1 00:00:36,670 --> 00:00:42,676 (部長)う~ん…。 正直 どのアイデアも どこか二番煎じというかなあ…。 2 00:00:42,676 --> 00:00:45,679 (野原ひろし)ですよね…。 すみません。 3 00:00:45,679 --> 00:00:49,683 申し訳ないが もう一回 練り直してもらえないか? 4 00:00:49,683 --> 00:00:51,685 はい わかりました。 5 00:00:53,687 --> 00:00:57,691 《俺の名前は野原ひろし。 サラリーマンだ》 6 00:00:57,691 --> 00:00:59,693 《日々の疲れから→ 7 00:00:59,693 --> 00:01:02,696 仕事へのアグレッシブな姿勢を 失いかけていた》 8 00:01:02,696 --> 00:01:05,666 (男性)俺 最近 気づいたんだ。 9 00:01:06,700 --> 00:01:09,670 仕事ってのは ゲーム感覚でやればいいんだって。 10 00:01:09,670 --> 00:01:11,672 《ゲーム感覚?》 11 00:01:11,672 --> 00:01:13,674 一つ一つのクエストをクリアして→ 12 00:01:13,674 --> 00:01:16,677 経験値をためて レベルアップしていく。 13 00:01:17,678 --> 00:01:20,714 相手によって どういうアイテムや特技を使えば→ 14 00:01:20,714 --> 00:01:22,716 攻略できるか考える。 15 00:01:22,716 --> 00:01:25,686 そしたら どんどん仕事が楽しくなってさ。 16 00:01:26,687 --> 00:01:29,656 《俺の目から うろこが落ちた》 17 00:01:29,656 --> 00:01:32,693 《なるほど そういう考え方もあったのか》 18 00:01:32,693 --> 00:01:36,663 《よし 俺も明日から そのやり方でやってみよう!》 19 00:01:38,699 --> 00:01:48,709 ♬~ 20 00:03:20,701 --> 00:03:23,670 《一つ一つ 確実に仕事をこなして→ 21 00:03:23,670 --> 00:03:26,673 自分をレベルアップさせていく感覚》 22 00:03:26,673 --> 00:03:30,710 はい。 ご検討よろしくお願いします。 23 00:03:30,710 --> 00:03:32,679 《そして…》 24 00:03:35,682 --> 00:03:38,685 このプロジェクトを実現させたいんです! 25 00:03:38,685 --> 00:03:41,688 た… 確かに 斬新なアイデアではある。 26 00:03:41,688 --> 00:03:45,692 しかし あまりにイメージがつかないというか…。 27 00:03:45,692 --> 00:03:47,694 《効果的なアイテムと…》 28 00:03:47,694 --> 00:03:50,697 参考になりそうな事例を まとめてきました。 29 00:03:50,697 --> 00:03:52,699 い… いつの間に こんな…! 30 00:03:52,699 --> 00:03:55,669 《効果的な特技で攻略する》 31 00:03:56,670 --> 00:03:58,672 どうか お願いします! 32 00:03:59,673 --> 00:04:02,676 わかった。 上のほうに掛け合ってみよう。 33 00:04:02,676 --> 00:04:04,678 ありがとうございます! 34 00:04:05,679 --> 00:04:09,683 《いやあ… アリだな このやり方》 35 00:04:09,683 --> 00:04:14,688 《さて 次の取引先に向かう前に 昼メシを済ませておくか》 36 00:04:14,688 --> 00:04:16,690 《今の所持金は…》 37 00:04:16,690 --> 00:04:19,693 えっ!? 5… 500円…? 38 00:04:19,693 --> 00:04:23,697 《しょうがない。 コンビニで おにぎりでも買うか》 39 00:04:23,697 --> 00:04:25,699 おっ… から揚げ定食。 40 00:04:25,699 --> 00:04:27,701 500円!? 41 00:04:27,701 --> 00:04:31,671 《なるほど。 居酒屋がやっているランチか》 42 00:04:31,671 --> 00:04:33,673 《この値段は魅力的…》 43 00:04:33,673 --> 00:04:37,677 《うん! 今日のランチは から揚げで決まりだ!》 44 00:04:39,679 --> 00:04:43,683 《しかし 全然 店がありそうな気配はない…》 45 00:04:43,683 --> 00:04:46,686 《どうする? やはり コンビニにするか…?》 46 00:04:46,686 --> 00:04:51,691 《いや 時間には まだまだ余裕がある。 諦めるな》 47 00:04:51,691 --> 00:04:54,694 《そう これもゲームだと思えばいい》 48 00:04:54,694 --> 00:04:58,698 《俺は今 幻のから揚げ定食を求めて→ 49 00:04:58,698 --> 00:05:00,667 このダンジョンを探検しているんだ!》 50 00:05:02,669 --> 00:05:05,672 《意味深にベンチに座っている おじいさん 発見!》 51 00:05:07,674 --> 00:05:13,680 あの… 500円で から揚げ定食が食べられる店 ご存じありませんか? 52 00:05:13,680 --> 00:05:16,683 ほう…。 あの店に行くのかい。 53 00:05:16,683 --> 00:05:19,686 《いいね そのゲームっぽい言い回し!》 54 00:05:19,686 --> 00:05:21,688 この道を真っすぐ行って→ 55 00:05:21,688 --> 00:05:24,658 2つ目の角を右だよ。 56 00:05:24,658 --> 00:05:26,660 ありがとうございます! 57 00:05:28,695 --> 00:05:30,697 あっ… あった! 58 00:05:30,697 --> 00:05:33,733 《よっしゃあ! クエストクリアだ!》 59 00:05:33,733 --> 00:05:35,702 (戸の開く音) (店長)いらっしゃいませ! 60 00:05:35,702 --> 00:05:37,704 カウンター席へ どうぞ。 61 00:05:37,704 --> 00:05:40,707 《一応 メニューを見とくか…》 62 00:05:40,707 --> 00:05:42,709 《な… なんだと!?》 63 00:05:42,709 --> 00:05:45,712 《5個から10個 好きな数を選べる!?》 64 00:05:45,712 --> 00:05:50,717 《なるほど…。 朝からバリバリ働いて 腹はペコペコだし→ 65 00:05:50,717 --> 00:05:52,719 7個か8個くらいか?》 66 00:05:53,687 --> 00:05:55,689 《いや ここは10個だ!》 67 00:05:55,689 --> 00:05:58,692 《なぜなら 値段が同じだから!》 68 00:05:59,726 --> 00:06:03,697 すいません。 から揚げ定食 から揚げ10個でお願いします。 69 00:06:04,698 --> 00:06:07,701 10個…。 マジかよ…。 70 00:06:07,701 --> 00:06:09,703 《えっ? えっ…?》 71 00:06:09,703 --> 00:06:11,705 (店長)かしこまりました! 72 00:06:12,706 --> 00:06:16,710 《なんだ…? あの 「猛者が現れた」といった反応は…》 73 00:06:16,710 --> 00:06:20,714 《10個 頼む奴なんて そうそう いないってか?》 74 00:06:20,714 --> 00:06:22,716 《いや しかし 値段が値段だ》 75 00:06:22,716 --> 00:06:25,719 《1つのサイズは たかが知れているだろう…》 76 00:06:25,719 --> 00:06:27,721 (店長)お待たせしました。 77 00:06:27,721 --> 00:06:30,690 から揚げ定食 から揚げ10個です。 78 00:06:30,690 --> 00:06:32,692 あっ…。 79 00:06:33,693 --> 00:06:37,731 《ボ ボ ボ… ボリューミー!!》 80 00:06:37,731 --> 00:06:42,702 《想像していた倍のサイズと言っても 過言ではない から揚げが… 10個!》 81 00:06:42,702 --> 00:06:46,706 《グランドキャニオンのように 堂々と そびえ立っている!》 82 00:06:46,706 --> 00:06:49,776 《食べきれるものなら食べきってみろと 言わんばかりの→ 83 00:06:49,776 --> 00:06:52,746 圧倒的なボリュームだ!》 84 00:06:54,714 --> 00:06:56,683 《なんてこった…》 85 00:06:56,683 --> 00:06:58,718 《『ひろしの昼メシクエスト』は→ 86 00:06:58,718 --> 00:07:01,688 ここからが本番だったのか!》 87 00:07:01,688 --> 00:07:04,691 《とにかく まずは 食べてみよう》 88 00:07:06,693 --> 00:07:09,696 《う… うまーい!!》 89 00:07:09,696 --> 00:07:14,701 《外はサクッとした歯応えで 中はジュワッとジューシー!》 90 00:07:14,701 --> 00:07:17,671 《きっと いい肉を使っているんだろう》 91 00:07:17,671 --> 00:07:21,675 《複雑に絡み合うスパイスの味で ご飯も進むし…》 92 00:07:21,675 --> 00:07:25,679 《千切りキャベツは 口の中をさっぱりさせてくれる》 93 00:07:26,680 --> 00:07:30,684 《う~ん。 やはり 定食に味噌汁は欠かせないな》 94 00:07:30,684 --> 00:07:33,687 《いける… いけるぞ!》 95 00:07:33,687 --> 00:07:36,690 《このから揚げ定食なら 無限に食べられる》 96 00:07:36,690 --> 00:07:41,695 《そう 無限に。 無限に…!》 97 00:07:41,695 --> 00:07:45,665 《いや… 残り5個。 さすがに飽きがきてしまった》 98 00:07:46,700 --> 00:07:49,703 《ここからが本番だな。 落ち着いていこう…》 99 00:07:49,703 --> 00:07:52,672 《クリアへの道筋はあるはずだ!》 100 00:07:53,673 --> 00:07:55,675 七味と醤油…。 101 00:07:57,677 --> 00:07:59,679 《いけー!》 102 00:07:59,679 --> 00:08:03,717 《よし… 味変 成功!》 103 00:08:03,717 --> 00:08:06,686 《次は… お前だ!》 104 00:08:08,688 --> 00:08:11,691 《うん! また違う味わいでいけるな》 105 00:08:11,691 --> 00:08:15,662 《しかも この濃い味が 飯に合う!》 106 00:08:16,696 --> 00:08:19,666 《よっしゃあ! この調子で どんどんいくぜ!》 107 00:08:20,700 --> 00:08:22,669 《おりゃ~!》 108 00:08:22,669 --> 00:08:24,671 《な… 何ぃ!?》 109 00:08:24,671 --> 00:08:28,675 《くっ… もう 同じ味は通用しないということか…》 110 00:08:28,675 --> 00:08:30,677 《しかも かなり 腹が…》 111 00:08:30,677 --> 00:08:34,681 う… うわあ…。 あああっ!! 112 00:08:34,681 --> 00:08:38,685 《くっ…。 どうする? これ以上は もう…》 113 00:08:39,686 --> 00:08:43,690 《よくないことだというのは 重々 承知している》 114 00:08:43,690 --> 00:08:45,692 《だが その上で…→ 115 00:08:45,692 --> 00:08:50,697 ギブアップという選択肢も 視野に入れざるを得ないんじゃないか…?》 116 00:08:50,697 --> 00:08:53,700 (男性)にしても 店長さ→ 117 00:08:53,700 --> 00:08:58,705 この値段で から揚げ山盛り出してたら やっていけないんじゃないの? 118 00:08:58,705 --> 00:09:01,708 ハハハハ。 そうなんですけどね。 119 00:09:01,708 --> 00:09:05,712 お客様が おなかいっぱい食べてくれるのが嬉しくて→ 120 00:09:05,712 --> 00:09:07,714 やめられないんですよ! 121 00:09:07,714 --> 00:09:11,718 《な… なんと まぶしい笑顔!》 122 00:09:11,718 --> 00:09:15,688 《このから揚げ定食の裏に そんな思いが…》 123 00:09:15,688 --> 00:09:20,693 《ダメだ。 やはり俺は 諦めるわけにはいかない!》 124 00:09:20,693 --> 00:09:23,730 《とはいえ ここから どう攻略する…?》 125 00:09:23,730 --> 00:09:27,734 あっ 店長 マヨネーズくれる? (店長)は~い。 126 00:09:27,734 --> 00:09:30,703 《そ… そんなスペシャルアイテムが!?》 127 00:09:30,703 --> 00:09:33,706 あの! こちらも頂いていいですか? 128 00:09:33,706 --> 00:09:35,675 あっ は… はい。 129 00:09:35,675 --> 00:09:37,677 《きたきたきたー!》 130 00:09:37,677 --> 00:09:39,679 《さあ 頼んだぞ!》 131 00:09:43,683 --> 00:09:46,686 《うん うまい! 会心の一撃だ!》 132 00:09:46,686 --> 00:09:48,688 《よし… 残りは2つ》 133 00:09:48,688 --> 00:09:50,690 《ゴールが見えてきたぞ~!》 134 00:09:50,690 --> 00:09:52,692 (店長)お客さん。 135 00:09:52,692 --> 00:09:55,695 いい食べっぷりですねえ。 えっ? あっ どうも…。 136 00:09:56,696 --> 00:09:59,699 おや? お客さん。 ご飯 いかがです? 137 00:09:59,699 --> 00:10:01,668 おかわりできますよ。 えっ!? 138 00:10:02,702 --> 00:10:06,673 《いやいや ここにきて それは…。 申し訳ないが ここは…》 139 00:10:06,673 --> 00:10:09,709 (店長)うちは お米のブランドにも こだわってまして。 140 00:10:09,709 --> 00:10:11,678 えっ? そ… そうなんですか? 141 00:10:11,678 --> 00:10:14,681 やっぱり 「おかわり」って言ってくれると→ 142 00:10:14,681 --> 00:10:16,683 めちゃくちゃ嬉しいんで! 143 00:10:18,685 --> 00:10:21,688 …じゃあ ホントに ちょっとだけ。 は~い! 144 00:10:22,689 --> 00:10:24,691 《あああ…》 145 00:10:24,691 --> 00:10:27,694 《俺の… バカー!》 146 00:10:27,694 --> 00:10:31,698 《こうなったら もう 俺に残された手段は一つ…》 147 00:10:31,698 --> 00:10:36,669 《ずばり… 根性だ~!!》 148 00:10:38,671 --> 00:10:42,675 《よ~し! 残すは から揚げ1つ!》 149 00:10:42,675 --> 00:10:45,678 《さあ ラストスパート!》 150 00:10:45,678 --> 00:10:48,681 《な… 何ぃ!?》 151 00:10:48,681 --> 00:10:50,683 《み… みんなー!》 152 00:10:51,718 --> 00:10:57,690 《あと1つ… あと1つなのに 箸が動かない…》 153 00:10:57,690 --> 00:11:00,660 《どうする…? どうする!?》 154 00:11:01,694 --> 00:11:03,663 《塩か…》 155 00:11:03,663 --> 00:11:07,700 《確かに まだ使っていないが 今さらという感じも…》 156 00:11:07,700 --> 00:11:09,669 《いや…!》 157 00:11:09,669 --> 00:11:12,672 《これは 序盤から手に入る ありふれたアイテムが→ 158 00:11:12,672 --> 00:11:16,676 実は重要アイテムだったという 激アツ展開!》 159 00:11:17,677 --> 00:11:20,680 《最後は… お前だー!》 160 00:11:28,688 --> 00:11:31,658 や… やったぞ~! 161 00:11:33,693 --> 00:11:36,696 《いやあ~ 食った 食った…》 162 00:11:36,696 --> 00:11:40,667 《次 行く機会があれば 7個くらいにしておこう…》 163 00:11:42,702 --> 00:11:44,671 えっ…? 164 00:11:44,671 --> 00:11:47,674 《足りなかったか。 しょうがない 切符を買って…》 165 00:11:47,674 --> 00:11:49,676 《ああっ!》 166 00:11:49,676 --> 00:11:52,712 《そうだ もう1円も持ってないんだった…》 167 00:11:52,712 --> 00:11:57,717 《打ち合わせは40分後 取引先までは2駅》 168 00:11:57,717 --> 00:12:00,687 《徒歩でも ギリいけるか…?》 169 00:12:00,687 --> 00:12:03,690 《満腹状態なので まずは普通のペース…》 170 00:12:03,690 --> 00:12:07,694 《徐々に早足に変えていき ピンチなら走る!》 171 00:12:07,694 --> 00:12:09,696 《頑張れ ひろし!》 172 00:12:09,696 --> 00:12:12,699 《これも ゲーム感覚でクリアするんだ!》 173 00:12:13,733 --> 00:12:15,702 ごちそうさまでした。 174 00:13:47,694 --> 00:13:50,697 (野原ひろし)《人には しょっちゅう通うわけではないが→ 175 00:13:50,697 --> 00:13:54,667 時々 足を運ぶ場所というものがある》 176 00:13:55,702 --> 00:13:59,672 《読書家を気取りたい時に行く 古本屋だったり→ 177 00:13:59,672 --> 00:14:04,711 ストレスを解消したい時に行く ボウリング場だったり→ 178 00:14:04,711 --> 00:14:09,716 はたまた 日常から離れたい時に行く 釣り堀だったり…》 179 00:14:09,716 --> 00:14:16,689 《頻度は低くとも 何年も通っていれば それもまた 常連と言えるのかもしれない》 180 00:14:16,689 --> 00:14:22,695 《そして この沖縄そば屋も 俺にとって そういう場所の一つ》 181 00:14:22,695 --> 00:14:27,700 《沖縄出身の大将が 本場の味を作ってくれる店だ》 182 00:14:27,700 --> 00:14:31,671 (大将)めんそーれ! どうも。 ご無沙汰してます。 183 00:14:33,673 --> 00:14:37,677 《さあて 何にしようか…→ 184 00:14:37,677 --> 00:14:39,679 と悩む必要はない》 185 00:14:40,680 --> 00:14:42,682 いつものでいいですか? 186 00:14:42,682 --> 00:14:45,685 はい いつもので。 かしこまりました。 187 00:14:45,685 --> 00:14:49,689 《「いつもの」とは ずばり ソーキそばのこと》 188 00:14:49,689 --> 00:14:51,691 《大将も わかってくれている》 189 00:14:51,691 --> 00:14:55,695 《大人として 若者にアドバイスするならばだ→ 190 00:14:55,695 --> 00:15:00,700 こういう関係性の店が いくつあるかで 人生の豊かさが…》 191 00:15:00,700 --> 00:15:02,668 …って ええー!? 192 00:15:02,668 --> 00:15:06,706 どうしました? 大将… 店 閉めるんですか? 193 00:15:06,706 --> 00:15:08,708 ああ そうなんですよ。 194 00:15:08,708 --> 00:15:10,710 《ま… まさかの展開!》 195 00:15:10,710 --> 00:15:12,712 (男性)残念だなあ…。 196 00:15:12,712 --> 00:15:15,715 せっかく いい店に出会えたと思ってたのに。 197 00:15:15,715 --> 00:15:19,719 すみません。 寂しくなるなあ…。 198 00:15:19,719 --> 00:15:22,688 《俺も しょっちゅう来てたわけじゃないとはいえ→ 199 00:15:22,688 --> 00:15:24,690 ショックだなあ…》 200 00:15:24,690 --> 00:15:29,695 《しかし 現に こうして お客さんは 俺含めて2人だけ…》 201 00:15:29,695 --> 00:15:33,699 《昔は もうちょっと にぎわってたよな》 202 00:15:33,699 --> 00:15:36,702 《最初に ここに来たのは… そう→ 203 00:15:36,702 --> 00:15:40,706 取引先の人と 一緒に昼メシを食べることになって…》 204 00:15:40,706 --> 00:15:43,709 (男性)へえ 沖縄そばか。 205 00:15:43,709 --> 00:15:47,680 野原さん ここ どうです? ああ いいですね。 206 00:15:47,680 --> 00:15:51,717 自分 スキューバダイビングやるんで 沖縄 めっちゃ行くんですよ。 207 00:15:51,717 --> 00:15:53,686 へえ~。 208 00:15:54,687 --> 00:15:56,689 めんそーれ! 209 00:15:56,689 --> 00:15:59,692 えっ…? えっと… めんそーれ! 210 00:15:59,692 --> 00:16:03,696 アハハ。 「めんそーれ」は 「いらっしゃい」って意味ですから。 211 00:16:03,696 --> 00:16:06,766 それだと 野原さんが招いた側になっちゃいますよ。 212 00:16:06,766 --> 00:16:11,671 そ… そうなんですか…。 てっきり こんにちは的な意味かと…。 213 00:16:11,671 --> 00:16:14,674 《初っぱなで赤っ恥をかいて…》 214 00:16:15,675 --> 00:16:17,677 残波岬 いいですよね。 215 00:16:17,677 --> 00:16:20,680 ナポレオンフィッシュに会うと テンション上がるんですよ! 216 00:16:20,680 --> 00:16:23,683 《2人の会話に入っていけず…》 217 00:16:24,684 --> 00:16:27,687 いやあ 美味しかったですね。 ええ 本当に。 218 00:16:27,687 --> 00:16:30,656 このまま 常連になっちゃいそうだな。 219 00:16:30,656 --> 00:16:35,695 野原さんも また ご一緒しましょうよ。 はい。 ぜひ また来ましょう。 220 00:16:35,695 --> 00:16:40,666 《でも そのあと 取引先の人は 名古屋のほうに転勤になって…》 221 00:16:41,701 --> 00:16:46,706 《結局 俺だけが ゆる~い感じの常連になったんだよな…》 222 00:16:46,706 --> 00:16:50,676 (男性)ごちそうさま。 (大将)650円になります。 223 00:16:50,676 --> 00:16:52,712 にふぇーでーびる! 224 00:16:52,712 --> 00:16:56,682 《「にふぇーでーびる」は 「ありがとう」という意味》 225 00:16:56,682 --> 00:16:58,684 《俺も この店に通ううちに→ 226 00:16:58,684 --> 00:17:02,688 多少は 沖縄の言葉がわかるようになったもんだ》 227 00:17:03,689 --> 00:17:07,693 《しかし… これで とうとう お客さんは俺一人か…》 228 00:17:07,693 --> 00:17:11,697 《世間話でも振ってみるべきなんだろうか?》 229 00:17:11,697 --> 00:17:14,700 《もう会うことはないかもしれないし…》 230 00:17:14,700 --> 00:17:19,672 《でも… 今まで 雑談らしい雑談をしたことはないしな…》 231 00:17:19,672 --> 00:17:23,676 《何か 話の入り口になりそうな…》 232 00:17:23,676 --> 00:17:26,679 《おっ 謎の石 発見!》 233 00:17:26,679 --> 00:17:29,682 大将 あの石 なんですか? 234 00:17:29,682 --> 00:17:33,686 ああ 友人からもらったもので。 隕石らしくて。 235 00:17:33,686 --> 00:17:38,691 へえ~ 隕石。 私も 全然 詳しくはないんですけど…。 236 00:17:38,691 --> 00:17:40,693 そうか…。 237 00:17:40,693 --> 00:17:44,697 隕石…。 (大将)ええ… 隕石。 238 00:17:44,697 --> 00:17:49,702 すごいよなあ。 はるばる 地球まで…。 ですね…。 239 00:17:51,671 --> 00:17:53,673 《話 広がらず!》 240 00:17:53,673 --> 00:17:59,679 《あっ そういえば 一回だけ 大将と街で ばったり会ったことがあるぞ》 241 00:17:59,679 --> 00:18:01,681 《えっと あの時は 確か…》 242 00:18:03,683 --> 00:18:05,685 (大将)あっ…。 あっ。 243 00:18:07,687 --> 00:18:10,690 あっ…。 どうも。 どうも。 244 00:18:10,690 --> 00:18:14,660 《私服が 思ってた感じと違った》 245 00:18:15,695 --> 00:18:20,700 《どうする? あの私服の件 ツッコんでみるか?》 246 00:18:20,700 --> 00:18:23,703 《いやいや。 話が いいほうに転がれば盛り上がるが→ 247 00:18:23,703 --> 00:18:28,674 最悪 ものすごく変な空気にしてしまう 可能性もあるし…》 248 00:18:29,709 --> 00:18:32,712 《こんなことなら もっと前から ちゃんと→ 249 00:18:32,712 --> 00:18:35,715 コミュニケーション取っとけば よかったな…》 250 00:18:35,715 --> 00:18:37,717 《長年 通ってるのに→ 251 00:18:37,717 --> 00:18:40,720 いつまでも お店の人とお客さんの関係で…》 252 00:18:40,720 --> 00:18:42,688 (大将)お待たせしました。 253 00:18:42,688 --> 00:18:45,691 ご注文のソーキそばです。 254 00:18:45,691 --> 00:18:47,693 あっ どうも。 255 00:18:48,694 --> 00:18:50,696 おおお…! 256 00:18:50,696 --> 00:18:53,699 《きたきた! これだよ これ!》 257 00:18:53,699 --> 00:18:55,701 《透明なスープに→ 258 00:18:55,701 --> 00:19:00,706 紅しょうがの赤と かまぼこの白 ネギの緑が よく映える》 259 00:19:00,706 --> 00:19:04,710 《そして 中央にドーンと鎮座するソーキ!》 260 00:19:04,710 --> 00:19:09,682 《おまけに ラフテーとポークまで 豪華にのせられていて…》 261 00:19:09,682 --> 00:19:11,684 ん? あの…→ 262 00:19:11,684 --> 00:19:13,686 ラフテーとポークが…。 263 00:19:13,686 --> 00:19:16,689 (大将)私からのサービスです。 えっ? 264 00:19:16,689 --> 00:19:21,694 お客様には 長い間 ご愛顧いただきましたので。 265 00:19:21,694 --> 00:19:25,698 あ… ありがとうございます! 266 00:19:25,698 --> 00:19:28,701 《そうか… ならば 俺も→ 267 00:19:28,701 --> 00:19:34,674 この店で食べる 最後の沖縄そばを 一口一口 大切に頂こう!》 268 00:19:34,674 --> 00:19:38,678 《沖縄流に言えば… くわっちーさびら!》 269 00:19:39,712 --> 00:19:41,680 《まずは スープから》 270 00:19:41,680 --> 00:19:43,682 《見よ この透き通る美しさを》 271 00:19:43,682 --> 00:19:46,686 《そのお味は…》 272 00:19:46,686 --> 00:19:50,689 《う~ん… 染み渡る~!》 273 00:19:50,689 --> 00:19:53,693 《豚骨とカツオだしの 絶妙なバランス!》 274 00:19:53,693 --> 00:19:57,697 《コクがあって なおかつ あっさりしてるぜ!》 275 00:19:57,697 --> 00:19:59,698 《そして そんなスープから→ 276 00:19:59,698 --> 00:20:01,667 平麺が こんにちは!》 277 00:20:03,669 --> 00:20:06,672 《ここで 沖縄そばの豆知識を一つ》 278 00:20:06,672 --> 00:20:08,674 ひとくちに沖縄そばといっても→ 279 00:20:08,674 --> 00:20:12,678 沖縄本島 宮古島 八重山諸島など→ 280 00:20:12,678 --> 00:20:15,681 地域によって 主流となる麺の形は異なる。 281 00:20:16,682 --> 00:20:21,687 このお店は 沖縄本島北部で よく見られるという平麺タイプだ。 282 00:20:23,689 --> 00:20:29,695 《ああ… うまい! この独特の風味がいいんだよな~》 283 00:20:29,695 --> 00:20:32,665 《続いて サービスのポークを頂くか》 284 00:20:34,700 --> 00:20:39,672 ソーセージの中身だけを型で固めた いわゆる ランチョンミート。 285 00:20:39,672 --> 00:20:42,675 これを 沖縄ではポークと呼ぶ。 286 00:20:45,678 --> 00:20:48,714 《うん! いいアクセント》 287 00:20:48,714 --> 00:20:50,683 《なんだか 懐かしい味なんだよな》 288 00:20:50,683 --> 00:20:53,686 《…からの ラフテー!》 289 00:20:53,686 --> 00:20:55,654 《豚バラ肉を煮付けたものだ》 290 00:20:56,689 --> 00:20:58,691 《角煮と同じものだと思われがちだが→ 291 00:20:58,691 --> 00:21:00,659 それは間違い》 292 00:21:02,695 --> 00:21:05,698 ラフテーは 皮付きの豚肉を使い→ 293 00:21:05,698 --> 00:21:09,702 泡盛やかつおダシで煮込むのが大きな特徴だ。 294 00:21:09,702 --> 00:21:12,671 つまり… 君がラフテーだ! 295 00:21:12,671 --> 00:21:14,673 角煮の中に紛れても→ 296 00:21:14,673 --> 00:21:16,675 俺の目は ごまかせないぜ。 297 00:21:20,713 --> 00:21:26,719 《沖縄で 「びっくりした」を意味する言葉が 出てしまうくらい 驚きのやわらかさ!》 298 00:21:26,719 --> 00:21:30,689 《味もしっかり付いてて 皮もプルプルだ~》 299 00:21:30,689 --> 00:21:32,725 《そして いよいよ…→ 300 00:21:32,725 --> 00:21:35,694 俺の大本命 ソーキを食すか!》 301 00:21:36,695 --> 00:21:39,698 《ソーキとは 豚のスペアリブ→ 302 00:21:39,698 --> 00:21:42,701 つまり 骨付きバラ肉のことだ》 303 00:21:42,701 --> 00:21:45,671 《手間暇かけて ホロホロに煮込まれていて…》 304 00:21:47,706 --> 00:21:50,709 《つまり めちゃくちゃうまい!》 305 00:21:50,709 --> 00:21:56,682 《肉と脂の絶妙なバランス 甘辛い味付けも最高だ~!》 306 00:21:57,716 --> 00:22:01,687 《しかし 俺も 随分 沖縄そばに詳しくなったな》 307 00:22:01,687 --> 00:22:05,691 《まあ 全て この店で お客さんが会話してた内容の→ 308 00:22:05,691 --> 00:22:07,726 受け売りなわけだが…》 309 00:22:07,726 --> 00:22:09,695 あっ…。 310 00:22:09,695 --> 00:22:12,698 《そういや 昔 川口の奴を ここに連れて来た時…》 311 00:22:13,732 --> 00:22:16,735 (川口)うわっ 美味しそう! 312 00:22:16,735 --> 00:22:20,673 (川口)ってか 先輩 ホントに ごちそうしてくれるんですか? 313 00:22:20,673 --> 00:22:24,677 ああ。 商談がうまくいったお祝いだ。 (川口)やったあ! 314 00:22:24,677 --> 00:22:26,679 しかし あれだな。 315 00:22:26,679 --> 00:22:29,682 競合他社より 早期に動いたことが勝因だったな。 316 00:22:29,682 --> 00:22:31,684 ソーキそばだけに! 317 00:22:31,684 --> 00:22:33,686 えっ…。 なんですか? 318 00:22:33,686 --> 00:22:35,688 えっ…? いや…。 319 00:22:39,692 --> 00:22:44,697 《あの時 大将が 「俺には伝わってますよ」って 笑顔を向けてくれて→ 320 00:22:44,697 --> 00:22:47,700 救われたんだっけな…》 321 00:22:47,700 --> 00:22:50,669 《で そうだ。 その次に来た時だ》 322 00:22:50,669 --> 00:22:52,671 めんそーれ! 323 00:22:52,671 --> 00:22:54,673 いつものですか? えっ いつもの…? 324 00:22:54,673 --> 00:22:58,677 ああ すみません。 てっきり ソーキそばかと。 325 00:22:58,677 --> 00:23:02,681 あっ…。 ああ そうです! いつもので! 326 00:23:02,681 --> 00:23:06,685 《大将のほうから 「いつもの」って言ってくれて…》 327 00:23:06,685 --> 00:23:11,690 《ああ… 俺 この店の常連になったんだなあって》 328 00:23:11,690 --> 00:23:15,694 《俺たちの関係は ずっと お店の人とお客さん》 329 00:23:15,694 --> 00:23:18,697 《でも こうして振り返ると→ 330 00:23:18,697 --> 00:23:22,701 その中で たくさんのコミュニケーションが あったんだな》 331 00:23:22,701 --> 00:23:26,672 (男性) だから ラフテーと角煮は別物なんだって。 332 00:23:26,672 --> 00:23:30,676 (男性)場所によって 麺の形が違うんだよな。 333 00:23:30,676 --> 00:23:32,678 (男性)ポークって ランチョンミートのことか。 334 00:23:32,678 --> 00:23:39,685 ♬~ 335 00:23:39,685 --> 00:23:43,656 《最後のスープ… 飲み干させていただきます!》 336 00:23:44,690 --> 00:23:47,693 《大将に 今日までの感謝を伝えよう》 337 00:23:47,693 --> 00:23:49,662 《それだけで 十分だ》 338 00:23:50,696 --> 00:23:52,698 ごちそうさまです。 339 00:23:52,698 --> 00:23:56,702 今日まで ありがとうございました。 いえ こちらこそ。 340 00:23:56,702 --> 00:24:00,706 もう この味が食べられなくなっちゃうのは 残念ですけど…。 341 00:24:00,706 --> 00:24:04,677 このお店と出会えて 本当によかったです。 342 00:24:07,713 --> 00:24:09,715 それじゃあ。 343 00:24:09,715 --> 00:24:12,718 あっ お客さん! えっ? 344 00:24:12,718 --> 00:24:16,689 お代を まだ頂いてないんですけど…。 345 00:24:18,757 --> 00:24:21,727 あっ…。 すみません…。 346 00:24:23,696 --> 00:24:25,698 ごちそうさまでした。 347 00:24:25,698 --> 00:24:33,706 ♬~