1 00:00:02,002 --> 00:00:06,506 (カドレチェク)よく おいでくださった。 お久しぶりですな モルテールン卿。 2 00:00:06,506 --> 00:00:11,011 (カセロール) ご無沙汰しております 公爵。 3 00:00:11,011 --> 00:00:15,182 このたびは ご嫡孫のご成人 おめでとうございます。 4 00:00:15,182 --> 00:00:18,185 いや~ ずうたいばかり でかくなって。 5 00:00:18,185 --> 00:00:20,187 まだまだ 子どもですわい。 6 00:00:20,187 --> 00:00:24,358 中央軍統括である閣下の うたげに お招きいただき➡ 7 00:00:24,358 --> 00:00:26,360 身に余る光栄です。 8 00:00:26,360 --> 00:00:28,362 ハハハハ! 9 00:00:28,362 --> 00:00:32,199 歴戦の英雄に そう言われると こそばゆいですな。 10 00:00:32,199 --> 00:00:34,535 これが 孫のスクヮーレ。 (スクヮーレ)あっ。 11 00:00:34,535 --> 00:00:38,705 (カドレチェク)寄宿士官学校を 首席で卒業しておる。 12 00:00:38,705 --> 00:00:40,707 それは すばらしい。 13 00:00:40,707 --> 00:00:44,878 おっ… お会いできて光栄です モルテールン閣下! 14 00:00:44,878 --> 00:00:48,215 お初に お目にかかります スクヮーレ殿。 15 00:00:48,215 --> 00:00:51,218 お立場は スクヮーレ殿のほうが 上。 16 00:00:51,218 --> 00:00:53,720 どうぞ カセロールと お呼びください。 17 00:00:53,720 --> 00:00:56,056 きょ… 恐縮でございます。 18 00:00:56,056 --> 00:00:58,559 おい。 うわっ。 そう硬くなるでない。 19 00:00:58,559 --> 00:01:00,827 すまんな モルテールン卿。 20 00:01:00,827 --> 00:01:03,163 こやつは 卿に憧れていて➡ 21 00:01:03,163 --> 00:01:06,333 会えるのを 楽しみにしておったそうなのだ。 22 00:01:06,333 --> 00:01:10,003 何せ 若者の間では あなたの活躍が➡ 23 00:01:10,003 --> 00:01:14,007 吟遊詩人の歌で 大流行らしくてな。 24 00:01:14,007 --> 00:01:16,510 身に余る光栄です。 25 00:01:16,510 --> 00:01:20,180 そちらは 卿のご子息か? 26 00:01:20,180 --> 00:01:23,083 はっ。 ペイス ご挨拶を。 27 00:01:26,853 --> 00:01:29,189 (ペイストリー) お初に お目にかかります。 28 00:01:29,189 --> 00:01:33,694 カセロール=ミル=モルテールンが息子 ペイストリーと申します。 29 00:01:33,694 --> 00:01:35,696 (スクヮーレ/カドレチェク)ああ…。 30 00:01:40,033 --> 00:01:42,703 <ペイストリー:これは 天才と言われながら➡ 31 00:01:42,703 --> 00:01:45,372 志半ばで命を落とし➡ 32 00:01:45,372 --> 00:01:49,376 異世界の貧乏貴族の息子として 転生した パティシエが➡ 33 00:01:49,376 --> 00:01:53,380 お菓子と笑顔で 満ちあふれた世界を目指す➡ 34 00:01:53,380 --> 00:01:56,049 厳しくも 甘~い 甘い➡ 35 00:01:56,049 --> 00:01:59,219 スイーツな物語である。 36 00:01:59,219 --> 00:02:01,154 彼の夢➡ 37 00:02:01,154 --> 00:02:06,159 それは 世界で1つの お菓子の国を作ること> 38 00:03:48,528 --> 00:03:54,034 スクヮーレ殿 このたびのご成人 誠に おめでとうございます。 39 00:03:54,034 --> 00:03:57,871 めでたき席でのお目どおり 光栄にございます。 40 00:03:57,871 --> 00:03:59,973 えっ? あっ はい! 41 00:03:59,973 --> 00:04:02,309 ご丁寧な挨拶を頂戴し➡ 42 00:04:02,309 --> 00:04:04,644 身に余りゅ… 痛っ。 43 00:04:04,644 --> 00:04:07,147 ハハハ! すばらしい! 44 00:04:07,147 --> 00:04:10,150 我が孫より よほど しっかりしている。 45 00:04:10,150 --> 00:04:14,988 ペイストリー殿は すでに成人されている という話でしたな。 46 00:04:14,988 --> 00:04:17,157 魔法は 授かりましたかな? 47 00:04:17,157 --> 00:04:20,160 はっ。 神のご恩寵を賜り➡ 48 00:04:20,160 --> 00:04:23,497 無事に 魔法の習得を 果たしましてございます。 49 00:04:23,497 --> 00:04:27,334 ほほう… 親子で 魔法を使うとは➡ 50 00:04:27,334 --> 00:04:31,838 モルテールン家は 神のご加護が あるのかもしれませんな。 51 00:04:31,838 --> 00:04:34,674 さらば ありがたきと おぼしながら➡ 52 00:04:34,674 --> 00:04:38,345 偶然ということもありましょう。 うん。 53 00:04:38,345 --> 00:04:42,516 我が身のことは ただ 幸運であったものと思います。 54 00:04:42,516 --> 00:04:44,518 はぁ…。 55 00:04:44,518 --> 00:04:49,189 せっかくの機会じゃ。 ここで その魔法を見せてもらえぬか? 56 00:04:49,189 --> 00:04:52,025 閣下のご希望であれば。 57 00:04:52,025 --> 00:04:56,029 では その布を こちらに向けて 広げていただけますか? 58 00:04:56,029 --> 00:04:58,031 おお よいとも。 59 00:05:05,972 --> 00:05:07,974 《転写!》 60 00:05:11,645 --> 00:05:14,481 (カドレチェク)お~! (ざわめき) 61 00:05:14,481 --> 00:05:16,817 これは すばらしい! はぁ…。 62 00:05:16,817 --> 00:05:19,986 (カドレチェク) なるほど 絵を描く魔法とは。 63 00:05:19,986 --> 00:05:23,657 いや 実に 見事! (ペイストリー)ありがとうございます。 64 00:05:23,657 --> 00:05:26,827 ああ…。 (ペイストリー)よろしければ その絵は➡ 65 00:05:26,827 --> 00:05:30,830 スクヮーレ=カドレチェク卿に 進呈いたします。 えっ? 66 00:05:30,830 --> 00:05:35,168 私と そして フバーレク辺境伯からとして。 67 00:05:35,168 --> 00:05:37,671 フバーレク辺境伯? 68 00:05:37,671 --> 00:05:40,507 今日は 来ておられぬようだが。 69 00:05:40,507 --> 00:05:43,176 もしや このご令嬢は…。 70 00:05:43,176 --> 00:05:48,682 はい。 フバーレク辺境伯の三女 姫君 ペトラ様です。 71 00:05:48,682 --> 00:05:51,851 こちらに伺う前…。 あっ。 父の魔法にて➡ 72 00:05:51,851 --> 00:05:56,189 フバーレク辺境伯の領地へ参り お会いしてまいりました。 73 00:05:56,189 --> 00:05:58,692 ご存じのとおり 辺境伯領は➡ 74 00:05:58,692 --> 00:06:01,962 隣国との小競り合いの 絶えない土地。 75 00:06:01,962 --> 00:06:05,632 ペトラ嬢も なかなか 領地から出られぬ身ゆえ➡ 76 00:06:05,632 --> 00:06:09,636 辺境伯より ご紹介を頼まれたしだいです。 77 00:06:09,636 --> 00:06:12,973 ペトラ嬢… ですか。 78 00:06:12,973 --> 00:06:15,809 かわいい人ですね。 79 00:06:15,809 --> 00:06:18,478 (ペイストリー/カセロール)フッ。 実は 来月➡ 80 00:06:18,478 --> 00:06:22,148 ペトラ嬢ご成人の祝いがございます。 えっ? 81 00:06:22,148 --> 00:06:26,820 スクヮーレ卿には ご友人として ぜひとも ご参加願いたく。 82 00:06:26,820 --> 00:06:29,656 いや それは…。 喜んで 伺いますとも! 83 00:06:29,656 --> 00:06:31,825 《この ばか孫め。 84 00:06:31,825 --> 00:06:35,328 立場を考えず ほいほい 返事しおって。 85 00:06:35,328 --> 00:06:38,832 ここまで露骨な緑談に 気付かんのか? 86 00:06:38,832 --> 00:06:44,504 この少年 子どもと見て 侮ってはならんようだ》 87 00:06:44,504 --> 00:06:47,007 来月の いつになるのですか? 88 00:06:47,007 --> 00:06:49,009 落ち着け スクヮーレ。 89 00:06:49,009 --> 00:06:51,845 お前は どうやって かの地へ赴くつもりじゃ? 90 00:06:51,845 --> 00:06:53,847 あっ。 91 00:06:53,847 --> 00:06:57,350 ご心配には及びません 閣下。 何? 92 00:06:57,350 --> 00:07:00,620 我が父が お力になれると存じます。 93 00:07:00,620 --> 00:07:02,956 そうでした! おじい様。 94 00:07:02,956 --> 00:07:05,959 モルテールン卿の魔法の力を お借りすれば➡ 95 00:07:05,959 --> 00:07:08,128 なんの問題もないと思いますが。 96 00:07:08,128 --> 00:07:10,130 んっ…。 97 00:07:10,130 --> 00:07:13,800 モルテールン卿 お願いしても よろしいでしょうか? 98 00:07:13,800 --> 00:07:15,802 お任せください。 99 00:07:15,802 --> 00:07:18,805 やれやれ…。 100 00:07:18,805 --> 00:07:20,807 (ペイストリー)閣下。 んっ? 101 00:07:22,809 --> 00:07:24,811 フバーレク卿におかれては➡ 102 00:07:24,811 --> 00:07:27,814 何やら 思惑が おありのご様子でした。 103 00:07:27,814 --> 00:07:29,816 思惑とな? 104 00:07:29,816 --> 00:07:33,153 恐らく 近隣の領地との 長年の小競り合いに➡ 105 00:07:33,153 --> 00:07:35,322 嫌気が差しておられるのでは。 106 00:07:35,322 --> 00:07:37,824 むっ 貴殿は どうみた? 107 00:07:40,994 --> 00:07:43,997 (ペイストリー)カドレチェク閣下の手にある 軍事力を 盾に➡ 108 00:07:43,997 --> 00:07:46,333 近隣の戦意を 大きく そぎ➡ 109 00:07:46,333 --> 00:07:49,035 小競り合いをなくす心積もりと みました。 110 00:07:51,004 --> 00:07:53,506 (ペイストリー) そのために ご息女のご縁を➡ 111 00:07:53,506 --> 00:07:55,508 結びたいのではないかと。 112 00:07:57,510 --> 00:07:59,512 なるほど。 113 00:07:59,512 --> 00:08:03,283 参考になった。 感謝する。 114 00:08:03,283 --> 00:08:06,786 あくまで 私の見解でございますが。 115 00:08:06,786 --> 00:08:09,789 せっかくのお誘いゆえ➡ 116 00:08:09,789 --> 00:08:12,959 私も 共に お祝いに参りましょう! 117 00:08:12,959 --> 00:08:16,129 孫にも 春が来るやもしれぬとなれば➡ 118 00:08:16,129 --> 00:08:20,967 国王陛下にも いい土産話になりましょうな! 119 00:08:20,967 --> 00:08:24,971 《周りの客たちの耳に入るように あえて 大声で…》 120 00:08:24,971 --> 00:08:28,808 お願いしますぞ モルテールン卿。 121 00:08:28,808 --> 00:08:31,811 かしこまりました。 122 00:08:31,811 --> 00:08:34,481 《国王陛下に伝えて➡ 123 00:08:34,481 --> 00:08:39,986 国家の方針を決めたうえで動く という意思表示か》 124 00:08:39,986 --> 00:08:41,988 うん。 125 00:08:41,988 --> 00:08:47,494 (話し声) 126 00:08:47,494 --> 00:08:49,996 ペイストリー=モルテールン卿。 127 00:08:49,996 --> 00:08:54,334 せっかくの このご縁 今後は スクヮーレと お呼びいただけるか? 128 00:08:54,334 --> 00:08:58,338 えっ? 堅苦しいのは どうも 苦手で。 129 00:08:58,338 --> 00:09:01,274 あっ 喜んで。 では 私のことは➡ 130 00:09:01,274 --> 00:09:04,444 ペイストリーと お呼びください。 そうしよう。 131 00:09:04,444 --> 00:09:07,614 ところで ペイストリー殿。 はい。 132 00:09:07,614 --> 00:09:11,785 (スクヮーレ)ペトラ嬢は どういった物が お好みなのだろう? 133 00:09:11,785 --> 00:09:13,787 花とか 食べ物とか。 134 00:09:13,787 --> 00:09:16,956 お好みの物… そうですね。 135 00:09:16,956 --> 00:09:20,126 私も 一度 お会いしただけですので…。 136 00:09:20,126 --> 00:09:22,128 んっ…。 137 00:09:22,128 --> 00:09:24,964 お菓子は お好きのようです。 お菓子? 138 00:09:24,964 --> 00:09:29,135 お会いしたとき 手作りの 焼き菓子を プレゼントしまして…。 139 00:09:29,135 --> 00:09:31,304 あっ じゃあ ペイストリー殿は➡ 140 00:09:31,304 --> 00:09:33,640 お菓子を作るのが 得意なのですか? 141 00:09:33,640 --> 00:09:35,975 はい! それは もう! 142 00:09:35,975 --> 00:09:41,648 お菓子を作っているときが 何より幸せでして! 143 00:09:41,648 --> 00:09:45,151 先日も 王都で仕入れたボンカを 使ったパイを…。 144 00:09:45,151 --> 00:09:49,155 (スクヮーレ)え~っと それは 別の機会に伺うとして。 145 00:09:51,324 --> 00:09:54,828 あっ… アハハ… 失礼をしました。 146 00:09:54,828 --> 00:09:57,997 それで あの…。 んっ? 147 00:09:57,997 --> 00:10:01,334 ペッ… ペイストリー殿に お願いがある! 148 00:10:01,334 --> 00:10:04,504 私にできることでしたら なんなりと。 149 00:10:04,504 --> 00:10:07,340 (スクヮーレ) あなたにしかできないかと。 150 00:10:07,340 --> 00:10:09,342 お菓子作りですか!? 151 00:10:11,344 --> 00:10:13,680 お任せください! それでは まず…。 152 00:10:13,680 --> 00:10:16,516 ペトラ嬢の絵ですが…。 はい? 153 00:10:16,516 --> 00:10:21,187 描き増しって できる? 描き増し? 154 00:10:21,187 --> 00:10:24,858 できれば もう少し 色っぽい物とか…。 155 00:10:24,858 --> 00:10:26,860 んっ…。 156 00:10:29,529 --> 00:10:33,833 《男ってのは いつの時代も どこの世界でも…》 157 00:10:39,205 --> 00:10:43,042 いくぞ! うん! 158 00:10:43,042 --> 00:10:45,378 (カセロール)食料と まきの支給➡ 159 00:10:45,378 --> 00:10:48,882 滞りなく 領民に行き渡っているようだな。 160 00:10:48,882 --> 00:10:52,886 (シイツ)元手は すべて モルテールン家から出てるんですぜ? 161 00:10:52,886 --> 00:10:55,889 ここまで 大将がやる必要が あったんで? んっ? 162 00:10:55,889 --> 00:10:57,891 どういうことだ? 163 00:10:57,891 --> 00:11:01,995 自分が出稼ぎしてまで 領民に金をやる領主なんて➡ 164 00:11:01,995 --> 00:11:04,664 聞いたこともないって話ですよ。 165 00:11:04,664 --> 00:11:07,167 格好よくはないかもしれんが➡ 166 00:11:07,167 --> 00:11:12,505 領民の生活を困窮させては 領主の面目が立たないだろう? 167 00:11:12,505 --> 00:11:17,677 まっ そんな甘さも 大将の いいところでしょうけどね。 168 00:11:17,677 --> 00:11:22,515 私が甘い分 シイツには これからも頼らせてもらうさ。 169 00:11:22,515 --> 00:11:26,186 俺には もう少し甘くしても 罰は当たらんでしょうに。 170 00:11:26,186 --> 00:11:28,188 フッ。 あっ。 171 00:11:28,188 --> 00:11:31,691 甘さが どうのと お菓子の話ですか? 172 00:11:31,691 --> 00:11:34,527 (シイツ/カセロール)違う。 (ペイストリー)な~んだ。 173 00:11:34,527 --> 00:11:36,529 (ドアの閉まる音) 174 00:11:36,529 --> 00:11:39,699 坊は す~ぐ お菓子の話になるな。 175 00:11:39,699 --> 00:11:42,869 フッ… 父様 手紙を預かってきました。 176 00:11:42,869 --> 00:11:44,871 そうか ご苦労。 177 00:11:44,871 --> 00:11:47,540 1通は カドレチェク公爵。 178 00:11:47,540 --> 00:11:50,710 もう1通は フバーレク辺境伯からです。 179 00:11:50,710 --> 00:11:53,613 あっ… うん。 180 00:11:58,885 --> 00:12:01,654 ふむ。 お2人は なんと? 181 00:12:01,654 --> 00:12:06,993 喜べ シイツ ペイス。 臨時収入が決まった。 182 00:12:06,993 --> 00:12:10,830 銀貨2万枚だそうだ。 そいつは すげえ! 183 00:12:10,830 --> 00:12:15,335 では スクヮーレ殿とペトラ様の婚約が 決まったのですか? 184 00:12:15,335 --> 00:12:18,838 (カセロール) ああ ペトラ嬢の成人に合わせて➡ 185 00:12:18,838 --> 00:12:22,342 内々に 婚約を発表するらしい。 186 00:12:22,342 --> 00:12:27,180 《何時間もかけて お見合い写真を 転写したかいがあった。 187 00:12:27,180 --> 00:12:29,682 何しろ あの写真➡ 188 00:12:29,682 --> 00:12:33,019 フバーレク辺境伯のOKが出るまで➡ 189 00:12:33,019 --> 00:12:36,689 丸2日 かかったからな。 190 00:12:36,689 --> 00:12:39,525 あ~…》 191 00:12:39,525 --> 00:12:43,529 前金として 別途 金貨30枚 送るそうだ。 192 00:12:43,529 --> 00:12:45,698 そいつは 気前がいい! 193 00:12:45,698 --> 00:12:49,035 でっかい屋敷でも建てますかね? 大将。 194 00:12:49,035 --> 00:12:53,539 ばか言え。 これは ペトラ嬢 警護のための資金だそうだ。 195 00:12:53,539 --> 00:12:55,541 んっ? 警護? 196 00:12:55,541 --> 00:12:58,378 王都で 成人のお披露目をするにあたり➡ 197 00:12:58,378 --> 00:13:03,149 私に 送迎と 王都滞在中の警護を 依頼したいそうだ。 198 00:13:03,149 --> 00:13:05,151 なるほどね。 199 00:13:05,151 --> 00:13:09,155 フバーレク家とカドレチェク家の縁談を 快く思わない連中は➡ 200 00:13:09,155 --> 00:13:11,658 たくさん いるでしょうからね。 201 00:13:11,658 --> 00:13:14,327 ああ。 特に 小競り合いを続けている➡ 202 00:13:14,327 --> 00:13:16,329 近隣国はな。 203 00:13:16,329 --> 00:13:19,332 でも 婚約は 内々で やるんでしょ? 204 00:13:19,332 --> 00:13:21,834 情報が漏れなければ…。 205 00:13:21,834 --> 00:13:24,170 教会ですね? あっ…。 206 00:13:24,170 --> 00:13:26,172 うん。 207 00:13:26,172 --> 00:13:30,343 どこの勢力にも付かないのが 教会の建前だが➡ 208 00:13:30,343 --> 00:13:34,514 大金が動けば 口が軽くなることもある。 209 00:13:34,514 --> 00:13:37,016 どこの勢力にも付かない分➡ 210 00:13:37,016 --> 00:13:41,020 あらゆる情報が集まっているのが 教会ですからね。 211 00:13:41,020 --> 00:13:43,856 ったく… やっかいな話だ。 212 00:13:43,856 --> 00:13:46,859 (カセロール)ペトラ嬢1人の 身の安全だけなら➡ 213 00:13:46,859 --> 00:13:49,529 私の瞬間移動を使えばいいが…。 214 00:13:49,529 --> 00:13:51,531 (ペイストリー)難しいですね。 215 00:13:51,531 --> 00:13:56,369 ペトラ嬢の世話役 護衛の家臣を 一緒に 王都に運ぶのは➡ 216 00:13:56,369 --> 00:13:58,705 父様でも 困難でしょう。 217 00:13:58,705 --> 00:14:03,309 つまり ペトラ嬢を 瞬間移動で 王都に送り届けたとして➡ 218 00:14:03,309 --> 00:14:06,312 その後の警護が 重要課題だな。 219 00:14:06,312 --> 00:14:09,148 そのための資金 ということでしょうね。 220 00:14:09,148 --> 00:14:11,484 けど 王都で 人手を募ろうにも➡ 221 00:14:11,484 --> 00:14:16,322 不穏分子が潜り込んでる可能性が 高いな。 うん。 222 00:14:16,322 --> 00:14:18,491 断っちまいますか? 223 00:14:18,491 --> 00:14:23,329 ばか言え。 国家の重鎮2人からの 信頼が得られるならば➡ 224 00:14:23,329 --> 00:14:26,666 領主として これほど 心強いことはない。 225 00:14:26,666 --> 00:14:31,838 我がモルテールン領の 発展のためにも 引き受けるしかないだろう。 226 00:14:31,838 --> 00:14:37,176 《そうだ この モルテールン領のためだけじゃない。 227 00:14:37,176 --> 00:14:41,681 僕の目指す お菓子の国を作る 未来のためにも➡ 228 00:14:41,681 --> 00:14:45,852 なんとか この任務を成功させなきゃ。 229 00:14:45,852 --> 00:14:50,690 そもそも 教会が 情報を 漏らす危険さえなければ…》 230 00:14:50,690 --> 00:14:52,859 教会…。 坊? 231 00:14:52,859 --> 00:14:55,361 教会が どうかしたか? ペイス。 232 00:14:55,361 --> 00:14:57,363 ペトラ嬢を お守りするのに➡ 233 00:14:57,363 --> 00:15:00,299 いい場所を思いつきました! 何? 234 00:15:00,299 --> 00:15:03,136 窓もなく 入り口は 1つ。 235 00:15:03,136 --> 00:15:05,805 頑丈な壁に囲まれた部屋。 236 00:15:05,805 --> 00:15:08,975 あっ 本聖別の儀を受けた部屋か。 237 00:15:08,975 --> 00:15:12,145 なるほど。 そりゃ いい考えだ! 238 00:15:12,145 --> 00:15:14,814 (ペイストリー)もともと 成人のお披露目のために➡ 239 00:15:14,814 --> 00:15:16,816 王都に行くのですから➡ 240 00:15:16,816 --> 00:15:20,319 聖別の儀を受けるのは 自然のことです。 241 00:15:20,319 --> 00:15:24,490 それが 長引いた ということにして…。 242 00:15:24,490 --> 00:15:28,327 婚約披露まで ペトラ嬢を閉じ込めとくわけだな。 243 00:15:28,327 --> 00:15:31,330 閉じ込めるなんて 聞こえが悪いですよ。 244 00:15:31,330 --> 00:15:34,667 外部の介入がないように 警護するんです。 245 00:15:34,667 --> 00:15:38,504 いけそうですね。 よし それで やってみよう。 246 00:15:38,504 --> 00:15:44,177 よっしゃ 外部の兵を雇うことなく 金貨30枚 ぼろもうけ! 247 00:15:44,177 --> 00:15:48,848 それと これ 行商人から 物資の代金の請求書です。 248 00:15:48,848 --> 00:15:52,018 処理願います。 わかった。 249 00:15:52,018 --> 00:15:54,187 では 失礼します。 250 00:15:54,187 --> 00:15:56,689 (カセロール)待て ペイス。 うっ…。 251 00:15:56,689 --> 00:16:00,626 なっ… なんでしょう? 父様…。 252 00:16:00,626 --> 00:16:05,631 この ボンカ1箱と 砂糖1樽 というのは なんだ? 253 00:16:05,631 --> 00:16:07,633 あっ。 254 00:16:07,633 --> 00:16:09,969 菓子作りだな? 坊。 255 00:16:09,969 --> 00:16:15,141 親の目を盗んで こんな大金を使い込んだのか? 256 00:16:15,141 --> 00:16:17,143 テヘッ。 257 00:16:17,143 --> 00:16:20,146 「テヘッ」じゃない! この ばか息子~! 258 00:16:20,146 --> 00:16:22,148 (ペイストリー)あ~! 259 00:16:22,148 --> 00:16:25,318 当分の間 小遣いなし! 260 00:16:25,318 --> 00:16:28,120 うっ うっ… うぅっ…。 261 00:16:34,660 --> 00:16:38,364 (フバーレク)カセロール卿 よくぞ お越しくださった。 262 00:16:40,666 --> 00:16:44,837 フバーレク卿自ら お出迎えとは 光栄です。 263 00:16:44,837 --> 00:16:47,673 今日は ご子息も おられるのですな。 264 00:16:47,673 --> 00:16:50,843 (カセロール) ご令嬢を お連れしますから。 265 00:16:50,843 --> 00:16:52,845 やむをえずとはいえ➡ 266 00:16:52,845 --> 00:16:56,349 長い時間 お待たせすることに なるやもしれません。 267 00:16:56,349 --> 00:17:00,786 年の近い者がいたほうが 退屈しないかと。 268 00:17:00,786 --> 00:17:02,788 《さすがに 9歳の息子が➡ 269 00:17:02,788 --> 00:17:06,459 作戦に参加するとは 言えないからな》 270 00:17:06,459 --> 00:17:08,794 ご無沙汰しております。 271 00:17:08,794 --> 00:17:11,964 このたびは ペイストリー殿の魔法のおかげで➡ 272 00:17:11,964 --> 00:17:14,467 良縁に恵まれた。 礼を言う。 273 00:17:14,467 --> 00:17:16,802 もったいないお言葉です。 274 00:17:16,802 --> 00:17:18,971 さあ 馬車の方へ。 275 00:17:18,971 --> 00:17:20,973 娘も すでに乗っております。 276 00:17:24,810 --> 00:17:29,815 (ペトラ)モルテールン卿 今日は どうぞ よろしくお願いいたします。 277 00:17:29,815 --> 00:17:34,320 ペトラ嬢 今日は いつにも増して お美しいですな。 278 00:17:34,320 --> 00:17:36,656 まあ お上手ですね。 279 00:17:36,656 --> 00:17:40,159 ペトラ様 お変わりなく 何よりです。 280 00:17:40,159 --> 00:17:44,997 ペイストリー様 この間は おいしい焼き菓子を ありがとう。 281 00:17:44,997 --> 00:17:48,668 お気に召していただけたのなら 作ったかいがあります。 282 00:17:48,668 --> 00:17:51,671 また 何かの折に 届けさせましょう。 283 00:17:51,671 --> 00:17:55,174 うれしい! あれ以来 夢に見るほどですのよ。 284 00:17:55,174 --> 00:17:57,176 本当に おいしくて。 285 00:17:57,176 --> 00:17:59,512 (ペイストリー)あれは 小麦粉を 練るときに ちょっとした…。 286 00:17:59,512 --> 00:18:01,447 あっ…。 (せきばらい) 287 00:18:01,447 --> 00:18:04,951 ペイス 急ぐぞ。 しっ… 失礼しました。 288 00:18:07,286 --> 00:18:10,456 リコリス様 お久しぶりです。 289 00:18:10,456 --> 00:18:14,293 (リコリス)ええ…。 リコ その挨拶は なんですか。 290 00:18:14,293 --> 00:18:17,964 わざわざ 遠いご領地から 来てくださったのに。 291 00:18:17,964 --> 00:18:19,966 ごめんなさい お姉様。 292 00:18:19,966 --> 00:18:22,969 私に謝っても しかたがないでしょう? 293 00:18:22,969 --> 00:18:26,806 ペイストリー様 お気を悪くされませんように。 294 00:18:26,806 --> 00:18:29,008 いいえ とんでもない。 295 00:18:32,478 --> 00:18:34,480 出発だ。 296 00:18:34,480 --> 00:18:37,316 (いななき) 297 00:18:37,316 --> 00:18:39,652 (ペトラ) 焼き菓子以外にも作れますの? 298 00:18:39,652 --> 00:18:42,488 (ペイストリー)もちろんです。 299 00:18:42,488 --> 00:18:46,492 私は ただのおまけだから…。 300 00:18:48,494 --> 00:18:50,663 <ペイストリー:今回の作戦は➡ 301 00:18:50,663 --> 00:18:53,332 まず 聖別の儀の名目で➡ 302 00:18:53,332 --> 00:18:57,670 辺境伯領地内の教会内へ 入る。 303 00:18:57,670 --> 00:19:02,608 そこから 王都の教会へ 瞬間移動で飛ぶ。 304 00:19:02,608 --> 00:19:05,444 王都でのお披露目の時間まで➡ 305 00:19:05,444 --> 00:19:08,447 聖別の儀を行う部屋に入り➡ 306 00:19:08,447 --> 00:19:12,118 ペトラ嬢を守るという流れだ> 307 00:19:12,118 --> 00:19:14,620 そうなんです。 そして ボンカ 一つ一つに…。 308 00:19:14,620 --> 00:19:18,624 やはり 娘に 危害を加えようとするやからが➡ 309 00:19:18,624 --> 00:19:20,626 動いているらしい。 310 00:19:20,626 --> 00:19:23,629 くれぐれも 頼みますぞ カセロール卿。 311 00:19:23,629 --> 00:19:25,798 はっ 私の部下も➡ 312 00:19:25,798 --> 00:19:29,301 向こうで すでに 準備を終えているころです。 313 00:19:29,301 --> 00:19:32,805 お嬢様は 必ず お守りいたします。 314 00:19:49,822 --> 00:19:52,825 (キャエラ)さあ お嬢様 着きましたわ。 315 00:19:52,825 --> 00:19:54,827 ええ。 んっ…。 316 00:19:54,827 --> 00:20:07,339 ♬~ 317 00:20:15,181 --> 00:20:17,183 《んっ… 来る!》 318 00:20:17,183 --> 00:20:19,518 (男性たち)でや~! 319 00:20:19,518 --> 00:20:23,689 ひぃっ! うっ! フッ! 320 00:20:23,689 --> 00:20:25,691 馬車の中だ! うっ! 321 00:20:25,691 --> 00:20:28,694 あっ! しまった! 322 00:20:28,694 --> 00:20:30,696 嫌~! キャー! お嬢様! 323 00:20:30,696 --> 00:20:33,199 もらった~! あっ…。 324 00:20:35,534 --> 00:20:38,037 あっ? ぐぐっ…。 325 00:20:38,037 --> 00:20:40,206 こっ… このがき! 326 00:20:40,206 --> 00:20:43,542 彼女たちには 指一本 触れさせません! 327 00:20:43,542 --> 00:20:45,544 あっ…。 328 00:20:45,544 --> 00:20:48,714 どりゃ~! フッ! 329 00:20:48,714 --> 00:20:51,050 うぅ~! 危ない! 330 00:20:51,050 --> 00:20:53,052 はぁ~! ハッ…。 331 00:20:53,052 --> 00:20:55,054 フッ! うぅっ…。 332 00:20:55,054 --> 00:20:57,056 あっ…。 フッ! 333 00:20:57,056 --> 00:20:59,558 フッ! 未熟な…。 334 00:20:59,558 --> 00:21:02,161 200年は修行して 出直せ! 335 00:21:02,161 --> 00:21:04,330 引け! くそ~! 336 00:21:04,330 --> 00:21:07,500 ハァ… うっ…。 うぅっ! 337 00:21:07,500 --> 00:21:09,668 父様 人間は➡ 338 00:21:09,668 --> 00:21:12,671 200年も 生きられないと思いますが。 339 00:21:12,671 --> 00:21:16,175 フン。 ならば 100年に まけておいてやるか。 340 00:21:16,175 --> 00:21:18,177 それも 無理かと。 341 00:21:18,177 --> 00:21:22,348 カセロール卿 ペイストリー殿 お見事! 342 00:21:22,348 --> 00:21:26,018 娘たちを守っていただき 感謝しますぞ。 343 00:21:26,018 --> 00:21:29,188 いいえ。 さあ 急ぎ 中へ。 うん。 344 00:21:29,188 --> 00:21:32,691 (おびえる声) 345 00:21:32,691 --> 00:21:35,694 さあ 行きましょう。 はい…。 346 00:21:35,694 --> 00:21:39,198 うっ… ハァ…。 347 00:21:39,198 --> 00:21:42,201 《無理もないか》 348 00:21:42,201 --> 00:21:44,203 (足音) 349 00:21:49,542 --> 00:21:55,381 地下って 初めて行くけど ずいぶん下まで 下りるのね。 350 00:21:55,381 --> 00:21:58,083 おっ… お姉様。 351 00:21:59,985 --> 00:22:01,987 あっ。 352 00:22:04,156 --> 00:22:08,661 大丈夫ですよ 僕たちが付いていますから。 353 00:22:08,661 --> 00:22:11,664 あっ… ああ…。