1 00:02:11,798 --> 00:02:16,803 (諏訪新党たち)うぐぐ…。 2 00:02:16,803 --> 00:02:19,473 (頼重)先日の諏訪大社御射山祭➡ 3 00:02:19,473 --> 00:02:22,643 信濃守護よりお供物をいただき 痛み入ります。 4 00:02:22,643 --> 00:02:24,644 返礼の品です。 5 00:02:24,644 --> 00:02:27,814 貞宗殿にお届けくだされ。 (赤沢)はっ。 6 00:02:27,814 --> 00:02:30,150 我があるじも喜びましょう。 7 00:02:30,150 --> 00:02:32,919 にひっ。 8 00:02:32,919 --> 00:02:34,921 結構➡ 9 00:02:34,921 --> 00:02:38,258 お高い品ですぞ~。 フフフ…。 (赤沢)ハハハ…。 10 00:02:38,258 --> 00:02:40,260 ありがたく頂戴します。 11 00:02:40,260 --> 00:02:43,930 我があるじも 御射山祭への贄とあれば➡ 12 00:02:43,930 --> 00:02:46,767 誠を尽くさねばと 申しておりました。 13 00:02:46,767 --> 00:02:48,769 オッホッホッホ…! ハッハッハッハ…! 14 00:02:48,769 --> 00:02:52,939 《時行:領地を取り合っていても きっちり礼儀を尽くし合う。 15 00:02:52,939 --> 00:02:57,110 さすがは 信濃随一の諏訪大社と 信濃守護か…》 16 00:02:57,110 --> 00:03:02,115 貞宗殿には いつもご配慮いただき 家中一同 感謝しておりまする。 17 00:03:02,115 --> 00:03:04,451 (赤沢)いえいえ それほどでも。 18 00:03:04,451 --> 00:03:08,789 ただ 一つ 主君より 小さな願いがございまして。 19 00:03:08,789 --> 00:03:10,791 んっ? なんなりと。 20 00:03:10,791 --> 00:03:13,293 返礼の使者として…。 21 00:03:13,293 --> 00:03:16,463 長寿丸殿にお越し願いたい と。 あっ! 22 00:03:16,463 --> 00:03:19,800 (盛高)待て! それは…。 (赤沢)護衛は我らが務めるゆえ。 23 00:03:19,800 --> 00:03:22,803 んっ…! 彼一人で お越しください。 24 00:03:22,803 --> 00:03:26,473 それとも 諏訪家には 一介の稚児をよこして➡ 25 00:03:26,473 --> 00:03:29,476 困る理由でも? 《正体が バレた?》 26 00:03:29,476 --> 00:03:33,413 《いや。 正体隠しの情報操作は 完璧のはず。 27 00:03:33,413 --> 00:03:37,584 だが 貞宗は切れ者。 なんらかの確証を得たか➡ 28 00:03:37,584 --> 00:03:40,420 それとも会って 確証を得るつもりか…》 29 00:03:40,420 --> 00:03:45,592 《断ればなおさら怪しまれる。 どうする…?》 30 00:03:45,592 --> 00:03:47,594 (亜也子)はいはいは~い! 31 00:03:47,594 --> 00:03:50,597 私一人ぐらい 一緒に行ってもいいでしょ? 32 00:03:50,597 --> 00:03:53,767 小さい子どもが一人きりじゃ かわいそうだよ。 33 00:03:53,767 --> 00:03:57,104 (赤沢)いや それは…。 それとも…。 34 00:03:57,104 --> 00:04:01,108 (亜也子)女の子1人ついてて困る 小笠原家ですか? 35 00:04:01,108 --> 00:04:04,778 う~ん。 フフン。 出発は➡ 36 00:04:04,778 --> 00:04:09,116 明日の朝でよろしいか? いいでしょう…。 37 00:04:09,116 --> 00:04:11,451 ふんっ… んっ…! 38 00:04:11,451 --> 00:04:14,454 亜也子がいれば まぁ なんとかなるでしょう。 39 00:04:14,454 --> 00:04:16,456 ほっ 本当に? 40 00:04:16,456 --> 00:04:19,292 亜也子の武力は 頼りになるけど その…。 41 00:04:19,292 --> 00:04:23,630 心配ご無用。 ああ見えて 機転も利くのですよ。 42 00:04:23,630 --> 00:04:26,466 はぁ… 大丈夫 大丈夫! 43 00:04:26,466 --> 00:04:28,969 これしきのことで 若様を守れなきゃ➡ 44 00:04:28,969 --> 00:04:32,072 巴御前になれないもん! 巴御前? 45 00:04:32,072 --> 00:04:36,243 かつて信濃に 木曽義仲という武将がいました。 46 00:04:36,243 --> 00:04:40,247 幼き頃に一族を滅ぼされ 信濃へ落ち延び➡ 47 00:04:40,247 --> 00:04:44,417 この地で育ち 力を付けて 天下を取ったお人です。 48 00:04:44,417 --> 00:04:48,255 私とまったく 同じ境遇 同じ目標…。 49 00:04:48,255 --> 00:04:51,758 その義仲公の郎党として 共に育ち➡ 50 00:04:51,758 --> 00:04:55,595 常に その身を守った女傑が 巴御前。 51 00:04:55,595 --> 00:04:59,599 信濃に生まれ 武を志す彼女にとって➡ 52 00:04:59,599 --> 00:05:03,103 巴御前は 目指すべき憧れなのです。 53 00:05:03,103 --> 00:05:05,772 なるほど… で➡ 54 00:05:05,772 --> 00:05:09,442 皮袋の人形を2人抱えてるのは なんの鍛錬だ? 55 00:05:09,442 --> 00:05:12,779 巴御前は怪力で…。 56 00:05:12,779 --> 00:05:15,282 両脇に2人の武者を抱えて➡ 57 00:05:15,282 --> 00:05:18,952 首をポロリと もぎ取ってみせたんだって。 58 00:05:18,952 --> 00:05:23,857 私も…! ポロリ やってみたい! 59 00:05:27,460 --> 00:05:30,864 うぇ~。 問題は 貞宗との問答です。 60 00:05:39,906 --> 00:05:42,409 貞宗からの問いに対して…。 61 00:06:08,268 --> 00:06:11,438 ですから あなた様は そうならぬよう…。 62 00:06:11,438 --> 00:06:14,107 うぇ~っ! 勉強 勉強~! 63 00:06:14,107 --> 00:06:16,109 明日 貞宗に疑われぬよう➡ 64 00:06:16,109 --> 00:06:19,112 さまざまな知識を仕込みますぞ! うぅ…。 65 00:06:19,112 --> 00:06:21,815 《大丈夫かな 本当に…》 66 00:06:27,621 --> 00:06:33,059 (せせら笑う声) 67 00:06:33,059 --> 00:06:35,729 (赤沢)殿 長寿丸殿を お連れしました。 68 00:06:35,729 --> 00:06:38,031 (貞宗)うむ 通せい。 69 00:06:42,736 --> 00:06:46,039 (赤沢)では 我らは 部屋の前に控えております。 70 00:06:54,748 --> 00:06:58,251 《間近で見ると 威圧感がある。 71 00:06:58,251 --> 00:07:00,253 だが負けるか! 72 00:07:00,253 --> 00:07:03,089 姑息な悪巧みばかりするヤツだ。 73 00:07:03,089 --> 00:07:05,091 私は北条の子。 74 00:07:05,091 --> 00:07:08,428 そして 諏訪大社の名も 背負ってきている。 75 00:07:08,428 --> 00:07:11,264 なめられるわけにはいかない!》 76 00:07:11,264 --> 00:07:13,600 (貞宗)座を正せい! あっ! 77 00:07:13,600 --> 00:07:18,104 これが相手に敬意を示す座り方ぞ。 78 00:07:18,104 --> 00:07:22,776 貴様は今 敵の前だから 大きく見せて座ったのだろう。 79 00:07:22,776 --> 00:07:26,613 逆だ。 命を奪う敵だからこそ➡ 80 00:07:26,613 --> 00:07:31,451 奪う命に 敬意を払えい。 81 00:07:31,451 --> 00:07:34,220 < この時代は 男も女も➡ 82 00:07:34,220 --> 00:07:36,890 あぐらか立て膝が ほとんどだった。 83 00:07:36,890 --> 00:07:39,559 江戸時代に一般化した正座は➡ 84 00:07:39,559 --> 00:07:44,230 小笠原貞宗がまとめ上げた 礼儀作法に基づいている> 85 00:07:44,230 --> 00:07:47,233 《なめていたのは私のほうだ。 86 00:07:47,233 --> 00:07:51,404 今から始まるのは 言葉の戦。 87 00:07:51,404 --> 00:07:54,074 言葉で逃げねば➡ 88 00:07:54,074 --> 00:07:56,076 言葉で射ぬかれる!》 89 00:07:59,412 --> 00:08:05,418 (話し声) 90 00:08:05,418 --> 00:08:08,254 失礼ですが あなたのお年は? 91 00:08:08,254 --> 00:08:10,256 9歳です。 92 00:08:10,256 --> 00:08:13,760 なんと! 9つとは思えぬ! 93 00:08:13,760 --> 00:08:16,930 危うく妾に誘うところだった。 94 00:08:16,930 --> 00:08:20,934 大人の女と見まがうような 体ではないか。 95 00:08:23,937 --> 00:08:25,939 よく言われます~。 96 00:08:25,939 --> 00:08:31,444 (貞宗)返礼の品は頂戴した。 頼重殿によろしくお伝えせい。 97 00:08:31,444 --> 00:08:33,380 はい 確かに。 98 00:08:33,380 --> 00:08:37,384 《この小僧が 北条か雑魚か…。 99 00:08:37,384 --> 00:08:41,087 問いを射ち込み 返答を見て見極める!》 100 00:08:43,056 --> 00:08:47,560 ところで小僧 実にきれいに座れるではないか。 101 00:08:47,560 --> 00:08:51,231 礼儀を知らぬ 諏訪の武士にしては不自然。 102 00:08:51,231 --> 00:08:53,400 巫女の耳を射たあなたも➡ 103 00:08:53,400 --> 00:08:56,236 礼儀知らずだと思いますが。 うん? 104 00:08:56,236 --> 00:08:59,739 《即座に言葉を射ち返して 話をそらすか》 105 00:08:59,739 --> 00:09:02,242 あれは 戦の一環よ。 106 00:09:02,242 --> 00:09:06,246 礼儀で戦に勝てぬことは わしが誰より知っておるわ。 107 00:09:06,246 --> 00:09:08,581 貴様には犬追物以来➡ 108 00:09:08,581 --> 00:09:11,084 何かと戦を邪魔されておるようだ。 109 00:09:11,084 --> 00:09:15,755 大した童よ。 さぞ名のある武士の子だろう。 110 00:09:15,755 --> 00:09:18,925 貴様の氏素性を名乗り上げい! 111 00:09:18,925 --> 00:09:21,261 戦場でするときのようにだ。 112 00:09:21,261 --> 00:09:23,263 祖は➡ 113 00:09:23,263 --> 00:09:25,932 諏訪大社の 衛士長に取り立てられた➡ 114 00:09:25,932 --> 00:09:29,102 岡谷庄の住人 小泉源五郎。 115 00:09:29,102 --> 00:09:31,871 数えて5代目に衛士長を継ぎ➡ 116 00:09:31,871 --> 00:09:35,208 衛士に教養も教えた小泉五郎三郎。 117 00:09:35,208 --> 00:09:38,378 その一子が この長寿丸です。 118 00:09:38,378 --> 00:09:40,380 う~む…。 119 00:09:40,380 --> 00:09:43,716 《言葉によどみなく 全身も平静だ。 120 00:09:43,716 --> 00:09:47,887 ウソだとすれば 頼重に念入りに仕込まれたのか》 121 00:09:47,887 --> 00:09:52,225 親の実在も 去年 火事で 死んだことも裏が取れておる。 122 00:09:52,225 --> 00:09:54,227 息子がいたこともな。 123 00:09:54,227 --> 00:09:56,729 だが おかしいぞ? 124 00:09:56,729 --> 00:09:59,399 親子ともども火事で死んだ。 125 00:09:59,399 --> 00:10:02,802 そう証言する領民がいるのだが? 126 00:10:04,904 --> 00:10:07,907 燃える館から親を置いて 一人逃げました。 127 00:10:07,907 --> 00:10:12,579 それを恥じて諏訪大社に…。 《すまない 見知らぬ小泉殿。 128 00:10:12,579 --> 00:10:15,081 あなたの不慮の死を 盾に使う》 129 00:10:15,081 --> 00:10:17,083 激しい火災だったので➡ 130 00:10:17,083 --> 00:10:19,419 共に死んだと思った人も いるでしょう。 131 00:10:19,419 --> 00:10:22,422 更に妙なことがある。 132 00:10:22,422 --> 00:10:25,425 貴様が従えている郎党たちだが➡ 133 00:10:25,425 --> 00:10:28,761 弧次郎と申す者は祢津氏の一族。 134 00:10:28,761 --> 00:10:34,100 そこに控える亜也子とやらは 望月氏の庶子と 裏が取れておる。 135 00:10:34,100 --> 00:10:36,102 はぁ~…。 136 00:10:36,102 --> 00:10:40,273 どちらも信濃に 古くから栄える 名門の血筋! 137 00:10:40,273 --> 00:10:44,444 衛士の子ごときの 配下になるはずがないが? 138 00:10:44,444 --> 00:10:46,446 もちろん承知です。 139 00:10:46,446 --> 00:10:49,949 諏訪大社で出会ったとき 鬼ごっこで勝負をしました。 140 00:10:49,949 --> 00:10:53,286 私が勝ったので 主君と呼んでくれています。 141 00:10:53,286 --> 00:10:57,457 所詮 子ども同士の郎党ごっこ。 142 00:10:57,457 --> 00:11:02,128 将来 本物の主君に 仕えるときの予行練習です。 143 00:11:02,128 --> 00:11:05,298 信濃守護ともあろうお方が➡ 144 00:11:05,298 --> 00:11:08,468 子どものごっこ遊びを 気にするのですか? 145 00:11:08,468 --> 00:11:10,970 《むっ やりおるわ。 146 00:11:10,970 --> 00:11:13,973 問うたびに 返しが流ちょうになっていく。 147 00:11:13,973 --> 00:11:19,812 入室時のおびえと虚勢の色は消え 今は問答を楽しむ風情すらある。 148 00:11:19,812 --> 00:11:23,816 喜々として逃げを楽しむ 妙な小僧だが…。 149 00:11:23,816 --> 00:11:28,988 言い逃れでも 本領を発揮するのか》 150 00:11:28,988 --> 00:11:30,990 うんっ? 151 00:11:30,990 --> 00:11:34,427 新三郎! 入れい! 152 00:11:34,427 --> 00:11:37,931 小僧 コヤツとは昨日が初めてか? 153 00:11:37,931 --> 00:11:42,602 あっ… 犬追物の時にも いたような。 それ以前は➡ 154 00:11:42,602 --> 00:11:45,605 ずっと鎌倉に出仕しておりました。 155 00:11:45,605 --> 00:11:47,774 鎌倉には詳しく➡ 156 00:11:47,774 --> 00:11:51,444 北条一族や重臣が住む地域も よく行きました。 157 00:11:51,444 --> 00:11:55,281 間近で見て 今日 確信に変わりました。 158 00:11:55,281 --> 00:11:58,785 ええ そこでこの子を 何度か見ました。 159 00:11:58,785 --> 00:12:01,120 《これにはどう返す? 160 00:12:01,120 --> 00:12:05,124 言い逃れようとすれば 必ずや不自然な反応が出る! 161 00:12:05,124 --> 00:12:08,127 「どこで?」 「そんなはずがない」。 162 00:12:08,127 --> 00:12:13,967 返答の際の どんな小さな 表情の乱れも見逃さんぞ!》 163 00:12:13,967 --> 00:12:17,470 そのウソ なんの意味があるんです? 164 00:12:17,470 --> 00:12:20,807 えっ? 諏訪大社の衛士の子ごときが➡ 165 00:12:20,807 --> 00:12:25,478 鎌倉の偉い方々のすみかに いるわけがないでしょう。 166 00:12:25,478 --> 00:12:29,983 《ハッタリだ。 正式な外出のときは だいたい輿だったし…。 167 00:12:29,983 --> 00:12:32,251 稽古から 逃げるときだったとしても➡ 168 00:12:32,251 --> 00:12:36,089 こういう半端な地方武士は そもそも私を知らないはずだ。 169 00:12:36,089 --> 00:12:41,761 それに 目撃されない抜け道も しこたま開発していた。 170 00:12:41,761 --> 00:12:46,099 逃げ上手の御曹司を なめてもらっては困る!》 171 00:12:46,099 --> 00:12:48,268 ウ ウソなどつくか! 172 00:12:48,268 --> 00:12:51,604 私は鎌倉に5年もいたんだ。 鎌倉のことなら…。 173 00:12:51,604 --> 00:12:54,107 ウソをつくのは そちらの自由ですが…。 174 00:12:54,107 --> 00:12:57,777 《下手なハッタリは 下手な追撃と同じ。 175 00:12:57,777 --> 00:13:00,279 逃げながら たやすく射ち返せる》 176 00:13:00,279 --> 00:13:03,783 はっ…。 177 00:13:03,783 --> 00:13:05,785 小笠原家は ウソつきを➡ 178 00:13:05,785 --> 00:13:07,787 諏訪への使者に よこしたのですか? 179 00:13:07,787 --> 00:13:09,789 ((ぐぅ…!)) 180 00:13:09,789 --> 00:13:11,958 (貞宗)新三郎。 はっ! 181 00:13:11,958 --> 00:13:16,295 もうよい。 戻れい。 うっ…。 182 00:13:16,295 --> 00:13:18,965 くっ… うぅっ。 うっし! 183 00:13:18,965 --> 00:13:21,968 《コヤツ 尻尾を出さぬ。 184 00:13:21,968 --> 00:13:27,807 よほどの尻尾の隠し上手か 本当に北条とは無関係なのか…》 185 00:13:27,807 --> 00:13:31,311 (助房)いやぁ~ 遅れた 遅れた! 186 00:13:31,311 --> 00:13:34,247 (貞宗)遅いぞ 市河殿。 187 00:13:34,247 --> 00:13:38,918 (助房)すみません 崖崩れに足止めされまして…。 188 00:13:38,918 --> 00:13:41,087 くぅ…。 あの~。 189 00:13:41,087 --> 00:13:44,257 あっ? かわや 行ってきます~。 190 00:13:44,257 --> 00:13:46,259 我慢できなくて。 191 00:13:49,429 --> 00:13:52,932 《フンッ。 頭の中身は9歳そのもの。 192 00:13:52,932 --> 00:13:56,936 あるじが最大の危機のときに 席を立つとは》 193 00:13:56,936 --> 00:14:00,440 さて 小僧。 ここからが本番ぞ。 194 00:14:00,440 --> 00:14:02,942 先までのは失礼に当たらぬ。 195 00:14:02,942 --> 00:14:05,945 貴様を北条残党と疑ってのこと。 196 00:14:05,945 --> 00:14:09,949 捕らえるためなら いかなる手段も使うのは当然。 197 00:14:09,949 --> 00:14:13,119 最終手段は 至近距離で表情を見…。 198 00:14:13,119 --> 00:14:15,788 心音を聞いて真偽を暴~く。 199 00:14:15,788 --> 00:14:17,790 ちょ… 礼儀は!? 200 00:14:17,790 --> 00:14:20,460 言ったろう 礼儀と戦には線を引く。 201 00:14:20,460 --> 00:14:23,796 これは戦ぞ! なんて都合のいい切り替え! 202 00:14:23,796 --> 00:14:27,967 言っておくが この状態で ウソを通せたものはおらぬ。 203 00:14:27,967 --> 00:14:31,738 いくぞ 核心の質問を。 204 00:14:31,738 --> 00:14:33,740 問う! 205 00:14:33,740 --> 00:14:38,745 貴様は… 北条か? 206 00:14:38,745 --> 00:14:41,247 う~ん…。 (鼓動) 207 00:14:41,247 --> 00:14:44,917 (鼓動) 208 00:14:44,917 --> 00:14:47,754 (助房)うん? ♬(田楽) 209 00:14:47,754 --> 00:14:50,256 (2人)うん? ♬(田楽) 210 00:14:50,256 --> 00:14:53,426 ぐぐ…。 211 00:14:53,426 --> 00:14:56,929 ええいっ! 心音を聞く邪魔だ! 212 00:14:56,929 --> 00:14:59,265 ぬぁっ! 213 00:14:59,265 --> 00:15:08,441 ♬~ 214 00:15:08,441 --> 00:15:10,610 さぁ~ 小笠原方! 215 00:15:10,610 --> 00:15:12,945 踊り上手は亜也子と勝負! 216 00:15:12,945 --> 00:15:16,449 ⚟見事に踊るではないか 娘! (歓声) 217 00:15:16,449 --> 00:15:20,453 おぉ~っ! いくつ楽器弾いてんだ すげぇな! 218 00:15:24,290 --> 00:15:26,292 はぁ…。 219 00:15:26,292 --> 00:15:29,962 <田楽。 当時のクラブミュージック的なもの。 220 00:15:29,962 --> 00:15:32,398 本能を揺さぶるそれに➡ 221 00:15:32,398 --> 00:15:37,069 身分の上下にかかわらず 人々は夢中になった> 222 00:15:37,069 --> 00:15:40,072 おい! 何故 皆で あの小娘と踊ってる! 223 00:15:40,072 --> 00:15:42,074 あっ いや…。 224 00:15:42,074 --> 00:15:45,411 あの娘が 突然 楽器を奏で始めて…。 225 00:15:45,411 --> 00:15:48,247 貞宗様が 子どもと 楽しくお話ししてるから➡ 226 00:15:48,247 --> 00:15:50,750 皆でワイワイ盛り上げようって。 227 00:15:52,919 --> 00:15:56,923 ((市河は崖を崩して足止めする。 228 00:15:56,923 --> 00:15:59,258 だが それでも市河が来たら➡ 229 00:15:59,258 --> 00:16:02,595 亜也子 お前はすぐ席を外せ。 230 00:16:02,595 --> 00:16:06,432 貞宗と市河 異能の目と耳がそろえば➡ 231 00:16:06,432 --> 00:16:09,602 いかに時行様でも 正体を暴かれてしまうだろう。 232 00:16:09,602 --> 00:16:12,939 お前が目と耳の どちらかを封じるのだ)) 233 00:16:12,939 --> 00:16:16,943 ええい! やめろやめろ! 大事な話の最中だ! 234 00:16:16,943 --> 00:16:19,445 え~! そうなんですか? 235 00:16:19,445 --> 00:16:23,282 子ども相手に大事な話など しないと思ってました~! 236 00:16:23,282 --> 00:16:26,285 それに すぐ帰る予定だったので➡ 237 00:16:26,285 --> 00:16:29,789 今頃 国境には 諏訪の武士が迎えにきてます。 238 00:16:31,724 --> 00:16:35,895 子どもの帰りが遅くなると 大ごとになるかも。 239 00:16:35,895 --> 00:16:38,397 ええい! やかましい! あと少しだ。 240 00:16:38,397 --> 00:16:40,399 若様。 うん? 241 00:16:40,399 --> 00:16:43,569 安心して そばにいるから。 242 00:16:43,569 --> 00:16:45,571 うん。 243 00:16:50,743 --> 00:16:54,914 《目と耳を奪われた。 244 00:16:54,914 --> 00:16:57,416 楽器と踊りだけではない。 245 00:16:57,416 --> 00:17:02,088 見栄えする長い手足に 豊かな表情。 246 00:17:02,088 --> 00:17:06,425 なんと私はぜいたくなのか。 247 00:17:06,425 --> 00:17:11,597 平和な世なら みんなの憧れになれる才女が➡ 248 00:17:11,597 --> 00:17:13,599 我が郎党にいる》 249 00:17:13,599 --> 00:17:22,942 ♬~ 250 00:17:22,942 --> 00:17:24,944 (貞宗)うぅ… 再度問う。 251 00:17:24,944 --> 00:17:27,947 貴様は北条か? 252 00:17:27,947 --> 00:17:32,885 《ダメだ。 先の田楽舞が 小僧の心中を支配しておる》 253 00:17:32,885 --> 00:17:35,554 《心臓の動悸も それが原因。 254 00:17:35,554 --> 00:17:38,724 こうなっては 心底の答えは引き出せない》 255 00:17:38,724 --> 00:17:42,061 (貞宗)もうよい。 帰れ。 あっ。 256 00:17:42,061 --> 00:17:44,230 次に戦場で邪魔をすれば➡ 257 00:17:44,230 --> 00:17:47,566 容赦なく殺すことだけ 覚えておけい。 258 00:17:47,566 --> 00:17:52,071 承知しました。 失礼します 貞宗殿。 259 00:17:57,243 --> 00:18:00,746 いいんですか? 疑わしきはいっそ殺しては? 260 00:18:00,746 --> 00:18:04,083 犬追物の時から ああいう小僧だ。 261 00:18:04,083 --> 00:18:08,254 よいものは素直に認め 全身で賛美を示しおる。 262 00:18:08,254 --> 00:18:11,591 座を正せと わしが諭せば 素直に納得し➡ 263 00:18:11,591 --> 00:18:15,094 以後どんなに追い詰められても 座を崩さなかった。 264 00:18:15,094 --> 00:18:20,099 人を疑う乱世において あの素直さはあまりに怪しい。 265 00:18:20,099 --> 00:18:25,805 だが ああも素直では 疑うほうが やぼになるわ。 266 00:18:27,940 --> 00:18:31,611 亜也子 あんな芸を いつの間に修めたんだ? 267 00:18:31,611 --> 00:18:34,714 エヘヘヘッ 気になります~? 268 00:18:34,714 --> 00:18:38,050 貞宗の追及など忘れてしまった。 269 00:18:38,050 --> 00:18:41,053 君のことで 胸がいっぱいに なっていたから。 270 00:18:43,055 --> 00:18:46,058 素直って怖い! そういうとこ凶器…! 271 00:18:46,058 --> 00:18:48,060 うん? 272 00:18:52,565 --> 00:18:54,767 あのね 若様。 273 00:18:56,902 --> 00:18:58,904 (いななき) 274 00:18:58,904 --> 00:19:00,906 ぐっ…! うぐっ! 275 00:19:00,906 --> 00:19:02,908 (赤沢)よくも よくも…。 276 00:19:02,908 --> 00:19:04,910 よくも よくも よくも…! 277 00:19:04,910 --> 00:19:06,912 よくも~っ! 278 00:19:06,912 --> 00:19:11,083 よくも 殿の俺への評価を 下げてくれたな。 279 00:19:11,083 --> 00:19:14,587 口先と 宴会芸だけのガキどもが! 280 00:19:14,587 --> 00:19:18,424 俺の武芸で 諏訪ではなく土にかえりな~! 281 00:19:18,424 --> 00:19:20,926 うわぁ~! 若様離れて! 282 00:19:20,926 --> 00:19:23,763 遅い! 283 00:19:23,763 --> 00:19:26,098 ぐぅ! 踊れ踊れ踊れ~! 284 00:19:26,098 --> 00:19:30,936 ぐふっ! わはははは! その身で味わえ! 285 00:19:30,936 --> 00:19:36,208 お前の年より 長い年月鍛えた なぎなたを~! 286 00:19:36,208 --> 00:19:39,712 《なぎなたに 絶対の自信を持ったヤツ…》 287 00:19:39,712 --> 00:19:41,881 あっ! 288 00:19:41,881 --> 00:19:44,884 逃がすか! 《弧次郎の太刀と同じだ。 289 00:19:44,884 --> 00:19:49,722 私にはそんな得意な武器がない。 290 00:19:49,722 --> 00:19:53,225 そのかわり…!》 291 00:19:53,225 --> 00:19:55,227 なっ…! 292 00:19:57,396 --> 00:19:59,398 あっ!? 293 00:19:59,398 --> 00:20:01,734 うぉりゃ~! ひい~っ! 294 00:20:01,734 --> 00:20:03,736 うわぁ~!? 295 00:20:06,405 --> 00:20:08,574 フンッ。 あっ!? 296 00:20:08,574 --> 00:20:11,577 お… おい! 何をする! 297 00:20:11,577 --> 00:20:14,747 やめろ お前! 放せ! 298 00:20:14,747 --> 00:20:18,751 待て 貴様! こんなことしてただで済むと…!? 299 00:20:18,751 --> 00:20:23,089 《亜也子:蹴りでも 石でも 相手の武器でも楽器でも…》 300 00:20:23,089 --> 00:20:25,591 (亜也子)ん~っ! (赤沢)あっ あっ ちょっと…! 301 00:20:25,591 --> 00:20:27,760 あっ わかった! 話し合おう! 302 00:20:27,760 --> 00:20:30,930 (亜也子)ぬ~っ…。 フンッ! 303 00:20:30,930 --> 00:20:35,601 《授かった体を生かして 使えるものは何でも使う!》 304 00:20:35,601 --> 00:20:40,439 望みを申せ! 銭か? 刀か? 305 00:20:40,439 --> 00:20:44,276 ちきしょう~! 怪力女! フッ。 306 00:20:44,276 --> 00:20:46,779 えっ? 307 00:20:46,779 --> 00:20:49,115 まっ 待て! 308 00:20:49,115 --> 00:20:51,283 《武器は選ばず…》 309 00:20:51,283 --> 00:20:54,954 フン~ッ! 310 00:20:54,954 --> 00:20:58,791 《ただ 主君の身を守る!》 311 00:20:58,791 --> 00:21:00,960 ぶはっ…。 312 00:21:00,960 --> 00:21:04,296 <信濃の忠臣 巴御前。 313 00:21:04,296 --> 00:21:07,800 越後の反乱の将 板額御前。 314 00:21:07,800 --> 00:21:11,303 遠江の女領主 井伊次郎。 315 00:21:11,303 --> 00:21:17,309 古くから 各地で戦う女性の姿が 記録されている> 316 00:21:17,309 --> 00:21:21,480 よ~し! とどめはポロリで! 317 00:21:21,480 --> 00:21:23,482 まっ 待った~! 318 00:21:23,482 --> 00:21:26,485 今日は戦じゃなく使者で来た。 319 00:21:26,485 --> 00:21:29,989 殺すと事が荒立つ。 ポロリは またいずれ! 320 00:21:29,989 --> 00:21:32,925 えぇっ? いいの? ああ 大丈夫だ! 321 00:21:32,925 --> 00:21:36,428 は~い。 若様 優しい! 322 00:21:40,099 --> 00:21:42,101 フッ…。 323 00:21:42,101 --> 00:21:44,603 若様が信濃へ来た時ね➡ 324 00:21:44,603 --> 00:21:47,106 運命だと思ったの。 325 00:21:47,106 --> 00:21:49,275 天下人の卵が➡ 326 00:21:49,275 --> 00:21:53,612 憧れの巴御前になれる機会を 授けに来てくれたって。 327 00:21:53,612 --> 00:21:56,448 若様のおかげなんだよ! 328 00:21:56,448 --> 00:22:00,286 私が武も芸も 本気で取り組むようになったの。 329 00:22:00,286 --> 00:22:04,290 身に付けた技のすべてを使って 若様を守る。 330 00:22:04,290 --> 00:22:07,626 そして 守ったあとで➡ 331 00:22:07,626 --> 00:22:11,130 若様の子をたくさん産むの! ぶ~っ! 332 00:22:11,130 --> 00:22:13,132 だから 若様。 うっ…。 333 00:22:13,132 --> 00:22:17,469 いつでも… お手付きしてね。 334 00:22:17,469 --> 00:22:20,306 あっ…。 335 00:22:20,306 --> 00:22:23,475 《意味わかって 言ってるのかな…》 336 00:22:23,475 --> 00:22:26,645 ぐぇ~! おいっ! きゃ~ てれる~! 337 00:22:26,645 --> 00:22:29,481 《言うことなすこと 過激で豪快。 338 00:22:29,481 --> 00:22:33,919 その本質は 曇りのない忠義と 陽の心。 339 00:22:33,919 --> 00:22:38,090 きっと彼女は 強く美しい武将になる。 340 00:22:38,090 --> 00:22:43,596 私は ふさわしい主君に なれるだろうか》