1 00:00:02,002 --> 00:00:05,172 <大和暦 60年 春。 その身をていし➨ 2 00:00:05,172 --> 00:00:09,176 一夜 福井の民を守った 龍門光英は 深手を負い➨ 3 00:00:09,176 --> 00:00:13,514 更には 賀来泰明さえも 急病に倒れる。 4 00:00:13,514 --> 00:00:16,683 一方 九頭竜川での 敵前逃亡によって➨ 5 00:00:16,683 --> 00:00:19,686 その威光を失った 輪島桜虎は➨ 6 00:00:19,686 --> 00:00:24,191 すべての責を負った 閉伊弥々吉を法に基づき 処断。 7 00:00:24,191 --> 00:00:27,861 威光回復を果たし 再び 立ち上がった。 8 00:00:27,861 --> 00:00:31,865 この危機的状況を打開するため 龍門と賀来は➨ 9 00:00:31,865 --> 00:00:35,669 1人の若者に ある策を託していた> 10 00:02:13,834 --> 00:02:16,003 <閉伊弥々吉の処刑後➨ 11 00:02:16,003 --> 00:02:20,173 輪島桜虎は 正された法の厳守を進めた。 12 00:02:20,173 --> 00:02:25,679 また 権力の集中していた 体制を見直し 軍議を導入。 13 00:02:25,679 --> 00:02:30,183 軍幹部らを招集し 大和軍を撃滅すべく➨ 14 00:02:30,183 --> 00:02:32,519 ある大計を案じた> 15 00:02:32,519 --> 00:02:35,122 (桜虎)作戦名は…。 16 00:02:38,025 --> 00:02:43,196 (日比)うむ。 明朝 我々 第1師団は たち➨ 17 00:02:43,196 --> 00:02:45,198 福井 嶺北城を包囲。 18 00:02:45,198 --> 00:02:47,534 龍門軍の攻略を 開始します。 19 00:02:47,534 --> 00:02:50,871 その間 総帥率いる 5万の主力部隊で➨ 20 00:02:50,871 --> 00:02:54,207 大聖寺にて 孤立した 長嶺軍を撃破。 21 00:02:54,207 --> 00:02:56,209 (弥輔)もちろん そうなれば➨ 22 00:02:56,209 --> 00:02:58,712 大和から 援軍が来ることは 確実かと。 23 00:02:58,712 --> 00:03:01,481 その数 少なく見積もっても➨ 24 00:03:01,481 --> 00:03:03,817 10万超。 25 00:03:03,817 --> 00:03:05,819 ですが これが 本命。 26 00:03:05,819 --> 00:03:10,157 我々は 町を焼き払いながら 民とともに後退。 27 00:03:10,157 --> 00:03:13,326 大和軍を 首都 聖籠まで おびき寄せます。 28 00:03:13,326 --> 00:03:16,830 そこで やつらは 知ることになるでしょう。 29 00:03:16,830 --> 00:03:20,500 何より厳しい 北陸の寒さを。 30 00:03:20,500 --> 00:03:25,005 そして 聖籠は 四方を険しい 自然に囲まれた 要塞地帯で➨ 31 00:03:25,005 --> 00:03:29,009 その地に 足を踏み入れれば 逃げ場はありません。 32 00:03:29,009 --> 00:03:31,845 長距離行軍で 食糧は 底を突き➨ 33 00:03:31,845 --> 00:03:34,514 士気も失い 進退に窮したところで➨ 34 00:03:34,514 --> 00:03:38,185 反撃に転じて 大和軍を壊滅させます。 35 00:03:38,185 --> 00:03:41,354 (幹部たち)んっ! (幹部たち)んっ! 私は 以前➨ 36 00:03:41,354 --> 00:03:44,691 大和人に 決して屈しないと 皆に 言っておきながら➨ 37 00:03:44,691 --> 00:03:49,696 曖昧な根拠に基づき 敵前撤退をしました。 38 00:03:49,696 --> 00:03:54,034 だが 今度こそ 私は 迷わない。 39 00:03:54,034 --> 00:03:58,205 今度こそ 私が 誰よりも先に この命をなげうつ。 40 00:03:58,205 --> 00:04:00,974 民のため 国のため。 41 00:04:00,974 --> 00:04:02,976 共に 突き進みましょう! 42 00:04:02,976 --> 00:04:05,579 (聖夷兵たち)お~! 43 00:04:08,148 --> 00:04:10,150 ⚟お待ちください! 44 00:04:10,150 --> 00:04:12,152 ⚟お体に障りますゆえ どうか…。 (ノック) 45 00:04:12,152 --> 00:04:15,155 (加田)どうぞ。 (龍門)加田先生…。 46 00:04:15,155 --> 00:04:18,158 失礼します。 47 00:04:18,158 --> 00:04:21,495 んっ? ん~…。 48 00:04:21,495 --> 00:04:24,498 こらこら! 龍門はん 何してん。 49 00:04:24,498 --> 00:04:28,668 もう~ あれだけ 安静にせなあかんて言うたやろ。 50 00:04:28,668 --> 00:04:31,505 無理に動いて 悪化したら どないすんねや。 51 00:04:31,505 --> 00:04:35,342 賀来の… 賀来の容態を 見るだけです。 52 00:04:35,342 --> 00:04:38,178 加田先生 頼む。 53 00:04:38,178 --> 00:04:43,083 ハァ… ここまで来て 追い返してもしゃあないやろ。 54 00:04:45,018 --> 00:04:48,522 (賀来)うっ… うっ… うっ… うぅ…。 55 00:04:48,522 --> 00:04:51,691 あっ… ああ…。 56 00:04:51,691 --> 00:04:55,028 賀来よ… なんで 急に…。 57 00:04:55,028 --> 00:04:57,864 (加田)原因は 恐らく これや。 ああ…。 58 00:04:57,864 --> 00:05:03,637 (加田)抗ウイルス薬 抗不整脈薬に 降圧薬 その他 もろもろ。 59 00:05:03,637 --> 00:05:06,640 賀来はんの軍服から 出てきたもんや。 60 00:05:06,640 --> 00:05:09,976 ハァ… どんな 闇医者から 手に入れたんか➨ 61 00:05:09,976 --> 00:05:13,647 どれも これも 規定値を超えた ごっつい薬ばっかり。 62 00:05:13,647 --> 00:05:18,318 思うに 賀来はんは もともと 複数の重病を患ってて➨ 63 00:05:18,318 --> 00:05:23,490 薬の相互作用と 遠征による 環境的要因が 絡んだ結果➨ 64 00:05:23,490 --> 00:05:27,160 呼吸障害を起こした可能性が 非常に高い。 65 00:05:27,160 --> 00:05:29,663 こんな状況やと 知ってたら➨ 66 00:05:29,663 --> 00:05:33,333 私は 彼の従軍を なんとしても 止めたやろう。 67 00:05:33,333 --> 00:05:35,335 加田先生。 68 00:05:35,335 --> 00:05:39,339 賀来に回復の見込みは? もちろん ある。 69 00:05:39,339 --> 00:05:42,342 確かに ごっつええ状態とは 言えんが➨ 70 00:05:42,342 --> 00:05:44,511 医者として 最善は 尽くした。 71 00:05:44,511 --> 00:05:48,014 あとは 賀来はんが 目覚めるのを待つんや。 72 00:05:48,014 --> 00:05:52,185 そうか…。 ったく 辛気くさい顔すんなって。 73 00:05:52,185 --> 00:05:54,688 しゃきっとせえ! しゃきっと! 74 00:05:54,688 --> 00:05:57,023 加田先生。 75 00:05:57,023 --> 00:06:01,127 ほんま 頼りになるな。 よう言うた! 76 00:06:03,129 --> 00:06:06,132 戦局は 極めて 憂慮すべき状況にある。 77 00:06:06,132 --> 00:06:11,304 この戦を制し 太平の世に 一歩 近づくためには 賀来➨ 78 00:06:11,304 --> 00:06:15,141 お前がおらな あかんねん。 あっ… ああ…。 79 00:06:15,141 --> 00:06:19,479 (龍門)生きよ。 生きて 彼に託した策を➨ 80 00:06:19,479 --> 00:06:23,283 天下の行く末を その目で 見届けよ。 81 00:06:28,154 --> 00:06:30,657 このような夜中に 何用で? 82 00:06:30,657 --> 00:06:33,159 (青輝)わし… いや 私は➨ 83 00:06:33,159 --> 00:06:36,663 辺境将軍隊 監事 三角青輝と 申す者。 84 00:06:36,663 --> 00:06:39,499 大和帝陛下に 拝謁したい。 85 00:06:39,499 --> 00:06:42,168 陛下は すでに お休みになってはられます。 86 00:06:42,168 --> 00:06:44,337 お引き取りを。 いや…。 87 00:06:44,337 --> 00:06:48,008 先ほど 戦線より急報が入り 辺境将軍府より➨ 88 00:06:48,008 --> 00:06:51,011 こたびの戦に関する 御用で 参った次第。 89 00:06:51,011 --> 00:06:53,847 あの… いま一度 申し上げますが➨ 90 00:06:53,847 --> 00:06:57,017 陛下は すでに お休みになってはられます。 91 00:06:57,017 --> 00:07:00,120 お引き取りを。 ただの御用ではない。 92 00:07:00,120 --> 00:07:03,456 辺境将軍府より 福井への援軍の件で 参ったと➨ 93 00:07:03,456 --> 00:07:05,458 お取り次ぎを。 94 00:07:07,460 --> 00:07:10,130 三角監事でしたか? ええ。 95 00:07:10,130 --> 00:07:13,133 何か 勘違いされてはる みたいですが➨ 96 00:07:13,133 --> 00:07:16,636 そもそも あなたのような ごみ… 失敬。 97 00:07:16,636 --> 00:07:20,807 あなたのご身分では 陛下への 拝謁は 無理にございます。 98 00:07:20,807 --> 00:07:24,144 あ~… そうか そうか。 99 00:07:24,144 --> 00:07:28,481 平民上がりの多い 辺境将軍隊には わからへんか。 100 00:07:28,481 --> 00:07:30,483 (笑い声) 101 00:07:30,483 --> 00:07:33,653 それに 援軍の件でしたか? 102 00:07:33,653 --> 00:07:36,823 聖夷が 侵攻を開始したのは 5日前。 103 00:07:36,823 --> 00:07:39,326 そんなことであれば すでに 大臣を通して➨ 104 00:07:39,326 --> 00:07:43,330 陛下も お聞きになって いらっしゃるので ご心配なく。 105 00:07:43,330 --> 00:07:46,100 まっ せやけど どうしてもと 言うんでしたら➨ 106 00:07:46,100 --> 00:07:49,502 私が 陛下に 奏書をご覧に入れるよう➨ 107 00:07:49,502 --> 00:07:52,005 取り計らっても よろしいですよ。 108 00:07:52,005 --> 00:07:55,108 まっ それ相応の対価は 頂きますが。 109 00:07:57,510 --> 00:07:59,679 守衛殿… わし…。 110 00:07:59,679 --> 00:08:02,949 いや 私のような 愚拙な者のために➨ 111 00:08:02,949 --> 00:08:05,452 思いもかけねえ ご厚意に 感謝する。 112 00:08:05,452 --> 00:08:09,456 三角監事は 物分かりのええ お方や。 113 00:08:09,456 --> 00:08:12,625 ほな 奏書1通に対して まあ 大体…。 114 00:08:12,625 --> 00:08:14,627 しかしながら…。 えっ? あっ…。 115 00:08:14,627 --> 00:08:17,630 大臣らからの 援軍要請の話はあれど…。 あっ。 116 00:08:17,630 --> 00:08:20,467 辺境将軍隊からは まだ ないはず。 117 00:08:20,467 --> 00:08:22,469 で… あれば 大和帝陛下に➨ 118 00:08:22,469 --> 00:08:25,472 お取り次ぎしていただくのが 賢明な判断かと。 119 00:08:25,472 --> 00:08:27,474 うっ… うぅ…。 120 00:08:27,474 --> 00:08:32,312 あ~ あ~ 物分かりの悪い お方や。 121 00:08:32,312 --> 00:08:36,149 この者を捕らえよ! (守衛官たち)んっ! 122 00:08:36,149 --> 00:08:40,987 奏書を預けたら 済むもんを 執ように 拝謁を求めるとは…。 123 00:08:40,987 --> 00:08:43,656 すでに お休みになられてはる 陛下を➨ 124 00:08:43,656 --> 00:08:46,659 自分のために 呼んでこい 言うてるようなもんでは? 125 00:08:46,659 --> 00:08:50,497 そもそも こんな真夜中に 貴族でも高官でもない あなたが➨ 126 00:08:50,497 --> 00:08:53,833 陛下に 拝謁を求めること自体 極めて 不敬な行為。 127 00:08:53,833 --> 00:08:56,836 私は あの 平内務卿より 不敬な者がおれば➨ 128 00:08:56,836 --> 00:08:59,005 処断してええと 仰せつかっとる 身分。 129 00:08:59,005 --> 00:09:03,109 あなたを不敬罪とし 断罪いたすが 異論はないな? 130 00:09:03,109 --> 00:09:05,779 異論ないです。 なっ… えっ? 131 00:09:05,779 --> 00:09:08,948 異論はないです。 前提として➨ 132 00:09:08,948 --> 00:09:12,285 私が ほんまに 不敬罪に 値するんならですが。 133 00:09:12,285 --> 00:09:15,288 はっ? まず 最初に申したとおり➨ 134 00:09:15,288 --> 00:09:19,292 わしは 辺境将軍隊 監事として ここに 参った次第。 135 00:09:19,292 --> 00:09:21,294 決して わし自身のために➨ 136 00:09:21,294 --> 00:09:24,798 陛下をお呼びしてくれなどと 申しておるわけではありません。 137 00:09:24,798 --> 00:09:28,134 そして 戦争は 国の命運を決する大事。 138 00:09:28,134 --> 00:09:31,471 その選択は くれぐれも 明察せななりません。 139 00:09:31,471 --> 00:09:33,473 まさか 守衛殿は➨ 140 00:09:33,473 --> 00:09:36,810 目下の戦争に関わる急用と 一夜のお休み。 141 00:09:36,810 --> 00:09:39,312 陛下が この2つを てんびんにかけた際➨ 142 00:09:39,312 --> 00:09:42,148 後者を選択するような お方だとでも? なっ…。 143 00:09:42,148 --> 00:09:44,150 そもそも 援軍の件が➨ 144 00:09:44,150 --> 00:09:46,486 陛下のお耳に 入っているというのであれば➨ 145 00:09:46,486 --> 00:09:49,656 何故 陛下は 援軍を送ろうとなさらないのか。 146 00:09:49,656 --> 00:09:51,991 軍事をつかさどる 辺境将軍隊からの➨ 147 00:09:51,991 --> 00:09:54,661 援軍要請こそが 肝要じゃと➨ 148 00:09:54,661 --> 00:09:56,830 お考えになられとるからでは? あっ…。 149 00:09:56,830 --> 00:09:59,999 それに 奏書の管轄は 司宮府であり➨ 150 00:09:59,999 --> 00:10:02,836 守衛に金を渡して 奏書を預けるなどという話は➨ 151 00:10:02,836 --> 00:10:04,838 聞いたことがねえ。 152 00:10:04,838 --> 00:10:07,006 仮に 守衛殿に 奏書を預けたとしても➨ 153 00:10:07,006 --> 00:10:09,342 すでに 陛下は お休みなのであれば➨ 154 00:10:09,342 --> 00:10:12,512 奏書をご覧になるのは 早くて あしたの朝議ごろ。 155 00:10:12,512 --> 00:10:16,516 もし そのとき 取り返しの つかねえ事態に 発展したら➨ 156 00:10:16,516 --> 00:10:21,855 わしと守衛殿 どちらが 不敬罪に値するか 明白でしょう。 157 00:10:21,855 --> 00:10:24,858 ぐっ… かっ… きき…。 158 00:10:24,858 --> 00:10:27,360 (殿器)あっ うん。 それまでや。 159 00:10:27,360 --> 00:10:29,362 あっ…。 160 00:10:31,531 --> 00:10:34,634 納刀 納刀。 2秒以内や。 161 00:10:36,703 --> 00:10:39,205 (守衛官たち)内務卿に ご挨拶を。 162 00:10:39,205 --> 00:10:42,041 (殿器)あっ うん。 ご苦労さん。 163 00:10:42,041 --> 00:10:46,713 彼は 皇城を守備する重職ゆえ 常日頃から 気が立っててな。 164 00:10:46,713 --> 00:10:48,882 すまんかった。 165 00:10:48,882 --> 00:10:51,050 とんでもないことでございます。 166 00:10:51,050 --> 00:10:54,220 守衛殿は おのが職を 全うしたまで。 167 00:10:54,220 --> 00:10:57,223 せやけど よう遠くまで 聞こえてたが➨ 168 00:10:57,223 --> 00:10:59,392 ごっつ おもろい論陣やった。 169 00:10:59,392 --> 00:11:04,163 君が かの農政改定案を 立案したという 三角監事か。 170 00:11:04,163 --> 00:11:08,168 ご承知おきくださり 望外の喜びにございます。 171 00:11:08,168 --> 00:11:12,505 あっ うん。 君のことは よう覚えとる。 172 00:11:12,505 --> 00:11:15,508 愛媛の末端司農官から 僅かな年月で➨ 173 00:11:15,508 --> 00:11:18,811 よう ここまで 立身出世したもんやわ。 174 00:11:20,847 --> 00:11:24,017 大体 3年ぶりやんな? 175 00:11:24,017 --> 00:11:26,853 妻の命日から 数えて➨ 176 00:11:26,853 --> 00:11:30,023 本日で 3年と3か月にございます。 177 00:11:30,023 --> 00:11:32,358 まっ うん。 それは そうと➨ 178 00:11:32,358 --> 00:11:35,361 ちょうど 私も 戦線からの急報を受け➨ 179 00:11:35,361 --> 00:11:38,531 援軍の件で 拝謁するところでな。 180 00:11:38,531 --> 00:11:42,702 辺境将軍隊からの 援軍要請こそが 肝心。 181 00:11:42,702 --> 00:11:45,872 君は それを深く 理解しとるようや。 182 00:11:45,872 --> 00:11:48,875 共に 参るか? 三角監事。 183 00:11:48,875 --> 00:11:51,544 ぜひ。 あっ うん。 184 00:11:51,544 --> 00:11:54,881 返事が早い子は 好きやで。 185 00:11:54,881 --> 00:11:58,051 ほな 幸羽っち。 2秒以内や。 186 00:11:58,051 --> 00:12:00,987 えっ? はにゃ…。 187 00:12:00,987 --> 00:12:04,490 (殿器)目下の戦に関わる急用で 参った者を➨ 188 00:12:04,490 --> 00:12:07,327 私の名を使うて 断罪しようとするとは➨ 189 00:12:07,327 --> 00:12:09,662 不愉快 極まりない。 190 00:12:09,662 --> 00:12:12,332 私を嫌な気持ちにさせた。 191 00:12:12,332 --> 00:12:16,836 彼の罪状は 君の妻と同じや。 192 00:12:16,836 --> 00:12:21,007 ほな 三角監事を 正殿 休処へ お連れせえ。 193 00:12:21,007 --> 00:12:23,009 はっ! 194 00:12:26,012 --> 00:12:29,682 ⸨殿器:今から 渡しに行かせよ 思っててん。 195 00:12:29,682 --> 00:12:34,187 兄ちゃんの嫁はんの首⸩ 196 00:12:38,858 --> 00:12:41,527 ⚟三角監事は 参殿せよ。 197 00:12:41,527 --> 00:12:45,031 ⚟三角監事は 参殿せよとの仰せや。 198 00:12:45,031 --> 00:13:04,984 ♬~ 199 00:13:04,984 --> 00:13:13,159 ♬~ 200 00:13:13,159 --> 00:13:19,866 辺境将軍隊 監事 三角青輝が 大和帝陛下に拝謁いたします。 201 00:13:27,674 --> 00:13:29,676 《芳経:三角青輝。 202 00:13:29,676 --> 00:13:35,014 君ごときに みかどへの拝謁が かなうと ガチで思てんのか? 203 00:13:35,014 --> 00:13:37,183 バリ 痛いやつやん。 204 00:13:37,183 --> 00:13:41,854 急報によれば 龍門辺境将軍は 聖夷軍の坂井侵攻を受け➨ 205 00:13:41,854 --> 00:13:44,857 籠城する構えを整えてはるとか…。 206 00:13:44,857 --> 00:13:46,859 あの人の性分からして➨ 207 00:13:46,859 --> 00:13:50,530 その目的は 恐らく みかどへの援軍要請。 208 00:13:50,530 --> 00:13:52,865 せやけど みかどに 援軍を要請したら➨ 209 00:13:52,865 --> 00:13:55,868 十中八九 あの男が出てくる。 210 00:13:55,868 --> 00:14:01,808 平殿器が 軍権を掌握すれば 龍門辺境将軍の命が危ない。 211 00:14:01,808 --> 00:14:04,977 賀来軍師は こうなる前途を危惧し➨ 212 00:14:04,977 --> 00:14:08,981 事前に 彼に何か策を 託してはったんでしょうけど➨ 213 00:14:08,981 --> 00:14:11,984 これは さすがに 采配ミスちゃいますか? 214 00:14:11,984 --> 00:14:14,153 運よく 拝謁できたとしても➨ 215 00:14:14,153 --> 00:14:19,492 三角青輝ごときに みかどを動かすだけの力はない。 216 00:14:19,492 --> 00:14:23,329 今回ばかりは 君の思いどおりにはいかへんで》 217 00:14:23,329 --> 00:14:25,665 入れ。 (ノック) 218 00:14:25,665 --> 00:14:31,003 んっ… 阿佐馬武庫令補佐 伝馬の準備が整いました。 219 00:14:31,003 --> 00:14:35,842 福井への最短ルートのご説明は 食糧をご用意してから 後ほど…。 220 00:14:35,842 --> 00:14:39,178 んっ? 食糧 あれ… じぶ…。 221 00:14:39,178 --> 00:14:41,848 なっ… えっ? 時短のためや。 222 00:14:41,848 --> 00:14:45,184 ここは ええから 備品に 抜かりないか チェックしといてくれ。 223 00:14:45,184 --> 00:14:48,688 ああ… 了… はっ! ちっ… ちなみに➨ 224 00:14:48,688 --> 00:14:52,024 今夜 床入りをご予定されていた 方々に ついては…。 225 00:14:52,024 --> 00:14:55,027 ああ すまんが リスケしといてくれ。 226 00:14:55,027 --> 00:14:58,364 私を満足させられる 数少ない子らや。 227 00:14:58,364 --> 00:15:01,067 丁重に 頼むで。 はっ! 228 00:15:03,803 --> 00:15:07,473 《はっ? ちょ… 待て 私。 229 00:15:07,473 --> 00:15:11,811 今さっき 私 彼に拝謁は 無理やとか言うてたやん。 230 00:15:11,811 --> 00:15:14,480 ほな なんで 私 世話になってる嬢たちとの➨ 231 00:15:14,480 --> 00:15:16,816 逢瀬をばらしてまで 君に言われたとおり➨ 232 00:15:16,816 --> 00:15:19,485 バリバリ 福井へ行く支度してんねん。 233 00:15:19,485 --> 00:15:23,990 まさか 私 彼が拝謁を 成し遂げてくると 信じてる? 234 00:15:23,990 --> 00:15:26,993 ちゃうちゃうちゃう ちゃうねん! そんなわけあるかい。 235 00:15:26,993 --> 00:15:29,495 私は 阿佐馬宗家の嫡子やで。 236 00:15:29,495 --> 00:15:32,665 芋くさい田舎者の 七三地味男が みかどに拝謁し➨ 237 00:15:32,665 --> 00:15:34,667 その上で みかどを動かせるなどと➨ 238 00:15:34,667 --> 00:15:36,836 信じてるわけがない! 239 00:15:36,836 --> 00:15:39,138 絶対にない》 240 00:15:41,841 --> 00:15:44,177 んっ…。 (骨の鳴る音) 241 00:15:44,177 --> 00:15:49,515 《まあ ええわ… 君は 私を信じ 急使の任を託した。 242 00:15:49,515 --> 00:15:53,519 ほな 私も ダッサい逆張りせんと 君を信じたるわ。 243 00:15:53,519 --> 00:15:57,190 私 君より大人やし 器量あるしな。 244 00:15:57,190 --> 00:15:59,358 抜かりないよう がっつり支度して➨ 245 00:15:59,358 --> 00:16:02,628 君が戻ってくるのを 待っといてやるからな。 246 00:16:02,628 --> 00:16:05,298 この私が 信じてあげてんねん。 247 00:16:05,298 --> 00:16:10,303 賀来軍師から 託された務めを ちゃんと 果たしてこい》 248 00:16:12,305 --> 00:16:14,307 (藤3世)ああ…。 249 00:16:14,307 --> 00:16:19,145 あっ うん。 始めよか。 30分以内や。 250 00:16:19,145 --> 00:16:22,481 ハッ… あっ すっ… すまん 内務卿。 251 00:16:22,481 --> 00:16:26,986 さて 陛下。 三角監事は 元司農官としての知識を生かし➨ 252 00:16:26,986 --> 00:16:31,324 農政改定案を立案した 先見の明ある人物です。 253 00:16:31,324 --> 00:16:35,661 彼の献策なくば 大聖寺にて 孤立した我が軍は おろか➨ 254 00:16:35,661 --> 00:16:38,331 保護した民にまで 食糧が 行き届かず➨ 255 00:16:38,331 --> 00:16:41,667 戦線は もっと悲惨な結果に なっていたでしょう。 256 00:16:41,667 --> 00:16:44,504 えっ へぇ~。 すごいやん 自分。 257 00:16:44,504 --> 00:16:46,505 恐れ多いことです。 258 00:16:46,505 --> 00:16:50,843 龍門辺境将軍に 私の愚説を 採用していただけたからこそ。 259 00:16:50,843 --> 00:16:54,514 いや うん。 ただの事実に 謙遜は いらへん。 260 00:16:54,514 --> 00:16:58,851 しかし 陛下。 三角監事の功績をもってしても➨ 261 00:16:58,851 --> 00:17:01,454 我が軍は 切迫した状況にあります。 262 00:17:01,454 --> 00:17:04,457 あっ そうなん? (殿器)目下 戦線では➨ 263 00:17:04,457 --> 00:17:07,960 聖夷の侵略を許し 多くの将兵が殺され➨ 264 00:17:07,960 --> 00:17:09,962 女性や 少年 少女らも➨ 265 00:17:09,962 --> 00:17:12,965 ごうかん 虐殺の被害に 遭っているとのこと。 266 00:17:12,965 --> 00:17:15,968 私事を申せば 我が愚息➨ 267 00:17:15,968 --> 00:17:19,972 殿継も 夷人に銃撃され 重傷を負ったと聞きます。 268 00:17:19,972 --> 00:17:23,643 私も 私の妻も 愚息のことを思うと➨ 269 00:17:23,643 --> 00:17:26,812 胸が引き裂かれる思いであります。 270 00:17:26,812 --> 00:17:28,814 なんちゅう 非道なやつらか。 271 00:17:28,814 --> 00:17:31,484 北地に住んでた 彼らの ご先祖様も➨ 272 00:17:31,484 --> 00:17:34,987 泣いてはられることでしょう。 273 00:17:34,987 --> 00:17:36,989 あっ…。 274 00:17:36,989 --> 00:17:38,991 では…。 ひぃ! 275 00:17:38,991 --> 00:17:43,996 果たして 聖夷の暴挙を許したのは 誰の責任でしょうか? 276 00:17:43,996 --> 00:17:46,999 《えっ? まさか… 朕?》 277 00:17:46,999 --> 00:17:49,502 (殿器)無論 龍門です。 278 00:17:49,502 --> 00:17:53,673 龍門? りゅりゅりゅ… 龍門!? 279 00:17:53,673 --> 00:17:58,010 (殿器)龍門は 金沢に入った 3万の大和軍を軽々に見捨て➨ 280 00:17:58,010 --> 00:18:02,448 己は 福井に逃げ 5日も 城に 引きこもっているとか。 281 00:18:02,448 --> 00:18:05,451 更に 坂井をも もぬけの殻にしたせいで➨ 282 00:18:05,451 --> 00:18:08,287 聖夷軍に みすみす 占領される始末。 283 00:18:08,287 --> 00:18:11,958 これを無能と言わず なんと言いましょう。 284 00:18:11,958 --> 00:18:16,963 (笑い声) 285 00:18:16,963 --> 00:18:19,632 ハハハハ… ハッ… ハッ…。 286 00:18:19,632 --> 00:18:22,468 んっ? あっ うん。 陛下。 287 00:18:22,468 --> 00:18:27,640 私には 龍門が 将軍に値する 人物とは 思えません。 288 00:18:27,640 --> 00:18:33,145 ここにおる 総勢57名の大臣より 龍門の軍権剥奪と➨ 289 00:18:33,145 --> 00:18:37,984 それに伴う 新たな将軍の任命を 上奏いたします。 290 00:18:37,984 --> 00:18:39,986 (大臣たち)上奏いたします。 291 00:18:39,986 --> 00:18:43,823 《あの男が わしを参殿させた目的は➨ 292 00:18:43,823 --> 00:18:46,325 辺境将軍隊の思惑を知り➨ 293 00:18:46,325 --> 00:18:49,495 それを みかどの目前で くじくことやろう。 294 00:18:49,495 --> 00:18:52,665 いかに この状況を 打開するべきか。 295 00:18:52,665 --> 00:18:55,334 考えろ… 考えろ 考えろ!》 296 00:18:55,334 --> 00:18:59,505 う~ん… せっ… せやけど 誰が 龍門の後任に? 297 00:18:59,505 --> 00:19:01,607 (尾上)申し上げます 陛下。 298 00:19:01,607 --> 00:19:03,609 陛下の岳父であり➨ 299 00:19:03,609 --> 00:19:06,612 陛下を 長年 お支えした 平内務卿こそが➨ 300 00:19:06,612 --> 00:19:09,115 将軍職を拝命すべきかと。 301 00:19:09,115 --> 00:19:13,285 (大臣たち)我ら一同 平内務卿への将軍職 兼任を➨ 302 00:19:13,285 --> 00:19:17,123 偉大なる大和帝陛下に お願い申し上げます。 303 00:19:17,123 --> 00:19:21,127 臆病者の龍門に代わって 私が 将軍となれば➨ 304 00:19:21,127 --> 00:19:24,130 一刻も早く 戦地に大援軍を送り➨ 305 00:19:24,130 --> 00:19:27,633 必ずや 聖夷を 滅ぼしてみせましょう。 306 00:19:27,633 --> 00:19:31,971 (歓声と拍手) 307 00:19:31,971 --> 00:19:36,308 《確かに 適任は 内務卿しかおらん気ぃする》 308 00:19:36,308 --> 00:19:38,811 んっ… よっ… よし! ほな…。 309 00:19:38,811 --> 00:19:42,148 恐れながら。 うっ…。 (どよめき) 310 00:19:42,148 --> 00:19:46,485 平内務卿への軍権賜与 および それに伴う出動は➨ 311 00:19:46,485 --> 00:19:48,821 ご再考されたほうが よろしいかと。 312 00:19:48,821 --> 00:19:51,490 えっ? えっ? ほう…。 313 00:19:51,490 --> 00:19:54,827 《あっ 彼 死んだな》 《斬首 確定やん》 314 00:19:54,827 --> 00:19:59,165 三角監事。 事態は もはや 一刻一秒を争います。 315 00:19:59,165 --> 00:20:01,834 無駄な議論を持ちかけるのは やめなさい。 316 00:20:01,834 --> 00:20:05,171 一刻一秒を争うからこそ 議論を重ね➨ 317 00:20:05,171 --> 00:20:07,840 最適解を導きだすべきかと。 318 00:20:07,840 --> 00:20:11,177 あの… 最適解は すでに出てますけど。 319 00:20:11,177 --> 00:20:13,679 てか… えっ? まさか➨ 320 00:20:13,679 --> 00:20:16,682 平内務卿の他に 適任者がおるとでも? 321 00:20:16,682 --> 00:20:20,352 はいはい! 陛下 私 思い出しました。 322 00:20:20,352 --> 00:20:22,688 えっ 何? 何? (尾上)うわさによれば➨ 323 00:20:22,688 --> 00:20:25,191 三角監事は 職権を乱用して➨ 324 00:20:25,191 --> 00:20:29,361 気に入らへん 辺境将軍隊 属員らを処刑や流罪にし➨ 325 00:20:29,361 --> 00:20:34,033 おのが名声を高めることに 粉骨砕身しておられるとか。 326 00:20:34,033 --> 00:20:38,537 こたび 参殿した理由も おのが名声を高めるためでは? 327 00:20:38,537 --> 00:20:42,041 えっ そうなん? そうなんです 陛下。 328 00:20:42,041 --> 00:20:45,044 この人 援軍の指揮官に ふさわしいのは➨ 329 00:20:45,044 --> 00:20:47,880 自分ですとか言ったりして。 やばっ! 330 00:20:47,880 --> 00:20:51,550 売名行為も ほどほどになさいませ。 331 00:20:51,550 --> 00:20:57,389 (笑い声) 332 00:20:57,389 --> 00:20:59,992 (大臣たち)んっ? (笑い声) 333 00:20:59,992 --> 00:21:01,994 んっ… はっ? (笑い声) 334 00:21:01,994 --> 00:21:06,332 ハァ… 井の中の蛙 その大海を知らず。 335 00:21:06,332 --> 00:21:08,834 ふだんは 井戸の中におる蛙が➨ 336 00:21:08,834 --> 00:21:11,170 このような場におられたとは 意外でした。 337 00:21:11,170 --> 00:21:13,172 なっ…。 どゅふ! 338 00:21:13,172 --> 00:21:15,674 えっ かっ… 蛙? ああ…。 339 00:21:15,674 --> 00:21:17,676 ふだんから おのが名声を高めることに➨ 340 00:21:17,676 --> 00:21:21,847 粉骨砕身しておられる方には 理解できないかもしれませんが➨ 341 00:21:21,847 --> 00:21:26,018 私が高めたのは おのが名声ではなく 法の権威。 342 00:21:26,018 --> 00:21:28,020 大臣である貴殿が➨ 343 00:21:28,020 --> 00:21:31,023 その手の訳のわからん うわさを うのみにし➨ 344 00:21:31,023 --> 00:21:33,192 陛下の御前で 意気揚々と 論じられるのは➨ 345 00:21:33,192 --> 00:21:37,196 いかがなものかと… それに 指揮官の件に 関しましても➨ 346 00:21:37,196 --> 00:21:40,533 私に 大軍を率いることができる 官位がないことは➨ 347 00:21:40,533 --> 00:21:44,203 重々承知しております。 348 00:21:44,203 --> 00:21:47,706 このような重要な場で そんな暴論が出ようとは➨ 349 00:21:47,706 --> 00:21:51,544 私には いささか 考えつきもしませんでした。 350 00:21:51,544 --> 00:21:53,712 ぐっ… ぬぅ…。 351 00:21:53,712 --> 00:21:56,415 もうええ 下がれ。 うっ… はっ! 352 00:21:58,884 --> 00:22:01,320 あっ うん。 ほな 聞こう。 353 00:22:01,320 --> 00:22:06,325 援軍の指揮官に ふさわしい者とは 誰や? 354 00:22:06,325 --> 00:22:08,627 (ざわめき) 355 00:22:10,996 --> 00:22:13,165 ふさわしい者など おりません。 356 00:22:13,165 --> 00:22:16,001 おっ… おらん? どういうことや? 357 00:22:16,001 --> 00:22:21,006 私は 福井に援軍を送るべきでは ないと考えております。 358 00:22:21,006 --> 00:22:23,175 (ざわめき) 359 00:22:23,175 --> 00:22:25,678 えっ? 待って どういうこと? 360 00:22:25,678 --> 00:22:27,680 彼 さっきから 何を言うてんの? 361 00:22:27,680 --> 00:22:33,185 ハァ… ほな 君は ここに何をしに来たんや? 362 00:22:35,854 --> 00:22:39,658 陛下より 撤退の勅書を賜りたく。 363 00:22:41,694 --> 00:22:44,196 撤退? 大和が 降伏? 364 00:22:44,196 --> 00:22:47,366 いやいや… ありえへんやろ。 民は どうすんねん。 365 00:22:47,366 --> 00:22:50,870 領土は 捨てるっちゅうんか。 暴論や 暴論!