1 00:00:03,770 --> 00:00:05,822 《俺の名前は 野原ひろし》 2 00:00:05,822 --> 00:00:08,809 《ここ 双葉商事に勤めるサラリーマンだ》 3 00:00:09,776 --> 00:00:13,747 《出世街道を爆進中! と言えば嘘になるが…》 4 00:00:13,747 --> 00:00:16,783 (パソコンのエラー音) えっ? あ… あれ? 5 00:00:16,783 --> 00:00:20,787 《後輩からは それなりに尊敬されている… はずだ》 6 00:00:24,758 --> 00:00:27,778 こちらも早く動く必要があるってわけだな。 7 00:00:27,778 --> 00:00:29,780 (川口)なるほど。 8 00:00:29,780 --> 00:00:31,765 ん? 続けてください。 9 00:00:31,765 --> 00:00:33,784 (川口がスマホをタップする音) あ… ああ。 10 00:00:33,784 --> 00:00:35,836 あと カラーバリエーションも 増やしたいって話で…。 11 00:00:35,836 --> 00:00:37,771 へえ~。 …って おい! 12 00:00:37,771 --> 00:00:39,790 川口! はい? 13 00:00:39,790 --> 00:00:41,775 ミーティング中に スマホをポチポチするなよ! 14 00:00:41,775 --> 00:00:45,762 ああ 違いますよ。 先輩の言ってたことをメモしてたんです。 15 00:00:45,762 --> 00:00:47,781 えっ? メモ? 16 00:00:47,781 --> 00:00:49,750 (川口)はい。 そ… そうか。 17 00:00:49,750 --> 00:00:52,736 手書きより こっちのほうが早いんで。 18 00:00:52,736 --> 00:00:57,791 いや しかしなあ… 何か感じ悪いというか→ 19 00:00:57,791 --> 00:01:00,794 サラリーマンの礼儀作法に反してやしないか? 20 00:01:01,762 --> 00:01:03,797 それ 誰が決めたんですか? 21 00:01:03,797 --> 00:01:05,816 誰がってわけじゃないけど…。 22 00:01:05,816 --> 00:01:14,374 物事には 慣習とか伝統とかってやつが…。 23 00:01:13,757 --> 00:01:15,809 なっ… なんだと? 24 00:01:15,809 --> 00:01:19,796 そんなものは 時代とともに変わっていくんですから。 25 00:01:19,796 --> 00:01:22,783 もっと柔軟に対応していかないと。 26 00:01:22,783 --> 00:01:24,768 ああっ…! 27 00:01:24,768 --> 00:01:31,058 ♬~ 28 00:03:05,719 --> 00:03:08,772 《なんだよ… 俺が間違ってるってのか?》 29 00:03:08,772 --> 00:03:10,757 《う~ん… モヤモヤする》 30 00:03:10,757 --> 00:03:15,729 《よし! うまいものでも食って パーッと気分を晴らそう!》 31 00:03:15,729 --> 00:03:19,733 《おっ! いい感じのレストラン。 どれどれ…》 32 00:03:19,733 --> 00:03:21,752 げっ! 33 00:03:21,752 --> 00:03:24,755 《さすがに ランチで3000円はないなあ…》 34 00:03:24,755 --> 00:03:30,744 《もうちょっと お手頃に ゴージャスな気分を味わえる店は…》 35 00:03:30,744 --> 00:03:33,747 《回転寿司か… ありだな》 36 00:03:35,766 --> 00:03:37,751 (店員)いらっしゃいませ! カウンター席に どうぞ。 37 00:03:38,735 --> 00:03:43,774 《家族で来る時は ボックス席だから カウンター席は新鮮だ》 38 00:03:43,774 --> 00:03:46,777 《さて… いろいろ回ってはいるが→ 39 00:03:46,777 --> 00:03:52,766 最近は タッチパネルから 直接 欲しいものを注文するのが基本だ》 40 00:03:52,766 --> 00:03:56,753 《最初に何から頼むか。 選択肢は無限大》 41 00:03:56,753 --> 00:03:59,756 《…のようでいて 実は そうでもない!》 42 00:03:59,756 --> 00:04:01,742 《寿司の食べ方には→ 43 00:04:01,742 --> 00:04:04,744 王道と呼ぶべき順序が存在する》 44 00:04:04,744 --> 00:04:07,764 《白身から始まり 貝類に続き→ 45 00:04:07,764 --> 00:04:11,785 そこから ウニやいくらなど うまみの強いもの》 46 00:04:11,785 --> 00:04:14,788 《そして トロなど脂ののったものに移行》 47 00:04:14,788 --> 00:04:18,792 《こうすることで 全てのネタを美味しく頂ける》 48 00:04:18,792 --> 00:04:23,780 《野球のピッチャーに 先発 中継ぎ 抑えがいるように→ 49 00:04:23,780 --> 00:04:27,818 歴史の中で編み出された セオリーがあるのだ》 50 00:04:27,818 --> 00:04:29,769 というわけで…。 51 00:04:29,769 --> 00:04:32,789 《タイ ハマチ えんがわ》 52 00:04:32,789 --> 00:04:34,791 《最初の注文は これでいこう》 53 00:04:34,791 --> 00:04:37,761 《寿司は 日本の伝統食》 54 00:04:37,761 --> 00:04:44,267 《伝統的な作法を守って食すのが→ 55 00:04:41,765 --> 00:04:44,768 《まあ 川口の奴には わからないだろうが…》 56 00:04:44,768 --> 00:04:47,754 (寿司の到着音) 《おっ! 来た来た》 57 00:04:48,755 --> 00:04:50,757 《おお~っ!》 58 00:04:51,758 --> 00:04:54,778 《ゴージャスに輝くタイ》 59 00:04:54,778 --> 00:04:57,747 《プリッと引き締まったハマチ》 60 00:04:57,747 --> 00:04:59,766 《とろけそうな えんがわ》 61 00:04:59,766 --> 00:05:02,769 《やっぱ 寿司はいいなあ~!》 62 00:05:02,769 --> 00:05:04,788 《よし! 食べる前に…》 63 00:05:04,788 --> 00:05:07,774 《この店には 醤油皿がないため→ 64 00:05:07,774 --> 00:05:10,760 このように自力で確保する必要がある》 65 00:05:10,760 --> 00:05:12,746 《さらに ファミリー層を意識して→ 66 00:05:12,746 --> 00:05:15,765 全品わさび抜きに なっているため→ 67 00:05:15,765 --> 00:05:19,769 こちらも ネタに醤油を軽くつけつつ→ 68 00:05:19,769 --> 00:05:22,756 同時に シャリにわさびをのせる》 69 00:05:22,756 --> 00:05:24,758 《ネタを戻して…》 70 00:05:24,758 --> 00:05:26,760 いただきます。 71 00:05:28,778 --> 00:05:30,764 《うまーい!》 72 00:05:30,764 --> 00:05:33,767 《この皮の コリッコリが いいんだよな~!》 73 00:05:33,767 --> 00:05:36,786 《2貫目も当然 うまい!》 74 00:05:36,786 --> 00:05:39,756 《えっ? 次は どっちを食べるんだって?》 75 00:05:39,756 --> 00:05:42,792 《まあ 慌てなさんな…》 76 00:05:42,792 --> 00:05:46,746 《ここで もうひと皿空けて そこにガリを盛りつければ…》 77 00:05:46,746 --> 00:05:50,750 《完成! これぞ 三皿の構え!》 78 00:05:50,750 --> 00:05:52,702 《回転寿司を快適に食べるための→ 79 00:05:52,702 --> 00:05:54,704 最強形態だ!》 80 00:05:55,789 --> 00:05:59,776 《ハマチもうまいし えんがわも最高!》 81 00:05:59,776 --> 00:06:02,746 《あっという間に 3皿食べちまったなあ…》 82 00:06:02,746 --> 00:06:04,748 《お次は…》 83 00:06:04,748 --> 00:06:07,117 赤貝といくらだな。 84 00:06:07,117 --> 00:06:10,770 《そして 俺は 先の先を読む男》 85 00:06:10,770 --> 00:06:14,774 《今から その次のことも考えて… ぬっ!?》 86 00:06:14,774 --> 00:06:17,761 《極上 大トロ…》 87 00:06:17,761 --> 00:06:20,747 《少し お高いが めちゃくちゃうまそうだ…》 (つばを飲み込む音) 88 00:06:21,748 --> 00:06:24,768 《よし… 今日は奮発しちまおう》 89 00:06:24,768 --> 00:06:26,753 (到着音) おっ! 90 00:06:26,753 --> 00:06:28,755 《赤貝といくらが来たか》 91 00:06:30,774 --> 00:06:32,759 《う~ん そうそう!》 92 00:06:32,759 --> 00:06:35,762 《この歯応えと磯の香りが 醍醐味なんだよ!》 93 00:06:41,718 --> 00:06:43,737 《寿司自体の味は もちろん→ 94 00:06:43,737 --> 00:06:47,724 この順番で食べるからこそ 美味しく味わえる》 95 00:06:47,724 --> 00:06:51,728 《やっぱり 伝統的な作法を守るってのは 大事なんだよ》 96 00:06:54,764 --> 00:06:56,750 《大トロは まだ来ないか…》 97 00:06:56,750 --> 00:07:00,720 《回ってるやつから 何か取るか…》 98 00:07:00,720 --> 00:07:04,808 《いや しかし 順番を破るわけには…》 99 00:07:04,808 --> 00:07:06,760 ん? ハンバーグ? 100 00:07:06,760 --> 00:07:09,763 《しんのすけが よく食べてるやつだな…》 101 00:07:09,763 --> 00:07:14,084 《あれ うまいのか?》 102 00:07:14,084 --> 00:07:14,751 《ものは試しに ひとつ…》 103 00:07:14,751 --> 00:07:16,753 《ああ… い… いかん いかん いかん!》 104 00:07:16,753 --> 00:07:19,756 《寿司は伝統食 あんなものは粋じゃない!》 105 00:07:19,756 --> 00:07:22,792 《子供は ともかく いい大人が食べるものでは…》 106 00:07:22,792 --> 00:07:29,265 (男性)おっ! ハンバーグ! えっ? 107 00:07:28,748 --> 00:07:32,769 《しかも あんなに幸せそうな顔で食べて…》 108 00:07:29,265 --> 00:07:32,268 《俺より年上なのに取った!?》 109 00:07:32,769 --> 00:07:36,806 《大人をも魅了するポテンシャルが あるっていうのか?》 110 00:07:36,806 --> 00:07:38,758 《あっ! また来た》 111 00:07:38,758 --> 00:07:46,066 《ど… どうする?》 112 00:07:46,066 --> 00:07:55,709 先輩。 もっと自分に 素直になりましょうよ~。 113 00:07:49,753 --> 00:07:51,771 《や… やめろ!》 114 00:07:51,771 --> 00:07:53,790 (川口の声)ほらほら 早く決断しないと→ 115 00:07:53,790 --> 00:07:57,811 流れていっちゃいますよぉ~? 116 00:07:55,709 --> 00:07:58,511 興味があるんでしょ? 117 00:07:57,811 --> 00:08:00,797 《ああっ…!》 118 00:08:01,748 --> 00:08:03,733 《取ってしまった…》 119 00:08:03,733 --> 00:08:07,737 《俺は 越えてはいけない一線を 越えてしまったんだ…》 120 00:08:11,741 --> 00:08:13,760 《うっ…→ 121 00:08:13,760 --> 00:08:15,762 う… うまいじゃないかあぁぁ~!》 122 00:08:15,762 --> 00:08:19,766 《想像以上に肉がやわらかく ジューシーな食感!》 123 00:08:19,766 --> 00:08:24,771 《そして 照り焼きソースと マヨネーズが奏でるハーモニー!》 124 00:08:24,771 --> 00:08:37,934 《ああ… 俺は 今 無粋なものを食べている》 125 00:08:31,745 --> 00:08:35,765 《もう 俺は戻れない場所に来てしまった…》 126 00:08:35,765 --> 00:08:38,735 《もはや いっそ 無粋ってものを極めてみるか?》 127 00:08:38,735 --> 00:08:41,738 《な~に 誰が見ているわけでもない…》 128 00:08:41,738 --> 00:08:43,740 《ままよっ!》 129 00:08:44,791 --> 00:08:46,793 《豚カルビ寿司!》 130 00:08:47,761 --> 00:08:51,781 《うまい! そりゃうまいよ… カルビと米だもんな》 131 00:08:51,781 --> 00:08:53,733 《エビフライ寿司!》 132 00:08:53,733 --> 00:08:57,771 《う~ん! 衣はサクサク! 中はプリプリだ~!》 133 00:08:57,771 --> 00:08:59,739 《マヨコーン寿司と唐揚げ寿司!》 134 00:08:59,739 --> 00:09:07,897 《なぜ コーンとマヨネーズを 混ぜただけの寿司が→ 135 00:09:03,760 --> 00:09:05,762 《もう 形からして おかしい!》 136 00:09:05,762 --> 00:09:07,764 《いや うまけりゃいいんだ うまけりゃ…》 137 00:09:07,764 --> 00:09:10,750 《よーし お次は…→ 138 00:09:10,750 --> 00:09:12,752 ラーメンか…》 139 00:09:12,752 --> 00:09:14,754 《いや… 待て待て!》 140 00:09:14,754 --> 00:09:16,756 《ここまで食べてきたものは 変化球ではあるが→ 141 00:09:16,756 --> 00:09:19,743 寿司というフォーマットにはのっとっていた》 142 00:09:19,743 --> 00:09:22,796 《だが ラーメンはラーメンじゃないか!》 143 00:09:22,796 --> 00:09:27,751 《いいのか? 俺は この最後の川を渡ってしまって…》 144 00:09:27,751 --> 00:09:30,737 (川口の声)先輩は本当に頑固だな~! 145 00:09:30,737 --> 00:09:32,789 《川口 出てくるな!》 146 00:09:32,789 --> 00:09:34,741 (川口の声)うまけりゃいいって 言ってたじゃないですか。 147 00:09:34,741 --> 00:09:36,760 それに ほら。 148 00:09:36,760 --> 00:09:39,729 魚でラーメンの出汁を 取ってるわけですから→ 149 00:09:39,729 --> 00:09:42,749 ある意味 ハンバーグより 寿司に近いですよ。 150 00:09:42,749 --> 00:09:50,940 《へりくつは やめろ!》 151 00:09:46,770 --> 00:09:49,756 食べなきゃ きっと 後悔すると思うけどなあ~。 152 00:09:49,756 --> 00:09:53,743 《うっ… うう… ううっ…→ 153 00:09:53,743 --> 00:09:57,747 うおおぉぉーっ!》 154 00:09:59,732 --> 00:10:01,718 《寿司屋でラーメン…》 155 00:10:02,735 --> 00:10:05,738 《こんなに無粋なことがあるだろうか》 156 00:10:05,738 --> 00:10:07,740 《しかし…》 157 00:10:08,741 --> 00:10:12,779 《うめえ! ラーメン うめえ~!》 158 00:10:12,779 --> 00:10:20,770 《いつもは 塩分 気にしてスープ残すけど 今日は 全部飲んじゃうもんね~!》 159 00:10:20,753 --> 00:10:23,756 《いや むしろ 全部ぶち壊していくべきなんだ!》 160 00:10:23,756 --> 00:10:26,759 《俺が間違っていたよ 川口…》 161 00:10:26,759 --> 00:10:28,745 (店員)大変申し訳ございません! ん? 162 00:10:28,745 --> 00:10:32,732 ご注文の極上大トロ 遅くなってしまって…。 163 00:10:32,732 --> 00:10:41,241 《えっ… 大トロ?》 164 00:10:38,755 --> 00:10:40,740 おわあっ! 165 00:10:41,758 --> 00:10:44,794 《な… なんと美しいフォルム!》 166 00:10:44,794 --> 00:10:47,747 《脂ののり方も文句のつけようがない!》 167 00:10:47,747 --> 00:10:49,766 《さすがは大トロ!》 168 00:10:49,766 --> 00:10:53,753 《寿司の王様というべき 風格が漂っている!》 169 00:10:57,757 --> 00:11:02,762 《これぞクライマックスにふさわしい 圧倒的な満足感…》 170 00:11:03,746 --> 00:11:06,749 《俺は 何を血迷っていたんだろう…》 171 00:11:06,749 --> 00:11:10,787 《やはり 大事なのは伝統と作法だ》 172 00:11:10,787 --> 00:11:13,740 《よーし… もう 迷わないぞ!》 173 00:11:13,740 --> 00:11:16,759 《…って ティラミス きたー!》 174 00:11:16,759 --> 00:11:19,762 《寿司屋という場違いな場所に存在している 引け目を感じさせない→ 175 00:11:19,762 --> 00:11:22,749 凛とした たたずまい~!》 176 00:11:22,749 --> 00:11:26,753 《やはり… やはり 無粋も捨てがたい!》 177 00:11:26,753 --> 00:11:28,755 《甘~い!》 178 00:11:28,755 --> 00:11:32,759 《そして この冷たさが ヒートアップした俺を落ち着かせてくれる》 179 00:11:33,760 --> 00:11:36,746 《大トロもうまいし ティラミスもうまい》 180 00:11:36,746 --> 00:11:38,765 《今までのものと新しいもの→ 181 00:11:38,765 --> 00:11:42,769 どちらもバランスよく取り込んでいくことが 大事なんだな》 182 00:11:43,786 --> 00:11:45,772 《ありがとう 回転寿司》 183 00:11:45,772 --> 00:11:48,775 《君には 大切なことを 勉強させてもらったよ》 184 00:11:48,775 --> 00:11:51,794 お会計 3280円です。 185 00:11:51,794 --> 00:11:53,780 《げっ… そんなに!?》 186 00:11:54,764 --> 00:11:57,767 明日の昼は カップラーメンか…。 187 00:11:58,751 --> 00:12:01,788 まさか ここより高くつくとは…。 188 00:12:01,788 --> 00:12:04,791 勉強代も安くねえなあ…。 189 00:12:05,792 --> 00:12:07,794 ごちそうさまでした。 190 00:12:10,763 --> 00:12:12,782 (さやか)なんで レポートって→ 191 00:12:12,782 --> 00:12:14,767 提出ギリギリにならないと やる気出ないんだろ。 192 00:12:14,767 --> 00:12:27,947 (萌美)わかる! でも 遥は偉いよねえ。 193 00:12:23,826 --> 00:12:26,763 《私 大学生の四杉遥》 194 00:12:26,763 --> 00:12:30,767 《気の置けない友人にも恵まれて 青春真っ盛りです!》 195 00:12:27,947 --> 00:12:28,865 いっつも計画的にコツコツ進めて。 196 00:12:30,767 --> 00:12:32,785 ああ そうだ。 197 00:12:32,785 --> 00:12:35,788 2人に ちょっと 相談にのってほしいんだけどさ…。 198 00:12:35,788 --> 00:12:37,774 (萌美)えっ 何? 199 00:12:37,774 --> 00:12:39,792 私に ドラムたたけるかな…? 200 00:12:39,792 --> 00:12:41,761 ドラム? (遥)うん。 201 00:12:41,761 --> 00:12:45,765 この間 大学で バンドサークルの人たちと すれ違った時…。 202 00:12:46,783 --> 00:12:50,787 (学生)あ~あ…。 腕のいいドラマー どっかにいねえかな。 203 00:12:51,788 --> 00:12:56,776 あれ 私にやってほしいっていう 勧誘のメッセージだったと思うんだよね。 204 00:12:56,776 --> 00:13:06,252 (萌美・さやか)ええっ…。 205 00:13:02,782 --> 00:13:05,785 方向性の違いで もめたりしないかなっていうのも→ 206 00:13:05,785 --> 00:13:19,415 ちょっと心配でさあ…。 207 00:13:12,809 --> 00:13:14,811 (携帯電話の着信音) 208 00:13:14,811 --> 00:13:16,796 あっ バイト先だ。 ごめん ちょっと出るね。 209 00:13:16,796 --> 00:13:18,781 もしもし。 はい。 210 00:13:18,781 --> 00:13:23,803 多分 勧誘されてないよね。 うん…。 211 00:13:23,803 --> 00:13:28,808 遥 すごくいい子なんだけど 自意識過剰なのが 玉にきずよね。 212 00:13:28,808 --> 00:13:33,796 一回 勘違いしちゃうと 妄想が どんどん膨らんでいくっていう…。 213 00:13:33,796 --> 00:13:36,783 (遥)明日のお昼ですか? はい! シフト入れます! 214 00:13:43,773 --> 00:13:46,776 ん? ハンバーガーか…。 215 00:13:47,810 --> 00:13:50,780 (遥)大変 お待たせいたしました。 216 00:13:50,780 --> 00:13:58,254 《このハンバーガー屋で バイトを始めて1週間》 217 00:13:58,254 --> 00:13:58,771 《まだまだ覚えることは多いけど 笑顔だけは忘れないようにしなくちゃ》 218 00:13:58,771 --> 00:14:00,740 えっ? 219 00:14:00,740 --> 00:14:03,743 (遥)《あの人… 私のこと見てる?》 220 00:14:04,761 --> 00:14:07,747 《ハッ! 私に手振ってる!?》 221 00:14:07,747 --> 00:14:09,766 《えっ なんで!?》 222 00:14:09,766 --> 00:14:13,770 《雰囲気も良さそうだし この店にしようかな》 223 00:14:14,771 --> 00:14:16,773 (ドアチャイム) 224 00:14:16,773 --> 00:14:21,778 《おおっ! ジューシーな ハンバーガーのにおいが漂ってるなあ》 225 00:14:21,778 --> 00:14:23,780 い… いらっしゃいま…。 226 00:14:23,780 --> 00:14:27,800 《ええっ!? わわ… 私のにおい嗅いでる!?》 227 00:14:27,800 --> 00:14:36,793 あの 一人なんですけど…。 は… はい! 228 00:14:33,790 --> 00:14:35,792 どうも。 229 00:14:36,776 --> 00:14:52,675 へえ…。 230 00:14:40,763 --> 00:14:43,733 《うーん… どれも うまそうだが…》 231 00:14:43,733 --> 00:14:45,785 《これだ!》 232 00:14:45,785 --> 00:14:53,459 すいません。 あっ… はい! 233 00:14:50,790 --> 00:14:52,759 お飲み物は いかがなさいますか? 234 00:14:52,759 --> 00:14:54,777 食後に ホットコーヒーを。 235 00:14:54,777 --> 00:15:01,167 か… かしこまりました。 236 00:15:01,167 --> 00:15:01,801 《よかった… 別に普通のお客様だった…》 237 00:15:01,801 --> 00:15:05,755 《よーし。 無事 注文も済ませたし→ 238 00:15:05,755 --> 00:15:07,774 食事の前にトイレ行っとくか》 239 00:15:07,774 --> 00:15:09,992 《…って こういう時って→ 240 00:15:09,992 --> 00:15:13,780 なぜか決まって誰か入ってるんだよなあ…》 241 00:15:13,780 --> 00:15:16,816 《そして… 入れないとなると→ 242 00:15:16,816 --> 00:15:20,787 なぜか一気に もよおしてくるんだよなあ…》 243 00:15:20,787 --> 00:15:24,957 《ハッ! な… なんか あの人 もぞもぞしてる!》 244 00:15:24,957 --> 00:15:27,760 《やっぱり 普通のお客様じゃないの!?》 245 00:15:27,760 --> 00:15:29,796 《おっ やっと空いた!》 246 00:15:29,796 --> 00:15:31,798 《…って げっ!》 247 00:15:31,798 --> 00:15:35,785 《近くの客に入られた! くっ… 油断したぜ!》 248 00:15:35,785 --> 00:15:39,755 《確実に 次は入れるよう ここで待機だ…》 249 00:15:39,755 --> 00:15:42,758 《ああ… 早くしろ 早くしろ~!》 250 00:15:42,758 --> 00:15:45,778 (遥)《ハッ! いやあ~!》 251 00:15:45,778 --> 00:15:48,781 《血走ったギンギンの目で 私のこと見てるーっ!》 252 00:15:48,781 --> 00:15:52,768 (遥)うう~っ! (店長)遥ちゃん どうしたの? 253 00:15:54,754 --> 00:15:58,808 《ダメだ… さっきの あの人の顔が頭から離れない》 254 00:15:58,808 --> 00:16:00,743 (店長)遥ちゃん。 255 00:16:00,743 --> 00:16:03,796 こちら 2番テーブルさんね。 あっ… はい。 256 00:16:03,796 --> 00:16:07,783 《2番テーブル… あのお客様だわ》 257 00:16:08,818 --> 00:16:13,806 (遥)お… お待たせしました。 アボカドフライバーガーでございます。 258 00:16:14,857 --> 00:16:17,860 《おっ… おおぉぉ~っ!》 259 00:16:18,828 --> 00:16:23,799 《なんというサイズ! そして なんという分厚さ!》 260 00:16:23,799 --> 00:16:27,803 《いつも食べているハンバーガーとは もはや別の料理だ》 261 00:16:27,803 --> 00:16:31,807 《付け合わせのポテトも ガッツリ量があって→ 262 00:16:31,807 --> 00:16:34,844 これは とんでもない食べ応えの予感だぞ!》 263 00:16:34,844 --> 00:16:37,780 ごゆっくり どうぞ…。 264 00:16:37,780 --> 00:16:42,785 《もう この席には近づかないこと! なるべく遠ざかるのよ 遥!》 265 00:16:48,791 --> 00:16:57,383 《ナイフとフォークが用意されてはいるが これを使うのか?》 266 00:16:55,798 --> 00:16:57,817 《他のお客さんたちは…》 267 00:16:57,817 --> 00:17:02,772 (遥)《ひぃっ! いやあぁぁ~! 私のこと めっちゃ探してる!》 268 00:17:02,772 --> 00:17:04,790 《逃げても無駄ってこと!?》 269 00:17:04,790 --> 00:17:06,776 《素手派もいるが→ 270 00:17:06,776 --> 00:17:10,796 ナイフとフォークを使う派のほうが やや優勢か…》 271 00:17:10,796 --> 00:17:13,766 《よし 俺も それでいこう》 272 00:17:13,766 --> 00:17:17,803 《ケチャップとマスタードをかけて バンズをのせ→ 273 00:17:17,803 --> 00:17:21,807 ナイフとフォークで ひと口サイズにカット》 274 00:17:22,758 --> 00:17:24,760 《さあ… 頂くか》 275 00:17:26,812 --> 00:17:29,765 《うん 繊細かつ…→ 276 00:17:29,765 --> 00:17:32,785 ワイルドな味わい!》 277 00:17:32,785 --> 00:17:36,789 《うまい! これは うまいぞ~!》 278 00:17:36,789 --> 00:17:40,776 《そして 黄金色に輝くポテトは…》 279 00:17:40,776 --> 00:17:48,284 《うおおっ! 揚げたてだ! うまい!》 280 00:17:46,799 --> 00:17:49,785 《ああ… 幸せな味だ》 281 00:17:49,785 --> 00:17:54,840 《そして このオシャレで清潔感あふれる 店のレイアウト》 282 00:17:54,840 --> 00:17:57,777 《ああやって花が飾られていると 気持ちも華やぐ!》 283 00:17:57,777 --> 00:18:00,763 (携帯電話の振動音) おっ? 284 00:18:01,764 --> 00:18:03,766 《みさえ…》 285 00:18:03,766 --> 00:18:06,786 《「おお ありがとう」っと…》 286 00:18:06,786 --> 00:18:10,790 《俺も 料理を作ってもらうばかりじゃなく→ 287 00:18:10,790 --> 00:18:17,363 食卓に花を添えるくらいのことは してみようかな》 288 00:18:16,796 --> 00:18:19,799 この辺りに 花屋ってありますか? 289 00:18:19,799 --> 00:18:21,784 ええ ございますよ。 290 00:18:21,784 --> 00:18:23,769 《は… 花屋!?》 291 00:18:23,769 --> 00:18:25,771 《それって…》 292 00:18:26,756 --> 00:18:29,859 えっ!? お… お客様? 293 00:18:29,859 --> 00:18:31,761 さっきは ごちそうさま。 294 00:18:31,761 --> 00:18:34,780 どうしても 君のことが忘れられなくて…。 295 00:18:34,780 --> 00:18:37,767 受け取ってくれないかな? ええーっ! 296 00:18:38,801 --> 00:18:41,771 どうも 助かりました。 《そんな いきなり渡されても~!》 297 00:18:41,771 --> 00:18:52,915 《そして 調理風景が見られるのもナイスだ》 298 00:18:48,778 --> 00:18:51,797 《えっ… 一体 何を見てるの?》 299 00:18:51,797 --> 00:18:55,785 《ハッ! …って まさか シフト表!?》 300 00:18:55,785 --> 00:18:58,804 《私のシフト 把握しようとしてる!?》 301 00:18:58,804 --> 00:19:02,758 《けど… あんなに遠くから わかる?》 302 00:19:02,758 --> 00:19:05,778 《ううん。 きっと ものすごく視力がいい人なんだわ》 303 00:19:05,778 --> 00:19:08,764 《私のシフトが終わるのを待ち伏せして…》 304 00:19:09,782 --> 00:19:12,768 遥ちゃん。 お疲れさま。 305 00:19:12,768 --> 00:19:20,493 (遥)ええーっ! 306 00:19:20,493 --> 00:19:25,614 いくよ。 3 2 1…→ 307 00:19:20,793 --> 00:19:22,795 (花火の音) (遥)ええーっ!? 308 00:19:22,795 --> 00:19:25,798 《こ… 告白されちゃう~!》 309 00:19:25,798 --> 00:19:28,834 (店員)テイクアウトのお客様。 お待たせいたしました。 310 00:19:28,834 --> 00:19:31,837 《へえ~ テイクアウトもやってるのか》 311 00:19:32,805 --> 00:19:34,774 (遥)《ちょっと ちょっと ちょっと!》 312 00:19:34,774 --> 00:19:38,778 《あのマンション 契約しちゃおうかなって 考えてる!?》 313 00:19:39,795 --> 00:19:43,833 ここなら シフト ギリギリまで 一緒にいられると思ってさ。 314 00:19:43,833 --> 00:19:45,835 (遥)ええーっ! 315 00:19:46,819 --> 00:19:56,011 《勝手に話 進めないで! いやあ~!》 316 00:19:56,011 --> 00:19:58,264 は… 遥ちゃん? 317 00:19:56,812 --> 00:19:58,814 《よーし… 思い切って!》 318 00:19:59,799 --> 00:20:02,785 (遥)ああ~ 忙しいなあ! 319 00:20:02,785 --> 00:20:06,822 バイトもあるし 大学の課題もあるし→ 320 00:20:06,822 --> 00:20:10,743 ああ ホントに い… 忙しい~! 321 00:20:10,743 --> 00:20:15,831 《よし! あなたと過ごす時間は ないんですよアピール 大成功!》 322 00:20:15,831 --> 00:20:18,768 《随分 独り言が大きい子だな…》 323 00:20:18,768 --> 00:20:20,820 《まっ いいか》 324 00:20:20,820 --> 00:20:26,809 《しかし こんなにボリュームがあるのに 全然くどくなく どんどん食べ進められる》 325 00:20:26,809 --> 00:20:30,796 《むしろ サイドメニューまで頼んでも いいくらいだったな》 326 00:20:31,797 --> 00:20:33,783 《こうして見ると→ 327 00:20:33,783 --> 00:20:36,769 追加で頼んでる人も 結構いるし》 328 00:20:36,769 --> 00:20:38,754 《別の女性に目移りしてる…》 329 00:20:38,754 --> 00:20:42,758 《よかったけど… 私がダメなら 次いっちゃえってこと?》 330 00:20:42,758 --> 00:20:44,760 《なんて 節操のない…》 331 00:20:46,762 --> 00:20:48,764 クラムチャウダーか…。 332 00:20:48,764 --> 00:20:50,766 ハッ…! 333 00:20:54,754 --> 00:21:02,128 《何を どう比べるの? あっ…!》 334 00:21:02,128 --> 00:21:02,778 《一度は諦めようとしたけど やっぱり 私じゃなきゃダメってこと!?》 335 00:21:02,778 --> 00:21:04,764 遥ちゃん。 えっ? 336 00:21:04,764 --> 00:21:08,801 2番テーブルのお客様 お水なくなってるから 持っていってあげて。 337 00:21:08,801 --> 00:21:10,803 あっ… はい! 338 00:21:11,787 --> 00:21:13,789 あっ…。 339 00:21:13,789 --> 00:21:16,759 《あ~あ… 取り換えてもらわなきゃ》 340 00:21:16,759 --> 00:21:19,778 よろしければ お水のおかわり…。 341 00:21:19,778 --> 00:21:24,767 《ええぇぇーっ!? 私のスカートの中 のぞこうとしてる!?》 342 00:21:24,767 --> 00:21:27,770 《いやあぁぁーっ!》 おっ? 343 00:21:29,789 --> 00:21:33,776 《フウ… 量も味も大満足だったな》 344 00:21:37,847 --> 00:21:40,783 980円になります。 345 00:21:40,783 --> 00:21:43,736 《よかった… やっと帰っていただける》 346 00:21:43,736 --> 00:21:45,821 おっ? 347 00:21:45,821 --> 00:21:57,383 《ハニーチーズバーガー…》 348 00:21:51,760 --> 00:21:54,780 《おいおい… どんな味になるんだよ》 349 00:21:54,780 --> 00:21:56,782 《ハニー… 気になる》 350 00:21:56,782 --> 00:21:59,785 《これは 確かめてみるしか…》 351 00:21:59,785 --> 00:22:02,788 (遥)お返し 20円です。 どうも。 352 00:22:03,789 --> 00:22:05,791 ありがとうございました。 353 00:22:06,759 --> 00:22:08,777 また食べに来ます。 354 00:22:08,777 --> 00:22:10,763 ハニー。 355 00:22:10,763 --> 00:22:12,781 《ハ… ハニーーーー!?》 356 00:22:12,781 --> 00:22:16,785 《どうしよう! 完全に狙われてる~!》 357 00:22:18,787 --> 00:22:23,859 ごちそうさまでした。 358 00:22:23,859 --> 00:22:30,165 ♬~