1 00:00:35,235 --> 00:00:38,405 んっ…。 あぁ…。 2 00:00:38,405 --> 00:00:41,408 <時行の叔父 北条泰家> 3 00:00:41,408 --> 00:00:46,079 (泰家)にひっ。 < もうじき 嵐を呼ぶ男である> 4 00:00:46,079 --> 00:00:49,583 (時行)お… 叔父上~! 5 00:00:49,583 --> 00:00:53,086 よくぞご無事で~! 時行殿こそ! 6 00:00:53,086 --> 00:00:55,923 泰家 感激ですぞ~! うぅ~。 7 00:00:55,923 --> 00:00:58,592 (弧次郎)実の叔父上が 生きてたとは➡ 8 00:00:58,592 --> 00:01:00,761 驚きっスよ。 (頼重)ああ。 9 00:01:00,761 --> 00:01:04,932 幕府の頂点 高時様の実の弟君。 10 00:01:04,932 --> 00:01:09,269 正真正銘 幕府の中枢におられたお方だ。 11 00:01:09,269 --> 00:01:12,105 鎌倉陥落の時➡ 12 00:01:12,105 --> 00:01:15,776 時行様を私に預ける手はずを 整えてくださったのも➡ 13 00:01:15,776 --> 00:01:17,778 泰家様なのだ。 14 00:01:19,780 --> 00:01:23,784 そういえば 叔父上はどうやって あの修羅場から脱出を? 15 00:01:23,784 --> 00:01:27,387 ああ 新田の兵になりきった。 へっ? 16 00:01:32,626 --> 00:01:34,895 ((んっ…。 17 00:01:34,895 --> 00:01:37,597 うっ… あっ。 18 00:01:39,566 --> 00:01:42,402 うん…! 19 00:01:42,402 --> 00:01:45,572 負傷兵だ! 通してくれ! うぅ~。 20 00:01:45,572 --> 00:01:49,076 痛いよ~)) 敵方の負傷兵のふりをして➡ 21 00:01:49,076 --> 00:01:51,578 鎌倉から脱出したのだよ。 22 00:01:51,578 --> 00:01:53,580 (玄蕃)すげ~な旦那。 23 00:01:53,580 --> 00:01:55,916 (玄蕃)一族が バカスカ死んでく中で➡ 24 00:01:55,916 --> 00:01:58,752 よくもそんな恥知らずな逃げ方。 25 00:01:58,752 --> 00:02:01,922 (泰家)もちろん 共に死のうと言われたさ。 26 00:02:01,922 --> 00:02:07,594 ((ささっ 泰家殿もご一緒に)) (泰家)だが わしはこう言った。 27 00:02:07,594 --> 00:02:10,263 命など惜しくはないが➡ 28 00:02:10,263 --> 00:02:15,268 再び天下を取り返すことで 皆の無念は必ず晴らすと。 29 00:02:15,268 --> 00:02:18,438 《デコ…》 《亜也子:おでこ なんか見える》 30 00:02:18,438 --> 00:02:20,440 叔父上。 んっ? 31 00:02:20,440 --> 00:02:23,110 死にたくなかったと 顔に書いてありますよ。 32 00:02:23,110 --> 00:02:27,314 おっ おっと! 時行殿は目ざといな~ ハハハ。 33 00:02:29,282 --> 00:02:34,054 この2年 東北を巡り 北条残党を集めて戦ってきたが…。 34 00:02:34,054 --> 00:02:38,058 どこも敗けて 逃げてきた。 35 00:02:38,058 --> 00:02:40,560 そなたが 最後の希望だ。 36 00:02:40,560 --> 00:02:45,766 諏訪頼重。 勝算ある準備は できたのか? 37 00:02:47,734 --> 00:02:51,571 ええ おおむね順調なのですが。 38 00:02:51,571 --> 00:02:53,573 んっ? 39 00:02:53,573 --> 00:02:56,076 少々 気になる未来が見えまして。 40 00:02:56,076 --> 00:02:59,079 よければ あちらでご相談させてください。 41 00:02:59,079 --> 00:03:02,082 おお わかった。 行こう! 42 00:03:02,082 --> 00:03:04,084 んっ? あっ? 43 00:03:08,088 --> 00:03:10,590 ほ~っほっほ…。 44 00:03:10,590 --> 00:03:14,261 (弧次郎)うるせ~ 早く行け! アワワ…。 45 00:03:14,261 --> 00:03:17,264 (吹雪)うるさいくらい 顔に出る ご仁だ。 46 00:03:17,264 --> 00:03:21,268 逃げざまといい 幕府の重鎮とは思えませんね。 47 00:03:21,268 --> 00:03:25,105 叔父上は 昔っから生き汚いんだ。 48 00:03:25,105 --> 00:03:28,775 下心丸出しで あれこれたくらみ➡ 49 00:03:28,775 --> 00:03:31,611 権力や命に執着し➡ 50 00:03:31,611 --> 00:03:35,048 けどそれが全部 素直に顔に出る。 51 00:03:35,048 --> 00:03:38,885 武士の仮面で飾らない 正直な人柄が➡ 52 00:03:38,885 --> 00:03:41,388 私は大好きだったよ。 53 00:03:41,388 --> 00:03:43,557 フフッ…。 54 00:03:43,557 --> 00:03:45,559 (2人)フフッ…。 55 00:03:45,559 --> 00:03:48,061 フン。 56 00:05:30,263 --> 00:05:33,867 《なんだか役者が そろってきやがった。 57 00:05:33,867 --> 00:05:36,703 対戦も目の前ってとこか。 58 00:05:36,703 --> 00:05:40,040 そうなりゃ 今まで以上に危険な目に遭う。 59 00:05:40,040 --> 00:05:42,709 ぼんは見てて飽きないヤツだが➡ 60 00:05:42,709 --> 00:05:46,546 命を懸けて従うほどの 理由があるか? 61 00:05:46,546 --> 00:05:51,885 ぼんと違って 俺には討つべき敵も 救うべき一族もいない。 62 00:05:51,885 --> 00:05:56,556 このあたりで降りちまうのも 一つの手だが…。 63 00:05:56,556 --> 00:05:59,559 まあ また今度考えっか》 64 00:05:59,559 --> 00:06:01,761 んっ? 65 00:06:07,234 --> 00:06:09,236 《何かいやがる。 66 00:06:09,236 --> 00:06:11,238 気のせいか? 67 00:06:11,238 --> 00:06:14,908 諏訪大社の敷地内は 頼重が厳重に見張らせている。 68 00:06:14,908 --> 00:06:17,077 そうそう誰かが入れるはずが…》 69 00:06:17,077 --> 00:06:20,080 んっ! ハッ… くっ。 70 00:06:20,080 --> 00:06:22,082 《と 飛び道具!?》 71 00:06:22,082 --> 00:06:25,752 ハァッ…。 72 00:06:25,752 --> 00:06:27,754 ハァ…。 73 00:06:27,754 --> 00:06:29,756 ハッ! ほう…。 74 00:06:29,756 --> 00:06:31,758 察知力は なかなか。 75 00:06:31,758 --> 00:06:34,194 《天狗の… 面?》 76 00:06:34,194 --> 00:06:37,530 くっ…。 曲がりなりにも忍のようだ。 77 00:06:37,530 --> 00:06:44,871 情報にあった信濃の狐面。 風間玄蕃か。 いや その後継者か。 78 00:06:44,871 --> 00:06:49,042 まあ どうせ死ぬから どちらでもいい。 79 00:06:49,042 --> 00:06:54,047 ちょ 待て待て! 落ち着けよ。 俺は手ぶらの丸腰だぜ! 80 00:06:54,047 --> 00:06:56,549 第一 誰だ玄蕃って? 81 00:06:56,549 --> 00:07:00,220 これ ただの祭り用の狐面だぞ。 82 00:07:00,220 --> 00:07:02,322 ほれ よく見ろ。 83 00:07:04,724 --> 00:07:07,060 ハッ! あっ!? 84 00:07:07,060 --> 00:07:10,063 技じゃないな。 手品だ。 85 00:07:10,063 --> 00:07:13,566 ぐっ! 冥土の鬼でも楽しませてろ。 86 00:07:15,902 --> 00:07:17,904 (破裂音) 87 00:07:17,904 --> 00:07:21,074 あっ。 あそこで誰か戦っている!? 88 00:07:21,074 --> 00:07:24,077 他人を呼んで自分を守るか。 89 00:07:24,077 --> 00:07:27,580 そのざまでは 自分の主君を守るなど➡ 90 00:07:27,580 --> 00:07:29,916 到底無理だな。 91 00:07:29,916 --> 00:07:34,521 あっ… あぁ…。 92 00:07:34,521 --> 00:07:36,523 ⚟風間玄蕃。 ハッ! 93 00:07:36,523 --> 00:07:39,192 ⚟うわさほどにもなし。 94 00:07:39,192 --> 00:07:41,861 ハァッ…。 玄蕃! (走り寄る音) 95 00:07:41,861 --> 00:07:43,863 今の音は…。 96 00:07:46,032 --> 00:07:51,538 頼重に話がある。 相当ヤバい事態かもしれない。 97 00:07:51,538 --> 00:07:57,043 言うとおりに警備を置いた。 襲撃も盗み聞きも心配ない。 98 00:07:57,043 --> 00:08:01,381 話せ玄蕃。 お前を襲ったのは何者だ? 99 00:08:01,381 --> 00:08:05,051 おやじから聞いたことがある。 100 00:08:05,051 --> 00:08:09,222 足利直属の忍集団➡ 101 00:08:09,222 --> 00:08:11,725 「天狗衆」。 102 00:08:11,725 --> 00:08:16,563 神速の体術と潜入技術で 暴けぬ秘密はないという。 103 00:08:16,563 --> 00:08:20,734 <足利尊氏が京の幕府軍を➡ 104 00:08:20,734 --> 00:08:23,536 全滅させた日は↴ 105 00:08:25,905 --> 00:08:30,410 < その翌日 五月八日 上野国。 106 00:08:30,410 --> 00:08:34,514 尊氏の同志 新田義貞は迷っていた> 107 00:08:34,514 --> 00:08:37,684 ((新田:尊氏殿が 京を落とすと同時に➡ 108 00:08:37,684 --> 00:08:40,687 俺が鎌倉を攻める作戦だが…。 109 00:08:40,687 --> 00:08:43,857 京の戦況が さっぱりわからん)) 110 00:08:43,857 --> 00:08:48,361 <新田義貞は 京の陥落をまだ知らない。 111 00:08:48,361 --> 00:08:50,363 京都から群馬まで➡ 112 00:08:50,363 --> 00:08:53,867 一日で情報を伝えるのは 当時不可能である> 113 00:08:53,867 --> 00:08:56,703 ((《尊氏殿が仮に敗れていたら➡ 114 00:08:56,703 --> 00:08:59,372 俺の少ない兵では幕府に勝てん。 115 00:08:59,372 --> 00:09:02,042 今は挙兵をやめるべきか?》 116 00:09:02,042 --> 00:09:04,043 殿! 117 00:09:06,379 --> 00:09:08,715 援軍です! およそ2,000! 118 00:09:08,715 --> 00:09:12,552 あれは… 越後に住む我が一族です! 119 00:09:12,552 --> 00:09:14,554 なぜ来れた? 120 00:09:14,554 --> 00:09:17,557 俺の挙兵は まだ一族にも 秘密にしていたのに。 121 00:09:17,557 --> 00:09:19,893 天狗が報せてくれたんです。 122 00:09:19,893 --> 00:09:22,062 天狗? 123 00:09:22,062 --> 00:09:26,066 一人の天狗が わずか一日で越後中を巡り➡ 124 00:09:26,066 --> 00:09:30,570 「新田殿が鎌倉攻略に立ち上がる」 と 触れ回ったんです。 125 00:09:30,570 --> 00:09:34,507 なんと奇妙なことがあるものだ。 126 00:09:34,507 --> 00:09:38,812 フッ… まあいい 2,000も来れば俺には十分! 127 00:09:40,847 --> 00:09:43,683 鎌倉攻めに もはや迷いなし! (いななき) 128 00:09:43,683 --> 00:09:47,854 続け者ども! (武士たち)おうっ!)) 129 00:09:47,854 --> 00:09:50,857 < こうして新田義貞は➡ 130 00:09:50,857 --> 00:09:54,861 京の尊氏に気を取られた 鎌倉幕府の隙を突き➡ 131 00:09:54,861 --> 00:09:59,199 鎌倉を滅ぼすことが できたのだった。 132 00:09:59,199 --> 00:10:02,535 この 「天狗の報せ」のエピソードは➡ 133 00:10:02,535 --> 00:10:06,706 当時の人が書いた 『太平記』に記されている。 134 00:10:06,706 --> 00:10:10,043 作り話と断ずるのは簡単だが➡ 135 00:10:10,043 --> 00:10:13,880 日本史上初の東西同時クーデターは➡ 136 00:10:13,880 --> 00:10:18,051 天狗でもいなければ説明できない 離れ業であり➡ 137 00:10:18,051 --> 00:10:22,555 当時から 謎に思われていたことを 示している> 138 00:10:22,555 --> 00:10:26,726 ヤツらは日に百里駆けると いわれている。 139 00:10:26,726 --> 00:10:30,897 情報戦で幕府打倒の 大きな力になったらしい。 140 00:10:30,897 --> 00:10:34,400 天狗面の話は私も耳にした。 141 00:10:34,400 --> 00:10:38,738 足利学校という 古くから続く教育機関があり➡ 142 00:10:38,738 --> 00:10:43,409 そこに腕利きの忍を養成する 部署があるとのうわさだ。 143 00:10:43,409 --> 00:10:47,580 <文献上 最初の 「忍」を使ったのは➡ 144 00:10:47,580 --> 00:10:51,084 足利家執事 高師直である> 145 00:10:53,086 --> 00:10:57,257 とにかく もう大戦は 中止すべきだ。 でなければ➡ 146 00:10:57,257 --> 00:10:59,592 乱の証拠を押さえられ➡ 147 00:10:59,592 --> 00:11:02,595 ぼんの正体も突き止められて すべて終わりだ! 148 00:11:04,597 --> 00:11:07,400 時行殿を守らねば! 149 00:11:10,270 --> 00:11:13,940 先日 不吉な未来が見えました。 150 00:11:13,940 --> 00:11:18,611 時行様がこのまま諏訪に とどまっていたら 死ぬであろう。 151 00:11:18,611 --> 00:11:21,447 なるべく遠くへ逃げるが吉と。 152 00:11:21,447 --> 00:11:23,449 玄蕃の言うとおり➡ 153 00:11:23,449 --> 00:11:26,352 計画には 大きな変更が必要になった。 154 00:11:28,288 --> 00:11:31,457 例の件 よろしいですか 泰家様。 155 00:11:31,457 --> 00:11:33,860 うむ 引き受けた。 156 00:11:37,397 --> 00:11:40,733 時行様。 んっ…! 157 00:11:40,733 --> 00:11:46,906 信濃を離れ 泰家様と共に 京の都へお上りなされ。 158 00:11:46,906 --> 00:11:48,908 京…? 159 00:11:48,908 --> 00:11:51,911 大戦の決行は 来月を予定しており➡ 160 00:11:51,911 --> 00:11:57,417 わしはこのあと 京の協力者と 乱の算段を練る予定です。 161 00:11:57,417 --> 00:11:59,586 わしと共についてくれば➡ 162 00:11:59,586 --> 00:12:03,590 その間 天狗どもの追及を 完全にかわせる。 163 00:12:03,590 --> 00:12:09,262 敵方もまさか 北条宗家の2人が 京にいるとは想像もしない。 164 00:12:09,262 --> 00:12:12,932 人も多く 紛れるのはたやすいはず。 165 00:12:12,932 --> 00:12:16,269 それに… 天下人を目指す以上➡ 166 00:12:16,269 --> 00:12:20,273 時行様は一度 京を見ておくべきと 思っていました。 167 00:12:20,273 --> 00:12:23,776 京の都はあらゆる文化の最先端。 168 00:12:23,776 --> 00:12:27,447 人材も 帝 尊氏をはじめ➡ 169 00:12:27,447 --> 00:12:32,785 新田 楠木など 敵ながら ずぬけた英才が集っています。 170 00:12:32,785 --> 00:12:35,221 楠木…? 171 00:12:35,221 --> 00:12:37,390 ((瘴奸:楠木殿にでも➡ 172 00:12:37,390 --> 00:12:41,060 戦を教われれば よかったのになぁ)) 173 00:12:41,060 --> 00:12:44,897 むろん 彼らと顔を合わせることが あってはなりませんが➡ 174 00:12:44,897 --> 00:12:48,067 才気あふれる 京の空気から得るものは➡ 175 00:12:48,067 --> 00:12:50,069 計り知れないはずです。 176 00:12:54,073 --> 00:12:56,409 行ってみたいです。 京へ。 177 00:12:56,409 --> 00:12:58,911 うん。 では➡ 178 00:12:58,911 --> 00:13:01,914 早速 今夜にも 出発していただきましょう。 179 00:13:01,914 --> 00:13:03,916 今夜!? そんな急に!? 180 00:13:03,916 --> 00:13:07,253 実のところ こういう事態も想定済み。 181 00:13:07,253 --> 00:13:12,759 諏訪神党は非常時の暗号を使い すでに計画を進めております。 182 00:13:12,759 --> 00:13:16,596 (海野)最近のおかずは? (祢津)野沢菜漬けだ。 183 00:13:16,596 --> 00:13:19,766 野沢菜漬けか… 厄介だな。 184 00:13:19,766 --> 00:13:23,436 ヤツはごはん泥棒だ。 太らぬよう注意せよ。 185 00:13:23,436 --> 00:13:27,440 ああ。 この上 塩鮭も来たら箸が止まらん。 186 00:13:30,943 --> 00:13:34,380 でも どうやって若を 信濃から逃がすんです? 187 00:13:34,380 --> 00:13:38,885 たぶん 今も天狗衆ってのが 諏訪大社を見張ってますよ。 188 00:13:38,885 --> 00:13:41,554 子どもが旅立てば怪しまれる。 189 00:13:41,554 --> 00:13:46,726 それだが… 謎の侵入者に混乱する この状況を逆手に取り➡ 190 00:13:46,726 --> 00:13:50,229 逃がすのと証拠隠滅を同時に行う。 191 00:13:50,229 --> 00:13:53,066 名残を惜しむ時間がないのが➡ 192 00:13:53,066 --> 00:13:56,235 この策の泣きどころですが。 193 00:13:56,235 --> 00:14:00,239 火事だ~っ! 頼重様の館が燃えているぞ! 194 00:14:00,239 --> 00:14:04,243 (盛高)ハッ… 火元は? たいまつの一つが倒れたようで! 195 00:14:04,243 --> 00:14:06,913 クソ! 賊を警戒して➡ 196 00:14:06,913 --> 00:14:09,916 夜のたいまつを増やしたのが あだになったか! 197 00:14:09,916 --> 00:14:12,752 近隣の諏訪神党に使いを出せ! 198 00:14:12,752 --> 00:14:16,356 延焼を防ぐ人手が必要だ! はっ! 199 00:14:18,424 --> 00:14:20,426 どう見ます? 200 00:14:20,426 --> 00:14:23,763 ただの失火か…。 それとも失火に見せかけ➡ 201 00:14:23,763 --> 00:14:27,934 乱の証拠書類を燃やしているか 現時点では判断できん。 202 00:14:27,934 --> 00:14:31,771 人の動きから目を離すな。 はっ。 203 00:14:31,771 --> 00:14:35,375 《意図的とすれば すさまじく打つ手が早い。 204 00:14:35,375 --> 00:14:37,710 チッ… あの狐に➡ 205 00:14:37,710 --> 00:14:39,812 察知されていなければ》 ((玄蕃:ブリブリブリブリ…)) 206 00:14:44,217 --> 00:14:46,219 ついてきてるか? はい! 207 00:14:46,219 --> 00:14:50,323 バラバラに出発した郎党たちとも この先で合流します。 208 00:14:52,391 --> 00:14:54,560 《京は京で危険が多い。 209 00:14:54,560 --> 00:14:59,065 不確かな未来を根拠に 送り出すのは いつも心が痛む。 210 00:14:59,065 --> 00:15:05,571 ですが この旅の中で あなた様は また成長するはず。 211 00:15:05,571 --> 00:15:09,742 危険を乗り越え 大きく育った我が子を見たい。 212 00:15:09,742 --> 00:15:12,245 親代わりの身としては➡ 213 00:15:12,245 --> 00:15:16,082 厳しく突き放すことも また 愛なのです。 214 00:15:16,082 --> 00:15:18,751 さあ 行きなされ! 215 00:15:18,751 --> 00:15:21,587 振り返ってはなりませぬぞ 時行殿!》 216 00:15:21,587 --> 00:15:24,423 あっ…。 217 00:15:24,423 --> 00:15:27,093 えっ…? <頼重が! 218 00:15:27,093 --> 00:15:29,595 ついてきている!> 219 00:15:29,595 --> 00:15:34,033 アンタも来てどうすんだよ! いや… 時行様が心配で。 220 00:15:34,033 --> 00:15:37,703 天狗に見られたら 偽装工作が台無しですよ。 221 00:15:37,703 --> 00:15:40,206 早く戻れ! 222 00:15:40,206 --> 00:15:42,208 その顔やめろ! 223 00:15:42,208 --> 00:15:45,878 うっ…。 (雫)父様 見苦しい。 帰って 早く。 224 00:15:45,878 --> 00:15:48,381 ぐっ… うぅ…。 225 00:15:48,381 --> 00:15:52,051 うぅ… う… うぅ うぅ。 226 00:15:52,051 --> 00:15:54,387 ふえぇ~ん! 227 00:15:54,387 --> 00:15:56,722 ハハ…。 228 00:15:56,722 --> 00:16:00,726 <期待を胸に 時行が京へ向かったのは➡ 229 00:16:00,726 --> 00:16:02,728 6月のことだった> 230 00:16:08,401 --> 00:16:11,904 (吹雪)朝廷か足利方が作った 関所だ。 231 00:16:11,904 --> 00:16:14,807 検査も相当厳しそうですね。 232 00:16:16,742 --> 00:16:20,913 そもそも 泰家殿の顔に 北条と書いてあるので➡ 233 00:16:20,913 --> 00:16:24,083 絶対 バレます。 ヒヒッ。 234 00:16:24,083 --> 00:16:27,086 ニヒヒヒ…。 他に道はないのか? 235 00:16:27,086 --> 00:16:30,756 (吹雪)遠回りだが 山を越えるしかない。 236 00:16:30,756 --> 00:16:35,528 だが 傾斜が険しく 馬を捨てなければ それも難しい。 237 00:16:35,528 --> 00:16:37,530 いや➡ 238 00:16:37,530 --> 00:16:42,034 こんなヤツらごときのために 馬と荷を失ってたまるものか。 239 00:16:42,034 --> 00:16:47,707 わしに考えがあるが 半日ほど準備が必要だ。 240 00:16:47,707 --> 00:16:50,209 手前に宿場町があったろう。 241 00:16:50,209 --> 00:16:52,545 そなたたちはそこで 時間をつぶしておれ。 242 00:16:52,545 --> 00:16:54,547 (弧次郎)ってことだけど➡ 243 00:16:54,547 --> 00:16:56,549 飯屋でも入ります? 244 00:16:56,549 --> 00:17:00,553 いいや ここで無駄金は使いたくない。 245 00:17:00,553 --> 00:17:03,723 京は何かと 金がかかるらしいから! 246 00:17:03,723 --> 00:17:07,894 ね~っ 見たことない服やごはんが 何でもあるんだって。 247 00:17:07,894 --> 00:17:11,397 滞在中ずっと 「どすえ」って連呼したい。 248 00:17:11,397 --> 00:17:15,067 父様のくれたお小遣い 多くはないから➡ 249 00:17:15,067 --> 00:17:18,070 使いどころ気をつけなきゃ。 あっ。 250 00:17:18,070 --> 00:17:20,072 あはっ…。 251 00:17:20,072 --> 00:17:24,577 おっと失礼。 貧乏人には目の毒だったかな。 252 00:17:24,577 --> 00:17:27,914 げげげげ 玄蕃くん そんな大金どこから…。 253 00:17:27,914 --> 00:17:31,584 ニッヒヒヒ… 頼重にせびったのさ。 254 00:17:31,584 --> 00:17:34,854 敵の忍を発見した手柄はでかい。 255 00:17:34,854 --> 00:17:38,190 俺がいなけりゃ 諏訪は滅んでいたかもなって。 256 00:17:38,190 --> 00:17:40,359 ケッケケケ…。 確かに。 んっ? 257 00:17:40,359 --> 00:17:43,529 君のおかげで 大戦の計画が敵に漏れず➡ 258 00:17:43,529 --> 00:17:47,700 我が君もこうして逃げられた。 その大金にふさわしい手柄だ。 259 00:17:47,700 --> 00:17:50,369 で 相談なんだが。 んっ…。 260 00:17:50,369 --> 00:17:52,371 お金貸してくれないか。 261 00:17:52,371 --> 00:17:55,041 自分の金は とうに尽きてしまったんだ。 262 00:17:55,041 --> 00:17:58,210 (雫)吹雪くん 途中の宿場で つまらない買い食い➡ 263 00:17:58,210 --> 00:18:01,047 しまくるから。 持ってきた食料も➡ 264 00:18:01,047 --> 00:18:03,716 ほとんど一人で食べ尽くしてるし。 あっ! 265 00:18:03,716 --> 00:18:06,052 あぁ… うぅ…。 266 00:18:06,052 --> 00:18:10,556 うっ… まあ 自業自得だ。 ハァッ…! 267 00:18:10,556 --> 00:18:13,392 (玄蕃)あぁ~ 食った食った。 268 00:18:13,392 --> 00:18:19,231 貧乏人を尻目に 豪遊するのはたまらんぜ。 グヌヌヌ…。 269 00:18:19,231 --> 00:18:21,901 さすがに吹雪がかわいそうだ。 270 00:18:21,901 --> 00:18:24,570 足りないかもしれないが 差し入れてやろう。 271 00:18:24,570 --> 00:18:26,739 (玄蕃)ほっとけ~ あんなポンコツ。 272 00:18:26,739 --> 00:18:30,743 あっ そういえば 吹雪は? 向こうの竹やぶ。 273 00:18:30,743 --> 00:18:34,046 (雫)空腹を紛らわすために 鍛錬するって。 274 00:18:37,683 --> 00:18:41,520 ふっ! うっ! ぐぅ! フゥ… フゥ…。 275 00:18:41,520 --> 00:18:44,357 おなか… 減った! 276 00:18:44,357 --> 00:18:46,359 おぉ~っ! 277 00:18:46,359 --> 00:18:49,695 《一食抜いたくらいで なんつう飢えた目だ。 278 00:18:49,695 --> 00:18:53,366 コイツもまだまだ 引き出しを隠してやがる》 279 00:18:53,366 --> 00:18:56,535 あっ…! 280 00:18:56,535 --> 00:18:59,538 フゥ…。 (玄蕃)おい。 あっ! 281 00:18:59,538 --> 00:19:01,874 フフフフ… おぉ~っ! 282 00:19:01,874 --> 00:19:04,577 おぉ…! 飯の礼に ちょっと教えろ。 283 00:19:06,879 --> 00:19:08,881 あの天狗に言われた。 284 00:19:08,881 --> 00:19:10,883 俺の戦術は➡ 285 00:19:10,883 --> 00:19:13,719 技じゃなく 手品だと。 んっ! 286 00:19:13,719 --> 00:19:18,724 かなう気がしなかった。 何か決定的な差がある気がして。 287 00:19:18,724 --> 00:19:21,894 ヤツと俺 違いはなんだと思う? 288 00:19:21,894 --> 00:19:24,563 そうだな…。 289 00:19:24,563 --> 00:19:26,899 忍の技は専門外だが➡ 290 00:19:26,899 --> 00:19:28,901 あえて言うなら➡ 291 00:19:28,901 --> 00:19:32,571 とにかく威力を追求した技を 開発すべきかな。 292 00:19:32,571 --> 00:19:35,841 でないと君に すごみを感じない。 293 00:19:35,841 --> 00:19:37,843 すごみ? 294 00:19:37,843 --> 00:19:41,514 いたずらを生かして敵を縛る技は 君の持ち味だが➡ 295 00:19:41,514 --> 00:19:44,183 皆が死を覚悟した戦場では➡ 296 00:19:44,183 --> 00:19:46,852 いたずら程度では敵は止まらない。 297 00:19:46,852 --> 00:19:50,856 「本気なら殺せるぞ」 そのすごみが伝われば➡ 298 00:19:50,856 --> 00:19:53,025 真の意味で敵を縛れる。 299 00:19:53,025 --> 00:19:56,195 手品と技の差があるなら そこだと思う。 300 00:19:56,195 --> 00:19:58,364 なるほど。 301 00:19:58,364 --> 00:20:01,867 殺傷力の高い道具が 開発できれば➡ 302 00:20:01,867 --> 00:20:04,870 隠し持っているだけでも ハッタリが効くってことか。 303 00:20:04,870 --> 00:20:06,872 まさしく。 304 00:20:09,041 --> 00:20:13,045 ところで 泰家様の策は ホントに大丈夫なんスか? 305 00:20:13,045 --> 00:20:17,049 顔に北条と書いてあったら 絶対無理だと思うけど。 306 00:20:17,049 --> 00:20:20,386 きっと大丈夫。 そろそろ合流しよう。 307 00:20:20,386 --> 00:20:24,223 叔父上が体を汚しておいてくれと 言っていた。 308 00:20:24,223 --> 00:20:27,726 玄蕃は 狐面だと怪しいから 適当な顔に。 309 00:20:27,726 --> 00:20:30,729 すごみというなら 叔父上もすごいぞ。 310 00:20:30,729 --> 00:20:34,233 本心が顔に出ていようが関係ない。 んっ…? 311 00:20:34,233 --> 00:20:38,070 それを超えたすごみで 無理やり突破するんだ。 312 00:20:38,070 --> 00:20:40,573 お願いでございますぅ~! 313 00:20:40,573 --> 00:20:44,577 明日中に京に着かないと 野垂れ死んでしまいますぅ~! 314 00:20:44,577 --> 00:20:47,413 西園寺公宗様の下男として➡ 315 00:20:47,413 --> 00:20:50,416 雇っていただける お約束なんですぅ! 316 00:20:50,416 --> 00:20:52,418 母を亡くした この子らにも➡ 317 00:20:52,418 --> 00:20:55,087 やっと楽な暮らしが させられるんですぅ! 318 00:20:55,087 --> 00:20:57,089 こんな みすぼらしい➡ 319 00:20:57,089 --> 00:21:00,926 田舎侍が初めてもらった いい仕事なんですぅ! 320 00:21:00,926 --> 00:21:03,763 借金までして 馬と贈り物を買ったんですぅ! 321 00:21:03,763 --> 00:21:07,933 どうかどうか どうかぁ~! う… ううっ。 322 00:21:07,933 --> 00:21:10,770 え ええい もういい! (泣き声) 323 00:21:10,770 --> 00:21:12,772 通れ! ああ痛い! 324 00:21:12,772 --> 00:21:14,774 哀れすぎて こっちも惨めになってくるわ! 325 00:21:14,774 --> 00:21:18,110 その辺で野垂れ死ぬなよ 迷惑だから! 326 00:21:18,110 --> 00:21:22,782 へぇぇ~ おありがとうございますぅ~。 327 00:21:22,782 --> 00:21:24,784 アハハ…。 (一同)あぁ…。 328 00:21:24,784 --> 00:21:27,119 まあ ざっとこんなものよ。 329 00:21:27,119 --> 00:21:29,622 半日間 飯を抜き➡ 330 00:21:29,622 --> 00:21:33,926 山の中を転げ回って 哀れな侍になりきった。 331 00:21:37,563 --> 00:21:40,900 ひとときの哀れさで 素性を隠すことなど➡ 332 00:21:40,900 --> 00:21:44,570 何でもないぞ時行殿。 なぜなら➡ 333 00:21:44,570 --> 00:21:47,406 我らは天下の北条だからだ! 334 00:21:47,406 --> 00:21:50,743 ハッ… フッ…。 335 00:21:50,743 --> 00:21:54,747 <天下人の弟 北条泰家は➡ 336 00:21:54,747 --> 00:21:59,919 初めて上京する田舎侍を装って 京に潜入したという。 337 00:21:59,919 --> 00:22:04,256 幕府の中枢では ドロドロの権力抗争を演じ➡ 338 00:22:04,256 --> 00:22:07,426 幕府が滅べば ちゃっかり逃亡し➡ 339 00:22:07,426 --> 00:22:10,429 逃げた先々で反乱を扇動し➡ 340 00:22:10,429 --> 00:22:15,434 更には京に潜入して 前代未聞の計画を立てる。 341 00:22:15,434 --> 00:22:19,104 この時代屈指の寝業師である。 342 00:22:19,104 --> 00:22:21,941 時行が持つ生命力は➡ 343 00:22:21,941 --> 00:22:24,944 病弱で無気力な父 高時よりも➡ 344 00:22:24,944 --> 00:22:28,280 この叔父に 似たのかもしれない> 345 00:22:28,280 --> 00:22:32,451 《ぼんも旦那も 危機のときほど おもしろくなる。 346 00:22:32,451 --> 00:22:34,386 すごみか…》 347 00:22:34,386 --> 00:22:36,388 ケケケ…。 348 00:22:36,388 --> 00:22:38,724 《俺も何か すごいもん開発するか。 349 00:22:38,724 --> 00:22:41,560 天狗野郎の マヌケ面を拝むためにも》 350 00:22:41,560 --> 00:22:44,730 さあ! 京は目の前だ時行殿。 351 00:22:44,730 --> 00:22:47,833 哀れみが欲しいときは わしに任せろ!