1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 《俺の名前は 野原ひろし》 2 00:00:04,004 --> 00:00:07,007 《双葉商事に勤める サラリーマンだ》 3 00:00:07,007 --> 00:00:11,011 《この日は 後輩の川口と 外回りをしていたのだが…》 4 00:00:11,011 --> 00:00:15,015 いや~。 先方のリアクション 好感触でホッとしたな。 5 00:00:15,015 --> 00:00:17,017 (川口)はあ…。 6 00:00:17,017 --> 00:00:21,021 俺たちのチームプレーも いよいよ 磨きがかかってきたんじゃないか? 7 00:00:21,021 --> 00:00:23,023 …どうでしょうね。 8 00:00:23,023 --> 00:00:27,027 おい 川口。 なんだよ その 朝から ずっと不機嫌丸出しの態度は。 9 00:00:27,027 --> 00:00:30,030 取引先では 礼儀正しくしてるじゃないですか。 10 00:00:30,030 --> 00:00:35,035 そういう問題じゃない。 俺とお前の関係性の話だろ? 11 00:00:35,035 --> 00:00:37,037 別に いいでしょ…。 12 00:00:37,037 --> 00:00:40,040 先輩には 高桐くんがいるんだし。 13 00:00:40,040 --> 00:00:42,042 えっ? 高桐くん? 14 00:00:42,042 --> 00:00:45,045 僕の知らないところで どんどん仲良くなってますもんね。 15 00:00:45,045 --> 00:00:48,048 《高桐くんとは 我が社の新入社員》 16 00:00:48,048 --> 00:00:52,052 《確かに 最近 彼とは 一緒に食事する仲で 17 00:00:52,052 --> 00:00:55,055 世代が違うなりに距離が縮まってきた》 18 00:00:55,055 --> 00:00:57,057 そりゃそうか。 19 00:00:57,057 --> 00:01:01,061 高桐くんは 優秀だし爽やかだし 僕なんかより ずっと 20 00:01:01,061 --> 00:01:04,064 かわいがりたくなりますよねえ。 21 00:01:04,064 --> 00:01:08,068 《もしかして 川口の奴 嫉妬してるのか?》 22 00:01:08,068 --> 00:01:11,071 お… おい。 そりゃ誤解ってもんだよ。 誤解? 23 00:01:11,071 --> 00:01:14,074 確かに 高桐くんは いい奴だけど 24 00:01:14,074 --> 00:01:18,078 だからって お前が大切な後輩であることに 変わりはないんだから。 25 00:01:18,078 --> 00:01:20,080 じゃあですよ 先輩。 26 00:01:20,080 --> 00:01:24,084 もし 僕と高桐くんが 同時に 大量の仕事を抱えて困っていたら 27 00:01:24,084 --> 00:01:27,087 どっちを助けますか? えっ? 28 00:01:27,087 --> 00:01:29,089 (高桐あきたけ)係長 助けてください。 29 00:01:29,089 --> 00:01:31,091 いえ 先輩 僕のほうを…。 30 00:01:31,091 --> 00:01:33,093 うう… う~ん…。 31 00:01:34,094 --> 00:01:37,097 でも ほら 高桐くんは新入社員だしさ 32 00:01:37,097 --> 00:01:39,099 川口は自分の力で…。 33 00:01:39,099 --> 00:01:42,102 そういう話をしてるんじゃないんです! わかりました。 34 00:01:42,102 --> 00:01:46,106 じゃあ 僕と高桐くんが 宇宙人にUFOでさらわれそうになっていたら 35 00:01:46,106 --> 00:01:48,108 どっちを助けますか!? はあ? 36 00:01:49,109 --> 00:01:52,112 (高桐)係長~! (川口)先輩~! 37 00:01:52,112 --> 00:01:55,115 (高桐・川口)助けてくださーい! いや どういう状況だよ! 38 00:01:55,115 --> 00:01:58,118 なんだ 宇宙人にさらわれるって…。 (川口)ああーっ! 39 00:01:58,118 --> 00:02:01,121 僕じゃないんだ! 迷わず僕じゃないんだぁぁ―っ! 40 00:02:01,121 --> 00:02:04,124 《こ… こいつ 超面倒くせえ…》 41 00:02:05,125 --> 00:02:07,127 まあまあまあ… それより ほら 42 00:02:07,127 --> 00:02:11,131 午後の仕事の前に どっかでメシでも食べようぜ。 43 00:02:11,131 --> 00:02:13,133 …先輩のおごりですか? 44 00:02:13,133 --> 00:02:17,137 わかった。 今日はおごりでいいよ。 ほら 行こう。 45 00:02:17,137 --> 00:02:27,147 ♪♪~ 46 00:03:47,828 --> 00:03:51,832 …で 何が食べたい? あんまり高いものはダメだけど。 47 00:03:51,832 --> 00:03:54,835 じゃあ カレーがいいです。 48 00:03:54,835 --> 00:03:56,837 よーし カレーだな。 49 00:03:56,837 --> 00:04:01,842 おっ! いかにも本格的って感じの インド料理の店があるぞ。 50 00:04:01,842 --> 00:04:03,844 ここにするか。 はい! 51 00:04:04,845 --> 00:04:06,847 (印土株伶男)いらっしゃいませ。 52 00:04:06,847 --> 00:04:09,850 ビリヤニ専門店 ビリビリヤーニーへ ようこそ。 53 00:04:09,850 --> 00:04:12,853 私 オーナーの 印土株伶男と申します。 54 00:04:12,853 --> 00:04:15,856 ビリヤニ…? なんですか? それ。 55 00:04:15,856 --> 00:04:18,859 インドが起源で 周辺国でも食べられている 56 00:04:18,859 --> 00:04:21,862 スパイスをふんだんに使った 炊き込みご飯です。 57 00:04:21,862 --> 00:04:23,864 へえ~。 58 00:04:23,864 --> 00:04:25,866 (印土)さあさあ どうぞ テーブルへ。 59 00:04:26,867 --> 00:04:32,873 《はあ~ こんな本格的な店を 日本人のオーナーがやってるのか…》 60 00:04:32,873 --> 00:04:34,875 (川口)ねえ 先輩。 ん? 61 00:04:34,875 --> 00:04:37,878 さっき 「ビリヤニ専門店」って 言ってましたよね? 62 00:04:37,878 --> 00:04:40,881 カレー ないんじゃないですか? 63 00:04:40,881 --> 00:04:43,884 ええ? でも インド料理の店だぞ? 64 00:04:43,884 --> 00:04:45,886 カレーがないわけ…。 65 00:04:45,886 --> 00:04:50,891 な… ない! メニューのどこにも カレーがないぞ!? 66 00:04:50,891 --> 00:04:52,893 ほら やっぱり。 じゃあ 出ましょう。 67 00:04:52,893 --> 00:04:56,897 いや… もう 席に着いちまったんだぞ。 今さら 出られるかよ。 68 00:04:56,897 --> 00:04:58,899 あ~ 最悪だ…。 69 00:04:58,899 --> 00:05:01,902 完全に カレーの口になってたのになあ~。 70 00:05:01,902 --> 00:05:05,906 《ったく… もう~ せっかく機嫌直ってきたと思ったら…》 71 00:05:05,906 --> 00:05:08,909 まあ こうなったからには 気持ちを切り替えてさ 72 00:05:08,909 --> 00:05:11,912 ビリヤニという未知の料理を楽しもうぜ。 73 00:05:11,912 --> 00:05:15,916 そんな簡単に 気持ちは切り替えられませんよ。 74 00:05:15,916 --> 00:05:18,919 《こいつ なんて頑固なんだ…》 75 00:05:18,919 --> 00:05:21,922 《だが ここは 頭ごなしに怒るのではなく…》 76 00:05:21,922 --> 00:05:24,925 なあ 川口。 はい? 77 00:05:24,925 --> 00:05:28,929 新しいものに挑戦するってのは 大事なことだぞ。 78 00:05:28,929 --> 00:05:30,931 ほら イノベーションってやつだ。 79 00:05:30,931 --> 00:05:32,933 イノベーション… ですか。 80 00:05:32,933 --> 00:05:36,937 先輩は 本当に 新しいものが好きですね。 81 00:05:36,937 --> 00:05:38,939 えっ? 82 00:05:38,939 --> 00:05:40,941 ビリヤニ 高桐くん。 83 00:05:40,941 --> 00:05:42,943 おい! また その話かよ。 84 00:05:42,943 --> 00:05:46,947 イノベーションなんて必要ない! 長い付き合いを大切にしましょうよ! 85 00:05:46,947 --> 00:05:50,951 僕は絶対 普通のカレーしか食べませんからね。 お前なあ! 86 00:05:50,951 --> 00:05:52,953 (印土)まあまあ お二方。 (川口・ひろし)うわあっ! 87 00:05:52,953 --> 00:05:54,955 他のお客様も いらっしゃいますし。 88 00:05:54,955 --> 00:05:56,957 ああ… すみません。 89 00:05:56,957 --> 00:06:00,961 食事は楽しくしましょう。 はい…。 90 00:06:00,961 --> 00:06:05,966 …にしても このお店 外国人のお客さんが多いんですね。 91 00:06:05,966 --> 00:06:10,971 実は この辺りには 外資系のITベンチャー企業が多くありまして。 92 00:06:10,971 --> 00:06:13,974 エリートビジネスパーソンの方々が 93 00:06:13,974 --> 00:06:15,976 常連さんなんですよ。 94 00:06:15,976 --> 00:06:18,979 あちらは カッケー・タイガー社のCEO。 95 00:06:18,979 --> 00:06:22,983 あの方は デッケー・エレファント社の COOで 96 00:06:22,983 --> 00:06:25,986 あの方は リリシー・ジャッカル社のCTOです。 97 00:06:25,986 --> 00:06:28,989 へえ~ 全部…。 全部… 98 00:06:28,989 --> 00:06:30,991 聞いたことある会社だ~! えっ…。 99 00:06:30,991 --> 00:06:33,994 ここ そんなにすごいお店だったんですね! 100 00:06:33,994 --> 00:06:36,997 先輩 僕たちも 世界のビジネスパーソンに肩を並べるため 101 00:06:36,997 --> 00:06:38,999 ビリヤニを食べましょう! 102 00:06:38,999 --> 00:06:43,003 《お… お前… さっきと言ってることが違うじゃねえか》 103 00:06:43,003 --> 00:06:45,005 ビリヤニは3種類あるのか。 104 00:06:45,005 --> 00:06:48,008 チキン マトン 野菜…。 105 00:06:48,008 --> 00:06:50,010 じゃあ ビリヤニセットのマトンで。 はい。 106 00:06:50,010 --> 00:06:54,014 ああ… じゃあ 私は ビリヤニセットのチキンで。 107 00:06:54,014 --> 00:06:56,016 かしこまりました。 108 00:06:57,017 --> 00:07:00,020 いや~ 楽しみだなあ ビリヤニ。 109 00:07:00,020 --> 00:07:03,023 あれ? 先輩 どうしました? 110 00:07:03,023 --> 00:07:05,025 いや 別に…。 111 00:07:05,025 --> 00:07:07,027 もう~ 気持ちを切り替えて 112 00:07:07,027 --> 00:07:09,029 ビリヤニという未知の料理を 楽しみましょうよ! 113 00:07:09,029 --> 00:07:12,032 《それ まんま俺が言ったことじゃねえか!》 114 00:07:12,032 --> 00:07:16,036 《まあ でも これ以上ぶつかるのは やめとくか…》 115 00:07:16,036 --> 00:07:20,040 しかし この店 なんで ビリヤニ以外は 出してないんだろうなあ…。 116 00:07:20,040 --> 00:07:22,042 やはり 気になりますよね。 117 00:07:22,042 --> 00:07:25,045 うわっ! ま… まだ何か…? 118 00:07:25,045 --> 00:07:27,047 せっかくなので お料理ができるまで 119 00:07:27,047 --> 00:07:31,051 私の ビリヤニへの思いをお話しできればと。 いや…。 120 00:07:31,051 --> 00:07:34,054 ぜひ 聞かせてください! 《こいつ また…》 121 00:07:34,054 --> 00:07:36,056 では。 122 00:07:36,056 --> 00:07:41,061 実は 私 元々 インドのIT企業で働いておりまして。 123 00:07:41,061 --> 00:07:46,066 ある時 初めて食べたビリヤニの美味しさに 衝撃を受けたのです。 124 00:07:46,066 --> 00:07:50,070 こんなに美味しい料理が 日本では まだ よく知られていない。 125 00:07:50,070 --> 00:07:53,073 だったら 自分が店を出して広めたい! 126 00:07:53,073 --> 00:07:55,075 そう ビリヤニと出会って 127 00:07:55,075 --> 00:07:58,078 自分にイノベーションが 起きたのです! 128 00:07:58,078 --> 00:08:02,082 私は会社を辞め 日本での出店に向けて奔走しました。 129 00:08:02,082 --> 00:08:06,086 お店は 最初から ビリヤニ専門店にするつもりでした。 130 00:08:06,086 --> 00:08:10,090 カレーも出すと みんな カレーしか頼まないと思ったからです。 131 00:08:10,090 --> 00:08:12,092 ただ そこで苦労したのが 132 00:08:12,092 --> 00:08:15,095 そんな店で働いてくれるシェフを探すこと。 133 00:08:15,095 --> 00:08:18,098 何度も何度も断られ… 134 00:08:18,098 --> 00:08:21,101 それでも 私は どうしても諦めきれず…。 135 00:08:21,101 --> 00:08:24,104 そして ついに 今のシェフと出会うことができました。 136 00:08:24,104 --> 00:08:28,108 そこから共に店を開き 今に至る 137 00:08:28,108 --> 00:08:30,110 というわけです。 なるほど。 138 00:08:30,110 --> 00:08:32,112 そんな歴史が…。 (川口)うっ…。 139 00:08:32,112 --> 00:08:34,114 《えっ 泣いてる?》 140 00:08:34,114 --> 00:08:37,117 いい話ですね 感動しました! 141 00:08:37,117 --> 00:08:39,119 恐縮です。 142 00:08:39,119 --> 00:08:42,122 ちょうど料理もできた頃かと思いますので お持ちしますね。 143 00:08:42,122 --> 00:08:45,125 自分にイノベーションか…。 144 00:08:45,125 --> 00:08:47,127 いい言葉だなあ。 145 00:08:47,127 --> 00:08:50,130 《さっきは イノベーションなんて必要ない って言ってたくせに…》 146 00:08:50,130 --> 00:08:52,132 大変 お待たせいたしました。 147 00:08:52,132 --> 00:08:55,135 お好みで ヨーグルトソースをおかけください。 148 00:08:55,135 --> 00:08:57,137 (2人)おお~っ! 149 00:08:58,138 --> 00:09:03,143 《これはこれは 華やかな色合いで 美しいなあ!》 150 00:09:03,143 --> 00:09:07,147 《異国の情緒を感じさせる細長い米 その一粒一粒に 151 00:09:07,147 --> 00:09:10,150 うまみがギュッと詰まっていることが 見て取れる!》 152 00:09:10,150 --> 00:09:13,153 《そして このヨーグルトソースをかけたら 153 00:09:13,153 --> 00:09:16,156 また違った味わいになりそうだ》 154 00:09:16,156 --> 00:09:20,160 《こいつは 俺を 未知の領域に連れていってくれそうだぜ!》 155 00:09:20,160 --> 00:09:23,163 《まずは ひと口… んんっ!》 156 00:09:23,163 --> 00:09:26,166 《おおっ! スパイスのビッグウェーブ!》 157 00:09:26,166 --> 00:09:31,171 《しかも かむごとに いろんなスパイスが 次から次へと どんどん現れてくる!》 158 00:09:31,171 --> 00:09:37,177 《カレーよりも 一つ一つのスパイスの主張が ダイレクトに伝わってくるな》 159 00:09:37,177 --> 00:09:39,179 《そして お次は このチキンを…》 160 00:09:40,180 --> 00:09:43,183 《う~ん! しっかり下味がついてる!》 161 00:09:43,183 --> 00:09:45,185 《タンドリーチキンのような感じだ》 162 00:09:45,185 --> 00:09:50,190 先輩! ビリヤニって めちゃくちゃ美味しいですね! 163 00:09:50,190 --> 00:09:52,192 だな! 164 00:09:52,192 --> 00:09:54,194 《おっ! ホールスパイス》 165 00:09:54,194 --> 00:09:57,197 《パウダーじゃなくて 元の形のままか》 166 00:09:58,198 --> 00:10:03,203 《うわっ 強烈! 香りが鼻から抜ける~!》 167 00:10:03,203 --> 00:10:08,208 《そして さあ ここに ヨーグルトソースをかけてみると…》 168 00:10:09,209 --> 00:10:11,211 《うん。 うまい!》 169 00:10:11,211 --> 00:10:13,213 《爽やかな酸味と 170 00:10:13,213 --> 00:10:16,216 刻んだ野菜のシャキシャキ感が 素晴らしいぞ!》 171 00:10:16,216 --> 00:10:19,219 《いろんなスパイスの組み合わせが 最高の味を生む》 172 00:10:19,219 --> 00:10:23,223 《こんなうまいものを知らずに ずっと生きてきたなんて…》 173 00:10:23,223 --> 00:10:26,226 ああ… このままじゃダメだぁぁーっ! 174 00:10:26,226 --> 00:10:28,228 うわっ! ど… どうした!? 川口。 175 00:10:28,228 --> 00:10:31,231 ビリヤニの美味しさに いてもたってもいられなくなって 176 00:10:31,231 --> 00:10:34,234 僕も この味を日本に伝えると決めた オーナーのように 177 00:10:34,234 --> 00:10:37,237 自分にイノベーションを起こしてみせます! 178 00:10:37,237 --> 00:10:41,241 おお… そうか やる気が出てきたか。 はい! 179 00:10:41,241 --> 00:10:44,244 よーし! 一緒に これからの双葉商事を背負っていこうな! 180 00:10:44,244 --> 00:10:46,246 (川口)いえ! えっ? 181 00:10:46,246 --> 00:10:49,249 僕にとってのイノベーション… それは 182 00:10:49,249 --> 00:10:52,252 双葉商事の外にある気がします。 はっ? 183 00:10:52,252 --> 00:10:56,256 ああ… なんか 一気に 視野が広がった感じがする! 184 00:10:56,256 --> 00:10:58,258 何を 僕は ちっぽけな世界の中で 185 00:10:58,258 --> 00:11:01,261 一喜一憂してたんだろう。 186 00:11:01,261 --> 00:11:03,263 お… おい 待て 川口。 187 00:11:03,263 --> 00:11:06,266 困るよ そんな急に でかいスケールで考えられても…。 188 00:11:06,266 --> 00:11:09,269 いいじゃないですか。 先輩には 189 00:11:09,269 --> 00:11:13,273 高桐くんがいるんだし~。 結局 そこの話に戻ってくるのかよ! 190 00:11:13,273 --> 00:11:16,276 わかった。 今度は 必ず 川口も誘うようにするから…。 191 00:11:16,276 --> 00:11:19,279 (川口)もう遅いですよ 先輩。 えっ? 192 00:11:19,279 --> 00:11:23,283 この令和の時代 ないがしろにされた優秀な人材は 193 00:11:23,283 --> 00:11:25,285 どんどん組織を離れていきますから。 194 00:11:25,285 --> 00:11:28,288 《優秀な人材って 自分のことか?》 195 00:11:28,288 --> 00:11:30,290 (川口)よーし! そうと決めたら…。 196 00:11:30,290 --> 00:11:32,292 えっ おい…! 197 00:11:32,292 --> 00:11:34,294 私 こういう者でして…。 198 00:11:34,294 --> 00:11:36,296 《カッケー・タイガー社のCEOのところに…》 199 00:11:36,296 --> 00:11:40,300 《今のうちに 人脈を広げとこうって魂胆か?》 200 00:11:40,300 --> 00:11:42,302 どうか私を 御社で雇ってください! 201 00:11:42,302 --> 00:11:44,304 《いや 直球!》 202 00:11:44,304 --> 00:11:47,307 いきなり言われましても…。 そうですか… 失礼しました! 203 00:11:47,307 --> 00:11:49,309 お… おい。 204 00:11:49,309 --> 00:11:51,311 私 こういう者でして! 205 00:11:51,311 --> 00:11:54,314 《今度は デッケー・エレファント社の… って 黙って見てる場合じゃない!》 206 00:11:54,314 --> 00:11:58,318 今 ここで 私の資質を見極められるかどうかが… むぐっ。 207 00:11:58,318 --> 00:12:02,322 ホ… ホント すみません。 お邪魔しました~。 208 00:12:02,322 --> 00:12:05,325 何やってんだよ! そんな急に雇ってもらえるわけないだろ! 209 00:12:05,325 --> 00:12:09,329 そんなの わからないじゃないですか! 邪魔しないでください! 210 00:12:09,329 --> 00:12:11,331 僕は… 僕は新しい場所で 211 00:12:11,331 --> 00:12:14,334 イノベーションを起こすんだ~! 212 00:12:14,334 --> 00:12:18,338 ごちそうさま。 またのご来店を お待ちしております。 213 00:12:18,338 --> 00:12:20,340 (川口)ああっ CTOが帰っちゃう! 待ってくださーい! 214 00:12:20,340 --> 00:12:22,342 ぐっ… ああっ! 215 00:12:22,342 --> 00:12:24,344 (川口が倒れる音) お… おい 川口! 216 00:12:24,344 --> 00:12:27,347 足 ひねったぁぁ―っ! 217 00:12:27,347 --> 00:12:29,349 お客様 大丈夫ですか? 218 00:12:29,349 --> 00:12:32,352 ああっ… 僕のイノベーションが 219 00:12:32,352 --> 00:12:34,354 去っていくぅぅ~~! 220 00:12:37,357 --> 00:12:39,359 (川口)アイタタタタ…。 221 00:12:39,359 --> 00:12:41,361 (ため息) 222 00:12:41,361 --> 00:12:46,366 僕 やっぱり 双葉商事で頑張ります。 ああ そうしてくれ。 223 00:12:46,366 --> 00:12:49,369 とりあえず 一度 会社に戻ろう。 224 00:12:49,369 --> 00:12:51,371 …で このタクシー代は 225 00:12:51,371 --> 00:12:53,373 先輩のおごりですか? 226 00:12:54,374 --> 00:12:56,376 お前なあ! 227 00:12:58,378 --> 00:13:00,380 ごちそうさまでした。 228 00:13:02,983 --> 00:13:04,985 (四杉 遥)お待たせいたしました。 229 00:13:04,985 --> 00:13:07,988 《私 大学生の四杉遥》 230 00:13:07,988 --> 00:13:09,990 《最近 このパスタ屋さんで 231 00:13:09,990 --> 00:13:11,992 アルバイトを始めました》 232 00:13:11,992 --> 00:13:13,994 (萌美)はーるか! (遥)えっ? 233 00:13:13,994 --> 00:13:16,997 萌美 さやか! なんで? 234 00:13:16,997 --> 00:13:20,000 (さやか)遥が ちゃんと働いてるか チェックしなきゃと思って。 235 00:13:20,000 --> 00:13:22,002 (遥)フフッ… 何それ。 236 00:13:22,002 --> 00:13:25,005 (萌美)のびのびやってるみたいで安心したよ。 237 00:13:25,005 --> 00:13:30,010 (遥)うん。 ただ… 人生の選択ってなると ちょっと悩んじゃうよね。 238 00:13:30,010 --> 00:13:32,012 人生の選択? 239 00:13:32,012 --> 00:13:34,014 実は このお店の面接を受けた時…。 240 00:13:35,015 --> 00:13:38,018 大学を卒業したあとのこととか もう 考えてるの? 241 00:13:38,018 --> 00:13:40,020 えっ? い… いえ…。 242 00:13:41,021 --> 00:13:45,025 あれ ゆくゆくは2号店を作って 私に任せたいっていう 243 00:13:45,025 --> 00:13:47,027 お誘いだと思うんだよね。 244 00:13:47,027 --> 00:13:49,029 (萌美・さやか)えっ…? (遥)でも やるなら 245 00:13:49,029 --> 00:13:52,032 出店する場所とかリサーチしたいし ブランディングも…。 246 00:13:52,032 --> 00:13:55,035 (男性)すいませーん! (遥)はい ただ今! 247 00:13:55,035 --> 00:13:59,039 多分 雑談 振っただけだよね…。 うん…。 248 00:13:59,039 --> 00:14:02,042 勘違いで突っ走っていくところは 相変わらずね。 249 00:14:04,044 --> 00:14:06,046 (野原ひろし)さーてと…。 250 00:14:06,046 --> 00:14:09,049 《今日は 午後イチで会社に戻って 部長と打ち合わせだ》 251 00:14:09,049 --> 00:14:13,053 《どこで昼メシを食うか のんびり考えてる暇はない》 252 00:14:13,053 --> 00:14:16,056 《おっ! パスタ屋か…》 253 00:14:16,056 --> 00:14:18,058 《よし ここにしよう》 254 00:14:19,059 --> 00:14:21,061 あ~ 美味しかった! 255 00:14:21,061 --> 00:14:24,064 じゃあ 遥 頑張ってね。 うん ありがとう。 256 00:14:24,064 --> 00:14:26,066 あっ いらっしゃいませ…。 257 00:14:26,066 --> 00:14:29,069 《ああっ!? こ… この人…》 258 00:14:29,069 --> 00:14:34,074 《前のバイト先で 私にアプローチをかけてきたお客さん!》 259 00:14:34,074 --> 00:14:38,078 《まさか 新しいバイト先にまで 来るなんて…》 260 00:14:38,078 --> 00:14:40,080 《いやあぁぁ―っ!》 261 00:14:40,080 --> 00:14:43,083 あの… 1名なんですけど。 262 00:14:43,083 --> 00:14:47,087 あっ はい… こちらのお席に どうぞ。 263 00:14:48,088 --> 00:14:53,093 《さて 打ち合わせに向けて もう一度 資料の確認をしておくか》 264 00:14:53,093 --> 00:14:55,095 《ああ 憂鬱だな…》 265 00:14:55,095 --> 00:14:58,098 《きっと 私が席に来るのを待ち構えて…》 266 00:14:58,098 --> 00:15:01,101 《あれ? あの人 仕事してる?》 267 00:15:01,101 --> 00:15:04,104 《すごく真剣な表情…》 268 00:15:04,104 --> 00:15:07,107 《なんか ちょっと かっこいいかも…》 269 00:15:07,107 --> 00:15:09,109 《…って 「キュン」じゃないでしょ!》 270 00:15:09,109 --> 00:15:12,112 《デキる男のふりをして 私の気を引こうって魂胆ね》 271 00:15:12,112 --> 00:15:14,114 《危ない 危ない…》 272 00:15:14,114 --> 00:15:16,116 お水でございます。 273 00:15:16,116 --> 00:15:18,118 ああ どうも。 274 00:15:18,118 --> 00:15:20,120 こちら 日替わりのランチメニューでして…。 275 00:15:20,120 --> 00:15:22,122 へえ~。 本日は…。 276 00:15:22,122 --> 00:15:25,125 (携帯電話の振動音) 《川口? なんの用だ?》 277 00:15:25,125 --> 00:15:28,128 のちほど また お伺いしますね。 ああ… いや。 278 00:15:28,128 --> 00:15:31,131 《打ち合わせまで時間もないし とにかく頼んじまおう》 279 00:15:31,131 --> 00:15:34,134 じゃあ その日替わりで お願いします。 280 00:15:34,134 --> 00:15:37,137 お飲み物は? アイスコーヒーで。 281 00:15:37,137 --> 00:15:39,139 (遥)かしこまりました。 282 00:15:41,141 --> 00:15:43,143 はい もしもし。 283 00:15:43,143 --> 00:15:46,146 (川口)「すいません 今 ちょっといいですか?」 ああ どうした? 284 00:15:46,146 --> 00:15:48,148 (川口)今度 仕事で知り合った人の 285 00:15:48,148 --> 00:15:51,151 ホームパーティーに 行くことになったんですけど…。 286 00:15:51,151 --> 00:15:53,153 「へえ~ いいじゃないか」 287 00:15:53,153 --> 00:15:59,159 その家のお子さんがミニカーが好きらしくて お土産に買っていこうと思うんですが 288 00:15:59,159 --> 00:16:01,161 どれにしたらいいのかなって…。 289 00:16:01,161 --> 00:16:05,165 そうだなあ。 スポーツカーの2~3台 ポーンと買えばいいんじゃないか? 290 00:16:05,165 --> 00:16:07,167 《えっ!?》 291 00:16:07,167 --> 00:16:09,169 そんなに高いもんでもねえだろ。 292 00:16:09,169 --> 00:16:11,171 《ス… スポーツカーをポーンと!?》 293 00:16:11,171 --> 00:16:13,173 《何!? その金銭感覚》 294 00:16:13,173 --> 00:16:16,176 ジェット機もいいな。 《ジェット機!?》 295 00:16:16,176 --> 00:16:18,178 (遥)《この人は 一体…》 296 00:16:18,178 --> 00:16:21,181 《見た目は ごく普通のサラリーマンだけど…》 297 00:16:21,181 --> 00:16:23,183 (男性)注文いいですか? (遥)あっ はい! 298 00:16:23,183 --> 00:16:26,186 じゃあ もう いいか? (川口)「あっ もう一つ」 299 00:16:26,186 --> 00:16:29,189 ホームパーティーで 僕も 一品 作ることになっちゃって…。 300 00:16:29,189 --> 00:16:33,193 マーボー豆腐とチンジャオロースだったら どっちがいいと思います? 301 00:16:33,193 --> 00:16:37,197 ええ? ああ~ 俺だったら マーボー豆腐かな。 302 00:16:37,197 --> 00:16:40,200 10人くらいのパーティーなんですけど 303 00:16:40,200 --> 00:16:43,203 どのくらい作ればいいですかね? 「う~ん…」 304 00:16:43,203 --> 00:16:45,205 豆腐は3丁… 305 00:16:45,205 --> 00:16:48,208 いや 念には念をだ。 4丁 用意していいかもしれないな。 306 00:16:48,208 --> 00:16:50,210 《えっ!? ヨンチョウって… 307 00:16:50,210 --> 00:16:52,212 4兆円!?》 308 00:16:52,212 --> 00:16:56,216 《この人 そんな とてつもなく大きい ビジネスをしているの!?》 309 00:16:56,216 --> 00:16:59,219 《能ある鷹は爪を隠す…》 310 00:16:59,219 --> 00:17:02,222 《これが 本物のエリートサラリーマンの姿!》 311 00:17:02,222 --> 00:17:06,226 でも ちゃんと作れるかなあ…。 「大丈夫だ 川口」 312 00:17:06,226 --> 00:17:09,229 お前ならできる。 先輩として応援してるぞ。 313 00:17:09,229 --> 00:17:13,233 《電話してる相手は 川口さんっていうんだ》 314 00:17:13,233 --> 00:17:16,236 《あの人の後輩なんだから 相当 優秀よね》 315 00:17:16,236 --> 00:17:18,238 《こんな感じ?》 316 00:17:18,238 --> 00:17:22,242 《きっと お互いがお互いの 足りない部分を補い合って…》 317 00:17:22,242 --> 00:17:25,245 このビジネスは世界を変える! 318 00:17:25,245 --> 00:17:28,248 今 我々が手を組まないで いつ組むんですか! 319 00:17:28,248 --> 00:17:31,251 先輩 情熱だけじゃ 人は動かせませんよ。 320 00:17:31,251 --> 00:17:33,253 資料の12ページをご覧ください。 321 00:17:33,253 --> 00:17:36,256 (遥)《難しい契約をバンバンまとめて…》 322 00:17:36,256 --> 00:17:39,259 俺のことなんか放っておいてください! 323 00:17:39,259 --> 00:17:42,262 放っておけるわけねえだろうが! ぐわっ! 324 00:17:42,262 --> 00:17:44,264 (遥)《時には ぶつかったりしながらも…》 325 00:17:44,264 --> 00:17:48,268 川口がいなきゃ 俺は何もできねえよ。 326 00:17:48,268 --> 00:17:51,271 それは お互いさまですから。 327 00:17:53,273 --> 00:17:56,276 《うわぁぁ~! 最高のバディー!》 328 00:17:56,276 --> 00:17:59,279 (店長)遥ちゃん。 日替わりパスタお出しして。 329 00:17:59,279 --> 00:18:02,282 す… すいません! ああ 頑張れよ。 330 00:18:02,282 --> 00:18:04,284 じゃあな。 (電話を切る音) 331 00:18:04,284 --> 00:18:07,287 《やれやれ とんだ長電話になっちまったな…》 332 00:18:07,287 --> 00:18:10,290 《よし 料理が来る前に 少しでも資料の確認を…》 333 00:18:10,290 --> 00:18:13,293 (遥)日替わりパスタ お待たせいたしました。 334 00:18:13,293 --> 00:18:15,295 《…って 来ちまったか》 335 00:18:15,295 --> 00:18:17,297 えっ!? 336 00:18:18,298 --> 00:18:21,301 《これは イカスミパスタ!》 337 00:18:21,301 --> 00:18:25,305 《多種多様なパスタ界の 中でもとびっきりの 個性派と言っていいだろう》 338 00:18:25,305 --> 00:18:30,310 《具材は イカにタマネギ マッシュルームと… 唐辛子か?》 339 00:18:30,310 --> 00:18:34,314 《それら全てが 漆黒の闇に包まれている》 340 00:18:34,314 --> 00:18:38,318 《お前が 本日の日替わりパスタだったのか!》 341 00:18:38,318 --> 00:18:42,322 紙エプロン お使いになりますか? ああ… はい。 342 00:18:43,323 --> 00:18:45,325 《イカスミパスタか…》 343 00:18:45,325 --> 00:18:49,329 《一時期 流行ってたようだが どうも 手が出なかったんだよな》 344 00:18:49,329 --> 00:18:52,332 《まあ とにかく 頂いてみるか》 345 00:18:52,332 --> 00:18:56,336 《フォークで巻いてみると 一層インパクトのある見た目だが…》 346 00:18:56,336 --> 00:18:58,338 《ええい… ままよ!》 347 00:18:59,339 --> 00:19:01,341 《えっ…?》 348 00:19:01,341 --> 00:19:05,345 《う… うまい! おいおい いけるじゃねえか!》 349 00:19:05,345 --> 00:19:08,348 《塩味だが ほのかに甘くてコクがある!》 350 00:19:08,348 --> 00:19:11,351 《このトロッとした食感が たまんねえな》 351 00:19:11,351 --> 00:19:14,354 《イカのうまみを ギュギュッと凝縮したようなエキスの中で 352 00:19:14,354 --> 00:19:17,357 ニンニクと唐辛子がバッチリ利いていて…》 353 00:19:17,357 --> 00:19:20,360 《そして このままでも十分うまいが 354 00:19:20,360 --> 00:19:24,364 ホットソースを入れたら もっと うまくなる気がする!》 355 00:19:26,366 --> 00:19:28,368 《うん やっぱり!》 356 00:19:28,368 --> 00:19:30,370 《よーし もっと入れちまおう》 357 00:19:30,370 --> 00:19:32,372 《あんな超エリートな人でも 358 00:19:32,372 --> 00:19:36,376 こういう庶民的な店で 日替わりパスタ食べたりするんだ…》 359 00:19:36,376 --> 00:19:40,380 《でも さすがに 私なんかに アプローチをかけてるっていうのは 360 00:19:40,380 --> 00:19:42,382 勘違いなのかな?》 361 00:19:42,382 --> 00:19:46,386 《でもでも それじゃあ 説明のつかないことが多すぎるし…》 362 00:19:46,386 --> 00:19:49,389 《ああっ モヤモヤする~!》 363 00:19:49,389 --> 00:19:52,392 《こんなうまいパスタを 食わず嫌いしていたなんて… 364 00:19:52,392 --> 00:19:54,394 もったいないことをしていたな》 365 00:19:55,395 --> 00:19:57,397 カルボナーラ お願いします。 366 00:19:57,397 --> 00:20:00,400 《今までだって ずっと…》 367 00:20:00,400 --> 00:20:02,402 この ボンゴレビアンコで。 368 00:20:02,402 --> 00:20:05,405 《イカスミパスタは 俺のそばにいたのに 369 00:20:05,405 --> 00:20:09,409 勝手に自分の中の選択肢から外していた》 370 00:20:09,409 --> 00:20:12,412 《でも 今日 こういう形で…》 371 00:20:12,412 --> 00:20:14,414 出会えて よかった。 372 00:20:14,414 --> 00:20:16,416 (遥)《えっ…?》 373 00:20:16,416 --> 00:20:18,418 《やっぱり…》 (お盆が落ちる音) 374 00:20:18,418 --> 00:20:21,421 《私に会いに ここまで来たんだ!》 375 00:20:21,421 --> 00:20:23,423 《恐らくは…》 376 00:20:23,423 --> 00:20:25,425 明日はドイツで商談。 377 00:20:25,425 --> 00:20:27,427 そのあとは スイス フランス スペインですね。 378 00:20:27,427 --> 00:20:30,430 なあ 川口。 俺 379 00:20:30,430 --> 00:20:33,433 どうしても日本に 会いたい子がいるんだ。 380 00:20:34,434 --> 00:20:38,438 そんなこと言ってる場合じゃないのは 承知してる。 でも…。 381 00:20:38,438 --> 00:20:40,440 わかってましたよ。 先輩の気持ちは。 382 00:20:40,440 --> 00:20:42,442 えっ? (ヘリコプターの飛行音) 383 00:20:42,442 --> 00:20:47,447 (川口)行ってください。 商談のほうは 俺一人で大丈夫ですから。 384 00:20:48,448 --> 00:20:51,451 川口! ありがとうなーっ! 385 00:20:52,452 --> 00:20:54,454 《…的な やり取りがあって》 386 00:20:54,454 --> 00:20:56,456 あの…。 えっ? 387 00:20:56,456 --> 00:20:58,458 大丈夫ですか? 388 00:20:58,458 --> 00:21:00,460 し… 失礼いたしました! 389 00:21:01,461 --> 00:21:03,463 《ああ~ やっちゃった!》 390 00:21:03,463 --> 00:21:07,467 《でも いきなり 「出会えて よかった」なんて言うから…》 391 00:21:07,467 --> 00:21:10,470 フウ… 食った食った。 392 00:21:10,470 --> 00:21:13,473 《ホットソースを入れすぎたせいか 汗が出てきたな》 393 00:21:13,473 --> 00:21:15,475 《時間も ちょうどいい》 394 00:21:15,475 --> 00:21:19,479 《打ち合わせ前に 資料を読み込めなかったのは心残りだが… 395 00:21:19,479 --> 00:21:24,484 こういうのは得てして その場での発想と勢いが大事だったりする》 396 00:21:24,484 --> 00:21:28,488 《即興ライブのような気持ちで なんとか乗り切ろう》 397 00:21:28,488 --> 00:21:31,491 《うっ… 汗が目に入っちまった》 398 00:21:31,491 --> 00:21:34,494 《今すぐ あの人の気持ちに応えることは できない…》 399 00:21:34,494 --> 00:21:39,499 《でも この先も あの人が変わらぬ思いでいてくれるなら 400 00:21:39,499 --> 00:21:41,501 もしかしたら…》 401 00:21:41,501 --> 00:21:44,504 お会計 お願いしまーす。 あっ はい。 402 00:21:44,504 --> 00:21:46,506 《…って ええぇぇーっ!?》 403 00:21:46,506 --> 00:21:48,508 1000円で お願いします。 404 00:21:48,508 --> 00:21:50,510 は… はい。 405 00:21:52,512 --> 00:21:56,516 よーし! 即興ライブ いっちょかましてやるか。 406 00:21:56,516 --> 00:21:58,518 《そ… 即興ライブ?》 407 00:21:58,518 --> 00:22:02,522 《あの人 サラリーマンじゃなくて ミュージシャンなの?》 408 00:22:02,522 --> 00:22:06,526 《ああ もう… 訳がわからなー―い!》 409 00:22:08,528 --> 00:22:10,530 ごちそうさまでした。 410 00:22:10,530 --> 00:22:18,538 ♪♪~