅摩)あー わかる。 そんな気配あるよね~。 5 00:00:18,051 --> 00:00:22,055 建つわけねえだろ そんなもん。 6 00:00:22,055 --> 00:00:27,060 すっかり 世話になってしまった。 魅摩殿には 後で礼をしないとな。 7 00:00:27,060 --> 00:00:32,065 (吹雪)しかし 彼女の父が あの 佐々木 道誉とは。➡ 8 00:00:32,065 --> 00:00:37,070 佐々木 道誉といえば 尊氏と共に鎌倉を裏切り➡ 9 00:00:37,070 --> 00:00:42,075 今では 京における 尊氏の参謀的な存在だとか。 10 00:00:42,075 --> 00:00:46,079 我が君 もし 自分にお命じいただければ➡ 11 00:00:46,079 --> 00:00:49,082 彼女を利用して 道誉に接近し➡ 12 00:00:49,082 --> 00:00:52,085 尊氏の首を狙う手はずを 整えますが。 13 00:00:54,087 --> 00:00:56,089 よそう。 君が危険だし➡ 14 00:00:56,089 --> 00:00:59,092 友として接してくれる彼女を 裏切りたくない。 15 00:00:59,092 --> 00:01:04,031 一期一会の良き友達のまま 終わりたいんだ。 16 00:01:04,031 --> 00:01:07,034 不粋な献策 お許しを。➡ 17 00:01:07,034 --> 00:01:10,037 それでこその我が君ですね。 18 00:01:12,039 --> 00:01:22,049 ♬~ 19 00:02:53,006 --> 00:02:55,008 (魅摩)じゃあ あんたら 若ちゃんのどこがいいの? 20 00:02:55,008 --> 00:02:57,010 (雫・亜也子)優しいところ。 21 00:02:57,010 --> 00:03:01,948 かぁ~っ! 田舎娘は そうやって す~ぐ 優しさに逃げる。➡ 22 00:03:01,948 --> 00:03:05,952 いい? 刺激がない男なんて 無価値よ。 23 00:03:05,952 --> 00:03:09,956 若ちゃんにだって 刺激を感じる瞬間があるはずだよ。 24 00:03:09,956 --> 00:03:11,625 (2人)あっ…。➡ 25 00:03:11,625 --> 00:03:13,960 うう~っ…。 26 00:03:13,960 --> 00:03:15,962 (魅摩)ほら~! 結局 あんたらが惹かれてるのは➡ 27 00:03:15,962 --> 00:03:17,964 その刺激部分よ! 28 00:03:17,964 --> 00:03:19,966 魅摩ちゃん! (亜也子)声でかい! 29 00:03:19,966 --> 00:03:21,968 若ちゃーん! 30 00:03:21,968 --> 00:03:23,637 (雫)ちょっと待って! 31 00:03:23,637 --> 00:03:25,972 なんだかんだで仲良くなってんな。 32 00:03:25,972 --> 00:03:29,976 (玄蕃)呑気なもんだぜ。 (吹雪)しかし➡ 33 00:03:29,976 --> 00:03:34,981 京周辺を何日巡っても 帝の評判は散々ですね。 34 00:03:34,981 --> 00:03:37,984 ああ。 特に 武士たちは不満だらけだ。 35 00:03:37,984 --> 00:03:39,986 (魅摩)父上が言ってた。 36 00:03:39,986 --> 00:03:43,990 帝は 無駄に能力が高すぎるって。➡ 37 00:03:43,990 --> 00:03:47,994 だから 凡人や無能の気持ちが わからないし➡ 38 00:03:47,994 --> 00:03:51,998 全部 一人で決めたがる。 せめて 一人➡ 39 00:03:51,998 --> 00:03:55,001 帝と民の両方を理解できる賢臣が いれば➡ 40 00:03:55,001 --> 00:03:59,005 帝は 誠の英雄になれていただろうって。 41 00:04:00,941 --> 00:04:02,943 (魅摩)じゃあね 若ちゃん。 42 00:04:02,943 --> 00:04:06,947 うん ありがとう。 今日も楽しかった。 43 00:04:09,950 --> 00:04:12,953 (魅摩)ねえ。 んっ? 44 00:04:12,953 --> 00:04:15,956 (魅摩)いつまで 京いんの? 45 00:04:15,956 --> 00:04:18,959 うーん… わからない。 46 00:04:18,959 --> 00:04:21,962 もう そんなに 長くない気もするが。 47 00:04:21,962 --> 00:04:25,966 あのさ… 父上に仕官する気ない?➡ 48 00:04:25,966 --> 00:04:30,971 諏訪の衛士より ずっとずっと出世できるよ。 49 00:04:30,971 --> 00:04:32,973 フッ…。 50 00:04:35,642 --> 00:04:37,978 おお 長寿丸 ちょうどいいところに。 51 00:04:37,978 --> 00:04:40,981 叔父上 なんで 大工の格好に? 52 00:04:40,981 --> 00:04:43,984 (泰家)いいから いいから。➡ 53 00:04:43,984 --> 00:04:47,988 乱の手はずが整った。 今こそ明かそう 我が計画を。 54 00:04:47,988 --> 00:04:49,656 えっ? 55 00:04:49,656 --> 00:04:51,992 (泰家)幼いが 信頼できる郎党たちです。➡ 56 00:04:51,992 --> 00:04:56,997 ともに見せてもよろしいですか? 公宗卿。 57 00:04:56,997 --> 00:05:00,934 その子らが もし バラせば あなたが死ぬ。➡ 58 00:05:00,934 --> 00:05:05,939 覚悟あっての信頼であれば よいでしょう。 59 00:05:05,939 --> 00:05:08,942 (泰家) 新築した西園寺卿の別荘だ。➡ 60 00:05:08,942 --> 00:05:14,948 わしは一人 この湯殿の 改造工事をしていたのだよ。 61 00:05:14,948 --> 00:05:19,953 この別荘で 宴を開き 帝をご招待申し上げる。 62 00:05:19,953 --> 00:05:23,957 (泰家)縁起のいい新築一番風呂に お入りいただきたいと お勧めし➡ 63 00:05:23,957 --> 00:05:26,960 ここ更衣室に お入りになったところを…。 64 00:05:26,960 --> 00:05:28,962 (時行たち)んっ? 65 00:05:28,962 --> 00:05:30,964 (泰家)ふんっ! 66 00:05:33,967 --> 00:05:37,003 (3人)あっ…。 67 00:05:37,003 --> 00:05:40,974 (泰家)床が開き 帝は 刀の上に真っ逆さま。➡ 68 00:05:40,974 --> 00:05:43,977 ここで 帝を殺したてまつる。 69 00:05:43,977 --> 00:05:46,980 それが 我らの戦の開始の合図だ。 70 00:05:46,980 --> 00:05:48,982 あっ…。 71 00:05:48,982 --> 00:05:51,985 (公宗)帝は 鎌倉幕府の滅亡後➡ 72 00:05:51,985 --> 00:05:56,990 北条と近かった我が西園寺家を 露骨に冷遇した。➡ 73 00:05:56,990 --> 00:06:00,927 帝の命を奪い 北条の世に戻さねば➡ 74 00:06:00,927 --> 00:06:04,931 麻呂の出世は 生涯 望めない。 75 00:06:04,931 --> 00:06:06,933 (玄蕃)正気かよ 旦那方。➡ 76 00:06:06,933 --> 00:06:08,935 俺でも わかるぞ。➡ 77 00:06:08,935 --> 00:06:12,939 帝殺しは 洒落にならない大罪だって。 78 00:06:12,939 --> 00:06:18,945 (泰家)我ら鎌倉は 今の帝を 正式な即位と認めておらぬ。➡ 79 00:06:18,945 --> 00:06:22,949 偽の帝を亡き者にしても 大逆には当たらん。➡ 80 00:06:22,949 --> 00:06:25,952 所詮 今は帝の独裁政権。➡ 81 00:06:25,952 --> 00:06:29,956 頭を失えば 京は大混乱だ。➡ 82 00:06:29,956 --> 00:06:35,962 その隙に全国で挙兵し 天下を取り戻す! 83 00:06:35,962 --> 00:06:37,964 う~ん…。 84 00:06:37,964 --> 00:06:39,966 うん。 85 00:06:39,966 --> 00:06:43,970 その計画を続けると この場所に 金ピカのお寺が建つ気がします。 86 00:06:43,970 --> 00:06:45,639 (公宗・泰家)おお! 87 00:06:45,639 --> 00:06:47,974 それは よいお告げだ 巫女よ! 88 00:06:47,974 --> 00:06:51,978 そんなものが建てられるほど 我が家が栄えるということだな! 89 00:06:51,978 --> 00:06:54,981 ええ ええ 公宗殿! 決行は 三日後!➡ 90 00:06:54,981 --> 00:07:00,921 前祝いに飲みましょう! (公宗・泰家)ハ~ッハッハッハ…! 91 00:07:00,921 --> 00:07:05,925 絶対に やめさせるべきだ! 帝殺しは 最大の悪手です!➡ 92 00:07:05,925 --> 00:07:07,928 集まる味方も 集まらなくなるばかりか➡ 93 00:07:07,928 --> 00:07:10,930 北条は 千年先まで汚名を残す! 94 00:07:10,930 --> 00:07:12,599 我が君! 95 00:07:12,599 --> 00:07:14,267 ⚟(物音) (吹雪)あっ…。 96 00:07:14,267 --> 00:07:17,938 よ… よかった~。 はっ? 97 00:07:17,938 --> 00:07:22,942 ああ… いや 出発前に頼重殿から聞いたんだ。 98 00:07:22,942 --> 00:07:26,947 (頼重)《泰家さまの計画は まだ あなたさまには言いませぬが➡ 99 00:07:26,947 --> 00:07:30,950 絶対に失敗します。 その未来は見えるのです》➡ 100 00:07:30,950 --> 00:07:33,954 《ですが たとえ 結果が失敗でも➡ 101 00:07:33,954 --> 00:07:37,957 京が大混乱に陥ることは 間違いなく➡ 102 00:07:37,957 --> 00:07:41,962 その混乱が大戦の開始に 最適なのも確かです》➡ 103 00:07:41,962 --> 00:07:45,966 《逃若党の京での任務は 計画失敗後➡ 104 00:07:45,966 --> 00:07:49,969 泰家殿を連れて 最速で信濃へ逃げ帰ること》➡ 105 00:07:49,969 --> 00:07:51,971 《そこからは 速さの勝負》➡ 106 00:07:51,971 --> 00:07:55,976 《信濃へ到着しだい 戦闘行動を開始します》 107 00:07:55,976 --> 00:07:58,978 という話なんだ。 108 00:07:58,978 --> 00:08:00,914 なるほど。 109 00:08:00,914 --> 00:08:03,917 私たちの手で 叔父上を無事に逃がすため➡ 110 00:08:03,917 --> 00:08:07,921 決行までに 念入りな準備が必要だ。 111 00:08:07,921 --> 00:08:10,924 問題は 京を いかに脱出するか。 112 00:08:10,924 --> 00:08:13,927 明日から 逃走経路を下見する。 113 00:08:13,927 --> 00:08:17,931 魅摩は どうする? 明日も遊ぶ約束してたけど。 114 00:08:17,931 --> 00:08:19,933 私が断りを入れてくる。 115 00:08:19,933 --> 00:08:25,939 正直者の兄様が話すと 鋭い魅摩ちゃんには悟られるから。 116 00:08:25,939 --> 00:08:28,942 (鶏の鳴き声) 117 00:08:28,942 --> 00:08:32,946 (雫)兄様 熱出して寝込んじゃって。 ごめんね。 118 00:08:32,946 --> 00:08:35,949 (魅摩)ありゃ 引きずり回しすぎたかな。➡ 119 00:08:35,949 --> 00:08:37,951 まあ しゃあないか。 120 00:08:37,951 --> 00:08:41,955 ねえ 雫。 若ちゃんって 結局 何者なの? 121 00:08:41,955 --> 00:08:45,959 言ったとおり 諏訪大社の衛士長の子。 122 00:08:45,959 --> 00:08:49,963 用事も済んだから そろそろ 京を出ると思う。 123 00:08:49,963 --> 00:08:51,965 あんたも 腹の底が読めないね。 124 00:08:51,965 --> 00:08:55,969 (雫)あと これ 兄様から 魅摩ちゃんへ案内のお礼。 125 00:08:55,969 --> 00:08:57,971 (魅摩)えっ 嘘!? 何 何? 126 00:08:57,971 --> 00:09:01,975 櫛かな? 鏡かな? 127 00:09:01,975 --> 00:09:03,977 (魅摩)田舎侍が。 128 00:09:03,977 --> 00:09:05,645 うん! 129 00:09:05,645 --> 00:09:07,981 この通りは すごく良い! 130 00:09:07,981 --> 00:09:12,986 昼も夜も 人が少なく 壊れた塀が多くて 隠れやすい! 131 00:09:12,986 --> 00:09:16,990 鎌倉でも こういう道は 逃げるのに最適だった! 132 00:09:16,990 --> 00:09:18,992 生き生きしてんな 若。 133 00:09:18,992 --> 00:09:20,994 逃げとなれば 本領だもんね。 134 00:09:20,994 --> 00:09:24,998 ⚟なんと この逃げ道が お気に入りか。➡ 135 00:09:24,998 --> 00:09:28,001 お目が高い。 拙者もでござる。➡ 136 00:09:28,001 --> 00:09:33,006 武士たる者 こういう逃げ道を 常に頭に入れておくべきでござる。 137 00:09:33,006 --> 00:09:37,010 賊が 京に攻め込んだとき 帝を お逃がしするためにも。 138 00:09:37,010 --> 00:09:39,012 んっ? 139 00:09:39,012 --> 00:09:42,015 あっ 突然 失礼。 140 00:09:42,015 --> 00:09:45,018 フフ… フフッ… フフ…。 141 00:09:45,018 --> 00:09:49,022 ここらの武士の子でござるか? あっ いえ 観光で。 142 00:09:49,022 --> 00:09:52,025 おお それはそれは。 143 00:09:52,025 --> 00:09:54,027 行きましょう 若。➡ 144 00:09:54,027 --> 00:09:57,030 へこへこして弱そうだが どうやら 帝方。➡ 145 00:09:57,030 --> 00:10:00,033 怪しまれると 面倒っす。 146 00:10:00,033 --> 00:10:03,970 う… うん。 雫 地図を。 (雫)はい。➡ 147 00:10:03,970 --> 00:10:05,972 次に見る場所は…。 148 00:10:10,977 --> 00:10:12,645 ハッ! 149 00:10:12,645 --> 00:10:15,982 エヘッ…。 フフッ…。 フフ…。 150 00:10:15,982 --> 00:10:18,985 不気味。 ずっと ヘコヘコ 挙動不審で。 151 00:10:18,985 --> 00:10:22,989 《違う。 あれは ただの不審者じゃない》 152 00:10:25,992 --> 00:10:28,995 《頭をヘコヘコ キョロキョロすることによって➡ 153 00:10:28,995 --> 00:10:31,998 上下左右から 立体的に計測している》 154 00:10:31,998 --> 00:10:37,003 《私たちの体格 姿勢 歩幅 間合いを!》 155 00:10:37,003 --> 00:10:41,007 《相手が子供でも 確実に 逃げれるよう把握しておく》 156 00:10:41,007 --> 00:10:45,011 《あれは 逃げ上手の構えだ》 157 00:10:45,011 --> 00:10:51,017 《この年で見破るとは。 我が逃げの極意を》 158 00:10:51,017 --> 00:10:53,019 (2人)《手ごわい》 159 00:10:56,022 --> 00:10:59,025 《この男と…》 《本気で やりあったら…》 160 00:10:59,025 --> 00:11:01,961 (2人) 《逃げ負けるかもしれない!》 161 00:11:01,961 --> 00:11:05,965 な… なんだ このわけのわからない緊張感は! 162 00:11:05,965 --> 00:11:07,967 (玄蕃)なんだろう。 すごい高度で➡ 163 00:11:07,967 --> 00:11:12,972 すごいくだらねえつばぜり合いを してる気が。 164 00:11:12,972 --> 00:11:15,975 名乗りあおうか。 165 00:11:15,975 --> 00:11:17,977 ⚟いや 君はいい。➡ 166 00:11:17,977 --> 00:11:21,981 逃げ道を調べる子供の名前を 聞くのは失礼だ。 167 00:11:23,983 --> 00:11:27,987 楠木 正成と申す。 168 00:11:27,987 --> 00:11:31,991 土豪あがりの しがない小役人でござる。 169 00:11:31,991 --> 00:11:33,993 (弧次郎たち)あっ! 170 00:11:49,943 --> 00:11:51,945 [わずかな手勢で➡ 171 00:11:51,945 --> 00:11:55,949 鎌倉幕府の大軍を翻弄しては 撃破し続け➡ 172 00:11:55,949 --> 00:11:59,953 後醍醐天皇の 天下取りの原動力となった] 173 00:11:59,953 --> 00:12:02,889 [その軍才は 日本史上でも傑出しており➡ 174 00:12:02,889 --> 00:12:07,894 数々の伝説に彩られた 大英雄である] 175 00:12:07,894 --> 00:12:09,896 行こう 若。 奴は まずい。 176 00:12:09,896 --> 00:12:13,900 正体を知られちゃ 一巻の終わりだ。 177 00:12:13,900 --> 00:12:17,904 瘴奸という男が あなたの軍略をたたえていました。 178 00:12:17,904 --> 00:12:19,906 瘴奸? 179 00:12:19,906 --> 00:12:21,908 おお! 180 00:12:21,908 --> 00:12:25,912 つるっぱげで濁った目をした 腐れ下道の瘴奸殿か!➡ 181 00:12:25,912 --> 00:12:29,916 替え玉の死体を死んだことにして 逃がしたのだ。➡ 182 00:12:29,916 --> 00:12:32,919 懐かしいな! 今は どうしておられる? 183 00:12:32,919 --> 00:12:34,921 殺したつもりが生きてました。 184 00:12:34,921 --> 00:12:36,923 兄様! 185 00:12:36,923 --> 00:12:39,926 ブハハハハ…! 186 00:12:39,926 --> 00:12:41,928 面白い童でござるな!➡ 187 00:12:41,928 --> 00:12:46,933 確かに殺されて当然の 大悪党でござったが➡ 188 00:12:46,933 --> 00:12:50,937 今は どこかで 生き永らえていたことだけ喜ぼう。 189 00:12:50,937 --> 00:12:52,939 (正成)それで➡ 190 00:12:52,939 --> 00:12:55,942 君は 拙者に何を望む? 191 00:12:57,944 --> 00:12:59,946 (正成)君は 今➡ 192 00:12:59,946 --> 00:13:02,882 身の危険になりかねない情報を さらした。➡ 193 00:13:02,882 --> 00:13:07,887 拙者と同じで 生存に 最も重きを置く君がでござる。➡ 194 00:13:07,887 --> 00:13:10,890 あえて 胸襟を開いてみせてでも➡ 195 00:13:10,890 --> 00:13:15,895 この正成に 求めるものがあるということ。 196 00:13:15,895 --> 00:13:18,898 《通じ合うものを抑えきれない》 197 00:13:18,898 --> 00:13:23,903 《敵味方を超えて この男からは 学ぶべきことがある》 198 00:13:23,903 --> 00:13:25,905 あれ? 違った? 199 00:13:25,905 --> 00:13:27,907 楠木殿。 んっ? 200 00:13:27,907 --> 00:13:30,910 倒したい敵がいます。 201 00:13:30,910 --> 00:13:34,914 その敵たちは 軍略や技能 勢力に勝り➡ 202 00:13:34,914 --> 00:13:37,917 逃げ回るだけでは 勝つ自信がありません。 203 00:13:37,917 --> 00:13:43,923 (正成)弱者が強者に勝つ秘訣を 知りたいのでござるな。 204 00:13:43,923 --> 00:13:45,925 (正成)よかろう 怪しい少年。 205 00:13:45,925 --> 00:13:49,929 君一人で 我が屋敷に来る勇気はあるか? 206 00:13:51,931 --> 00:13:55,935 (亜也子)若様 大丈夫かな? (雫)多分 平気。➡ 207 00:13:55,935 --> 00:13:59,605 子供を陥れる類いの人ではないと 思う。 208 00:13:59,605 --> 00:14:02,875 ハァ…。 しかし 意外だ。 209 00:14:02,875 --> 00:14:06,879 日本全国に武名が轟く あの 楠木 正成が➡ 210 00:14:06,879 --> 00:14:11,884 あのような 時として 卑屈さすら漂う男だったとは。 211 00:14:11,884 --> 00:14:13,886 あなた! 212 00:14:13,886 --> 00:14:15,888 また 賄いのご飯 つまみ食いして! 213 00:14:15,888 --> 00:14:19,892 いやー すまん。 ちょっと 小腹がすいて。 214 00:14:19,892 --> 00:14:22,895 んっ? 215 00:14:22,895 --> 00:14:24,897 誰ですか!? この子は! 216 00:14:24,897 --> 00:14:27,900 逃げろ! (妻)待ちなさ~い! 217 00:14:27,900 --> 00:14:30,903 奥方からも 逃げ回っているのですか? 218 00:14:30,903 --> 00:14:33,906 ハハハ…! 勝手に挙兵して 苦労かけてから➡ 219 00:14:33,906 --> 00:14:35,908 頭が上がらんのだ。➡ 220 00:14:35,908 --> 00:14:40,913 ひとまず逃げて 落ち着いた頃に 機嫌を取るのが楠木流にござる。 221 00:14:42,915 --> 00:14:44,917 (正成)さて 少年。 222 00:14:44,917 --> 00:14:47,920 弱者が強者に勝つ方法を 知りたいのでござったな。 223 00:14:47,920 --> 00:14:51,924 では 試しに 手合わせしてみようか。 224 00:14:51,924 --> 00:14:54,927 最も勝てると思う技で 勝負するがいい。 225 00:14:54,927 --> 00:14:56,929 えっ…。 226 00:14:56,929 --> 00:14:58,931 一手 応酬するだけでござる。 227 00:14:58,931 --> 00:15:02,869 それを見れば 大体の助言はできよう。 228 00:15:02,869 --> 00:15:05,872 それとも 怖いか? 229 00:15:05,872 --> 00:15:09,876 北条の大軍を打ち破った 我が武勇が。 230 00:15:12,879 --> 00:15:14,881 怖くなど。 231 00:15:20,887 --> 00:15:22,889 《ほう》 232 00:15:22,889 --> 00:15:27,894 その技を誰から? 片目が隠れた私の郎党です。 233 00:15:27,894 --> 00:15:31,898 私に合った色々な技を 授けてくれます。 234 00:15:31,898 --> 00:15:34,901 良い師でござるな。➡ 235 00:15:34,901 --> 00:15:38,905 拙者が挙兵し 百倍の鎌倉軍と対峙した時➡ 236 00:15:38,905 --> 00:15:41,908 味方の兵は 寄せ集めの素人ばかり。➡ 237 00:15:41,908 --> 00:15:45,912 剣術を教える師すら 事欠く始末。➡ 238 00:15:45,912 --> 00:15:48,915 どうやって勝ったか? 239 00:15:48,915 --> 00:15:51,918 楠木流 お目にかけよう。 240 00:16:02,929 --> 00:16:04,931 ハッ。 241 00:16:06,933 --> 00:16:08,601 ヘヘッ。 242 00:16:08,601 --> 00:16:10,937 おにぎりで防がれた!? 243 00:16:10,937 --> 00:16:14,941 構えから 逃げながらの 動脈斬りだと察しがついた。 244 00:16:14,941 --> 00:16:17,944 つまりは 低威力の精密斬撃。 245 00:16:17,944 --> 00:16:20,947 動脈に届くのを 防げさえすればいいので➡ 246 00:16:20,947 --> 00:16:25,952 このかたい米のおにぎりでも 十分 盾になるでござる。 247 00:16:25,952 --> 00:16:27,954 フフフ…。 248 00:16:27,954 --> 00:16:33,960 まさか 刀の勝負で にぎり飯を使われるとは。 249 00:16:33,960 --> 00:16:39,966 そう思う時点で 君は逃げ下手だ。 刀で勝つことにとらわれている。 250 00:16:41,968 --> 00:16:44,971 (正成) 刀で勝つことにとらわれれば➡ 251 00:16:44,971 --> 00:16:46,973 刀が強い者しか勝てない。➡ 252 00:16:46,973 --> 00:16:48,975 矢で勝つことにとらわれれば➡ 253 00:16:48,975 --> 00:16:52,979 優れた弓取りを揃えた側しか 勝てない。 254 00:16:55,982 --> 00:16:57,984 うわああ~! 255 00:16:57,984 --> 00:16:59,652 あっ! 256 00:16:59,652 --> 00:17:01,921 (正成)弱者が強者に勝つ秘訣は➡ 257 00:17:01,921 --> 00:17:06,926 固定観念という囚われの檻から 逃げることにござる。 258 00:17:06,926 --> 00:17:08,928 楠木殿!? 259 00:17:08,928 --> 00:17:10,930 檻に囲われた者は 逃げ場がなくなり➡ 260 00:17:10,930 --> 00:17:14,934 目の前の選択肢以外 見つけられない。 261 00:17:14,934 --> 00:17:17,937 刀が満足に使えなくとも 丸太をくり抜き➡ 262 00:17:17,937 --> 00:17:21,941 籠城のための雨水を蓄えることは できる。 263 00:17:21,941 --> 00:17:26,946 矢が使えなくとも 油をまいて 梯子を燃やすことはできる。➡ 264 00:17:26,946 --> 00:17:31,951 糞を出して 投げることなど 赤子でもできる。➡ 265 00:17:31,951 --> 00:17:35,955 戦闘のための兵や武器 筋力や技術は➡ 266 00:17:35,955 --> 00:17:41,961 わずか一瞬発揮できれば 百倍の敵にも勝てるのでござる。 267 00:17:41,961 --> 00:17:46,966 (正成)常識 伝統 美学 成功体験 大兵力。➡ 268 00:17:46,966 --> 00:17:50,970 そういった檻に囲われた者は かたく強いが➡ 269 00:17:50,970 --> 00:17:54,974 檻の隙間を突かれると 逃げ道がなく とことん脆い。 270 00:17:54,974 --> 00:17:58,978 では どうすれば? (正成)簡単でござる。 271 00:17:58,978 --> 00:18:02,915 固定観念とは 心がつくり出した幻。 272 00:18:02,915 --> 00:18:05,918 ならば 解くのもまた人の心でござる。 273 00:18:05,918 --> 00:18:07,920 ハッ。 274 00:18:19,932 --> 00:18:22,935 (正成) 弱者は 檻に囚われるべからず。 275 00:18:22,935 --> 00:18:27,940 卑怯や臆病と言われようが 自信を持って逃げるべし。 276 00:18:30,943 --> 00:18:33,946 鳥は なぜ 自由で格好よう映るか? 277 00:18:33,946 --> 00:18:38,951 それは この空すべてが 逃げ場だからでござる。➡ 278 00:18:38,951 --> 00:18:40,953 縛られず 囚われず。➡ 279 00:18:40,953 --> 00:18:45,958 広く高く雄大な逃げ道を 常に ゆくべし。 280 00:18:45,958 --> 00:18:50,963 逃げることは生きること。 この正成の信念にござる。 281 00:18:54,967 --> 00:18:58,971 あ… ありがとうございます 楠木殿! 282 00:18:58,971 --> 00:19:01,907 その言葉で逃げる自信が 湧きました! 283 00:19:01,907 --> 00:19:03,909 戦闘力ウサギ並みとか➡ 284 00:19:03,909 --> 00:19:06,912 全裸逃亡ド変態稚児とか 色々 言われて➡ 285 00:19:06,912 --> 00:19:08,914 傷ついていたので! 286 00:19:08,914 --> 00:19:11,917 ものすごい言われようでござるな。 287 00:19:11,917 --> 00:19:13,586 少年。 んっ? 288 00:19:13,586 --> 00:19:15,888 一つ良いものをあげよう。 289 00:19:17,923 --> 00:19:19,925 汚部屋。 290 00:19:19,925 --> 00:19:23,929 戦に使えるものはないかと 色々 試しているうちにな。 291 00:19:23,929 --> 00:19:27,933 うん あった。 それは? 292 00:19:27,933 --> 00:19:31,937 (正成)帝から執筆を命じられた 記録書にござる。➡ 293 00:19:31,937 --> 00:19:35,941 先の戦 どのような軍略で 拙者が戦ったか➡ 294 00:19:35,941 --> 00:19:37,943 そのすべてを記してござる。➡ 295 00:19:37,943 --> 00:19:42,948 それは提出したものの下書きだ。 296 00:19:42,948 --> 00:19:44,950 字 きったなっ! 297 00:19:44,950 --> 00:19:47,953 下書きだし 誰も見ないからいいかなって。 298 00:19:47,953 --> 00:19:51,957 まあ たっぷり時間をかけて 解読するでござるよ。 299 00:19:51,957 --> 00:19:53,626 はぁ…。 300 00:19:53,626 --> 00:19:55,961 ただし それは 誰にも見せてはならん。 301 00:19:55,961 --> 00:19:58,964 本来は 帝のみに お見せするものだし➡ 302 00:19:58,964 --> 00:20:01,901 何より➡ 303 00:20:01,901 --> 00:20:04,904 これは 逃げ好きのための軍略。 304 00:20:04,904 --> 00:20:09,909 逃げを理解しない者が読めば 誤用を招く。 305 00:20:09,909 --> 00:20:14,914 逃げを愛する同志を信じて それを託す。 306 00:20:14,914 --> 00:20:17,917 よいかな? 少年。 307 00:20:17,917 --> 00:20:21,921 はい! 感謝します 正成殿。 308 00:20:21,921 --> 00:20:24,957 ⚟(門の開く音) (亜也子)出てきた! よかった~。 309 00:20:24,957 --> 00:20:27,927 貴重な時間を頂きました。 310 00:20:27,927 --> 00:20:30,930 京に来てから 貴重な体験ばかりですが➡ 311 00:20:30,930 --> 00:20:33,933 今日のひと時は格別でした。 312 00:20:33,933 --> 00:20:38,938 うむ。 人生は短い。 存分に逃げを楽しむでござる。 313 00:20:40,940 --> 00:20:44,944 (正成)《あの年で あれほどの宿命を帯びた瞳》➡ 314 00:20:44,944 --> 00:20:48,948 《見え隠れする 現政権への敵意》➡ 315 00:20:48,948 --> 00:20:51,951 《まさかな》 316 00:20:51,951 --> 00:20:53,953 ⚟(多聞丸)父上! (正成)んっ?➡ 317 00:20:53,953 --> 00:20:55,955 おお どうした? 多聞丸。 318 00:20:55,955 --> 00:20:58,958 お留守の間に 尊氏さまから使者が。 319 00:20:58,958 --> 00:21:00,893 (正成)ほう。 320 00:21:00,893 --> 00:21:02,895 (多聞丸)明後日の宴席ですが➡ 321 00:21:02,895 --> 00:21:04,897 到着が遅れて 戌の刻ほどになると。 322 00:21:04,897 --> 00:21:06,899 (正成)どうかされたか? 323 00:21:06,899 --> 00:21:08,901 (多聞丸) 武者所に行く用事ができ➡ 324 00:21:08,901 --> 00:21:12,905 それが済みしだい 直接こちらへ向かうとのこと。 325 00:21:12,905 --> 00:21:14,573 (正成)承知した。 326 00:21:14,573 --> 00:21:16,909 (多聞丸) あと 母上が捜しておりました。 327 00:21:16,909 --> 00:21:20,913 (正成)まだ収まらぬか…。 (多聞丸)しばらくは難しいかと。 328 00:21:20,913 --> 00:21:24,917 (正成)うーむ。 今宵の膳は漬物だけかもしれん。 329 00:21:24,917 --> 00:21:26,919 (多聞丸) 私が 一切れ分けてさしあげます。 330 00:21:26,919 --> 00:21:28,921 (正成)フフ…。 331 00:21:28,921 --> 00:21:38,931 ♬~ 332 00:21:38,931 --> 00:21:49,942 ♬~ 333 00:21:49,942 --> 00:21:58,951 (時行たち)ハァ ハァ ハァ…。 334 00:21:58,951 --> 00:22:02,888 ハァ ハァ ハァ…。 335 00:22:02,888 --> 00:22:08,894 (吹雪)我が君 今度の献策は ぜひ採用していただきたい。➡ 336 00:22:08,894 --> 00:22:12,898 奴が通る時間も経路も 知れたのです。 337 00:22:12,898 --> 00:22:18,904 ハァ ハァ ハァ…。 338 00:22:18,904 --> 00:22:22,908 (吹雪) 尊氏を殺す千載一遇の好機。➡ 339 00:22:22,908 --> 00:22:27,913 天下を目指すなら 逃すべきではありません。 340 00:22:29,915 --> 00:22:39,925 ♬~