1 00:00:02,002 --> 00:00:12,679 ♬~ 2 00:00:12,679 --> 00:00:14,681 《一廣:人というのは➡ 3 00:00:14,681 --> 00:00:17,351 不思議な面を 一つくらいは持っている。 4 00:00:17,351 --> 00:00:20,020 霊感の強い人。 5 00:00:20,020 --> 00:00:22,856 生きた絵をスラスラと描ける人。 6 00:00:22,856 --> 00:00:27,694 きれいなのに音痴だったり 痩せていても大食いだったり。 7 00:00:27,694 --> 00:00:33,867 はたまた 顔は整っていないのに 異性からモテたり… などなど。 8 00:00:33,867 --> 00:00:38,672 そんな不思議なことが 僕にも一つだけ…》 9 00:02:33,520 --> 00:02:37,524 んっ? あぁ北瀬くん 今日 部署飲みあるんだけど➡ 10 00:02:37,524 --> 00:02:40,861 君も来る? あぁ… いや すみません。 11 00:02:40,861 --> 00:02:43,030 僕は遠慮しておきます。 12 00:02:43,030 --> 00:02:45,198 まっ だよね。 13 00:02:45,198 --> 00:02:48,869 俺 北瀬が定時で上がらなかったの 見たことないよ。 14 00:02:48,869 --> 00:02:50,871 お疲れさまでした~。 15 00:02:54,541 --> 00:02:56,543 (解錠音) 16 00:02:59,212 --> 00:03:02,149 《僕の名前は 北瀬一廣。 17 00:03:02,149 --> 00:03:07,354 出世よりも定時帰宅を大切にする ごく普通のサラリーマンだ》 18 00:03:13,326 --> 00:03:17,831 《趣味は料理… ではないかな。 嫌いじゃないけど。 19 00:03:17,831 --> 00:03:21,668 僕の趣味 というか生きがいは➡ 20 00:03:21,668 --> 00:03:24,337 そう 眠ること。 21 00:03:24,337 --> 00:03:27,340 えっ? なんで お弁当を用意するのかって? 22 00:03:27,340 --> 00:03:30,177 それはね… いや➡ 23 00:03:30,177 --> 00:03:35,182 こればっかりは説明するより 実際に始めたほうが早いかな》 24 00:03:35,182 --> 00:03:39,853 (寝息) 25 00:03:39,853 --> 00:03:44,357 《子どものころから 幻想的な世界に憧れていた》 26 00:03:48,028 --> 00:03:53,200 《剣や盾 魔法で 魔物と戦い 勝利を得る。 27 00:03:53,200 --> 00:03:59,039 そんな物語を 何度も何度も すり切れるまで読み続けた。 28 00:03:59,039 --> 00:04:02,642 そしていつしか 夢を見るようになった…》 29 00:04:07,147 --> 00:04:10,650 (ナズルのさえずり) 30 00:04:10,650 --> 00:04:12,652 あっ。 31 00:04:14,654 --> 00:04:16,656 《夢の中の僕は➡ 32 00:04:16,656 --> 00:04:19,359 そんな剣と魔法の 世界にいるんだ》 33 00:04:23,330 --> 00:04:28,034 こっちは朝7時か… 昨日はここで眠ったんだっけ。 34 00:04:31,171 --> 00:04:34,007 《もう大人になってしまった 僕だけど➡ 35 00:04:34,007 --> 00:04:38,311 夢の中ではいまだに 自由に冒険を楽しんでいる》 36 00:04:42,182 --> 00:04:45,018 《魔物を退治してみたり…》 んっ? 37 00:04:45,018 --> 00:04:49,523 《逆にやられて 夜中に飛び起きたり とかね》 38 00:04:49,523 --> 00:04:53,193 ハァ ハァ ハァ…。 39 00:04:53,193 --> 00:04:55,529 ハアッ… ハァ ハァ…。 40 00:04:55,529 --> 00:04:58,198 《他にも怖い思いは しょっちゅうするけど…》 41 00:04:58,198 --> 00:05:00,133 うわぁ! 42 00:05:00,133 --> 00:05:04,037 《こういう景色が眺められるのは 悪くないんだよね》 43 00:05:10,310 --> 00:05:14,481 ふぅ… ん~ まだ子どもだな。 44 00:05:14,481 --> 00:05:17,317 こっちでは年を取るのが遅い。 45 00:05:17,317 --> 00:05:22,489 (マリー)あら おはようカズヒホ。 んっ? あっ おはようマリー。 46 00:05:22,489 --> 00:05:25,659 《彼女はマリアーベル。 通称マリー。 47 00:05:25,659 --> 00:05:29,996 エルフという種族で こう見えても 100年を生きているらしい。 48 00:05:29,996 --> 00:05:34,501 瞳は宝石のアメシストみたいな色だ》 フフッ。 49 00:05:34,501 --> 00:05:36,503 久しぶりだね。 50 00:05:36,503 --> 00:05:39,005 魔術師ギルドに移ってから 忙しいんでしょ? 51 00:05:39,005 --> 00:05:42,008 えぇ。 あなたは相変わらず➡ 52 00:05:42,008 --> 00:05:44,344 こんな原始的な 野宿をしているのね。 53 00:05:44,344 --> 00:05:48,682 私から見たら カズヒホこそエルフのように見えるわ。 54 00:05:48,682 --> 00:05:52,185 えっ そうかなぁ ハハ… アハハ…。 55 00:05:52,185 --> 00:05:57,357 《ちなみに 「カズヒホ」というのは この世界での僕の名前》 56 00:05:57,357 --> 00:06:01,461 《カ… ズ… ヒ… ホ?》 57 00:06:01,461 --> 00:06:04,764 《昔 登録ミスした自分を 恨むしかない》 58 00:06:06,800 --> 00:06:10,971 あぁ そうだ。 よかったら 近くの遺跡に遊びにいく? 59 00:06:10,971 --> 00:06:13,139 まぁ なぁにそれ。 60 00:06:13,139 --> 00:06:17,310 遺跡に招待されたら 人間の女性は喜ぶものかしら? 61 00:06:17,310 --> 00:06:21,648 人によりけりかな。 でも もし来てくれたら➡ 62 00:06:21,648 --> 00:06:24,351 また お弁当を ごちそうするけど。 63 00:06:27,320 --> 00:06:29,990 う う~ん…。 64 00:06:29,990 --> 00:06:33,660 そ そうまで言うなら 行こうかしら? 65 00:06:33,660 --> 00:06:38,331 この近くといったら ナズルナズル遺跡ね? うん。 66 00:06:38,331 --> 00:06:44,004 《「ナズルナズル遺跡」。 千年前に突如滅びた地下都市。 67 00:06:44,004 --> 00:06:50,010 でも遺跡自体に争いの跡はなく ほとんど崩れずに残されている。 68 00:06:50,010 --> 00:06:53,513 そのせいか 文明崩壊の原因は➡ 69 00:06:53,513 --> 00:06:56,516 未知の病原菌というのが 通説だけど…。 70 00:06:56,516 --> 00:06:58,518 魔術の発達した都市で➡ 71 00:06:58,518 --> 00:07:01,788 そんな初歩的な失敗を するだろうか…》 72 00:07:01,788 --> 00:07:04,958 この地方の七不思議の 一つなんだってね。 73 00:07:04,958 --> 00:07:08,128 そんな謎を あなたが解けるとでも? 74 00:07:08,128 --> 00:07:10,463 謎は解けなくてもかまわないんだ。 75 00:07:10,463 --> 00:07:13,300 解きたいと思うだけでね。 それに➡ 76 00:07:13,300 --> 00:07:17,304 今日はマリーと一緒だから。 ウッ…。 77 00:07:17,304 --> 00:07:20,640 もう その眠そうな目は どうにかならないの? 78 00:07:20,640 --> 00:07:23,643 こえはね… 生まえとぅきだから。 79 00:07:25,812 --> 00:07:27,814 トゥイル! 80 00:07:35,488 --> 00:07:38,658 へぇ 中は結構広いのね。 81 00:07:38,658 --> 00:07:42,495 うん 元は都市だからね。 82 00:07:42,495 --> 00:07:47,834 すごい技術だね 千年も耐えてるなんて。 83 00:07:47,834 --> 00:07:52,505 地震の多い国で生まれると 強度を上げる魔法は羨ましいよ。 84 00:07:52,505 --> 00:07:55,675 地震の多い… 国? 85 00:07:55,675 --> 00:07:57,677 マリー。 あっ。 86 00:07:57,677 --> 00:08:01,448 休めそうな場所があるね。 あそこでお昼にしようか? 87 00:08:01,448 --> 00:08:03,950 アハーッ それがいいわね! 88 00:08:03,950 --> 00:08:06,753 ウフフー 今日は何かしら~。 89 00:08:10,790 --> 00:08:14,494 じゃ… じゃあ開けるわね。 どうぞ。 90 00:08:16,463 --> 00:08:18,465 はぁっ…! 91 00:08:20,467 --> 00:08:22,469 はっ…。 92 00:08:22,469 --> 00:08:25,305 匂い… すごくすてき! 93 00:08:25,305 --> 00:08:27,507 さっ 遠慮なく。 94 00:08:31,311 --> 00:08:33,313 ん~っ! 95 00:08:33,313 --> 00:08:37,317 甘~い! あぁ はい これお茶ね。 96 00:08:37,317 --> 00:08:40,987 ゆっくり飲ん…。 ぷあっ! 97 00:08:40,987 --> 00:08:43,323 これ なんていうものかしら? 98 00:08:43,323 --> 00:08:45,658 「おいなり」って言うんだよ。 99 00:08:45,658 --> 00:08:48,828 冷えても味が引き締まるから おいしいよね。 100 00:08:48,828 --> 00:08:50,830 そっちは筑前煮。 101 00:08:50,830 --> 00:08:53,833 春の野菜を使ってるから 栄養たっぷり。 102 00:08:56,336 --> 00:08:59,339 やっぱりカズヒホについてきて 正解だったわ。 103 00:08:59,339 --> 00:09:04,110 でもこんな料理 見たことないわ。 あなた どこの生まれ? 104 00:09:04,110 --> 00:09:06,946 あぁ 日本っていう…。 ニホン? 105 00:09:06,946 --> 00:09:09,783 たぶん地図には 載ってないだろうね。 106 00:09:09,783 --> 00:09:13,486 遠い島国だよ。 ふ~ん。 107 00:09:15,622 --> 00:09:18,124 まぁ いつでも ごちそうするからさ。 108 00:09:18,124 --> 00:09:21,127 暇なとき また一緒に遊びにこようよ。 109 00:09:21,127 --> 00:09:24,964 あら 言わなかったかしら? 私は忙しいのよ。 110 00:09:24,964 --> 00:09:27,467 魔術の勉強で。 111 00:09:27,467 --> 00:09:29,469 ただ そうね…。 112 00:09:29,469 --> 00:09:32,072 たまになら かまわないわ。 113 00:09:41,815 --> 00:09:45,518 ハッ! ちょっ…。 グエッ! 114 00:09:50,657 --> 00:09:53,326 魔物よ。 気付かれたら大変…。 115 00:09:53,326 --> 00:09:55,328 ちょっと待っててね。 えっ!? 116 00:09:59,833 --> 00:10:02,001 (リザードマン)グアーッ! 117 00:10:02,001 --> 00:10:04,003 (2人)イェーイ! 118 00:10:06,005 --> 00:10:08,007 これはカズヒホさん。 119 00:10:08,007 --> 00:10:11,511 今日はエルフさんとお散歩ですか? 憎いっすね~。 120 00:10:11,511 --> 00:10:15,181 いやぁ あの子は お弁当が 目当てなんじゃないかなぁ。 121 00:10:15,181 --> 00:10:17,183 (魔物の言葉) 122 00:10:17,183 --> 00:10:21,688 《ちなみにこれは 魔物の言葉。 マリーには わからない。 123 00:10:21,688 --> 00:10:25,191 マリーと話すときは エルフ語で話しているんだ》 124 00:10:25,191 --> 00:10:31,030 呆れたわ 魔物の言葉も覚えたの? うん 体当たりで…。 125 00:10:31,030 --> 00:10:34,534 何度も襲われたし 3年くらいかかったかな。 126 00:10:34,534 --> 00:10:36,536 それで 魔物はなんて? 127 00:10:36,536 --> 00:10:39,706 奥を寝床にしている竜が 産卵期に入ったから➡ 128 00:10:39,706 --> 00:10:42,041 注意しろって。 えぇ!? 129 00:10:42,041 --> 00:10:46,045 う~ん でも竜の卵か~ 見てみたいな~。 130 00:10:46,045 --> 00:10:50,216 何言ってるの! 産卵期の竜は どう猛で危険なのよ!? 131 00:10:50,216 --> 00:10:54,554 そんなのに近づくなんて… ちょっと! 聞いてる? 132 00:10:54,554 --> 00:11:06,499 (竜の息遣い) 133 00:11:06,499 --> 00:11:10,169 んっ? 何かいる? シッ 静かに。 134 00:11:10,169 --> 00:11:12,572 今 「暗視」をかけてあげる。 135 00:11:16,342 --> 00:11:18,344 あっ。 136 00:11:18,344 --> 00:11:25,018 (竜の息遣い) 137 00:11:25,018 --> 00:11:29,188 大きいねぇ この音 竜の寝息だったんだ。 138 00:11:29,188 --> 00:11:34,360 色が黒いし 魔力も濃い… 魔導竜かもしれないわ。 139 00:11:34,360 --> 00:11:37,530 見てちょうだい! 模様が光ってる! 140 00:11:37,530 --> 00:11:40,199 呼吸をするだけで 魔力を生むというのは➡ 141 00:11:40,199 --> 00:11:42,202 本当だったのよ! 142 00:11:42,202 --> 00:11:44,203 ウッ。 聞いてるのカズヒホ! 143 00:11:44,203 --> 00:11:48,875 う うん もちろん。 もしも魔導竜なら大変なことよ。 144 00:11:48,875 --> 00:11:50,877 千年に一度の産卵期にしか➡ 145 00:11:50,877 --> 00:11:54,213 姿を見ることもできないの…。 (唸り声) 146 00:11:54,213 --> 00:11:57,884 いけない 起こしちゃったかしら。 大丈夫だよ。 147 00:11:57,884 --> 00:12:00,587 万一のときは来た道を戻れば…。 148 00:12:08,661 --> 00:12:10,663 (2人)ウッ! 149 00:12:12,665 --> 00:12:16,002 (唸り声) 150 00:12:16,002 --> 00:12:20,506 絶体絶命かしら…。 そうかも…。 151 00:12:27,013 --> 00:12:29,015 マリー! 152 00:12:31,017 --> 00:12:33,686 《あぁ~ こりゃ今日も死ぬな…。 153 00:12:33,686 --> 00:12:36,689 せめて卵を拝みたかったな…》 154 00:12:39,192 --> 00:12:44,197 《これが 普通のサラリーマンの僕に 一つだけある不思議なこと。 155 00:12:44,197 --> 00:12:48,368 夢の中で遊べて お弁当も食べられる》 156 00:12:48,368 --> 00:12:51,204 でも もう少し 長くいたかったなぁ。 157 00:12:51,204 --> 00:12:55,108 せっかく マリーと 遊ぶ夢だったのに… んっ? 158 00:12:57,043 --> 00:12:59,045 んっ!? 159 00:13:01,481 --> 00:13:04,984 うっ! な なな なんで! 160 00:13:07,654 --> 00:13:10,823 《その日 僕の人生にとって➡ 161 00:13:10,823 --> 00:13:14,627 最も不思議なことが 更新された》 162 00:13:25,004 --> 00:13:27,006 んっ…。 あわわ…! 163 00:13:27,006 --> 00:13:29,342 ウッ。 164 00:13:29,342 --> 00:13:32,845 んっ? カズヒホ? 165 00:13:32,845 --> 00:13:36,182 や やぁ おはよう マリー。 166 00:13:36,182 --> 00:13:40,186 えっ? なんだか 年を取ったみたいに見えるけど➡ 167 00:13:40,186 --> 00:13:45,858 お父さんとかじゃなくて 本人? うん… 本人だよ。 168 00:13:45,858 --> 00:13:48,528 それはあとで説明するけど➡ 169 00:13:48,528 --> 00:13:51,364 その前に どっか痛かったりしない? 170 00:13:51,364 --> 00:13:55,368 ほら さっき 竜のブレスを受けたから。 171 00:13:55,368 --> 00:13:58,204 んっ…? 172 00:13:58,204 --> 00:14:01,474 はぁぁ~!? 173 00:14:01,474 --> 00:14:03,476 あっ あなたね~! 174 00:14:03,476 --> 00:14:07,480 ごめ~ん! 誓って言うけど 指の一本も触れてないから! 175 00:14:07,480 --> 00:14:10,316 おかげさまでケガはないけど…。 176 00:14:10,316 --> 00:14:13,152 ちゃんと いろいろ説明してくれるかしら? 177 00:14:13,152 --> 00:14:15,154 それはもちろん! 178 00:14:15,154 --> 00:14:20,360 だから こっちを見ないで! まずは私の服を持ってきなさい! 179 00:14:25,665 --> 00:14:29,669 《ということで 仕事を休んで 買い物に来たわけだが…。 180 00:14:29,669 --> 00:14:32,672 なんで裸なんだ? 181 00:14:32,672 --> 00:14:36,676 というかなぜ 夢の中の彼女がここに…。 182 00:14:36,676 --> 00:14:41,581 いや そもそも僕が 夢と思っていた あの世界は…》 183 00:14:43,516 --> 00:14:46,018 見てるわね~。 ホント。 えっ。 184 00:14:46,018 --> 00:14:48,354 一生懸命見てる。 あんなにたくさん。 185 00:14:48,354 --> 00:14:50,356 お願いします。 186 00:14:50,356 --> 00:14:52,358 ありがとうございました~。 187 00:14:52,358 --> 00:14:54,560 《次来るときは マリーと買いにこよう》 188 00:14:56,529 --> 00:14:58,631 ただいま~ あっ。 189 00:15:07,640 --> 00:15:11,644 カズヒホ… ここはいったい どこなのかしら。 190 00:15:11,644 --> 00:15:14,147 あっ… それは…。 191 00:15:14,147 --> 00:15:16,482 《そりゃあ ショックだよな。 192 00:15:16,482 --> 00:15:19,318 突然一人ぼっちで 見知らぬ世界に来たんだ…》 193 00:15:19,318 --> 00:15:21,320 こんなに高い建物に 住んでるなんて➡ 194 00:15:21,320 --> 00:15:23,489 カズヒホはお金持ちなんでしょう!? 195 00:15:23,489 --> 00:15:26,826 《あっ 違った》 すごいすごい! 196 00:15:26,826 --> 00:15:30,830 こんなに発展した都市なんて 初めて見るわ! ひゃっ! 197 00:15:30,830 --> 00:15:34,834 はぁぁ~ 下を見ると膝がガクガクするぅ~。 198 00:15:34,834 --> 00:15:38,004 《初めて遊園地に来たような ハイテンションだ》 199 00:15:38,004 --> 00:15:40,840 ねぇ あの塔は何? 200 00:15:40,840 --> 00:15:44,343 やっぱり高名な大魔導士でも 住んでいるのかしら。 201 00:15:44,343 --> 00:15:48,848 あぁ あれはスカイツリーだね。 きっといい眺めだよ。 202 00:15:48,848 --> 00:15:52,351 ちょうど桜の季節だから。 サクラ? 203 00:15:52,351 --> 00:15:55,855 桜というのは…。 204 00:15:55,855 --> 00:15:57,857 んっ? 205 00:15:57,857 --> 00:15:59,859 見にいこっか。 わぁ! 206 00:15:59,859 --> 00:16:01,794 休みを取ったし➡ 207 00:16:01,794 --> 00:16:04,463 今日は僕が住んでいるところを 案内するよ。 208 00:16:04,463 --> 00:16:08,134 お腹も空いたよね どこかで食事もしよう。 209 00:16:08,134 --> 00:16:10,136 いいのかしら!? 210 00:16:10,136 --> 00:16:12,138 わわっ 楽しみだわ! 211 00:16:12,138 --> 00:16:15,141 よろしくね カズヒホー! わわっ… マリー! 212 00:16:15,141 --> 00:16:17,810 ウゥ…。 あっ!? 213 00:16:17,810 --> 00:16:19,812 ふんっ! 214 00:16:25,818 --> 00:16:29,489 《向こうの世界が もう一つの現実だったとして。 215 00:16:29,489 --> 00:16:32,992 あのとき 僕らは確かに 竜のブレスに…》 216 00:16:34,994 --> 00:16:37,997 僕が連れてきてしまったのか…。 217 00:16:37,997 --> 00:16:40,166 あっ。 (ドアの開く音) 218 00:16:40,166 --> 00:16:43,169 お待たせ カズヒホ! 219 00:16:43,169 --> 00:16:45,171 おぉ…! 220 00:16:45,171 --> 00:16:48,508 これ すっごく軽い! 伸びる~! 221 00:16:48,508 --> 00:16:52,178 自由に動ける~! 喜んでくれて何よりだよ。 222 00:16:52,178 --> 00:16:56,182 正直 どれを選んでいいか 全然わからなくて。 223 00:16:56,182 --> 00:16:58,184 でも こうしてみると➡ 224 00:16:58,184 --> 00:17:01,120 マリーなら何着ても かわいくなってたろうね。 225 00:17:01,120 --> 00:17:04,290 あら もっと言ってもいいのよ。 226 00:17:04,290 --> 00:17:09,295 フフッ すごく似合ってるよ。 あっ その眠そうな目…。 227 00:17:09,295 --> 00:17:14,300 やっぱりあなたはカズヒホなのね。 安心したわ。 アハハ…。 228 00:17:14,300 --> 00:17:18,137 ということは ここが あなたの言っていたニホン? 229 00:17:18,137 --> 00:17:21,641 そうなんだ。 案内しながら説明するよ。 230 00:17:21,641 --> 00:17:24,477 まぁ! と その前に…。 231 00:17:24,477 --> 00:17:27,146 はい。 これは? 232 00:17:27,146 --> 00:17:30,816 よかったら この帽子で 耳を隠してくれないかな? 233 00:17:30,816 --> 00:17:33,152 えっ… いいけど…。 234 00:17:33,152 --> 00:17:36,489 実は この世界には エルフがいなくてね。 235 00:17:36,489 --> 00:17:41,794 ふ~ん そうなの? まぁいいわ。 すてきな帽子ね。 236 00:17:43,829 --> 00:17:46,999 それじゃあ いよいよ 知らない世界へ出るけど…。 237 00:17:46,999 --> 00:17:50,503 大丈夫? 怖くない? もちろん! 238 00:17:50,503 --> 00:17:54,173 私 今 とってもワクワクしているもの! 239 00:17:54,173 --> 00:17:56,175 い… いい…。 240 00:17:56,175 --> 00:18:00,613 なんか… いい所そうじゃない? 暮らしやすそうで…。 241 00:18:00,613 --> 00:18:04,784 そ… そうだね… 魔物とかいないし…。 242 00:18:04,784 --> 00:18:07,453 《車はまだ早かったかな》 243 00:18:07,453 --> 00:18:09,455 ヒィーッ! (自転車のベル) 244 00:18:12,792 --> 00:18:16,295 わぁ~。 245 00:18:16,295 --> 00:18:20,132 ん~っ… ええと これを2つ。 246 00:18:20,132 --> 00:18:23,135 あと このオススメを一品 お願いします。 247 00:18:23,135 --> 00:18:26,138 あぁそうだ フォークも1つください。 248 00:18:26,138 --> 00:18:30,343 はい かしこまりました。 どうぞごゆっくり。 249 00:18:32,311 --> 00:18:34,647 あの人 今なんて? 250 00:18:34,647 --> 00:18:37,984 ごゆっくりお過ごしくださいって。 そう…。 251 00:18:37,984 --> 00:18:41,654 で そろそろお願いしても いいかしら? んっ? 252 00:18:41,654 --> 00:18:46,659 説明して。 私がなぜ ニホンにいるのか。 うん。 253 00:18:46,659 --> 00:18:50,663 魔導竜に攻撃されたあたりから 記憶がないわ。 254 00:18:50,663 --> 00:18:55,001 気付いたら言葉も文字も 何一つ わからない国にいて。 255 00:18:55,001 --> 00:18:58,671 おまけに あなたが ずいぶんと大人になっていたり。 256 00:18:58,671 --> 00:19:00,606 もう何がなんだか…。 257 00:19:00,606 --> 00:19:04,110 正直 僕にも わからないことが多い。 258 00:19:04,110 --> 00:19:07,446 だから推測まじりでの 説明になるけど…。 259 00:19:07,446 --> 00:19:09,949 いいかな? んっ。 260 00:19:09,949 --> 00:19:13,119 夜 夢を見るときがあるよね。 261 00:19:13,119 --> 00:19:17,123 そこで 一度も見たことのない 場所を訪れたりしたことは? 262 00:19:17,123 --> 00:19:20,292 あるけど… それがいったいどうしたの? 263 00:19:20,292 --> 00:19:23,129 僕にとって マリーと遊んでいたのは➡ 264 00:19:23,129 --> 00:19:26,632 まさしくそんな 夢の世界での出来事だったんだ。 265 00:19:26,632 --> 00:19:28,634 あっ…。 266 00:19:28,634 --> 00:19:31,804 今朝 目覚めたとき なぜか君もいて…。 267 00:19:31,804 --> 00:19:34,974 そこで初めて 夢だと思っていた世界が➡ 268 00:19:34,974 --> 00:19:37,476 実は現実だったと気付いたんだ。 269 00:19:37,476 --> 00:19:42,648 あなたは眠ることで 2つの世界を 行き来していた… ということ? 270 00:19:42,648 --> 00:19:44,650 どうやら そうみたいなんだ。 271 00:19:44,650 --> 00:19:47,319 ただ向こうから 戻ってくるときは➡ 272 00:19:47,319 --> 00:19:50,990 眠る以外に 魔物に襲われたりしたときでも…。 273 00:19:50,990 --> 00:19:53,492 あっ! 魔導竜のブレス…。 274 00:19:53,492 --> 00:19:56,829 あのとき とっさに 抱き合ったせいで 君も一緒に➡ 275 00:19:56,829 --> 00:19:59,498 こちらの世界へ連れてきて しまったんじゃないかな。 276 00:19:59,498 --> 00:20:03,002 ちょ ちょっと待って! それってつまり…。 277 00:20:03,002 --> 00:20:05,504 私… 死んだってこと? 278 00:20:05,504 --> 00:20:07,506 あ… あぁ いや➡ 279 00:20:07,506 --> 00:20:10,009 見たまんまだけど マリーは生きてるよ。 280 00:20:10,009 --> 00:20:14,513 たぶん こちらで眠ったら 元の世界へ帰れると思う。 そう…。 281 00:20:14,513 --> 00:20:17,516 あぁ それと 僕の年齢のことだけど。 282 00:20:17,516 --> 00:20:19,518 おそらく2つの世界は➡ 283 00:20:19,518 --> 00:20:22,021 時間の流れが 異なるんじゃないかな。 284 00:20:22,021 --> 00:20:24,190 あるいは 僕が向こうにいるときは➡ 285 00:20:24,190 --> 00:20:28,527 その時間だけ成長しているとか…。 う~ん…。 286 00:20:28,527 --> 00:20:31,864 それでカズヒホは 今いくつなのかしら? 287 00:20:31,864 --> 00:20:35,701 25だよ。 に 25!? そんなに? 288 00:20:35,701 --> 00:20:39,038 でも確かにそうね…。 289 00:20:39,038 --> 00:20:41,707 なんか頼りになるとこ あるなぁって。 290 00:20:41,707 --> 00:20:44,110 お待たせしました! あっ。 291 00:20:46,045 --> 00:20:48,047 わぁぁ! 292 00:20:48,047 --> 00:20:52,885 続きは 食事のあとにしようか。 ふんふんふん…! 293 00:20:52,885 --> 00:21:25,684 ♬~ 294 00:21:25,684 --> 00:21:30,689 わぁ… すごいわ 桜がこんなにいっぱい! 295 00:21:30,689 --> 00:21:35,394 見たことのない精霊がたくさんで 酔ってしまいそう! 296 00:21:37,363 --> 00:21:40,699 きれいね…。 うん。 本当に…。 297 00:21:40,699 --> 00:21:44,537 日本にとって 桜の時期は特別なんだ。 298 00:21:44,537 --> 00:21:49,542 せっかくだし いちばんの季節を たっぷり満喫してほしいかな。 299 00:21:49,542 --> 00:21:52,845 日本へようこそ エルフさん。 300 00:21:57,049 --> 00:22:01,053 あっ… んっ…。 301 00:22:04,990 --> 00:22:07,826 《こうして 僕らは一緒に➡ 302 00:22:07,826 --> 00:22:12,031 新しい物語の中へと 足を踏み入れた》