1 00:00:32,100 --> 00:00:37,170 <大和暦 60年 春。 北国 聖夷の総帥 輪島桜虎は➡ 2 00:00:37,170 --> 00:00:41,842 次なる攻略目標を 辺境将軍 龍門光英が駐在する➡ 3 00:00:41,842 --> 00:00:45,345 嶺北に定め 前進した。 4 00:00:45,345 --> 00:00:51,184 これに 光英は 空城の計で対抗し 虎口を逃れる。 5 00:00:51,184 --> 00:00:54,354 圧倒的な兵力をもって臨んだ 輪島桜虎は➡ 6 00:00:54,354 --> 00:00:59,026 たった1人の茶人を前に 伏兵を畏れ 敵前逃亡。 7 00:00:59,026 --> 00:01:03,330 彼女の威光失墜は 誰の目にも 明らかだった> 8 00:01:06,700 --> 00:01:10,537 (日比)「なんで 老いた茶人を 目前に退いたのか 分からない」。 9 00:01:10,537 --> 00:01:14,875 「きはくに押され ビビッて退いてて 草極まりない」。 10 00:01:14,875 --> 00:01:18,712 「残念な判断。 もう 貴方を 推すのは やめます」。 11 00:01:18,712 --> 00:01:22,716 なんて 頭の悪い連中だ! 彼らは 後の調べで➡ 12 00:01:22,716 --> 00:01:25,385 伏兵がいなかったという事実を 知っているから➡ 13 00:01:25,385 --> 00:01:28,221 このような的外れな批判が できるのです。 14 00:01:28,221 --> 00:01:31,158 そうです! もし 九頭竜橋で 大和の伏兵や➡ 15 00:01:31,158 --> 00:01:33,160 兵器による急襲に遭えば➡ 16 00:01:33,160 --> 00:01:35,996 我らは 総帥をはじめ 多くの兵力を失い➡ 17 00:01:35,996 --> 00:01:37,998 混乱を極めたことでしょう。 18 00:01:37,998 --> 00:01:39,100 (田淵)このような 局所的な視点でしか➡ 19 00:01:39,100 --> 00:01:43,337 物事を捉えることのできない 愚者の意見は 無視すべきです。 20 00:01:43,337 --> 00:01:46,506 書状を書いた者には どうか 重い処罰を。 21 00:01:46,506 --> 00:01:48,508 処罰を! どうか ご判断を! なめられてはいけません! 22 00:01:48,508 --> 00:01:51,178 (懇願する声) 23 00:01:51,178 --> 00:01:53,380 (桜虎)控えて。 (日比/田淵)あっ…。 24 00:01:55,349 --> 00:01:58,518 私が いくら 退却した理由を並べようと➡ 25 00:01:58,518 --> 00:02:02,856 結局 伏兵は いなかった。 これが 確固たる事実。 26 00:02:02,856 --> 00:02:07,194 責められるべきは 誤った判断をした この私です。 27 00:02:07,194 --> 00:02:10,864 この書状を出した者たちは 全員 不問にしなさい。 28 00:02:10,864 --> 00:02:13,367 不問? されど この件で➡ 29 00:02:13,367 --> 00:02:15,869 総帥への退任を求める声も 少なくはなく➡ 30 00:02:15,869 --> 00:02:18,538 後顧の憂いを断つためにも 見せしめに…。 31 00:02:18,538 --> 00:02:21,708 (閉伊)控えよ。 総帥は お疲れのご様子。 32 00:02:21,708 --> 00:02:24,211 各自 軍営に戻るがよい。 33 00:02:24,211 --> 00:02:26,213 (田淵/日比)んっ…。 34 00:02:28,215 --> 00:02:30,217 (田淵)失礼します。 35 00:04:12,519 --> 00:04:16,022 (賀来)進捗 どんな感じ? (近藤)はっ! 36 00:04:16,022 --> 00:04:20,193 7割方 城内避難所への 民の移動が 完了しました。 37 00:04:20,193 --> 00:04:24,865 うむ… 引き続き すべての民を 城内に 避難させるように。 38 00:04:24,865 --> 00:04:26,867 (せき) 39 00:04:26,867 --> 00:04:29,703 恐れながら 直ちに城門を閉じ➡ 40 00:04:29,703 --> 00:04:33,807 聖夷軍の迫撃に 備えるべきかと。 41 00:04:33,807 --> 00:04:37,477 ほな 今 城外におる民は どないすんねや? 42 00:04:37,477 --> 00:04:40,814 今 城内におる 多くの民を救うため➡ 43 00:04:40,814 --> 00:04:44,818 城外におる少数の民の犠牲は やむなし… かと。 44 00:04:48,822 --> 00:04:51,658 (賀来)何故 かつて この国で➡ 45 00:04:51,658 --> 00:04:55,162 暴力大革命が 起こるに 至ったのか。 46 00:04:55,162 --> 00:04:58,331 時の為政者が 極端な功利主義を是とし➡ 47 00:04:58,331 --> 00:05:01,835 民意を軽視した政策を 断行し続けたゆえと➡ 48 00:05:01,835 --> 00:05:04,337 私は 考える。 あっ…。 49 00:05:04,337 --> 00:05:07,507 君の選択は 功利主義の観点で見れば➡ 50 00:05:07,507 --> 00:05:09,509 正しいのかもしれへん。 51 00:05:09,509 --> 00:05:12,846 やけどな 天 地 人と…。 ああ…。 52 00:05:12,846 --> 00:05:16,349 あらゆる要素で 形成される この現実においては➡ 53 00:05:16,349 --> 00:05:20,187 最後のギリギリまで 多角的な視点で 最善を考え➡ 54 00:05:20,187 --> 00:05:23,023 問題解決に 尽力すべきや。 55 00:05:23,023 --> 00:05:27,194 私たち 民を救うことのできる 立場にある者なら➡ 56 00:05:27,194 --> 00:05:29,529 なおさら。 そう。 57 00:05:29,529 --> 00:05:33,133 今 救うことのできる命を 救う努力もせず➡ 58 00:05:33,133 --> 00:05:36,303 どないして 太平の世が 訪れようか。 59 00:05:36,303 --> 00:05:40,140 はっ… はい! ごっつ 心得ます。 60 00:05:40,140 --> 00:05:42,809 かっ… 賀来軍師! んっ? 61 00:05:42,809 --> 00:05:46,479 龍門辺境将軍が…。 62 00:05:46,479 --> 00:05:50,150 ハァハァハァ…。 63 00:05:50,150 --> 00:05:52,819 ハァハァ ハァハァハァ… あっ…。 64 00:05:52,819 --> 00:05:54,821 あっ… ああ…。 65 00:05:54,821 --> 00:05:58,124 ハァハァハァ…。 66 00:06:00,160 --> 00:06:02,495 (龍門)よう。 67 00:06:02,495 --> 00:06:04,497 あっ…。 68 00:06:04,497 --> 00:06:08,835 ほんま よう帰ってきなはった。 69 00:06:08,835 --> 00:06:12,339 おかえりなさいませ! (属員たち)おかえりなさいませ! 70 00:06:12,339 --> 00:06:15,508 (賀来)龍門さん 肩を…。 はよう 加田先生に。 71 00:06:15,508 --> 00:06:17,510 賀来よ。 ああ…。 72 00:06:17,510 --> 00:06:22,515 総帥 輪島の行射には 一寸の迷いもなかった。 73 00:06:22,515 --> 00:06:29,022 もし 点前に迷いがあれば 私は 今 ここにおらんやろう。 74 00:06:29,022 --> 00:06:32,626 賀来が 私を送り出した。 75 00:06:32,626 --> 00:06:37,464 この事実こそが 事なきを得た要因の1つや。 76 00:06:37,464 --> 00:06:39,966 ほんま おおきにやで。 77 00:06:39,966 --> 00:06:41,968 あっ…。 78 00:06:41,968 --> 00:06:43,970 んっ…。 79 00:06:47,307 --> 00:06:50,977 《ほんま 何をおっしゃいますか。 80 00:06:50,977 --> 00:06:53,980 他でもない 龍門さんやからこそ➡ 81 00:06:53,980 --> 00:06:57,984 必ず 帰ってくると信じて 送り出したんですから》 82 00:07:00,820 --> 00:07:04,491 さて 引き続き 政務に…。 83 00:07:04,491 --> 00:07:07,794 《あれ…》 84 00:07:14,000 --> 00:07:16,503 ああ… 賀来軍師… 賀来軍師! 85 00:07:16,503 --> 00:07:18,505 はよう 医者を呼べ! 86 00:07:26,513 --> 00:07:29,015 (桜虎)弥々吉。 んっ? 87 00:07:29,015 --> 00:07:31,017 ああ…。 88 00:07:32,952 --> 00:07:36,756 あなたを信じることができなくて ごめんなさい。 89 00:07:38,792 --> 00:07:41,628 (桜虎)先を見通す 洞察力に欠け➡ 90 00:07:41,628 --> 00:07:46,132 奥越の大和民を虐殺した者らを 士気維持のために 罰せず➡ 91 00:07:46,132 --> 00:07:48,468 軍師の進言も 信じられず➡ 92 00:07:48,468 --> 00:07:51,971 念願であった あだ討ちもできない。 んっ…。 93 00:07:51,971 --> 00:07:56,776 私は 総帥の器ではなかった。 94 00:08:07,153 --> 00:08:09,155 あっ…。 95 00:08:11,825 --> 00:08:16,162 虎ちゃん… 念願であった あだ討ちではなく➡ 96 00:08:16,162 --> 00:08:19,332 民や国のために 引く選択を取った者が➡ 97 00:08:19,332 --> 00:08:22,502 なぜ 総帥の器ではないのです? 98 00:08:22,502 --> 00:08:26,172 この星に生きていれば 天命は 付き物。 99 00:08:26,172 --> 00:08:29,843 天の時 地の利 人の和。 100 00:08:29,843 --> 00:08:33,446 こよいは 少々 我らに 運がなかっただけ。 101 00:08:33,446 --> 00:08:37,117 弥々吉。 (閉伊)引こうとも➡ 102 00:08:37,117 --> 00:08:39,786 生きていれば また 再び 突き進める。 103 00:08:39,786 --> 00:08:42,122 決して 嘆かれますな。 104 00:08:42,122 --> 00:08:45,458 あっ… うん。 105 00:08:45,458 --> 00:08:48,061 ここからが 正念場となりましょう。 106 00:08:50,130 --> 00:08:52,632 大和の歴史書に…。 あっ…。 107 00:08:52,632 --> 00:08:57,804 「龍門の気迫に ビビって逃げた」 なんて 書かれないためにも➡ 108 00:08:57,804 --> 00:08:59,806 この戦 勝たなくては。 109 00:08:59,806 --> 00:09:02,642 ハハッ… うん。 そうだな。 110 00:09:02,642 --> 00:09:05,812 そのためにも 夜明けの出陣までに➡ 111 00:09:05,812 --> 00:09:07,981 虎ちゃんの威光回復➡ 112 00:09:07,981 --> 00:09:11,985 そして 乱れた法を正すことは 急務となりましょう。 113 00:09:11,985 --> 00:09:14,988 しかし 今の私では➡ 114 00:09:14,988 --> 00:09:18,658 抗議書に対する粛清と 捉えられかねない。 115 00:09:18,658 --> 00:09:21,161 弥々吉 知恵を借りたい。 116 00:09:23,163 --> 00:09:25,165 妙案があります。 117 00:09:25,165 --> 00:09:28,835 ここは あなたの軍師である この弥々吉に お任せを。 118 00:09:28,835 --> 00:09:33,273 任せる。 頼んだぞ 弥々吉。 119 00:09:33,273 --> 00:09:35,975 委細承知。 120 00:09:39,946 --> 00:09:43,450 <聖夷軍師 閉伊弥々吉は➡ 121 00:09:43,450 --> 00:09:48,455 輪島桜虎の威光回復と 乱れた法の是正を図るため➡ 122 00:09:48,455 --> 00:09:52,292 すべての責めを負う決断をする。 123 00:09:52,292 --> 00:09:56,796 自身に関する事実と虚妄を 織り交ぜた書状を記し➡ 124 00:09:56,796 --> 00:10:00,300 閉伊軍師の配下 数名による 告発状として➡ 125 00:10:00,300 --> 00:10:02,802 聖夷軍営に 流布させたのである。 126 00:10:02,802 --> 00:10:05,472 総帥の兄らを殺害し➡ 127 00:10:05,472 --> 00:10:09,642 まだ 子どもであった 総帥を 輪島家当主に 擁立した。 128 00:10:09,642 --> 00:10:12,979 総帥の愛国心や 復しゅう心を利用し➡ 129 00:10:12,979 --> 00:10:16,483 長年 側近の座を ほしいままにした。 130 00:10:16,483 --> 00:10:21,154 九頭竜川での 敵前撤退や 奥越の大和民虐殺も➡ 131 00:10:21,154 --> 00:10:23,656 すべて 閉伊軍師の指示であり➡ 132 00:10:23,656 --> 00:10:26,993 これら すべては 総帥の威光を失わせ➡ 133 00:10:26,993 --> 00:10:28,995 自身が 総帥に代わり➡ 134 00:10:28,995 --> 00:10:33,099 国の全権を掌握するための 手段であるなど…> 135 00:10:35,835 --> 00:10:37,837 <告発状の内容は➡ 136 00:10:37,837 --> 00:10:40,006 裏付けがないもの ばかりであったが➡ 137 00:10:40,006 --> 00:10:42,008 弥々吉の ねらいどおり➡ 138 00:10:42,008 --> 00:10:46,012 彼に 不満を抱いていた 軍幹部らが これに呼応。 139 00:10:46,012 --> 00:10:48,515 弥々吉の罷免を求める訴状に➡ 140 00:10:48,515 --> 00:10:52,118 一晩のうちに 多くの者が 名を連ねたのであった> 141 00:10:54,187 --> 00:10:57,857 (大吉)ハァハァハァ… おやじ! なんで あんな 告発状を…。 142 00:10:57,857 --> 00:11:00,860 (弥輔)すべての罪を かぶる おつもりなんですか? 143 00:11:00,860 --> 00:11:05,365 父さんは 輪島総帥や この国に 最も必要な ご仁です。 144 00:11:05,365 --> 00:11:07,700 あの告発状は 偽りであると➡ 145 00:11:07,700 --> 00:11:10,537 総帥に 直接 弁解なさってください! 146 00:11:10,537 --> 00:11:12,872 すでに 決めたことだ。 147 00:11:12,872 --> 00:11:15,375 (弥輔/大吉)んっ…。 おやじ…。 148 00:11:15,375 --> 00:11:20,547 威光を失った 独裁者の末路は 歴史の知るところにある。 149 00:11:20,547 --> 00:11:24,384 国の指導者と国の法が 軽んじられている 今➡ 150 00:11:24,384 --> 00:11:28,054 最悪の事態が起きる可能性は 十二分にある。 151 00:11:28,054 --> 00:11:32,492 私が すべての責めを負うことで それらを打開し➡ 152 00:11:32,492 --> 00:11:37,330 全員が 再び 輪島総帥の下で 団結できるのなら➡ 153 00:11:37,330 --> 00:11:40,500 これ以上の 喜悦はない。 154 00:11:40,500 --> 00:11:42,669 ああ…。 父さん…。 155 00:11:42,669 --> 00:11:47,674 この国の現状を 打開するためにも 大吉 弥輔➡ 156 00:11:47,674 --> 00:11:51,177 お前たちも 私に対する訴状に 協力するように。 157 00:11:51,177 --> 00:11:54,347 (弥輔/大吉)なっ…。 そう慌てずともよい。 158 00:11:54,347 --> 00:11:58,685 なにも 私は 官を退くだけで 死ぬわけではない。 159 00:11:58,685 --> 00:12:04,023 民のため 国のため あとを頼んだぞ。 160 00:12:04,023 --> 00:12:06,025 (2人)んっ…。 161 00:12:06,025 --> 00:12:08,528 (大吉/弥輔)はっ! 162 00:12:14,200 --> 00:12:17,203 準備は 整ったか? はい。 163 00:12:17,203 --> 00:12:20,540 連れてきた兵は 皆 こたびの件は 一切 知らず➡ 164 00:12:20,540 --> 00:12:24,043 閉伊軍師に従い ある者を捕縛するとだけ➡ 165 00:12:24,043 --> 00:12:26,379 伝えております。 (閉伊)うむ。 166 00:12:26,379 --> 00:12:31,985 これより 総帥寝殿を包囲する。 167 00:12:31,985 --> 00:12:35,655 <大和暦 60年 3月21日。 168 00:12:35,655 --> 00:12:40,493 聖夷軍師 閉伊弥々吉は 総帥寝殿を包囲するため➡ 169 00:12:40,493 --> 00:12:44,497 数十名の聖夷兵を率いて 作戦を開始。 170 00:12:44,497 --> 00:12:46,100 弥々吉の乱である。 171 00:12:46,100 --> 00:12:50,670 寝殿を巡邏する近衛師団を 1名 刺殺するも➡ 172 00:12:50,670 --> 00:12:54,340 まもなく 拘束され 数十名の聖夷兵は➡ 173 00:12:54,340 --> 00:12:59,512 当作戦の目的が 総帥暗殺であることを知り 降伏。 174 00:12:59,512 --> 00:13:04,183 弥々吉は 迅速な作戦 かつ 僅か1名の死者をもって➡ 175 00:13:04,183 --> 00:13:08,021 自ら 謀反人の汚名を 被ることとなる。 176 00:13:08,021 --> 00:13:13,326 すべて 彼の筋書きどおりに 事が進んだのであった> 177 00:13:17,030 --> 00:13:20,867 わい わい わい! おめえ 何 考えじゃんずや! 178 00:13:20,867 --> 00:13:23,036 桜虎様を ず~っと だましてたどが➡ 179 00:13:23,036 --> 00:13:25,538 たんげ 腹立つわ マジで! 180 00:13:25,538 --> 00:13:29,042 輪島総帥! どうか あの老害に重罰を! 181 00:13:29,042 --> 00:13:30,977 んにゃ 死罪だべさ! 182 00:13:30,977 --> 00:13:35,982 (兵たち)死罪! 死罪! 死罪! 死罪! 183 00:13:35,982 --> 00:13:37,984 死罪だべや~! 184 00:13:41,321 --> 00:13:44,657 これが 妙案? 185 00:13:44,657 --> 00:13:49,495 配下に 告発状を流布するよう 指示したのは あなたでしょ? 186 00:13:49,495 --> 00:13:51,497 ふざけないで! 187 00:13:51,497 --> 00:13:54,801 今すぐ 私に… 皆に 弁解しなさい! 188 00:13:59,005 --> 00:14:03,509 我が非才ゆえ この機に あなたをあやめることができず➡ 189 00:14:03,509 --> 00:14:06,179 誠に 無念であります。 190 00:14:06,179 --> 00:14:11,184 ああ… 弥々吉… 何を言って…。 191 00:14:11,184 --> 00:14:15,521 「引こうとも 生きていれば また 再び 突き進める」。 192 00:14:15,521 --> 00:14:18,524 私に そう 助言してくれたのは あなたでしょ? 193 00:14:18,524 --> 00:14:21,694 どうして そんな あなたが 私の失態のために➡ 194 00:14:21,694 --> 00:14:25,865 自分を犠牲になど…。 なんの話をされておられるのか➡ 195 00:14:25,865 --> 00:14:28,534 私には わかりかねますが。 196 00:14:28,534 --> 00:14:32,305 あっ… ああ…。 197 00:14:32,305 --> 00:14:35,975 (閉伊)12年前 あなたの兄上たちを殺し➡ 198 00:14:35,975 --> 00:14:37,977 こたびの戦争では➡ 199 00:14:37,977 --> 00:14:41,981 奥越の大和民虐殺 ごうかんの指示を出し➡ 200 00:14:41,981 --> 00:14:47,653 九頭竜川での撤退進言で 総帥の威光を故意に傷つけ➡ 201 00:14:47,653 --> 00:14:51,324 こよいの謀反で あなたに 取って代わろうとしました。 202 00:14:51,324 --> 00:14:54,827 志半ばですが これも 人生。 203 00:14:54,827 --> 00:14:57,830 どうか 厳正なる法にのっとり➡ 204 00:14:57,830 --> 00:15:01,167 私を死罪に。 あっ… あっ…。 205 00:15:01,167 --> 00:15:03,669 《父さん…》 (日比)お待ちを。 206 00:15:03,669 --> 00:15:05,671 んっ? 申し上げます。 207 00:15:05,671 --> 00:15:08,341 大和討伐を成就するために➡ 208 00:15:08,341 --> 00:15:10,676 閉伊軍師に代わる策士が いるでしょうか? 209 00:15:10,676 --> 00:15:13,846 いいえ おりません。 こたびの件は➡ 210 00:15:13,846 --> 00:15:16,015 愚かにも 告発状をうのみにし➡ 211 00:15:16,015 --> 00:15:20,520 将兵を扇動し 閉伊軍師の 罷免を求める訴状を書かせた➡ 212 00:15:20,520 --> 00:15:23,189 この私に 責任があります。 213 00:15:23,189 --> 00:15:25,858 代わりに 私が罰を受けますので➡ 214 00:15:25,858 --> 00:15:29,695 どうか 閉伊軍師に ご慈悲を。 私も 同罪です。 215 00:15:29,695 --> 00:15:32,799 どうか… どうか 長年 総帥に忠義を尽くした➡ 216 00:15:32,799 --> 00:15:34,967 閉伊軍師をお許しください。 217 00:15:34,967 --> 00:15:37,637 《しらじらしい 猿芝居を…。 218 00:15:37,637 --> 00:15:39,639 確実に 父さんを追い落とし➡ 219 00:15:39,639 --> 00:15:43,142 自分たちの地位を 守ろうという魂胆か…》 220 00:15:43,142 --> 00:15:46,312 おっ… 俺からも おやじを許すように頼んます。 221 00:15:46,312 --> 00:15:48,314 《だめなんだ 兄さん。 222 00:15:48,314 --> 00:15:50,817 名ばかりの将官が 処分されたところで➡ 223 00:15:50,817 --> 00:15:56,489 責任転嫁だと 皆に疑われ 総帥への批判が増すだけ。 224 00:15:56,489 --> 00:16:00,326 それでは 父さんの計画が 水泡に帰す。 225 00:16:00,326 --> 00:16:04,997 父さん。 あなたのお覚悟 重々承知しました。 226 00:16:04,997 --> 00:16:09,836 私が 必ずや あなたの願い果たしてみせます》 227 00:16:09,836 --> 00:16:12,505 んっ…。 (弥輔)輪島総帥。 228 00:16:12,505 --> 00:16:15,174 父を許してはなりません。 あっ…。 229 00:16:15,174 --> 00:16:17,376 (田淵/日比)あっ…。 あっ… 弥輔! 230 00:16:24,016 --> 00:16:26,018 なぜ? 231 00:16:26,018 --> 00:16:28,020 父の本懐が どうであれ➡ 232 00:16:28,020 --> 00:16:31,958 聖夷国の最高指導者である 輪島総帥の寝殿前にて➡ 233 00:16:31,958 --> 00:16:36,462 兵を率い 1人の命を奪ったことは 紛れもない事実であり➡ 234 00:16:36,462 --> 00:16:38,464 多くの者が 知るところです。 235 00:16:38,464 --> 00:16:43,302 九頭竜川 撤退の件に関しても 日が沈む前なら まだしも➡ 236 00:16:43,302 --> 00:16:45,805 夜中であれば 警戒して しかるべき。 237 00:16:45,805 --> 00:16:48,140 それを この国の軍師でありながら➡ 238 00:16:48,140 --> 00:16:52,645 ろくな調査もせず 空城の計に 例外はないとの愚言を呈し➡ 239 00:16:52,645 --> 00:16:55,648 総帥を窮地に立たせた 父は➡ 240 00:16:55,648 --> 00:16:57,650 万死に値します。 241 00:16:59,819 --> 00:17:01,821 (弥輔)目下 我が軍では➡ 242 00:17:01,821 --> 00:17:05,491 父への不満が 渦巻き 士気は 乱れております。 243 00:17:05,491 --> 00:17:08,828 敵を討つには 軍を正さねばなりません。 244 00:17:08,828 --> 00:17:12,131 軍を正すには 法を正さねばなりません。 245 00:17:17,837 --> 00:17:21,007 んっ… 輪島総帥…。 246 00:17:21,007 --> 00:17:24,510 どうか 謀反人である父を 公開処刑とし➡ 247 00:17:24,510 --> 00:17:26,679 正道をお示しください。 248 00:17:26,679 --> 00:17:28,681 んっ…。 ああ…。 249 00:17:28,681 --> 00:17:33,686 んっ…。 (兵たち)死罪! 死罪! 死罪! 250 00:17:44,797 --> 00:17:50,303 《桜虎:弥々吉。 こんな形で あなたを…。 251 00:17:50,303 --> 00:17:55,508 あなたの策を 私は 信じたくはなかった》 252 00:18:01,147 --> 00:18:05,851 謀反人 閉伊弥々吉を磔刑に処す。 253 00:18:08,654 --> 00:18:12,325 <大和暦 2年 羽前省生まれ。 254 00:18:12,325 --> 00:18:15,995 幼いころは 当時の聖夷政権が施策した➡ 255 00:18:15,995 --> 00:18:21,834 反大和主義政策によって 反大和教育を受けて育つ。 256 00:18:21,834 --> 00:18:25,171 若くして 故郷の区督を歴任。 257 00:18:25,171 --> 00:18:31,110 聖夷国内の経済回復 治安改善に 貢献した。 258 00:18:31,110 --> 00:18:33,779 後に 外務官に抜てきされると➡ 259 00:18:33,779 --> 00:18:37,950 東国 武凰と 幾度も 外交交渉を行い➡ 260 00:18:37,950 --> 00:18:42,455 両国の共通敵である 大和の侵攻に備える名目で➡ 261 00:18:42,455 --> 00:18:46,125 事実上の不可侵条約を締結させた。 262 00:18:46,125 --> 00:18:50,129 その後 大和の軍事的進出の阻止➡ 263 00:18:50,129 --> 00:18:54,300 また 寒冷化による食糧難を 打開する政策として➡ 264 00:18:54,300 --> 00:18:58,137 『西進論』を提唱した 輪島白虎に感銘を受け➡ 265 00:18:58,137 --> 00:19:01,140 参謀として 従軍。 266 00:19:01,140 --> 00:19:06,646 白虎からの信頼は 厚く 公私において 指南役を務めた> 267 00:19:11,650 --> 00:19:15,488 <父子家庭であった 輪島家の嫡子たちにも 慕われ➡ 268 00:19:15,488 --> 00:19:19,158 家族同然の つきあいとなる。 269 00:19:19,158 --> 00:19:22,661 白虎の没後 己と白虎の悲願であった➡ 270 00:19:22,661 --> 00:19:25,164 大和討伐を果たすべく➡ 271 00:19:25,164 --> 00:19:30,169 無才であった 白虎の子息らを 毒殺して 桜虎を教唆。 272 00:19:30,169 --> 00:19:35,174 その後の人生を すべて 桜虎とともに 西征に ささげる> 273 00:19:53,626 --> 00:19:55,628 (閉伊)虎ちゃん。 あっ…。 274 00:19:58,130 --> 00:20:02,802 我が身命 尽きようとも 願いは 死せず。 275 00:20:02,802 --> 00:20:09,308 この国の繁栄と 民の多幸を 冥土より願っております。 276 00:20:09,308 --> 00:20:19,485 ♬~ 277 00:20:19,485 --> 00:20:21,487 (刺す音) 278 00:20:23,489 --> 00:20:30,496 (喚声) 279 00:20:30,496 --> 00:20:36,836 <閉伊弥々吉。 享年 58。 280 00:20:36,836 --> 00:20:43,342 しの突く 雨の中 志半ば 福井に逝く> 281 00:20:43,342 --> 00:20:46,679 (聖夷兵たち) 賊臣断罪! 忠君愛国! 282 00:20:46,679 --> 00:20:48,681 総帥万歳! 283 00:20:48,681 --> 00:20:52,184 賊臣断罪! 忠君愛国! 284 00:20:52,184 --> 00:20:54,353 総帥万歳! 285 00:20:54,353 --> 00:20:59,191 賊臣断罪! 忠君愛国! 総帥万歳! 286 00:20:59,191 --> 00:21:02,528 なあ 弥輔。 こんなの おかしいだろ。 287 00:21:02,528 --> 00:21:04,530 この国に 尽くしてきた あの おやじが➡ 288 00:21:04,530 --> 00:21:06,699 こんな形で 死ぬなんてよ。 289 00:21:06,699 --> 00:21:09,535 正しいことなわけ ねえだろうがよ! 290 00:21:09,535 --> 00:21:14,206 今日の決断の是非を決めるのは 後の歴史書だ。 291 00:21:14,206 --> 00:21:20,212 だけど この戦に勝利しなければ 聖夷に 未来はないだろう。 292 00:21:20,212 --> 00:21:24,383 父さんとは 違う 僕は 僕の やり方で➡ 293 00:21:24,383 --> 00:21:28,387 輪島総帥の下 この国を勝利に導いてみせるよ。 294 00:21:28,387 --> 00:21:31,991 くそ… 進むしかねえってか。 295 00:21:31,991 --> 00:21:35,494 俺だって おやじの死を 無駄にはしねえぜ。 296 00:21:35,494 --> 00:21:38,664 (聖夷兵たち) 賊臣断罪! 忠君愛国! 297 00:21:38,664 --> 00:21:40,666 総帥万歳! 298 00:21:40,666 --> 00:21:44,503 賊臣断罪! 忠君愛国! 299 00:21:44,503 --> 00:21:46,505 総帥万歳! 300 00:21:46,505 --> 00:21:50,009 賊臣断罪! 忠君愛国! 301 00:21:50,009 --> 00:21:52,344 総帥万歳! 302 00:21:52,344 --> 00:22:12,364 ♬~ 303 00:22:12,364 --> 00:22:18,871 ♬~ 304 00:22:18,871 --> 00:22:22,208 《桜虎:この国を… この国の民を➡ 305 00:22:22,208 --> 00:22:26,378 腐敗を極めた あの国になど 支配されて たまるものか! 306 00:22:26,378 --> 00:22:30,549 パパ… 弥々吉…。 307 00:22:30,549 --> 00:22:36,655 あなたたちの悲願 私が 天下に示してみせます!》 308 00:22:36,655 --> 00:22:41,994 <家族を亡くした 少女と 主君を亡くした 軍師は➡ 309 00:22:41,994 --> 00:22:46,498 手を取り合い 大和討伐を夢見た。 310 00:22:46,498 --> 00:22:48,500 それから 12年。 311 00:22:48,500 --> 00:22:51,670 苦楽を共にしてきた 2人の別れが➡ 312 00:22:51,670 --> 00:22:53,839 総帥 輪島桜虎を➡ 313 00:22:53,839 --> 00:22:57,843 真の指導者たらしめることと なったのである> 314 00:23:01,180 --> 00:23:06,185 <一方 聖夷軍師の死を まだ知らぬ 大阪都> 315 00:23:13,192 --> 00:23:17,529 <1人の青年が 天下の命運を懸けた大勝負に➡ 316 00:23:17,529 --> 00:23:20,032 挑もうとしていた>