1 00:00:12,763 --> 00:00:14,724 大和暦 60年 春 2 00:00:14,807 --> 00:00:17,351 北国聖夷の総帥 輪島桜虎は― 3 00:00:17,435 --> 00:00:19,103 次なる攻略目標を― 4 00:00:19,186 --> 00:00:21,981 辺境将軍 龍門光英が 駐在する― 5 00:00:22,064 --> 00:00:24,483 嶺北に定め 前進した 6 00:00:26,026 --> 00:00:28,446 これに光英は“空城の計” で対抗し― 7 00:00:29,155 --> 00:00:30,322 虎口を逃れる 8 00:00:31,574 --> 00:00:34,785 圧倒的な兵力をもって臨んだ 輪島桜虎は― 9 00:00:34,869 --> 00:00:38,956 たった一人の茶人を前に 伏兵を恐れ 敵前逃亡 10 00:00:39,790 --> 00:00:43,294 彼女の威光失墜は 誰の目にも明らかだった 11 00:00:46,589 --> 00:00:48,716 “なんで 老いた茶人を目前に”― 12 00:00:48,799 --> 00:00:50,426 “引いたのか分からない” 13 00:00:51,218 --> 00:00:55,181 “気迫に押され ビビって 引いてて 草極まりない” 14 00:00:55,264 --> 00:00:56,640 “残念な判断” 15 00:00:56,724 --> 00:00:58,601 “もう あなたを 推すのは やめます” 16 00:00:59,185 --> 00:01:01,437 なんて頭の悪い連中だ! 17 00:01:01,520 --> 00:01:02,980 彼らは後の調べで― 18 00:01:03,063 --> 00:01:05,649 伏兵がいなかったという 事実を知っているから― 19 00:01:05,733 --> 00:01:08,194 このような 的外れな 批判が できるのです 20 00:01:08,277 --> 00:01:11,489 そうです! もし 九頭竜橋で大和の伏兵や― 21 00:01:11,572 --> 00:01:14,742 兵器による急襲に遭えば 我らは総帥をはじめ― 22 00:01:14,825 --> 00:01:18,078 多くの兵力を失い 混乱を極めたことでしょう 23 00:01:18,162 --> 00:01:19,914 このような 局所的な視点でしか― 24 00:01:19,997 --> 00:01:23,626 物事を捉えることのできない 愚者の意見は無視すべきです 25 00:01:23,709 --> 00:01:26,504 書状を書いた者には どうか重い処罰を! 26 00:01:26,587 --> 00:01:29,089 処罰を! なめられてはいけません! 27 00:01:29,173 --> 00:01:30,382 処罰を! 28 00:01:31,759 --> 00:01:32,843 控えて 29 00:01:35,846 --> 00:01:38,474 私が いくら退却した理由を 並べようと― 30 00:01:38,974 --> 00:01:40,810 結局 伏兵は いなかった 31 00:01:41,310 --> 00:01:42,853 これが確固たる事実 32 00:01:42,937 --> 00:01:44,396 責められるべきは― 33 00:01:44,480 --> 00:01:46,857 誤った判断をした この私です 34 00:01:47,608 --> 00:01:50,820 この書状を出した者たちは 全員 不問にしなさい 35 00:01:50,903 --> 00:01:52,947 不問? されど… 36 00:01:53,030 --> 00:01:56,242 この件で 総帥への退任を 求める声も少なくはなく― 37 00:01:56,325 --> 00:01:58,369 後顧の憂いを断つためにも 見せしめに… 38 00:01:58,452 --> 00:01:59,745 控えよ 39 00:01:59,829 --> 00:02:01,997 総帥は お疲れの ご様子 40 00:02:02,081 --> 00:02:04,166 各自 軍営に戻るがよい 41 00:02:08,712 --> 00:02:09,880 失礼します 42 00:02:14,009 --> 00:02:16,011 ♪~ 43 00:03:40,679 --> 00:03:42,681 ~♪ 44 00:03:48,145 --> 00:03:50,439 進捗どんな感じ? 45 00:03:50,940 --> 00:03:52,566 はっ 7割方― 46 00:03:52,650 --> 00:03:55,611 城内避難所への 民の移動が完了しました 47 00:03:55,694 --> 00:03:58,364 うん 引き続き 全ての民を― 48 00:03:58,447 --> 00:04:00,115 城内に避難させるように 49 00:04:02,076 --> 00:04:05,037 恐れながら 直ちに城門を閉じ― 50 00:04:05,120 --> 00:04:07,206 聖夷軍の迫撃に 備えるべきかと 51 00:04:09,333 --> 00:04:11,210 ほな 今 城外におる民は― 52 00:04:11,293 --> 00:04:12,461 どないすんねや? 53 00:04:12,544 --> 00:04:16,131 今 城内におる 多くの民を救うため― 54 00:04:16,215 --> 00:04:18,258 城外におる 少数の民の犠牲は― 55 00:04:18,342 --> 00:04:19,843 やむなし… かと 56 00:04:24,264 --> 00:04:26,600 何故 かつて この国で― 57 00:04:27,184 --> 00:04:30,062 暴力大革命が 起こるに至ったのか 58 00:04:30,646 --> 00:04:33,691 時の為政者が 極端な功利主義を是とし― 59 00:04:33,774 --> 00:04:37,319 民意を軽視した政策を 断行し続けたゆえと― 60 00:04:37,403 --> 00:04:39,321 私は考える あっ… 61 00:04:40,114 --> 00:04:41,365 君の選択は― 62 00:04:41,448 --> 00:04:44,410 功利主義の観点で見れば 正しいのかもしれへん 63 00:04:44,910 --> 00:04:48,247 やけどな “天”“地”“人”と― 64 00:04:48,330 --> 00:04:51,583 あらゆる要素で形成される この現実においては― 65 00:04:51,667 --> 00:04:54,837 最後のギリギリまで 多角的な視点で最善を考え― 66 00:04:55,546 --> 00:04:58,007 問題解決に尽力すべきや 67 00:04:58,507 --> 00:05:01,343 私たち 民を 救うことのできる立場に― 68 00:05:01,427 --> 00:05:03,345 ある者なら なおさら… 69 00:05:03,846 --> 00:05:04,972 そっ 70 00:05:05,055 --> 00:05:08,600 今 救うことのできる命を 救う努力もせず― 71 00:05:08,684 --> 00:05:10,894 どないして 泰平の世が 訪れようか 72 00:05:11,395 --> 00:05:15,691 は… はい! ごっつ心得ます! 73 00:05:16,316 --> 00:05:17,568 賀来軍師! 74 00:05:17,651 --> 00:05:19,778 りゅ… 龍門辺境将軍が! 75 00:05:28,287 --> 00:05:29,288 ハッ… 76 00:05:35,461 --> 00:05:36,462 よう 77 00:05:37,921 --> 00:05:38,922 ハッ… 78 00:05:40,215 --> 00:05:43,343 ほんま… よう帰ってきなはった 79 00:05:44,553 --> 00:05:46,013 おかえりなさいませ! 80 00:05:46,096 --> 00:05:47,097 おかえりなさいませ! 81 00:05:47,681 --> 00:05:50,893 龍門さん 肩を! はよう 加田先生に… 82 00:05:50,976 --> 00:05:52,478 賀来よ ハッ… 83 00:05:53,353 --> 00:05:57,441 総帥 輪島の行射には 一寸の迷いもなかった 84 00:05:59,193 --> 00:06:03,405 もし 点前に迷いがあれば 私は今 ここに おらんやろう 85 00:06:04,073 --> 00:06:07,951 賀来が私を送り出した 86 00:06:08,035 --> 00:06:12,039 この事実こそが事なきを得た 要因の一つや 87 00:06:12,956 --> 00:06:14,875 ほんま おおきにやで 88 00:06:15,709 --> 00:06:16,710 ハッ… 89 00:06:22,341 --> 00:06:25,969 ほんま 何をおっしゃいますか 90 00:06:27,346 --> 00:06:29,056 ほかでもない 龍門さんやからこそ― 91 00:06:29,556 --> 00:06:32,684 必ず帰ってくると信じて 送り出したんですから 92 00:06:36,271 --> 00:06:39,108 さて 引き続き 政務に… 93 00:06:40,692 --> 00:06:41,985 あ… れ… 94 00:06:50,035 --> 00:06:52,079 賀来軍師! 賀来軍師! 95 00:06:52,162 --> 00:06:53,622 はよ 医者を呼べ! 96 00:07:02,005 --> 00:07:03,132 弥々吉 97 00:07:08,262 --> 00:07:11,431 あなたを信じることが できなくて ごめんなさい 98 00:07:14,268 --> 00:07:16,854 先を見通す洞察力に欠け― 99 00:07:16,937 --> 00:07:19,398 奥越の大和民を 虐殺した者らを― 100 00:07:19,481 --> 00:07:23,944 士気維持のために罰せず 軍師の進言も信じられず― 101 00:07:24,027 --> 00:07:26,280 念願であった 仇討ちも できない 102 00:07:27,865 --> 00:07:29,491 私は… 103 00:07:29,575 --> 00:07:31,702 総帥の器ではなかった 104 00:07:42,421 --> 00:07:43,422 ハッ… 105 00:07:47,342 --> 00:07:48,343 虎ちゃん 106 00:07:49,261 --> 00:07:51,680 念願であった 仇討ちではなく― 107 00:07:51,763 --> 00:07:54,683 民や国のために 引く選択を取った者が― 108 00:07:54,766 --> 00:07:57,477 なぜ 総帥の器ではないのです 109 00:07:58,395 --> 00:08:01,190 この地球に生きていれば 天命は付き物 110 00:08:01,773 --> 00:08:04,735 天の時 地の利 人の和… 111 00:08:05,235 --> 00:08:08,488 今宵は少々 我らに運がなかっただけ 112 00:08:09,281 --> 00:08:10,574 弥々吉 113 00:08:11,074 --> 00:08:13,160 引こうとも 生きていれば― 114 00:08:13,243 --> 00:08:15,245 また再び 突き進める 115 00:08:15,329 --> 00:08:17,831 決して 嘆かれますな 116 00:08:19,374 --> 00:08:20,375 うん 117 00:08:21,210 --> 00:08:23,629 ここからが 正念場となりましょう 118 00:08:25,631 --> 00:08:26,882 大和の歴史書に― 119 00:08:28,008 --> 00:08:30,719 “龍門の気迫に ビビって逃げた”― 120 00:08:31,220 --> 00:08:35,057 なんて書かれないためにも この戦 勝たなくては 121 00:08:35,140 --> 00:08:37,601 ハハ… そうだな 122 00:08:37,684 --> 00:08:41,146 そのためにも 夜明けの出陣までに― 123 00:08:41,230 --> 00:08:44,149 虎ちゃんの威光回復 そして― 124 00:08:44,233 --> 00:08:46,902 乱れた法を正すことは 急務となりましょう 125 00:08:47,986 --> 00:08:50,322 しかし 今の私では― 126 00:08:50,405 --> 00:08:53,659 抗議書に対する 粛清と捉えられかねない 127 00:08:54,159 --> 00:08:56,245 弥々吉 知恵を借りたい 128 00:08:58,664 --> 00:09:00,457 妙案があります 129 00:09:00,540 --> 00:09:03,752 ここは あなたの軍師である この弥々吉に お任せを 130 00:09:05,379 --> 00:09:08,257 任せる 頼んだぞ 弥々吉 131 00:09:09,299 --> 00:09:10,926 委細承知 132 00:09:15,722 --> 00:09:18,350 聖夷軍師 閉伊弥々吉は― 133 00:09:18,976 --> 00:09:22,771 輪島桜虎の威光回復と 乱れた法の是正を図るため― 134 00:09:23,897 --> 00:09:26,733 全ての責めを負う決断をする 135 00:09:27,985 --> 00:09:31,863 自身に関する事実と虚妄を 織り交ぜた書状を記し― 136 00:09:32,364 --> 00:09:35,659 閉伊軍師の配下 数名による告発状として― 137 00:09:35,742 --> 00:09:37,786 聖夷軍営に 流布させたのである 138 00:09:38,620 --> 00:09:42,624 総帥の兄らを殺害し まだ子供であった総帥を― 139 00:09:42,708 --> 00:09:44,793 輪島家当主に擁立した 140 00:09:45,294 --> 00:09:48,297 総帥の愛国心や復讐心を 利用し― 141 00:09:48,380 --> 00:09:50,674 長年 側近の座を ほしいままにした 142 00:09:52,009 --> 00:09:56,555 九頭竜川での敵前撤退や 奥越の大和民虐殺も― 143 00:09:56,638 --> 00:09:58,932 全て 閉伊軍師の指示であり― 144 00:09:59,016 --> 00:10:02,311 これら全ては 総帥の威光を失わせ― 145 00:10:02,394 --> 00:10:04,187 自身が総帥に代わり― 146 00:10:04,271 --> 00:10:07,899 国の全権を掌握するための 手段である… など 147 00:10:11,278 --> 00:10:15,532 告発状の内容は裏付けがない ものばかりであったが― 148 00:10:15,615 --> 00:10:17,117 弥々吉の狙いどおり― 149 00:10:17,200 --> 00:10:21,204 彼に不満を抱いていた 軍幹部らが これに呼応 150 00:10:21,288 --> 00:10:23,957 弥々吉の 罷免を求める書状に― 151 00:10:24,041 --> 00:10:25,125 ひと晩のうちに― 152 00:10:25,208 --> 00:10:27,753 多くの者が 名を連ねたのであった 153 00:10:29,171 --> 00:10:30,505 ハアハア… 154 00:10:30,589 --> 00:10:33,133 親父! なんで あんな告発状を? 155 00:10:33,717 --> 00:10:34,843 全ての罪をかぶる― 156 00:10:34,926 --> 00:10:36,219 おつもりなんですか? 157 00:10:36,303 --> 00:10:38,638 父さんは輪島総帥や この国に― 158 00:10:38,722 --> 00:10:40,182 最も必要な御仁です! 159 00:10:40,766 --> 00:10:43,060 あの告発状は偽りであると― 160 00:10:43,143 --> 00:10:45,562 総帥に直接 弁解なさってください! 161 00:10:46,396 --> 00:10:48,565 既に 決めたことだ 162 00:10:49,358 --> 00:10:50,359 親父… 163 00:10:50,442 --> 00:10:55,572 威光を失った独裁者の末路は 歴史の知るところにある 164 00:10:56,073 --> 00:10:59,701 国の指導者と国の法が 軽んじられている今― 165 00:10:59,785 --> 00:11:02,954 最悪の事態が起きる可能性は 十二分にある 166 00:11:03,955 --> 00:11:07,918 私が全ての責めを負うことで それらを打開し― 167 00:11:08,001 --> 00:11:11,838 全員が再び輪島総帥のもとで 団結できるのなら― 168 00:11:13,382 --> 00:11:15,509 これ以上の喜悦はない 169 00:11:15,592 --> 00:11:17,594 あ… 父さん… 170 00:11:17,677 --> 00:11:20,389 この国の現状を 打開するためにも― 171 00:11:20,889 --> 00:11:22,557 大吉 弥輔 172 00:11:23,058 --> 00:11:26,603 お前たちも私に対する訴状に 協力するように 173 00:11:26,686 --> 00:11:27,687 なっ… 174 00:11:27,771 --> 00:11:29,398 そう慌てずともよい 175 00:11:29,898 --> 00:11:32,109 何も私は官を退くだけで― 176 00:11:32,192 --> 00:11:33,610 死ぬわけではない 177 00:11:34,736 --> 00:11:38,907 民のため 国のため あとを頼んだぞ 178 00:11:42,494 --> 00:11:43,495 はっ! 179 00:11:50,085 --> 00:11:52,129 準備は整ったか はい 180 00:11:52,212 --> 00:11:55,632 連れてきた兵は皆 此度の件は一切 知らず― 181 00:11:56,133 --> 00:11:59,219 閉伊軍師に従い ある者を捕縛するとだけ― 182 00:11:59,302 --> 00:12:01,388 伝えております うん 183 00:12:03,390 --> 00:12:06,977 これより 総帥神殿を包囲する 184 00:12:07,060 --> 00:12:10,439 大和暦 60年 3月21日 185 00:12:10,939 --> 00:12:15,819 聖夷軍師 閉伊弥々吉は 総帥神殿を包囲するため― 186 00:12:15,902 --> 00:12:19,573 数十名の聖夷兵を率いて 作戦を開始 187 00:12:20,073 --> 00:12:21,575 “弥々吉の乱”である 188 00:12:22,075 --> 00:12:25,954 神殿を巡邏する近衛師団を 1名 刺殺するも― 189 00:12:26,037 --> 00:12:29,624 まもなく拘束され 数十名の聖夷兵は― 190 00:12:29,708 --> 00:12:34,379 当作戦の目的が総帥暗殺で あることを知り 降伏 191 00:12:34,880 --> 00:12:39,509 弥々吉は迅速な作戦かつ 僅か1名の死者をもって― 192 00:12:39,593 --> 00:12:42,637 自ら謀反人の 汚名を被ることとなる 193 00:12:43,722 --> 00:12:48,518 全て 彼の筋書きどおりに 事が進んだのであった 194 00:12:52,898 --> 00:12:53,982 わぃわぃわぃ! 195 00:12:54,065 --> 00:12:55,692 おめ 何考えじゃんずや! 196 00:12:55,775 --> 00:12:58,445 桜虎様を ず~っと だましてたどが! 197 00:12:58,528 --> 00:13:00,363 たんげ腹立つわ マジで! 198 00:13:00,447 --> 00:13:04,701 輪島総帥! どうか あの老害に重罰を! 199 00:13:04,784 --> 00:13:05,952 んにゃ 死罪だべさ! 200 00:13:06,536 --> 00:13:08,663 死罪! 死罪! 201 00:13:08,747 --> 00:13:10,957 死罪! 死罪! 202 00:13:11,041 --> 00:13:12,834 死罪だべや~! 203 00:13:16,713 --> 00:13:17,881 これが… 204 00:13:18,507 --> 00:13:19,508 妙案? 205 00:13:20,634 --> 00:13:24,429 配下に告発状を流布するよう 指示したのは あなたでしょ 206 00:13:25,263 --> 00:13:26,431 ふざけないで 207 00:13:26,515 --> 00:13:29,643 今すぐ 私に 皆に 弁解しなさい! 208 00:13:34,397 --> 00:13:36,066 我が非才ゆえ― 209 00:13:36,149 --> 00:13:38,735 この機に あなたを 殺めることができず― 210 00:13:38,818 --> 00:13:41,029 誠に無念であります 211 00:13:41,112 --> 00:13:42,405 ハッ… 212 00:13:43,490 --> 00:13:45,742 弥々吉… 何を言って… 213 00:13:46,993 --> 00:13:48,203 “引こうとも”― 214 00:13:48,286 --> 00:13:50,830 “生きていれば また再び突き進める” 215 00:13:50,914 --> 00:13:52,541 私に そう 助言してくれたのは― 216 00:13:52,624 --> 00:13:54,084 あなたでしょ? 217 00:13:54,167 --> 00:13:56,127 どうして そんな あなたが 私の失態のために― 218 00:13:57,212 --> 00:13:58,338 自分を犠牲に… 219 00:13:58,421 --> 00:14:01,132 なんの話を されておられるのか― 220 00:14:01,216 --> 00:14:03,426 私には分かりかねます 221 00:14:04,094 --> 00:14:05,470 ハッ… 222 00:14:07,722 --> 00:14:11,268 12年前 あなたの兄上たちを殺し― 223 00:14:11,351 --> 00:14:15,188 此度の戦争では 奥越の大和民 虐殺― 224 00:14:15,272 --> 00:14:17,482 強姦の指示を出し― 225 00:14:17,566 --> 00:14:22,612 九頭竜川での撤退進言で 総帥の威光を故意に傷つけ― 226 00:14:22,696 --> 00:14:26,283 今宵の謀反で あなたに 取って代わろうとしました 227 00:14:27,033 --> 00:14:30,078 志半ばですが これも人生 228 00:14:30,161 --> 00:14:34,457 どうか 厳正なる 法に のっとり私を死罪に 229 00:14:34,958 --> 00:14:36,167 あ… 230 00:14:36,835 --> 00:14:37,877 父さん… 231 00:14:37,961 --> 00:14:39,212 お待ちを 232 00:14:39,796 --> 00:14:41,214 申し上げます 233 00:14:41,298 --> 00:14:43,383 大和討伐を成就するために― 234 00:14:43,466 --> 00:14:45,885 閉伊軍師に代わる 策士がいるでしょうか? 235 00:14:45,969 --> 00:14:47,137 いいえ おりません 236 00:14:47,846 --> 00:14:51,391 此度の件は 愚かにも 告発状をうのみにし― 237 00:14:51,474 --> 00:14:54,477 将兵を扇動し 閉伊軍師の罷免を求める― 238 00:14:54,561 --> 00:14:58,148 訴状を書かせた この私に責任があります 239 00:14:58,231 --> 00:15:01,234 代わりに 私が罰を受けますので― 240 00:15:01,318 --> 00:15:03,486 どうか 閉伊軍師に ご慈悲を 241 00:15:03,570 --> 00:15:05,071 私も同罪です 242 00:15:05,155 --> 00:15:07,282 どうか どうか 長年 総帥に― 243 00:15:07,365 --> 00:15:09,909 忠義を尽くした閉伊軍師を お許しください 244 00:15:10,577 --> 00:15:15,040 白々しい猿芝居は 確実に父さんを追い落とし― 245 00:15:15,123 --> 00:15:18,043 自分たちの地位を 守ろうという魂胆か… 246 00:15:18,126 --> 00:15:21,504 お… 俺からも 親父を許すように頼んます 247 00:15:21,588 --> 00:15:23,048 ダメなんだ 兄さん 248 00:15:23,673 --> 00:15:26,217 名ばかりの将官が 処分されたところで― 249 00:15:26,301 --> 00:15:31,097 責任転嫁だと皆に疑われ 総帥への批判が増すだけ 250 00:15:32,015 --> 00:15:35,393 それでは 父さんの計画が 水泡に帰す 251 00:15:35,894 --> 00:15:40,148 父さん… あなたの お覚悟 重々 承知しました 252 00:15:40,649 --> 00:15:44,778 私が 必ずや あなたの願い 果たしてみせます 253 00:15:46,363 --> 00:15:47,447 輪島総帥 254 00:15:47,947 --> 00:15:49,658 父を許しては なりません 255 00:15:50,158 --> 00:15:52,285 えっ… 弥輔! 256 00:15:59,834 --> 00:16:00,835 なぜ? 257 00:16:01,461 --> 00:16:03,338 父の本懐が どうであれ― 258 00:16:03,421 --> 00:16:07,217 聖夷国の最高指導者である 輪島総帥の神殿前にて― 259 00:16:07,300 --> 00:16:10,011 兵を率い 1人の命を奪ったことは― 260 00:16:10,095 --> 00:16:13,306 紛れもない事実であり 多くの者が知るところです 261 00:16:14,432 --> 00:16:16,476 九頭竜川撤退の件に 関しても― 262 00:16:16,976 --> 00:16:18,603 日が沈む前なら まだしも― 263 00:16:18,687 --> 00:16:21,147 夜中であれば 警戒してしかるべき 264 00:16:21,231 --> 00:16:23,400 それを この国の軍師でありながら― 265 00:16:23,483 --> 00:16:26,486 ろくな調査もせず “空城の計に例外はない”― 266 00:16:26,569 --> 00:16:30,532 との愚言を呈し 総帥を 窮地に立たせた父は― 267 00:16:30,615 --> 00:16:32,200 万死に値します 268 00:16:34,786 --> 00:16:35,787 死罪! 269 00:16:35,870 --> 00:16:38,623 目下 我が軍では 父への不満が渦巻き― 270 00:16:38,707 --> 00:16:40,333 士気は乱れております 271 00:16:40,917 --> 00:16:44,087 敵を討つには 軍を正さねばなりません 272 00:16:44,170 --> 00:16:47,048 軍を正すには 法を正さねばなりません 273 00:16:55,140 --> 00:16:58,226 輪島総帥 どうか 謀反人である父を― 274 00:16:58,309 --> 00:17:01,980 公開処刑とし 正道をお示しください 275 00:17:05,191 --> 00:17:07,902 死罪! 死罪! 死罪… 276 00:17:20,206 --> 00:17:21,666 弥々吉… 277 00:17:22,417 --> 00:17:24,252 こんな形で あなたを― 278 00:17:25,879 --> 00:17:30,675 あなたの策を 私は信じたくはなかった 279 00:17:36,806 --> 00:17:40,518 謀反人 閉伊弥々吉を 磔刑に処す 280 00:17:44,022 --> 00:17:47,066 大和暦 2年 羽前省生まれ 281 00:17:47,567 --> 00:17:51,279 幼いころは当時の 聖夷政権が施策した― 282 00:17:51,362 --> 00:17:56,451 “反大和主義政策”によって 反大和教育を受けて育つ 283 00:17:57,160 --> 00:17:59,996 若くして故郷の区督を歴任 284 00:18:00,497 --> 00:18:05,543 聖夷国内の経済回復 治安改善に貢献した 285 00:18:06,628 --> 00:18:09,130 後に外務官に抜擢されると― 286 00:18:09,214 --> 00:18:13,301 東国武凰と 幾度も外交交渉を行い― 287 00:18:13,384 --> 00:18:17,555 両国の共通敵である 大和の侵攻に備える名目で― 288 00:18:17,639 --> 00:18:21,059 事実上の 不可侵条約を締結させた 289 00:18:21,726 --> 00:18:24,938 その後 大和の軍事的進出の阻止― 290 00:18:25,438 --> 00:18:29,651 また 寒冷化による食糧難を 打開する政策として― 291 00:18:30,151 --> 00:18:33,488 “西進論”を提唱した 輪島白虎に感銘を受け― 292 00:18:33,571 --> 00:18:35,448 参謀として従軍 293 00:18:36,157 --> 00:18:41,830 白虎からの信頼は厚く 公私において指南役を務めた 294 00:18:47,126 --> 00:18:50,380 父子家庭であった輪島家の 嫡子たちにも慕われ― 295 00:18:50,880 --> 00:18:52,340 家族同然の つきあいとなる 296 00:18:54,342 --> 00:18:55,343 白虎の没後― 297 00:18:55,969 --> 00:19:00,181 己と白虎の悲願であった 大和討伐を果たすべく― 298 00:19:00,682 --> 00:19:04,936 無才であった白虎の子息らを 毒殺して桜虎を教唆 299 00:19:05,436 --> 00:19:10,358 その後の人生を全て 桜虎と共に西征に ささげる 300 00:19:29,085 --> 00:19:30,378 虎ちゃん ハッ… 301 00:19:33,715 --> 00:19:37,719 我が身命 尽きようとも 願いは死せず 302 00:19:38,219 --> 00:19:44,350 この国の繁栄と民の多幸を 冥土より願っております 303 00:20:08,207 --> 00:20:11,419 閉伊弥々吉 享年58 304 00:20:12,545 --> 00:20:17,884 篠突く雨の中 志半ば 福井に逝く 305 00:20:18,384 --> 00:20:21,888 賊臣断罪忠君愛国! 306 00:20:22,388 --> 00:20:23,973 総帥万歳! 307 00:20:24,057 --> 00:20:29,354 賊臣断罪 忠君愛国 総帥万歳! 308 00:20:29,854 --> 00:20:34,192 賊臣断罪 忠君愛国 総帥万歳 309 00:20:34,859 --> 00:20:37,528 なあ 弥輔 こんなの おかしいだろ 310 00:20:38,029 --> 00:20:39,781 この国に尽くしてきた あの親父が― 311 00:20:39,864 --> 00:20:42,075 こんな形で死ぬなんてよ 312 00:20:42,158 --> 00:20:44,535 正しいことなわけ ねえだろうがよ! 313 00:20:45,286 --> 00:20:47,914 今日の決断の 是非を決めるのは― 314 00:20:47,997 --> 00:20:49,165 後の歴史書だ 315 00:20:50,124 --> 00:20:51,167 だけど― 316 00:20:51,250 --> 00:20:55,171 この戦に勝利しなければ 聖夷に未来はないだろう 317 00:20:56,089 --> 00:20:59,258 父さんとは違う 僕は僕のやり方で― 318 00:20:59,759 --> 00:21:03,304 輪島総帥のもと この国を 勝利に導いてみせるよ 319 00:21:04,555 --> 00:21:06,975 クソ… 進むしかねえってか 320 00:21:07,475 --> 00:21:10,395 俺だって 親父の死を 無駄にはしねえぜ! 321 00:21:10,478 --> 00:21:13,898 賊臣断罪 忠君愛国! 322 00:21:14,399 --> 00:21:15,400 総帥万歳! 323 00:21:16,359 --> 00:21:21,406 賊臣断罪 忠君愛国 総帥万歳! 324 00:21:21,990 --> 00:21:27,412 賊臣断罪 忠君愛国 総帥万歳… 325 00:21:54,355 --> 00:21:57,233 この国を この国の民を― 326 00:21:57,734 --> 00:22:01,362 腐敗を極めた あの国になど 支配されてたまるものか 327 00:22:02,822 --> 00:22:05,241 パパ 弥々吉 328 00:22:05,992 --> 00:22:07,660 あなたたちの悲願― 329 00:22:08,536 --> 00:22:11,205 私が天下に示してみせます 330 00:22:12,415 --> 00:22:14,667 家族をなくした少女と― 331 00:22:14,751 --> 00:22:19,005 主君をなくした軍師は 手を取り合い― 332 00:22:19,088 --> 00:22:21,382 大和討伐を夢見た 333 00:22:21,924 --> 00:22:23,342 それから12年 334 00:22:23,843 --> 00:22:26,596 苦楽を共にしてきた 2人の別れが― 335 00:22:27,096 --> 00:22:29,140 総帥 輪島桜虎を― 336 00:22:29,223 --> 00:22:32,560 真の指導者たらしめる こととなったのである 337 00:22:36,647 --> 00:22:41,235 一方 聖夷軍師の死を まだ知らぬ大阪都 338 00:22:48,618 --> 00:22:50,161 1人の青年が― 339 00:22:50,244 --> 00:22:54,874 天下の命運を懸けた 大勝負に挑もうとしていた 340 00:23:01,089 --> 00:23:03,091 ♪~ 341 00:24:28,593 --> 00:24:30,595 ~♪