1 00:00:14,014 --> 00:00:24,691 /~ 2 00:00:24,691 --> 00:00:26,693 《一廣:人というのは> 3 00:00:26,693 --> 00:00:29,363 不思議な面を 一つくらいは持っている。 4 00:00:29,363 --> 00:00:32,032 霊感の強い人。 5 00:00:32,032 --> 00:00:34,868 生きた絵をスラスラと描ける人。 6 00:00:34,868 --> 00:00:39,706 きれいなのに音痴だったり 痩せていても大食いだったり。 7 00:00:39,706 --> 00:00:45,879 はたまた 顔は整っていないのに 異性からモテたり… などなど。 8 00:00:45,879 --> 00:00:50,684 そんな不思議なことが 僕にも一つだけ…》 9 00:02:45,532 --> 00:02:49,536 んっ? あぁ北瀬くん 今日 部署飲みあるんだけど> 10 00:02:49,536 --> 00:02:52,873 君も来る? あぁ… いや すみません。 11 00:02:52,873 --> 00:02:55,042 僕は遠慮しておきます。 12 00:02:55,042 --> 00:02:57,210 まっ だよね。 13 00:02:57,210 --> 00:03:00,881 俺 北瀬が定時で上がらなかったの 見たことないよ。 14 00:03:00,881 --> 00:03:02,883 お疲れさまでした~。 15 00:03:06,553 --> 00:03:08,555 (解錠音) 16 00:03:11,224 --> 00:03:14,161 《僕の名前は 北瀬一廣。 17 00:03:14,161 --> 00:03:19,366 出世よりも定時帰宅を大切にする ごく普通のサラリーマンだ》 18 00:03:25,338 --> 00:03:29,843 《趣味は料理… ではないかな。 嫌いじゃないけど。 19 00:03:29,843 --> 00:03:33,680 僕の趣味 というか生きがいは> 20 00:03:33,680 --> 00:03:36,349 そう 眠ること。 21 00:03:36,349 --> 00:03:39,352 えっ? なんで お弁当を用意するのかって? 22 00:03:39,352 --> 00:03:42,189 それはね… いや> 23 00:03:42,189 --> 00:03:47,194 こればっかりは説明するより 実際に始めたほうが早いかな》 24 00:03:47,194 --> 00:03:51,865 (寝息) 25 00:03:51,865 --> 00:03:56,369 《子どものころから 幻想的な世界に憧れていた》 26 00:04:00,040 --> 00:04:05,212 《剣や盾 魔法で 魔物と戦い 勝利を得る。 27 00:04:05,212 --> 00:04:11,051 そんな物語を 何度も何度も すり切れるまで読み続けた。 28 00:04:11,051 --> 00:04:14,654 そしていつしか 夢を見るようになった…》 29 00:04:19,159 --> 00:04:22,662 (ナズルのさえずり) 30 00:04:22,662 --> 00:04:24,664 あっ。 31 00:04:26,666 --> 00:04:28,668 《夢の中の僕は> 32 00:04:28,668 --> 00:04:31,371 そんな剣と魔法の 世界にいるんだ》 33 00:04:35,342 --> 00:04:40,046 こっちは朝7時か… 昨日はここで眠ったんだっけ。 34 00:04:43,183 --> 00:04:46,019 《もう大人になってしまった 僕だけど> 35 00:04:46,019 --> 00:04:50,323 夢の中ではいまだに 自由に冒険を楽しんでいる》 36 00:04:54,194 --> 00:04:57,030 《魔物を退治してみたり…》 んっ? 37 00:04:57,030 --> 00:05:01,535 《逆にやられて 夜中に飛び起きたり とかね》 38 00:05:01,535 --> 00:05:05,205 ハァ ハァ ハァ…。 39 00:05:05,205 --> 00:05:07,541 ハアッ… ハァ ハァ…。 40 00:05:07,541 --> 00:05:10,210 《他にも怖い思いは しょっちゅうするけど…》 41 00:05:10,210 --> 00:05:12,145 うわぁ! 42 00:05:12,145 --> 00:05:16,049 《こういう景色が眺められるのは 悪くないんだよね》 43 00:05:22,322 --> 00:05:26,493 ふぅ… ん~ まだ子どもだな。 44 00:05:26,493 --> 00:05:29,329 こっちでは年を取るのが遅い。 45 00:05:29,329 --> 00:05:34,501 (マリー)あら おはようカズヒホ。 んっ? あっ おはようマリー。 46 00:05:34,501 --> 00:05:37,671 《彼女はマリアーベル。 通称マリー。 47 00:05:37,671 --> 00:05:42,008 エルフという種族で こう見えても 100年を生きているらしい。 48 00:05:42,008 --> 00:05:46,513 瞳は宝石のアメシストみたいな色だ》 フフッ。 49 00:05:46,513 --> 00:05:48,515 久しぶりだね。 50 00:05:48,515 --> 00:05:51,017 魔術師ギルドに移ってから 忙しいんでしょ? 51 00:05:51,017 --> 00:05:54,020 えぇ。 あなたは相変わらず> 52 00:05:54,020 --> 00:05:56,356 こんな原始的な 野宿をしているのね。 53 00:05:56,356 --> 00:06:00,694 私から見たら カズヒホこそエルフのように見えるわ。 54 00:06:00,694 --> 00:06:04,197 えっ そうかなぁ ハハ… アハハ…。 55 00:06:04,197 --> 00:06:09,369 《ちなみに 「カズヒホ」というのは この世界での僕の名前》 56 00:06:09,369 --> 00:06:13,473 ((カ… ズ… ヒ… ホ?)) 57 00:06:13,473 --> 00:06:16,776 《昔 登録ミスした自分を 恨むしかない》 58 00:06:18,812 --> 00:06:22,983 あぁ そうだ。 よかったら 近くの遺跡に遊びにいく? 59 00:06:22,983 --> 00:06:25,151 まぁ なぁにそれ。 60 00:06:25,151 --> 00:06:29,322 遺跡に招待されたら 人間の女性は喜ぶものかしら? 61 00:06:29,322 --> 00:06:33,660 人によりけりかな。 でも もし来てくれたら> 62 00:06:33,660 --> 00:06:36,363 また お弁当を ごちそうするけど。 63 00:06:39,332 --> 00:06:42,002 う う~ん…。 64 00:06:42,002 --> 00:06:45,672 そ そうまで言うなら 行こうかしら? 65 00:06:45,672 --> 00:06:50,343 この近くといったら ナズルナズル遺跡ね? うん。 66 00:06:50,343 --> 00:06:56,016 《「ナズルナズル遺跡」。 千年前に突如滅びた地下都市。 67 00:06:56,016 --> 00:07:02,022 でも遺跡自体に争いの跡はなく ほとんど崩れずに残されている。 68 00:07:02,022 --> 00:07:05,525 そのせいか 文明崩壊の原因は> 69 00:07:05,525 --> 00:07:08,528 未知の病原菌というのが 通説だけど…。 70 00:07:08,528 --> 00:07:10,530 魔術の発達した都市で> 71 00:07:10,530 --> 00:07:13,800 そんな初歩的な失敗を するだろうか…》 72 00:07:13,800 --> 00:07:16,970 この地方の七不思議の 一つなんだってね。 73 00:07:16,970 --> 00:07:20,140 そんな謎を あなたが解けるとでも? 74 00:07:20,140 --> 00:07:22,475 謎は解けなくてもかまわないんだ。 75 00:07:22,475 --> 00:07:25,312 解きたいと思うだけでね。 それに> 76 00:07:25,312 --> 00:07:29,316 今日はマリーと一緒だから。 ウッ…。 77 00:07:29,316 --> 00:07:32,652 もう その眠そうな目は どうにかならないの? 78 00:07:32,652 --> 00:07:35,655 こえはね… 生まえとぅきだから。 79 00:07:37,824 --> 00:07:39,826 トゥイル! 80 00:07:47,500 --> 00:07:50,670 へぇ 中は結構広いのね。 81 00:07:50,670 --> 00:07:54,507 うん 元は都市だからね。 82 00:07:54,507 --> 00:07:59,846 すごい技術だね 千年も耐えてるなんて。 83 00:07:59,846 --> 00:08:04,517 地震の多い国で生まれると 強度を上げる魔法は羨ましいよ。 84 00:08:04,517 --> 00:08:07,687 地震の多い… 国? 85 00:08:07,687 --> 00:08:09,689 マリー。 あっ。 86 00:08:09,689 --> 00:08:13,460 休めそうな場所があるね。 あそこでお昼にしようか? 87 00:08:13,460 --> 00:08:15,962 アハーッ それがいいわね! 88 00:08:15,962 --> 00:08:18,765 ウフフー 今日は何かしら~。 89 00:08:22,802 --> 00:08:26,506 じゃ… じゃあ開けるわね。 どうぞ。 90 00:08:28,475 --> 00:08:30,477 はぁっ…! 91 00:08:32,479 --> 00:08:34,481 はっ…。 92 00:08:34,481 --> 00:08:37,317 匂い… すごくすてき! 93 00:08:37,317 --> 00:08:39,519 さっ 遠慮なく。 94 00:08:43,323 --> 00:08:45,325 ん~っ! 95 00:08:45,325 --> 00:08:49,329 甘~い! あぁ はい これお茶ね。 96 00:08:49,329 --> 00:08:52,999 ゆっくり飲ん…。 ぷあっ! 97 00:08:52,999 --> 00:08:55,335 これ なんていうものかしら? 98 00:08:55,335 --> 00:08:57,670 「おいなり」って言うんだよ。 99 00:08:57,670 --> 00:09:00,840 冷えても味が引き締まるから おいしいよね。 100 00:09:00,840 --> 00:09:02,842 そっちは筑前煮。 101 00:09:02,842 --> 00:09:05,845 春の野菜を使ってるから 栄養たっぷり。 102 00:09:08,348 --> 00:09:11,351 やっぱりカズヒホについてきて 正解だったわ。 103 00:09:11,351 --> 00:09:16,122 でもこんな料理 見たことないわ。 あなた どこの生まれ? 104 00:09:16,122 --> 00:09:18,958 あぁ 日本っていう…。 ニホン? 105 00:09:18,958 --> 00:09:21,795 たぶん地図には 載ってないだろうね。 106 00:09:21,795 --> 00:09:25,498 遠い島国だよ。 ふ~ん。 107 00:09:27,634 --> 00:09:30,136 まぁ いつでも ごちそうするからさ。 108 00:09:30,136 --> 00:09:33,139 暇なとき また一緒に遊びにこようよ。 109 00:09:33,139 --> 00:09:36,976 あら 言わなかったかしら? 私は忙しいのよ。 110 00:09:36,976 --> 00:09:39,479 魔術の勉強で。 111 00:09:39,479 --> 00:09:41,481 ただ そうね…。 112 00:09:41,481 --> 00:09:44,083 たまになら かまわないわ。 113 00:09:53,827 --> 00:09:57,530 ハッ! ちょっ…。 グエッ! 114 00:10:02,669 --> 00:10:05,338 魔物よ。 気付かれたら大変…。 115 00:10:05,338 --> 00:10:07,340 ちょっと待っててね。 えっ!? 116 00:10:11,845 --> 00:10:14,013 (リザードマン)グアーッ! 117 00:10:14,013 --> 00:10:16,015 (2人)イェーイ! 118 00:10:18,017 --> 00:10:20,019 これはカズヒホさん。 119 00:10:20,019 --> 00:10:23,523 今日はエルフさんとお散歩ですか? 憎いっすね~。 120 00:10:23,523 --> 00:10:27,193 いやぁ あの子は お弁当が 目当てなんじゃないかなぁ。 121 00:10:27,193 --> 00:10:29,195 (魔物の言葉) 122 00:10:29,195 --> 00:10:33,700 《ちなみにこれは 魔物の言葉。 マリーには わからない。 123 00:10:33,700 --> 00:10:37,203 マリーと話すときは エルフ語で話しているんだ》 124 00:10:37,203 --> 00:10:43,042 呆れたわ 魔物の言葉も覚えたの? うん 体当たりで…。 125 00:10:43,042 --> 00:10:46,546 何度も襲われたし 3年くらいかかったかな。 126 00:10:46,546 --> 00:10:48,548 それで 魔物はなんて? 127 00:10:48,548 --> 00:10:51,718 奥を寝床にしている竜が 産卵期に入ったから> 128 00:10:51,718 --> 00:10:54,053 注意しろって。 えぇ!? 129 00:10:54,053 --> 00:10:58,057 う~ん でも竜の卵か~ 見てみたいな~。 130 00:10:58,057 --> 00:11:02,228 何言ってるの! 産卵期の竜は どう猛で危険なのよ!? 131 00:11:02,228 --> 00:11:06,566 そんなのに近づくなんて… ちょっと! 聞いてる? 132 00:11:06,566 --> 00:11:18,511 (竜の息遣い) 133 00:11:18,511 --> 00:11:22,182 んっ? 何かいる? シッ 静かに。 134 00:11:22,182 --> 00:11:24,584 今 「暗視」をかけてあげる。 135 00:11:28,354 --> 00:11:30,356 あっ。 136 00:11:30,356 --> 00:11:37,030 (竜の息遣い) 137 00:11:37,030 --> 00:11:41,201 大きいねぇ この音 竜の寝息だったんだ。 138 00:11:41,201 --> 00:11:46,372 色が黒いし 魔力も濃い… 魔導竜かもしれないわ。 139 00:11:46,372 --> 00:11:49,542 見てちょうだい! 模様が光ってる! 140 00:11:49,542 --> 00:11:52,212 呼吸をするだけで 魔力を生むというのは> 141 00:11:52,212 --> 00:11:54,213 本当だったのよ! 142 00:11:54,213 --> 00:11:56,216 ウッ。 聞いてるのカズヒホ! 143 00:11:56,216 --> 00:12:00,887 う うん もちろん。 もしも魔導竜なら大変なことよ。 144 00:12:00,887 --> 00:12:02,889 千年に一度の産卵期にしか> 145 00:12:02,889 --> 00:12:06,226 姿を見ることもできないの…。 (唸り声) 146 00:12:06,226 --> 00:12:09,896 いけない 起こしちゃったかしら。 大丈夫だよ。 147 00:12:09,896 --> 00:12:12,599 万一のときは来た道を戻れば…。 148 00:12:20,673 --> 00:12:22,675 (2人)ウッ! 149 00:12:24,677 --> 00:12:28,014 (唸り声) 150 00:12:28,014 --> 00:12:32,518 絶体絶命かしら…。 そうかも…。 151 00:12:39,025 --> 00:12:41,027 マリー! 152 00:12:43,029 --> 00:12:45,698 《あぁ~ こりゃ今日も死ぬな…。 153 00:12:45,698 --> 00:12:48,701 せめて卵を拝みたかったな…》 154 00:12:51,204 --> 00:12:56,209 《これが 普通のサラリーマンの僕に 一つだけある不思議なこと。 155 00:12:56,209 --> 00:13:00,380 夢の中で遊べて お弁当も食べられる》 156 00:13:00,380 --> 00:13:03,216 でも もう少し 長くいたかったなぁ。 157 00:13:03,216 --> 00:13:07,120 せっかく マリーと 遊ぶ夢だったのに… んっ? 158 00:13:09,055 --> 00:13:11,057 んっ!? 159 00:13:13,493 --> 00:13:16,996 うっ! な なな なんで! 160 00:13:19,666 --> 00:13:22,835 《その日 僕の人生にとって> 161 00:13:22,835 --> 00:13:26,639 最も不思議なことが 更新された》 162 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 んっ…。 あわわ…! 163 00:13:39,018 --> 00:13:41,354 ウッ。 164 00:13:41,354 --> 00:13:44,857 んっ? カズヒホ? 165 00:13:44,857 --> 00:13:48,194 や やぁ おはよう マリー。 166 00:13:48,194 --> 00:13:52,198 えっ? なんだか 年を取ったみたいに見えるけど> 167 00:13:52,198 --> 00:13:57,870 お父さんとかじゃなくて 本人? うん… 本人だよ。 168 00:13:57,870 --> 00:14:00,540 それはあとで説明するけど> 169 00:14:00,540 --> 00:14:03,376 その前に どっか痛かったりしない? 170 00:14:03,376 --> 00:14:07,380 ほら さっき 竜のブレスを受けたから。 171 00:14:07,380 --> 00:14:10,216 んっ…? 172 00:14:10,216 --> 00:14:13,486 はぁぁ~!? 173 00:14:13,486 --> 00:14:15,488 あっ あなたね~! 174 00:14:15,488 --> 00:14:19,492 ごめ~ん! 誓って言うけど 指の一本も触れてないから! 175 00:14:19,492 --> 00:14:22,328 おかげさまでケガはないけど…。 176 00:14:22,328 --> 00:14:25,164 ちゃんと いろいろ説明してくれるかしら? 177 00:14:25,164 --> 00:14:27,166 それはもちろん! 178 00:14:27,166 --> 00:14:32,371 だから こっちを見ないで! まずは私の服を持ってきなさい! 179 00:14:37,677 --> 00:14:41,681 《ということで 仕事を休んで 買い物に来たわけだが…。 180 00:14:41,681 --> 00:14:44,684 なんで裸なんだ? 181 00:14:44,684 --> 00:14:48,688 というかなぜ 夢の中の彼女がここに…。 182 00:14:48,688 --> 00:14:53,593 いや そもそも僕が 夢と思っていた あの世界は…》 183 00:14:55,528 --> 00:14:58,030 見てるわね~。 ホント。 えっ。 184 00:14:58,030 --> 00:15:00,366 一生懸命見てる。 あんなにたくさん。 185 00:15:00,366 --> 00:15:02,368 お願いします。 186 00:15:02,368 --> 00:15:04,370 ありがとうございました~。 187 00:15:04,370 --> 00:15:06,572 《次来るときは マリーと買いにこよう》 188 00:15:08,541 --> 00:15:10,643 ただいま~ あっ。 189 00:15:19,652 --> 00:15:23,656 カズヒホ… ここはいったい どこなのかしら。 190 00:15:23,656 --> 00:15:26,159 あっ… それは…。 191 00:15:26,159 --> 00:15:28,494 《そりゃあ ショックだよな。 192 00:15:28,494 --> 00:15:31,330 突然一人ぼっちで 見知らぬ世界に来たんだ…》 193 00:15:31,330 --> 00:15:33,332 こんなに高い建物に 住んでるなんて> 194 00:15:33,332 --> 00:15:35,501 カズヒホはお金持ちなんでしょう!? 195 00:15:35,501 --> 00:15:38,838 《あっ 違った》 すごいすごい! 196 00:15:38,838 --> 00:15:42,842 こんなに発展した都市なんて 初めて見るわ! ひゃっ! 197 00:15:42,842 --> 00:15:46,846 はぁぁ~ 下を見ると膝がガクガクするぅ~。 198 00:15:46,846 --> 00:15:50,016 《初めて遊園地に来たような ハイテンションだ》 199 00:15:50,016 --> 00:15:52,852 ねぇ あの塔は何? 200 00:15:52,852 --> 00:15:56,355 やっぱり高名な大魔導士でも 住んでいるのかしら。 201 00:15:56,355 --> 00:16:00,860 あぁ あれはスカイツリーだね。 きっといい眺めだよ。 202 00:16:00,860 --> 00:16:04,363 ちょうど桜の季節だから。 サクラ? 203 00:16:04,363 --> 00:16:07,867 桜というのは…。 204 00:16:07,867 --> 00:16:09,869 んっ? 205 00:16:09,869 --> 00:16:11,871 見にいこっか。 わぁ! 206 00:16:11,871 --> 00:16:13,806 休みを取ったし> 207 00:16:13,806 --> 00:16:16,476 今日は僕が住んでいるところを 案内するよ。 208 00:16:16,476 --> 00:16:20,146 お腹も空いたよね どこかで食事もしよう。 209 00:16:20,146 --> 00:16:22,148 いいのかしら!? 210 00:16:22,148 --> 00:16:24,150 わわっ 楽しみだわ! 211 00:16:24,150 --> 00:16:27,153 よろしくね カズヒホー! わわっ… マリー! 212 00:16:27,153 --> 00:16:29,822 ウゥ…。 あっ!? 213 00:16:29,822 --> 00:16:31,824 ふんっ! 214 00:16:37,830 --> 00:16:41,500 《向こうの世界が もう一つの現実だったとして。 215 00:16:41,500 --> 00:16:45,004 あのとき 僕らは確かに 竜のブレスに…》 216 00:16:47,006 --> 00:16:50,009 僕が連れてきてしまったのか…。 217 00:16:50,009 --> 00:16:52,178 あっ。 (ドアの開く音) 218 00:16:52,178 --> 00:16:55,181 お待たせ カズヒホ! 219 00:16:55,181 --> 00:16:57,183 おぉ…! 220 00:16:57,183 --> 00:17:00,519 これ すっごく軽い! 伸びる~! 221 00:17:00,519 --> 00:17:04,190 自由に動ける~! 喜んでくれて何よりだよ。 222 00:17:04,190 --> 00:17:08,194 正直 どれを選んでいいか 全然わからなくて。 223 00:17:08,194 --> 00:17:10,196 でも こうしてみると> 224 00:17:10,196 --> 00:17:13,132 マリーなら何着ても かわいくなってたろうね。 225 00:17:13,132 --> 00:17:16,302 あら もっと言ってもいいのよ。 226 00:17:16,302 --> 00:17:21,307 フフッ すごく似合ってるよ。 あっ その眠そうな目…。 227 00:17:21,307 --> 00:17:26,312 やっぱりあなたはカズヒホなのね。 安心したわ。 アハハ…。 228 00:17:26,312 --> 00:17:30,149 ということは ここが あなたの言っていたニホン? 229 00:17:30,149 --> 00:17:33,653 そうなんだ。 案内しながら説明するよ。 230 00:17:33,653 --> 00:17:36,489 まぁ! と その前に…。 231 00:17:36,489 --> 00:17:39,158 はい。 これは? 232 00:17:39,158 --> 00:17:42,828 よかったら この帽子で 耳を隠してくれないかな? 233 00:17:42,828 --> 00:17:45,164 えっ… いいけど…。 234 00:17:45,164 --> 00:17:48,501 実は この世界には エルフがいなくてね。 235 00:17:48,501 --> 00:17:53,806 ふ~ん そうなの? まぁいいわ。 すてきな帽子ね。 236 00:17:55,841 --> 00:17:59,011 それじゃあ いよいよ 知らない世界へ出るけど…。 237 00:17:59,011 --> 00:18:02,515 大丈夫? 怖くない? もちろん! 238 00:18:02,515 --> 00:18:06,185 私 今 とってもワクワクしているもの! 239 00:18:06,185 --> 00:18:08,187 い… いい…。 240 00:18:08,187 --> 00:18:12,625 なんか… いい所そうじゃない? 暮らしやすそうで…。 241 00:18:12,625 --> 00:18:16,796 そ… そうだね… 魔物とかいないし…。 242 00:18:16,796 --> 00:18:19,465 《車はまだ早かったかな》 243 00:18:19,465 --> 00:18:21,467 ヒィーッ! (自転車のベル) 244 00:18:24,804 --> 00:18:28,307 わぁ~。 245 00:18:28,307 --> 00:18:32,144 ん~っ… ええと これを2つ。 246 00:18:32,144 --> 00:18:35,147 あと このオススメを一品 お願いします。 247 00:18:35,147 --> 00:18:38,150 あぁそうだ フォークも1つください。 248 00:18:38,150 --> 00:18:42,355 はい かしこまりました。 どうぞごゆっくり。 249 00:18:44,323 --> 00:18:46,659 あの人 今なんて? 250 00:18:46,659 --> 00:18:49,996 ごゆっくりお過ごしくださいって。 そう…。 251 00:18:49,996 --> 00:18:53,666 で そろそろお願いしても いいかしら? んっ? 252 00:18:53,666 --> 00:18:58,671 説明して。 私がなぜ ニホンにいるのか。 うん。 253 00:18:58,671 --> 00:19:02,675 魔導竜に攻撃されたあたりから 記憶がないわ。 254 00:19:02,675 --> 00:19:07,013 気付いたら言葉も文字も 何一つ わからない国にいて。 255 00:19:07,013 --> 00:19:10,683 おまけに あなたが ずいぶんと大人になっていたり。 256 00:19:10,683 --> 00:19:12,618 もう何がなんだか…。 257 00:19:12,618 --> 00:19:16,122 正直 僕にも わからないことが多い。 258 00:19:16,122 --> 00:19:19,458 だから推測まじりでの 説明になるけど…。 259 00:19:19,458 --> 00:19:21,961 いいかな? んっ。 260 00:19:21,961 --> 00:19:25,131 夜 夢を見るときがあるよね。 261 00:19:25,131 --> 00:19:29,135 そこで 一度も見たことのない 場所を訪れたりしたことは? 262 00:19:29,135 --> 00:19:32,304 あるけど… それがいったいどうしたの? 263 00:19:32,304 --> 00:19:35,141 僕にとって マリーと遊んでいたのは> 264 00:19:35,141 --> 00:19:38,644 まさしくそんな 夢の世界での出来事だったんだ。 265 00:19:38,644 --> 00:19:40,646 あっ…。 266 00:19:40,646 --> 00:19:43,816 今朝 目覚めたとき なぜか君もいて…。 267 00:19:43,816 --> 00:19:46,986 そこで初めて 夢だと思っていた世界が> 268 00:19:46,986 --> 00:19:49,488 実は現実だったと気付いたんだ。 269 00:19:49,488 --> 00:19:54,660 あなたは眠ることで 2つの世界を 行き来していた… ということ? 270 00:19:54,660 --> 00:19:56,662 どうやら そうみたいなんだ。 271 00:19:56,662 --> 00:19:59,331 ただ向こうから 戻ってくるときは> 272 00:19:59,331 --> 00:20:03,002 眠る以外に 魔物に襲われたりしたときでも…。 273 00:20:03,002 --> 00:20:05,504 あっ! 魔導竜のブレス…。 274 00:20:05,504 --> 00:20:08,841 あのとき とっさに 抱き合ったせいで 君も一緒に> 275 00:20:08,841 --> 00:20:11,510 こちらの世界へ連れてきて しまったんじゃないかな。 276 00:20:11,510 --> 00:20:15,014 ちょ ちょっと待って! それってつまり…。 277 00:20:15,014 --> 00:20:17,516 私… 死んだってこと? 278 00:20:17,516 --> 00:20:19,518 あ… あぁ いや> 279 00:20:19,518 --> 00:20:22,021 見たまんまだけど マリーは生きてるよ。 280 00:20:22,021 --> 00:20:26,525 たぶん こちらで眠ったら 元の世界へ帰れると思う。 そう…。 281 00:20:26,525 --> 00:20:29,528 あぁ それと 僕の年齢のことだけど。 282 00:20:29,528 --> 00:20:31,530 おそらく2つの世界は> 283 00:20:31,530 --> 00:20:34,033 時間の流れが 異なるんじゃないかな。 284 00:20:34,033 --> 00:20:36,202 あるいは 僕が向こうにいるときは> 285 00:20:36,202 --> 00:20:40,539 その時間だけ成長しているとか…。 う~ん…。 286 00:20:40,539 --> 00:20:43,876 それでカズヒホは 今いくつなのかしら? 287 00:20:43,876 --> 00:20:47,713 25だよ。 に 25!? そんなに? 288 00:20:47,713 --> 00:20:51,050 でも確かにそうね…。 289 00:20:51,050 --> 00:20:53,719 なんか頼りになるとこ あるなぁって。 290 00:20:53,719 --> 00:20:56,122 お待たせしました! あっ。 291 00:20:58,057 --> 00:21:00,059 わぁぁ! 292 00:21:00,059 --> 00:21:04,897 続きは 食事のあとにしようか。 ふんふんふん…! 293 00:21:04,897 --> 00:21:37,696 /~ 294 00:21:37,696 --> 00:21:42,701 わぁ… すごいわ 桜がこんなにいっぱい! 295 00:21:42,701 --> 00:21:47,406 見たことのない精霊がたくさんで 酔ってしまいそう! 296 00:21:49,375 --> 00:21:52,711 きれいね…。 うん。 本当に…。 297 00:21:52,711 --> 00:21:56,549 日本にとって 桜の時期は特別なんだ。 298 00:21:56,549 --> 00:22:01,554 せっかくだし いちばんの季節を たっぷり満喫してほしいかな。 299 00:22:01,554 --> 00:22:04,857 日本へようこそ エルフさん。 300 00:22:09,061 --> 00:22:13,065 あっ… んっ…。 301 00:22:17,002 --> 00:22:19,839 《こうして 僕らは一緒に> 302 00:22:19,839 --> 00:22:24,043 新しい物語の中へと 足を踏み入れた》