1 00:00:12,805 --> 00:00:14,640 大和暦 60年 春 2 00:00:14,724 --> 00:00:16,100 その身を挺し― 3 00:00:16,183 --> 00:00:19,562 一夜 福井の民を守った 龍門光英は― 4 00:00:19,645 --> 00:00:23,315 深手を負い 更には 賀来泰明さえも急病に倒れる 5 00:00:24,525 --> 00:00:27,987 一方 九頭竜川での 敵前逃亡によって― 6 00:00:28,070 --> 00:00:30,614 その威光を失った 輪島桜虎は― 7 00:00:30,698 --> 00:00:35,077 全ての責を負った 閉伊弥々吉を法に基づき処断 8 00:00:35,161 --> 00:00:38,873 威光回復を果たし 再び 立ち上がった 9 00:00:38,956 --> 00:00:41,667 この危機的状況を 打開するため― 10 00:00:41,751 --> 00:00:46,922 龍門と賀来は1人の若者に ある策を託していた 11 00:00:48,048 --> 00:00:50,050 ♪~ 12 00:02:14,927 --> 00:02:16,929 ~♪ 13 00:02:20,140 --> 00:02:22,142 閉伊弥々吉の処刑後― 14 00:02:22,226 --> 00:02:25,980 輪島桜虎は正された法の 厳守を進めた 15 00:02:26,480 --> 00:02:30,109 また権力の集中していた 体制を見直し― 16 00:02:30,192 --> 00:02:31,569 軍議を導入 17 00:02:32,069 --> 00:02:36,282 軍幹部らを招集し 大和軍を撃滅すべく― 18 00:02:36,365 --> 00:02:38,409 ある大計を案じた 19 00:02:39,785 --> 00:02:40,911 作戦名は― 20 00:02:41,912 --> 00:02:43,497 “冬将軍作戦” 21 00:02:43,998 --> 00:02:45,040 うん 22 00:02:46,709 --> 00:02:49,461 明朝 我々 第1師団は発ち― 23 00:02:49,545 --> 00:02:51,380 福井 嶺北城を包囲― 24 00:02:51,463 --> 00:02:53,757 龍門軍の攻略を 開始します 25 00:02:53,841 --> 00:02:57,094 その間 総帥 率いる 5万の主力部隊で― 26 00:02:57,177 --> 00:03:00,139 大聖寺にて 孤立した長嶺軍を撃破 27 00:03:00,890 --> 00:03:02,391 もちろん そうなれば― 28 00:03:02,474 --> 00:03:05,102 大和から援軍が 来ることは確実かと 29 00:03:05,185 --> 00:03:08,981 その数 少なく 見積もっても10万超 30 00:03:09,773 --> 00:03:11,692 ですが これが本命 31 00:03:12,276 --> 00:03:16,071 我々は町を焼き払いながら 民と共に後退 32 00:03:16,572 --> 00:03:19,199 大和軍を首都 聖籠まで おびき寄せます 33 00:03:19,867 --> 00:03:22,661 そこで ヤツらは 知ることになるでしょう 34 00:03:23,245 --> 00:03:26,415 何より 厳しい 北陸の寒さを 35 00:03:26,916 --> 00:03:30,961 そして 聖籠は四方を険しい 自然に囲まれた要塞地帯で― 36 00:03:31,545 --> 00:03:34,840 その地に足を踏み入れれば 逃げ場は ありません 37 00:03:35,633 --> 00:03:38,010 長距離行軍で 食糧は底をつき― 38 00:03:38,093 --> 00:03:40,471 士気も失い 進退に窮したところで― 39 00:03:40,554 --> 00:03:44,099 反撃に転じて 大和軍を壊滅させます 40 00:03:46,352 --> 00:03:49,313 私は 以前“大和人に 決して屈しない”と― 41 00:03:49,396 --> 00:03:50,940 皆に言っておきながら― 42 00:03:51,023 --> 00:03:54,318 曖昧な根拠に基づき 敵前撤退をしました 43 00:03:56,278 --> 00:04:00,032 だが 今度こそ 私は迷わない 44 00:04:00,115 --> 00:04:04,161 今度こそ 私が誰よりも 先に この命をなげうつ! 45 00:04:04,745 --> 00:04:06,872 民のため! 国のため! 46 00:04:06,956 --> 00:04:08,832 共に突き進みましょう! 47 00:04:08,916 --> 00:04:11,710 おお~っ! 48 00:04:15,005 --> 00:04:16,298 お待ちください! 49 00:04:18,550 --> 00:04:19,760 どうぞ~ 50 00:04:20,260 --> 00:04:23,013 加田先生 失礼します 51 00:04:24,682 --> 00:04:27,309 ん? んん~? 52 00:04:27,393 --> 00:04:30,312 こらこら 龍門はん 何してん 53 00:04:30,396 --> 00:04:34,566 もう あれだけ安静にせな あかんて言うたやろ 54 00:04:34,650 --> 00:04:37,820 無理に動いて悪化したら どないすんねや 55 00:04:37,903 --> 00:04:41,281 賀来の… 賀来の容体を見るだけです 56 00:04:41,949 --> 00:04:43,826 加田先生 頼む 57 00:04:44,535 --> 00:04:45,953 ハア… 58 00:04:46,036 --> 00:04:48,956 ここまで来て 追い返しても しゃあないやろ 59 00:04:54,503 --> 00:04:57,006 あ… 60 00:04:58,215 --> 00:05:00,926 賀来よ… なんで 急に 61 00:05:01,010 --> 00:05:03,095 原因は 恐らく これや 62 00:05:04,346 --> 00:05:10,102 抗ウイルス薬 抗不整脈薬に 降圧薬… その他もろもろ 63 00:05:10,185 --> 00:05:12,521 賀来はんの軍服から 出てきたもんや 64 00:05:12,604 --> 00:05:13,897 ハア… 65 00:05:13,981 --> 00:05:16,358 どんな闇医者から 手に入れたんか― 66 00:05:16,442 --> 00:05:19,611 どれもこれも規定値を超えた ごっつい薬ばっかり 67 00:05:20,195 --> 00:05:21,613 思うに 賀来はんは― 68 00:05:21,697 --> 00:05:24,616 もともと 複数の 重病を患ってて― 69 00:05:24,700 --> 00:05:29,413 薬の相互作用と遠征による 環境的要因が絡んだ結果― 70 00:05:29,496 --> 00:05:33,250 呼吸障害を起こした可能性が 非常に高い 71 00:05:33,751 --> 00:05:36,003 こんな状況やと知ってたら― 72 00:05:36,086 --> 00:05:39,423 私は彼の従軍を なんとしても止めたやろう 73 00:05:39,923 --> 00:05:41,175 加田先生 74 00:05:41,675 --> 00:05:43,635 賀来に回復の見込みは? 75 00:05:43,719 --> 00:05:45,304 もちろん ある 76 00:05:45,888 --> 00:05:48,557 確かに ごっつええ状態 とは言えんが― 77 00:05:48,640 --> 00:05:50,476 医者として 最善は尽くした 78 00:05:51,060 --> 00:05:53,937 あとは 賀来はんが 目覚めるのを待つんや 79 00:05:54,438 --> 00:05:55,564 そうか 80 00:05:55,647 --> 00:05:58,484 ったく 辛気臭い顔すなて~ 81 00:05:58,567 --> 00:06:00,569 シャキっとせえ シャキっと 82 00:06:01,195 --> 00:06:02,654 加田先生… 83 00:06:03,655 --> 00:06:05,365 ほんま頼りになるな 84 00:06:05,449 --> 00:06:06,784 よう言うた! 85 00:06:09,328 --> 00:06:12,122 戦局は 極めて憂慮すべき状況にある 86 00:06:12,790 --> 00:06:14,208 この戦を制し― 87 00:06:14,291 --> 00:06:17,252 泰平の世に一歩 近づくためには 賀来― 88 00:06:17,336 --> 00:06:19,171 お前が おらな あかんねん 89 00:06:21,673 --> 00:06:22,800 生きよ 90 00:06:23,300 --> 00:06:25,803 生きて 彼に託した策を― 91 00:06:25,886 --> 00:06:29,598 天下の行く末を その目で見届けよ 92 00:06:34,520 --> 00:06:36,605 このような夜中に何用で? 93 00:06:37,189 --> 00:06:39,441 儂… いや 私は 94 00:06:39,525 --> 00:06:42,611 辺境将軍隊監事 三角青輝と申す者 95 00:06:43,237 --> 00:06:45,364 大和帝陛下に拝謁したい 96 00:06:45,447 --> 00:06:48,117 陛下は 既に お休みになってはられます 97 00:06:48,200 --> 00:06:49,576 お引き取りを 98 00:06:49,660 --> 00:06:52,955 いや 先ほど 戦線より急報が入り― 99 00:06:53,038 --> 00:06:56,959 辺境将軍府より 此度の戦に 関する ご用で参った次第 100 00:06:57,543 --> 00:07:00,379 あの いま一度 申し上げますが― 101 00:07:00,462 --> 00:07:02,881 陛下は 既に お休みになってはられます 102 00:07:03,465 --> 00:07:04,508 お引き取りを 103 00:07:04,591 --> 00:07:07,845 ただの ご用ではない 辺境将軍府より― 104 00:07:07,928 --> 00:07:10,848 福井への援軍の件で参ったと お取り次ぎを 105 00:07:13,183 --> 00:07:15,394 三角監事でしたか 106 00:07:15,477 --> 00:07:16,478 ええ 107 00:07:16,562 --> 00:07:19,064 何か 勘違い されてはるみたいですが― 108 00:07:19,148 --> 00:07:22,860 そもそも あなたのような ゴミ… 失敬 109 00:07:22,943 --> 00:07:24,278 あなたの ご身分では― 110 00:07:24,361 --> 00:07:26,655 陛下への拝謁は 無理にございます 111 00:07:28,031 --> 00:07:30,033 ああ! そうか そうか 112 00:07:30,117 --> 00:07:31,535 平民上がりの多い― 113 00:07:31,618 --> 00:07:34,496 辺境将軍隊には 分からへんか 114 00:07:36,665 --> 00:07:39,418 それに 援軍… の件 でしたか? 115 00:07:40,002 --> 00:07:43,130 聖夷が侵攻を開始したのは 5日前 116 00:07:43,213 --> 00:07:45,632 そんなことであれば 既に 大臣を通して― 117 00:07:45,716 --> 00:07:47,551 陛下も お聞きになって いらっしゃるので― 118 00:07:47,634 --> 00:07:49,178 ご心配なく 119 00:07:49,261 --> 00:07:51,054 ま… せやけど― 120 00:07:51,138 --> 00:07:52,931 どうしてもと 言うんでしたら― 121 00:07:53,015 --> 00:07:55,893 私が陛下に奏書を ご覧に入れるよう― 122 00:07:55,976 --> 00:07:58,228 取り計らっても よろしいですよ 123 00:07:58,312 --> 00:08:01,106 まっ それ相応の対価は 頂きますが 124 00:08:03,734 --> 00:08:04,818 守衛殿 125 00:08:04,902 --> 00:08:09,156 儂… いや 私のような 愚拙な者のために― 126 00:08:09,239 --> 00:08:11,283 思いもかけねえ ご厚意に感謝する 127 00:08:11,909 --> 00:08:15,120 三角監事は 物分かりのええ お方や 128 00:08:15,829 --> 00:08:18,540 ほな 奉書一通に対して まあ大体… 129 00:08:18,624 --> 00:08:20,375 しかしながら えっ? 130 00:08:21,168 --> 00:08:23,962 大臣らからの 援軍要請の話は あれど― 131 00:08:24,046 --> 00:08:26,298 辺境将軍隊からは まだ ないはず 132 00:08:26,381 --> 00:08:28,675 で あれば 大和帝陛下に― 133 00:08:28,759 --> 00:08:31,428 お取り次ぎしていただくのが 賢明な判断かと 134 00:08:33,639 --> 00:08:38,268 あ~ あ~ 物分かりの悪い お方や 135 00:08:38,352 --> 00:08:40,062 この者を捕らえよ! 136 00:08:42,189 --> 00:08:46,818 奉書を預けたら済むもんを 執拗に拝謁を求めるとは… 137 00:08:47,569 --> 00:08:49,988 既に お休みになられてはる 陛下を― 138 00:08:50,072 --> 00:08:52,658 自分のために呼んでこい 言うてるようなもんでは? 139 00:08:52,741 --> 00:08:54,493 そもそも こんな真夜中に― 140 00:08:54,576 --> 00:08:56,662 貴族でも高官でもない あなたが― 141 00:08:56,745 --> 00:09:00,082 陛下に拝謁を求めること自体 極めて不敬な行為! 142 00:09:00,165 --> 00:09:03,085 私は あの平内務卿より 不敬な者がおれば― 143 00:09:03,168 --> 00:09:04,920 処断してええと 仰せつかっとる身分! 144 00:09:05,003 --> 00:09:08,924 あなたを不敬罪とし 断罪いたすが異論はないな? 145 00:09:09,007 --> 00:09:10,175 異論ないです 146 00:09:10,259 --> 00:09:11,677 なっ… えっ? 147 00:09:12,261 --> 00:09:13,720 異論は ないです 148 00:09:13,804 --> 00:09:16,640 前提として 私が ほんまに不敬罪に― 149 00:09:16,723 --> 00:09:18,100 値するんならですが 150 00:09:18,183 --> 00:09:19,184 は? 151 00:09:19,726 --> 00:09:21,520 まず最初に申したとおり― 152 00:09:21,603 --> 00:09:25,148 儂は辺境将軍隊監事として ここに参った次第 153 00:09:25,732 --> 00:09:27,192 決して 儂自身のために― 154 00:09:27,276 --> 00:09:28,735 陛下を お呼びしてくれなどと― 155 00:09:28,819 --> 00:09:30,696 申しておるわけでは ありません 156 00:09:31,280 --> 00:09:34,533 そして 戦争は 国の命運を決する大事 157 00:09:34,616 --> 00:09:37,327 その選択は くれぐれも 明察せな なりません 158 00:09:38,036 --> 00:09:39,454 まさか 守衛殿は― 159 00:09:39,538 --> 00:09:43,125 目下の戦争に関わる急用と 一夜の お休み… 160 00:09:43,208 --> 00:09:45,127 陛下が この2つを 天秤に かけた際― 161 00:09:45,752 --> 00:09:46,795 後者を選択するような― 162 00:09:46,878 --> 00:09:48,046 お方だとでも? なっ! 163 00:09:49,006 --> 00:09:50,132 そもそも援軍の件が― 164 00:09:50,215 --> 00:09:52,884 陛下の お耳に入っていると いうのであれば― 165 00:09:53,385 --> 00:09:55,679 何故 陛下は援軍を 送ろうとなさらないのか 166 00:09:56,179 --> 00:09:58,348 軍事をつかさどる 辺境将軍隊からの― 167 00:09:58,432 --> 00:10:00,892 援軍要請こそが肝要じゃと― 168 00:10:00,976 --> 00:10:02,686 お考えになられとる からでは? 169 00:10:03,520 --> 00:10:06,189 それに 奉書の管轄は 司宮府であり― 170 00:10:06,273 --> 00:10:09,192 守衛に金を渡して 奉書を 預けるなどという話は― 171 00:10:09,276 --> 00:10:10,444 聞いたことがねえ 172 00:10:10,527 --> 00:10:13,405 仮に 守衛殿に 奉書を預けたとしても― 173 00:10:13,488 --> 00:10:15,532 既に 陛下は お休みなのであれば― 174 00:10:15,615 --> 00:10:18,452 奉書をご覧になるのは 早くて明日の朝議ごろ 175 00:10:19,119 --> 00:10:22,456 もし そのとき 取り返しの つかねえ事態に発展したら― 176 00:10:23,123 --> 00:10:26,084 儂と守衛殿 どちらが不敬罪に値するか― 177 00:10:26,168 --> 00:10:27,377 明白でしょう 178 00:10:27,878 --> 00:10:30,797 ぐっ… か… き… ききっ… 179 00:10:30,881 --> 00:10:33,300 あっ うん それまでや 180 00:10:37,554 --> 00:10:40,599 納刀納刀 2秒以内や 181 00:10:43,310 --> 00:10:45,145 内務卿に ご挨拶を! 182 00:10:45,228 --> 00:10:47,856 あっ うん ご苦労さん 183 00:10:48,440 --> 00:10:50,734 彼は皇城を守備する 重職ゆえ― 184 00:10:50,817 --> 00:10:54,613 常日頃から気が立っててな すまんかった 185 00:10:55,113 --> 00:10:56,865 とんでもないことで ございます 186 00:10:56,948 --> 00:11:00,118 守衛殿は 己が職を全うしたまで 187 00:11:00,202 --> 00:11:03,246 せやけど よう遠くまで聞こえてたが― 188 00:11:03,330 --> 00:11:05,582 ごっつ おもろい論陣やった 189 00:11:05,665 --> 00:11:10,128 君が かの農政改定案を 立案したという三角監事か 190 00:11:10,712 --> 00:11:14,132 ご承知おきくださり 望外の喜びにございます 191 00:11:14,216 --> 00:11:17,677 あっ うん 君のことは よう覚えとる 192 00:11:18,512 --> 00:11:21,765 愛媛の末端司農官から 僅かな年月で― 193 00:11:21,848 --> 00:11:24,684 よう ここまで立身出世 したもんやわ 194 00:11:27,270 --> 00:11:29,898 大体3年ぶりやんな? 195 00:11:30,941 --> 00:11:35,904 妻の命日から数えて 本日で 3年と3か月にございます 196 00:11:35,987 --> 00:11:38,240 あっ うん それはそうと― 197 00:11:38,323 --> 00:11:41,576 ちょうど 私も 戦線からの急報を受け― 198 00:11:41,660 --> 00:11:44,496 援軍の件で 拝謁するところでな 199 00:11:45,205 --> 00:11:49,126 辺境将軍隊からの 援軍要請こそが肝心 200 00:11:49,209 --> 00:11:51,753 君は それを 深く理解しとるようや 201 00:11:51,837 --> 00:11:54,714 共に参るか 三角監事 202 00:11:55,841 --> 00:11:57,717 ぜひ あっ うん 203 00:11:57,801 --> 00:11:59,761 返事が早い子は好きやで 204 00:12:00,846 --> 00:12:03,974 ほな 幸羽っち 2秒以内や 205 00:12:04,057 --> 00:12:05,851 えっ はにゃっ! 206 00:12:07,436 --> 00:12:10,772 目下の戦に関わる 急用で参った者を― 207 00:12:10,856 --> 00:12:13,692 私の名を使て 断罪しようとするとは― 208 00:12:13,775 --> 00:12:15,610 不愉快極まりない 209 00:12:15,694 --> 00:12:18,655 私を嫌な気持ちにさせた 210 00:12:18,738 --> 00:12:22,075 彼の罪状は君の妻と同じや 211 00:12:22,951 --> 00:12:26,121 ほな 三角監事を 正殿休処へ― 212 00:12:26,204 --> 00:12:27,873 お連れせえ はっ! 213 00:12:32,502 --> 00:12:35,714 今から 渡しに行かせよ思っててん 214 00:12:35,797 --> 00:12:37,466 兄ちゃんの嫁はんの― 215 00:12:38,675 --> 00:12:40,510 首 216 00:12:45,182 --> 00:12:47,684 三角監事は参殿せよ! 217 00:12:47,767 --> 00:12:51,146 三角監事は 参殿せよとの仰せや! 218 00:13:19,674 --> 00:13:22,385 辺境将軍隊監事 三角青輝が― 219 00:13:22,886 --> 00:13:25,931 大和帝陛下に拝謁いたします 220 00:13:33,730 --> 00:13:35,732 三角青輝… 221 00:13:36,316 --> 00:13:38,985 君ごときに帝への 拝謁が かなうと― 222 00:13:39,069 --> 00:13:40,862 ガチで思てんのか? 223 00:13:40,946 --> 00:13:43,114 バリ痛いヤツやん 224 00:13:43,198 --> 00:13:45,992 急報によれば 龍門辺境将軍は― 225 00:13:46,076 --> 00:13:48,286 聖夷軍の坂井侵攻を受け― 226 00:13:48,370 --> 00:13:50,497 籠城する構えを 整えてはるとか 227 00:13:51,289 --> 00:13:52,999 あの人の性分からして― 228 00:13:53,083 --> 00:13:56,419 その目的は 恐らく 帝への援軍要請 229 00:13:57,003 --> 00:13:59,047 せやけど 帝に援軍を要請したら― 230 00:13:59,130 --> 00:14:02,217 十中八九 あの男が出てくる 231 00:14:02,300 --> 00:14:07,681 平 殿器が軍権を掌握すれば 龍門辺境将軍の命が危ない 232 00:14:08,265 --> 00:14:10,892 賀来軍師は こうなる前途を危惧し― 233 00:14:10,976 --> 00:14:12,435 事前に彼に何か策を― 234 00:14:12,519 --> 00:14:14,521 託してはったん でしょうけど― 235 00:14:15,021 --> 00:14:17,941 これは さすがに 采配ミスちゃいますか 236 00:14:18,608 --> 00:14:20,443 運よく拝謁できたとしても― 237 00:14:20,527 --> 00:14:24,573 三角青輝ごときに 帝を動かすだけの力はない 238 00:14:25,532 --> 00:14:29,286 今回ばかりは 君の 思いどおりには いかへんで 239 00:14:29,369 --> 00:14:31,621 入れ 240 00:14:33,582 --> 00:14:37,043 阿佐馬武庫令補佐 伝馬の準備が整いました 241 00:14:37,544 --> 00:14:39,671 福井への最短ルートの ご説明は― 242 00:14:39,754 --> 00:14:41,923 食糧をご用意してから 後ほど… 243 00:14:42,007 --> 00:14:43,008 ん? 244 00:14:43,091 --> 00:14:46,678 食糧… あれっ じぶ… なっ えっ? 245 00:14:46,761 --> 00:14:49,306 時短のためや ここは ええから― 246 00:14:49,389 --> 00:14:51,474 備品に抜かりないか チェックしといてくれ 247 00:14:51,558 --> 00:14:53,184 あっ 了… はっ! 248 00:14:53,852 --> 00:14:55,020 ち… ちなみに 249 00:14:55,103 --> 00:14:57,897 今夜 床入りをご予定 されていた方々については… 250 00:14:58,607 --> 00:15:00,942 ああ すまんが リスケしといてくれ 251 00:15:01,776 --> 00:15:04,738 私を満足させられる 数少ない子らや 252 00:15:04,821 --> 00:15:07,157 丁重に頼むで はっ! 253 00:15:10,410 --> 00:15:11,411 は? 254 00:15:12,203 --> 00:15:13,830 ちょ 待て 私 255 00:15:13,913 --> 00:15:14,914 今 さっき 私― 256 00:15:14,998 --> 00:15:17,751 彼に拝謁は無理やとか 言うてたやん 257 00:15:18,376 --> 00:15:20,629 ほな なんで 私 世話になってる嬢たちとの― 258 00:15:20,712 --> 00:15:23,006 逢瀬をバラしてまで 君に言われたとおり― 259 00:15:23,089 --> 00:15:25,425 バリバリ 福井へ行く支度してんねん 260 00:15:25,508 --> 00:15:30,305 まさか 私 彼が拝謁を 成し遂げてくると信じてる? 261 00:15:30,388 --> 00:15:31,973 ちゃう ちゃう ちゃう ちゃうねん 262 00:15:32,057 --> 00:15:33,350 そんなわけあるかい 263 00:15:33,433 --> 00:15:35,852 私は阿佐馬宗家の嫡子やで 264 00:15:35,935 --> 00:15:37,979 芋臭い田舎もんの 七三地味男が― 265 00:15:38,063 --> 00:15:39,814 帝に拝謁し そのうえで― 266 00:15:39,898 --> 00:15:42,692 帝を動かせるなどと 信じてるわけがない 267 00:15:43,193 --> 00:15:44,986 絶対に ない 268 00:15:50,241 --> 00:15:51,660 ま… ええわ 269 00:15:52,243 --> 00:15:55,413 君は私を信じ 急使の任を託した 270 00:15:55,497 --> 00:15:57,874 ほな 私も ダッサい逆張りせんと― 271 00:15:57,957 --> 00:15:59,542 君を信じたるわ 272 00:16:00,043 --> 00:16:03,046 私 君より大人やし 器量あるしな 273 00:16:03,129 --> 00:16:05,715 抜かりないよう がっつり支度して― 274 00:16:05,799 --> 00:16:08,551 君が戻ってくるのを 待っといてやるからな 275 00:16:09,386 --> 00:16:11,262 この私が信じてあげてんねん 276 00:16:12,472 --> 00:16:16,893 賀来軍師から託された務めを ちゃんと果たしてこい 277 00:16:20,271 --> 00:16:23,942 あっ うん 始めよか 30分以内や 278 00:16:25,694 --> 00:16:28,405 ハッ… す… すまん 内務卿 279 00:16:28,488 --> 00:16:29,948 さて 陛下 280 00:16:30,031 --> 00:16:33,284 三角監事は元司農官としての 知識を生かし― 281 00:16:33,368 --> 00:16:37,247 農政改定案を立案した 先見の明ある人物です 282 00:16:37,872 --> 00:16:41,960 彼の献策なくば 大聖寺にて 孤立した我が軍は おろか― 283 00:16:42,043 --> 00:16:44,629 保護した民にまで 食糧が行き届かず― 284 00:16:44,713 --> 00:16:47,507 戦線は もっと悲惨な 結果になっていたでしょう 285 00:16:47,590 --> 00:16:50,343 へ… へえ すごいやん 自分 286 00:16:50,427 --> 00:16:51,970 恐れ多いことです 287 00:16:52,470 --> 00:16:53,888 龍門辺境将軍に― 288 00:16:53,972 --> 00:16:56,683 私の愚説を採用して いただけたからこそ… 289 00:16:56,766 --> 00:17:00,437 あっ うん ただの事実に 謙遜は いらへん 290 00:17:01,020 --> 00:17:02,647 しかし 陛下 291 00:17:02,731 --> 00:17:04,941 三角監事の功績を もってしても― 292 00:17:05,024 --> 00:17:07,819 我が軍は 切迫した状況にあります 293 00:17:07,902 --> 00:17:08,903 あっ そうなん 294 00:17:08,987 --> 00:17:12,449 目下 戦線では 聖夷の侵略を許し― 295 00:17:12,532 --> 00:17:16,161 多くの将兵が殺され 女性や少年少女らも― 296 00:17:16,244 --> 00:17:18,872 強姦 虐殺の被害に 遭っているとのこと 297 00:17:19,456 --> 00:17:24,335 私事を申せば 我が愚息 殿継も夷人に銃撃され― 298 00:17:24,419 --> 00:17:26,379 重症を負ったと聞きます 299 00:17:26,463 --> 00:17:29,758 私も 私の妻も 愚息のことを思うと― 300 00:17:29,841 --> 00:17:32,677 胸が引き裂かれる 思いであります 301 00:17:32,761 --> 00:17:35,096 なんちゅう非道なヤツらか 302 00:17:35,180 --> 00:17:37,724 北地に住んでた彼らの ご先祖様も― 303 00:17:37,807 --> 00:17:39,434 泣いてはられることでしょう 304 00:17:43,438 --> 00:17:44,814 では ひっ 305 00:17:45,815 --> 00:17:48,067 果たして 聖夷の暴挙を許したのは― 306 00:17:48,151 --> 00:17:49,986 誰の責任でしょうか? 307 00:17:50,069 --> 00:17:52,530 えっ まさか 朕? 308 00:17:53,531 --> 00:17:55,450 無論 龍門です 309 00:17:55,533 --> 00:17:58,161 龍門? りゅりゅりゅ… 龍門? 310 00:18:00,288 --> 00:18:03,166 龍門は金沢に入った 3万の大和軍を― 311 00:18:03,249 --> 00:18:06,044 軽々に見捨て 己は福井に逃げ― 312 00:18:06,127 --> 00:18:08,338 5日も城に 引きこもっているとか 313 00:18:08,421 --> 00:18:11,800 更に 坂井をも もぬけの殻にしたせいで― 314 00:18:11,883 --> 00:18:14,302 聖夷軍に みすみす占領される始末 315 00:18:14,385 --> 00:18:17,931 これを無能と言わず なんと言いましょう? 316 00:18:22,894 --> 00:18:24,479 あ… ハハ… ハハ… 317 00:18:25,355 --> 00:18:26,523 ハ… ハ? 318 00:18:26,606 --> 00:18:28,858 あっ うん 陛下 319 00:18:28,942 --> 00:18:33,530 私には龍門が将軍に値する 人物とは思えません 320 00:18:33,613 --> 00:18:37,200 ここにおる 総勢57名の大臣より― 321 00:18:37,283 --> 00:18:39,953 龍門の軍権剥奪と それに伴う― 322 00:18:40,036 --> 00:18:43,498 新たな将軍の 任命を上奏いたします 323 00:18:43,998 --> 00:18:45,917 上奏いたします! 324 00:18:46,668 --> 00:18:49,671 あの男が 儂を参殿させた目的は― 325 00:18:50,296 --> 00:18:52,257 辺境将軍隊の思惑を知り― 326 00:18:52,882 --> 00:18:55,510 それを帝の目前で くじくことやろう 327 00:18:56,511 --> 00:18:58,513 いかに この状況を 打開するべきか 328 00:18:59,013 --> 00:19:01,307 考えろ 考えろ 考えろ 329 00:19:01,391 --> 00:19:05,478 ん~ せ… せやけど 誰が龍門の後任に? 330 00:19:05,562 --> 00:19:07,438 申し上げます 陛下 331 00:19:08,147 --> 00:19:09,607 陛下の岳父であり― 332 00:19:09,691 --> 00:19:12,861 陛下を長年お支えした 平内務卿こそが― 333 00:19:12,944 --> 00:19:15,029 将軍職を拝命すべきかと 334 00:19:15,113 --> 00:19:19,534 我ら一同 平内務卿への将軍職兼任を― 335 00:19:19,617 --> 00:19:23,037 偉大なる大和帝陛下に お願い申し上げます! 336 00:19:23,121 --> 00:19:27,417 臆病者の龍門に代わって 私が将軍となれば― 337 00:19:27,500 --> 00:19:30,295 一刻も早く戦地に 大援軍を送り― 338 00:19:30,378 --> 00:19:33,506 必ずや聖夷を 滅ぼしてみせましょう 339 00:19:37,969 --> 00:19:39,888 確かに 適任は― 340 00:19:39,971 --> 00:19:42,432 内務卿しか おらん気ぃする… 341 00:19:43,391 --> 00:19:44,976 よ… よしっ ほな… 342 00:19:45,059 --> 00:19:46,144 恐れながら 343 00:19:48,605 --> 00:19:52,400 平内務卿への軍権賜与および それに伴う出動は― 344 00:19:53,026 --> 00:19:55,236 ご再考されたほうが よろしいかと 345 00:19:55,320 --> 00:19:57,488 えっ えっ? ほう 346 00:19:57,572 --> 00:20:00,783 あっ 彼 死んだな 斬首確定やん 347 00:20:00,867 --> 00:20:02,660 三角監事! 348 00:20:02,744 --> 00:20:05,580 事態は もはや 一刻一秒を争います 349 00:20:05,663 --> 00:20:07,749 無駄な議論を持ちかけるのは やめなさい! 350 00:20:08,333 --> 00:20:11,502 一刻一秒を 争うからこそ 議論を重ね― 351 00:20:11,586 --> 00:20:13,755 最適解を導き出すべきかと 352 00:20:13,838 --> 00:20:17,842 あの~ 最適解は 既に出てますけど 353 00:20:17,926 --> 00:20:19,510 てか えっ まさか― 354 00:20:19,594 --> 00:20:23,181 平内務卿のほかに 適任者がおるとでも? 355 00:20:23,264 --> 00:20:26,225 はいはい 陛下 私 思い出しました! 356 00:20:26,309 --> 00:20:27,477 えっ 何 何? 357 00:20:27,560 --> 00:20:31,522 うわさによれば 三角監事は職権を濫用して― 358 00:20:31,606 --> 00:20:33,858 気に入らへん 辺境将軍隊属員らを― 359 00:20:33,942 --> 00:20:37,070 処刑や流罪にし 己が名声を高めることに― 360 00:20:37,153 --> 00:20:39,906 粉骨砕身しておられるとか! 361 00:20:39,989 --> 00:20:44,410 此度 参殿した理由も 己が名声を高めるためでは? 362 00:20:44,494 --> 00:20:45,912 えっ そうなん? 363 00:20:45,995 --> 00:20:48,414 そうなんです 陛下 364 00:20:48,498 --> 00:20:51,960 この人 援軍の指揮官に ふさわしいのは自分です― 365 00:20:52,043 --> 00:20:54,003 とか言ったりして! ヤバ~っ! 366 00:20:54,712 --> 00:20:57,507 売名行為も ほどほどになさいませ 367 00:20:57,590 --> 00:20:59,300 アッハッハッハ! 368 00:21:05,056 --> 00:21:06,140 ハッハッハ… 369 00:21:06,224 --> 00:21:07,850 なっ… は? 370 00:21:07,934 --> 00:21:09,310 ハア… 371 00:21:09,394 --> 00:21:12,230 井の中の蛙 その大海を知らず 372 00:21:12,897 --> 00:21:15,233 ふだんは井戸の中に おるカエルが― 373 00:21:15,316 --> 00:21:17,568 このような場に おられたとは 意外でした 374 00:21:17,652 --> 00:21:19,070 なっ! どゅふ! 375 00:21:19,153 --> 00:21:20,989 えっ カ… カエル? 376 00:21:21,656 --> 00:21:23,950 ふだんから 己が名声を高めることに― 377 00:21:24,033 --> 00:21:25,952 粉骨砕身 しておられる方には― 378 00:21:26,035 --> 00:21:27,745 理解できないかも しれませんが― 379 00:21:28,371 --> 00:21:32,000 私が高めたのは 己が名声ではなく法の権威 380 00:21:32,875 --> 00:21:35,712 大臣である貴殿が その手の訳の分からん― 381 00:21:35,795 --> 00:21:38,673 うわさをうのみにし 陛下の 御前で意気揚々と― 382 00:21:38,756 --> 00:21:40,675 論じられるのは いかがなものかと 383 00:21:41,300 --> 00:21:43,594 それに 指揮官の件に 関しましても― 384 00:21:43,678 --> 00:21:46,806 私に大軍を率いることが できる官位がないことは― 385 00:21:46,889 --> 00:21:48,933 重々 承知しております 386 00:21:50,810 --> 00:21:54,272 このような重要な場で そんな暴論が出ようとは― 387 00:21:54,355 --> 00:21:57,442 私には いささか 考えつきもしませんでした 388 00:21:57,525 --> 00:21:59,694 ぐっ… ぬぅ… 389 00:21:59,777 --> 00:22:01,571 もうええ 下がれ 390 00:22:01,654 --> 00:22:02,655 はっ… 391 00:22:05,491 --> 00:22:07,618 あっ うん ほな 聞こう 392 00:22:07,702 --> 00:22:12,331 援軍の指揮官に ふさわしい者とは 誰や? 393 00:22:17,462 --> 00:22:19,088 ふさわしい者など おりません 394 00:22:19,756 --> 00:22:21,841 お… おらん? どういうことや? 395 00:22:22,425 --> 00:22:25,720 私は福井に援軍を 送るべきではないと― 396 00:22:25,803 --> 00:22:26,846 考えております 397 00:22:29,682 --> 00:22:32,226 えっ? 待って どういうこと? 398 00:22:32,310 --> 00:22:33,478 彼 さっきから 何を言うてんの? 399 00:22:34,729 --> 00:22:35,730 ふう… 400 00:22:35,813 --> 00:22:39,067 ほな 君は ここに何をしに来たんや? 401 00:22:42,278 --> 00:22:45,990 陛下より 撤退の勅書を賜りたく 402 00:22:46,074 --> 00:22:47,325 は? 403 00:22:47,950 --> 00:22:49,160 撤退? 404 00:22:49,660 --> 00:22:51,079 大和が降伏? いやいや― 405 00:22:51,162 --> 00:22:52,371 ありえへんやろ 406 00:22:52,455 --> 00:22:53,956 民は どうすんねん 407 00:22:54,457 --> 00:22:55,458 領土は捨てるっちゅうんか! 408 00:22:55,541 --> 00:22:56,918 暴論や 暴論! 409 00:23:01,005 --> 00:23:03,007 ♪~ 410 00:24:28,509 --> 00:24:30,511 ~♪