1 00:00:32,832 --> 00:00:37,770 一定の法則とリズムをもって 運行するこの大宇宙 2 00:00:38,271 --> 00:00:41,775 そこに浮かぶ地球という 一個の惑星 3 00:00:41,775 --> 00:00:45,211 その中の日本という 島国の一隅で 4 00:00:45,211 --> 00:00:48,214 私は今何をしようと しているのか・・・ 5 00:00:48,214 --> 00:00:52,651 人々に幸福と平和をもたらす 広宣流布の戦い 6 00:00:53,253 --> 00:00:56,589 それは生命のリズムを 破壊し― 7 00:00:56,589 --> 00:01:00,160 人間の健全な生への営みを 妨げようとする― 8 00:01:00,160 --> 00:01:02,390 魔との戦いといえるだろう 9 00:01:04,397 --> 00:01:09,267 影も姿も見せぬ魔との 一瞬の油断もならない戦い 10 00:01:09,669 --> 00:01:16,009 びまん 私はこの地球に社会に瀰漫する 魔との戦いを宣言しているのだ 11 00:01:16,009 --> 00:01:20,213 負けるわけにはいかない 何としても勝たねばならないのだ! 12 00:01:20,213 --> 00:01:22,916 南無妙法蓮華経 ... 13 00:01:22,916 --> 00:01:27,683 1948年 昭和23年 元旦 14 00:01:28,088 --> 00:01:31,024 西神田の 日本正学館の学会本部で 15 00:01:31,024 --> 00:01:34,858 初勤行が行われた 戸田と数人の幹部による 16 00:01:40,967 --> 00:01:43,036 新年おめでとう 17 00:01:43,036 --> 00:01:45,071 おめでとうございます 18 00:01:45,071 --> 00:01:48,974 先生おめでとうございます 本年も相変わらず・・・ 19 00:01:49,476 --> 00:01:50,966 やあ おめでとう 20 00:01:52,145 --> 00:01:56,707 ところで 本年も相変わらずじゃ 困るなそうだろう 21 00:01:56,883 --> 00:02:01,588 去年と同じことをやっていたんでは 広宣流布は腐ってしまうじゃないか 22 00:02:01,588 --> 00:02:05,291 原山君は今年も もそもそ動こうというわけか? 23 00:02:05,291 --> 00:02:06,986 はっはっはっ 24 00:02:07,360 --> 00:02:11,464 三島君がぶつぶつ 小西君がふてくされながら 25 00:02:11,464 --> 00:02:16,736 関君が青い顔して 思案顔 というのでは第一僕が困るんだよ 26 00:02:16,736 --> 00:02:18,568 はっはっはっ 27 00:02:19,405 --> 00:02:23,076 今年はいよいよ 再建3年目に入った 28 00:02:23,076 --> 00:02:26,112 諸君は自分の持ち味を 十分生かし切って 29 00:02:26,112 --> 00:02:30,884 強い強い信心に立って 立派な弘教活動を全うしてほしい 30 00:02:30,884 --> 00:02:32,418 そういう年にしたい 31 00:02:32,418 --> 00:02:35,786 みんな大いに 変わってもらわなくてはならない 32 00:02:37,123 --> 00:02:40,760 諸君は去年も活躍したように 思っているだろうが 33 00:02:40,760 --> 00:02:44,097 実際は惰性に流された 活動であったのです 34 00:02:44,097 --> 00:02:47,267 僕が講義をし 僕が座談会に行く 35 00:02:47,267 --> 00:02:51,670 そこだけにしか 学会活動はなかったといってよい 36 00:02:52,972 --> 00:02:57,569 組織が秩序立ってくると どうしても幹部の惰性が始まる 37 00:02:57,911 --> 00:02:59,746 しかし自分では気が付かない 38 00:02:59,746 --> 00:03:02,582 相変わらず結構やっていると 思っている 39 00:03:02,582 --> 00:03:07,884 この相変わらずが空転になる それがくせものなんだ 40 00:03:08,454 --> 00:03:12,258 先生 さっきのは私の失言です 41 00:03:12,258 --> 00:03:17,822 本年はひとつ大いに相変わりまして よろしくお願いいたします 42 00:03:18,898 --> 00:03:20,266 分かったかい? 43 00:03:20,266 --> 00:03:22,602 はい よく分かりました 44 00:03:22,602 --> 00:03:24,370 みんなも分かったね? 45 00:03:24,370 --> 00:03:25,538 はい 46 00:03:25,538 --> 00:03:29,142 いやいや 元旦からやかましいことを 言ってすまんすまん 47 00:03:29,142 --> 00:03:31,811 一年の始まりの めでたい正月だ 48 00:03:31,811 --> 00:03:34,576 早速おとそといこうじゃないか 49 00:03:36,316 --> 00:03:38,051 清原さん 支度を頼むよ 50 00:03:38,051 --> 00:03:38,916 はい 51 00:03:44,090 --> 00:03:49,429 日本の国は 今や新しく生まれ変わる “新生”の一歩を踏み出している 52 00:03:49,429 --> 00:03:51,864 学会もまた“新生”の時だ 53 00:03:51,864 --> 00:03:56,302 だからといって何か新しい活動を 始めようというのではない 54 00:03:56,302 --> 00:04:00,139 実践の根本は 座談会と教学に尽きる 55 00:04:00,139 --> 00:04:04,677 この二つの活動が地道に 着実に進められていくとき 56 00:04:04,677 --> 00:04:08,948 いつかこの社会を変え 新しい日本の基盤を築き 57 00:04:08,948 --> 00:04:12,543 平和な世界をつくっていくことが できるんだ 58 00:04:13,453 --> 00:04:17,423 それには百万言の 耳あたりのよい理論よりも 59 00:04:17,423 --> 00:04:19,959 一つの座談会の実践の方が 60 00:04:19,959 --> 00:04:23,759 はるかに広布の歯車を回す エネルギーとなる 61 00:04:24,464 --> 00:04:28,368 今年は座談会を通し 人材を徹底して育て 62 00:04:28,368 --> 00:04:31,037 訓練しゆく年としていこう 63 00:04:31,037 --> 00:04:31,738 はい! 64 00:04:31,738 --> 00:04:35,241 先生 用意ができました 65 00:04:35,241 --> 00:04:41,112 おう さぁ みんな茶碗を取って この酒は取って置きの一級だぞ 66 00:04:42,081 --> 00:04:43,640 おぉ! 67 00:04:44,183 --> 00:04:46,419 じゃあ 乾杯といこう 乾杯! 68 00:04:46,419 --> 00:04:48,649 乾杯! いただきます! 69 00:04:49,355 --> 00:04:53,760 座談会に出席した後 1月早々から各地での 70 00:04:53,760 --> 00:04:57,730 戸田は伊豆の下田へ 地方指導に向かった 71 00:04:57,730 --> 00:05:02,168 先生 下田に来ると いつも牧口先生のことが・・・ 72 00:05:02,168 --> 00:05:04,967 うむそうなんだ 73 00:05:09,242 --> 00:05:14,237 この下田で牧口先生は 特高警察に逮捕された 74 00:05:19,218 --> 00:05:22,855 72歳の高齢でもあり みんなでお止めした 75 00:05:22,855 --> 00:05:27,660 なのに先生は どうしても下田の 座談会に出席すると言われて・・・ 76 00:05:27,660 --> 00:05:32,154 実に正義感の強い 高潔な謹厳実直な先生だった 77 00:05:32,565 --> 00:05:37,970 その先生と最初にお会いしたのは 北海道から上京した大正9年の春 78 00:05:37,970 --> 00:05:40,439 私が20歳の時だった 79 00:05:41,240 --> 00:05:45,345 そのひと月ほど前には・・・ そう 私はまだ夕張にいた 80 00:05:45,345 --> 00:05:49,282 真谷地に あの雪深い炭鉱の町 81 00:05:49,482 --> 00:05:50,717 私はあの地に 82 00:05:50,717 --> 00:05:55,245 小学校の訓導として 約1年半とどまっていたのだ 83 00:05:57,223 --> 00:05:59,559 どうだい みんな 書けたかね? 84 00:05:59,559 --> 00:06:00,958 はーい 85 00:06:01,160 --> 00:06:02,395 先生 86 00:06:02,395 --> 00:06:03,726 何だね? 87 00:06:03,963 --> 00:06:07,433 先生のふるさとの厚田村って どんなところですか 88 00:06:07,433 --> 00:06:08,801 聞かせてください 89 00:06:08,801 --> 00:06:14,296 まだ話してなかったね あのね 厚田村というのは 90 00:06:14,774 --> 00:06:20,110 面した小さな漁村で 石狩平野の北にある 日本海に ね 91 00:06:21,114 --> 00:06:26,075 景色だけは豊かなんだよ 何もないところだが 自然と 92 00:06:29,122 --> 00:06:34,253 ニシン漁の季節ともなると 人口が普段の3倍にも膨れ上がるんだ 93 00:06:35,962 --> 00:06:40,524 浜辺に番屋がズラーッと並んで それは壮観だよ 94 00:06:41,968 --> 00:06:45,738 僕は厚田尋常小学校の 高等科を卒業し 95 00:06:45,738 --> 00:06:47,440 進学を夢見ていたが 96 00:06:47,440 --> 00:06:50,943 断念して札幌に出て うちが大変だったので 97 00:06:50,943 --> 00:06:54,675 年季奉公に入ったんだよ 雑貨品を扱う商店に 98 00:06:55,548 --> 00:07:00,186 そこで働きながら勉強して 教員検定試験に合格し 99 00:07:00,186 --> 00:07:05,291 この小学校の代用教員となり 訓導となって こうして今一 100 00:07:05,291 --> 00:07:08,283 君たちと一緒に 勉強するようになったんだ 101 00:07:09,228 --> 00:07:13,966 だが間もなく 戸田青年は この真谷地を去ることになる 102 00:07:13,966 --> 00:07:16,068 20歳になったその年・・・・ 103 00:07:16,068 --> 00:07:19,005 みんな 素直な いい子ばかりだった 104 00:07:19,005 --> 00:07:24,375 僕はどうしても君たちと 別れざるを得ないのだよ すまない・・・ 105 00:07:26,312 --> 00:07:32,342 こうして戸田青年は小学校の教員を 辞して東京へと向かったのである 106 00:07:35,855 --> 00:07:38,424 まず生活の糧を得なければと 107 00:07:38,424 --> 00:07:42,622 いくつかの紹介先を回ったが 戸田青年は職探しに 108 00:07:42,962 --> 00:07:45,264 経済恐慌による不況のあおりで 109 00:07:45,264 --> 00:07:47,858 なかなか仕事に就くことが できなかった 110 00:07:48,334 --> 00:07:50,860 そして 最後の望みを託して・・・ 111 00:07:51,671 --> 00:07:55,908 真谷地小学校時代 私は文部大臣あてに 112 00:07:55,908 --> 00:07:58,244 日本の将来を考えるなら 113 00:07:58,244 --> 00:08:03,616 辺地の教育者を大事にしなくては ならないという建白書を提出しました 114 00:08:03,616 --> 00:08:06,018 でも取り上げてもらえませんでした 115 00:08:06,018 --> 00:08:10,623 地方にいては 本当の声は届かないと 感じられてなりません 116 00:08:10,623 --> 00:08:14,427 やはり中央に出て 仕事をするしかないと思い―― 117 00:08:14,427 --> 00:08:18,764 北海道にゆかりの深い 牧口先生を頼ってお訪ねしました 118 00:08:18,764 --> 00:08:20,892 履歴書をお持ちになったかな? 119 00:08:21,434 --> 00:08:23,664 はい 持ってきました 120 00:08:27,340 --> 00:08:30,576 先生 私をぜひ 採用してください 121 00:08:30,576 --> 00:08:34,171 私はどんな劣等生でも 必ず優等生にしてみせます 122 00:08:35,047 --> 00:08:40,042 後できっといい奴を採用して よかったとお思いになるでしょう 123 00:08:40,486 --> 00:08:42,420 そうか そうか 124 00:08:42,688 --> 00:08:45,919 先生ぜひともお願いします! 125 00:08:46,759 --> 00:08:49,456 分かった 尽力しよう 126 00:08:49,795 --> 00:08:53,533 程なく戸田は校長を務める 牧口の推薦で 127 00:08:53,533 --> 00:08:57,503 下谷の西町小学校の教員に 採用される 128 00:08:57,503 --> 00:09:01,574 そしてこれ以後 戸田は牧口を “人生の師”と仰いで 129 00:09:01,574 --> 00:09:04,277 生涯仕えていくことになる 130 00:09:04,277 --> 00:09:09,015 あれから23年間 私は牧口先生に お仕えしながら 131 00:09:09,015 --> 00:09:12,084 広宣流布に共に戦ってきたのだ 132 00:09:12,084 --> 00:09:15,577 この下田で 先生が逮捕される時まで 133 00:09:17,590 --> 00:09:21,584 師子王のごとく振る舞われた 牧口先生はあの日 134 00:09:23,896 --> 00:09:25,557 ごめんください 135 00:09:27,433 --> 00:09:28,798 あ! 136 00:09:29,635 --> 00:09:31,604 下田署の者だが 137 00:09:31,604 --> 00:09:36,906 こちらに滞在している牧口常三郎に 署までご同行願いたい 138 00:09:37,443 --> 00:09:40,902 何です? 先生に何の用があるんです? 139 00:09:41,347 --> 00:09:44,083 東京ならともかく ここは下田です 140 00:09:44,083 --> 00:09:47,075 田舎の警察が 何で先生に用があるんです? 141 00:09:47,954 --> 00:09:51,083 私が牧口ですが 何の用ですか? 142 00:09:51,457 --> 00:09:55,328 不敬罪と 治安維持法違反の容疑です 143 00:09:55,328 --> 00:09:59,322 詳しくは署においでになれば 分かります ご同行願います 144 00:09:59,899 --> 00:10:01,333 今すぐですか? 145 00:10:01,834 --> 00:10:03,199 そうです 146 00:10:03,603 --> 00:10:06,664 しばらく待ってください 支度をしますから 147 00:10:07,540 --> 00:10:11,744 牧口は7月2日から 伊豆に赴いていた 148 00:10:11,744 --> 00:10:17,615 下田の蓮台寺で座談会を開き 5日にここ須崎に入った 149 00:10:17,817 --> 00:10:21,153 官憲の手が迫りつつある危険を 感じてはいたが 150 00:10:21,153 --> 00:10:24,223 広宣流布に命を懸ける 牧口にとって 151 00:10:24,223 --> 00:10:28,820 それは何の恐れにも戦いの足を 止めるかせともならなかった 152 00:10:29,962 --> 00:10:32,124 お待たせしました 153 00:10:34,266 --> 00:10:36,636 大変お世話になりました 154 00:10:36,636 --> 00:10:39,372 先生 申し訳ありません 155 00:10:39,372 --> 00:10:40,539 何が? 156 00:10:40,539 --> 00:10:44,744 私が先生を須崎にまで お連れしたばかりに・・・ 157 00:10:44,744 --> 00:10:49,978 何も案ずることはない 時が来たんだ 158 00:10:50,349 --> 00:10:51,748 時が? 159 00:10:54,153 --> 00:10:58,386 東京に戻ったら 戸田君に よろしくと伝えてください 160 00:11:00,292 --> 00:11:04,096 なっていた軍部政府は 戦争の遂行に躍起と 161 00:11:04,096 --> 00:11:05,765 国家神道を否定して― 162 00:11:05,765 --> 00:11:09,068 拒否する創価学会を 神札を祀ることを 163 00:11:09,068 --> 00:11:13,528 反国家的な団体と決めつけ 弾圧を図った 164 00:11:14,573 --> 00:11:20,246 祖国を真に愛し 民衆の幸福と 平和を心から願うものが 165 00:11:20,246 --> 00:11:22,977 国賊と呼ばれたのである 166 00:11:23,516 --> 00:11:28,352 不合理と矛盾に満ちた まさに狂気の時代であった 167 00:11:28,487 --> 00:11:33,059 恐らく戸田君も他の幹部も 逮捕されたであろう 168 00:11:33,059 --> 00:11:34,959 時が来たのだ 169 00:11:35,695 --> 00:11:38,960 いよいよ命を懸けて戦う時が 来たのだ 170 00:11:39,965 --> 00:11:45,004 国家権力と真正面から 衝突せざるを得ないこの戦いこそ— 171 00:11:45,004 --> 00:11:50,773 牧口常三郎に最後に残された 国家諫暁の実践だといえよう 172 00:11:50,976 --> 00:11:54,344 その時が到来したんだ 173 00:11:57,950 --> 00:12:01,754 そして 牧口先生は 獄中で亡くなられた 174 00:12:01,754 --> 00:12:04,857 “屈服”は 人間の“魂の死”を意味する 175 00:12:04,857 --> 00:12:10,096 ならば先生は“信教の自由”を 守る戦いにまさに勝利されたのだ 176 00:12:10,096 --> 00:12:14,233 予審判事に価値論を語り 看守には仏法を説き 177 00:12:14,233 --> 00:12:19,194 最後まで題目を唱え抜いて 生涯を閉じられたのだから・・・ 178 00:12:20,473 --> 00:12:25,911 前の年の1月に戸田がこの下田に 地方指導に赴いてから 179 00:12:25,911 --> 00:12:29,870 1年間で学会員は 80世帯に増えていた 180 00:12:30,382 --> 00:12:34,587 戸田の打ったくさびが 一つ一つ 功徳の体験となって 181 00:12:34,587 --> 00:12:36,851 花開いてきたのである 182 00:12:37,990 --> 00:12:41,927 先生 本当に言われた通りに なりましただ 183 00:12:41,927 --> 00:12:43,863 体はすっかり丈夫になって 184 00:12:43,863 --> 00:12:47,199 行商もそれほど骨を折らずに できるようになりました 185 00:12:47,199 --> 00:12:50,236 うんうん そうか 186 00:12:50,236 --> 00:12:55,003 それに売り上げが伸びたもんで 貯金までできるようになっただよ 187 00:12:55,508 --> 00:12:58,711 これも戸田先生に指導して いただいたおかげです 188 00:12:58,711 --> 00:13:00,913 厚く御礼申しますだ 189 00:13:00,913 --> 00:13:04,850 いやいや僕じゃないよ あなたの信心が立派で 190 00:13:04,850 --> 00:13:07,987 御本尊に力があるからなんだよ 191 00:13:07,987 --> 00:13:09,989 本田さん よかったわね 192 00:13:09,989 --> 00:13:11,013 ははは 193 00:13:11,857 --> 00:13:17,530 日本は戦後3年目を迎えたが 異常なインフレと物価の高騰によって 194 00:13:17,530 --> 00:13:19,799 経済の危機は慢性化し 195 00:13:19,799 --> 00:13:23,827 一億の国民は なお生活難にあえいでいた 196 00:13:24,170 --> 00:13:28,274 諸君の健闘で我が社も 何とかここまでやってこられた 197 00:13:28,274 --> 00:13:29,875 しかし今後を思うと 198 00:13:29,875 --> 00:13:34,108 今 何らかの手を打っておかなくては ならない状況になってきた 199 00:13:34,680 --> 00:13:38,584 そこで 月刊誌の刊行に 乗りだしたいと思うが? 200 00:13:38,584 --> 00:13:39,574 ええ? 201 00:13:40,219 --> 00:13:42,085 しかも少年向けの雑誌だ 202 00:13:42,254 --> 00:13:44,882 少年向けの雑誌? 203 00:13:45,558 --> 00:13:50,196 日本の復興には教育が何よりも 優先されなくてはなるまい 204 00:13:50,196 --> 00:13:54,200 その意味からも子供たちに 良い本を与えることこそ― 205 00:13:54,200 --> 00:13:57,002 私たちの使命だと思うんだ 206 00:13:57,002 --> 00:14:01,440 日本正学館はもともと 子供の教育から出発した 207 00:14:01,440 --> 00:14:06,674 その伝統精神は編集の上に 生かせると思う どうかね? 208 00:14:07,346 --> 00:14:08,939 Phi -*** 209 00:14:10,416 --> 00:14:11,884 分かりました 210 00:14:12,484 --> 00:14:13,883 やりましょう 211 00:14:14,720 --> 00:14:16,688 よぉし やるぞ! 212 00:14:17,089 --> 00:14:21,390 こうして少年雑誌 「冒険少年」が誕生した 213 00:14:21,894 --> 00:14:25,064 子供の夢をつなぐ 空想科学読み物や 214 00:14:25,064 --> 00:14:28,367 秘境冒険物語などが評判を呼び 215 00:14:28,367 --> 00:14:32,133 「冒険少年」はたちまち 子供たちの人気者に 216 00:14:32,571 --> 00:14:36,809 戸田は日本正学館の経営に 心を配る一方— 217 00:14:36,809 --> 00:14:42,839 各地で弘教活動を推進するリーダーの 訓練・育成にも力を注いでいった 218 00:14:43,282 --> 00:14:50,188 新たに若手の人材も次々と台頭し 各所に妙法流布の旗が勢いよく翻った 219 00:14:50,389 --> 00:14:56,428 神奈川の鶴見 千葉の浦安 東京の蒲田をはじめ 220 00:14:56,428 --> 00:15:00,132 さらに遠く仙台にと 新進気鋭のリーダーたちが 221 00:15:00,132 --> 00:15:04,169 活発に広布弘教の活動を 展開していった 222 00:15:04,169 --> 00:15:07,172 学会にもたくさんの 人材が出てきたな 223 00:15:07,172 --> 00:15:11,644 これからはさらに若い優秀な人材が 出てくるだろうね 224 00:15:11,644 --> 00:15:13,345 そう思います 225 00:15:13,345 --> 00:15:17,716 山平君去年 蒲田の三川さんの ところで入会した山本君は 226 00:15:17,716 --> 00:15:19,585 最近元気にしているかね 227 00:15:19,585 --> 00:15:23,822 えっ あの即興詩を詠んだという 山本君のことですか? 228 00:15:23,822 --> 00:15:26,314 そうだよ 山本伸一君だよ 229 00:15:26,692 --> 00:15:30,629 はい 彼とは時々 座談会で会いますが 230 00:15:30,629 --> 00:15:33,332 どうも体の調子が悪そうなんです 231 00:15:33,332 --> 00:15:35,100 そうか 232 00:15:35,100 --> 00:15:38,468 あの青年のことは なぜか 忘れられない・・・ 233 00:15:39,238 --> 00:15:41,507 そのころ 山本伸一は 234 00:15:41,507 --> 00:15:46,278 中小企業の民間助成機関である 蒲田の城南工業会に 235 00:15:46,278 --> 00:15:49,148 事務員書記として勤めていた 236 00:15:49,148 --> 00:15:52,484 山本君 学校へ行く時間だよ! 237 00:15:52,484 --> 00:15:53,974 あはい 238 00:15:58,223 --> 00:15:59,816 じゃ すみませんが・・・ 239 00:16:00,159 --> 00:16:03,829 でも 山本君に来てもらって 良かったよ 240 00:16:03,829 --> 00:16:06,332 書類や伝票の整理もついて 241 00:16:06,332 --> 00:16:10,302 帳簿もきちんと付けてもらって 本当助かるよ 242 00:16:10,302 --> 00:16:14,830 いえそれほどには じゃお先に失礼します 243 00:16:16,575 --> 00:16:19,211 体のことを隠して よく頑張る 244 00:16:19,211 --> 00:16:23,375 彼が丈夫だったらなぁ 本当に惜しい 245 00:16:24,583 --> 00:16:27,820 知識を深めたいと 「もっと学問をしたい 246 00:16:27,820 --> 00:16:33,058 3月に東洋商業を卒業し 向学心旺盛な山本青年は 247 00:16:33,058 --> 00:16:37,096 4月に大世学院・政経科の 夜間部に入学すると 248 00:16:37,096 --> 00:16:39,497 せっせと授業に通った 249 00:16:39,698 --> 00:16:43,535 重い疲労に加えて 健康の不安を感じていたが 250 00:16:43,535 --> 00:16:47,062 学問をする喜びが それよりも勝っていたのである 251 00:16:47,206 --> 00:16:51,610 南無妙法蓮華経 ... 252 00:16:51,610 --> 00:16:56,571 山本青年は御本尊に 勤行・唱題することが日課となった 253 00:16:57,016 --> 00:17:03,649 そして 座談会の連絡があれば極力 日曜日に出席するようにしていた 254 00:17:04,757 --> 00:17:08,260 唱題には可能な限りの時間を 取って励んだ 255 00:17:08,260 --> 00:17:12,231 真剣に題目を上げるうちに 生命の躍動感を覚え 256 00:17:12,231 --> 00:17:14,400 体の気だるさも 胸のうっ血感も 257 00:17:14,400 --> 00:17:18,070 自然に消えていることに 不思議さを感じていた 258 00:17:18,070 --> 00:17:20,305 だが一方 心の奥で 259 00:17:20,305 --> 00:17:23,909 この信仰を持って 学会とともに 進んでゆくべきかどうか 260 00:17:23,909 --> 00:17:26,571 しゅんじゅん 逡巡していたのである 261 00:17:27,546 --> 00:17:33,110 戸田先生は素晴らしい方だ 僕は心から先生を尊敬している 262 00:17:33,385 --> 00:17:35,788 だが問題は自分に 263 00:17:35,788 --> 00:17:40,021 全生涯を創価学会に賭ける覚悟が あるかどうかだ 264 00:17:40,092 --> 00:17:44,396 賭けるとすれば 広宣流布という 目的が偉大なだけに 265 00:17:44,396 --> 00:17:49,732 将来 大変な苦労となるだろう やり通せるか 通せないか・・・ 266 00:17:50,135 --> 00:17:52,729 (ガラス戸をたたく音) 267 00:17:54,006 --> 00:17:54,973 やあ 268 00:17:55,340 --> 00:17:57,576 こんにちは お元気かしら? 269 00:17:57,576 --> 00:17:59,812 ええ まぁ どうぞ 上がってください 270 00:17:59,812 --> 00:18:03,248 山本君 お天気がいいから 外へ出ませんか? 271 00:18:06,485 --> 00:18:12,254 今第7期の法華経講義の 受講生を募っているんですよ 272 00:18:12,891 --> 00:18:15,794 山本君も参加してみませんか? 推薦しますよ 273 00:18:15,794 --> 00:18:19,098 それって 戸田先生が 講義するんでしょ? 274 00:18:19,098 --> 00:18:20,793 ええ そうよ 275 00:18:21,767 --> 00:18:25,032 先生の講義 また聞いてみたいな 276 00:18:26,238 --> 00:18:31,643 化学肥料産業の大手 昭和電工をめぐる大疑獄事件が発生し 277 00:18:31,643 --> 00:18:35,876 贈収賄容疑は 政・財・官界のすべてに及んだ 278 00:18:36,515 --> 00:18:40,018 日本をリードすべき トップクラスの政治家と役人が 279 00:18:40,018 --> 00:18:43,489 いかに腐敗・堕落していたかが 明らかになり 280 00:18:43,489 --> 00:18:46,925 戦後の民主政治に大きな期待を 寄せていた国民は 281 00:18:46,925 --> 00:18:50,361 駆られていた 憤まんやるかたない思いに 282 00:18:50,629 --> 00:18:54,066 内閣は総辞職し この事件がもとで 283 00:18:54,066 --> 00:18:58,731 さらに芦田元首相本人も 逮捕されることになる 284 00:19:01,874 --> 00:19:07,446 先生 一切の悪の根源は 誤った宗教にあると教わりましたが 285 00:19:07,446 --> 00:19:09,014 昭電事件のような― 286 00:19:09,014 --> 00:19:12,006 どうしたらいいでしょうか? 悪の根を断つには 287 00:19:13,485 --> 00:19:18,357 面白い質問です 今夜は みんなでこの問題を考えてみよう 288 00:19:18,357 --> 00:19:20,425 君たち どうしたらいいと 思うかね? 289 00:19:20,425 --> 00:19:23,862 戸田の法華経講義は9期まで 続けられたが 290 00:19:23,862 --> 00:19:27,856 この7期が最も参加者が多く 活気を呈していた 291 00:19:28,500 --> 00:19:32,671 この日は講義を早めに切り上げての 質問会となった 292 00:19:32,671 --> 00:19:34,366 吉川君はどう思う? 293 00:19:34,640 --> 00:19:39,211 はい やはり 広宣流布をするしか ないと思いますが 294 00:19:39,211 --> 00:19:42,374 ともかく 今度のことは あまりにも理不尽です 295 00:19:42,848 --> 00:19:45,050 国民をばかにしています 296 00:19:45,050 --> 00:19:50,386 こうした社会悪を根絶するために 今私たちは戦っているわけですが 297 00:19:50,856 --> 00:19:56,386 どうもあの「百年河清をまつ」に 等しいように思えてならないんです 298 00:19:56,995 --> 00:19:59,631 「百年河清をまつ」 299 00:19:59,631 --> 00:20:05,331 たとえ百年待っても 黄河の水は 清らかに澄むことはないということか 300 00:20:05,637 --> 00:20:09,073 さじ 吉川君 君は匙を投げたいのかね 301 00:20:10,042 --> 00:20:12,875 さじ 戸田は断じて 匙を投げません! 302 00:20:13,445 --> 00:20:16,982 金や物といった賄賂を こっそり贈ったり貰ったりして 303 00:20:16,982 --> 00:20:19,815 自分たちだけが得をしようとする 304 00:20:20,219 --> 00:20:24,890 こんな贈収賄のような社会悪は 人類社会が始まって以来—— 305 00:20:24,890 --> 00:20:27,985 ずっと数千年も続いてきたことだ 306 00:20:29,161 --> 00:20:32,798 これを何とか根絶しようと 心ある正義の士が 307 00:20:32,798 --> 00:20:36,635 道徳教育を施したり 法律的制裁を加えたり 308 00:20:36,635 --> 00:20:40,639 政 治の仕組みを改革するなど さらに社会の組織や 309 00:20:40,639 --> 00:20:43,506 努 力を重ねてきた あらゆる知恵を絞って 310 00:20:43,842 --> 00:20:48,507 だが結果は 今度の事件が示す通り さっぱり駄目だったわけだ 311 00:20:49,014 --> 00:20:52,507 昔も今も何も変わっちゃいない ということだ 312 00:20:54,720 --> 00:21:00,386 でもどうしてだろうね 何でうまくいかなかったんだろう? 313 00:21:00,792 --> 00:21:03,090 誰か分かるかね? 314 00:21:05,530 --> 00:21:07,862 お来ているな 315 00:21:09,301 --> 00:21:14,432 答えられる人は誰もいないようだな じゃ言おう 316 00:21:14,640 --> 00:21:19,144 それはだね 人間の欲というものは どこまでも際限がなく一 317 00:21:19,144 --> 00:21:22,705 どんどん深く 大きく広がっていく ということだよ 318 00:21:23,248 --> 00:21:27,276 物欲 権勢欲 支配欲 319 00:21:27,653 --> 00:21:31,490 そして同時に欲しいものを 手に入れるための悪知恵も 320 00:21:31,490 --> 00:21:34,357 ますます発達している ということだ 321 00:21:34,760 --> 00:21:39,097 しょせん 社会にしろ政治にしろ それを動かすのは人間だ 322 00:21:39,097 --> 00:21:41,733 だから 欲望に支配された人間が 323 00:21:41,733 --> 00:21:46,295 その中心に座ったとしたら どうなる? これは恐ろしいことだ 324 00:21:47,306 --> 00:21:51,810 社会が悪い 政治が悪いと 慨嘆するだけなら誰にでもできる 325 00:21:51,810 --> 00:21:53,612 我々はそうではない 326 00:21:53,612 --> 00:21:57,049 その悪をどう取り除き 改革していくかを 327 00:21:57,049 --> 00:21:59,518 常に考えていかなければならない 328 00:22:00,986 --> 00:22:02,754 そこで言いたいのは 329 00:22:02,754 --> 00:22:07,359 社会や政治の営みも そのもとはすべて人間の心 330 00:22:07,359 --> 00:22:11,396 生命から発するのであるならば まず人間それ自身が 331 00:22:11,396 --> 00:22:13,899 変わらなければならない ということだ 332 00:22:13,899 --> 00:22:16,501 欲望に引きずり回されるのではなく 333 00:22:16,501 --> 00:22:21,373 欲望をコントロールしていくことが できる自分になることだ 334 00:22:21,373 --> 00:22:23,075 民衆のために働き― 335 00:22:23,075 --> 00:22:26,778 奉仕する心を持てるように 自分を変えていくことだ 336 00:22:26,778 --> 00:22:29,381 生命の次元からの改革だよ 337 00:22:29,381 --> 00:22:33,618 境涯革命 人間革命だよ それができるんだよ 338 00:22:33,618 --> 00:22:39,955 日蓮大聖人の大生命哲学によって 初めて可能になるんだよ 339 00:22:41,660 --> 00:22:47,032 今この日本で政治革命 社会革命が 必要だと叫ぶ人がいる 340 00:22:47,032 --> 00:22:51,470 ロシア革命― だがね フランス革命や 341 00:22:51,470 --> 00:22:54,473 大改革にしろ― 日本の明治維新の 342 00:22:54,473 --> 00:22:58,777 尊い人命を犠牲にした 武力によって 幾百万もの ― 343 00:22:58,777 --> 00:23:01,246 流血革命ではないですか 344 00:23:01,780 --> 00:23:05,150 我々は今 宗教革命を目指している 345 00:23:05,150 --> 00:23:09,955 それはあくまでも仏法に説く 生命の尊厳を第一とする― 346 00:23:09,955 --> 00:23:14,688 言論と対話による無血革命であり 平和革命なのです 347 00:23:15,327 --> 00:23:19,898 その宗教革命の基盤となるのが 人間革命なんだよ 348 00:23:19,898 --> 00:23:22,567 一人の人間における生命の変革 349 00:23:22,567 --> 00:23:26,936 すなわちここにいる君たち 一人一人の人間革命なんだよ 350 00:23:27,172 --> 00:23:31,268 それが根本であり そこからすべてが始まるんです 351 00:23:31,877 --> 00:23:36,212 一人一人の人間革命… そうか! 352 00:23:36,982 --> 00:23:42,254 もう何も迷うことはない 戸田先生即創価学会だ 353 00:23:42,254 --> 00:23:46,191 先生について真っすぐに どこまでも進んでいこう 354 00:23:47,025 --> 00:23:50,325 僕自身の人間革命のために・・・ 355 00:23:50,929 --> 00:23:55,799 この夜 山本伸一は 日記に次のように書き記した 356 00:24:36,508 --> 00:24:41,313 山本伸一はまだ名もない 一青年部員にすぎず― 357 00:24:41,313 --> 00:24:46,376 入会を決意した去年の夏以来 戸田と直接話す機会はなかった 358 00:24:46,518 --> 00:24:51,389 だが 戸田の志は そのまま 山本伸一の心の底で 359 00:24:51,389 --> 00:24:53,949 育ち始めていたのである 360 00:24:57,195 --> 00:24:58,526 あ! 361 00:25:00,632 --> 00:25:03,034 今は体の具合 どうなの? 362 00:25:03,034 --> 00:25:07,539 たまにうっ血感があるくらいで このところ調子いいです 363 00:25:07,539 --> 00:25:11,407 前と違って 仕事も随分楽ですから 364 00:25:11,843 --> 00:25:14,880 そりゃあ良かった あのこの前——— 365 00:25:14,880 --> 00:25:18,650 雑誌の編集者を探してるって話 君にちょっとしたけど 366 00:25:18,650 --> 00:25:22,487 実はあれ 戸田先生の 日本正学館のことなんだよ 367 00:25:22,487 --> 00:25:25,320 え! 戸田先生のところ? 368 00:25:26,091 --> 00:25:32,656 そう 先生が「履歴書を書いて一度 面接に来るように」とどうだい? 369 00:25:32,864 --> 00:25:37,502 分かりました 戸田先生の意に かなうかどうか分かりませんが 370 00:25:37,502 --> 00:25:40,563 面接だけは 受けてみたいと思います 371 00:25:42,841 --> 00:25:48,179 医者から「26歳まで持たないだろう」と いわれた僕の命 372 00:25:48,179 --> 00:25:54,607 この先 そう長くないかもしれない 御本尊様 短くてもいいのです 373 00:25:54,753 --> 00:26:00,419 どうか私に人間として 最高の人生を歩ませてください 374 00:26:03,695 --> 00:26:06,498 翌日 法華経講義が終わって 375 00:26:06,498 --> 00:26:08,567 ご苦労さまでした 376 00:26:08,567 --> 00:26:10,797 ありがとうございました お疲れさま! 377 00:26:11,036 --> 00:26:13,371 じゃ しっかり頑張るんだよ 378 00:26:13,371 --> 00:26:15,707 はい ありがとうございます 379 00:26:15,707 --> 00:26:16,675 先生 380 00:26:16,675 --> 00:26:19,474 (戸田) おう! (山平) 山本君です 381 00:26:22,047 --> 00:26:25,083 山本伸一です よろしくお願いします! 382 00:26:25,083 --> 00:26:27,609 (戸田) そこに座りなさい (山本) はい 383 00:26:39,731 --> 00:26:41,633 どうだ 頑張るか 384 00:26:41,633 --> 00:26:43,624 はい お願い致します! 385 00:26:47,339 --> 00:26:50,434 とうとうルビコンを 渡ってしまった 386 00:26:50,909 --> 00:26:55,938 でも自分には 一生を賭けて 悔いない覚悟はできている! 387 00:26:56,247 --> 00:26:59,951 それはまさに 一瞬の気合であった 388 00:26:59,951 --> 00:27:02,988 「さいは投げられた」と叫んで ルビコン川を渡って 389 00:27:02,988 --> 00:27:06,024 ローマを平定した シーザーのように 390 00:27:06,024 --> 00:27:09,594 山本伸一も この運命的な瞬間を超えて 391 00:27:09,594 --> 00:27:13,553 自分の人生のすべての行く末を 決定したのである 392 00:27:15,100 --> 00:27:20,539 20歳か 私が牧口先生に 初めてお会いした時と同じ歳だ 393 00:27:20,905 --> 00:27:26,810 この青年に会うと いつも 牧口先生のことをまざまざと思い出す 394 00:27:27,112 --> 00:27:28,773 不思議だ・・・ 395 00:27:28,947 --> 00:27:34,181 牧口先生の遺業を共に分かつ使命を 担っているのだろうか・・・ 396 00:27:34,719 --> 00:27:39,247 今いるところを円満に退職して 私のところに来なさい 397 00:27:39,991 --> 00:27:41,322 はい! 398 00:27:45,130 --> 00:27:49,334 終戦後 人々は四度目の年の瀬を 迎えていたが 399 00:27:49,334 --> 00:27:52,671 占領軍の重圧のもとにあって 国民はなお一 400 00:27:52,671 --> 00:27:56,539 窮乏生活を耐え忍ばなければ ならなかったのである 401 00:28:01,746 --> 00:28:06,685 戦い切ったこの一年を振り返って 戸田には何の悔いもなかった 402 00:28:06,685 --> 00:28:09,387 彼はつかの間の安らぎのなかで 403 00:28:09,387 --> 00:28:12,880 次の新しい年へのスタートを 期していたのである 404 00:28:13,091 --> 00:28:15,822 そして同じころ・・・ 405 00:28:17,295 --> 00:28:21,027 今年も今日で終わりだ いろいろあった 406 00:28:21,766 --> 00:28:26,966 来年はいよいよ戸田先生のもとで 働くことになる 頑張らねば! 407 00:28:27,472 --> 00:28:32,911 明けて4年 昭和24年 1月3日 408 00:28:33,411 --> 00:28:36,278 さあ 今日から初出勤だ 409 00:28:36,715 --> 00:28:41,453 戸田先生のもとで生涯を賭けて 悔いない仕事をさせていただこう 410 00:28:41,453 --> 00:28:46,254 そのためにも いつ倒れてもいい といえるような毎日にしなくては・・・ 411 00:28:48,059 --> 00:28:50,494 dv + 3 * z! 412 00:28:50,929 --> 00:28:54,966 ・・・それから 今日から諸君とともに 仕事をすることになった― 413 00:28:54,966 --> 00:28:57,367 山本君を紹介しよう 414 00:28:57,569 --> 00:28:59,003 山本君 ここへ 415 00:28:59,204 --> 00:29:00,694 はい 416 00:29:02,140 --> 00:29:05,877 山本君には「冒険少年」の編集に 携わってもらう 417 00:29:05,877 --> 00:29:09,748 佐藤君 よく面倒を 見てやってくれ いいね 418 00:29:09,748 --> 00:29:10,510 はい 419 00:29:10,849 --> 00:29:13,875 では山本君 自己紹介を 420 00:29:14,452 --> 00:29:15,510 おはようございます 421 00:29:16,688 --> 00:29:21,819 本日から皆さんと一緒に 仕事をさせていただく山本伸一です 422 00:29:21,993 --> 00:29:26,865 雑誌の編集については 何の経験もなく不安でいっぱいです 423 00:29:26,865 --> 00:29:28,900 皆さんに教えていただきながら 424 00:29:28,900 --> 00:29:34,031 とにかく一生懸命に頑張りますので どうかよろしくお願いします! 425 00:29:39,477 --> 00:29:44,649 こうして山本伸一は 21歳の誕生日を迎えた翌日から 426 00:29:44,649 --> 00:29:47,719 公私共に人生のすべてを賭けて 427 00:29:47,719 --> 00:29:53,180 戸田城聖と一体となって 広宣流布への 道を突き進んでいくことになる 428 00:29:53,725 --> 00:29:58,561 前途に立ちはだかるであろう 一切の苦難を背負って・・・ 429 00:30:49,780 --> 00:30:50,110