1 00:00:34,835 --> 00:00:45,512 ♬~ 2 00:00:45,512 --> 00:00:47,514 《一廣:人というのは➡ 3 00:00:47,514 --> 00:00:50,183 不思議な面を 一つくらいは持っている。 4 00:00:50,183 --> 00:00:52,853 霊感の強い人。 5 00:00:52,853 --> 00:00:55,689 生きた絵をスラスラと描ける人。 6 00:00:55,689 --> 00:01:00,527 きれいなのに音痴だったり 痩せていても大食いだったり。 7 00:01:00,527 --> 00:01:06,700 はたまた 顔は整っていないのに 異性からモテたり… などなど。 8 00:01:06,700 --> 00:01:11,505 そんな不思議なことが 僕にも一つだけ…》 9 00:03:06,353 --> 00:03:10,357 んっ? あぁ北瀬くん 今日 部署飲みあるんだけど➡ 10 00:03:10,357 --> 00:03:13,694 君も来る? あぁ… いや すみません。 11 00:03:13,694 --> 00:03:15,862 僕は遠慮しておきます。 12 00:03:15,862 --> 00:03:18,031 まっ だよね。 13 00:03:18,031 --> 00:03:21,702 俺 北瀬が定時で上がらなかったの 見たことないよ。 14 00:03:21,702 --> 00:03:23,703 お疲れさまでした~。 15 00:03:27,374 --> 00:03:29,376 (解錠音) 16 00:03:32,045 --> 00:03:34,981 《僕の名前は 北瀬一廣。 17 00:03:34,981 --> 00:03:40,187 出世よりも定時帰宅を大切にする ごく普通のサラリーマンだ》 18 00:03:46,159 --> 00:03:50,664 《趣味は料理… ではないかな。 嫌いじゃないけど。 19 00:03:50,664 --> 00:03:54,501 僕の趣味 というか生きがいは➡ 20 00:03:54,501 --> 00:03:57,170 そう 眠ること。 21 00:03:57,170 --> 00:04:00,173 えっ? なんで お弁当を用意するのかって? 22 00:04:00,173 --> 00:04:03,009 それはね… いや➡ 23 00:04:03,009 --> 00:04:08,014 こればっかりは説明するより 実際に始めたほうが早いかな》 24 00:04:08,014 --> 00:04:12,686 (寝息) 25 00:04:12,686 --> 00:04:17,190 《子どものころから 幻想的な世界に憧れていた》 26 00:04:20,861 --> 00:04:26,032 《剣や盾 魔法で 魔物と戦い 勝利を得る。 27 00:04:26,032 --> 00:04:31,872 そんな物語を 何度も何度も すり切れるまで読み続けた。 28 00:04:31,872 --> 00:04:35,475 そしていつしか 夢を見るようになった…》 29 00:04:39,980 --> 00:04:43,483 (ナズルのさえずり) 30 00:04:43,483 --> 00:04:45,485 あっ。 31 00:04:47,487 --> 00:04:49,489 《夢の中の僕は➡ 32 00:04:49,489 --> 00:04:52,192 そんな剣と魔法の 世界にいるんだ》 33 00:04:56,163 --> 00:05:00,867 こっちは朝7時か… 昨日はここで眠ったんだっけ。 34 00:05:04,004 --> 00:05:06,840 《もう大人になってしまった 僕だけど➡ 35 00:05:06,840 --> 00:05:11,144 夢の中ではいまだに 自由に冒険を楽しんでいる》 36 00:05:15,015 --> 00:05:17,851 《魔物を退治してみたり…》 んっ? 37 00:05:17,851 --> 00:05:22,355 《逆にやられて 夜中に飛び起きたり とかね》 38 00:05:22,355 --> 00:05:26,026 ハァ ハァ ハァ…。 39 00:05:26,026 --> 00:05:28,361 ハアッ… ハァ ハァ…。 40 00:05:28,361 --> 00:05:31,031 《他にも怖い思いは しょっちゅうするけど…》 41 00:05:31,031 --> 00:05:32,966 うわぁ! 42 00:05:32,966 --> 00:05:36,870 《こういう景色が眺められるのは 悪くないんだよね》 43 00:05:43,143 --> 00:05:47,314 ふぅ… ん~ まだ子どもだな。 44 00:05:47,314 --> 00:05:50,150 こっちでは年を取るのが遅い。 45 00:05:50,150 --> 00:05:55,322 (マリー)あら おはようカズヒホ。 んっ? あっ おはようマリー。 46 00:05:55,322 --> 00:05:58,491 《彼女はマリアーベル。 通称マリー。 47 00:05:58,491 --> 00:06:02,829 エルフという種族で こう見えても 100年を生きているらしい。 48 00:06:02,829 --> 00:06:07,334 瞳は宝石のアメシストみたいな色だ》 フフッ。 49 00:06:07,334 --> 00:06:09,336 久しぶりだね。 50 00:06:09,336 --> 00:06:11,838 魔術師ギルドに移ってから 忙しいんでしょ? 51 00:06:11,838 --> 00:06:14,841 えぇ。 あなたは相変わらず➡ 52 00:06:14,841 --> 00:06:17,177 こんな原始的な 野宿をしているのね。 53 00:06:17,177 --> 00:06:21,514 私から見たら カズヒホこそエルフのように見えるわ。 54 00:06:21,514 --> 00:06:25,018 えっ そうかなぁ ハハ… アハハ…。 55 00:06:25,018 --> 00:06:30,190 《ちなみに 「カズヒホ」というのは この世界での僕の名前》 56 00:06:30,190 --> 00:06:34,294 ((カ… ズ… ヒ… ホ?)) 57 00:06:34,294 --> 00:06:37,597 《昔 登録ミスした自分を 恨むしかない》 58 00:06:39,633 --> 00:06:43,803 あぁ そうだ。 よかったら 近くの遺跡に遊びにいく? 59 00:06:43,803 --> 00:06:45,972 まぁ なぁにそれ。 60 00:06:45,972 --> 00:06:50,143 遺跡に招待されたら 人間の女性は喜ぶものかしら? 61 00:06:50,143 --> 00:06:54,481 人によりけりかな。 でも もし来てくれたら➡ 62 00:06:54,481 --> 00:06:57,183 また お弁当を ごちそうするけど。 63 00:07:00,153 --> 00:07:02,822 う う~ん…。 64 00:07:02,822 --> 00:07:06,493 そ そうまで言うなら 行こうかしら? 65 00:07:06,493 --> 00:07:11,164 この近くといったら ナズルナズル遺跡ね? うん。 66 00:07:11,164 --> 00:07:16,836 《「ナズルナズル遺跡」。 千年前に突如滅びた地下都市。 67 00:07:16,836 --> 00:07:22,842 でも遺跡自体に争いの跡はなく ほとんど崩れずに残されている。 68 00:07:22,842 --> 00:07:26,346 そのせいか 文明崩壊の原因は➡ 69 00:07:26,346 --> 00:07:29,349 未知の病原菌というのが 通説だけど…。 70 00:07:29,349 --> 00:07:31,351 魔術の発達した都市で➡ 71 00:07:31,351 --> 00:07:34,621 そんな初歩的な失敗を するだろうか…》 72 00:07:34,621 --> 00:07:37,791 この地方の七不思議の 一つなんだってね。 73 00:07:37,791 --> 00:07:40,961 そんな謎を あなたが解けるとでも? 74 00:07:40,961 --> 00:07:43,296 謎は解けなくてもかまわないんだ。 75 00:07:43,296 --> 00:07:46,132 解きたいと思うだけでね。 それに➡ 76 00:07:46,132 --> 00:07:50,136 今日はマリーと一緒だから。 ウッ…。 77 00:07:50,136 --> 00:07:53,473 もう その眠そうな目は どうにかならないの? 78 00:07:53,473 --> 00:07:56,476 こえはね… 生まえとぅきだから。 79 00:07:58,645 --> 00:08:00,647 トゥイル! 80 00:08:08,321 --> 00:08:11,491 へぇ 中は結構広いのね。 81 00:08:11,491 --> 00:08:15,328 うん 元は都市だからね。 82 00:08:15,328 --> 00:08:20,667 すごい技術だね 千年も耐えてるなんて。 83 00:08:20,667 --> 00:08:25,338 地震の多い国で生まれると 強度を上げる魔法は羨ましいよ。 84 00:08:25,338 --> 00:08:28,508 地震の多い… 国? 85 00:08:28,508 --> 00:08:30,510 マリー。 あっ。 86 00:08:30,510 --> 00:08:34,280 休めそうな場所があるね。 あそこでお昼にしようか? 87 00:08:34,280 --> 00:08:36,783 アハーッ それがいいわね! 88 00:08:36,783 --> 00:08:39,586 ウフフー 今日は何かしら~。 89 00:08:43,623 --> 00:08:47,327 じゃ… じゃあ開けるわね。 どうぞ。 90 00:08:49,295 --> 00:08:51,297 はぁっ…! 91 00:08:53,299 --> 00:08:55,301 はっ…。 92 00:08:55,301 --> 00:08:58,138 匂い… すごくすてき! 93 00:08:58,138 --> 00:09:00,340 さっ 遠慮なく。 94 00:09:04,144 --> 00:09:06,146 ん~っ! 95 00:09:06,146 --> 00:09:10,150 甘~い! あぁ はい これお茶ね。 96 00:09:10,150 --> 00:09:13,820 ゆっくり飲ん…。 ぷあっ! 97 00:09:13,820 --> 00:09:16,156 これ なんていうものかしら? 98 00:09:16,156 --> 00:09:18,491 「おいなり」って言うんだよ。 99 00:09:18,491 --> 00:09:21,661 冷えても味が引き締まるから おいしいよね。 100 00:09:21,661 --> 00:09:23,663 そっちは筑前煮。 101 00:09:23,663 --> 00:09:26,666 春の野菜を使ってるから 栄養たっぷり。 102 00:09:29,169 --> 00:09:32,172 やっぱりカズヒホについてきて 正解だったわ。 103 00:09:32,172 --> 00:09:36,943 でもこんな料理 見たことないわ。 あなた どこの生まれ? 104 00:09:36,943 --> 00:09:39,779 あぁ 日本っていう…。 ニホン? 105 00:09:39,779 --> 00:09:42,615 たぶん地図には 載ってないだろうね。 106 00:09:42,615 --> 00:09:46,319 遠い島国だよ。 ふ~ん。 107 00:09:48,455 --> 00:09:50,957 まぁ いつでも ごちそうするからさ。 108 00:09:50,957 --> 00:09:53,960 暇なとき また一緒に遊びにこようよ。 109 00:09:53,960 --> 00:09:57,797 あら 言わなかったかしら? 私は忙しいのよ。 110 00:09:57,797 --> 00:10:00,300 魔術の勉強で。 111 00:10:00,300 --> 00:10:02,302 ただ そうね…。 112 00:10:02,302 --> 00:10:04,904 たまになら かまわないわ。 113 00:10:14,647 --> 00:10:18,351 ハッ! ちょっ…。 グエッ! 114 00:10:23,490 --> 00:10:26,159 魔物よ。 気付かれたら大変…。 115 00:10:26,159 --> 00:10:28,161 ちょっと待っててね。 えっ!? 116 00:10:32,665 --> 00:10:34,834 (リザードマン)グアーッ! 117 00:10:34,834 --> 00:10:36,836 (2人)イェーイ! 118 00:10:38,838 --> 00:10:40,840 これはカズヒホさん。 119 00:10:40,840 --> 00:10:44,344 今日はエルフさんとお散歩ですか? 憎いっすね~。 120 00:10:44,344 --> 00:10:48,014 いやぁ あの子は お弁当が 目当てなんじゃないかなぁ。 121 00:10:48,014 --> 00:10:50,016 (魔物の言葉) 122 00:10:50,016 --> 00:10:54,521 《ちなみにこれは 魔物の言葉。 マリーには わからない。 123 00:10:54,521 --> 00:10:58,024 マリーと話すときは エルフ語で話しているんだ》 124 00:10:58,024 --> 00:11:03,863 呆れたわ 魔物の言葉も覚えたの? うん 体当たりで…。 125 00:11:03,863 --> 00:11:07,367 何度も襲われたし 3年くらいかかったかな。 126 00:11:07,367 --> 00:11:09,369 それで 魔物はなんて? 127 00:11:09,369 --> 00:11:12,539 奥を寝床にしている竜が 産卵期に入ったから➡ 128 00:11:12,539 --> 00:11:14,874 注意しろって。 えぇ!? 129 00:11:14,874 --> 00:11:18,878 う~ん でも竜の卵か~ 見てみたいな~。 130 00:11:18,878 --> 00:11:23,049 何言ってるの! 産卵期の竜は どう猛で危険なのよ!? 131 00:11:23,049 --> 00:11:27,387 そんなのに近づくなんて… ちょっと! 聞いてる? 132 00:11:27,387 --> 00:11:39,332 (竜の息遣い) 133 00:11:39,332 --> 00:11:43,002 んっ? 何かいる? シッ 静かに。 134 00:11:43,002 --> 00:11:45,405 今 「暗視」をかけてあげる。 135 00:11:49,175 --> 00:11:51,177 あっ。 136 00:11:51,177 --> 00:11:57,850 (竜の息遣い) 137 00:11:57,850 --> 00:12:02,021 大きいねぇ この音 竜の寝息だったんだ。 138 00:12:02,021 --> 00:12:07,193 色が黒いし 魔力も濃い… 魔導竜かもしれないわ。 139 00:12:07,193 --> 00:12:10,363 見てちょうだい! 模様が光ってる! 140 00:12:10,363 --> 00:12:13,032 呼吸をするだけで 魔力を生むというのは➡ 141 00:12:13,032 --> 00:12:15,034 本当だったのよ! 142 00:12:15,034 --> 00:12:17,036 ウッ。 聞いてるのカズヒホ! 143 00:12:17,036 --> 00:12:21,708 う うん もちろん。 もしも魔導竜なら大変なことよ。 144 00:12:21,708 --> 00:12:23,710 千年に一度の産卵期にしか➡ 145 00:12:23,710 --> 00:12:27,046 姿を見ることもできないの…。 (唸り声) 146 00:12:27,046 --> 00:12:30,717 いけない 起こしちゃったかしら。 大丈夫だよ。 147 00:12:30,717 --> 00:12:33,419 万一のときは来た道を戻れば…。 148 00:12:41,494 --> 00:12:43,496 (2人)ウッ! 149 00:12:45,498 --> 00:12:48,835 (唸り声) 150 00:12:48,835 --> 00:12:53,339 絶体絶命かしら…。 そうかも…。 151 00:12:59,846 --> 00:13:01,848 マリー! 152 00:13:03,850 --> 00:13:06,519 《あぁ~ こりゃ今日も死ぬな…。 153 00:13:06,519 --> 00:13:09,522 せめて卵を拝みたかったな…》 154 00:13:12,025 --> 00:13:17,030 《これが 普通のサラリーマンの僕に 一つだけある不思議なこと。 155 00:13:17,030 --> 00:13:21,200 夢の中で遊べて お弁当も食べられる》 156 00:13:21,200 --> 00:13:24,037 でも もう少し 長くいたかったなぁ。 157 00:13:24,037 --> 00:13:27,940 せっかく マリーと 遊ぶ夢だったのに… んっ? 158 00:13:29,876 --> 00:13:31,878 んっ!? 159 00:13:34,313 --> 00:13:37,817 うっ! な なな なんで! 160 00:13:40,486 --> 00:13:43,656 《その日 僕の人生にとって➡ 161 00:13:43,656 --> 00:13:47,460 最も不思議なことが 更新された》 162 00:13:57,837 --> 00:13:59,839 んっ…。 あわわ…! 163 00:13:59,839 --> 00:14:02,175 ウッ。 164 00:14:02,175 --> 00:14:05,678 んっ? カズヒホ? 165 00:14:05,678 --> 00:14:09,015 や やぁ おはよう マリー。 166 00:14:09,015 --> 00:14:13,019 えっ? なんだか 年を取ったみたいに見えるけど➡ 167 00:14:13,019 --> 00:14:18,691 お父さんとかじゃなくて 本人? うん… 本人だよ。 168 00:14:18,691 --> 00:14:21,361 それはあとで説明するけど➡ 169 00:14:21,361 --> 00:14:24,197 その前に どっか痛かったりしない? 170 00:14:24,197 --> 00:14:28,201 ほら さっき 竜のブレスを受けたから。 171 00:14:28,201 --> 00:14:31,037 んっ…? 172 00:14:31,037 --> 00:14:34,307 はぁぁ~!? 173 00:14:34,307 --> 00:14:36,309 あっ あなたね~! 174 00:14:36,309 --> 00:14:40,313 ごめ~ん! 誓って言うけど 指の一本も触れてないから! 175 00:14:40,313 --> 00:14:43,149 おかげさまでケガはないけど…。 176 00:14:43,149 --> 00:14:45,985 ちゃんと いろいろ説明してくれるかしら? 177 00:14:45,985 --> 00:14:47,987 それはもちろん! 178 00:14:47,987 --> 00:14:53,192 だから こっちを見ないで! まずは私の服を持ってきなさい! 179 00:14:58,498 --> 00:15:02,502 《ということで 仕事を休んで 買い物に来たわけだが…。 180 00:15:02,502 --> 00:15:05,505 なんで裸なんだ? 181 00:15:05,505 --> 00:15:09,509 というかなぜ 夢の中の彼女がここに…。 182 00:15:09,509 --> 00:15:14,413 いや そもそも僕が 夢と思っていた あの世界は…》 183 00:15:16,349 --> 00:15:18,851 見てるわね~。 ホント。 えっ。 184 00:15:18,851 --> 00:15:21,187 一生懸命見てる。 あんなにたくさん。 185 00:15:21,187 --> 00:15:23,189 お願いします。 186 00:15:23,189 --> 00:15:25,191 ありがとうございました~。 187 00:15:25,191 --> 00:15:27,393 《次来るときは マリーと買いにこよう》 188 00:15:29,362 --> 00:15:31,464 ただいま~ あっ。 189 00:15:40,473 --> 00:15:44,477 カズヒホ… ここはいったい どこなのかしら。 190 00:15:44,477 --> 00:15:46,979 あっ… それは…。 191 00:15:46,979 --> 00:15:49,315 《そりゃあ ショックだよな。 192 00:15:49,315 --> 00:15:52,151 突然一人ぼっちで 見知らぬ世界に来たんだ…》 193 00:15:52,151 --> 00:15:54,153 こんなに高い建物に 住んでるなんて➡ 194 00:15:54,153 --> 00:15:56,322 カズヒホはお金持ちなんでしょう!? 195 00:15:56,322 --> 00:15:59,659 《あっ 違った》 すごいすごい! 196 00:15:59,659 --> 00:16:03,663 こんなに発展した都市なんて 初めて見るわ! ひゃっ! 197 00:16:03,663 --> 00:16:07,667 はぁぁ~ 下を見ると膝がガクガクするぅ~。 198 00:16:07,667 --> 00:16:10,837 《初めて遊園地に来たような ハイテンションだ》 199 00:16:10,837 --> 00:16:13,673 ねぇ あの塔は何? 200 00:16:13,673 --> 00:16:17,176 やっぱり高名な大魔導士でも 住んでいるのかしら。 201 00:16:17,176 --> 00:16:21,681 あぁ あれはスカイツリーだね。 きっといい眺めだよ。 202 00:16:21,681 --> 00:16:25,184 ちょうど桜の季節だから。 サクラ? 203 00:16:25,184 --> 00:16:28,688 桜というのは…。 204 00:16:28,688 --> 00:16:30,690 んっ? 205 00:16:30,690 --> 00:16:32,692 見にいこっか。 わぁ! 206 00:16:32,692 --> 00:16:34,627 休みを取ったし➡ 207 00:16:34,627 --> 00:16:37,296 今日は僕が住んでいるところを 案内するよ。 208 00:16:37,296 --> 00:16:40,967 お腹も空いたよね どこかで食事もしよう。 209 00:16:40,967 --> 00:16:42,969 いいのかしら!? 210 00:16:42,969 --> 00:16:44,971 わわっ 楽しみだわ! 211 00:16:44,971 --> 00:16:47,974 よろしくね カズヒホー! わわっ… マリー! 212 00:16:47,974 --> 00:16:50,643 ウゥ…。 あっ!? 213 00:16:50,643 --> 00:16:52,645 ふんっ! 214 00:16:58,651 --> 00:17:02,321 《向こうの世界が もう一つの現実だったとして。 215 00:17:02,321 --> 00:17:05,825 あのとき 僕らは確かに 竜のブレスに…》 216 00:17:07,827 --> 00:17:10,830 僕が連れてきてしまったのか…。 217 00:17:10,830 --> 00:17:12,999 あっ。 (ドアの開く音) 218 00:17:12,999 --> 00:17:16,002 お待たせ カズヒホ! 219 00:17:16,002 --> 00:17:18,004 おぉ…! 220 00:17:18,004 --> 00:17:21,340 これ すっごく軽い! 伸びる~! 221 00:17:21,340 --> 00:17:25,011 自由に動ける~! 喜んでくれて何よりだよ。 222 00:17:25,011 --> 00:17:29,015 正直 どれを選んでいいか 全然わからなくて。 223 00:17:29,015 --> 00:17:31,017 でも こうしてみると➡ 224 00:17:31,017 --> 00:17:33,953 マリーなら何着ても かわいくなってたろうね。 225 00:17:33,953 --> 00:17:37,123 あら もっと言ってもいいのよ。 226 00:17:37,123 --> 00:17:42,128 フフッ すごく似合ってるよ。 あっ その眠そうな目…。 227 00:17:42,128 --> 00:17:47,133 やっぱりあなたはカズヒホなのね。 安心したわ。 アハハ…。 228 00:17:47,133 --> 00:17:50,970 ということは ここが あなたの言っていたニホン? 229 00:17:50,970 --> 00:17:54,473 そうなんだ。 案内しながら説明するよ。 230 00:17:54,473 --> 00:17:57,310 まぁ! と その前に…。 231 00:17:57,310 --> 00:17:59,979 はい。 これは? 232 00:17:59,979 --> 00:18:03,649 よかったら この帽子で 耳を隠してくれないかな? 233 00:18:03,649 --> 00:18:05,985 えっ… いいけど…。 234 00:18:05,985 --> 00:18:09,322 実は この世界には エルフがいなくてね。 235 00:18:09,322 --> 00:18:14,627 ふ~ん そうなの? まぁいいわ。 すてきな帽子ね。 236 00:18:16,662 --> 00:18:19,832 それじゃあ いよいよ 知らない世界へ出るけど…。 237 00:18:19,832 --> 00:18:23,336 大丈夫? 怖くない? もちろん! 238 00:18:23,336 --> 00:18:27,006 私 今 とってもワクワクしているもの! 239 00:18:27,006 --> 00:18:29,008 い… いい…。 240 00:18:29,008 --> 00:18:33,446 なんか… いい所そうじゃない? 暮らしやすそうで…。 241 00:18:33,446 --> 00:18:37,617 そ… そうだね… 魔物とかいないし…。 242 00:18:37,617 --> 00:18:40,286 《車はまだ早かったかな》 243 00:18:40,286 --> 00:18:42,288 ヒィーッ! (自転車のベル) 244 00:18:45,624 --> 00:18:49,128 わぁ~。 245 00:18:49,128 --> 00:18:52,965 ん~っ… ええと これを2つ。 246 00:18:52,965 --> 00:18:55,968 あと このオススメを一品 お願いします。 247 00:18:55,968 --> 00:18:58,971 あぁそうだ フォークも1つください。 248 00:18:58,971 --> 00:19:03,175 はい かしこまりました。 どうぞごゆっくり。 249 00:19:05,144 --> 00:19:07,480 あの人 今なんて? 250 00:19:07,480 --> 00:19:10,816 ごゆっくりお過ごしくださいって。 そう…。 251 00:19:10,816 --> 00:19:14,487 で そろそろお願いしても いいかしら? んっ? 252 00:19:14,487 --> 00:19:19,492 説明して。 私がなぜ ニホンにいるのか。 うん。 253 00:19:19,492 --> 00:19:23,496 魔導竜に攻撃されたあたりから 記憶がないわ。 254 00:19:23,496 --> 00:19:27,833 気付いたら言葉も文字も 何一つ わからない国にいて。 255 00:19:27,833 --> 00:19:31,504 おまけに あなたが ずいぶんと大人になっていたり。 256 00:19:31,504 --> 00:19:33,439 もう何がなんだか…。 257 00:19:33,439 --> 00:19:36,942 正直 僕にも わからないことが多い。 258 00:19:36,942 --> 00:19:40,279 だから推測まじりでの 説明になるけど…。 259 00:19:40,279 --> 00:19:42,782 いいかな? んっ。 260 00:19:42,782 --> 00:19:45,951 夜 夢を見るときがあるよね。 261 00:19:45,951 --> 00:19:49,955 そこで 一度も見たことのない 場所を訪れたりしたことは? 262 00:19:49,955 --> 00:19:53,125 あるけど… それがいったいどうしたの? 263 00:19:53,125 --> 00:19:55,961 僕にとって マリーと遊んでいたのは➡ 264 00:19:55,961 --> 00:19:59,465 まさしくそんな 夢の世界での出来事だったんだ。 265 00:19:59,465 --> 00:20:01,467 あっ…。 266 00:20:01,467 --> 00:20:04,637 今朝 目覚めたとき なぜか君もいて…。 267 00:20:04,637 --> 00:20:07,807 そこで初めて 夢だと思っていた世界が➡ 268 00:20:07,807 --> 00:20:10,309 実は現実だったと気付いたんだ。 269 00:20:10,309 --> 00:20:15,481 あなたは眠ることで 2つの世界を 行き来していた… ということ? 270 00:20:15,481 --> 00:20:17,483 どうやら そうみたいなんだ。 271 00:20:17,483 --> 00:20:20,152 ただ向こうから 戻ってくるときは➡ 272 00:20:20,152 --> 00:20:23,823 眠る以外に 魔物に襲われたりしたときでも…。 273 00:20:23,823 --> 00:20:26,325 あっ! 魔導竜のブレス…。 274 00:20:26,325 --> 00:20:29,662 あのとき とっさに 抱き合ったせいで 君も一緒に➡ 275 00:20:29,662 --> 00:20:32,331 こちらの世界へ連れてきて しまったんじゃないかな。 276 00:20:32,331 --> 00:20:35,835 ちょ ちょっと待って! それってつまり…。 277 00:20:35,835 --> 00:20:38,337 私… 死んだってこと? 278 00:20:38,337 --> 00:20:40,339 あ… あぁ いや➡ 279 00:20:40,339 --> 00:20:42,842 見たまんまだけど マリーは生きてるよ。 280 00:20:42,842 --> 00:20:47,346 たぶん こちらで眠ったら 元の世界へ帰れると思う。 そう…。 281 00:20:47,346 --> 00:20:50,349 あぁ それと 僕の年齢のことだけど。 282 00:20:50,349 --> 00:20:52,351 おそらく2つの世界は➡ 283 00:20:52,351 --> 00:20:54,854 時間の流れが 異なるんじゃないかな。 284 00:20:54,854 --> 00:20:57,022 あるいは 僕が向こうにいるときは➡ 285 00:20:57,022 --> 00:21:01,360 その時間だけ成長しているとか…。 う~ん…。 286 00:21:01,360 --> 00:21:04,697 それでカズヒホは 今いくつなのかしら? 287 00:21:04,697 --> 00:21:08,534 25だよ。 に 25!? そんなに? 288 00:21:08,534 --> 00:21:11,871 でも確かにそうね…。 289 00:21:11,871 --> 00:21:14,540 なんか頼りになるとこ あるなぁって。 290 00:21:14,540 --> 00:21:16,942 お待たせしました! あっ。 291 00:21:18,878 --> 00:21:20,880 わぁぁ! 292 00:21:20,880 --> 00:21:25,718 続きは 食事のあとにしようか。 ふんふんふん…! 293 00:21:25,718 --> 00:21:58,517 ♬~ 294 00:21:58,517 --> 00:22:03,522 わぁ… すごいわ 桜がこんなにいっぱい! 295 00:22:03,522 --> 00:22:08,227 見たことのない精霊がたくさんで 酔ってしまいそう! 296 00:22:10,196 --> 00:22:13,532 きれいね…。 うん。 本当に…。 297 00:22:13,532 --> 00:22:17,369 日本にとって 桜の時期は特別なんだ。 298 00:22:17,369 --> 00:22:22,374 せっかくだし いちばんの季節を たっぷり満喫してほしいかな。 299 00:22:22,374 --> 00:22:25,678 日本へようこそ エルフさん。 300 00:22:29,882 --> 00:22:33,886 あっ… んっ…。 301 00:22:37,823 --> 00:22:40,659 《こうして 僕らは一緒に➡ 302 00:22:40,659 --> 00:22:44,863 新しい物語の中へと 足を踏み入れた》