1 00:00:05,756 --> 00:00:09,760 《この日 俺は 新大久保にて 午前の商談を終えた》 2 00:00:09,760 --> 00:00:13,764 《…となると やっぱり 昼メシは韓国料理だよな》 3 00:00:14,781 --> 00:00:18,785 《そう ここ新大久保は 日本有数のコリアンタウン》 4 00:00:18,785 --> 00:00:22,773 《駅周辺には 韓国料理店やコスメショップ→ 5 00:00:22,773 --> 00:00:26,743 K-POPアイドルのグッズショップなどが 立ち並んでいる》 6 00:00:26,743 --> 00:00:29,763 《休日は 歩道を歩けないくらいの にぎわいだが→ 7 00:00:29,763 --> 00:00:33,784 平日の今日は そこまででもないようだな》 8 00:00:33,784 --> 00:00:36,803 《おっ いい感じの店 発見》 9 00:00:36,803 --> 00:00:38,789 《よし ここにするか》 10 00:00:39,806 --> 00:00:43,794 (萌美)わあ~! 推しのグッズ いっぱい買えて 大満足! 11 00:00:43,794 --> 00:00:53,253 (四杉 遥)新大久保って ホント 独特な街だよね。 12 00:00:49,816 --> 00:00:52,803 (サラリーマン)うちの会社も 最近 ちょっと停滞気味だよな。 13 00:00:52,803 --> 00:00:56,807 ああ。 若い風が もっと吹いてほしいところなんだが…。 14 00:00:57,791 --> 00:01:02,779 今の人たち 遠回しに 私たちのこと スカウトしてたよね? 15 00:01:02,779 --> 00:01:04,798 (2人)えっ…? 16 00:01:04,798 --> 00:01:09,803 でも なんの会社なのかも わからないのに そう言われても 判断できないし…。 17 00:01:09,803 --> 00:01:16,843 私 やっぱり 詳しい話 聞いてくる! 18 00:01:16,843 --> 00:01:26,203 (さやか)ああ~ ストップ! 19 00:01:24,167 --> 00:01:24,768 (さやか)じゃあ あのお店にする? 20 00:01:24,768 --> 00:01:31,074 ♬~ 21 00:03:05,786 --> 00:03:09,773 《さ~て 何にするかな?》 22 00:03:09,773 --> 00:03:12,743 《定番のビビンパやスンドゥブは 食べたことがあるから→ 23 00:03:12,743 --> 00:03:16,780 何か新しい料理に 挑戦してみたいところだが…》 24 00:03:16,780 --> 00:03:19,750 (遥)あと ONZOUのソジュンも かっこいいよね。 25 00:03:19,750 --> 00:03:22,753 うん イケメンだよね! スタイルもいいし! 26 00:03:22,753 --> 00:03:25,756 《随分 にぎやかな子たちが隣に来たな》 27 00:03:25,756 --> 00:03:28,775 《見たところ K-POPファンか?》 28 00:03:28,775 --> 00:03:31,778 いらっしゃいませ。 注文いいですか? 29 00:03:31,778 --> 00:03:34,781 私は ビビンパを。 私は スンドゥブで。 30 00:03:34,781 --> 00:03:36,767 じゃあ 私は…。 31 00:03:36,767 --> 00:03:39,770 えっと… どうしよう…。 (萌美)ラッポッキは? 32 00:03:39,770 --> 00:03:51,715 前に 遥 食べたいって言ってたもんね。 33 00:03:45,776 --> 00:03:55,252 (店員)かしこまりました。 34 00:03:49,796 --> 00:03:53,800 《トッポッキが餅の料理ってのは 知ってるが…》 35 00:03:53,800 --> 00:03:55,802 《よし 俺も それにしてみるか》 36 00:03:56,787 --> 00:03:58,805 すいません。 はい。 37 00:03:58,805 --> 00:04:00,791 僕も ラッポッキをお願いします。 38 00:04:00,791 --> 00:04:04,761 《「僕も」? 私に合わせて 注文したってこと?》 39 00:04:04,761 --> 00:04:06,830 《…って ええーっ!?》 40 00:04:06,830 --> 00:04:11,818 《あの人… 私が どこでバイトしてても 見つけ出して 会いに来るお客様!》 41 00:04:12,786 --> 00:04:16,807 《ついに バイト先だけじゃなく プライベートにまで現れるなんて…》 42 00:04:16,807 --> 00:04:19,793 《っていうか なんで 私の居場所がわかったの!?》 43 00:04:19,793 --> 00:04:21,778 《怖すぎ~!》 44 00:04:21,778 --> 00:04:23,797 遥 どうしたの? えっ? 45 00:04:23,797 --> 00:04:25,782 う… ううん なんでもない。 46 00:04:29,769 --> 00:04:31,788 すみません。 はい。 47 00:04:31,788 --> 00:04:34,774 この辺に 柄の長いスプーンを売ってる店って あります? 48 00:04:34,774 --> 00:04:37,761 柄の長いスプーン… ですか? 49 00:04:37,761 --> 00:04:40,781 妻と韓国ドラマを見てたら 出てきて→ 50 00:04:40,781 --> 00:04:43,784 便利そうだから欲しいって言ってたのを 思い出して。 51 00:04:43,784 --> 00:04:45,769 ああ スッカラのことですね。 52 00:04:45,769 --> 00:04:49,756 駅に向かって 3軒先のスーパーに 売ってますよ。 53 00:04:49,756 --> 00:04:51,775 そうですか。 ありがとうございます。 54 00:04:51,775 --> 00:04:56,796 素敵ですね。 そんなふうに思い出して 奥様にプレゼントだなんて。 55 00:04:56,796 --> 00:04:58,782 いやあ そんな…。 56 00:04:58,782 --> 00:05:00,800 (遥)《すごく楽しそうに しゃべってる》 57 00:05:00,800 --> 00:05:03,770 《なんだ… 私と会ったのは偶然で→ 58 00:05:03,770 --> 00:05:06,790 あの店員さん目当てで 来てたってこと?》 59 00:05:06,790 --> 00:05:17,133 《いや… 「もやっ」じゃないわよ 遥!》 60 00:05:12,813 --> 00:05:14,781 遥? 61 00:05:14,781 --> 00:05:21,154 《よし》 62 00:05:19,769 --> 00:05:22,806 (店員)お待たせしました。 ラッポッキです。 63 00:05:22,806 --> 00:05:25,575 おお~! 64 00:05:25,575 --> 00:05:26,743 《これがラッポッキか!》 65 00:05:26,743 --> 00:05:29,763 《餅入りのラーメンのようなものを 想像していたが→ 66 00:05:29,763 --> 00:05:48,114 意外とスープがないんだな》 67 00:05:35,769 --> 00:05:37,754 ボリューム満点だ!》 68 00:05:37,754 --> 00:05:42,776 《そして なんといっても このマグマのような インパクトのある色合い!》 69 00:05:42,776 --> 00:05:46,763 《果たして これは辛いのか? 意外と甘かったりするのか?》 70 00:05:46,763 --> 00:05:49,766 《どちらにせよ 食欲をそそるぜ!》 71 00:05:51,751 --> 00:05:55,789 《しかし これ… どうやって食べるのが正解なんだ?》 72 00:05:55,789 --> 00:05:57,774 《普通に箸でいいのかな?》 73 00:05:57,774 --> 00:06:09,636 《隣の子は…》 74 00:06:02,746 --> 00:06:07,751 《さすがに 立ち上がって のぞいたら 変に思われるだろうしな…》 75 00:06:07,751 --> 00:06:09,786 《そうだ!》 76 00:06:09,786 --> 00:06:11,755 《向かいに置いたスーツから 手帳を取り出して→ 77 00:06:11,755 --> 00:06:13,757 戻り際に のぞく作戦!》 78 00:06:13,757 --> 00:06:15,775 (ひろしが立ち上がる音) 79 00:06:15,775 --> 00:06:17,761 (遥)《えっ? 立ち上がった?》 80 00:06:17,761 --> 00:06:19,763 《まさか 話しかけてくる気?》 81 00:06:20,780 --> 00:06:22,749 (遥)《なんだ 手帳出しただけか》 82 00:06:22,749 --> 00:06:24,751 《気にせず食べよっと》 83 00:06:27,787 --> 00:06:29,756 《…って えっ!?》 84 00:06:29,756 --> 00:06:32,776 《うん やっぱり 箸でいいんだな》 85 00:06:32,776 --> 00:06:35,779 《今 私のこと ガン見してたよね…?》 86 00:06:35,779 --> 00:06:37,797 《…って ええーっ!?》 87 00:06:37,797 --> 00:06:40,767 《何か書き込んでるーっ!》 88 00:06:40,767 --> 00:06:43,737 《えっ… 何? 私の観察日記!?》 89 00:06:43,737 --> 00:06:46,773 《手帳出したおかげで思い出したよ》 90 00:06:46,773 --> 00:06:49,759 《部長に報告しなきゃいけない案件を メモして… と》 91 00:06:49,759 --> 00:06:52,762 そういえばさ 知ってる? 何が? 92 00:06:52,762 --> 00:06:57,784 新大久保で 次世代のアイドルを スカウトしてるって噂。 93 00:06:57,784 --> 00:07:00,787 うちらもスカウトされたりして。 まさか。 94 00:07:01,788 --> 00:07:04,791 《もしかして この人が…?》 95 00:07:04,791 --> 00:07:07,761 《いや でも… さすがに それはないか》 96 00:07:07,761 --> 00:07:09,796 《私がアイドルだなんて…》 97 00:07:09,796 --> 00:07:11,798 《よし オッケー》 98 00:07:11,798 --> 00:07:13,783 《では 頂くとするか》 99 00:07:13,783 --> 00:07:15,852 《まずは 麺から…》 100 00:07:15,852 --> 00:07:18,855 《ドロッとしたタレが よく絡むぜ》 101 00:07:19,789 --> 00:07:21,791 《おっ このタレ 甘くて美味しい!》 102 00:07:21,791 --> 00:07:24,761 《麺は インスタントの乾麺のようだな》 103 00:07:24,761 --> 00:07:27,764 《いいねえ このB級感!》 104 00:07:27,764 --> 00:07:29,783 《ん…? んん?》 105 00:07:29,783 --> 00:07:35,805 《か… 辛ぁーーーい!》 106 00:07:34,821 --> 00:07:36,823 《相当辛いな これは…》 107 00:07:37,774 --> 00:07:40,777 《そうだ。 みさえに 写真 送ってやろう》 108 00:07:41,778 --> 00:07:43,780 (カメラのシャッター音) 《ん?》 109 00:07:43,780 --> 00:07:47,801 《えっ ちょっと… 私を撮ってる!?》 (カメラのシャッター音) 110 00:07:47,801 --> 00:07:49,803 《よ~し オッケー》 111 00:07:49,803 --> 00:07:51,805 《麺の次は 餅だ》 112 00:07:53,790 --> 00:07:56,776 《おっ 歯応えがあって もっちりしてるぞ》 113 00:07:56,776 --> 00:07:58,778 《そして ほんのり甘い》 114 00:07:59,813 --> 00:08:03,817 《この やわらかくて 薄い具材は 一体 なんだ?》 115 00:08:04,768 --> 00:08:07,787 《おお~ かまぼこみたいだな》 116 00:08:07,787 --> 00:08:10,790 《魚肉の練り物か? いいアクセントだな》 117 00:08:10,790 --> 00:08:13,827 《確か ゆで卵も入ってたよな》 118 00:08:13,827 --> 00:08:15,829 《一体 どこいった?》 119 00:08:16,796 --> 00:08:19,783 《さすがに さっきのは見過ごせないわ》 120 00:08:19,783 --> 00:08:22,786 《私の写真 消してくださいって 言いに行こう》 121 00:08:22,786 --> 00:08:24,788 えっ ちょっと… 遥? 122 00:08:24,788 --> 00:08:26,773 《おっ あった あった》 123 00:08:26,773 --> 00:08:28,758 やっと見つけたよ 卵を。 124 00:08:28,758 --> 00:08:30,777 《た… たまご!?》 125 00:08:30,777 --> 00:08:33,780 《私 アイドルの金の卵ってこと!?》 126 00:08:34,781 --> 00:08:37,751 《やっぱり この人 スカウトマンだったんだ!》 127 00:08:37,751 --> 00:08:41,805 《気持ちは嬉しいけど… やっぱり 私にアイドルなんて無理!》 128 00:08:41,805 --> 00:08:43,790 《ちゃんと意思表示しないと…!》 129 00:08:43,790 --> 00:08:51,648 遥? わ… 私さ→ 130 00:08:50,780 --> 00:08:53,783 急に なんの話? 131 00:08:53,783 --> 00:08:55,819 《う~ん…》 132 00:08:55,819 --> 00:08:58,772 《熱々なのと 辛さで 汗が止まらない》 133 00:08:58,772 --> 00:09:00,774 《けど それがいい!》 134 00:09:00,774 --> 00:09:03,760 《クセになって 次々と口に入れたくなる!》 135 00:09:03,760 --> 00:09:05,762 《ふう~!》 136 00:09:05,762 --> 00:09:07,747 《ああ~ うまかった!》 137 00:09:07,747 --> 00:09:11,801 《隣の彼女 辛すぎて 残しちゃったりしてるんじゃないか?》 138 00:09:11,801 --> 00:09:13,787 《おいおい 嘘だろ!?》 139 00:09:13,787 --> 00:09:17,774 《汗一つかかず 完食してるぞ…!》 140 00:09:17,774 --> 00:09:22,779 うまくいくかどうか わからない世界に 飛び込む勇気はないな~! 141 00:09:23,780 --> 00:09:27,751 《よ~し ここまで はっきり言えば あの人も諦めて…》 142 00:09:27,751 --> 00:09:29,769 《はっ…!》 143 00:09:29,769 --> 00:09:33,757 《何? その表情と 滝のように流れる汗は…》 144 00:09:33,757 --> 00:09:36,760 《「もったいなさすぎるぞ 遥!」 そう言いたいの…?》 145 00:09:37,761 --> 00:09:39,763 う~ん… うん! 146 00:09:39,763 --> 00:09:53,109 その衣装 よく似合ってるぞ。 147 00:09:43,783 --> 00:09:45,785 どうして 私なんですか? 148 00:09:45,785 --> 00:09:47,787 もっとかわいい子なんて いくらでも…。 149 00:09:47,787 --> 00:09:57,230 遥。 150 00:09:53,760 --> 00:09:55,762 信じて ついてきてくれ! 151 00:09:56,763 --> 00:10:00,767 《どうしよう…。 信じたい気持ちが 私の中に生まれてきてる》 152 00:10:00,767 --> 00:10:02,752 《でも…》 153 00:10:02,752 --> 00:10:05,772 《ふう…。 まだ口の中に辛さが残ってる》 154 00:10:05,772 --> 00:10:08,775 《口直しにデザートでも頼もうかな》 155 00:10:08,775 --> 00:10:10,810 《これ うまそうだな》 156 00:10:10,810 --> 00:10:12,846 《ちょっと お高いけど…》 157 00:10:12,846 --> 00:10:14,781 《思い切って頼むか》 158 00:10:14,781 --> 00:10:16,783 すいません。 はい。 159 00:10:16,783 --> 00:10:18,768 この バラエティのやつを。 160 00:10:18,768 --> 00:10:26,292 《バラエティ!?》 161 00:10:22,822 --> 00:10:24,824 バラエティ番組から売っていこう って作戦ね!》 162 00:10:27,794 --> 00:10:30,763 本当に飛ぶのか? (遥)はい。 163 00:10:30,763 --> 00:10:33,817 私だって マネジャーに頼りっきりじゃいられない。 164 00:10:33,817 --> 00:10:35,785 2人で 夢 つかみましょう。 165 00:10:35,785 --> 00:10:37,804 遥! 166 00:10:37,804 --> 00:10:45,395 (遥)3 2 1…→ 167 00:10:41,791 --> 00:10:45,778 (遥)《この時のガッツが認められ 私は いろんな場所に呼ばれて…》 168 00:10:45,778 --> 00:10:48,815 そしたら 私 二度寝しちゃって~。 (一同の笑い声) 169 00:10:48,815 --> 00:10:50,800 《トーク番組…》 170 00:10:50,800 --> 00:10:52,769 (遥)アーッハッハッハッ…! 171 00:10:52,769 --> 00:10:54,787 そうよ 私がやったのよ! 172 00:10:54,787 --> 00:10:56,806 《連続ドラマ…》 173 00:10:56,806 --> 00:11:13,456 《そして…》 174 00:11:00,777 --> 00:11:02,795 緊張してきちゃった…。 175 00:11:02,795 --> 00:11:05,798 今日まで やってきたことを 信じればいい。 176 00:11:05,798 --> 00:11:07,784 はい! 177 00:11:07,784 --> 00:11:09,786 こんばんはーっ! 178 00:11:10,803 --> 00:11:12,805 《な~んてことに…》 179 00:11:12,805 --> 00:11:24,434 《よ~し 行くか》 180 00:11:17,760 --> 00:11:20,763 《私 ようやく決心がついたのに…》 181 00:11:21,764 --> 00:11:23,766 1800円です。 はーい。 182 00:11:24,784 --> 00:11:27,770 《げっ…! 100円足りない!》 183 00:11:27,770 --> 00:11:30,773 あの… パッと そこで お金 下ろしてきていいですか? 184 00:11:30,773 --> 00:11:32,792 えっ? 185 00:11:32,792 --> 00:11:34,794 ああ… 全然 怪しい者ではないんです。 186 00:11:34,794 --> 00:11:36,796 名刺 お渡ししときますから。 187 00:11:37,797 --> 00:11:39,799 (遥)《私じゃなくて あの人に名刺を…!?》 188 00:11:42,785 --> 00:11:44,787 うんうん。 189 00:11:44,787 --> 00:11:47,774 《なんで あの人なの? なんで 私じゃないの!?》 190 00:11:47,774 --> 00:11:49,776 《嫌~っ!》 遥…? 191 00:11:53,763 --> 00:11:55,765 (さやか)あんた どうしちゃったの…? 192 00:11:56,783 --> 00:11:58,768 ごちそうさまでした。 193 00:12:00,770 --> 00:12:02,789 (野原ひろし) お世話になっております。 はい…。 194 00:12:02,789 --> 00:12:05,758 《この日 俺は 朝から いくつもの仕事が重なり→ 195 00:12:05,758 --> 00:12:07,777 バタバタしていた》 196 00:12:07,777 --> 00:12:10,763 はい よろしくお願いいたします。 197 00:12:10,763 --> 00:12:13,750 えーっと… こっちの書類はオッケー。 198 00:12:13,750 --> 00:12:15,768 あとは このメールを返して…。 199 00:12:15,768 --> 00:12:17,904 よし ひと区切り…。 200 00:12:17,904 --> 00:12:19,772 おっ もう こんな時間か。 201 00:12:19,772 --> 00:12:22,792 さあ 昼メシだ 昼メシ~! 202 00:12:22,792 --> 00:12:25,795 (携帯電話の振動音) 203 00:12:27,780 --> 00:12:31,768 《さ~てと… 今日は何を食うとするかな?》 204 00:12:31,768 --> 00:12:34,754 《和食っぽい気分ではあるのだが…》 205 00:12:34,754 --> 00:12:36,773 おっ 釜めしか。 206 00:12:36,773 --> 00:12:38,741 《ありかもな》 207 00:12:38,741 --> 00:12:41,778 《日替わりランチは あさり釜めし…》 208 00:12:41,778 --> 00:12:43,780 《うん いいんじゃないか?》 209 00:12:43,780 --> 00:12:45,782 《ここにしよう!》 210 00:12:46,816 --> 00:12:50,770 (店員)いらっしゃいませ! あちらのお席へどうぞ。 211 00:12:50,770 --> 00:12:52,789 ご注文は お決まりでしょうか? 212 00:12:52,789 --> 00:12:56,793 日替わりランチ お願いします。 かしこまりました。 213 00:12:56,793 --> 00:12:58,761 釜めしは 生米から炊き上げますので→ 214 00:12:58,761 --> 00:13:01,798 20分少々 お時間かかりますが よろしいですか? 215 00:13:01,798 --> 00:13:04,817 えっ? ああ… はい。 216 00:13:04,817 --> 00:13:08,771 《そっか 釜めしは 時間がかかるんだっけな…》 217 00:13:08,771 --> 00:13:10,757 《現在 12時10分だから→ 218 00:13:10,757 --> 00:13:14,794 大体12時半頃に完成ってわけか》 219 00:13:14,794 --> 00:13:23,052 《まあ スマホでも見て 時間 潰していれば…》 220 00:13:21,768 --> 00:13:25,805 《まあ メシ食いに来ただけだから 仕事に支障はないけど…》 221 00:13:25,805 --> 00:13:29,776 《さて どうやって時間を潰そうかな…》 222 00:13:29,776 --> 00:13:32,779 《とりあえず メニューでも見るか》 223 00:13:32,779 --> 00:13:35,782 《おおっ いろんな釜めしがあるな》 224 00:13:35,782 --> 00:13:38,751 《アワビの釜めし 高いけど うまそう~》 225 00:13:38,751 --> 00:13:42,755 《へえ~ 牛カルビの釜めしなんてのもあるのか》 226 00:13:43,740 --> 00:13:45,742 《う~ん…》 227 00:13:48,761 --> 00:13:50,780 《1分!?》 228 00:13:50,780 --> 00:13:52,782 《まだ それだけしか経ってないのかよ…!》 229 00:13:52,782 --> 00:13:55,735 《こうしてみると 20分ってのは長いよな…》 230 00:13:55,735 --> 00:14:04,394 《なんたって 3回で1時間だ》 231 00:14:00,723 --> 00:14:02,792 《それが365回で1年》 232 00:14:02,792 --> 00:14:05,745 《4年に1回 閏年なんてのもある》 233 00:14:05,745 --> 00:14:08,781 《無駄に心の声を長くしてみたが→ 234 00:14:08,781 --> 00:14:12,785 これも せいぜい 数十秒しか稼げないよな…》 235 00:14:12,785 --> 00:14:14,937 《あっ そうだ》 236 00:14:14,937 --> 00:14:16,773 《財布の中の整理でもしてみるか》 237 00:14:16,773 --> 00:14:18,775 《ポイントカードは こっち》 238 00:14:18,775 --> 00:14:20,777 《クーポン券は こっちと…》 239 00:14:21,778 --> 00:14:23,763 《うん》 240 00:14:23,763 --> 00:14:25,765 《あっという間に終わってしまった…》 241 00:14:25,765 --> 00:14:29,769 《いつの間にか 俺 いろんなポイントカード 持ってたんだな》 242 00:14:30,770 --> 00:14:34,791 《1000円カットは 髪を切るお店だから 頭パーツだとして→ 243 00:14:34,791 --> 00:14:44,367 紳士服店は 胴体パーツ→ 244 00:14:39,779 --> 00:14:41,781 シューズショップは 脚パーツ》 245 00:14:41,781 --> 00:14:44,834 《完成! ポイントカードロボ!》 246 00:14:44,834 --> 00:14:46,786 《な~んつって…》 247 00:14:46,786 --> 00:14:50,790 お茶のおかわり お持ちしました。 へっ? あっ どうも…。 248 00:14:51,774 --> 00:15:00,416 《は… 恥ずかしいところを 見られてしまった》 249 00:14:57,797 --> 00:15:09,725 さすがに わかるまい》 250 00:15:02,835 --> 00:15:07,840 《この中から最強のクーポンを決める トーナメントでもやってみるか?》 251 00:15:08,775 --> 00:15:10,777 《準決勝 第一試合は→ 252 00:15:10,777 --> 00:15:14,781 居酒屋の10パーセントオフ券 対 ドラッグストアの600円引き券》 253 00:15:14,781 --> 00:15:17,784 《なるほど。 なかなかの異種格闘技戦だな》 254 00:15:17,784 --> 00:15:21,838 《600円という具体的な数字は魅力的だが→ 255 00:15:21,838 --> 00:15:23,773 金額が増えれば増えるほど→ 256 00:15:23,773 --> 00:15:33,699 その強さを発揮するのが→ 257 00:15:27,810 --> 00:15:30,780 《というわけで そのポテンシャルに期待して→ 258 00:15:30,780 --> 00:15:33,833 勝者は 居酒屋の10パーセントオフ券!》 259 00:15:33,833 --> 00:15:35,768 《準決勝 第二試合は→ 260 00:15:35,768 --> 00:15:39,772 コンビニの栄養ドリンク無料券 対 ラーメン屋の煮卵無料券》 261 00:15:39,772 --> 00:15:41,774 《こちらは無料対決だな》 262 00:15:41,774 --> 00:15:44,794 《煮卵は うまいよなあ。 うん…》 263 00:15:44,794 --> 00:15:46,762 《だが こっちの栄養ドリンクは→ 264 00:15:46,762 --> 00:15:49,782 単品で引き換えてもらえるのは 何より強い!》 265 00:15:49,782 --> 00:15:53,769 《というわけで 勝者 栄養ドリンク無料券!》 266 00:15:53,769 --> 00:15:55,755 《さあ いよいよ決勝戦だ!》 267 00:15:55,755 --> 00:15:59,759 《居酒屋の10パーセントオフ券 対 栄養ドリンクの無料券》 268 00:15:59,759 --> 00:16:02,762 《こいつは 熱い戦いになりそう…》 269 00:16:02,762 --> 00:16:04,797 《…って このクーポン→ 270 00:16:04,797 --> 00:16:06,799 有効期限が切れてるじゃねえか!》 271 00:16:06,799 --> 00:16:08,784 《ってことは…→ 272 00:16:08,784 --> 00:16:11,804 こっちが 不戦勝で優勝ってことになるか…》 273 00:16:11,804 --> 00:16:14,807 《最後は とんだ不完全燃焼だったな…》 274 00:16:14,807 --> 00:16:18,811 《まあ しかし これで だいぶ時間が経った…》 275 00:16:18,811 --> 00:16:20,780 《よ… 4分!?》 276 00:16:20,780 --> 00:16:22,798 《ロボを作って トーナメントまでやって→ 277 00:16:22,798 --> 00:16:24,784 4分しか過ぎてないだと!?》 278 00:16:28,871 --> 00:16:30,873 〓(水の流れる音) 279 00:16:31,741 --> 00:16:33,743 ふう…。 280 00:16:34,760 --> 00:16:36,779 《ん?》 281 00:16:36,779 --> 00:16:45,571 《いいなあ みんな 何かしら やることがあって…》 282 00:16:43,753 --> 00:17:05,942 そうだね。 知らなかったよ。 283 00:16:47,740 --> 00:16:51,777 (ミッチー)でも ヨシりんと一緒なら 20分なんて あっという間だわ! 284 00:16:51,777 --> 00:16:55,748 (ヨシりん)ミッチーがいれば 20分どころか 丸2日 待ったって構わないよ! 285 00:16:55,748 --> 00:16:58,784 《やっぱり! ミッチーとヨシりんじゃねえか!》 286 00:16:58,784 --> 00:17:00,753 《どうする? 声かけるか?》 287 00:17:00,753 --> 00:17:03,773 《でも おごってくれとか 言われそうだしな…》 288 00:17:03,773 --> 00:17:05,758 《ここは そーっと…》 289 00:17:05,758 --> 00:17:07,760 (ヨシりん)ミッチー! (ミッチー)ヨシりん! 290 00:17:07,760 --> 00:17:10,746 (ヨシりん)ミッチー! (ミッチー)ヨシりん! 291 00:17:10,746 --> 00:17:12,848 《ふう…》 292 00:17:12,848 --> 00:17:16,719 《しかし 普段は うっとうしい あの2人のイチャイチャっぷりさえ→ 293 00:17:16,719 --> 00:17:19,755 ちょっと うらやましいと思ってしまう 自分がいる…》 294 00:17:19,755 --> 00:17:23,759 《それだけ 俺は 今 この時間を持て余している》 295 00:17:24,760 --> 00:17:27,747 《何か やることは…》 296 00:17:27,747 --> 00:17:29,749 《いや 待てよ》 297 00:17:29,749 --> 00:17:32,752 《なぜ 俺は 何かをやらなきゃいけないと 思っているんだ?》 298 00:17:32,752 --> 00:17:34,737 《思い返せば→ 299 00:17:34,737 --> 00:17:38,741 俺は ちょっと時間が空くと いつも スマホをいじっていた》 300 00:17:39,792 --> 00:17:43,796 《何もしないでいることを 時間を無駄にすることだと思っていた…》 301 00:17:44,780 --> 00:17:47,767 《けど 本当に そうなのか?》 302 00:17:47,767 --> 00:17:49,785 《スマホがなかった時代の俺は→ 303 00:17:49,785 --> 00:17:53,789 ただ お店の中を ぼんやり眺めたりして…》 304 00:17:53,789 --> 00:17:57,793 《おっ やけにアンティークな感じの 掛け時計だな》 305 00:17:58,761 --> 00:18:01,764 《竹で編んだ でかいザルみたいなやつが 飾ってある》 306 00:18:02,765 --> 00:18:04,800 《ん?》 307 00:18:04,800 --> 00:18:07,803 《囲炉裏の上にある 魚の飾りも素敵だ》 308 00:18:07,803 --> 00:18:12,775 《古民家風のお店というか 結構 凝ってるよな》 309 00:18:12,775 --> 00:18:15,778 《温かくて 落ち着ける内装だ》 310 00:18:20,516 --> 00:18:21,767 《もし スマホを会社に忘れてこなかったら→ 311 00:18:21,767 --> 00:18:24,754 こういうことには 一つも気づかなかったんだろうな…》 312 00:18:25,721 --> 00:18:27,740 《むしろ 忘れてよかったぜ》 313 00:18:27,740 --> 00:18:31,744 《料理が来るまで ゆっくり待つとしよう》 314 00:18:32,762 --> 00:18:35,731 《そう 何もしない》 315 00:18:35,731 --> 00:18:40,736 《ただ この空間に溶け込み 静かに待つ…》 316 00:18:41,754 --> 00:18:43,773 (女性)なんか あの人…。 317 00:18:43,773 --> 00:18:46,759 (男性)なんて穏やかな目をしているんだ…。 318 00:18:47,760 --> 00:18:50,780 《ああ… 情報だらけの昨今→ 319 00:18:50,780 --> 00:18:54,784 こんなに落ち着く気持ちになったのは 久々な気がする》 320 00:18:54,784 --> 00:18:58,788 《さっきまで慌てていたのが 嘘のようだ…》 321 00:18:59,739 --> 00:19:02,775 大変お待たせいたしました。 322 00:19:02,775 --> 00:19:05,778 おや… もう20分ですか? 323 00:19:05,778 --> 00:19:07,797 は… はあ…。 324 00:19:07,797 --> 00:19:10,800 蒸らすまで あと5分 お待ちいただきます。 325 00:19:10,800 --> 00:19:25,014 砂時計の砂が全て落ちたら お召し上がりください。 326 00:19:17,773 --> 00:19:19,759 《さらに5分…》 327 00:19:19,759 --> 00:19:23,779 《いつもなら まだ待つのかよと 思っていたかもしれない》 328 00:19:23,779 --> 00:19:27,783 《…が 今の俺には むしろ嬉しい》 329 00:19:25,014 --> 00:19:27,016 なるほど。 わかりました。 330 00:19:27,783 --> 00:19:30,753 《極上の昼メシを食べるために→ 331 00:19:30,753 --> 00:19:34,757 ただ待つという 贅沢な時間を…》 332 00:19:36,776 --> 00:19:38,794 《5分…》 333 00:19:38,794 --> 00:19:40,863 《あっという間だったな》 334 00:19:40,863 --> 00:19:43,866 《さあ いよいよ 釜めしとご対面だ!》 335 00:19:44,734 --> 00:19:46,736 おお~! 336 00:19:47,787 --> 00:19:49,755 《うまそう~!》 337 00:19:49,755 --> 00:19:51,741 《この立ち上る湯気が→ 338 00:19:51,741 --> 00:19:55,811 待ちに待ったスター登場の演出みたいで たまらないな!》 339 00:19:55,811 --> 00:19:59,782 《主役のあさりを始め ニンジン 油揚げ ゴボウなど→ 340 00:19:59,782 --> 00:20:02,785 いろんな具材が ぎっしりと入っている》 341 00:20:02,785 --> 00:20:07,807 《そして その隙間から顔をのぞかせる ふっくらとしたご飯!》 342 00:20:07,807 --> 00:20:13,813 《味噌汁と漬物 さらに ダシと薬味もついて まさに盤石の体制だ!》 343 00:20:14,780 --> 00:20:18,818 《まずは しゃもじで混ぜて 茶わんによそう》 344 00:20:18,818 --> 00:20:22,772 《この 自分でやるところも 楽しいんだよなあ》 345 00:20:22,772 --> 00:20:24,757 《あさりと一緒に…》 346 00:20:24,757 --> 00:20:26,759 (息を吹きかける音) 347 00:20:27,793 --> 00:20:29,812 《んっ…!》 348 00:20:29,812 --> 00:20:31,764 《あさりに 味が しっかり染みてる!》 349 00:20:31,764 --> 00:20:34,900 《ご飯は 上品な薄味だ!》 350 00:20:34,900 --> 00:20:38,754 《そして やはり この 炊きたてのご飯のうまさよ》 351 00:20:38,754 --> 00:20:46,412 《米の一粒一粒が立ってるぜ!》 352 00:20:42,792 --> 00:20:44,760 《はい 出ました おこげ!》 353 00:20:44,760 --> 00:20:47,763 《これぞ 釜めしの醍醐味でしょう!》 354 00:20:48,764 --> 00:20:53,769 《ぬわあーっ! 香ばしくて 味が染みてる~!》 355 00:20:53,769 --> 00:20:55,755 (ミッチー)ヨシりん! 356 00:20:55,755 --> 00:20:58,774 さっきから あの女性の店員のこと ずっと見てるじゃない! 357 00:20:58,774 --> 00:21:00,776 (ヨシりん)誤解だよ ミッチー! (ミッチー)もういい! 358 00:21:00,776 --> 00:21:07,867 私 帰る! (ヨシりん)ああ~ 待って! 359 00:21:05,764 --> 00:21:07,783 な… なんなんだ? あの2人は。 360 00:21:07,783 --> 00:21:09,768 せっかく ゆったりしてたのに…。 361 00:21:09,768 --> 00:21:12,738 でも 見て あの人…! 362 00:21:12,738 --> 00:21:15,758 (女性)ぜ… 全然 動じてない! 363 00:21:15,758 --> 00:21:18,761 《あいつら また もめてるのか…》 364 00:21:18,761 --> 00:21:22,748 《だが 俺の心は そんなことじゃ乱されない》 365 00:21:22,748 --> 00:21:34,777 《そう 今は ただ 目の前の釜めしを楽しむ》 366 00:21:30,790 --> 00:21:33,759 《いよいよ あれを頂くか》 367 00:21:33,759 --> 00:21:38,764 《薬味をのせて ダシをかければ…》 368 00:21:39,765 --> 00:21:42,751 《締めのお茶漬けの完成!》 369 00:21:42,751 --> 00:21:45,738 《これ これ これ!》 370 00:21:45,738 --> 00:21:47,740 《最高だぁーっ!!》 371 00:21:48,774 --> 00:21:50,743 ああ… うまかった~! 372 00:21:50,743 --> 00:21:54,747 《スマホを忘れたことで 新たな発見があった》 373 00:21:54,747 --> 00:22:05,808 《たまには わざと置いていく》 374 00:22:02,755 --> 00:22:05,774 よ~し 午後も仕事 頑張るぞ~! 375 00:22:05,774 --> 00:22:07,760 ん? 376 00:22:05,808 --> 00:22:09,795 《これからは そんな日があっても いいのかもしれないな…》 377 00:22:07,760 --> 00:22:11,780 げっ…! みさえから何通もメッセージが…。 378 00:22:11,780 --> 00:22:13,782 はあ~。 379 00:22:13,782 --> 00:22:16,769 戻ってきたな… 日常に。 380 00:22:20,789 --> 00:22:27,096 ♬~