1 00:00:03,770 --> 00:00:07,758 《数日前 念願のプロジェクトリーダーに選ばれた》 2 00:00:07,758 --> 00:00:09,760 《しかし→ 3 00:00:09,760 --> 00:00:12,763 プロジェクトチームのメンバーである 川口と高桐くんの関係は→ 4 00:00:12,763 --> 00:00:14,765 あまりうまくいっておらず…》 5 00:00:14,765 --> 00:00:19,736 《川口からの相談を聞くために 一緒に昼メシを食べに行ったはいいが→ 6 00:00:19,736 --> 00:00:23,774 川口の パエリアの食べ方に カチンと来てしまった俺は…》 7 00:00:23,774 --> 00:00:27,778 《あいつを励ますどころか 言いたいことを言ってしまい→ 8 00:00:27,778 --> 00:00:31,765 そして 今日… 川口は 会社に来なかった…》 9 00:00:32,766 --> 00:00:39,056 ♬~ 10 00:02:13,784 --> 00:02:15,736 (キーボードを打つ音) 11 00:02:15,736 --> 00:02:17,738 《もう11時か…》 12 00:02:17,738 --> 00:02:21,742 《川口は… まだ来ていない…》 13 00:02:21,742 --> 00:02:25,746 《電話も繋がらないし 一体 どこに行ってしまったんだ…》 14 00:02:25,746 --> 00:02:29,750 《昨日のことがあったから なおさら心配だ…》 15 00:02:29,750 --> 00:02:32,753 ごめん みんな… ちょっと外回りに行ってくる。 16 00:02:32,753 --> 00:02:34,771 (草加ユミ)あ… はい。 17 00:02:34,771 --> 00:02:36,757 (高桐あきたけ)あ…。 18 00:02:38,825 --> 00:02:40,844 〓(高桐)野原係長。 19 00:02:40,844 --> 00:02:43,814 高桐くん どうした? 20 00:02:43,814 --> 00:02:46,767 もしかして 川口さんを捜しに行かれるんですか? 21 00:02:46,767 --> 00:02:49,770 え… ああ 気づかれちゃったか。 22 00:02:49,770 --> 00:02:54,725 実は 僕も ちょっと気になっていて… 一緒に行っていいですか? 23 00:02:54,725 --> 00:02:59,813 いや 大丈夫。 これは プロジェクトリーダーの俺の仕事だ。 24 00:02:59,813 --> 00:03:02,749 高桐くんは 目の前の仕事に集中してくれ。 25 00:03:02,749 --> 00:03:04,751 わかりました。 26 00:03:05,719 --> 00:03:09,723 《はあ… どこ行ったんだ? 川口…》 27 00:03:10,741 --> 00:03:13,744 《い… いた! 川口!》 28 00:03:14,761 --> 00:03:16,747 《このビルで何を?》 29 00:03:16,747 --> 00:03:18,749 《「カッケータイガー」…》 30 00:03:18,749 --> 00:03:20,767 《…って ここは!》 31 00:03:20,767 --> 00:03:24,738 《あいつ 前 同じ店に居合わせた カッケータイガー社のCEOに→ 32 00:03:24,738 --> 00:03:27,741 雇ってくれって直談判してたよな…》 33 00:03:27,741 --> 00:03:31,745 《うちを辞めて転職しようとしてるのか…?》 34 00:03:35,732 --> 00:03:38,752 《また別の会社に…》 35 00:03:38,752 --> 00:03:40,754 《今度は人材派遣会社…》 36 00:03:43,757 --> 00:03:45,759 《出てきた…》 37 00:03:45,759 --> 00:03:49,746 《手応えあったのか? 嬉しそうだぞ》 38 00:03:49,746 --> 00:03:51,765 《そんなに辞めたいのか…》 39 00:03:51,765 --> 00:03:59,189 《あいつの人生だから 転職は自由だが→ 40 00:03:57,754 --> 00:04:00,757 《なんとか引き留める方法は ないかな…》 41 00:04:00,757 --> 00:04:04,744 《ん? 今度は… お好み焼きの店…?》 42 00:04:04,744 --> 00:04:07,748 《そうか 昼メシ時だもんな…》 43 00:04:07,748 --> 00:04:11,785 《よし 偶然を装いつつ 話しかけてみるか》 44 00:04:11,785 --> 00:04:15,756 や… やあ そこにいるのは川口じゃないか。 45 00:04:15,756 --> 00:04:18,759 (川口)せ… 先輩? どうして…? 46 00:04:18,759 --> 00:04:22,779 じ… 実は こ… この辺りの取引先に用があってな…。 47 00:04:22,779 --> 00:04:24,781 は… はあ…。 48 00:04:24,781 --> 00:04:26,767 《警戒されてる…》 49 00:04:26,767 --> 00:04:30,787 《めちゃくちゃ不自然な感じで 話しかけてしまったからな…》 50 00:04:30,787 --> 00:04:34,724 ここのお店 前から気になってたんだよ。 51 00:04:34,724 --> 00:04:36,726 一緒に どうだ? あ… はい。 52 00:04:38,812 --> 00:04:42,766 《誘ったはいいが 何から話せばいいか…》 53 00:04:42,766 --> 00:04:48,238 あ… あの…。 なんだ? 54 00:04:47,771 --> 00:04:49,756 あ… ああ…。 55 00:04:49,756 --> 00:04:52,776 《やっぱり 昨日のことを引きずってるな…》 56 00:04:52,776 --> 00:04:54,778 ご注文は お決まりですか? 57 00:04:54,778 --> 00:04:56,780 あっ えっと…。 58 00:04:56,780 --> 00:04:59,766 《豚玉 イカ玉 エビ玉…》 59 00:04:59,766 --> 00:05:01,801 《どれも うまそうだ…》 60 00:05:01,801 --> 00:05:10,043 《トッピングの種類も豊富…》 61 00:05:08,725 --> 00:05:19,870 《ここはシンプルに…》 62 00:05:12,762 --> 00:05:15,765 僕は コーン玉に トッピングでラーメンスナックを。 63 00:05:15,765 --> 00:05:17,767 コーン玉とラーメンスナック? 64 00:05:17,767 --> 00:05:19,769 おかしいですか? あ… いや…。 65 00:05:19,769 --> 00:05:24,758 《おかしくはないが 俺なら絶対頼まないメニューではあるな》 66 00:05:24,758 --> 00:05:28,745 お客様のほうで焼きますか? こちらで お作りすることもできますけど。 67 00:05:28,745 --> 00:05:32,749 僕は自分で焼きます。 え… ああ じゃあ 俺も。 68 00:05:32,749 --> 00:05:34,768 かしこまりました。 69 00:05:34,768 --> 00:05:38,738 《はあ… 気まずい…》 70 00:05:38,738 --> 00:05:41,741 《ひとまず 昨日のことを謝ろう》 71 00:05:41,741 --> 00:05:43,760 そういえば 昨日のことなんだがな…。 72 00:05:43,760 --> 00:05:49,933 すみませんでした! えっ… どうして お前が謝るんだ? 73 00:05:49,933 --> 00:05:51,751 先輩の言ったとおりです。 僕がチームの足を引っ張っているんです。 74 00:05:51,751 --> 00:05:54,754 いや 俺は そんなこと言ってないぞ。 75 00:05:54,754 --> 00:05:58,758 じゃあ 僕が高桐くんより優れてる部分 ありますか!? 76 00:05:58,758 --> 00:06:00,777 あ… それは…。 77 00:06:00,777 --> 00:06:02,812 (高桐)アハハ! アハハハハ…! 78 00:06:02,812 --> 00:06:04,781 スッと出ないじゃないですか!! 79 00:06:04,781 --> 00:06:11,288 いや いっぱいあるだろ。 80 00:06:09,736 --> 00:06:11,755 ただ長く会社にいるだけですよ。 81 00:06:11,755 --> 00:06:13,740 …知識量とかさ。 82 00:06:13,740 --> 00:06:20,080 「サジェスチョン」の意味を 知りませんでしたから。 83 00:06:17,727 --> 00:06:27,153 ムードメーカーって 他に褒めるところがない人間に言う→ 84 00:06:22,749 --> 00:06:24,784 そんなことないって…。 85 00:06:24,784 --> 00:06:27,737 《くっ…! 今日に限って 全部打ち返してくる…》 86 00:06:27,737 --> 00:06:29,773 《なかなか手ごわい…》 87 00:06:29,773 --> 00:06:44,988 (女性店員)お待たせしました。 豚玉です。 88 00:06:33,760 --> 00:06:36,730 (女性店員)こちらはコーン玉と トッピングのラーメンスナックです。 89 00:06:36,730 --> 00:06:38,782 ありがとうございます。 90 00:06:38,782 --> 00:06:50,293 鉄板に火つけますね。 (点火する音) 91 00:06:44,738 --> 00:06:47,807 《オーソドックスな関西風だな》 92 00:06:47,807 --> 00:06:49,759 《おっ 山芋入りか》 93 00:06:49,759 --> 00:06:52,762 《焼き上がりが ふわっとして 美味しくなるんだよな…》 94 00:06:52,762 --> 00:06:55,765 油引きますね。 あ… ああ…。 95 00:06:55,765 --> 00:06:58,768 《腹が減っていると 会話もギスギスしがちだ》 96 00:06:58,768 --> 00:07:02,739 《ここは いったん お好み焼きに集中しよう》 97 00:07:02,739 --> 00:07:08,912 《まずは生地…》 98 00:07:07,777 --> 00:07:16,236 《んっ? 勢いよくかき混ぜすぎじゃないか…?》 99 00:07:16,236 --> 00:07:16,786 《あまり混ぜすぎると キャベツの水分が出て ベチャッと仕上がるんだぞ》 100 00:07:16,786 --> 00:07:18,788 《こっちは いい感じかな》 101 00:07:19,756 --> 00:07:22,726 《鉄板の温度も ちょうど良さそうだ》 102 00:07:22,726 --> 00:07:25,779 《ここからは あまり触れない》 103 00:07:25,779 --> 00:07:33,720 《ん? ヘラで形を整え始めた… 円くしたいのか?》 104 00:07:33,720 --> 00:07:33,770 《お好み焼きってのは 大ざっぱなくらいがいいのに》 105 00:07:33,770 --> 00:07:36,740 《そろそろ 肉を…》 106 00:07:36,740 --> 00:07:40,777 《おお! この 生地と肉のコントラスト 美しい…!》 107 00:07:40,777 --> 00:07:42,762 《やっぱり 豚玉だよ》 108 00:07:42,762 --> 00:07:45,749 《コーン玉には この様式美はないだろう》 109 00:07:50,754 --> 00:07:52,756 《いざ!》 110 00:07:54,190 --> 00:07:57,193 《よし そろそろだ…》 111 00:07:54,758 --> 00:08:06,770 《きれいに決まった…!》 112 00:07:59,779 --> 00:08:02,782 《え…! 片手で軽々と…!》 113 00:08:02,782 --> 00:08:04,768 《やるな…》 114 00:08:04,768 --> 00:08:06,753 《穴を開けている!?》 115 00:08:06,753 --> 00:08:09,739 《川口 さっきから何がしたいんだ…?》 116 00:08:06,770 --> 00:08:08,772 《さあ 川口 お前の番だ》 117 00:08:11,741 --> 00:08:15,779 《よしよし… 豚肉が いい感じにカリカリになってるぞ》 118 00:08:15,779 --> 00:08:17,781 《ソースをたっぷり→ 119 00:08:17,781 --> 00:08:22,752 そして マヨネーズ 青のりをかけて…→ 120 00:08:22,752 --> 00:08:23,737 かつお節も どっさり!》 121 00:08:23,737 --> 00:08:25,739 《…よし 完成だ!》 122 00:08:26,756 --> 00:08:28,758 《うーん 素晴らしい眺め》 123 00:08:28,758 --> 00:08:32,712 《生地の上で舞い踊るかつお節が いとおしい…》 124 00:08:32,712 --> 00:08:36,750 《鉄板で焦げたソースの香りも たまらないぜ…》 125 00:08:36,750 --> 00:08:39,769 《豚肉もカリッと焼き上がって→ 126 00:08:39,769 --> 00:08:50,930 山芋入りのフワッと生地とのギャップも 楽しめそうだ》 127 00:08:46,693 --> 00:08:48,762 食べやすいサイズに切る…》 128 00:08:48,762 --> 00:08:50,764 じゃあ お先に。 (川口)あ… はい。 129 00:08:51,765 --> 00:08:53,767 (息を吹きかける音) 130 00:08:53,767 --> 00:08:56,786 《ほふほふ… 熱い! が…》 131 00:08:56,786 --> 00:08:58,772 《うま~~い!》 132 00:08:58,772 --> 00:09:00,740 《豚肉がよく焼けてカリカリ!》 133 00:09:00,740 --> 00:09:07,530 《そして 生地は案の定ふわっふわ!》 134 00:09:05,745 --> 00:09:08,748 《完璧に俺好みだ!》 135 00:09:08,748 --> 00:09:10,767 《川口のほうは…》 136 00:09:10,767 --> 00:09:14,754 《ん? ソース 少なくないか…?》 137 00:09:14,754 --> 00:09:17,757 《と思ったら マヨネーズは 随分と勢いよく…》 138 00:09:17,757 --> 00:09:19,759 《…てか かけすぎだろ!》 139 00:09:19,759 --> 00:09:26,066 よし できた。 《おいおい》 140 00:09:24,831 --> 00:09:27,784 《それはピザの切り方だろ…》 141 00:09:27,784 --> 00:09:29,769 いただきます。 142 00:09:29,769 --> 00:09:32,739 うん… うんま~~い! 143 00:09:32,739 --> 00:09:36,760 《本当か? セオリーから だいぶ外れた 作り方をしていたが…》 144 00:09:36,760 --> 00:09:39,746 はあ~… 最高! 145 00:09:39,746 --> 00:09:41,748 《気になる…》 146 00:09:41,748 --> 00:09:43,750 川口 1切れ交換しないか? 147 00:09:43,750 --> 00:09:47,771 え? 交換ですか? でも 大きさ的に…。 148 00:09:47,771 --> 00:09:49,773 俺のは2切れ取っていいから。 149 00:09:49,773 --> 00:09:52,759 わかりました。 どうぞ。 ありがとう。 150 00:09:56,763 --> 00:09:58,765 《こ… これは…!》 151 00:09:58,765 --> 00:10:00,800 《めちゃくちゃうまい!?》 152 00:10:00,800 --> 00:10:02,769 《ラーメンスナックのカリカリした食感に→ 153 00:10:02,769 --> 00:10:06,756 コーンの甘さ マヨネーズ多め ソース少なめの味付けで際立つ→ 154 00:10:06,756 --> 00:10:08,758 この組み合わせ!》 155 00:10:08,758 --> 00:10:11,778 《そうか! あの時 かけすぎだと思ったマヨネーズは→ 156 00:10:11,778 --> 00:10:15,765 ちゃんと 食材のことを考えてのことだったのか…》 157 00:10:15,765 --> 00:10:18,768 《それに加え 俺の豚玉以上のカリふわ感!》 158 00:10:18,768 --> 00:10:20,753 《どうして…》 159 00:10:20,753 --> 00:10:22,806 《はっ! 円くして厚みを持たせたから→ 160 00:10:22,806 --> 00:10:24,757 中が ふわふわなんだ…》 161 00:10:24,757 --> 00:10:26,709 《穴を開けてたのも→ 162 00:10:26,709 --> 00:10:32,649 そもそも 中に火が通るようにしてたってことか…》 163 00:10:32,649 --> 00:10:35,652 《こいつ… 全部計算ずくで…》 164 00:10:33,766 --> 00:10:36,736 川口!! は… はい? 165 00:10:36,736 --> 00:10:39,789 お前の優れてるところ あるじゃないか。 え? 166 00:10:39,789 --> 00:10:42,792 お前の作ったお好み焼き めちゃくちゃうまいぞ! 167 00:10:42,792 --> 00:10:46,763 そ… それは嬉しいですけど… 仕事には関係ないでしょ。 168 00:10:46,763 --> 00:10:48,748 いや そんなことはない。 169 00:10:48,748 --> 00:10:51,751 お好み焼きの概念を覆す この発想力。 170 00:10:51,751 --> 00:10:55,755 発想だけに頼らず 丁寧に形を整える構築力。 171 00:10:55,755 --> 00:11:00,760 穴を開けることで より高次元のお好み焼きを生み出した対応力。 172 00:11:00,760 --> 00:11:03,763 全て仕事に生きるスキルだ。 173 00:11:04,764 --> 00:11:08,768 すまん 川口。 俺は プロジェクトリーダーなのに→ 174 00:11:08,768 --> 00:11:12,805 お前の そんな能力に気づかず ひどいことを言ってしまった。 175 00:11:12,805 --> 00:11:16,776 今のプロジェクトチームには お前の存在が間違いなく必要だ。 176 00:11:16,776 --> 00:11:19,779 だから 会社を辞めないでくれ!! 177 00:11:20,763 --> 00:11:22,765 先輩… 僕…。 178 00:11:27,737 --> 00:11:29,756 辞めるつもりありませんけど。 …え? 179 00:11:29,756 --> 00:11:33,760 だって 今日 転職したがっていた カッケータイガー社に行ってただろ。 180 00:11:33,760 --> 00:11:35,762 ああ… 見てたんですか? 181 00:11:35,762 --> 00:11:39,766 カッケータイガー社には 販促プロジェクトの イベントタイアップが取れないか→ 182 00:11:39,766 --> 00:11:41,784 交渉に行ったんです。 183 00:11:41,784 --> 00:11:44,754 じゃあ 人材派遣会社のジンジンパワーは? 184 00:11:44,754 --> 00:11:54,163 イベントの開催にあたって 人員が必要になるので→ 185 00:11:50,760 --> 00:11:53,746 じゃあ お前 全部 プロジェクトチームのために…。 186 00:11:53,746 --> 00:11:58,735 はい。 昨日 先輩に言われて 僕も このままじゃダメだなって…。 187 00:11:58,735 --> 00:12:00,753 それで…。 188 00:12:00,753 --> 00:12:02,739 それなら早く言えよ。 189 00:12:02,739 --> 00:12:05,775 黙って会社にも来ないから 心配しちゃったじゃねえか。 190 00:12:05,775 --> 00:12:09,779 あれ? 今日は 外回りしてから午後出社するって→ 191 00:12:09,779 --> 00:12:11,748 メールしましたけど…。 192 00:12:11,748 --> 00:12:14,767 あっ! しまった… 未送信になってました。 193 00:12:14,767 --> 00:12:18,771 ハハハ… そういうところは川口らしいな。 194 00:12:19,756 --> 00:12:22,759 (川口)なんか いろいろ心配かけちゃったみたいで→ 195 00:12:22,759 --> 00:12:24,744 ごめんね。 そんな そんな。 196 00:12:24,744 --> 00:12:28,748 こちらこそ すみません。 僕が生意気なこと言ったせいで。 197 00:12:28,748 --> 00:12:30,750 全然気にしないで。 198 00:12:30,750 --> 00:12:34,721 新人なんて 生意気くらいが ちょうどいいんだよ。 199 00:12:34,721 --> 00:12:37,724 よし。 じゃあ 社内プレゼンに向けて 打ち合わせしよう。 200 00:12:37,724 --> 00:12:39,776 (3人)はい! 201 00:12:39,776 --> 00:12:42,712 こうなると思って B会議室 押さえておきました。 202 00:12:42,712 --> 00:12:44,764 おっ さすが高桐くん。 203 00:12:44,764 --> 00:12:49,769 でも B会議室は 5名以上で使用するように 総務から言われてたと思うけど。 204 00:12:49,769 --> 00:12:52,772 まあ そこまで厳密にしなくても フレキシブルに。 205 00:12:52,772 --> 00:12:55,742 でも チームとしてのモラルを しっかり持っていかないと。 206 00:12:55,742 --> 00:12:58,745 だとしたら オルタナティブを提示してもらわないと。 207 00:12:58,745 --> 00:13:00,730 おるたなちぶ…? 208 00:13:00,730 --> 00:13:02,749 (高桐)「代案」という意味です。 ご存じないんですか? 209 00:13:02,749 --> 00:13:04,751 《フウ… まだまだ先が思いやられるぜ》 210 00:13:04,751 --> 00:13:06,753 し… 知ってるよ! ホントですか? 211 00:13:07,770 --> 00:13:09,772 ごちそうさまでした。 212 00:13:11,741 --> 00:13:13,726 《俺の名前は 野原ひろし》 213 00:13:13,726 --> 00:13:15,745 《今日は外回りに来ている》 214 00:13:15,745 --> 00:13:19,749 《販売促進プロジェクトは まずまずの成果を上げ→ 215 00:13:19,749 --> 00:13:22,769 今や平穏な日々が訪れている→ 216 00:13:22,769 --> 00:13:34,480 …はずだったのだが》 217 00:13:27,740 --> 00:13:33,763 《昨日の夜 飲みすぎて遅く帰ったせいで→ 218 00:13:32,779 --> 00:13:35,732 朝食抜きになってしまったのだ》 219 00:13:35,732 --> 00:13:37,717 《腹減った…》 220 00:13:37,717 --> 00:13:46,359 《今の俺を救うのは 昼メシだけ…》 221 00:13:44,724 --> 00:13:46,743 《ただ 気をつけないといけないのは→ 222 00:13:46,743 --> 00:13:48,795 空っぽになっている胃に→ 223 00:13:48,795 --> 00:13:50,747 急に刺激的な食べ物を 入れるべきではない→ 224 00:13:50,747 --> 00:13:52,749 ということ》 225 00:13:52,749 --> 00:13:54,801 《この空腹に勝つには…→ 226 00:13:54,801 --> 00:13:58,738 勝つ… カツ… カツ…!》 227 00:13:58,738 --> 00:14:00,773 《カツ丼は どうだ?》 228 00:14:00,773 --> 00:14:08,431 《カツ自体は揚げ物だが 卵で優しくコーティングされ→ 229 00:14:07,730 --> 00:14:09,749 《それでいて ガッツリとしたボリューム》 230 00:14:09,749 --> 00:14:13,753 《よし 今日の昼メシは カツ丼に決まりだ!》 231 00:14:13,753 --> 00:14:16,756 《初めて来る町だが 今の俺の嗅覚は→ 232 00:14:16,756 --> 00:14:19,759 飢えたオオカミ並みに さえている》 233 00:14:19,759 --> 00:14:21,761 (においを嗅ぐ音) 《こっちだ》 234 00:14:22,762 --> 00:14:24,747 《おおっ! 早速 発見》 235 00:14:24,747 --> 00:14:33,322 《俺の鼻に 間違いはなかったぜ》 236 00:14:33,322 --> 00:14:33,723 《以前 訪れたことのあるチェーン店》 237 00:14:33,723 --> 00:14:34,757 《とんかつは もちろんのこと カツ丼もうまかった記憶が…》 238 00:14:34,757 --> 00:14:38,778 《よし! ここで決定… ん?》 239 00:14:38,778 --> 00:14:40,730 《向かいには そば屋…》 240 00:14:40,730 --> 00:14:42,715 《そば屋なら当然…→ 241 00:14:42,715 --> 00:14:44,734 カツ丼もある》 242 00:14:44,734 --> 00:14:47,737 《この 色あせてホコリのかぶった 食品サンプル》 243 00:14:47,737 --> 00:14:55,578 《懐かしいなあ…》 244 00:14:53,776 --> 00:14:57,764 《どっちだ… どっちに入るべきだ… 考えろ ひろし…》 245 00:14:57,764 --> 00:15:01,801 《チェーン店なら どの店舗も同じ味のはず》 246 00:15:01,801 --> 00:15:08,591 《ここならハズレはない》 247 00:15:08,591 --> 00:15:15,381 《一方 そば屋のほうは いかにも古ぼけた感じ》 248 00:15:13,796 --> 00:15:24,740 《大ハズレの可能性があるということは→ 249 00:15:15,381 --> 00:15:28,327 《味があるといえばあるが 大ハズレの可能性も秘めている…》 250 00:15:18,751 --> 00:15:21,721 《そして この町には もう二度と来ないかもしれない》 251 00:15:21,721 --> 00:15:24,757 《一期一会 一か八か→ 252 00:15:24,757 --> 00:15:26,776 攻めの姿勢で→ 253 00:15:26,776 --> 00:15:28,795 そば屋! そば屋に決定だ!》 254 00:15:28,795 --> 00:15:37,620 《いざ 入店!》 255 00:15:32,748 --> 00:15:39,956 《嘘だろ… メシ時だってのに 客が一人もいねえ!》 256 00:15:39,755 --> 00:15:41,741 《痛恨の選択ミス!》 257 00:15:41,741 --> 00:15:45,745 《どうする? このまま店を出ちまうか?》 258 00:15:45,745 --> 00:15:48,748 《幸い 店員さんからの 「いらっしゃい」の声はない…》 259 00:15:48,748 --> 00:15:51,767 《っていうか 店員さんの姿すら見えないぞ》 260 00:15:51,767 --> 00:15:54,770 《どうなってんだ この店…》 261 00:15:54,770 --> 00:15:59,792 《まあ いい。 このまま気配を消して ゆっくり音を立てずに…》 262 00:15:59,792 --> 00:16:02,762 (おばちゃん)カツ丼1つですね。 《しまった 見つかった!》 263 00:16:02,762 --> 00:16:05,798 《っていうか なぜ 俺の注文がわかったんだ?》 264 00:16:05,798 --> 00:16:08,768 (おばちゃん)それとカレー南蛮1つ。 んん? 265 00:16:08,768 --> 00:16:11,754 (おばちゃん) 月見1つ 天ざる1つ 以上ですね。 266 00:16:11,754 --> 00:16:13,756 (おばちゃん) 30分くらいで お届けします。 267 00:16:13,756 --> 00:16:15,741 《出前の電話か…》 (電話) 268 00:16:15,741 --> 00:16:17,760 (おばちゃん)はい そば処 旨杉やです。 269 00:16:17,760 --> 00:16:28,704 出前ですね。 270 00:16:23,783 --> 00:16:26,769 《よし 今日は この店に決まりだ!》 271 00:16:26,769 --> 00:16:29,722 40分くらいでお届けします。 272 00:16:29,722 --> 00:16:31,757 あっ いらっしゃいませ。 273 00:16:31,757 --> 00:16:33,743 今 伺いますから お好きな席どうぞ。 274 00:16:33,743 --> 00:16:35,745 はい。 275 00:16:36,762 --> 00:16:39,732 《使い込まれたテーブルの感じ→ 276 00:16:39,732 --> 00:16:43,753 棚に並んだ古い漫画 謎の木彫り》 277 00:16:43,753 --> 00:16:48,758 《古き良き町のおそば屋さんって感じで グッとくるぜ》 278 00:16:48,758 --> 00:16:52,778 《頼むのは カツ丼と決めてるけど 一応 メニューを見ておくか》 279 00:16:52,778 --> 00:16:56,732 《おっ! プラス100円で ミニざるそばが付けられるのか》 280 00:16:56,732 --> 00:17:00,753 《ガッツリいきたい今日の俺に ぴったりのメニュー》 281 00:17:00,753 --> 00:17:02,738 お待たせしました お決まりですか? 282 00:17:02,738 --> 00:17:05,741 カツ丼のセットでミニざるそばを。 283 00:17:05,741 --> 00:17:07,743 (おばちゃん) カツ丼セット ミニざるですね。 284 00:17:09,779 --> 00:17:17,670 あっ… すみません。 急いで作りますね。 285 00:17:16,752 --> 00:17:18,771 (おばちゃん) テーブル様 カツ丼セット ミニざる。 286 00:17:18,771 --> 00:17:20,756 (大将)あいよ! 287 00:17:20,756 --> 00:17:24,744 《いかにも うまい料理を作りそうな 渋いたたずまいの大将…》 288 00:17:24,744 --> 00:17:30,933 《たくさんの注文を一人でさばいている》 289 00:17:30,933 --> 00:17:31,734 《これはカツ丼への期待も高まるぜ!》 290 00:17:31,734 --> 00:17:35,755 お待たせしました。 まずは カツ丼ですね。 291 00:17:35,755 --> 00:17:38,758 おそば 今 ゆでてますので もう少しお待ちくださいね。 292 00:17:38,758 --> 00:17:40,760 あっ はい。 293 00:17:40,760 --> 00:17:43,713 《ふむふむ… ふた付きのどんぶり》 294 00:17:43,713 --> 00:17:46,749 《古き良きカツ丼の風情が出ている》 295 00:17:46,749 --> 00:17:48,751 《おお~!》 296 00:17:49,769 --> 00:17:52,738 《俺好みのオーソドックスなカツ丼!》 297 00:17:52,738 --> 00:17:54,757 《半熟である部分を残しつつ→ 298 00:17:54,757 --> 00:17:57,760 黄身と白身が混ざりすぎていない卵》 299 00:17:57,760 --> 00:18:03,716 《その卵に包まれながらも しっかりと存在感を主張するとんかつ》 300 00:18:03,716 --> 00:18:07,703 《上にのった三つ葉によって 彩りも最高!》 301 00:18:12,775 --> 00:18:16,762 《空腹マックスの状態で こいつに出会えた俺は→ 302 00:18:16,762 --> 00:18:18,764 なんて幸せ者なんだ…》 303 00:18:19,732 --> 00:18:21,767 《さあ 待ってろよ 胃袋》 304 00:18:21,767 --> 00:18:25,755 《今 極上のカツ丼を送り込んでやるからな》 305 00:18:26,756 --> 00:18:28,758 いただきまーす。 306 00:18:28,758 --> 00:18:37,750 《まずは カツを ひと口かじり…》 307 00:18:34,780 --> 00:18:37,783 《んんん~ うま~い!》 308 00:18:37,750 --> 00:18:40,753 《卵と玉ねぎ ご飯を一緒にして…》 309 00:18:37,783 --> 00:18:39,769 《カツには 割り下が絡まりつつも→ 310 00:18:39,769 --> 00:18:42,772 かすかに 衣のサクッと感が残っている》 311 00:18:42,772 --> 00:18:46,809 《さすが大将 いい仕事をされている!》 312 00:18:46,809 --> 00:18:48,778 《さあ もうひと口…》 313 00:18:48,778 --> 00:18:51,747 《んん~ やっぱり うまい!》 314 00:18:51,747 --> 00:18:54,734 《割り下は 少し濃いめの味付けだが→ 315 00:18:54,734 --> 00:18:57,803 それが卵と玉ねぎとご飯に→ 316 00:18:57,803 --> 00:18:59,755 合う! 合う! 合う~!》 317 00:18:59,755 --> 00:19:01,774 《腹ぺこ胃袋も喜んでるぜ》 318 00:19:01,774 --> 00:19:04,777 《そして 舌がカツ丼に慣れてきた今…》 319 00:19:08,781 --> 00:19:10,766 《しその風味と酸味によって→ 320 00:19:10,766 --> 00:19:13,436 舌をリセット!》 321 00:19:13,436 --> 00:19:15,788 《新鮮な気持ちで 再びカツ丼と向き合える!》 322 00:19:15,788 --> 00:19:17,790 《これぞ…》 323 00:19:25,798 --> 00:19:27,750 フウ…。 324 00:19:27,750 --> 00:19:29,769 《だいぶ腹も満たされたぜ》 325 00:19:29,769 --> 00:19:33,756 お待たせしました。 セットのミニざるそばです。 326 00:19:33,756 --> 00:19:35,775 えっ!? 327 00:19:35,775 --> 00:19:38,744 《な… なんだ この量!? 全然ミニじゃねえ!》 328 00:19:38,744 --> 00:19:41,781 少し待たせちゃったから サービスね。 329 00:19:41,781 --> 00:19:44,734 《サービスのレベルを超えている気が…》 330 00:19:44,734 --> 00:19:58,931 (おばちゃん)ごゆっくりどうぞ。 331 00:19:50,756 --> 00:19:53,726 《なんて素敵な心遣い…》 332 00:19:53,726 --> 00:19:57,747 《しかし すでにカツ丼3分の2で 結構 満腹気味…》 333 00:19:57,747 --> 00:20:01,767 《ここから こんな量 食えるのか?》 334 00:20:01,767 --> 00:20:04,770 《さっきまで 黙々と料理を作っていた大将まで→ 335 00:20:04,770 --> 00:20:07,740 満面の笑みで こっちを見ている》 336 00:20:07,740 --> 00:20:11,761 《店側の心遣いを むげにしてはいけない》 337 00:20:11,761 --> 00:20:15,731 《出されたものを 必ず最後まで食べる》 338 00:20:15,731 --> 00:20:18,734 《それが 俺の昼メシの流儀だ!》 339 00:20:19,735 --> 00:20:23,723 《ただ食べるだけでなく ちゃんと味わってみせる…》 340 00:20:23,723 --> 00:20:27,760 《この前 ネットで見た 粋なそばの食べ方を試してみるか》 341 00:20:27,760 --> 00:20:37,303 《まずは つゆにも薬味にもつけず そばだけを楽しむ》 342 00:20:36,786 --> 00:20:41,774 《次は そばの上に 少量のワサビだけをのせて…》 343 00:20:41,774 --> 00:20:44,744 《ほう~ そばの香りとワサビの香り…》 344 00:20:44,744 --> 00:20:47,730 《なかなか通好みな味わい…》 345 00:20:47,730 --> 00:20:50,783 《そして またワサビをそばにのせたあと→ 346 00:20:50,783 --> 00:21:04,897 ワサビが つゆにつかないよう そばを少しだけ つゆにつけて… 食べる!》 347 00:20:57,740 --> 00:20:59,742 《ワサビを つゆにつけないことで→ 348 00:20:59,742 --> 00:21:02,728 ワサビの良さが 最大限に引き出されている!》 349 00:21:02,728 --> 00:21:05,714 《よしよし なかなかいいスタートを切ったぞ…》 350 00:21:05,714 --> 00:21:07,716 《全然 減っていない!》 351 00:21:07,716 --> 00:21:12,738 《いや ひるむな ひろし… 昼メシのプロのプライドを見せろ!》 352 00:21:12,738 --> 00:21:14,757 《まだカツ丼も残っている》 353 00:21:14,757 --> 00:21:17,793 《カツ丼のご飯で そばを頂く!》 354 00:21:17,793 --> 00:21:19,778 《さらに しば漬けリセット》 355 00:21:19,778 --> 00:21:21,764 《ベルトを緩めて→ 356 00:21:21,764 --> 00:21:25,768 ラストスパートだあぁぁーーっ!》 357 00:21:26,902 --> 00:21:30,289 《フウ…》 358 00:21:30,289 --> 00:21:30,806 ごちそうさまでした。 359 00:21:30,806 --> 00:21:32,775 (拍手) (大将)うんうん。 360 00:21:32,775 --> 00:21:36,779 《カツ丼食って ミニざるに勝ったぜ!》 361 00:21:38,747 --> 00:21:42,735 《カツ丼とそばを無事に平らげ 仕事もうまくいった》 362 00:21:42,735 --> 00:21:46,739 《今 思うと みさえが朝飯抜きにしてくれたから→ 363 00:21:46,739 --> 00:21:49,809 あの山盛りのそばを 完食できたのかもしれない》 364 00:21:49,809 --> 00:21:52,761 《みさえにも感謝だな》 365 00:21:52,761 --> 00:21:56,749 (野原しんのすけ)おっ 父ちゃん ただいま。 「おかえり」だろ。 366 00:21:56,749 --> 00:21:58,767 (しんのすけ) そうともゆ~。 コウメ太夫~。 367 00:21:58,767 --> 00:22:09,445 (野原みさえ)あなた おかえりなさい。 (野原ひまわり)や! 368 00:22:04,790 --> 00:22:08,777 (みさえ)えっ? ああ こっちも言いすぎたわ。 ごめんなさい。 369 00:22:08,777 --> 00:22:11,764 今晩は パパの大好きなカツ丼よ! 370 00:22:11,764 --> 00:22:15,935 えっ カツ丼? (しんのすけ)やったー! 371 00:22:15,751 --> 00:22:17,736 (ひまわり)たや? (シロ)アンアン! 372 00:22:17,736 --> 00:22:20,756 あ… ありがとう みさえ。 373 00:22:20,756 --> 00:22:24,760 ♬~