1 00:00:06,006 --> 00:00:11,011 (レント)ふむ… 報酬が 銅貨1枚か。 2 00:00:11,011 --> 00:00:13,347 <実質 ただ働きだが➡ 3 00:00:13,347 --> 00:00:16,016 引き受ける冒険者は 意外と多い。 4 00:00:16,016 --> 00:00:18,685 俺たちだって 金だけが目当てじゃない。 5 00:00:18,685 --> 00:00:21,521 時には 人助けも やぶさかではないのだ。 6 00:00:21,521 --> 00:00:26,360 まあ 「伝説の湖の主を 退治してくれ」なんて依頼は➡ 7 00:00:26,360 --> 00:00:29,196 そもそも ギルドが受け付けないけどな> 8 00:00:29,196 --> 00:00:31,365 (シェイラ) 気になる依頼は ありましたか? 9 00:00:31,365 --> 00:00:33,367 シェイラか。 10 00:00:33,367 --> 00:00:37,704 安心しろ。 約束どおり 迷宮には 当分 行かない。 11 00:00:37,704 --> 00:00:41,041 あっ いえ 何か 手軽な依頼を お探しなら➡ 12 00:00:41,041 --> 00:00:43,043 お手伝いしようかと…。 13 00:00:43,043 --> 00:00:47,381 ちょうどいい。 この依頼 引き受けるやつは いないのか? 14 00:00:47,381 --> 00:00:51,385 ああ 例の 銅貨1枚の依頼ですね。 15 00:00:51,385 --> 00:00:56,056 ギルドの伝統ですし 皆さん 検討はしてくださるのですけど➡ 16 00:00:56,056 --> 00:01:00,494 内容が難しくて。 竜血花の採取か。 17 00:01:00,494 --> 00:01:05,165 (シェイラ)はい。 毒の沼のそばにしか 咲かない花なんですよね。 18 00:01:05,165 --> 00:01:07,834 とても すてきな 言い伝えがあるのに。 19 00:01:07,834 --> 00:01:11,338 人間の女性に恋をした 1匹の竜。 20 00:01:11,338 --> 00:01:16,510 その血が 真っ赤な花となり 竜血花と呼ばれるようになった。 21 00:01:16,510 --> 00:01:20,347 血生臭い話だな。 んっ…。 22 00:01:20,347 --> 00:01:25,352 その花を贈られた女性は 永遠に愛されるそうですよ。 23 00:01:25,352 --> 00:01:29,022 んっ… まあ そういう話もあるな。 24 00:01:29,022 --> 00:01:31,858 だが 今回は 薬として欲しいんだろう? 25 00:01:31,858 --> 00:01:36,029 そうみたいです。 依頼主は 孤児院の子どもたち。 26 00:01:36,029 --> 00:01:40,367 大事な人を救うために どうしても 竜血花が欲しいと。 27 00:01:40,367 --> 00:01:45,072 そうなのか。 あっ まさか レントさん…。 28 00:03:29,843 --> 00:03:31,845 《ここか…。 29 00:03:31,845 --> 00:03:34,047 思ってた以上に おんぼろだな》 30 00:03:36,016 --> 00:03:38,685 あっ! あっ…。 31 00:03:38,685 --> 00:03:42,689 《あっ そうだ。 スライムの粘液で くっつくかも》 32 00:03:46,526 --> 00:03:49,629 《ハァ… なんとかなったな》 33 00:03:55,702 --> 00:03:58,038 (アリゼ)は~い! 34 00:03:58,038 --> 00:04:02,309 申し訳ありません。 院長のリリアンは 留守にしております。 35 00:04:02,309 --> 00:04:04,644 なので ご用件は また 日を改め…。 36 00:04:04,644 --> 00:04:07,814 うっ… うわっ! ギルドで依頼を受けた➡ 37 00:04:07,814 --> 00:04:09,816 冒険者なんだが…。 38 00:04:09,816 --> 00:04:13,320 あ~! てっきり 借金取りの人が来たのかと。 39 00:04:13,320 --> 00:04:15,322 そうなのか。 40 00:04:15,322 --> 00:04:18,658 どうぞ お入りください。 狭い所ですけど。 41 00:04:18,658 --> 00:04:20,827 失礼する。 42 00:04:20,827 --> 00:04:22,829 (子どもたち)あっ…。 43 00:04:25,165 --> 00:04:29,836 みんな 失礼のないように。 こちらは 冒険者の方よ。 44 00:04:29,836 --> 00:04:32,172 あっ! えっ 冒険者なの!? 45 00:04:32,172 --> 00:04:34,341 うっ…。 その剣 本物? 46 00:04:34,341 --> 00:04:37,677 おじさん 強いの? なんで 変な格好してるの? 47 00:04:37,677 --> 00:04:41,014 あんたたち! 冒険者は 野蛮で危険なんだから➡ 48 00:04:41,014 --> 00:04:44,684 絶対 ぜ~ったい 近づいちゃだめ って言っておいたでしょ! 49 00:04:44,684 --> 00:04:47,354 ごめんなさい。 あっ…。 50 00:04:47,354 --> 00:04:49,356 あっ… あの すみません。 51 00:04:49,356 --> 00:04:51,691 別に あなたが そうだと 言ったわけでは…。 52 00:04:51,691 --> 00:04:55,362 いや むしろ 安心した。 えっ? 53 00:04:55,362 --> 00:04:58,532 冒険者は 荒くれ者が少なくない。 54 00:04:58,532 --> 00:05:02,469 気を付けるのは当然だ。 あっ…。 55 00:05:02,469 --> 00:05:08,141 いいか? 見た目の怪しい大人には 近づいちゃだめだぞ。 56 00:05:08,141 --> 00:05:10,310 (子どもたち)は~い。 57 00:05:10,310 --> 00:05:13,313 素直な子たちだな。 58 00:05:13,313 --> 00:05:15,315 お騒がせしました。 59 00:05:15,315 --> 00:05:17,817 警戒心がないのは危険だが➡ 60 00:05:17,817 --> 00:05:20,987 それだけ 幸せに過ごせている ということだろう。 61 00:05:20,987 --> 00:05:24,991 ええ。 リリアン様は とっても優しくて すばらしい人なの! 62 00:05:24,991 --> 00:05:28,161 あっ… じゃなくて すばらしい方なんです。 63 00:05:28,161 --> 00:05:32,165 普通の しゃべり方でいいぞ。 えっ? でも…。 64 00:05:32,165 --> 00:05:35,001 他の大人には そうしたほうがいい。 65 00:05:35,001 --> 00:05:37,337 でも 俺は 気にしない。 66 00:05:37,337 --> 00:05:40,674 あとで怒らない? もちろん。 67 00:05:40,674 --> 00:05:44,344 俺の名は レント・ヴィヴィエ。 銅級冒険者だ。 68 00:05:44,344 --> 00:05:47,180 銅級? てっきり 受けてくれても➡ 69 00:05:47,180 --> 00:05:50,350 鉄級の新人冒険者が 来るかと思ってたわ。 70 00:05:50,350 --> 00:05:53,687 詳しいんだな。 依頼者は 君か? 71 00:05:53,687 --> 00:05:56,856 ええ。 私の名前は アリゼよ。 72 00:05:56,856 --> 00:06:00,460 では アリゼ 依頼の話だが➡ 73 00:06:00,460 --> 00:06:03,797 竜血花は 簡単に採ってこれる物ではない。 74 00:06:03,797 --> 00:06:06,299 知ってるわ。 75 00:06:06,299 --> 00:06:10,971 お店にも ほとんど出回らないし あったとしても とても高いもの。 76 00:06:10,971 --> 00:06:14,808 それでも必要なのだな。 ええ。 77 00:06:14,808 --> 00:06:17,310 詳しく 話を聞かせてほしい。 78 00:06:17,310 --> 00:06:21,314 わかった。 でも 口裏は合わせてよ。 79 00:06:21,314 --> 00:06:23,316 口裏? 80 00:06:23,316 --> 00:06:27,320 (リリアン)このような格好で 申し訳ありません。 81 00:06:27,320 --> 00:06:30,156 私は この孤児院の 管理をしております➡ 82 00:06:30,156 --> 00:06:33,994 東天教の僧侶 リリアン・ジュネと申します。 83 00:06:33,994 --> 00:06:36,663 冒険者のレント・ヴィヴィエだ。 84 00:06:36,663 --> 00:06:39,332 報酬も僅かですのに➡ 85 00:06:39,332 --> 00:06:42,836 孤児院の地下の片づけを 引き受けてくださったそうで➡ 86 00:06:42,836 --> 00:06:45,338 ほんとに ありがとうございます。 87 00:06:45,338 --> 00:06:47,674 まあ たまにはな。 88 00:06:47,674 --> 00:06:51,177 地下は 小さいですが 魔物が出ますので➡ 89 00:06:51,177 --> 00:06:53,513 子どもたちに 任せるわけにもいかず…。 90 00:06:53,513 --> 00:06:56,850 リリアン様は休んでいてください! (せき) 91 00:06:56,850 --> 00:07:00,120 あとは 私が お話ししておきますから。 92 00:07:00,120 --> 00:07:03,456 (リリアン)ありがとう アリゼ。 んっ…。 93 00:07:03,456 --> 00:07:06,126 ハハハハハ! おい 待てよ! 待ってよ! 94 00:07:06,126 --> 00:07:11,131 リリアン様の病気ね 邪気蓄積症っていうんだって。 95 00:07:11,131 --> 00:07:14,134 「邪気蓄積症」? ええ。 96 00:07:14,134 --> 00:07:17,137 リリアン様はね 聖気の使い手なの。 97 00:07:17,137 --> 00:07:20,473 でも 持っている聖気が それほど強くないと➡ 98 00:07:20,473 --> 00:07:25,312 使うたびに 反動で 悪い気を 体に取り込んでしまうんだって。 99 00:07:25,312 --> 00:07:29,316 今すぐに 命を落とすことはないんだけど。 100 00:07:29,316 --> 00:07:31,484 そんな病があるのか。 101 00:07:31,484 --> 00:07:33,820 治癒術師の人に 診断してもらったから➡ 102 00:07:33,820 --> 00:07:35,822 間違いないわ。 103 00:07:35,822 --> 00:07:38,992 治すには 聖者様に浄化してもらうか➡ 104 00:07:38,992 --> 00:07:42,996 特別な薬がいるって。 なるほどな。 105 00:07:42,996 --> 00:07:46,166 で その特別な薬を作るのに➡ 106 00:07:46,166 --> 00:07:49,502 竜血花がいるのか。 (アリゼ)そうよ。 107 00:07:49,502 --> 00:07:52,839 リリアンは 自分の病気を知らないんだな? 108 00:07:52,839 --> 00:07:55,342 ええ。 病気のことを知れば➡ 109 00:07:55,342 --> 00:08:00,780 リリアン様 きっと 他の僧侶の人に 交代してもらうって言いだすわ。 110 00:08:00,780 --> 00:08:06,953 そして 自分は 孤児院を去り 病を天命として受け入れるか。 111 00:08:06,953 --> 00:08:08,955 んっ…。 112 00:08:08,955 --> 00:08:14,294 では その前に 竜血花を採ってこないとな。 113 00:08:14,294 --> 00:08:18,465 えっ? てっきり 誰も引き受けてくれないかと。 114 00:08:18,465 --> 00:08:22,969 そうだったのか。 でも そのときは 私が冒険者になって➡ 115 00:08:22,969 --> 00:08:26,473 竜血花を採ってこようって 思ってたの。 えっ? 116 00:08:26,473 --> 00:08:29,809 こう見えても 少し 魔力だってあるのよ。 117 00:08:29,809 --> 00:08:34,814 しかし 修行してる時間はないな。 んっ…。 118 00:08:34,814 --> 00:08:37,817 本当に お願いしていいの? 119 00:08:37,817 --> 00:08:40,820 ああ 必ず 採ってきてやる。 120 00:08:40,820 --> 00:08:43,990 あっ! ありがとう レント。 121 00:08:43,990 --> 00:08:46,493 が その前に…。 あっ…。 122 00:08:46,493 --> 00:08:48,995 地下室を 先に片づけよう。 123 00:09:02,442 --> 00:09:07,447 ついてこなくてもいいんだぞ。 ううん 魔物退治するんでしょ? 124 00:09:07,447 --> 00:09:10,950 見ても 楽しいものではないと思うが…。 125 00:09:10,950 --> 00:09:14,120 この狭さでは 剣が使えないからな。 126 00:09:14,120 --> 00:09:16,956 あっ…。 念のため 持っておけ。 127 00:09:16,956 --> 00:09:18,958 わかったわ。 128 00:09:18,958 --> 00:09:22,629 どうやら 現れたようだな。 (鳴き声) 129 00:09:22,629 --> 00:09:25,465 えっ ほんと? 130 00:09:25,465 --> 00:09:27,967 チュー! 131 00:09:27,967 --> 00:09:32,305 プチスリにしては ずいぶん 大きいな。 132 00:09:32,305 --> 00:09:35,642 チュッ! チュッ! 133 00:09:35,642 --> 00:09:38,144 チュッ! んっ! チュー! 134 00:09:38,144 --> 00:09:42,315 チュッ。 チュー! 135 00:09:42,315 --> 00:09:45,018 んっ…。 チュー! 136 00:09:47,654 --> 00:09:49,656 チュー! なんだ? 137 00:09:49,656 --> 00:09:54,160 (うめき声) 138 00:09:54,160 --> 00:09:56,162 《色が変わった? 139 00:09:56,162 --> 00:09:59,666 この感覚 まさか…》 140 00:09:59,666 --> 00:10:02,001 その場で 3回 回れ。 141 00:10:02,001 --> 00:10:05,672 チュッ チュッ チュッ。 えっ? 142 00:10:05,672 --> 00:10:08,074 え~! 143 00:10:10,009 --> 00:10:15,348 (ロレーヌ)レント その肩に乗ってる 小太りの黒いねずみは なんだ? 144 00:10:15,348 --> 00:10:19,018 孤児院の地下で仲間になった。 チュッ! 145 00:10:19,018 --> 00:10:21,020 はしょり過ぎだ。 146 00:10:21,020 --> 00:10:23,022 チュッ チュッ…。 147 00:10:23,022 --> 00:10:27,026 吸血鬼には 眷属を作り 操る力があるが➡ 148 00:10:27,026 --> 00:10:29,696 お前も そんなことができたんだな。 149 00:10:29,696 --> 00:10:33,366 そうみたいだ。 確かに まだ お前の血を➡ 150 00:10:33,366 --> 00:10:37,203 他の生き物に与える実験は していなかった。 151 00:10:37,203 --> 00:10:40,540 飼ってもいいか? 好きにしろ。 152 00:10:40,540 --> 00:10:43,710 この家は すでに 不死者が住んでいるのだぞ。 153 00:10:43,710 --> 00:10:47,714 ねずみの1匹や2匹 増えたところで 問題あるまい。 154 00:10:47,714 --> 00:10:50,383 家賃は もらうがな。 155 00:10:50,383 --> 00:10:52,552 チュッ? 家賃? 156 00:10:52,552 --> 00:10:56,723 このねずみの血液と毛をくれ。 いろいろと試したい。 157 00:10:56,723 --> 00:10:58,725 チュー…。 158 00:10:58,725 --> 00:11:01,494 それと 生態観察だな。 159 00:11:01,494 --> 00:11:04,163 お前の餌は なんなのだ? チュッ。 あ痛っ! 160 00:11:04,163 --> 00:11:09,002 あっ お前…。 フッ… なるほど 親と同じか。 161 00:11:09,002 --> 00:11:12,505 全く… 私の血は 大人気だな。 162 00:11:12,505 --> 00:11:15,341 おい こいつの名前は どうするんだ? 163 00:11:15,341 --> 00:11:17,343 黒いから くろで いいんじゃないか? 164 00:11:17,343 --> 00:11:20,680 チュッ? 全く ひねりがないな。 165 00:11:20,680 --> 00:11:23,850 しかたない 私が付けてやろう。 166 00:11:23,850 --> 00:11:26,853 エーデルというのは どうだ? (エーデル)チュッチュッ! 167 00:11:26,853 --> 00:11:31,524 いい名だろう? 古代語で 「高貴なる者」という意味だ。 168 00:11:31,524 --> 00:11:35,361 お前は 他のプチスリを 従えていたそうだしな。 169 00:11:35,361 --> 00:11:37,363 満足してるみたいだ。 170 00:11:37,363 --> 00:11:39,699 意思疎通ができるのか? 171 00:11:39,699 --> 00:11:43,202 言葉は わからないけど なんとなくな。 172 00:11:43,202 --> 00:11:46,206 では 今日から お前は エーデルだ。 チュッ。 173 00:11:46,206 --> 00:11:49,542 名付け親は 私だからな。 チュッチュー! 174 00:11:49,542 --> 00:11:52,045 おい 主人は 俺だぞ。 175 00:11:55,715 --> 00:11:58,718 (寝息) 176 00:11:58,718 --> 00:12:00,653 <不死者になってから➡ 177 00:12:00,653 --> 00:12:03,323 睡眠が ほとんど いらなくなった。 178 00:12:03,323 --> 00:12:06,159 ずっと 迷宮に潜ることも考えたけど➡ 179 00:12:06,159 --> 00:12:12,332 全く休みを取らない冒険者なんて 怪しまれるからな。 180 00:12:12,332 --> 00:12:16,669 ひどく退屈な時間だ> 181 00:12:16,669 --> 00:12:20,506 んっ? どうぞ。 (ノック) 182 00:12:20,506 --> 00:12:23,176 (ドアの開く音) 183 00:12:23,176 --> 00:12:25,678 朝早くに出かけるのだろう? 184 00:12:25,678 --> 00:12:28,348 腹ごしらえでもしていったら どうだ? 185 00:12:28,348 --> 00:12:30,350 んっ? 186 00:12:30,350 --> 00:12:33,686 今日は 雪が降るか? 187 00:12:33,686 --> 00:12:35,688 ばかなことを言うな! 188 00:12:35,688 --> 00:12:40,026 私だって 料理くらい できるんだぞ。 知ってる。 189 00:12:40,026 --> 00:12:42,028 では タラスクの沼が➡ 190 00:12:42,028 --> 00:12:45,031 どれだけ危険な場所なのかも 知っているな。 191 00:12:45,031 --> 00:12:47,867 よく 俺の行き先が…。 192 00:12:47,867 --> 00:12:51,704 まあ ロレーヌなら わかるか。 当然だ。 193 00:12:51,704 --> 00:12:57,043 竜血花が咲くのは この辺りでは あの沼しかないだろう。 ああ。 194 00:12:57,043 --> 00:12:59,045 1人で行く気か? 195 00:12:59,045 --> 00:13:01,981 俺だけなら 毒の心配は いらない。 196 00:13:01,981 --> 00:13:04,651 亜竜族のタラスクがいるんだぞ。 197 00:13:04,651 --> 00:13:07,320 銅級だって パーティで挑む相手だ。 198 00:13:07,320 --> 00:13:10,323 戦うつもりはない。 何? 199 00:13:10,323 --> 00:13:14,494 露店で 安く買えた。 聖水か。 200 00:13:14,494 --> 00:13:19,832 確かに タラスクは 聖水の効果で 接近を防げるといわれているが➡ 201 00:13:19,832 --> 00:13:22,001 絶対ではないんだぞ。 202 00:13:22,001 --> 00:13:24,504 まあ どうにかなるさ。 203 00:13:24,504 --> 00:13:27,006 ハァ… お前な…。 204 00:13:27,006 --> 00:13:30,810 冷めたら もったいない。 ありがたく頂くよ。 205 00:13:35,014 --> 00:13:37,183 あっ! うまいか? 206 00:13:37,183 --> 00:13:39,686 ああ。 普通の食べ物を➡ 207 00:13:39,686 --> 00:13:42,855 こんなに おいしく感じたのは 久しぶりだ。 208 00:13:42,855 --> 00:13:46,359 私の血を 1滴 混ぜておいたのだ。 209 00:13:46,359 --> 00:13:49,696 それで…。 210 00:13:49,696 --> 00:13:52,865 気に入ったか? ああ。 211 00:13:52,865 --> 00:13:56,069 帰ってきたら また 作ってやるさ。 212 00:14:06,145 --> 00:14:10,049 旦那 着きましたよ。 ああ。 213 00:14:15,321 --> 00:14:17,657 俺が近づけるのは ここまでだ。 214 00:14:17,657 --> 00:14:20,660 夕方には また 迎えに来ますから。 215 00:14:20,660 --> 00:14:24,163 頼む。 (あくび) 216 00:14:26,499 --> 00:14:30,002 お前 毒は平気なのか? チュッ。 217 00:14:30,002 --> 00:14:32,338 《まあ いざとなれば➡ 218 00:14:32,338 --> 00:14:36,342 俺の聖気で浄化してやれるし 大丈夫か》 219 00:14:36,342 --> 00:14:38,678 <タラスクの沼。 220 00:14:38,678 --> 00:14:42,682 正式な名前は別にあるが 誰も その名を呼ばない。 221 00:14:42,682 --> 00:14:47,019 ここにしか生息しない 希少な植物や動物がいるので➡ 222 00:14:47,019 --> 00:14:50,356 ある程度 人が通れるようにはなっている。 223 00:14:50,356 --> 00:14:53,526 毒に染まった沼に 足を突っ込みたいやつなんて➡ 224 00:14:53,526 --> 00:14:55,528 いないからな> 225 00:14:59,966 --> 00:15:01,968 チュッ! あっ…。 226 00:15:01,968 --> 00:15:06,139 <野生の魔物は 迷宮に出現するものより強い。 227 00:15:06,139 --> 00:15:08,641 武器を持っていたり 群れで戦う知恵が➡ 228 00:15:08,641 --> 00:15:10,810 付いている場合が多いからだ。 229 00:15:10,810 --> 00:15:13,813 やっかいな相手だが 今の俺なら…> 230 00:15:13,813 --> 00:15:17,483 (ゴブリンたち)ギギィ…。 (悲鳴) 231 00:15:17,483 --> 00:15:20,987 (悲鳴) 232 00:15:20,987 --> 00:15:24,323 <ゴブリン程度 問題ない> 233 00:15:24,323 --> 00:15:26,325 チュー。 234 00:15:26,325 --> 00:15:29,829 次は お前も働けよ。 チュッ! 235 00:15:29,829 --> 00:15:34,333 お前 自分のほうが 主人だと思ってないだろうな? 236 00:15:34,333 --> 00:15:36,836 チュチュ。 全く…。 237 00:15:39,672 --> 00:15:43,176 《それにしても 不死者は便利だな。 238 00:15:43,176 --> 00:15:46,345 毒の耐性はあるし 見た目さえ我慢したら➡ 239 00:15:46,345 --> 00:15:49,182 一生 このまんまのほうが いいんじゃないか? 240 00:15:49,182 --> 00:15:51,851 まあ 結婚は できなそうだけど》 241 00:15:51,851 --> 00:15:55,521 なっ! チュッ! チュッ? 242 00:15:55,521 --> 00:15:58,858 自分だけ逃げやがったな。 (水音) 243 00:15:58,858 --> 00:16:02,962 チュッ? んっ? あっ…。 244 00:16:02,962 --> 00:16:06,632 《ほんと ついてないな》 245 00:16:06,632 --> 00:16:08,634 んっ…。 246 00:16:12,138 --> 00:16:14,974 《フゥー 油断は禁物だな》 247 00:16:14,974 --> 00:16:19,812 んっ…。 おっ? ハァ…。 248 00:16:19,812 --> 00:16:22,648 チュッ? 249 00:16:22,648 --> 00:16:27,820 《吸血鬼の眷属って みんな こんなものなのか?》 250 00:16:27,820 --> 00:16:32,825 (シェイラ)ごちそうさまでした。 とっても おいしかったです。 251 00:16:32,825 --> 00:16:36,329 そうか。 レントも喜んで食べていたぞ。 252 00:16:36,329 --> 00:16:38,998 えっ? でも レントさんって…。 253 00:16:38,998 --> 00:16:42,668 なんせ 私の血を混ぜてやったからな。 254 00:16:42,668 --> 00:16:46,505 えっ? 安心しろ あいつの分だけだ。 255 00:16:46,505 --> 00:16:48,508 フゥー。 256 00:16:48,508 --> 00:16:53,513 しかし トッツ村の話を もう ギルドが把握しているとはな。 257 00:16:53,513 --> 00:16:56,515 犯罪者の引き渡しも ありましたから。 258 00:16:56,515 --> 00:16:59,018 村の人たちが 助けてくれた冒険者に➡ 259 00:16:59,018 --> 00:17:01,621 大変 感謝しているそうです。 260 00:17:01,621 --> 00:17:06,292 ただ どんなに聞いても 名前は 教えてもらえませんでしたが。 261 00:17:06,292 --> 00:17:08,794 だから 直接 聞きに来たと? 262 00:17:08,794 --> 00:17:11,964 ギルドでは話しにくいでしょうし。 263 00:17:11,964 --> 00:17:16,135 まあ レントのことだ。 たとえ 助けた側であっても➡ 264 00:17:16,135 --> 00:17:20,473 誘拐事件に関わっては 疑いが深まると考えたのだろう。 265 00:17:20,473 --> 00:17:24,143 あいつは 時に とんでもないことをするが➡ 266 00:17:24,143 --> 00:17:26,646 基本は 思慮深いからな。 267 00:17:26,646 --> 00:17:32,485 よく理解してらっしゃるんですね。 まあ 長いつきあいだしな。 268 00:17:32,485 --> 00:17:35,821 なら ロレーヌさんは ご存じなんですか? 269 00:17:35,821 --> 00:17:38,491 何を? んっ…。 270 00:17:38,491 --> 00:17:43,663 レントさんが なぜ 神銀級冒険者を目指すのか。 271 00:17:43,663 --> 00:17:47,166 フッ…。 あっ…。 272 00:17:47,166 --> 00:17:49,502 知らん。 えっ? 273 00:17:49,502 --> 00:17:52,171 そういえば 聞いたことがないな。 274 00:17:52,171 --> 00:17:56,008 そっ… そうなんですか? 冒険者というものは➡ 275 00:17:56,008 --> 00:17:59,345 過去を詮索しないのが 流儀と聞いている。 276 00:17:59,345 --> 00:18:02,114 積極的に 聞く気がないのもあるが➡ 277 00:18:02,114 --> 00:18:05,117 あいつは ああいうやつだからな。 278 00:18:05,117 --> 00:18:07,286 心配にならないんですか? 279 00:18:07,286 --> 00:18:11,791 今回の依頼だって あの タラスクと 戦うかもしれないんですよ。 280 00:18:11,791 --> 00:18:13,793 おかしなことを言う。 281 00:18:13,793 --> 00:18:18,798 ギルドは 冒険者の力量を見極めて 依頼を仲介するのだろう? 282 00:18:18,798 --> 00:18:20,800 それは もちろん。 283 00:18:20,800 --> 00:18:24,470 レントさんなら可能と判断したうえで お願いしています。 284 00:18:24,470 --> 00:18:27,807 ならば 問題ない。 えっ? 285 00:18:27,807 --> 00:18:31,644 優秀なギルド職員の判断を 信用するさ。 286 00:18:31,644 --> 00:18:34,480 んっ…。 それにだ。 287 00:18:34,480 --> 00:18:36,816 何か問題が起きたとしても➡ 288 00:18:36,816 --> 00:18:42,488 なんとかしてみせるのが 冒険者というものだろう? 289 00:18:42,488 --> 00:18:46,659 くそ! 安物の聖水なんて 買うんじゃなかった。 290 00:18:46,659 --> 00:18:49,662 あっ… 行き止まりか。 291 00:18:52,665 --> 00:18:55,001 戦うしかないか。 (咆哮) 292 00:18:55,001 --> 00:18:58,504 フッ! うっ! 293 00:19:01,774 --> 00:19:03,776 うぅっ! 294 00:19:06,278 --> 00:19:11,450 残念だったな。 俺に 毒は効かない。 295 00:19:11,450 --> 00:19:16,455 お前も 魔力だけでは倒せないようだな。 296 00:19:16,455 --> 00:19:19,125 はぁ~! 297 00:19:19,125 --> 00:19:22,028 フッ! くっ… チッ! 298 00:19:27,299 --> 00:19:29,301 効いてないか。 299 00:19:29,301 --> 00:19:33,472 やっかいだな。 (咆哮) 300 00:19:33,472 --> 00:19:36,976 チュッ! んっ? エーデル!? 301 00:19:36,976 --> 00:19:39,478 チュッ! チュッ チュッ…。 302 00:19:39,478 --> 00:19:42,648 《あれは 聖気? 俺の力を使ってるのか》 303 00:19:42,648 --> 00:19:46,318 チュー! 304 00:19:46,318 --> 00:19:49,655 あっ… エーデル! (うめき声) 305 00:19:49,655 --> 00:19:54,160 んっ…。 (うめき声) 306 00:19:54,160 --> 00:19:56,996 チュー! あっ! 307 00:19:56,996 --> 00:20:00,100 んっ… 大丈夫か? チュッ! 308 00:20:00,100 --> 00:20:06,672 勝手に 俺の聖気を使うな。 だが いいヒントをもらえた。 309 00:20:06,672 --> 00:20:09,008 (咆哮) 310 00:20:09,008 --> 00:20:12,511 うぅ~…。 311 00:20:14,847 --> 00:20:16,849 フッ! 312 00:20:21,520 --> 00:20:26,025 フッ! (咆哮) 313 00:20:26,025 --> 00:20:30,529 うお~!! 314 00:20:44,543 --> 00:20:49,548 タラスクの弱点は 聖気だったんだな。 (エーデル)チュッ! 315 00:20:49,548 --> 00:20:53,552 ああ お前も役に立った。 チュー! 316 00:20:53,552 --> 00:20:58,657 しかし これだけ大きいと この場で 解体は無理だな。 317 00:21:05,998 --> 00:21:08,000 よし。 318 00:21:13,506 --> 00:21:17,176 《俺は 運が悪い。 それだけは 自信がある。 319 00:21:17,176 --> 00:21:21,347 どうせ タラスクと戦うはめになる 予感はしていたんだ。 320 00:21:21,347 --> 00:21:26,185 まあ こいつのおかげで タラスクの倒し方が わかった。 321 00:21:26,185 --> 00:21:30,389 希少な素材も手に入るし 今度 また 来るか》 322 00:21:36,362 --> 00:21:38,364 ハッ! 323 00:21:41,367 --> 00:21:44,870 《これ 全部 竜血花なのか! 324 00:21:44,870 --> 00:21:49,074 花の力で この一帯が浄化されている》 325 00:21:51,877 --> 00:21:55,714 《多少 多めに採取しても 問題ないだろう》 326 00:21:55,714 --> 00:21:57,716 チュッ! あっ…。 327 00:22:03,155 --> 00:22:08,160 (イザーク)おや 先客が いらっしゃるとは 意外ですね。 328 00:22:08,160 --> 00:22:10,162 んっ…。 329 00:22:10,162 --> 00:22:12,164 フフッ。