1 00:00:38,805 --> 00:00:40,874 《俺の名前は 野原ひろし》 2 00:00:40,874 --> 00:00:43,844 《ここ 双葉商事に勤めるサラリーマンだ》 3 00:00:44,811 --> 00:00:48,782 《出世街道を爆進中! と言えば嘘になるが…》 4 00:00:48,782 --> 00:00:51,818 (パソコンのエラー音) えっ? あ… あれ? 5 00:00:51,818 --> 00:00:55,789 《後輩からは それなりに尊敬されている… はずだ》 6 00:00:56,790 --> 00:00:59,793 つまり 先方の都合で納期が早まったから→ 7 00:00:59,793 --> 00:01:02,796 こちらも早く動く必要があるってわけだな。 8 00:01:02,796 --> 00:01:04,798 (川口)なるほど。 9 00:01:04,798 --> 00:01:06,800 ん? 続けてください。 10 00:01:06,800 --> 00:01:08,802 (川口がスマホをタップする音) あ… ああ。 11 00:01:08,802 --> 00:01:10,804 あと カラーバリエーションも 増やしたいって話で…。 12 00:01:10,804 --> 00:01:12,806 へえ~。 …って おい! 13 00:01:12,806 --> 00:01:14,808 川口! はい? 14 00:01:14,808 --> 00:01:16,810 ミーティング中に スマホをポチポチするなよ! 15 00:01:16,810 --> 00:01:20,781 ああ 違いますよ。 先輩の言ってたことをメモしてたんです。 16 00:01:20,781 --> 00:01:22,816 えっ? メモ? 17 00:01:22,816 --> 00:01:24,785 (川口)はい。 そ… そうか。 18 00:01:24,785 --> 00:01:27,788 手書きより こっちのほうが早いんで。 19 00:01:27,788 --> 00:01:32,826 いや しかしなあ… 何か感じ悪いというか→ 20 00:01:32,826 --> 00:01:35,796 サラリーマンの礼儀作法に反してやしないか? 21 00:01:36,797 --> 00:01:38,799 それ 誰が決めたんですか? 22 00:01:38,799 --> 00:01:40,801 誰がってわけじゃないけど…。 23 00:01:40,801 --> 00:01:44,805 物事には 慣習とか伝統とかってやつが…。 24 00:01:44,805 --> 00:01:48,809 先輩~。 頭固いこと言わないでくださいよ。 25 00:01:48,809 --> 00:01:50,844 なっ… なんだと? 26 00:01:50,844 --> 00:01:54,815 そんなものは 時代とともに変わっていくんですから。 27 00:01:54,815 --> 00:01:57,818 もっと柔軟に対応していかないと。 28 00:01:57,818 --> 00:01:59,786 ああっ…! 29 00:01:59,786 --> 00:02:09,796 ♬~ 30 00:03:40,754 --> 00:03:43,790 《なんだよ… 俺が間違ってるってのか?》 31 00:03:43,790 --> 00:03:45,792 《う~ん… モヤモヤする》 32 00:03:45,792 --> 00:03:50,764 《よし! うまいものでも食って パーッと気分を晴らそう!》 33 00:03:50,764 --> 00:03:54,768 《おっ! いい感じのレストラン。 どれどれ…》 34 00:03:54,768 --> 00:03:56,770 げっ! 35 00:03:56,770 --> 00:03:59,773 《さすがに ランチで3000円はないなあ…》 36 00:03:59,773 --> 00:04:05,779 《もうちょっと お手頃に ゴージャスな気分を味わえる店は…》 37 00:04:05,779 --> 00:04:08,782 《回転寿司か… ありだな》 38 00:04:10,784 --> 00:04:12,752 (店員)いらっしゃいませ! カウンター席に どうぞ。 39 00:04:13,787 --> 00:04:18,792 《家族で来る時は ボックス席だから カウンター席は新鮮だ》 40 00:04:18,792 --> 00:04:21,795 《さて… いろいろ回ってはいるが→ 41 00:04:21,795 --> 00:04:27,767 最近は タッチパネルから 直接 欲しいものを注文するのが基本だ》 42 00:04:27,767 --> 00:04:31,772 《最初に何から頼むか。 選択肢は無限大》 43 00:04:31,772 --> 00:04:34,774 《…のようでいて 実は そうでもない!》 44 00:04:34,774 --> 00:04:36,776 《寿司の食べ方には→ 45 00:04:36,776 --> 00:04:39,779 王道と呼ぶべき順序が存在する》 46 00:04:39,779 --> 00:04:42,783 《白身から始まり 貝類に続き→ 47 00:04:42,783 --> 00:04:46,820 そこから ウニやいくらなど うまみの強いもの》 48 00:04:46,820 --> 00:04:49,823 《そして トロなど脂ののったものに移行》 49 00:04:49,823 --> 00:04:53,793 《こうすることで 全てのネタを美味しく頂ける》 50 00:04:53,793 --> 00:04:58,798 《野球のピッチャーに 先発 中継ぎ 抑えがいるように→ 51 00:04:58,798 --> 00:05:02,803 歴史の中で編み出された セオリーがあるのだ》 52 00:05:02,803 --> 00:05:04,805 というわけで…。 53 00:05:04,805 --> 00:05:07,808 《タイ ハマチ えんがわ》 54 00:05:07,808 --> 00:05:09,810 《最初の注文は これでいこう》 55 00:05:09,810 --> 00:05:12,779 《寿司は 日本の伝統食》 56 00:05:12,779 --> 00:05:14,781 《伝統的な作法を守って食すのが→ 57 00:05:14,781 --> 00:05:16,783 粋ってやつさ…》 58 00:05:16,783 --> 00:05:19,786 《まあ 川口の奴には わからないだろうが…》 59 00:05:19,786 --> 00:05:22,789 (寿司の到着音) 《おっ! 来た来た》 60 00:05:23,790 --> 00:05:25,792 《おお~っ!》 61 00:05:26,793 --> 00:05:29,796 《ゴージャスに輝くタイ》 62 00:05:29,796 --> 00:05:32,799 《プリッと引き締まったハマチ》 63 00:05:32,799 --> 00:05:34,801 《とろけそうな えんがわ》 64 00:05:34,801 --> 00:05:37,804 《やっぱ 寿司はいいなあ~!》 65 00:05:37,804 --> 00:05:39,806 《よし! 食べる前に…》 66 00:05:39,806 --> 00:05:42,809 《この店には 醤油皿がないため→ 67 00:05:42,809 --> 00:05:45,812 このように自力で確保する必要がある》 68 00:05:45,812 --> 00:05:47,781 《さらに ファミリー層を意識して→ 69 00:05:47,781 --> 00:05:50,784 全品わさび抜きに なっているため→ 70 00:05:50,784 --> 00:05:54,788 こちらも ネタに醤油を軽くつけつつ→ 71 00:05:54,788 --> 00:05:57,791 同時に シャリにわさびをのせる》 72 00:05:57,791 --> 00:05:59,793 《ネタを戻して…》 73 00:05:59,793 --> 00:06:01,795 いただきます。 74 00:06:03,797 --> 00:06:05,799 《うまーい!》 75 00:06:05,799 --> 00:06:08,802 《この皮の コリッコリが いいんだよな~!》 76 00:06:08,802 --> 00:06:11,805 《2貫目も当然 うまい!》 77 00:06:11,805 --> 00:06:14,808 《えっ? 次は どっちを食べるんだって?》 78 00:06:14,808 --> 00:06:17,811 《まあ 慌てなさんな…》 79 00:06:17,811 --> 00:06:21,781 《ここで もうひと皿空けて そこにガリを盛りつければ…》 80 00:06:21,781 --> 00:06:25,785 《完成! これぞ 三皿の構え!》 81 00:06:25,785 --> 00:06:27,754 《回転寿司を快適に食べるための→ 82 00:06:27,754 --> 00:06:29,756 最強形態だ!》 83 00:06:30,790 --> 00:06:34,794 《ハマチもうまいし えんがわも最高!》 84 00:06:34,794 --> 00:06:37,764 《あっという間に 3皿食べちまったなあ…》 85 00:06:37,764 --> 00:06:39,766 《お次は…》 86 00:06:39,766 --> 00:06:41,768 赤貝といくらだな。 87 00:06:41,768 --> 00:06:45,772 《そして 俺は 先の先を読む男》 88 00:06:45,772 --> 00:06:49,776 《今から その次のことも考えて… ぬっ!?》 89 00:06:49,776 --> 00:06:52,779 《極上 大トロ…》 90 00:06:52,779 --> 00:06:55,782 《少し お高いが めちゃくちゃうまそうだ…》 (つばを飲み込む音) 91 00:06:56,783 --> 00:06:59,786 《よし… 今日は奮発しちまおう》 92 00:06:59,786 --> 00:07:01,788 (到着音) おっ! 93 00:07:01,788 --> 00:07:03,757 《赤貝といくらが来たか》 94 00:07:05,792 --> 00:07:07,794 《う~ん そうそう!》 95 00:07:07,794 --> 00:07:10,764 《この歯応えと磯の香りが 醍醐味なんだよ!》 96 00:07:12,766 --> 00:07:16,770 《う~ん! プチッとはじける甘みが たまんねえな!》 97 00:07:16,770 --> 00:07:18,772 《寿司自体の味は もちろん→ 98 00:07:18,772 --> 00:07:22,776 この順番で食べるからこそ 美味しく味わえる》 99 00:07:22,776 --> 00:07:26,746 《やっぱり 伝統的な作法を守るってのは 大事なんだよ》 100 00:07:29,783 --> 00:07:31,785 《大トロは まだ来ないか…》 101 00:07:31,785 --> 00:07:35,755 《回ってるやつから 何か取るか…》 102 00:07:35,755 --> 00:07:39,793 《いや しかし 順番を破るわけには…》 103 00:07:39,793 --> 00:07:41,795 ん? ハンバーグ? 104 00:07:41,795 --> 00:07:44,764 《しんのすけが よく食べてるやつだな…》 105 00:07:44,764 --> 00:07:46,766 《あれ うまいのか?》 106 00:07:46,766 --> 00:07:49,769 《ものは試しに ひとつ…》 107 00:07:49,769 --> 00:07:51,771 《ああ… い… いかん いかん いかん!》 108 00:07:51,771 --> 00:07:54,774 《寿司は伝統食 あんなものは粋じゃない!》 109 00:07:54,774 --> 00:07:57,777 《子供は ともかく いい大人が食べるものでは…》 110 00:07:57,777 --> 00:07:59,813 (男性)おっ! ハンバーグ! えっ? 111 00:07:59,813 --> 00:08:02,782 《俺より年上なのに取った!?》 112 00:08:03,783 --> 00:08:07,787 《しかも あんなに幸せそうな顔で食べて…》 113 00:08:07,787 --> 00:08:11,791 《大人をも魅了するポテンシャルが あるっていうのか?》 114 00:08:11,791 --> 00:08:13,793 《あっ! また来た》 115 00:08:13,793 --> 00:08:15,795 《ど… どうする?》 116 00:08:15,795 --> 00:08:19,799 先輩。 もっと自分に 素直になりましょうよ~。 117 00:08:19,799 --> 00:08:21,801 興味があるんでしょ? 118 00:08:21,801 --> 00:08:24,804 もっと柔軟に 時代に対応していかないと! 119 00:08:24,804 --> 00:08:26,806 《や… やめろ!》 120 00:08:26,806 --> 00:08:28,808 (川口の声)ほらほら 早く決断しないと→ 121 00:08:28,808 --> 00:08:32,812 流れていっちゃいますよぉ~? 122 00:08:32,812 --> 00:08:35,782 《ああっ…!》 123 00:08:36,783 --> 00:08:38,785 《取ってしまった…》 124 00:08:38,785 --> 00:08:42,789 《俺は 越えてはいけない一線を 越えてしまったんだ…》 125 00:08:46,793 --> 00:08:48,795 《うっ…→ 126 00:08:48,795 --> 00:08:50,797 う… うまいじゃないかあぁぁ~!》 127 00:08:50,797 --> 00:08:54,801 《想像以上に肉がやわらかく ジューシーな食感!》 128 00:08:54,801 --> 00:08:59,806 《そして 照り焼きソースと マヨネーズが奏でるハーモニー!》 129 00:08:59,806 --> 00:09:03,810 《ああ… 俺は 今 無粋なものを食べている》 130 00:09:03,810 --> 00:09:06,780 《だが うまいものはうまい!》 131 00:09:06,780 --> 00:09:10,784 《もう 俺は戻れない場所に来てしまった…》 132 00:09:10,784 --> 00:09:13,787 《もはや いっそ 無粋ってものを極めてみるか?》 133 00:09:13,787 --> 00:09:16,790 《な~に 誰が見ているわけでもない…》 134 00:09:16,790 --> 00:09:18,792 《ままよっ!》 135 00:09:19,793 --> 00:09:21,795 《豚カルビ寿司!》 136 00:09:22,796 --> 00:09:26,800 《うまい! そりゃうまいよ… カルビと米だもんな》 137 00:09:26,800 --> 00:09:28,768 《エビフライ寿司!》 138 00:09:28,768 --> 00:09:32,806 《う~ん! 衣はサクサク! 中はプリプリだ~!》 139 00:09:32,806 --> 00:09:34,774 《マヨコーン寿司と唐揚げ寿司!》 140 00:09:34,774 --> 00:09:36,776 《なぜ コーンとマヨネーズを 混ぜただけの寿司が→ 141 00:09:36,776 --> 00:09:38,778 こんなにうまい!》 142 00:09:38,778 --> 00:09:40,780 《もう 形からして おかしい!》 143 00:09:40,780 --> 00:09:42,782 《いや うまけりゃいいんだ うまけりゃ…》 144 00:09:42,782 --> 00:09:45,785 《よーし お次は…→ 145 00:09:45,785 --> 00:09:47,787 ラーメンか…》 146 00:09:47,787 --> 00:09:49,789 《いや… 待て待て!》 147 00:09:49,789 --> 00:09:51,791 《ここまで食べてきたものは 変化球ではあるが→ 148 00:09:51,791 --> 00:09:54,794 寿司というフォーマットにはのっとっていた》 149 00:09:54,794 --> 00:09:57,797 《だが ラーメンはラーメンじゃないか!》 150 00:09:57,797 --> 00:10:02,769 《いいのか? 俺は この最後の川を渡ってしまって…》 151 00:10:02,769 --> 00:10:05,772 (川口の声)先輩は本当に頑固だな~! 152 00:10:05,772 --> 00:10:07,807 《川口 出てくるな!》 153 00:10:07,807 --> 00:10:09,776 (川口の声)うまけりゃいいって 言ってたじゃないですか。 154 00:10:09,776 --> 00:10:11,811 それに ほら。 155 00:10:11,811 --> 00:10:14,781 魚でラーメンの出汁を 取ってるわけですから→ 156 00:10:14,781 --> 00:10:17,784 ある意味 ハンバーグより 寿司に近いですよ。 157 00:10:17,784 --> 00:10:19,786 《へりくつは やめろ!》 158 00:10:19,786 --> 00:10:21,788 (川口の声) スルーしていいのかなあ? 159 00:10:21,788 --> 00:10:24,791 食べなきゃ きっと 後悔すると思うけどなあ~。 160 00:10:24,791 --> 00:10:28,795 《うっ… うう… ううっ…→ 161 00:10:28,795 --> 00:10:32,765 うおおぉぉーっ!》 162 00:10:34,767 --> 00:10:36,769 《寿司屋でラーメン…》 163 00:10:37,770 --> 00:10:40,773 《こんなに無粋なことがあるだろうか》 164 00:10:40,773 --> 00:10:42,775 《しかし…》 165 00:10:43,776 --> 00:10:46,813 《うめえ! ラーメン うめえ~!》 166 00:10:46,813 --> 00:10:51,784 《いつもは 塩分 気にしてスープ残すけど 今日は 全部飲んじゃうもんね~!》 167 00:10:51,784 --> 00:10:55,788 《伝統だとか作法だとか もう そんなものは どうでもいい!》 168 00:10:55,788 --> 00:10:58,791 《いや むしろ 全部ぶち壊していくべきなんだ!》 169 00:10:58,791 --> 00:11:01,794 《俺が間違っていたよ 川口…》 170 00:11:01,794 --> 00:11:03,763 (店員)大変申し訳ございません! ん? 171 00:11:03,763 --> 00:11:07,767 ご注文の極上大トロ 遅くなってしまって…。 172 00:11:07,767 --> 00:11:09,769 《えっ… 大トロ?》 173 00:11:09,769 --> 00:11:13,773 《今さら 大トロなんて古くさい寿司… こちとら 未来志向…》 174 00:11:13,773 --> 00:11:15,742 おわあっ! 175 00:11:16,809 --> 00:11:19,779 《な… なんと美しいフォルム!》 176 00:11:19,779 --> 00:11:22,782 《脂ののり方も文句のつけようがない!》 177 00:11:22,782 --> 00:11:24,784 《さすがは大トロ!》 178 00:11:24,784 --> 00:11:28,788 《寿司の王様というべき 風格が漂っている!》 179 00:11:32,792 --> 00:11:37,764 《これぞクライマックスにふさわしい 圧倒的な満足感…》 180 00:11:38,765 --> 00:11:41,768 《俺は 何を血迷っていたんだろう…》 181 00:11:41,768 --> 00:11:45,805 《やはり 大事なのは伝統と作法だ》 182 00:11:45,805 --> 00:11:48,775 《よーし… もう 迷わないぞ!》 183 00:11:48,775 --> 00:11:51,778 《…って ティラミス きたー!》 184 00:11:51,778 --> 00:11:54,781 《寿司屋という場違いな場所に存在している 引け目を感じさせない→ 185 00:11:54,781 --> 00:11:57,784 凛とした たたずまい~!》 186 00:11:57,784 --> 00:12:01,788 《やはり… やはり 無粋も捨てがたい!》 187 00:12:01,788 --> 00:12:03,790 《甘~い!》 188 00:12:03,790 --> 00:12:07,794 《そして この冷たさが ヒートアップした俺を落ち着かせてくれる》 189 00:12:08,795 --> 00:12:11,798 《大トロもうまいし ティラミスもうまい》 190 00:12:11,798 --> 00:12:13,800 《今までのものと新しいもの→ 191 00:12:13,800 --> 00:12:17,770 どちらもバランスよく取り込んでいくことが 大事なんだな》 192 00:12:18,805 --> 00:12:20,807 《ありがとう 回転寿司》 193 00:12:20,807 --> 00:12:23,810 《君には 大切なことを 勉強させてもらったよ》 194 00:12:23,810 --> 00:12:26,813 お会計 3280円です。 195 00:12:26,813 --> 00:12:28,781 《げっ… そんなに!?》 196 00:12:29,782 --> 00:12:32,785 明日の昼は カップラーメンか…。 197 00:12:33,786 --> 00:12:36,789 まさか ここより高くつくとは…。 198 00:12:36,789 --> 00:12:39,759 勉強代も安くねえなあ…。 199 00:12:40,827 --> 00:12:42,795 ごちそうさまでした。 200 00:14:15,421 --> 00:14:17,423 (さやか)なんで レポートって→ 201 00:14:17,423 --> 00:14:19,425 提出ギリギリにならないと やる気出ないんだろ。 202 00:14:19,425 --> 00:14:22,428 (萌美)わかる! でも 遥は偉いよねえ。 203 00:14:22,428 --> 00:14:25,398 いっつも計画的にコツコツ進めて。 204 00:14:25,398 --> 00:14:28,434 (四杉 遥)全然 そんなことないよ。 205 00:14:28,434 --> 00:14:31,404 《私 大学生の四杉遥》 206 00:14:31,404 --> 00:14:35,408 《気の置けない友人にも恵まれて 青春真っ盛りです!》 207 00:14:35,408 --> 00:14:37,410 ああ そうだ。 208 00:14:37,410 --> 00:14:40,413 2人に ちょっと 相談にのってほしいんだけどさ…。 209 00:14:40,413 --> 00:14:42,415 (萌美)えっ 何? 210 00:14:42,415 --> 00:14:44,417 私に ドラムたたけるかな…? 211 00:14:44,417 --> 00:14:46,419 ドラム? (遥)うん。 212 00:14:46,419 --> 00:14:50,423 この間 大学で バンドサークルの人たちと すれ違った時…。 213 00:14:51,424 --> 00:14:55,394 (学生)あ~あ…。 腕のいいドラマー どっかにいねえかな。 214 00:14:56,429 --> 00:15:01,400 あれ 私にやってほしいっていう 勧誘のメッセージだったと思うんだよね。 215 00:15:01,400 --> 00:15:03,436 (萌美・さやか)ええっ…。 216 00:15:03,436 --> 00:15:07,407 (遥)気持ちは嬉しいんだけど 私 音楽やったことないし→ 217 00:15:07,407 --> 00:15:10,443 方向性の違いで もめたりしないかなっていうのも→ 218 00:15:10,443 --> 00:15:13,446 ちょっと心配でさあ…。 219 00:15:13,446 --> 00:15:17,450 いずれ ツアーとかやったりすると スケジュールの問題も…。 220 00:15:17,450 --> 00:15:19,418 (携帯電話の着信音) 221 00:15:19,418 --> 00:15:21,420 あっ バイト先だ。 ごめん ちょっと出るね。 222 00:15:21,420 --> 00:15:23,423 もしもし。 はい。 223 00:15:23,423 --> 00:15:28,428 多分 勧誘されてないよね。 うん…。 224 00:15:28,428 --> 00:15:33,433 遥 すごくいい子なんだけど 自意識過剰なのが 玉にきずよね。 225 00:15:33,433 --> 00:15:38,438 一回 勘違いしちゃうと 妄想が どんどん膨らんでいくっていう…。 226 00:15:38,438 --> 00:15:41,407 (遥)明日のお昼ですか? はい! シフト入れます! 227 00:15:43,442 --> 00:15:48,414 (野原ひろし)さ~てと… 今日の昼メシは何にするかなあ。 228 00:15:48,414 --> 00:15:51,417 ん? ハンバーガーか…。 229 00:15:52,418 --> 00:15:55,421 (遥)大変 お待たせいたしました。 230 00:15:55,421 --> 00:15:58,424 《このハンバーガー屋で バイトを始めて1週間》 231 00:15:58,424 --> 00:16:03,396 《まだまだ覚えることは多いけど 笑顔だけは忘れないようにしなくちゃ》 232 00:16:03,396 --> 00:16:05,398 えっ? 233 00:16:05,398 --> 00:16:08,367 (遥)《あの人… 私のこと見てる?》 234 00:16:09,402 --> 00:16:12,405 《ハッ! 私に手振ってる!?》 235 00:16:12,405 --> 00:16:14,407 《えっ なんで!?》 236 00:16:14,407 --> 00:16:18,411 《雰囲気も良さそうだし この店にしようかな》 237 00:16:19,412 --> 00:16:21,414 (ドアチャイム) 238 00:16:21,414 --> 00:16:26,419 《おおっ! ジューシーな ハンバーガーのにおいが漂ってるなあ》 239 00:16:26,419 --> 00:16:28,421 い… いらっしゃいま…。 240 00:16:28,421 --> 00:16:32,425 《ええっ!? わわ… 私のにおい嗅いでる!?》 241 00:16:32,425 --> 00:16:36,395 あの 一人なんですけど…。 は… はい! 242 00:16:36,395 --> 00:16:38,397 こちらのお席に どうぞ…。 243 00:16:38,397 --> 00:16:40,399 どうも。 244 00:16:41,400 --> 00:16:43,402 へえ…。 245 00:16:43,402 --> 00:16:45,404 《こんなに いろいろ種類があるのか》 246 00:16:45,404 --> 00:16:48,407 《うーん… どれも うまそうだが…》 247 00:16:48,407 --> 00:16:50,409 《これだ!》 248 00:16:50,409 --> 00:16:53,412 すいません。 あっ… はい! 249 00:16:53,412 --> 00:16:55,414 アボカドフライバーガーをセットで。 250 00:16:55,414 --> 00:16:57,416 お飲み物は いかがなさいますか? 251 00:16:57,416 --> 00:16:59,418 食後に ホットコーヒーを。 252 00:16:59,418 --> 00:17:02,421 か… かしこまりました。 253 00:17:02,421 --> 00:17:06,425 《よかった… 別に普通のお客様だった…》 254 00:17:06,425 --> 00:17:10,396 《よーし。 無事 注文も済ませたし→ 255 00:17:10,396 --> 00:17:12,398 食事の前にトイレ行っとくか》 256 00:17:12,398 --> 00:17:14,400 《…って こういう時って→ 257 00:17:14,400 --> 00:17:18,404 なぜか決まって誰か入ってるんだよなあ…》 258 00:17:18,404 --> 00:17:21,407 《そして… 入れないとなると→ 259 00:17:21,407 --> 00:17:25,411 なぜか一気に もよおしてくるんだよなあ…》 260 00:17:25,411 --> 00:17:29,415 《ハッ! な… なんか あの人 もぞもぞしてる!》 261 00:17:29,415 --> 00:17:32,418 《やっぱり 普通のお客様じゃないの!?》 262 00:17:32,418 --> 00:17:34,420 《おっ やっと空いた!》 263 00:17:34,420 --> 00:17:36,422 《…って げっ!》 264 00:17:36,422 --> 00:17:40,426 《近くの客に入られた! くっ… 油断したぜ!》 265 00:17:40,426 --> 00:17:44,397 《確実に 次は入れるよう ここで待機だ…》 266 00:17:44,397 --> 00:17:47,400 《ああ… 早くしろ 早くしろ~!》 267 00:17:47,400 --> 00:17:50,403 (遥)《ハッ! いやあ~!》 268 00:17:50,403 --> 00:17:53,406 《血走ったギンギンの目で 私のこと見てるーっ!》 269 00:17:53,406 --> 00:17:57,410 (遥)うう~っ! (店長)遥ちゃん どうしたの? 270 00:17:59,412 --> 00:18:03,416 《ダメだ… さっきの あの人の顔が頭から離れない》 271 00:18:03,416 --> 00:18:05,384 (店長)遥ちゃん。 272 00:18:05,384 --> 00:18:08,421 こちら 2番テーブルさんね。 あっ… はい。 273 00:18:08,421 --> 00:18:12,391 《2番テーブル… あのお客様だわ》 274 00:18:13,426 --> 00:18:18,431 (遥)お… お待たせしました。 アボカドフライバーガーでございます。 275 00:18:19,498 --> 00:18:22,468 《おっ… おおぉぉ~っ!》 276 00:18:23,436 --> 00:18:28,441 《なんというサイズ! そして なんという分厚さ!》 277 00:18:28,441 --> 00:18:32,445 《いつも食べているハンバーガーとは もはや別の料理だ》 278 00:18:32,445 --> 00:18:36,449 《付け合わせのポテトも ガッツリ量があって→ 279 00:18:36,449 --> 00:18:39,418 これは とんでもない食べ応えの予感だぞ!》 280 00:18:39,418 --> 00:18:42,421 ごゆっくり どうぞ…。 281 00:18:42,421 --> 00:18:47,393 《もう この席には近づかないこと! なるべく遠ざかるのよ 遥!》 282 00:18:48,427 --> 00:18:53,432 《しかし… これ どうやって食べるのが正解なんだ?》 283 00:18:53,432 --> 00:18:58,437 《ナイフとフォークが用意されてはいるが これを使うのか?》 284 00:18:58,437 --> 00:19:00,439 《それとも素手なのか?》 285 00:19:00,439 --> 00:19:02,441 《他のお客さんたちは…》 286 00:19:02,441 --> 00:19:07,413 (遥)《ひぃっ! いやあぁぁ~! 私のこと めっちゃ探してる!》 287 00:19:07,413 --> 00:19:09,415 《逃げても無駄ってこと!?》 288 00:19:09,415 --> 00:19:11,417 《素手派もいるが→ 289 00:19:11,417 --> 00:19:15,421 ナイフとフォークを使う派のほうが やや優勢か…》 290 00:19:15,421 --> 00:19:18,424 《よし 俺も それでいこう》 291 00:19:18,424 --> 00:19:22,428 《ケチャップとマスタードをかけて バンズをのせ→ 292 00:19:22,428 --> 00:19:26,399 ナイフとフォークで ひと口サイズにカット》 293 00:19:27,400 --> 00:19:29,402 《さあ… 頂くか》 294 00:19:31,437 --> 00:19:34,407 《うん 繊細かつ…→ 295 00:19:34,407 --> 00:19:37,410 ワイルドな味わい!》 296 00:19:37,410 --> 00:19:41,414 《うまい! これは うまいぞ~!》 297 00:19:41,414 --> 00:19:45,418 《そして 黄金色に輝くポテトは…》 298 00:19:45,418 --> 00:19:49,422 《うおおっ! 揚げたてだ! うまい!》 299 00:19:49,422 --> 00:19:51,424 フウ…。 300 00:19:51,424 --> 00:19:54,427 《ああ… 幸せな味だ》 301 00:19:54,427 --> 00:19:59,432 《そして このオシャレで清潔感あふれる 店のレイアウト》 302 00:19:59,432 --> 00:20:02,401 《ああやって花が飾られていると 気持ちも華やぐ!》 303 00:20:02,401 --> 00:20:05,371 (携帯電話の振動音) おっ? 304 00:20:06,405 --> 00:20:08,407 《みさえ…》 305 00:20:08,407 --> 00:20:11,410 《「おお ありがとう」っと…》 306 00:20:11,410 --> 00:20:15,414 《俺も 料理を作ってもらうばかりじゃなく→ 307 00:20:15,414 --> 00:20:19,418 食卓に花を添えるくらいのことは してみようかな》 308 00:20:19,418 --> 00:20:21,420 あの すみません。 はい。 309 00:20:21,420 --> 00:20:24,423 この辺りに 花屋ってありますか? 310 00:20:24,423 --> 00:20:26,425 ええ ございますよ。 311 00:20:26,425 --> 00:20:28,427 《は… 花屋!?》 312 00:20:28,427 --> 00:20:30,396 《それって…》 313 00:20:31,397 --> 00:20:34,400 えっ!? お… お客様? 314 00:20:34,400 --> 00:20:36,402 さっきは ごちそうさま。 315 00:20:36,402 --> 00:20:39,405 どうしても 君のことが忘れられなくて…。 316 00:20:39,405 --> 00:20:42,408 受け取ってくれないかな? ええーっ! 317 00:20:43,442 --> 00:20:46,412 どうも 助かりました。 《そんな いきなり渡されても~!》 318 00:20:46,412 --> 00:20:50,416 《そして 調理風景が見られるのもナイスだ》 319 00:20:50,416 --> 00:20:53,419 《ああやって 一つずつ丁寧に作ってるんだな》 320 00:20:53,419 --> 00:20:56,422 《えっ… 一体 何を見てるの?》 321 00:20:56,422 --> 00:21:00,426 《ハッ! …って まさか シフト表!?》 322 00:21:00,426 --> 00:21:03,429 《私のシフト 把握しようとしてる!?》 323 00:21:03,429 --> 00:21:07,399 《けど… あんなに遠くから わかる?》 324 00:21:07,399 --> 00:21:10,402 《ううん。 きっと ものすごく視力がいい人なんだわ》 325 00:21:10,402 --> 00:21:13,405 《私のシフトが終わるのを待ち伏せして…》 326 00:21:14,406 --> 00:21:17,409 遥ちゃん。 お疲れさま。 327 00:21:17,409 --> 00:21:19,411 (遥)ええーっ! 328 00:21:19,411 --> 00:21:23,415 いくよ。 3 2 1…→ 329 00:21:23,415 --> 00:21:25,417 ゼロ。 330 00:21:25,417 --> 00:21:27,419 (花火の音) (遥)ええーっ!? 331 00:21:27,419 --> 00:21:30,422 《こ… 告白されちゃう~!》 332 00:21:30,422 --> 00:21:33,459 (店員)テイクアウトのお客様。 お待たせいたしました。 333 00:21:33,459 --> 00:21:36,428 《へえ~ テイクアウトもやってるのか》 334 00:21:37,429 --> 00:21:39,431 (遥)《ちょっと ちょっと ちょっと!》 335 00:21:39,431 --> 00:21:43,402 《あのマンション 契約しちゃおうかなって 考えてる!?》 336 00:21:44,436 --> 00:21:48,440 ここなら シフト ギリギリまで 一緒にいられると思ってさ。 337 00:21:48,440 --> 00:21:50,442 (遥)ええーっ! 338 00:21:51,443 --> 00:21:55,414 《勝手に話 進めないで! いやあ~!》 339 00:21:55,414 --> 00:21:57,416 は… 遥ちゃん? 340 00:21:57,416 --> 00:22:01,420 《まずいわ… ここらで あの人の暴走を ちゃんと止めとかないと》 341 00:22:01,420 --> 00:22:03,422 《よーし… 思い切って!》 342 00:22:04,423 --> 00:22:07,426 (遥)ああ~ 忙しいなあ! 343 00:22:07,426 --> 00:22:11,430 バイトもあるし 大学の課題もあるし→ 344 00:22:11,430 --> 00:22:15,401 ああ ホントに い… 忙しい~! 345 00:22:15,401 --> 00:22:20,439 《よし! あなたと過ごす時間は ないんですよアピール 大成功!》 346 00:22:20,439 --> 00:22:23,409 《随分 独り言が大きい子だな…》 347 00:22:23,409 --> 00:22:25,444 《まっ いいか》 348 00:22:25,444 --> 00:22:31,417 《しかし こんなにボリュームがあるのに 全然くどくなく どんどん食べ進められる》 349 00:22:31,417 --> 00:22:35,387 《むしろ サイドメニューまで頼んでも いいくらいだったな》 350 00:22:36,422 --> 00:22:38,424 《こうして見ると→ 351 00:22:38,424 --> 00:22:41,427 追加で頼んでる人も 結構いるし》 352 00:22:41,427 --> 00:22:43,395 《別の女性に目移りしてる…》 353 00:22:43,395 --> 00:22:47,399 《よかったけど… 私がダメなら 次いっちゃえってこと?》 354 00:22:47,399 --> 00:22:49,401 《なんて 節操のない…》 355 00:22:51,403 --> 00:22:53,405 クラムチャウダーか…。 356 00:22:53,405 --> 00:22:55,407 ハッ…! 357 00:22:56,408 --> 00:22:59,411 《あの人 今 「比べちゃうとなー」って言った!?》 358 00:22:59,411 --> 00:23:02,414 《何を どう比べるの? あっ…!》 359 00:23:02,414 --> 00:23:07,419 《一度は諦めようとしたけど やっぱり 私じゃなきゃダメってこと!?》 360 00:23:07,419 --> 00:23:09,421 遥ちゃん。 えっ? 361 00:23:09,421 --> 00:23:13,425 2番テーブルのお客様 お水なくなってるから 持っていってあげて。 362 00:23:13,425 --> 00:23:15,394 あっ… はい! 363 00:23:16,428 --> 00:23:18,397 あっ…。 364 00:23:18,397 --> 00:23:21,400 《あ~あ… 取り換えてもらわなきゃ》 365 00:23:21,400 --> 00:23:24,403 よろしければ お水のおかわり…。 366 00:23:24,403 --> 00:23:29,408 《ええぇぇーっ!? 私のスカートの中 のぞこうとしてる!?》 367 00:23:29,408 --> 00:23:32,411 《いやあぁぁーっ!》 おっ? 368 00:23:34,413 --> 00:23:38,384 《フウ… 量も味も大満足だったな》 369 00:23:39,418 --> 00:23:42,421 ごちそうさま。 あっ お会計ですね。 370 00:23:42,421 --> 00:23:45,424 980円になります。 371 00:23:45,424 --> 00:23:48,394 《よかった… やっと帰っていただける》 372 00:23:48,394 --> 00:23:50,429 おっ? 373 00:23:50,429 --> 00:23:53,399 《ハニーチーズバーガー…》 374 00:23:53,399 --> 00:23:56,402 《ハンバーガーに 甘いハニーを加えちゃうのか!?》 375 00:23:56,402 --> 00:23:59,405 《おいおい… どんな味になるんだよ》 376 00:23:59,405 --> 00:24:01,407 《ハニー… 気になる》 377 00:24:01,407 --> 00:24:04,410 《これは 確かめてみるしか…》 378 00:24:04,410 --> 00:24:07,413 (遥)お返し 20円です。 どうも。 379 00:24:08,414 --> 00:24:10,382 ありがとうございました。 380 00:24:11,417 --> 00:24:13,419 また食べに来ます。 381 00:24:13,419 --> 00:24:15,421 ハニー。 382 00:24:15,421 --> 00:24:17,423 《ハ… ハニーーーー!?》 383 00:24:17,423 --> 00:24:21,393 《どうしよう! 完全に狙われてる~!》 384 00:24:23,429 --> 00:24:25,431 ごちそうさまでした。 385 00:24:25,431 --> 00:24:33,405 ♬~