1 00:00:01,502 --> 00:00:03,504 ♪~ 2 00:01:26,629 --> 00:01:28,631 ~♪ 3 00:01:37,890 --> 00:01:42,102 (ナレーション)私たちは今 歴史の大きな転換期に生きている 4 00:01:42,603 --> 00:01:46,148 かつての常識は崩れ 寄るべき価値を失い— 5 00:01:46,232 --> 00:01:49,610 その先に きたるべき時代は まだ見えない 6 00:01:50,194 --> 00:01:52,696 およそ700年前の 日本も また— 7 00:01:52,780 --> 00:01:55,074 先の見えぬ時代であった 8 00:01:55,658 --> 00:01:58,994 武家の世が終わり 一つの正しさが揺らぐ中— 9 00:01:59,078 --> 00:02:03,040 武士たちは それぞれの大義を掲げ 戦へ向かう 10 00:02:03,624 --> 00:02:08,087 やがて始まる動乱の その静かな入り口で… 11 00:02:09,046 --> 00:02:10,464 (四宮左衛門太郎(しのみやさえもんたろう))弥三郎(やさぶろう)! 12 00:02:10,548 --> 00:02:12,258 ついに届いたか 13 00:02:12,341 --> 00:02:13,217 (保科(ほしな)弥三郎)おう 14 00:02:13,300 --> 00:02:17,388 明神様が立ち上がり ヤツらに鉄槌(てっつい)を下してくださる 15 00:02:17,471 --> 00:02:19,765 御使(みつか)い様の 言うとおりだ 16 00:02:19,849 --> 00:02:21,100 逃げてでも 生き延びてきた— 17 00:02:21,183 --> 00:02:22,268 かいがあった 18 00:02:22,351 --> 00:02:23,310 (四宮)待て… 19 00:02:23,394 --> 00:02:25,729 先鋒(せんぽう)は我らか 20 00:02:25,813 --> 00:02:30,734 あの国司(こくし) 清原(きよはら)を襲い 大戦(おおいくさ)の火蓋を切れとの命(めい) 21 00:02:30,818 --> 00:02:33,404 (四宮)随分と見込まれたものだ 22 00:02:33,487 --> 00:02:36,907 (保科)家族 領民 犠牲になった者たちの— 23 00:02:36,991 --> 00:02:39,159 2年分の恨みを晴らす! 24 00:02:40,661 --> 00:02:42,079 (部下1)清原殿は ご無事か? 25 00:02:42,162 --> 00:02:44,665 (部下2)京から 爆速で帰ってこられてから— 26 00:02:44,748 --> 00:02:47,418 取りつかれたように 何かを作っておられる 27 00:02:47,501 --> 00:02:50,713 (部下3) だが 肝心の兵が足りぬぞ 28 00:02:50,796 --> 00:02:55,801 信濃(しなの)での親衛隊 国衙近衛(こくがこのえ)は 米丸(よねまる)を失い 弱体化 29 00:02:55,885 --> 00:02:58,637 新たな猛者を雇われた様子もない 30 00:02:58,721 --> 00:03:02,016 (部下2) やる気と行動力は すごいんだが… 31 00:03:02,099 --> 00:03:03,392 (部下1)ああ 32 00:03:03,475 --> 00:03:05,853 設計図や資材の手配は 完璧だし 33 00:03:06,520 --> 00:03:11,108 平和な時代に生まれておられたら より輝く場所があったろうに 34 00:03:14,945 --> 00:03:16,447 (部下2) あの行動力が— 35 00:03:16,530 --> 00:03:19,742 いいほうへ転ぶことを 祈るしかない 36 00:03:21,827 --> 00:03:23,954 (諏訪頼継(すわよりつぐ)) 納得できないです 父上! 37 00:03:24,038 --> 00:03:25,873 北条時行(ほうじょうときゆき)なんかのために— 38 00:03:25,956 --> 00:03:29,543 どうして 父上や おじじ上が 命を懸けて 戦を? 39 00:03:30,294 --> 00:03:31,253 (諏訪時継(ときつぐ))頼継 40 00:03:31,754 --> 00:03:34,965 北条家は 我ら諏訪家を さまざまに優遇し— 41 00:03:35,049 --> 00:03:36,717 持ち上げてくださった 42 00:03:37,426 --> 00:03:39,720 帝(みかど)を公家の現人神(あらひとがみ) 43 00:03:39,803 --> 00:03:42,723 諏訪明神を 武家の現人神とすることで— 44 00:03:42,806 --> 00:03:45,976 武家が公家から 精神的に独立できるように 45 00:03:47,061 --> 00:03:50,856 我らが 神として繁栄できたのは 北条様のおかげ 46 00:03:50,940 --> 00:03:53,484 その ご恩は 到底 忘れることはできない 47 00:03:54,234 --> 00:03:57,071 更には 信濃の民を救うため 48 00:03:57,154 --> 00:03:59,490 武家としての諏訪家の未来のため 49 00:03:59,573 --> 00:04:01,909 悲運の王子を助けるという 義のため 50 00:04:02,409 --> 00:04:04,995 このまま 戦をしないという 理由がないのだ 51 00:04:06,038 --> 00:04:08,415 万一のときは頼んだぞ 頼継 52 00:04:08,916 --> 00:04:11,418 少し わがままに 育ててしまったが— 53 00:04:11,502 --> 00:04:14,546 お前の本質は 義理堅く 優しい子だ 54 00:04:15,255 --> 00:04:18,676 自分の良心に悔いなきよう 生きるのだ 55 00:04:24,139 --> 00:04:24,890 (弧次郎(こじろう))フッ… 56 00:04:24,974 --> 00:04:28,560 おっ 今日は起きてるっすね 御跡目(おあとめ) 57 00:04:28,644 --> 00:04:29,645 (祢津小次郎(ねづこじろう))弧次郎 58 00:04:29,728 --> 00:04:34,191 (弧次郎)出立の日が決まったんで 今のうちに 顔 見せておこうかと 59 00:04:34,274 --> 00:04:38,612 (小次郎)すまないね 弧次郎 いつも 君ばかり 危ない目に… 60 00:04:38,696 --> 00:04:42,366 顔だけでなく 武勇も 君に似たかったよ 61 00:04:42,449 --> 00:04:43,867 な~に言ってんすか 62 00:04:43,951 --> 00:04:46,370 俺が戦いが好きで行くんすから 63 00:04:46,453 --> 00:04:51,000 北条の若のもとで 祢津小次郎の名 轟(とどろ)かせてやりますよ 64 00:04:53,836 --> 00:04:56,547 (ナレーション) 北条泰家(やすいえ)が京より帰ってから— 65 00:04:57,172 --> 00:05:01,468 諏訪陣営は 僅か数日で 開戦準備を完了させた 66 00:05:02,720 --> 00:05:06,015 それぞれが信じる大義を胸に 67 00:05:07,391 --> 00:05:09,226 (長崎円喜(ながさきえんき))小笠原貞宗(おがさわらさだむね) 68 00:05:09,309 --> 00:05:12,896 その働き 武門の誉れと認む 69 00:05:12,980 --> 00:05:16,233 この太刀を賜り 更に家名を上げよ 70 00:05:17,067 --> 00:05:18,777 (小笠原貞宗)ありがたき幸せ 71 00:05:19,445 --> 00:05:21,864 必ずや 応えてみせまする 72 00:05:25,367 --> 00:05:25,868 あっ… 73 00:05:38,630 --> 00:05:40,799 (市河助房(いちかわすけふさ)) 目 開(あ)いて 寝てましたよ 74 00:05:41,884 --> 00:05:44,887 (助房)本当に 兵を挙げますかね? 諏訪は 75 00:05:44,970 --> 00:05:48,390 (貞宗)間違いない 片ときも目を離すな 76 00:05:48,974 --> 00:05:50,434 (助房)だから 物見を出してるけど— 77 00:05:50,517 --> 00:05:52,102 なんの動きもないんだってば! 78 00:05:52,186 --> 00:05:53,645 (貞宗)タメ口(ぐち)? 79 00:05:54,229 --> 00:05:56,982 (助房)そもそも 今更 北条に 忠節尽くして— 80 00:05:57,066 --> 00:05:58,442 なんになりましょう? 81 00:05:58,525 --> 00:05:59,401 武士たるもの— 82 00:05:59,485 --> 00:06:02,988 “所領を守るゆえにこそ 帰(き)すべき旗を見定める”が— 83 00:06:03,072 --> 00:06:04,406 道理では? 84 00:06:04,490 --> 00:06:08,744 (貞宗)鎌倉(かまくら)は 武士にとって 特別な意味を持つ土地 85 00:06:09,870 --> 00:06:13,415 武士の世が始まり 誇りを持って歩きだした— 86 00:06:13,499 --> 00:06:14,750 その場所だ 87 00:06:14,833 --> 00:06:18,253 道理あってこその忠義… でございましょう 88 00:06:18,337 --> 00:06:19,797 (貞宗)そうかもしれぬ 89 00:06:20,422 --> 00:06:20,923 だが… 90 00:06:22,549 --> 00:06:27,513 “いざ 鎌倉”という言葉は まだ続いているのだ 91 00:06:28,097 --> 00:06:29,932 ヤツらの中ではな 92 00:06:30,891 --> 00:06:34,895 (貞宗) 何を見落としているのだ… わしは 93 00:06:35,729 --> 00:06:38,816 (蝉(せみ)の鳴き声) 94 00:06:38,899 --> 00:06:41,693 (亜也子(あやこ))若様! 鎧姿(よろいすがた) 似合ってる! 95 00:06:41,777 --> 00:06:42,528 (弧次郎)ああ! 96 00:06:42,611 --> 00:06:47,157 大将たるもの やっぱ 大鎧に鉄兜(てつかぶと)の完全武装だな 97 00:06:48,867 --> 00:06:51,453 さ… さすがは俺らの大将 98 00:06:51,537 --> 00:06:54,331 この場に及んで 一切の動じなし! 99 00:06:54,414 --> 00:06:56,667 (亜也子) 立ってるだけで この気迫 100 00:06:56,750 --> 00:06:58,669 これこそ 将の器だよ! 101 00:07:03,632 --> 00:07:04,466 (弧次郎・亜也子)ハッ… 102 00:07:07,010 --> 00:07:08,387 (弧次郎)い… 今こそ 見よ 103 00:07:08,470 --> 00:07:11,431 この 身動き一つせぬ 壮絶なる威圧感! 104 00:07:11,515 --> 00:07:13,684 (亜也子)この構え もしや あの… 105 00:07:13,767 --> 00:07:16,436 不動剣(ふどうけん) 大地斬り? 106 00:07:17,437 --> 00:07:18,355 ふん! 107 00:07:18,856 --> 00:07:21,817 見て! 地面にヒビ! ヒビが~! 108 00:07:22,317 --> 00:07:23,652 (弧次郎)お… おお… 109 00:07:23,735 --> 00:07:24,528 おう! 110 00:07:25,028 --> 00:07:25,529 (亜也子・弧次郎)ハッ… 111 00:07:26,864 --> 00:07:27,739 (弧次郎)若… 112 00:07:30,993 --> 00:07:31,702 (倒れた音) 113 00:07:31,785 --> 00:07:33,829 (亜也子)若様! 114 00:07:34,329 --> 00:07:35,914 (弧次郎) やっぱり むちゃだったか 115 00:07:35,998 --> 00:07:37,791 (亜也子)ちょっと重すぎだよね 116 00:07:37,875 --> 00:07:39,918 (諏訪頼重(よりしげ))鎧を着たくない? 117 00:07:40,002 --> 00:07:41,503 (北条時行)もうダメです… 118 00:07:41,587 --> 00:07:44,214 一刻(いっとき) 着ただけで 疲労で死にそうです 119 00:07:44,298 --> 00:07:45,924 若様 非力だから 120 00:07:46,842 --> 00:07:48,719 (ナレーション) 武士のフル装備の重量は— 121 00:07:48,802 --> 00:07:50,262 30キロを超え— 122 00:07:50,345 --> 00:07:53,307 子供用でも ジャンプすら難しくなる 123 00:07:53,390 --> 00:07:56,185 ほかにも問題あるんすよ 124 00:07:57,895 --> 00:07:59,479 全然 やる気ないんです 125 00:07:59,563 --> 00:08:00,814 (頼重)どういう状況? 126 00:08:00,898 --> 00:08:02,316 (三浦八郎(みうらはちろう))いや… 127 00:08:02,399 --> 00:08:05,235 頼重殿の命(めい)なので 従いますが— 128 00:08:05,319 --> 00:08:07,070 大事な弔いの戦なのに— 129 00:08:07,154 --> 00:08:09,114 こんな子供の 指揮下とは… 130 00:08:09,198 --> 00:08:11,575 なんか 全然 覇気もないし あの子 131 00:08:12,159 --> 00:08:13,744 (諏訪盛高(もりたか))どうします? 頼重様 132 00:08:13,827 --> 00:08:16,705 時行様の正体を 明かしたほうがいいのでは? 133 00:08:18,373 --> 00:08:21,501 (頼重)鎧への順応も 鎌倉党との連携も— 134 00:08:21,585 --> 00:08:24,588 本来は 最後の ひと月で 済ます予定だった 135 00:08:25,088 --> 00:08:28,383 足利(あしかが)が打った天狗(てんぐ)の一手が 効いている 136 00:08:28,884 --> 00:08:33,764 ヤツらの監視を警戒するあまり 多くの準備が後手に回った 137 00:08:33,847 --> 00:08:36,975 (頼重)いや でも 鎧は脱ぐと 当然 危ないし 138 00:08:37,059 --> 00:08:39,186 大将の威厳もなくなるし 139 00:08:39,269 --> 00:08:40,771 オープニングにも出しちゃったし 140 00:08:40,854 --> 00:08:41,772 (亜也子・弧次郎)ん? 141 00:08:42,356 --> 00:08:43,565 (時行)頼重殿 142 00:08:44,149 --> 00:08:47,402 勝つことで 私は鎌倉党(かれら)に認めてほしく— 143 00:08:47,486 --> 00:08:50,489 そのためには 鎧を脱がせてほしいんです 144 00:08:50,572 --> 00:08:55,118 (吹雪(ふぶき))今回の作戦も新技も 身軽でなくては できないものです 145 00:08:55,619 --> 00:08:57,454 (頼重)そんなに脱ぎたいですか? 146 00:08:57,955 --> 00:08:59,623 はい 脱ぎたいです! 147 00:08:59,706 --> 00:09:03,377 全部 脱ぎ捨てて 気持ち良く 逃げたいんです! 148 00:09:03,460 --> 00:09:07,839 (武士1)あ… あれが うわさの 全裸逃亡 ド変態稚児か 149 00:09:07,923 --> 00:09:09,925 (武士2)全裸逃亡 ド変態稚児だ (風間玄蕃(かざまげんば))ん? 150 00:09:10,008 --> 00:09:11,760 (雫(しずく))父様 (頼重)ん? 151 00:09:11,843 --> 00:09:13,387 (雫)こんなこともあろうかと— 152 00:09:13,470 --> 00:09:17,099 京に行く前に 鎧師さんに 試作をお願いしていました 153 00:09:17,683 --> 00:09:21,270 兄様専用の 逃げ特化の鎧です 154 00:09:21,937 --> 00:09:25,774 鎧を構成する大量の札板(さねいた)が 重さのもとなので— 155 00:09:25,857 --> 00:09:27,734 布帛包(ふはくづつみ)の技法を使い— 156 00:09:27,818 --> 00:09:31,488 最低限 守る箇所だけに 札板を配置し— 157 00:09:31,571 --> 00:09:33,699 服と鎧を 一体化させ— 158 00:09:33,782 --> 00:09:36,785 更に 形を極限まで細身に 159 00:09:36,868 --> 00:09:40,914 軽量化と動きやすさと 当たりにくさを追求しました 160 00:09:42,624 --> 00:09:43,834 (ナレーション)この時代以降— 161 00:09:43,917 --> 00:09:47,546 武士の鎧は スリム化と軽量化が進む 162 00:09:47,629 --> 00:09:50,173 動きやすさが 重視されるようになり— 163 00:09:50,257 --> 00:09:54,177 武士たちは おのおの 新時代の鎧を作っていった 164 00:09:54,261 --> 00:09:56,179 うん これなら動ける! 165 00:09:58,056 --> 00:09:59,850 (時行)三浦殿! (八郎)ん? 166 00:09:59,933 --> 00:10:00,767 (八郎)ハッ! 167 00:10:00,851 --> 00:10:03,186 (時行)あなたたちの大将は私です 168 00:10:03,270 --> 00:10:05,480 危険な作戦をやりますが… 169 00:10:05,564 --> 00:10:07,441 (八郎)うぐっ! (時行)ついてきてもらいますよ 170 00:10:07,524 --> 00:10:09,776 (時行)最初の勝ちを 手にしたとき— 171 00:10:09,860 --> 00:10:13,030 きっと その指は 二度と鼻には入らなくなる 172 00:10:13,113 --> 00:10:13,864 (八郎)ふがっ! 173 00:10:13,947 --> 00:10:16,408 (時行の笑い声) (八郎)な… なんだ? 174 00:10:16,491 --> 00:10:19,286 着替えた途端に 覇気が出てきた 175 00:10:21,830 --> 00:10:22,622 ん? 176 00:10:25,625 --> 00:10:27,044 (盛高)頼重様 177 00:10:27,711 --> 00:10:31,673 そろそろ 若鹿が 山を下りてくるころだろう 178 00:10:31,757 --> 00:10:35,927 焼いて 塩を振って 山椒(さんしょう)を ひとつまみ 179 00:10:36,553 --> 00:10:38,847 思い出しただけで 腹が鳴る 180 00:10:40,098 --> 00:10:44,102 いつもなら 御射山祭(みさやまさい)の準備で 騒がしいころですね 181 00:10:44,936 --> 00:10:47,856 (頼重)すまないな 巻き込んでしまって 182 00:10:47,939 --> 00:10:49,608 未来が見えたのですか? 183 00:10:49,691 --> 00:10:50,734 (頼重)いや 184 00:10:51,234 --> 00:10:55,155 だが あの峰の向こうに 風が吹くのを感じる 185 00:10:56,281 --> 00:11:01,119 若く 軽く 進もうとするものを運ぶ風だ 186 00:11:01,953 --> 00:11:04,998 我らは ただ 背中を押すことしかできぬ 187 00:11:05,916 --> 00:11:07,501 その先の未来は— 188 00:11:07,584 --> 00:11:11,546 彼ら自身の目で見て 歩んでゆくものだ 189 00:11:12,047 --> 00:11:13,131 (盛高)フッ… 190 00:11:13,965 --> 00:11:17,219 お供いたします どのような定めでも 191 00:11:17,719 --> 00:11:19,513 (時行)頼重殿! (盛高)ん? 192 00:11:19,596 --> 00:11:22,974 この鎧 すっごく動きやすいです 193 00:11:23,058 --> 00:11:25,435 もう 若様 はしゃぎ過ぎだよ 194 00:11:25,519 --> 00:11:28,230 おお それは よかったで… 195 00:11:28,313 --> 00:11:29,022 ん? 196 00:11:29,606 --> 00:11:31,233 ん? んん~? 197 00:11:31,817 --> 00:11:32,526 (時行)ん? 198 00:11:33,318 --> 00:11:35,237 あの… なんですか? 199 00:11:35,320 --> 00:11:36,530 (頼重)時行様 200 00:11:36,613 --> 00:11:40,617 京で 佐々木道誉(ささきどうよ)の娘に会ったとか 申されましたな 201 00:11:40,700 --> 00:11:42,744 はい 魅摩(みま)殿といって… 202 00:11:42,828 --> 00:11:45,247 (頼重)あ… あ… あ… 203 00:11:47,624 --> 00:11:50,585 い… い… い… 204 00:11:50,669 --> 00:11:52,129 いやあああ! 205 00:11:52,754 --> 00:11:54,631 (玄蕃の寝息) 206 00:11:55,215 --> 00:11:56,550 (頼重)三股将軍 207 00:11:56,633 --> 00:11:57,801 はあ? 208 00:11:57,884 --> 00:12:00,971 さっきから変ですよ 頼重殿 209 00:12:01,054 --> 00:12:04,724 というか 布団なんか敷いて まさか ここで寝る気… 210 00:12:04,808 --> 00:12:08,603 神たる私が どこにいようと 神意のまま! 211 00:12:08,687 --> 00:12:11,898 (小声で)時行様が 夜這(よば)いをかけられたら困りますので 212 00:12:11,982 --> 00:12:13,859 何を ブツブツ言って… 213 00:12:13,942 --> 00:12:14,776 (頼重)隙あり! 214 00:12:14,860 --> 00:12:15,527 (時行)ぐへっ 215 00:12:15,610 --> 00:12:17,320 (頼重)おかしいな 216 00:12:17,404 --> 00:12:20,323 未来には 枕を投げる遊びがあるらしいのに 217 00:12:20,407 --> 00:12:22,784 それ 絶対 木の枕では やってない! 218 00:12:22,868 --> 00:12:26,496 (頼重)木じゃない枕… はて そんなものが 219 00:12:26,580 --> 00:12:27,414 (時行)んっ… 220 00:12:31,543 --> 00:12:33,086 もう 出ていってください 221 00:12:33,587 --> 00:12:35,255 明日は出陣なんですよ 222 00:12:37,591 --> 00:12:39,259 (頼重)それゆえ しばらくは— 223 00:12:39,342 --> 00:12:42,220 平和に語らう時間もないと 思いまして 224 00:12:42,304 --> 00:12:42,804 (時行)あ… 225 00:12:43,430 --> 00:12:47,100 さあ 良い機会です 同じ布団で寝まするぞ! 226 00:12:47,184 --> 00:12:47,809 (時行)はあ? 227 00:12:47,893 --> 00:12:49,394 甘えたい時期を— 228 00:12:49,478 --> 00:12:52,230 お… お父上なしで 過ごしたでしょう? 229 00:12:52,314 --> 00:12:55,734 本当は添い寝したり おてて つないだりしたかったはず 230 00:12:55,817 --> 00:12:57,444 (時行)やだよ 気色悪い! 231 00:12:57,527 --> 00:13:00,405 (頼重)手ぐらい つないでも いいじゃないですか~ 232 00:13:00,489 --> 00:13:04,034 さあ 入って 入って 頼重の懐に 233 00:13:04,117 --> 00:13:07,829 (時行)もう やだ! この 距離感間違え 光おじさん! 234 00:13:07,913 --> 00:13:09,206 (頼重)ハア ハア… 235 00:13:09,289 --> 00:13:13,543 (時行)しゅ… 出陣前夜に しょうもない 236 00:13:15,128 --> 00:13:18,048 鎌倉まで行ける未来は 見えますか? 237 00:13:18,798 --> 00:13:20,050 いいえ 238 00:13:20,133 --> 00:13:22,636 信濃の外の戦となれば— 239 00:13:22,719 --> 00:13:25,972 我が予知は ほとんど 機能しなくなるゆえ 240 00:13:26,056 --> 00:13:26,640 あっ… 241 00:13:28,391 --> 00:13:30,977 未来など見えずとも かまいませぬ 242 00:13:31,645 --> 00:13:36,733 この2年間の あなた様を見て 確信しました 243 00:13:37,567 --> 00:13:41,029 あなた様は 必ずや 英雄になれる 244 00:13:42,656 --> 00:13:44,115 神ではなく— 245 00:13:44,616 --> 00:13:48,245 人としての頼重が 保証します 246 00:13:55,126 --> 00:13:58,713 (時行)幕府再興の戦を させてもらえるだけじゃなく— 247 00:13:58,797 --> 00:14:01,091 失った家族にもなってくれた 248 00:14:01,967 --> 00:14:04,052 この人には恩しかない 249 00:14:04,803 --> 00:14:06,680 (頼重の寝息) 250 00:14:07,430 --> 00:14:11,851 手ぐらい いいじゃん ケチ~ 251 00:14:11,935 --> 00:14:18,233 (頼重の寝息) 252 00:14:19,943 --> 00:14:23,238 (時行)私は 必ず 天下を取る 253 00:14:23,738 --> 00:14:29,327 (頼重と時行の寝息) 254 00:14:29,911 --> 00:14:31,162 (楠木正成(くすのきまさしげ))ええと… 255 00:14:31,663 --> 00:14:33,206 しょうかん殿か 256 00:14:33,290 --> 00:14:36,376 (瘴奸(しょうかん)) “しょうげん”と読むのだ 楠木殿 257 00:14:36,459 --> 00:14:38,878 (楠木)まあ いいでござるよ 読みなんて 258 00:14:39,588 --> 00:14:43,008 我らは所詮 挙兵したての 名乗る価値もない雑魚だ 259 00:14:43,883 --> 00:14:45,885 そなたが価値ある武士となり— 260 00:14:45,969 --> 00:14:48,138 価値ある敵と相対したとき— 261 00:14:48,221 --> 00:14:51,850 正しい名を 堂々と名乗ればいいでござるよ 262 00:15:05,155 --> 00:15:08,033 (ナレーション) 信濃の眠れる神が ついに動いた 263 00:15:09,034 --> 00:15:11,494 時行の名前は まだ伏せたまま— 264 00:15:11,578 --> 00:15:15,415 頼重は 自ら 軍を率いて 進軍を開始した 265 00:15:16,499 --> 00:15:19,919 1人の少年が 日本中を震撼(しんかん)させた— 266 00:15:20,003 --> 00:15:23,131 中先代(なかせんだい)の乱の始まりである 267 00:15:26,635 --> 00:15:27,802 いくぞ~! 268 00:15:27,886 --> 00:15:30,930 今こそ 恨みを晴らすときだ! 269 00:15:31,014 --> 00:15:33,642 (いななき) (兵たち)うおおおお! 270 00:15:33,725 --> 00:15:35,560 (ナレーション)宿願の大戦は— 271 00:15:35,644 --> 00:15:39,314 保科軍が国司を襲撃するところから 幕を開けた 272 00:15:40,273 --> 00:15:44,277 だが 小笠原貞宗は この襲撃を察知しており— 273 00:15:44,361 --> 00:15:48,281 市河助房と 南北から 国司の救援に向かう 274 00:15:48,782 --> 00:15:53,370 頼重軍は 貞宗のあとを追う形で 軍を進めた 275 00:15:54,954 --> 00:15:59,376 (瘴奸)保科党単独で 勝ち目のない戦は しない 276 00:16:00,418 --> 00:16:04,047 となれば 諏訪本軍が 必ず出てくる 277 00:16:04,130 --> 00:16:08,093 保科をおとりに 貞宗殿の背後を突くつもりだ 278 00:16:10,345 --> 00:16:12,097 甘いな 諏訪明神 279 00:16:12,597 --> 00:16:16,476 その程度の策は 我が策で潰してやろう 280 00:16:17,644 --> 00:16:21,648 諏訪本軍が 貞宗殿の軍を襲う瞬間— 281 00:16:21,731 --> 00:16:24,943 我が軍が 背後の山中から襲いかかる 282 00:16:26,027 --> 00:16:29,447 蝉を狙う蟷螂(かまきり)を雀(すずめ)が食らう 283 00:16:30,031 --> 00:16:32,409 黄雀在后(おうじゃくざいこう)の計 284 00:16:35,078 --> 00:16:36,788 (瘴奸)全軍に指令だ 285 00:16:36,871 --> 00:16:39,416 この先は 急ぎ足で通過しろ 286 00:16:39,499 --> 00:16:40,667 (兵1)なぜですかい? 287 00:16:41,376 --> 00:16:45,380 (瘴奸)右上は開けた崖で 左下は深い川 288 00:16:45,463 --> 00:16:48,925 崖の上に弓兵がいれば 格好の的だ 289 00:16:49,008 --> 00:16:50,510 (兵1)ほう… 290 00:16:50,593 --> 00:16:52,512 (瘴奸)警戒し過ぎか… 291 00:16:52,595 --> 00:16:56,933 すぐ抜けられる この地形で 弓矢で我らを壊滅させるには— 292 00:16:57,016 --> 00:16:58,685 300騎は必要だ 293 00:16:59,644 --> 00:17:02,564 偵察が見た頼重軍の兵数では— 294 00:17:02,647 --> 00:17:06,151 こんな山中に 300騎も隠す余裕はないはず 295 00:17:07,235 --> 00:17:08,278 だが… 296 00:17:09,904 --> 00:17:13,992 万一 襲撃があっても 慌てず 粛々と通り抜けろ 297 00:17:15,785 --> 00:17:18,121 (兵2)お頭(かしら)も人が悪い 298 00:17:18,204 --> 00:17:22,292 崖を抜けるまで 殺しは我慢なんてよお 299 00:17:22,375 --> 00:17:24,252 (兵たちの笑い声) (兵3)プッ… ハハハハ! 300 00:17:24,335 --> 00:17:26,504 我慢なんか したことねえもんな 301 00:17:26,588 --> 00:17:28,214 (兵4)暴れて落ちるなよ 302 00:17:28,298 --> 00:17:30,884 (兵5) 落ちても 置いていくけどな 303 00:17:30,967 --> 00:17:32,177 ああ そうだ 304 00:17:32,260 --> 00:17:34,512 あれを越えたら 派手にやるぞ 305 00:17:34,596 --> 00:17:36,181 (兵たち)おう! 306 00:17:40,351 --> 00:17:42,020 (時行)よかった 間に合って 307 00:17:42,520 --> 00:17:44,063 (八郎)おい 長寿丸(ちょうじゅまる) 308 00:17:44,147 --> 00:17:46,983 本気で やる気か? こんな自殺行為! 309 00:17:47,066 --> 00:17:48,109 (時行)もちろん 310 00:17:48,193 --> 00:17:51,905 乗り方は昨晩 信濃の民から 教わったでしょ 311 00:17:55,325 --> 00:17:59,621 うわあ… 高いなあ 怖いなあ 312 00:17:59,704 --> 00:18:01,998 なんで興奮してんだ このガキ! 313 00:18:02,081 --> 00:18:04,375 (弧次郎)覚悟 決めな にいさん方 314 00:18:04,459 --> 00:18:06,503 これが若様の戦 315 00:18:06,586 --> 00:18:08,755 慣れると めちゃくちゃ楽しいぜ 316 00:18:08,838 --> 00:18:09,756 (吹雪)ええ… 317 00:18:10,465 --> 00:18:13,593 (時行)頼継殿との鬼ごっこで 目印にしたとき— 318 00:18:13,676 --> 00:18:16,805 あれは 一体 何に使うのかと 思っていたが… 319 00:18:16,888 --> 00:18:21,768 はい 信濃の民は 6年に一度 あれに夢中になります 320 00:18:21,851 --> 00:18:23,895 なんという むちゃを… 321 00:18:23,978 --> 00:18:27,023 信濃に そんな素敵(きけん)な祭が あったなんて 322 00:18:27,106 --> 00:18:29,275 さあ みんな 出撃だ! 323 00:18:31,611 --> 00:18:33,780 (八郎)うっ… くっ… 324 00:18:35,907 --> 00:18:37,200 くうう… 325 00:18:39,118 --> 00:18:40,119 (瘴奸)ん? 326 00:18:40,203 --> 00:18:41,788 (地響き) (兵6)な… なんの音だ? 327 00:18:42,580 --> 00:18:44,999 (兵7) 矢の音でも 人馬の音でもない 328 00:18:45,083 --> 00:18:46,000 なっ… 329 00:18:46,084 --> 00:18:48,503 なんじゃ こりゃあ~! 330 00:18:51,089 --> 00:18:54,050 (亜也子)ひゃっほ~! 飛ばせ 飛ばせ~! 331 00:18:54,551 --> 00:18:57,595 (弧次郎)それで? このあと どうするんです? 若! 332 00:18:58,388 --> 00:19:00,223 どうすると言っても… 333 00:19:00,306 --> 00:19:02,976 (弧次郎)この勢いじゃ 降りられないっすね 334 00:19:03,059 --> 00:19:03,601 (時行)ああ 335 00:19:04,227 --> 00:19:05,603 このまま行こう! 336 00:19:05,687 --> 00:19:07,522 (兵8)逃げろ~! 337 00:19:08,022 --> 00:19:09,524 (瘴奸)火牛(かぎゅう)の計? 338 00:19:09,607 --> 00:19:12,235 いや… あんな崖に 牛など登れん 339 00:19:12,318 --> 00:19:13,236 (瘴奸)あっ! 340 00:19:16,698 --> 00:19:19,367 勝負だ 瘴奸! 341 00:19:33,089 --> 00:19:35,258 だあ~! 死ぬかと思った! 342 00:19:35,341 --> 00:19:36,885 むちゃくちゃ やりやがって! 343 00:19:36,968 --> 00:19:38,094 (亜也子)プハッ… 344 00:19:38,177 --> 00:19:39,804 (弧次郎)大丈夫っすか? 若 345 00:19:41,264 --> 00:19:42,223 (弧次郎・亜也子)ん? 346 00:19:42,307 --> 00:19:43,600 (弧次郎)若! (八郎)あっ… 347 00:19:43,683 --> 00:19:45,935 (八郎)敵の大将もいないぞ! 348 00:19:51,441 --> 00:19:53,359 北条の子だ! 349 00:19:53,443 --> 00:19:54,360 ハッ! 350 00:19:55,153 --> 00:19:55,653 (瘴奸)むっ… 351 00:19:56,696 --> 00:19:57,739 (時行)あ… 352 00:20:03,077 --> 00:20:04,704 俺らも下りるぞ 353 00:20:04,787 --> 00:20:06,331 多分 吹雪も下だ 354 00:20:06,414 --> 00:20:07,040 (亜也子)うん 355 00:20:07,123 --> 00:20:07,957 (弧次郎・亜也子)あっ… 356 00:20:08,750 --> 00:20:12,545 (弧次郎)やれやれ 簡単に終わらしちゃくれないか 357 00:20:12,629 --> 00:20:15,673 とっとと片づけて 若 捜しに行くぜ! 358 00:20:15,757 --> 00:20:16,382 (亜也子たち)おう! 359 00:20:18,718 --> 00:20:22,055 (吹雪)我が君! 返事をしてください! 360 00:20:22,138 --> 00:20:22,805 あっ… 361 00:20:24,390 --> 00:20:27,560 (ナレーション)時に 西暦1335年 362 00:20:28,436 --> 00:20:31,940 歴史は今 大きく 動きだそうとしていた 363 00:20:45,995 --> 00:20:48,289 (ナレーション)そして はるか北の地でも— 364 00:20:48,373 --> 00:20:51,793 静かに未来を思い描く 知将が1人 365 00:20:53,002 --> 00:20:57,590 やがて 北条時行の名は その渦中に現れる 366 00:20:58,091 --> 00:21:01,010 出会いに導かれ 別れを背負い— 367 00:21:01,094 --> 00:21:03,513 少年は乱世へと歩みだす 368 00:21:04,472 --> 00:21:07,600 果たして 生き延びることができるのか 369 00:21:08,935 --> 00:21:13,147 逃げ上手な あなたのことですから きっと大丈夫よね 370 00:21:13,648 --> 00:21:16,109 時行様 頑張れ! 371 00:21:23,449 --> 00:21:25,576 (時行)あ~ 楽しかった 372 00:21:26,077 --> 00:21:27,829 けど もう おしまい 373 00:21:27,912 --> 00:21:29,580 (瘴奸)あっ… (時行)瘴奸 374 00:21:30,289 --> 00:21:34,210 (時行)今日の私は 大将として お前を倒しに来た 375 00:21:35,753 --> 00:21:37,130 我が君! 376 00:21:37,213 --> 00:21:38,256 吹雪! 377 00:21:42,427 --> 00:21:43,428 (時行・瘴奸)いざ! 378 00:22:03,489 --> 00:22:05,491 ♪~ 379 00:23:30,910 --> 00:23:32,912 ~♪ 380 00:23:33,496 --> 00:23:34,997 (雫)未来が見えます (時行たち)何 何 何? 381 00:23:35,081 --> 00:23:37,917 (雫)見てくれた みんなが 幸せになる未来が見える!